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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-24
(45)【発行日】2023-05-02
(54)【発明の名称】熱風循環式生ゴミ乾燥機
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/40 20220101AFI20230425BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20230425BHJP
   B09B 101/70 20220101ALN20230425BHJP
【FI】
B09B3/40
A61L9/014
B09B101:70
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022511174
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(86)【国際出願番号】 KR2020001547
(87)【国際公開番号】W WO2021010559
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2021-11-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0086435
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520203297
【氏名又は名称】ルフェン カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒジャ
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-290061(JP,A)
【文献】特開平05-185060(JP,A)
【文献】特開平08-309319(JP,A)
【文献】特開2003-047938(JP,A)
【文献】特開2000-093933(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0106711(KR,A)
【文献】国際公開第2009/038281(WO,A1)
【文献】特表2005-519758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ゴミ乾燥機であって、
全体としての外観を形成する収容箱を形成し、内部に乾燥空間が形成されて一部が外部に開放された本体部と、
前記本体部の開放された一部を閉鎖し、前記本体部に回動可能に取り付けられた前方ドアであって、上端部及び下端部を有し、前記上端部が前方に傾動可能となるように前記下端部が前記本体部にヒンジ結合される、該前方ドアと、
前記本体部の前記乾燥空間に配置され、生ゴミを内部に収容する乾燥容器であって、前記乾燥容器は、前記前方ドアの内面に形成された容器取付部に着脱可能に取り付けられ、前記乾燥容器の底の上側近傍には、網状の部材であるネットホルダーが取り付けられ、前記ネットホルダー上に載せられた生ゴミが含む水分の少なくとも一部が前記乾燥容器の底に落下可能に配置された、該乾燥容器と、
前記乾燥空間の空気を加熱することができるヒータを含み、前記乾燥空間内の空気を吸い込んだ後、前記ヒータによって加熱された空気を前記生ゴミに送風することで、前記乾燥容器に収容された前記生ゴミを熱風で乾燥させる空気循環ユニットと、
前記生ゴミの乾燥過程で気化された水蒸気を含む空気を、排気管を介して外部に排出し、前記ヒータによって加熱された空気を、送風管を介して前記乾燥空間に再循環させるように設けられた循環配管と、
前記本体部の外部に取り付けられ、前記循環配管を介して外部に排出される空気から悪臭粒子を吸着して脱臭することができる脱臭装置と、を備え、
前記空気循環ユニットは、外部電源によって第1中心軸を中心に回転する電気式モータと、前記モータに結合されて前記第1中心軸を中心に回転する送風ファンをなす、前記モータの下方に配置されているインペラーと、前記空気循環ユニットの下方に設けられた吸気口と、を含み、
前記インペラーが回転すると、前記吸気口を介して前記乾燥空間内の空気が吸入され、次いで前記循環配管に送風され、
前記脱臭装置は、活性炭とゼオライトを含む脱臭剤を含み、
前記排気管を介して外部に排出される空気流量に対する、前記送風管を介して前記乾燥空間に再循環される空気流量の比率は、1:3~1:6であり、
前記脱臭剤は、活性炭100重量部に対してゼオライト5~15重量部を含み、
前記本体部の内部に設けられて前記生ゴミを殺菌する紫外線ランプをさらに含み、
前記乾燥空間の温度を感知することができる温度センサをさらに備え、前記温度センサが感知した前記乾燥空間の温度が予め設定された温度を超えた場合には、前記ヒータの作動が中止され、
前記脱臭剤は、銅(Cu)、マンガン(Mn)、水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化カリウム(KOH)が担持された活性炭を含み、
前記脱臭剤は、水1Lに5,000~80,000mgのマンガン(Mn)、5,000~200,000mgの銅(Cu)、100~10,000mgの水酸化ナトリウム(NaOH)及び100~10,000mgの水酸化カリウム(KOH)を溶解させた後、常温で平均粒子サイズが0.5~1.5mmである活性炭と平均粒子サイズが2~7mmであるゼオライトを添加して担持させ、それを脱水した後に90~120℃で乾燥させて形成されたものであることを特徴とする、生ゴミ乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ゴミ乾燥機に係り、特に、生ゴミの乾燥過程で気化されて蒸発する水蒸気発生量を一定に保持し、悪臭粒子の吸着、脱臭性能を向上させる生ゴミ乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、家庭で発生した生ゴミ(Food Waste)は、主に埋め立てる方式で処理しており、深刻な環境汚染を誘発しており、しかも腐敗によるひどい悪臭を伴って、周辺環境はもとより、生活環境の全般にわたって多くの環境汚染問題を発生させる主犯として作用している。
【0003】
そのような問題を解決するために生ゴミ処理機と生ゴミ乾燥機などが開発されてきたが、従来の生ゴミ処理機は、微生物を用いた醗酵方式を用いて生ゴミを処理しており、生ゴミの処理便宜性に優れるという長所があるが、微生物の保持、管理に多少難点があり、微生物にのみ全面的に頼っており、生ゴミ処理速度が遅いという問題点がある。
【0004】
従来の生ゴミ乾燥機は、生ゴミを風や熱によって乾燥させる装置であって、乾燥した生ゴミは、肥料として使用するか、埋め立てる方式で処理する。
【0005】
前記生ゴミ乾燥機に係わる先行技術の一例として、特開平9-159358号があるが、それを参照すれば、乾燥機の内部に収容されている収容箱の上部に送風機を配置し、前記乾燥機の内部には、送風機からの送風を生ゴミに循環導入させるように空気の循環流路を形成している。
【0006】
したがって、前記送風機と空気の循環流路によって発生した循環空気流が生ゴミの表層部を広範囲に繰り返して乾燥しており、自然乾燥に比べて乾燥効率を高めている。
【0007】
しかし、前記先行技術による生ゴミ乾燥機は、別途の熱線やヒータを備えておらず、生ゴミの乾燥処理速度が比較的遅いという問題点があり、別途の脱臭装置を備えておらず、生ゴミの臭いを下水溝を介して排出せねばならないので、シンク周りにのみ設置可能であるという場所の制限があり、排出された生ゴミの臭いが下水溝に沿って逆流する場合もたまに発生しており、悪臭による被害事例が増加する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記問題を解決するために案出されたものであって、その目的は、生ゴミの乾燥過程で気化されて蒸発する水蒸気の発生量を一定に保持し、悪臭粒子の吸着、脱臭性能を向上させるように、その構造が改善された生ゴミ乾燥機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明による生ゴミ乾燥機は、内部に乾燥空間が形成されて一部が外部に開放された本体部;前記本体部の開放された一部を閉鎖する前方ドア;前記本体部の乾燥空間に配置され、生ゴミを内部に収容する乾燥容器;前記乾燥空間の空気を加熱することができるヒータを含み、前記乾燥空間にある空気を吸い込んだ後、前記ヒータによって加熱された空気を前記生ゴミに送風することで生ゴミを乾燥させうる空気循環ユニット;前記生ゴミの乾燥過程で気化された水蒸気を含む空気は、排気管を介して外部に排出させ、前記ヒータによって加熱された空気は、送風管を介して前記乾燥空間に再循環させうるように設けられている循環配管;及び前記本体部の外部に取り付けられて前記循環配管を介して外部に排出される前記空気から悪臭粒子を吸着して脱臭することができる脱臭装置;を備え、前記脱臭装置は、活性炭とゼオライトを含む脱臭剤を含むことを特徴とする。
【0010】
ここで、前記排気管を介して外部に排出される空気流量に対する、前記送風管を介して乾燥空間に再循環される空気流量の比率は、1:3~1:6であることが望ましい。
【0011】
ここで、前記脱臭剤は、活性炭100重量部に対してゼオライト5~15重量部を含むことが望ましい。
【0012】
ここで、前記脱臭剤は、銅(Cu)、マンガン(Mn)、水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化カリウム(KOH)が担持された活性炭を含むことが望ましい。
【0013】
ここで、前記脱臭剤は、水1Lに5,000~80,000mgのマンガン(Mn)、5,000~200,000mgの銅(Cu)、100~10,000mgの水酸化ナトリウム(NaOH)及び100~10,000mgの水酸化カリウム(KOH)を溶解させた後、常温で平均粒子サイズが0.5~1.5mmである活性炭と平均粒子サイズが2~7mmあるゼオライトを添加して担持させ、それを脱水及び90~120℃で乾燥して形成されたことが望ましい。
【0014】
ここで、前記本体部内部に設けられて生ゴミを殺菌する紫外線ランプを含むことが望ましい。
【0015】
ここで、前記乾燥空間の温度を感知することができる温度センサを備え、前記温度センサが感知した乾燥空間の温度が既設定の温度を超過する場合には、前記ヒータの作動が中止されることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内部に乾燥空間が形成されて一部が外部に開放された本体部;前記本体部の開放された一部を閉鎖する前方ドア;前記本体部の乾燥空間に配置され、生ゴミを内部に収容する乾燥容器;前記乾燥空間の空気を加熱することができるヒータを含み、前記乾燥空間にある空気を吸い込んだ後、前記ヒータによって加熱された空気を前記生ゴミに送風することで生ゴミを乾燥させうる空気循環ユニット;前記生ゴミの乾燥過程で気化された水蒸気を含む空気は排気管を介して外部に排出させて、前記ヒータによって加熱された空気は送風管を介して前記乾燥空間に再循環させうるように設けられている循環配管;及び前記本体部の外部に取り付けられて前記循環配管を介して外部に排出される前記空気から悪臭粒子を吸着して脱臭することができる脱臭装置;を備え、前記脱臭装置は、活性炭とゼオライトを含む脱臭剤を含むので、生ゴミの乾燥過程で気化されて蒸発する水蒸気発生量を一定に保持し、前記脱臭剤による悪臭粒子の吸着、脱臭性能を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例による生ゴミ乾燥機の斜視図である。
図2】図示された生ゴミ乾燥機の前方ドアの開状態を示す図面である。
図3図1に図示された生ゴミ乾燥機の部分切開図である。
図4図1に図示された生ゴミ乾燥機の垂直断面図である。
図5図1に図示された生ゴミ乾燥機の脱臭装置を示す図面である。
図6図5に図示されたフィルタの垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例による生ゴミ乾燥機の斜視図であり、図2は、図1に図示された生ゴミ乾燥機の前方ドアの開状態を示す図面である。図3は、図1に図示された生ゴミ乾燥機の部分切開図である。
【0020】
図1ないし図3を参照すれば、本発明の望ましい実施例による生ゴミ乾燥機100は、熱風を使用して生ゴミFを乾燥させうる装置であって、本体部10、前方ドア20、空気循環ユニット30、循環配管40、紫外線ランプ50、及び脱臭装置60を備えて構成される。
【0021】
本体部10は、生ゴミ乾燥機100の全体としての外観を形成するケースであって、生ゴミFを乾燥する乾燥空間11が内部に形成されており、乾燥空間11の一部が外部に開放された形態を有する。
【0022】
本実施例では、本体部10が方形からなって内部に乾燥空間11が形成され、前面は外部に開放されたように示されているが、これは、一例であって、上部または側面を外部に開放して使用することもできるので、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0023】
本体部10の前面上端部には、生ゴミ乾燥機100を作動させるためのスイッチ部12が設けられている。
【0024】
スイッチ部12は、電源スイッチ、生ゴミ乾燥機100の動作状態を示すランプ、紫外線ランプ50を駆動するためのスイッチ、紫外線ランプ50の動作状態を示すランプなどを含んでもよい。
【0025】
本体部10には、乾燥空間11の温度を感知することができる温度センサ(図示せず)が取り付けられており、温度センサが感知した乾燥空間11の温度が既設定の温度を超過する場合には、後述するヒータ33の作動が中止される。
【0026】
本実施例では、温度センサが感知した乾燥空間11の温度が50℃を超過する場合、ヒータ33の作動が中止される。
【0027】
前方ドア20は、本体部10の開放された前方部を閉鎖するドアであって、図2に図示されたように把持部21、ストッパ22、及び乾燥容器23を含む。
【0028】
前方ドア20は、本体部10の開放された一部を覆い、普段は、生ゴミから発生した悪臭粒子を含む空気が大気中に漏れないように密閉し、必要時には、本体部10の内部乾燥空間11を開放して生ゴミを、後述する乾燥容器23に収容可能にする。
【0029】
把持部21は、前方ドア20の上端部に設けられた部分であって、ユーザが前方ドア20を開閉するとき、把持可能な部分である。
【0030】
本実施例では、把持部21は、左右に長く延びた溝部の形態に設けられている。
【0031】
前方ドア20は、下端部が本体部10にヒンジ結合されているので、図2に図示されたように下端部を中心に上端部が前方に回転されることで開放される構造を有する。
【0032】
ストッパ22は、前方ドア20が過度に開放されることを防止するための拘束装置である。
【0033】
ストッパ22は、一対が設けられて前方ドア20の下端部両側にそれぞれ取り付けられている。
【0034】
乾燥容器23は、生ゴミFを内部に収容することができる収容空間24を有する容器であって、本体部10の乾燥空間11に配置される。
【0035】
本実施例において、前方ドア20の内面には、乾燥容器23がかかって取り付けられる容器取付部231が形成されている。
【0036】
容器取付部231は、図4に図示されたように上方が開放された溝状に設けられている。
【0037】
乾燥容器23の上端部には、容器取付部231に脱着可能に設けられたフック部232が形成されている。
【0038】
すなわち、本実施例において、乾燥容器23は、前方ドア20の内面に脱着可能に結合されている構造を有するので、図2に図示されたように前方ドア20が開放されれば、乾燥容器23が自然に外部に露出されうる。
【0039】
前方ドア20と本体部10との間には、前方ドア20の閉鎖時、本体部10内部の乾燥空間11と外部とを完全に隔離すると共に、前方ドア20と本体部10との接触過程での不要なノイズの発生を予防するように気密材(図示せず)が取り付けられている。
乾燥容器23の底には、図2及び図4に図示されたようにネットホルダー25が取り付けられている。
【0040】
ネットホルダー25は、多数の通気孔を備えた網状の部材であって、乾燥容器23の底と既設定の間隔ほど離隔された状態で配置されている。
【0041】
したがって、ネットホルダー25上に載せられた生ゴミFが含んでいる多量の水分は、自然に乾燥容器23の底に落下し、生ゴミFの塊のみネットホルダー25上に残り、生ゴミの乾燥効率を高めることができる。
【0042】
また、ネットホルダー25上に載せられた生ゴミFの下面にも熱風が接触可能な肯定的効果も発生する。
【0043】
一方、乾燥容器23の内部には、生ゴミの誘電率変化を測定することができる誘電センサ(図示せず)が取り付けられている。
【0044】
誘電センサ(図示せず)は、後述するヒータ33とインペラー32の駆動を制御するためのセンサである。
【0045】
ここで、誘電センサ(図示せず)は、電磁波を用いて誘電率変化を測定するためのセンサであり、生ゴミに含まれた水分を通じて誘電緩和周波数の変化程度を計算して水蒸気の発生量を知ることができる。
【0046】
すなわち、水蒸気の発生量が少なければ、誘電緩和周波数が増加することで、生ゴミに多量の水分があると判断してヒータ33の駆動を持続し、水蒸気の発生量が多ければ、誘電緩和周波数が低くなることにより、ヒータ33を停止させる機能がある。
【0047】
誘電率が高いという意味は、基本的に電気エネルギーがよく伝達されるという意味として、例えば、誘電率の低い土では電気がよく通らず、電磁波はよく透過するが、水分に濡れて誘電率が上昇した土壌の場合には、徐々に電気が通り始め、電磁波はよく透過されない。
【0048】
このような性質を用いた誘電センサ(図示せず)を装着して使用することで、低費用で正確性を高めることができる。
【0049】
したがって、そのような誘電センサ(図示せず)を通じて生ゴミの誘電率変化を測定して水蒸気の発生量を把握することで、ヒータ33及びインペラー32の駆動を制御し、それを通じて乾燥空間11の温度と風量とを調節して生ゴミの乾燥効率はもとより、水蒸気の発生量を一定に保持し、後述する脱臭装置の脱臭能を同時に高めることができる。
【0050】
空気循環ユニット30は、乾燥空間11内の空気を吸い込んだ後、加熱して生ゴミFに送風する装置であって、モータ31、インペラー32、ヒータ33、及び吸気口34を含む。
【0051】
モータ31は、外部電源によって第1中心軸C1を中心に回転する電気式モータである。
【0052】
インペラー32は、モータ31に結合されて第1中心軸C1を中心に回転する送風ファンであって、図4に図示されたようにモータ31の下方に配置されている。
【0053】
インペラー32が回転すれば、空気循環ユニット30の下方に設けられた吸気口34を通じて乾燥空間11にある空気が吸入された後、循環配管40に送風される。
【0054】
ヒータ33は、外部電源によって発熱して乾燥空間11にある空気を加熱するための装置であって、本実施例では、PTCヒータ(Positive Temperature Coefficient Heater)を含んでおり、PTCヒータの設定温度は、約60~70℃が望ましい。
【0055】
PTCヒータは、周辺温度によって発熱量が相対的に増減するセンサ方式のヒータであって、自動車などで多く使用されている。
【0056】
本実施例において、ヒータ33は、インペラー32と後述する送風管41の間に配置されている。
【0057】
吸気口34は、空気循環ユニット30の内部で空気を吸い込むための孔であって、インペラー32と連通されている。
【0058】
本実施例において、吸気口34は、図4に図示されたように乾燥空間11の上端部に配置されており、生ゴミの乾燥過程で熱風によって生ゴミが沸き立ってインペラー32に浸透することを予防するように網状に形成されている。
【0059】
循環配管40は、インペラー32から送風される空気の一部は、外部に排出させ、他の一部は、再び乾燥空間11で再循環させるための配管である。循環配管40は、送風管41、及び排気管42を含む。
【0060】
送風管41は、インペラー32から送風されてヒータ33によって加熱された空気を再び乾燥空間11に再循環させるための配管である。
【0061】
送風管41の一端部は、インペラー32と連通されており、送風管41の他端部は、乾燥空間11の上端部と連通されている。
【0062】
排気管42は、インペラー32から送風される空気の一部を外部に排出させるための配管である。
【0063】
排気管42の一端部は、インペラー32と連通されており、排気管42の他端部は、脱臭装置60と連通されている。
【0064】
本実施例において、送風管41の一端部と排気管42の一端部は、互いに隣接するように配置されている。
【0065】
したがって、循環配管40を通じて、生ゴミFの乾燥過程で気化された水蒸気を含む空気は、外部に排出させ、ヒータ33によって加熱された空気は、再び乾燥空間11に再循環させうる。
【0066】
ここで、排気管42を介して外部に排出される空気流量に対する、送風管41を通じて乾燥空間11に再循環される空気流量の比率は、1:3~1:6であることが望ましい。本実施例における空気流量の比率は、約1:4である。
【0067】
空気流量の比率が1:3未満である場合には、生ゴミFに伝達される熱量が減少し、脱臭装置60の処理能力に負担が増加する問題点があり、空気流量の比率が1:6超過である場合には、生ゴミFに伝達される熱量は増加するが、外部に排出される水分の量が減少してエネルギー消費が増加する問題点が発生する。
【0068】
紫外線ランプ50は、生ゴミを殺菌するための紫外線(UV)ランプであって、本実施例では、UV-LEDが使用されている。
【0069】
紫外線ランプ50は、図4に図示されたように乾燥空間11の上端部に取り付けられている。
【0070】
本実施例において紫外線ランプ50は、生ゴミ乾燥機100の電源スイッチを押せば、自動的に既設定の時間ほど作動した後、自動で消えるように設定されている。例えば、最初5時間作動後に消えるように設定することができる。
【0071】
紫外線ランプ50は、スイッチ部12に設けられた別途のスイッチを使用して強制的に作動させるか、作動中止させうる。
【0072】
脱臭装置60は、循環配管40を介して外部に排出される空気から悪臭粒子を吸着して脱臭することができる脱臭装置であって、本体部10の裏面に脱着可能に取り付けられている。この脱臭装置60は、ケース61とフィルタ65とを含んでいる。
【0073】
ケース61は、フィルタ65を収容することができるケースであって、外部ケース611と内部ケース612とを含む。
【0074】
外部ケース611は、図4に図示されたように内部ケース612を取り囲むように配置されたケースである。
【0075】
外部ケース611の一端部には、排気管42と連通されている流入口63が形成されている。
【0076】
流入口63は、図4に図示されたように排気管42に脱着可能に結合されうる。
【0077】
内部ケース612は、外部ケース611と既設定の距離ほど離隔された状態で外部ケース611の内部に配置されたケースである。本実施例において、内部ケース612は、一対が設けられている。
【0078】
内部ケース612の内部には、フィルタ65を脱着可能に収容することができるフィルタ収容孔613が設けられている。
【0079】
フィルタ収容孔613の下端部は、フィルタ65を支持し、空気が通過するように開口されている。
【0080】
外部ケース611と内部ケース612との間の空間には、排気管42から排出される空気が移動する空気移動路62が形成されている。
【0081】
空気移動路62は、一端部が流入口63と連通されており、他端部は、フィルタ65の下端部と連通されている。
【0082】
フィルタ65がフィルタ収容孔613に挿入された状態で、蓋部材64を使用してフィルタ65が内部ケース612から離脱しないように固定する。
【0083】
蓋部材64は、内部に中空641を有する部材であって、内部ケース612の上端部に螺合される。
【0084】
中空641を通じてフィルタ65の上端部に位置した網部材651が外部に露出されうる。
【0085】
フィルタ65は、活性炭とゼオライトを含む脱臭剤652を内部に含むフィルタである。
【0086】
本実施例において、フィルタ65は、図6に図示されたように円筒状に設けられ、上端部と下端部には、空気が貫通することができる網部材651がそれぞれ配置されている。
【0087】
したがって、フィルタ65の内部に充填された脱臭剤652は、網部材651を通過することができず、フィルタ65の内部に収容された状態を保持することができる。
【0088】
図6に図示されたように空気移動路62にある空気は、フィルタ65の下端部を通じて流入され、脱臭剤652を経て脱臭された後、フィルタ65の上端部を介して外部に排出される。
【0089】
生ゴミ乾燥機100で発生する悪臭は、生ゴミに起因するので、含水量が高く、酸性悪臭と塩基性悪臭とを同時に有している。
【0090】
したがって、脱臭装置60に内蔵される脱臭剤652は、高い瞬間吸着能及び水分の存在時、高い選択的吸着能を有さねばならず、塩基性悪臭及び酸性悪臭をいずれも吸着、酸化、及び中和させねばならない。
【0091】
本発明では、そのような脱臭剤652として活性炭を選択し、円滑な排出ガスの流れと脱臭剤652の吸着能とを考慮して、平均粒子サイズを0.5~1.5mmにした。
【0092】
これは、粒子サイズが0.5mm未満であれば、排出ガスの流れに影響があり、生ゴミ乾燥機100の内部温度が上昇する傾向があり、1.5mmを超過すれば、排出ガスの流れが速くなり、悪臭が容易には吸着、酸化及び/または中和されない。
【0093】
また、本発明では、脱臭効率及び酸性悪臭を除去するために、活性炭に銅(Cu)、マンガン(Mn)、水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化カリウム(KOH)を担持させて使用する。
【0094】
すなわち、粒子サイズを有する活性炭を本発明による生ゴミ乾燥機100に適用した結果、初期吸着によって悪臭が発生しないが、一定時間(約3日以上)経過後には、酸性臭を発生させる短所がある。
【0095】
したがって、本発明では、脱臭性能及び酸性悪臭を除去するために、銅(Cu)及びマンガン(Mn)のような金属と水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化カリウム(KOH)のような中和剤を活性炭に担持させて使用する。
【0096】
本発明によれば、強力な酸化力を有するマンガン(Mn)は、酸化物形態に添加され、その使用量は、5,000~80,000mg/Lが望ましく、5,000mg/L未満であれば、酸化力が低下し、80,000mg/Lを超過すれば、過飽和となり、それ以上溶解されない傾向がある。
【0097】
銅(Cu)も、酸化物形態に添加され、優秀な酸化力及び優秀なアンモニア脱臭能を有する。その使用量は、5,000~200,000mg/Lが望ましく、5,000mg/L未満であれば、脱臭能が低下し、200,000mg/Lを超過すれば、添加効果に影響がない。
【0098】
水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化カリウム(KOH)は、酸性悪臭を中和させる目的で添加され、その使用量は、それぞれ100~10,000mg/Lが望ましく、100mg/L未満であれば、中和機能が弱く、10,000mg/Lを超過すれば、添加効果に影響がない。
【0099】
このように本発明による脱臭剤652は、活性炭に酸化力が非常に強く、脱臭成分に優れた金属であるマンガン及び銅と中和剤として水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを担持させて脱臭効能と酸性悪臭の除去を上昇させうる。
【0100】
活性炭の使用量は、処理される生ゴミの量に比例する。例えば、一般的な生ゴミ100gを乾燥させるとき、活性炭の使用量は、100~500g程度が望ましいが、生ゴミの種類によって使用量は変化されうる。
【0101】
本実施例では、水1Lに成分を溶解させた後、活性炭及び平均粒子サイズが2~7mmであるゼオライトを常温で添加して担持させ、それを脱水させた後、活性炭の形状に変化を与えつつ、迅速な乾燥を行うために、約90~120℃で乾燥させて脱臭剤652を得る。
【0102】
ここで、脱臭剤652は、活性炭100重量部に対してゼオライト5~15重量部を含む。
【0103】
本発明において、成分を活性炭及びゼオライトに常温で担持させる理由は、高温で溶解させて担持させれば、活性炭の気孔構造が変化されるだけではなく、冷却されて常温に復帰するとき、粒子が形成されて活性炭の表面積を低下させる原因として作用するからである。
【0104】
ゼオライト(zeolite)は、長石(feldspar)類鉱物の一種であって、内部にあるナノサイズの細孔中に水分子をいっぱい満たしている。該ゼオライトを加熱すれば、無機物である鉱石は沸かないが、内包された水分子が蒸発して水蒸気を発生させるが、その形状がまるで沸くように見えて、ギリシャ語で[沸く(zeo)石(lithos)]という意味で名付けられた鉱石である。
【0105】
ゼオライトは、現在、様々な検証を経て[CageやChannel構造を有する結晶性ケイ酸アルミニウム]と定義されている。ゼオライトは、触媒、吸着剤、洗剤の添加剤、飼料の添加剤、土質改良剤として多く使用され、天然と合成、総200余種が存在していることが知られている。
【0106】
一般的に界面において特定物質の濃度が増加する現象を吸着(adsorption)とし、界面だけではなく、界全体において濃度が均一に増加すれば、吸収(Absorption)として吸着と区分する。微細孔が緻密に発達された固体では、細孔面を境界面とすれば、吸着質が表面に吸着されたと言えるが、全体としては吸着質が界面に均一に広がっている。このように吸着と吸収とを区別し難い場合を収着(Sorption)と称する。ゼオライトで観察される吸着現象は、ほとんど収着と分類せねばならない場合が多いが、慣例上、吸着と称する。
【0107】
ゼオライトの長所は、高温では安定しているということである。活性炭や炭が多孔性は良いが、400℃を超えれば、燃焼される短所があるが、一方、ゼオライトは、燃焼されないという長所があり、熱処理を通じて容易に吸着されたものを脱着し、再び新たなものを吸着することができる。吸着において重要な比表面積も、炭:250~300m/g、活性炭:800~1000m/gに比べて、天然ゼオライト:300~600m/g、合成ゼオライト:800~900m/g程度と相当高い。本実施例において、脱臭剤652が合成ゼオライトを含んでいる。
【0108】
以下、上述した構成の生ゴミ乾燥機100が作動する原理の一例を説明する。
【0109】
まず、生ゴミFを乾燥容器23に収容した状態で前方ドア20を閉め、スイッチ部12を操作すれば、本体部10の後方で延びた電気線などを通じて外部電源が供給され、本体部10内部の乾燥空間11に取り付けられた空気循環ユニット30が駆動される。
【0110】
インペラー32の駆動によって発生した空気は、ヒータ33で発熱した熱を含めて送風管41に移送され、送風管41を通じて乾燥容器23に入れられた生ゴミFに送風されて生ゴミを乾燥する。
【0111】
この過程で、誘電センサ(図示せず)は、熱風によって乾燥される生ゴミの誘電率変化を測定して乾燥空間11の水蒸気の発生量を把握して、ヒータ33とインペラー32との駆動を制御する。
【0112】
ヒータ33を通じる乾燥過程で気化されて蒸発される水蒸気を含む空気は、循環配管40の空気循環によって排気管42に供給され、該排気管42に供給された水蒸気を含む空気は、本体部10後方に取り付けられた脱臭装置60に供給され、内蔵された脱臭剤652に吸着される。該脱臭剤652の交換周期は、少なくとも3ヶ月以上、通常、6ヶ月程度である。
【0113】
したがって、脱臭剤652に悪臭が吸着されたきれいな空気は、フィルタ65の上端部に位置した網部材651を介して大気中に排気される。
【0114】
上述した構成の生ゴミ乾燥機100は、内部に乾燥空間11が形成されて一部が外部に開放された本体部10;本体部10の開放された一部を閉鎖する前方ドア20;本体部10の乾燥空間11に配置され、生ゴミを内部に収容する乾燥容器23;乾燥空間11の空気を加熱することができるヒータ33;を含み、乾燥空間11内の空気を吸い込んだ後、ヒータ33によって加熱された空気を生ゴミに送風することで、生ゴミを乾燥させうる空気循環ユニット30;生ゴミの乾燥過程で気化された水蒸気を含む空気は、排気管42を介して外部に排出させ、ヒータ33によって加熱された空気は、送風管41を通じて乾燥空間11で再循環させるように設けられた循環配管40;本体部10の外部に取り付けられて循環配管40を介して外部に排出される空気から悪臭粒子を吸着して脱臭することができる脱臭装置60;を備え、脱臭装置60は、活性炭とゼオライトとを含む脱臭剤652を含むので、生ゴミの乾燥過程で気化されて蒸発する水蒸気発生量を一定に保持し、脱臭剤652による悪臭粒子の吸着、脱臭性能を向上させるという長所がある。
【0115】
そして、生ゴミ乾燥機100は、排気管42を介して外部に排出される空気流量に対する、送風管41を通じて乾燥空間に再循環される空気流量の比率は、1:3~1:6なので、生ゴミFに伝達される熱量と脱臭装置60の処理効率を最適化し、生ゴミFの乾燥性能を最大化させるという長所がある。
【0116】
また、生ゴミ乾燥機100は、脱臭剤652が、活性炭100重量部に対してゼオライト5~15重量部を含むので、活性炭のみ使用した場合に比べて、脱臭効果を増大させるという長所がある。
【0117】
そして、生ゴミ乾燥機100は、脱臭剤652が、銅(Cu)、マンガン(Mn)、水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化カリウム(KOH)が担持された活性炭を含むので、活性炭のみ使用した場合に比べて、酸性悪臭の除去効率を増加させるという長所がある。
【0118】
また、生ゴミ乾燥機100は、脱臭剤652が、水1Lに5,000~80,000mgのマンガン(Mn)、5,000~200,000mgの銅(Cu)、100~10,000mgの水酸化ナトリウム(NaOH)及び100~10,000mgの水酸化カリウム(KOH)を溶解させた後、常温で平均粒子サイズが0.5~1.5mmである活性炭と平均粒子サイズが2~7mmであるゼオライトを添加して担持させ、それを脱水した後に90~120℃で乾燥して形成するので、製造過程で活性炭の気孔構造が変化されず、活性炭の表面積が減少しないという長所がある。
【0119】
そして、生ゴミ乾燥機100は、本体部10内部に設けられて生ゴミを殺菌する紫外線ランプ50を含むので、生ゴミFに存在することができる各種の細菌を脱臭過程以前に予め除去することができるという長所がある。
【0120】
また、生ゴミ乾燥機100は、乾燥空間11の温度を感知することができる温度センサ(図示せず)を備え、温度センサが感知した乾燥空間11の温度が既設定の温度を超過する場合には、ヒータ33の作動が中止されるので、ヒータ33の過熱を防止して電気エネルギーの使用を最小化させるという長所がある。
【0121】
以上、本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施例に記載された内容に限定されるものではなく、当該技術分野の通常の知識を有する者によって修正または変更された等価の構成は、本発明の技術的思想の範囲を外れないものであるということは明白である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6