IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社クニトミの特許一覧

特許7268263ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット。
<>
  • 特許-ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット。 図1
  • 特許-ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット。 図2
  • 特許-ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット。 図3
  • 特許-ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット。 図4
  • 特許-ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット。 図5
  • 特許-ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット。 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット。
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/088 20060101AFI20230426BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20230426BHJP
   B23Q 11/12 20060101ALI20230426BHJP
   B24B 27/00 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
E01C23/088
B23Q11/00 M
B23Q11/12 A
B24B27/00 L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021163111
(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公開番号】P2023029160
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2021-08-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512131092
【氏名又は名称】有限会社クニトミ
(72)【発明者】
【氏名】國富 光弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 郁夫
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-010608(JP,A)
【文献】実開昭56-021082(JP,U)
【文献】米国特許第05882086(US,A)
【文献】特開2005-061184(JP,A)
【文献】特開平01-174709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 23/088
B23Q 11/00
B23Q 11/12
B24B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
さらにカッターユニットの強制空冷と、切削粉の回収、トラックの清掃・集塵にも使用を可能にするため、請求項1に記載した内容に加え、回転ディスク部にクロスフローフアン用翼を具備した、ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全天候型の陸上競技用トラック、テニスコートなどの表面補修工事に主に使用するウレタン舗装表面切削機用カッターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ウレタン舗装表面研削フロアーサンダー研削機に使用されているサンダーのサンドペーパーが雨天の場合切損するため作業は中止となり研削効率も悪くウレタン切削粉の中に砥粒が混入する。
【0003】
湿式ウレタン舗装表面切削機に使用されているカッターユニットは、ウレタン切削粉を含んだ汚水が排水溝や河川へ流出する。
【0004】
乾式ウレタン舗装表面切削機に使用されているカッターユニットは雨天の場合切削粉が回収口などに溶着するため作業中止となる。
【0005】
機械本体の幅に比べカッター幅が狭い為、現場端部隅々までの表面切削加工が出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-248871 ドラム型のカッターユニット
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ウレタンが蒸気や熱などにより加水分解など変質しやすくウレタンの切削粉が回収口に溶着やウレタンのリサイクルなどに支障があり切削熱による切削用チップの温度上昇を抑えることの出来ないことが問題としてある。
【0008】
ウレタン舗装表面切削機用カッターの現場端部隅々まで表面切削加工が出来ないことが問題としてある。
【0009】
ウレタン舗装表面切削機用カッターの強制空冷と切削粉の回収、トラック等の清掃・集塵に使用出来ないことが問題としてある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ウレタン舗装表面切削機用カッターユニットはFr、Rrのメインカッター2軸で構成し、外周に等角度で切削用チップを取付けた回転ディスク部と空冷流路部を交互に所定間隔を空けて複数列設け、未切削部が残らないようにメインカッター2軸の回転ディスク部と空冷流路部は千鳥に配置、メインカッター自体の回転とウレタン舗装表面切削機が有する切削粉回収用ブロアーによる空気の流れで回転ディスクと切削用チップを空冷する、ウレタン舗装表面切削機用カッターユニットにする。
【0011】
現場端部隅々まで表面切削加工が出来る着脱式サイドカッターを機械本体の側面のメインカッターの軸端に設ける。
【0012】
ウレタン舗装表面切削機用カッターの強制空冷と切削粉の回収、トラック等の清掃・集塵にも使用する為、回転ディスク部にクロスフローフアン用翼を具備する。
【発明の効果】
【0013】
切削用チップ取り付回転ディスクの2軸千鳥分散と空冷によりウレタン舗装表面切削加工時の切削熱による回転ディスクと切削用チップの温度上昇を抑えられ、ウレタンの変質の少ないリサイクル可能なチップ状の切削粉が回収出来、ウレタン切削粉が回収ダクトに溶着など不具合が無く雨天でも作業可能となる。
【0014】
機械本体の側面のメインカッターの軸端に取付ける着脱式サイドカッターで現場端部隅々まで舗装表面切削加工が出来る。
【0015】
クロスフローフアン用翼を具備することにより回転ディスクと切削用チップの強制空冷と切削粉の回収を始め、切削加工作業前後の清掃・集塵など活用が広がる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ウレタン舗装表面切削機用カッターユニット上面図。
図2】ウレタン舗装表面切削機用メインカッター駆動軸側側面図。
図3】ウレタン舗装表面切削機用着脱式サイドカッター側側面図。
図4】ウレタン舗装表面切削機用メインカッター表面切削状態 およびクロスフローフアン用翼による冷却空気の流れ状態図。
図5】ウレタン舗装表面切削機用サイドカッター表面切削状態 およびクロスフローフアンよう翼による冷却空気の流れ状態図。
図6】ウレタン舗装表面切削機用カッターユニットの使用例 および歯付プーリ、両面歯付ベルトの使用例。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1から図6を参照しながら、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0018】
図6に示すウレタン舗装表面切削機は全天候型の陸上競技用トラック、テニスコートなどの表面補修工事に主に使用するもので電動機またはエンジンで図1、2に示すメインカッターFr1,Rr2を有しているウレタン舗装表面切削機用カッターユニットを駆動し舗装表面を切削する。切削粉はウレタン舗装表面切削機が有する切削粉回収用ブロアーで吸引し切削粉回収袋に回収する。
【0019】
図1図2に示すメインカッターFr1、Rr2は舗装表面を切削するもので、2軸の外周に等角度で切削用チップ5を取付けた回転ディスク部1a、2aを所定間隔空けて複数列設け、切削熱の放熱と空冷のため空冷流路部1d、2dは各回転ディスクの間隙部に設ける。図1に示すように未切削部が残らないようにメインカッターFr1が有する回転ディスク部1a・空冷流路部1dとメインカッターRr2が有する回転ディスク部2a・空冷流路部2dは千鳥に配置する。
【0020】
回転転ディスク部1a、1bと切削用チップ5の冷却はメインカッター自体の回転と機械本体に設ける切削粉回収用ブロアーによる空気が所定間隔を空けて複数列設けた空冷流路部を流れて空冷する。
【0021】
メインカッターFr1、Rr2の例えば回転ディスク部1a、2aの幅10mm、空冷流路部1d、2dの幅10mmとすると回転ディスク部の間隔は20mmとなり、切削用チップ5の幅12.7mmとすると表面切削は7.3mm未切削となる。
【0022】
メインカッターFr1、Rr2の未切削部を無くする為、例えば2軸の回転ディスク部1a、2aと空冷流路部1d、2dを10mmずらし千鳥に配置しメインカッターFr1で12.7mm、メインカッターRr2で未切削部の7.3mm切削する。(図4参照)
【0023】
メインカッターFr1、Rr2は図1に示すように両端を軸受6で支え、回転方向は切削粉を2軸の中間の切削粉回収口に効率よく集めるためメインカッター駆動軸側側面図2から見てメインカッターFr1は反時計回転、メインカッターRr2は時計回転とする。(図4参照)
【0024】
メインカッターの駆動は例えば電動機またはエンジンを駆動源としメインカッターFr1、Rr2の駆動軸部1b、2bに歯付プーリを取付け、両面歯付ベルトのS字掛けで反時計回転、時計回転にする。(図6参照)
【0025】
着脱式サイドカッター3,4は現場端部隅々まで表面切削加工を可能にするためのもので、図1に示すように回転ディスク部3a、4aおよび空冷流路部3b、4bはメインカッター1,2に準じた構想で、メインカッターFr1、Rr2の着脱式サイドカッター取付け軸部1c、2cに組付ける。
【0026】
着脱式サイドカッターの回転ディスク部3a、4aはメインカッターの回転ディスク1a、2aの外径より数ミリ大きく形成されており、現場端部隅々までの表面切削加工時にはメインカッターは空転している。回転方向はメインカッターと同じで切削粉を回収口に集める。現場端部隅々まで表面切削加工作業の無い時は取外して保管する。(図5参照)
【0027】
切削用チップ5はウレタン舗装表面切削の要で、適切なすくい角をとり、例えば靭性の高い超硬にCVD法(化学蒸着法)によって薄膜をコーティングし高硬度・耐摩耗性・低切削抵抗などに優れた切削用チップを使用する。
【0028】
切削用チップ5は図2図3に示すよう4コーナー使用可能な切削用チップを切削チップ取付けネジ5aで取付け切削チップ5のコーナーが損耗した場合順次切替え、長期に安定して使用が出来るものとしコーナー全て損耗した場合切削用チップ5を交換する。
【0029】
クロスフローフアン用翼1e、2e、3c、4cは図1、2、3に示すように例えばフラットバーを湾曲状にプレス成形、またはパイプを等角度で分割した形状で幅は数十ミリ、長さはメインカッター1、2の全幅、着脱式サイドカッター3、4の全幅とする。
【0030】
クロスフローフアン用翼は図2,3に示すように回転ディスク部1a、2a,3a、4aの切削用チップ5の取り付面の背面に空気をすくうように頂部を回転ディスク部の回転方向と反対側に張出させ、クロスフローフアン用翼がウレタン舗装表面に当たらないように外周を切削用チップのより数ミリ内寄りに取付ける。
【0031】
カッターユニットを駆動するとクロスフローフアン用翼により空気は多列の空冷流路部をほぼ均等に流れ、回転ディスク部と切削用チップの強制空冷とともに切削粉の回収を促進し、切削加工作業前後の清掃・集塵など活用が出来る。
【符号の説明】
【0032】
1・・・メインカッターFr
1a・・・メインカッターFr回転ディスク部
1b・・・メインカッターFr駆動軸部
1c・・・メインカッターFrサイドカッター取付け軸部
1d・・・メインカッターRr空冷流路部
1e・・・メインカッターFrクロスフローフアン用翼
2・・・メインカッターRr
2a・・・メインカッターRrディスク部
2b・・・メインカッターRr駆動軸部
2c・・・メインカッターRrサイドカッター取付け軸部
2d・・・メインカッターRr空冷流路部
2e・・・メインカッターRrクロスフローフアン用翼
3・・・サイドカッターFr
3a・・・サイドカッターFr回転ディスク部
3b・・・サイドカッター空冷流路部
3c・・・サイドカッターFrクロスフローフアン用翼
4・・・サイドカッターRr
4a・・・サイドカッターRr回転ディスク部
4b・・・サイドカッターRr空冷流路部
4c・・・サイドカッターRrクロスフローフアン用翼
5・・・切削用チップ
5a・・・切削用チップ取付けネジ
6・・・軸受け
図1
図2
図3
図4
図5
図6