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特許7268280アマンタジン系硝酸エステル誘導体の製造プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】アマンタジン系硝酸エステル誘導体の製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   C07C 209/62 20060101AFI20230426BHJP
   C07C 209/00 20060101ALI20230426BHJP
   C07C 209/84 20060101ALI20230426BHJP
   C07C 211/38 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
C07C209/62
C07C209/00
C07C209/84
C07C211/38
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021513946
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2019000178
(87)【国際公開番号】W WO2020052179
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】201811060724.X
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519420067
【氏名又は名称】チンタオ ハイラン ファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】ユーチアーン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジュヨン リウ
(72)【発明者】
【氏名】イェウェイ スン
(72)【発明者】
【氏名】ザイジュン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ガオシャオ ジャン
【審査官】鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/057140(WO,A2)
【文献】中国特許出願公開第107365255(CN,A)
【文献】国際公開第2010/067252(WO,A1)
【文献】特表2017-521482(JP,A)
【文献】Med. Chem. Commun.,2017年,Vol.8,p.135-147,(Supplementary informationを含む)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 209/00-209/90
C07C 211/38
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダマンタノールを合成し、すなわち、原料アダマンタンを液体臭素とブロモ化した後、シュウ酸ナトリウムで加水分解してアダマンタノールを得るステップ(1)と、
アダマンタノールをカルボキシル化し、すなわち、アダマンタノールをKoch-Haff反応させて、ギ酸と縮合し、アダマンタン酸を得るステップ(2)と、
アダマンタン酸をアミド化し、すなわち、アダマンタン酸をRitter反応させてアセトニトリルと縮合し、アセトアミドアダマンタン酸を得るステップ(3)と、
還元し、すなわち、アセトアミドアダマンタン酸を水素化ホウ素ナトリウムで還元して、アセトアミドアダマンタノールを得るステップ(4)と、
アセトアミドアダマンタノールを加水分解し、アミノ基をBoc保護し、すなわち、アセトアミドアダマンタノールを強アルカリで加水分解してアシル基を除去した後、無水Boc酸と縮合するステップ(5)と、
Boc保護アマンタジンアルコールを結晶化し、すなわち、Boc縮合反応生成物をn-ヘキサンにて結晶化してスラリー化し、Boc保護アマンタジンアルコールを得るステップ(6)と、
Boc保護アマンタジンアルコールを硝酸エステル化し、すなわち、アミノ基がBoc保護されたアマンタジンアルコールを低温で発煙硝酸と無水酢酸との混合試薬である硝化試薬と反応させ、硝酸エステル化生成物であるBoc保護アマンタジン硝酸エステルを得るステップ(7)と、
硝酸エステル化生成物を精製し、すなわち、硝酸エステル化生成物をアルコールに溶解し、水を加えて結晶化し、スラリー化するステップ(8)と、
アミノ基を脱保護して塩形成し、すなわち、得られた硝酸エステル化合物をHClで加水分解してBoc保護基を除去し、アマンタジン硝酸エステル塩酸塩を得るステップ(9)と、
アマンタジン硝酸エステル塩酸塩を精製し、すなわち、得られたアマンタジン硝酸エステル塩酸塩をメタノールに溶解し、濾過して濃縮させ、メタノールの一部を蒸発除去した後、酢酸エチルを加えて結晶化し、スラリー化して遠心分離し、精製アマンタジン硝酸エステル塩酸塩を得るステップ(10)とを含み、
前記ステップ(5)は、加水分解のための反応溶媒がポリエチレングリコールであり、前記ステップ(7)では、モル比で、前記Boc保護アマンタジンアルコール:無水酢酸:発煙硝酸=1:1.08~1.8:1.68~2.8であり、前記ステップ(9)では、モル比で、前記得られた硝酸エステル化合物:塩酸=1:5~10であり、
前記原料アダマンタンは以下の構造(A)を有する、ことを特徴とする工業生産用のアマンタジン系硝酸エステル誘導体の製造プロセス。
【化1】
(式中、R、Rは同一又は異なり、それぞれ水素、直鎖又は分岐鎖アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基である。)
【請求項2】
アダマンタノールを合成するステップ(1)は、具体的には、
前記アダマンタンを液体臭素と反応させ、ブロモ化アダマンタンを得るブロモ化ステップ1aと、
シュウ酸ナトリウムと水を反応系に加えて、75℃で還流し、加水分解してアダマンタノールを得る加水分解ステップ1bとを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項3】
アダマンタノールをカルボキシル化するステップ(2)は、具体的には、
ステップ(1)の生成物をギ酸に溶解して、0~10℃に冷却した濃硫酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、0~10℃で保温して3~6h反応させ、反応液を氷水に注入して、16~18h撹拌し、吸引濾過し、濾過ケーキ固体を水洗した後、水酸化ナトリウム溶液0.27Xで溶解して吸引濾過し、濾液を5~10%塩酸でpH=1~2に酸性化した後、吸引濾過し、濾過ケーキを濾液が中性となるまで水洗した後、40~50℃でベークし、アダマンタン酸を得るステップを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項4】
アダマンタン酸をアミド化するステップ(3)は、具体的には、
濃硫酸を0~10℃に冷却した後、アダマンタン酸を加えて、撹拌して溶解した後、硝酸を緩やかに滴下し、次にアセトニトリルを滴下し、0~10℃で保温して2~3h反応させ、反応液を氷水に注入して16~18h撹拌した後、吸引濾過し、濾過ケーキを水洗して、40~50℃でベークし、アセトアミドアダマンタン酸を得るステップを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項5】
還元するステップ(4)は、具体的には、
ステップ(3)の生成物をテトラヒドロフランに加えて、0~10℃に冷却し、トリエチルアミンをバッチ式で加え、添加終了後、クロロギ酸エチルを滴下して、室温で4~6h反応させ、濾過して濾過ケーキをテトラヒドロフランで洗浄し、テトラヒドロフランを合併して0~10℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウムをバッチ式で加え、次に水0.8~1Xを緩やかに滴下して、2~3h反応させ、水5Xを加えて濾過し、濾液を回転蒸発により乾燥させた後、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチルを合併して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して回転蒸発により乾燥させた後、酢酸エチル1.5~2.5Xを加えて、均一に撹拌した後、等体積の石油エーテルを加えて16~18h撹拌し、吸引濾過して、濾過ケーキを40~50℃で乾燥させ、アセトアミドアダマンタノールを得るステップを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項6】
アセトアミドアダマンタノールを加水分解し、アミノ基をBoc保護するステップ(5)は、具体的には、
アセトアミドアダマンタノールと強アルカリとを5~10倍体積のポリエチレングリコールに順次加えて、100~180℃の高温で10~18h加水分解し、冷却後、精製水を加えて希釈し、均一に撹拌した後、水層をトルエンで抽出して、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過して、濾液を濃縮させる加水分解ステップ5aと、
反応aにより得られた油状生成物をジクロロメタンに溶解して、無水Boc酸を加え、20~30℃で1~5h縮合し、反応終了後、濃縮させてジクロロメタンを除去する縮合ステップ5bとを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項7】
Boc保護アマンタジンアルコールを結晶化するステップ(6)は、具体的には、
反応残留油状液にn-ヘキサンを加えて2~3h撹拌し、遠心分離後、得られた固体n-ヘキサン洗浄し、40~50℃で16~18h乾燥させ、Boc保護アマンタジンアルコールを得るステップを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項8】
硝酸エステル化反応させるステップ(7)は、具体的には、
温度を-10℃~10℃に制御し、発煙硝酸と無水酢酸を混合して硝化試薬を得て、ステップ(6)で得られた固体生成物をジクロロメタンに溶解し、温度を-10℃~10℃に制御して、硝化試薬をジクロロメタン溶液に滴下して15min~6h反応させ、完全に反応した後、氷水を加えて反応をクエンチングし、水層を分離して、有機層を10倍体積の飽和炭酸水素ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液のそれぞれで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過してジクロロメタンを濃縮させ、Boc保護アマンタジン硝酸エステル粗製品を得るステップを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項9】
硝酸エステル化生成物を精製するステップ(8)の過程は、具体的には、
ステップ(7)で得られた油状物をアルコールに溶解し、水を加えて結晶化し2~3hスラリー化し、吸引濾過後40~50℃で乾燥させて、精製生成物を得るステップを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項10】
アミノ基を脱保護して塩形成するステップ(9)の過程は、具体的には、
ステップ(8)で得られた生成物を酢酸エチルに溶解し、温度を10~30℃に制御して、HCl/酢酸エチルを加え、16~18h撹拌し、吸引濾過してベークし、アマンタジン硝酸エステル塩酸塩を得るステップを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項11】
アマンタジン硝酸エステル塩酸塩を精製するステップ(10)は、
ステップ(9)で得られた生成物をメタノールに溶解し、吸引濾過して、濾液を濃縮させ、酢酸エチルを加えて結晶化しスラリー化し、吸引濾過後、所定重量まで乾燥させ、精製アマンタジン硝酸エステル塩酸塩を得るステップを含む、請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項12】
前記ステップ(1)は、
アダマンタンが1モルに対して臭素のモル比が2~6モル、反応温度が60℃~90℃、反応時間が4~6時間であるブロモ化ステップ(1a)と、
ブロモ化アダマンタンが1モルに対してシュウ酸ナトリウムのモル比が2.5~6.0モル、水が23~35モル、反応時間が2~3時間であるステップ(1b)とをもち、
前記ステップ(1)の後に、反応液に3~5倍の亜硫酸ナトリウム溶液を加え、室温で16~18時間撹拌した後、濾過し、得られた濾過ケーキを水で洗浄した後、3~8倍の有機溶媒で溶解し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、得られた濾過ケーキを2~4倍の有機溶媒で洗浄し、減圧下で遠心脱水して、固体としてのアダマンタノールを得ることからなる後処理工程を有する、
請求項2に記載の製造プロセス。
【請求項13】
前記ステップ(2)は、アダマンタノールが1モルに対して、ギ酸が6~10モル、濃硫酸が11~16モルである請求項3に記載の製造プロセス。
【請求項14】
前記ステップ(3)は、アダマンタン酸が1モルに対して、硝酸が1.6~2.5モル、硫酸が9~15モル、アセトニトリルが1.1~1.5モルで反応させ、
前記ステップ(4)は、アセトアミドアダマンタン酸が1モルに対して、トリエチルアミンが1.2~1.5モル、クロロギ酸エチルが1.2~1.5モル、水素化ホウ素ナトリウムが1.5~2.5モルで反応させる、
請求項1に記載の製造プロセス。
【請求項15】
前記加水分解ステップ5aは、
前記強アルカリとして、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムを用い、
アセトアミドアダマンタノールが1モルに対して、強アルカリが5~10モル、反応温度が100~180℃で、反応時間が15~16時間であり、
得られた前記油状生成物に対して、5~10倍の体積のジクロロメタン、無水Boc酸が油状生成物が1モルに対して1.05~1.5モル、反応時間が1~5時間である、
請求項6に記載の製造プロセス。
【請求項16】
前記ステップ(6)は、原料の5~9倍の体積のn-ヘキサンを用いる請求項7に記載の製造プロセス。
【請求項17】
前記ステップ(7)は、
前記ステップ(6)で得られた固体生成物が1モルに対して、無水酢酸が1.08~1.8モル、発煙硝酸が1.68~2.8モルからなるニトロ化試薬を反応させ、
これらのニトロ化試薬は、-10~10℃で調製され、0.5~1時間撹拌され、反応温度は0~10℃、反応時間は15分~6時間である請求項8に記載の製造プロセス。
【請求項18】
前記ステップ(8)は、
前記アルコールとしてメタノール又はエタノールを用い、
前記ステップ(7)で得られた油状物の質量を基準として、前記アルコールが2~5倍量、水が3~8倍量用い、
前記ステップ(7)で得られた油状物が前記アルコールに完全に溶解した後、水の一部を加え、白色固体が析出するまで撹拌した後、さらに0.5~1時間撹拌し、残りの水を1~2時間撹拌しながら加え、且つ、温度を20~30℃に制御するステップである、
請求項9に記載の製造プロセス。
【請求項19】
前記ステップ(9)は、
前記HCl/酢酸エチル中のHCl濃度が2.0~4.37Mであり、
前記ステップ(8)で得られた生成物を質量比で3~6倍量の酢酸エチルに溶解した後、前記ステップ(8)で得られた生成物が1モルに対して、5~10モルのHClを含み、反応温度が20~30℃、反応時間が16~18時間である、
請求項10に記載の製造プロセス。
【請求項20】
前記ステップ(10)の前記濾液を濃縮する工程は、系内に0.5~1.0倍のメタノールが残存するよう40~50℃の範囲で行い、
前記スラリー化する工程は、前記ステップ(9)で得られた生成物の質量を基準として、メタノールが2.5~3倍量、酢酸エチルが15~25倍量で、2~3時間行い、
前記所定の重量まで乾燥する工程は、45~50℃で行う、
請求項11に記載の製造プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬技術分野に属し、薬物合成方法に関し、特にアマンタジン系硝酸エステル誘導体の製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
アマンタジン及びその誘導体は様々な生物活性を有し、医薬分野で広く利用されている。メマンチン(1,3-ジメチルアマンタジン、Memantine)はNMDA受容体の非競争的拮抗薬であり、現在主に中等度から重度のアルツハイマー病(Alzheimer’s Disease、AD)の治療に用いられている。メマンチンは、NMDA受容体イオンチャネル内の結合部位と結合することにより、K、Ca2+などのイオンの内部流れを遮断し、神経保護の役割を果たす。メマンチンは、NMDA受容体に対する結合が可逆的であり、適度な解離速度を有し、薬理作用を発揮することを保証でき、またチャネル内に蓄積して受容体の正常な生理機能に影響することを回避することを保証できる(Lipton et al., Journal of neurochemistry. 2006, 97: 1611-1626)。また、メマンチンは、NMDA受容体に対する結合が電圧依存性を呈し、ニューロンが脱分極する時にだけ受容体と結合することができ、そのため、病理条件下でニューロンが持続的に脱分極する時のNMDA受容体の活性化を遮断することができるが、正常な生理条件下でNMDA受容体の活性化を遮断しない(Wenk et al., CNS drug reviews. 2003, 9(3): 275-308; McKeage., Drugs & aging. 2010, 27(2): 177-179)。
【0003】
一酸化窒素(NO)は生体内で様々な生物活性を持つ。ラジカルガスであるNOは、1つの不対電子を有し、化学的性質が非常に不安定であり、ラジカルと非常に容易に結合するため、ラジカルの数を低減し、酸性化損傷による生体組織への損傷を低減することができる。また、シグナル分子としてのNOは、心脳血管系においても多重作用を発揮している。内因性NOは血管拡張因子の1つであり、血管平滑筋細胞内のグアニル酸シクラーゼに作用することにより血管拡張を促進し、血圧を低下させる。また血小板細胞に入り、その活性を低下させ、それにより血小板細胞の凝集と血管内皮への接着を抑制し、血栓形成を予防し、アテローム性動脈硬化を防止することもできる。ニトログリセリン、ニトロプルシド、一硝酸イソソルビドなどのNOを放出し得る小分子薬物は、臨床上の様々な疾患の治療に広く応用されている。
【0004】
アマンタジン硝酸エステル(II)は、本出願人が独自に設計・開発した小分子NOドナー化合物(CN105294450)である。初歩的な薬理研究により、このような化合物はメマンチンと類似する作用を果たし、グルタミン酸によるNMDA受容体の過度の活性化を効果的に拮抗して、カルシウムイオンの内部流れを抑制して、大脳皮質内のラジカルを除去することによって大脳皮質ニューロンを効果的に保護できる一方、NOを高効率に放出し、動脈血管を拡張させることもできることを見出した(Liu et al., MedChemComm., 2017, 8, 135-147)。
【化1】
(式中、R、Rは同一又は異なり、それぞれ水素、直鎖又は分岐鎖アルキル基、置換又は未置換のアリール基、アリールヘテロ基、置換又は未置換のエステル基、置換のアミノ基であってもよく、Zは硝酸エステル基に連結される直鎖又は分岐鎖炭素鎖であり、Z上にはヘテロ原子、アルキル基、アリール基、アリールヘテロ基が置換されてもよく、含まれる炭素数が0~6である。好ましくは、前記アルキル基はC1~C10アルキル基である。)
【0005】
このような化合物は、様々な神経系又は神経-血管系疾患のラットモデルにおいて良好な治療効果を示す。その中でも、化合物MN-08(III)は虚血性脳卒中によるラット脳梗塞面積や脳浮腫などの症状を著しく低下させることができ、また、血管性認知症ラットの記憶能力障害及び行動障害を明らかに改善することができ、さらに、モノクロタリン誘導肺動脈高圧ラットの肺動脈圧を低下させ、肺動脈血管の再構築と右心室肥大を抑制することができる。さらに、MN-08はくも膜下出血、緑内障などの疾患モデルラットにも優れた効果を有する。
【化2】
【0006】
したがって、完全に独自の知的財産権を有する全く新しい候補新薬分子として、MN-08及びアマンタジン硝酸エステル誘導体は広い開発将来性と巨大な現実的及び経済的意義を有する。
【0007】
前期に、本出願人はこのような化合物の実験室小試験規模合成方法について探究を行った(CN105294450)。このプロセスでは、置換又は未置換のアダマンタンを原料として、ブロモ化して加水分解し、アダマンタノールを得る。アダマンタノールをRitter反応させてアダマンタン酸を得て、さらにKoch-Haff反応させてアセトアミドアダマンタン酸を得る。該化合物についてカルボキシル基を還元してアセトアミドアダマンタンメタノールを得る。置換又は未置換のアセトアミドアダマンタノールをジエチレングリコール(15~20vol)を溶媒とし、高使用量の水酸化ナトリウムを加えて高温で加水分解する。加水分解生成物を、テトラヒドロフランを溶媒として、トリエチルアミン及びDMAPの条件下で、無水Boc酸と縮合する。縮合生成物を発煙硝酸と無水酢酸とを混合した硝化試薬で硝化し、最後にHClによりBoc基を除去してアマンタジン硝酸エステルを得る(下記式)。
【化3】
(式中、R、Rは同一又は異なり、それぞれ水素、直鎖又は分岐鎖アルキル基、置換又は未置換のアリール基、アリールヘテロ基であってもよい。)
【0008】
このプロセスは合成過程において、各試薬や溶媒の使用量の配合比に対して最適化が不十分であり、臭素、水酸化ナトリウム、硫酸、硝酸などの強酸強アルカリ反応試薬の使用量が大きすぎて、試薬の浪費をもたらして、経済コストを増大する一方、環境保護の負荷を向上させ、さに、各ステップの反応後の化合物の精製はシリカゲルカラムによる分離精製であり、このため、工業的な量産には適さない。
【0009】
さらに重要なのは、本願発明の研究過程において、発明者が後述するプロセスについて拡大パイロット試験の過程の研究開発を行った結果、従来の実験室小試験規模合成方法の上記の限界を発見したことである。本発明者らは、エチルアマンタジン硝酸エステルに対する後続プロセスの拡大パイロット試験の過程において、硝化反応時、実験室小試験プロセスの使用量で反応し、硝化剤としての発煙硝酸と無水酢酸の配合比を原料:AcO:HNO=1:1.8:2.8とすると、反応速度が非常に速く、完全な反応が容易であり、迅速に副生成物(III)に変換し、反応のインプロセス制御時間内に大部分が副生成物(1.5h)に変換され、硝酸エステルの収率が60~70%から18%程度に低下し、最終的に硝酸エステル中間体の分離精製ができず、製造に失敗する。したがって、従来のプロセスでは、硝化試薬の使用量は工業的生産に適しておらず、更なる改善が必要であった。
【化4】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、従来のプロセスの欠点に対して、プロセスを最適化させることにより、強酸強アルカリなどのさまざまな反応試薬の使用量を低下させ、エネルギー消費量を低下させ、生産コストを削減させる一方、後処理過程を工業的生産により適するように最適化させることであり、最も重要なのは、硝化試薬中の発煙硝酸及び無水酢酸の使用量を調整することで、適切なプロセスでの使用量を決定し、反応速度が生産プロセスのニーズを満たせるようにし、副生成物の生成を低減させ、化合物の後処理過程を簡素化させることであり、効率が高く、経済的であり、環境にやさしく、安全で、信頼でき、工業的生産に適しているアマンタジン硝酸エステルの製造プロセスを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の目的は、効率が高く、経済的であり、環境にやさしく、安全で、信頼でき、工業的生産に適しているアマンタジン硝酸エステルの製造プロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の前記アマンタジン硝酸エステルの製造プロセスは、具体的には、アダマンタノールを合成するステップ(1)と、アダマンタノールをカルボキシル化するステップ(2)と、アダマンタン酸をアミド化するステップ(3)と、還元するステップ(4)と、アミドアダマンタノールを加水分解し、アミノ基をBoc保護するステップ(5)と、Boc保護アマンタジンアルコールを結晶化するステップ(6)と、アミドアダマンタノールを硝酸エステル化するステップ(7)と、硝酸エステル化生成物を精製するステップ(8)と、Bocを除去して塩形成するステップ(9)と、アマンタジン硝酸エステル塩酸塩を精製するステップ(10)と、を含む。
【化5】
(式中、R、Rは同一又は異なり、それぞれ水素、直鎖又は分岐鎖アルキル基、置換又は未置換のアリール基、アリールヘテロ基であってもよい。)
【0013】
上記製造プロセスでは、原料としてのアダマンタンは、以下の構造(A)を有する。
【化6】
(式中、R、Rは同一又は異なり、それぞれ水素、直鎖又は分岐鎖アルキル基、置換又は未置換のアリール基、アリールヘテロ基である。)
【0014】
本発明のさまざまな実施形態によれば、上記製造プロセスは、下記技術的特徴を含んでもよい。
【0015】
上記製造プロセスでは、アダマンタノールを合成する前記ステップ(1)は、具体的には、
アダマンタンをブロモ化し、すなわち、置換又は未置換のアダマンタンを液体臭素と還流して4~6h反応させ、ブロモ化アダマンタンを得るステップaと、
ブロモ化アダマンタンを加水分解し、すなわち、シュウ酸ナトリウムと水を反応系に加え、75℃で還流して加水分解し、置換又は未置換のアダマンタノールを得るステップbとを含む。
【0016】
上記製造プロセスでは、アダマンタン酸を合成する前記ステップ(2)は、具体的には、ステップ(1)の生成物であるアダマンタノールをギ酸に溶解して、0~10℃に冷却した濃硫酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、0~10℃で保温して3~6h反応させ、反応液を氷水に注入して、16~18h撹拌し、吸引濾過し、濾過ケーキ固体を水洗した後、水酸化ナトリウム溶液0.27Xで溶解して吸引濾過し、濾液を5~10%塩酸でpH=1~2に酸性化した後、吸引濾過し、濾過ケーキを濾液が中性となるまで水洗した後、40~50℃でベークし、化合物アダマンタン酸を得るステップを含む。
【0017】
上記製造プロセスでは、アダマンタン酸をアミド化する前記ステップ(3)は、具体的には、濃硫酸を0~10℃に冷却した後、原料化合物としてアダマンタン酸を加えて、撹拌して溶解した後、硝酸を緩やかに滴下し、次にアセトニトリルを滴下し、0~10℃で保温して2~3h反応させ、反応液を氷水に注入して16~18h撹拌した後、吸引濾過し、濾過ケーキを水洗して、40~50℃でベークし、化合物アセトアミドアダマンタン酸を得るステップを含む。
【0018】
上記製造プロセスでは、還元する前記ステップ(4)は、具体的には、ステップ(3)の生成物をテトラヒドロフランに加えて、0~10℃に冷却し、トリエチルアミンをバッチ式で加え、添加終了後、クロロギ酸エチルを滴下して、室温で4~6h反応させ、濾過して濾過ケーキをテトラヒドロフランで洗浄し、テトラヒドロフランを合併して0~10℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウムをバッチ式で加え、次に水0.8~1Xを緩やかに滴下して、2~3h反応させ、水5Xを加えて濾過し、濾液を回転蒸発により乾燥させた後、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチルを合併して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して回転蒸発により乾燥させた後、酢酸エチル1.5~2.5Xを加えて、均一に撹拌した後、等量の石油エーテルを加えて12~16h撹拌し、吸引濾過して、濾過ケーキを40~50℃で乾燥させ、化合物アミドアダマンタノールを得るステップを含む。
【0019】
上記製造プロセスでは、アミドアダマンタノールを加水分解し、アミノ基をBoc保護する前記ステップ(5)は、具体的には、
アミドアダマンタノールと強アルカリとを5~10倍体積のポリエチレングリコールに順次加えて、100~180℃の高温で10~18h加水分解し、冷却後、精製水を加えて希釈し、均一に撹拌した後、水層をトルエンで抽出して、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過して、濾液を濃縮させる加水分解ステップ5aと、
反応aにより得られた油状生成物をジクロロメタンに溶解して、Boc無水物を加え、20~30℃で1~5h縮合し、反応終了後、濃縮させてジクロロメタンを除去する縮合ステップ5bとを含む。
【0020】
上記製造プロセスでは、Boc保護アマンタジンアルコールを結晶化する前記ステップ(6)は、具体的には、反応(5)の残留油状液にn-ヘキサンを加えて2~3h結晶化し、遠心分離後、n-ヘキサンを洗浄し、40~50℃で16~18h乾燥させ、Boc保護アマンタジンアルコールを得るステップを含む。
【0021】
上記製造プロセスでは、硝酸エステル化させる前記ステップ(7)は、具体的には、反応(6)で得られた固体生成物をジクロロメタンに溶解し、温度を-10℃~10℃に制御し、発煙硝酸と無水酢酸を混合した硝化試薬をジクロロメタン溶液に滴下して15min~6h反応させ、完全に反応した後、氷水を加えて反応をクエンチングし、水層を分離して、有機層を10倍体積(10vol)の飽和炭酸水素ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液のそれぞれで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過してジクロロメタンを濃縮させ、Boc保護アマンタジン硝酸エステル粗製品を得るステップを含む。
【0022】
上記製造プロセスでは、硝酸エステル化生成物を精製する前記ステップ(8)は、具体的には、反応(7)で得られた油状物をアルコールに溶解し、水を加えて結晶化し2~3hスラリー化し、吸引濾過後40~50℃で乾燥させて、精製生成物を得るステップを含む。
【0023】
上記製造プロセスでは、Bocを除去して塩形成する前記ステップ(9)は、具体的には、反応(8)で得られた生成物を酢酸エチルに溶解し、温度を10~30℃に制御して、HCl/酢酸エチルを加え、16~18h反応させ、吸引濾過してベークし、目標生成物としてアマンタジン硝酸エステルを得るステップを含む。
【0024】
上記製造プロセスでは、アマンタジン硝酸エステル塩酸塩を精製する前記ステップ(10)は、具体的には、反応(9)で得られた生成物をメタノールに溶解し、吸引濾過して、濾液を濃縮させ、酢酸エチルを加えて結晶化しスラリー化し、吸引濾過後、所定重量まで乾燥させ、精製アマンタジン硝酸エステル塩酸塩を得るステップを含む。
【0025】
上記製造プロセスでは、アダマンタンをブロモ化する前記ステップ(1a)において、反応に投入する材料のモル比は、原料:臭素=1:2~6であり、反応温度は60~90℃、反応時間は4~6hである。
【0026】
上記製造プロセスでは、ブロモ化アダマンタンを加水分解する前記ステップ(1b)において、反応に投入する材料のモル比は原料:シュウ酸ナトリウム=1:2.5~6.0であり、水の使用量は23~35Xであり、反応時間は2~3hである。
【0027】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(1)の後処理過程は以下のとおりである。3~5Xの亜硫酸ナトリウム溶液を反応液に加え、室温で16~18h撹拌して濾過し、濾過ケーキを水洗する。濾過ケーキを有機溶媒3~8Xで溶解した後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させる。濾過して、濾過ケーキを有機溶媒2~4Xで洗浄し、減圧回転蒸発により乾燥させ、アダマンタノール固体を得る。有機溶媒は、好ましくは、メチルt-ブチルエーテル、酢酸エチル、ジクロロメタンなどである。
【0028】
上記製造プロセスでは、アダマンタン酸を合成する前記ステップ(2)において、反応に投入する材料のモル比は原料:ギ酸:硫酸=1:6~10:11~16であり、好ましくは、反応に投入する材料のモル比は原料:ギ酸:硫酸=1:6~8:11.5~13であり、反応時間は好ましくは4~5hである。
【0029】
上記製造プロセスでは、アダマンタン酸をアミド化する前記ステップ(3)において、反応に投入する材料のモル比は原料:硝酸:硫酸:アセトニトリル=1:1.6~2.5:9~15:1.1~1.5である。
【0030】
上記製造プロセスでは、還元する前記ステップ(4)において、反応に投入する材料のモル比は原料:トリエチルアミン:クロロギ酸エチル:水素化ホウ素ナトリウム=1:1.2~1.5:1.2~1.5:1.5~2.5である。
【0031】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(5)の加水分解に使用される強アルカリは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムであり、反応物の投入モル比は原料:アルカリ=1:5~10である。
【0032】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(5)の加水分解において、反応温度は100~180℃であり、反応時間は好ましくは15~16hである。
【0033】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(5)の縮合に使用されるジクロロメタンの使用量は原料の重量の5~10倍体積(5~10vol)であり、反応物の投入モル比は、原料:無水Boc酸=1:1.05~1.5であり、反応時間は1~5hである。
【0034】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(6)の結晶化において、縮合後生成物の結晶化に使用されるn-ヘキサンの使用量は、原料の重量の5~9倍体積(5~9vol)である。
【0035】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(7)の硝酸エステル化反応において、反応物の投入モル比は原料:無水酢酸:発煙硝酸=1:1.08~1.8:1.68~2.8である。
【0036】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(7)の硝酸エステル化反応において、硝化試薬は-10~10℃で調製され、調製後0.5~1h撹拌する。
【0037】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(7)の硝酸エステル化反応において、反応温度は0~10℃であり、反応時間は15min~6h、好ましくは30min~3hである。
【0038】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(8)において、精製用のアルコールはメタノール、メタノールであってもよく、反応材料の重量比は、原料:アルコール:水=1:2~5:3~8である。
【0039】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(8)において、ステップ(7)で得られた油状物をメタノールに完全に溶解した後、まず、一部の水を加えて、白色固体が析出されるまで撹拌した後、0.5~1h撹拌し、さらに残りの体積の水を加えて、1~2hスラリー化する。
【0040】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(8)において、結晶化温度は20~30℃に制御される。
【0041】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(9)では、HCl/酢酸エチル中、HClの濃度範囲が2.0~4.37Mである。
【0042】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(9)において、反応終了後、投入するモル比は原料:HCl=1:5~10であり、反応温度は20~30℃であり、反応時間は16~18hである。
【0043】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(9)において、まず、ステップ(8)で精製した化合物をその重量に対して3~6倍の酢酸エチルに溶解した後、HCl/酢酸エチルを加えて反応させる。
【0044】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(10)のアマンタジン硝酸エステル塩酸塩を精製する過程において、まず、粗製品をアルコールに溶解し、次に、系に0.5~1倍のメタノールが残るまで減圧濃縮させた後、酢酸エチルを加えて2~3hスラリー化する。
【0045】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(10)において、使用される材料の重量比は原料:メタノール:酢酸エチル=1:2.5~3:15~25である。
【0046】
上記製造プロセスでは、前記ステップ(10)において、メタノールの濃縮温度は40~50℃に制御され、乾燥温度は45~50℃に制御される。
【発明の効果】
【0047】
従来技術に比べて、本プロセスは顕著な利点を有する。
1、プロセスの配合比を最適化させることにより、生産過程における臭素、濃酸、強アルカリなどの化学試薬の使用量を低下させ、生産コストを削減させる。後処理過程に生じる廃液を減らし、生産プロセスをより環境に優しくする。
2、加水分解ステップでは、ポリエチレングリコール400を反応溶媒とすることで、反応温度を低下させ、エネルギー消費量を減らし、プロセスをより環境に優しくする。
3、硝化反応では、発煙硝酸の使用量を制御することにより、反応速度や反応時間を調整し、副生成物の生成を低減させ、主生成物の収量を増やし、工業的生産により適しており、また、精製プロセスにより、後処理過程を乾燥させ、また他の有機試薬の使用量を減らす。
4、第3段階である塩形成反応において、HCl使用量を低下させ、精製プロセスを簡素化させ、洗浄後の不純物を減らし、プロセスをより環境に優しくし、工業化に適しているようにする。
全体として、本発明のプロセスは、各ステップの反応試薬の使用量を低下させ、生産コストを削減させ、また後処理過程に結晶化、濾過などのプロセスを使用することで、実験室小試験プロセスにおけるカラムクロマトグラフィー分離精製などのプロセスを省略し、後処理の精製過程を簡素化させる。最も重要なのは、本発明のプロセスでは、硝化試薬の使用量を最適化させることで、硝化反応速度を低下させ、反応時間を適切に延ばし、30min~6h内で主生成物の副生成物への転換が明らかに低下し、工場で実際に生産するときにインプロセス制御時間への要件を満たし、さらに収量を高め、副生成物を減少させ、プロセス全体をより環境に優しくし、このため、実施の価値及び社会的・経済的価値がある。したがって、本製造方法は、生産コストが低く、安全で確実に生産でき、反応収率が高く、非常に工業的生産に適している。
【0048】
以下、実施例にて本発明をさらに説明するが、なお、当業者であれば、本発明の構想を逸脱することなく、いくつかの改良や修飾をすることができ、これらの改良や修飾も本発明の特許範囲とみなすべきである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
ここで、下記化合物MN-08の生産プロセスを例に、本発明の実施例の技術案を詳細に説明するが、もちろん、説明する実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全部の実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る他の実施例はすべて本発明の特許範囲に属する。
【化7】
【0050】
以下、行った試験を実施例1~33と記載しているが、それらは以下全て「試験例1~33」と読み替える。
実施例1、INT01の製造
化合物エチルアダマンタン 100g(0.61mol)を2L丸底フラスコに加えて、Br(5X、2.9mol)495gを加え、60℃で4時間還流した。反応液を室温に冷却した後、反応液に(COONa) 500g(5X、3.6mol)、水800mL(8X)を加えて、75℃に昇温し、2h還流した。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を室温に冷却した後、飽和亜硫酸ナトリウム溶液に加えて、16h撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水で洗浄した。濾過ケーキを酢酸エチル(4X)400gで溶解した後、無水硫酸ナトリウム(1X)100gを加えて乾燥させた。濾過して、濾渣を酢酸エチル200gで洗浄し、酢酸エチルを合併して、減圧回転蒸発により乾燥させて、固体生成物INT0110 2gを収率92%で得た。
【0051】
実施例2、INT01の製造
化合物エチルアダマンタン 100g(0.61mol)を2L丸底フラスコに加えて、Br(3X、1.8mol)307gを加え、75℃で4時間還流した。反応液を室温に冷却した後、反応液に(COONa) 400g(4X、2.4mol)、水640mL(6.4X)を加えて、75℃に昇温し、2h還流した。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を室温に冷却した後、飽和亜硫酸ナトリウム溶液に加えて、16h撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水で洗浄した。濾過ケーキを酢酸エチル(4X)400gで溶解した後、無水硫酸ナトリウム(1X)100gを加えて乾燥させた。濾過して、濾渣を酢酸エチル200gで洗浄し、酢酸エチルを合併して、減圧回転蒸発により乾燥させて、固体生成物INT01 98gを収率89%で得た。
【0052】
実施例3、INT01の製造
化合物エチルアダマンタン 1500g(9.1mol)を20L反応釜に加えて、Br(3.1X、29.3mol)4665gを加え、60℃で4時間還流した。反応液を室温に冷却した後、反応液に(COONa) 3000g(2X、22.3mol)、水3000mL(2X)を加えて、75℃に昇温し、2h還流した。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を室温に冷却した後、飽和亜硫酸ナトリウム(4500g、3X)溶液に加えて、16h撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水で洗浄した。濾過ケーキを酢酸エチル(4X)6000gで溶解した後、無水硫酸ナトリウム(0.66X)1000gを加えて乾燥させた。濾過して、濾渣を酢酸エチル2000gで洗浄し、酢酸エチルを合併して、減圧回転蒸発により乾燥させて、固体生成物INT01 1500gを収率91%で得た。
【0053】
実施例4、INT01の製造
化合物エチルアダマンタン 44kg(269mol)を500L反応釜に加えて、Br(3.2X、542.7mol)141kgを加え、60℃で4時間還流した。反応液を室温に冷却した後、反応液に(COONa)(2.04X、3.6mol)、水112L(2.55X)90kgを加えて、75℃に昇温し、2h還流した。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を室温に冷却した後、亜硫酸ナトリウム溶液(135.0kg、3.05X)に加えて、16h撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水で洗浄した。濾過ケーキを3メチルt-ブチルエーテル(7.8X)43kgに加えて溶解した後、無水硫酸ナトリウム(0.5X)22kgを加えて乾燥させた。濾過して、濾渣を酢酸エチル(2X)88kgで洗浄し、有機層を合併し、減圧回転蒸発により乾燥させて、固体生成物INT01 45kgを収率93%で得た。
【0054】
実施例5、INT02の製造
濃硫酸400mL(7.4X、13eq)を1L三口フラスコに加えて、氷水浴にて0~10℃に冷却した。化合物INT01 100g(0.56mol)を秤量してギ酸140mL(1.7X、6.6eq)に溶解し、混合液を硫酸に緩やかに滴入し、滴下終了後、0~10℃で保温して4h反応させた。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を氷水2L(20X)に緩やかに滴下し、16h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキをpHが中性となるまで氷水で洗浄した。水酸化ナトリウム27g(0.27X、1.2eq)を秤量して水600mL(6X)に溶解し、濾過ケーキをアルカリ液に溶解した。吸引濾過して、濾渣を水で洗浄した。水相を合併して、水を加えて1Lに希釈し、10% HClでpH=1~2に酸性化し、4~5h撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水でpH中性まで洗浄した後、40~50℃で乾燥させ、白色固体化合物INT02 102gを収率90%で得た。
【0055】
実施例6、INT02の製造
濃硫酸4360g(8.7X、16eq)を5L三口フラスコに加えて、氷水浴にて0~10℃に冷却した。化合物INT01 500g(2.78mol)を秤量してギ酸1000g(2X、7.8eq)に溶解し、混合液を硫酸に緩やかに滴入し、滴下終了後、0~10℃で保温して6h反応させた。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を氷水20L(40X)に緩やかに滴下し、16h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキをpHが中性となるまで氷水で洗浄した。水酸化ナトリウム133g(0.27X、1.2eq)を秤量して水5000L(10X)に溶解し、濾過ケーキをアルカリ液に溶解した。吸引濾過して、濾渣を水で洗浄した。水相を合併して、10% HClでpH=1~2に酸性化し、4~5h撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水でpH中性まで洗浄した後、40~50℃で乾燥させ、白色固体化合物INT02 485gを収率84%で得た。
【0056】
実施例7、INT02の製造
濃硫酸6400g(6.4X、11.5eq)を20L反応釜に加えて、氷水浴にて0~10℃に冷却した。化合物INT01 1000g(5.6mol)を秤量してギ酸1700g(1.7X、6.6eq)に溶解し、混合液を硫酸に緩やかに滴入し、滴下終了後、0~10℃で保温して4h反応させた。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を氷水20L(20X)に緩やかに滴下し、16h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキをpHが中性となるまで氷水で洗浄した。水酸化ナトリウム270g(0.27X、1.2eq)を秤量して水10L(10X)に溶解し、濾過ケーキをアルカリ液に溶解した。吸引濾過して、濾渣を水で洗浄した。水相を合併して、10% HClでpH=1~2に酸性化し、4~5h撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水でpH中性まで洗浄した後、40~50℃で乾燥させ、白色固体化合物INT02 980gを収率85%で得た。
【0057】
実施例8、INT02の製造
濃硫酸288kg(6.4X、11.5eq)を500L反応釜に加えて、氷水浴にて0~10℃に冷却した。化合物INT01 45kg(250mol)を秤量してギ酸77kg(1.7X、6.6eq)に溶解し、混合液を硫酸に緩やかに滴入し、滴下終了後、0~10℃で保温して4h反応させた。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を氷水900L(20X)に緩やかに滴下し、16h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキをpHが中性となるまで氷水で洗浄した。水酸化ナトリウム12.15kg(0.27X、1.2eq)を秤量して水250kg(5.56X)に溶解し、濾過ケーキをアルカリ液に溶解した。吸引濾過して、濾渣を水で洗浄した。濃塩酸35.1kgを秤量して185kgに希釈した後、濾液に緩やかに滴下し、4~5h撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水でpH中性まで洗浄した後、40~50℃で乾燥させ、白色固体化合物INT02 45.7kgを収率88%で得た。
【0058】
実施例9、INT03の製造
1L三口フラスコを氷水浴に入れて冷却して、硝酸75mL(1.1X、2.2eq)を加え、氷水浴にて0~10℃に冷却した。化合物 INT02 100g(0.48mol)を秤量して硝酸に加え、均一に撹拌した。濃硫酸(6.4X、13eq)350mLを反応液に緩やかに滴下し、滴下終了後、氷水浴を1h維持し、アセトニトリル(0.24X、1.2eq)31mLを反応液に緩やかに滴下し、氷水浴にて1h反応させ続けた。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を氷水混合液2000mLに注入して一晩撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水で濾液が中性となるまで洗浄した後、乾燥させて、白色固体化合物INT03 107gを収率83.9%で得た。
【0059】
実施例10、INT03の製造
5L三口フラスコを氷水浴に入れて冷却して、硝酸137.5mL(0.78X、1.7eq)を加えて、氷水浴にて0~10℃に冷却した。化合物 INT02 250g(1.2mol)を秤量して硝酸に加え、均一に撹拌した。濃硫酸(12X、27eq)1700mLを反応液に緩やかに滴下し、滴下終了後、0~10℃で1h反応させ、アセトニトリル(0.4X、2eq)125mLを反応液に緩やかに滴下し、0~10℃で1h反応させ続けた。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を氷水混合液5000mLに注入して一晩撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水で濾液が中性となるまで洗浄した後、乾燥させて、白色固体化合物INT03 270gを収率84.7%で得た。
【0060】
実施例11、INT03の製造
20L反応釜を冷却し始め、硝酸500mL(0.7X、1.6eq)を加えて、氷水浴にて0~10℃に冷却した。化合物 INT02(4.8mol)1000gを秤量して硝酸に加え、均一に撹拌した。濃硫酸(6.4X、13eq)3500mLを反応液に緩やかに滴下し、滴下終了後、0~10℃で保温して1h反応させ、アセトニトリル(0.24X、1.2eq)310mLを反応液に緩やかに滴下し、0~10℃で1h反応させ続けた。TLC薄層クロマトグラフィーにより反応を監視して、完全に反応すると、反応液を氷水混合液2000mLに注入して一晩撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキを水で濾液が中性となるまで洗浄した後、乾燥させて、白色固体化合物INT03 1050gを収率82.4%で得た。
【0061】
実施例12、INT04の製造
化合物 INT03(0.38mmol)100gを秤量してテトラヒドロフラン(3.56X)356gに加えて、氷水浴にて冷却し、トリエチルアミン(0.76X、0.76mol、2eq)76gを溶液にバッチ式で加えた。固体が完全に溶解すると、溶液にクロロギ酸エチル(0.82X、0.76mol、2eq)82gを滴下した。添加終了後、氷浴を除去し、室温で4h反応させ、TLCにより反応を監視した。反応液を吸引濾過して、濾過ケーキ固体をテトラヒドロフラン(1X)で2回洗浄した後、テトラヒドロフランを合併した。NaBH4(0.43X、1.14mol、3eq)43gをバッチ式で反応液に加え、添加終了後、水100mLをして緩やかに滴下、1h反応させた。水300mLを緩やかに加えて反応をクエンチングした。溶媒を減圧蒸発させた後、水層を4×100mL酢酸エチルで抽出して、抽出液をそれぞれ飽和NaCl溶液100mLで2回洗浄した後、無水NaSOで乾燥させた。濾過して、溶媒を減圧蒸発させ、油状粗製品を得た。油状粗製品を酢酸エチル200mLに溶解して、石油エーテル200mLを加え、16h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキを石油エーテル:酢酸エチル=1:1の混合溶液100mLで洗浄した。濾過ケーキを40~50℃で乾燥させ、化合物INT04 65gを収率68.6%で得た。
【0062】
実施例13、INT04の製造
化合物 INT03(0.94mmol)250gを秤量してテトラヒドロフラン(3.56X)890gに加え、氷水浴にて冷却し、トリエチルアミン(0.57X、1.41mol、1.5eq)142gを溶液にバッチ式で加えた。固体が完全に溶解すると、クロロギ酸エチル(0.61X、1.41mol、1.5eq)152gを溶液に滴下した。添加終了後、氷浴を除去し、室温で4h反応させ、TLCにより反応を監視した。反応液を吸引濾過して、濾過ケーキ固体をテトラヒドロフラン(1X)で2回洗浄した後、テトラヒドロフランを合併した。NaBH(0.28X、1.88mol、2eq)71gをバッチ式で反応液に加え、添加終了後、水200mLを緩やかに滴下して、1h反応させた。水500mLを緩やかに加えて反応をクエンチングした。溶媒を減圧蒸発させた後、水層を酢酸エチル4×250mLで抽出して、抽出液をそれぞれ飽和NaCl溶液250mLで2回洗浄した後、無水NaSOで乾燥させた。濾過して、溶媒を減圧蒸発させ、油状粗製品を得た。油状粗製品を酢酸エチル500mLに溶解し、石油エーテル500mLを加えて、16h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキを石油エーテル:酢酸エチル=1:1の混合溶液250mLで洗浄して、40~50℃で乾燥させ、化合物INT04 165gを収率70%で得た。
【0063】
実施例14、INT04の製造
化合物 INT03(3.8mmol)1000gを秤量してテトラヒドロフラン(3.56X)3560gに加えて、氷水浴にて冷却し、トリエチルアミン(0.46X、4.65mol、1.2eq)460gを溶液にバッチ式で加えた。固体が完全に溶解すると、クロロギ酸エチル(0.5X、4.65mol、1.2eq)502gを溶液に滴下した。添加終了後、氷浴を除去し、室温で4h反応させ、TLCにより反応を監視した。反応液を吸引濾過して、濾過ケーキ固体をテトラヒドロフラン(1X)で2回洗浄した後、テトラヒドロフランを合併した。NaBH(0.23X、6.08mol、1.6eq)230gをバッチ式で反応液に加え、添加終了後、水800mLを緩やかに滴下して、1h反応させた。水3000mLを緩やかに加えて反応をクエンチングした。溶媒を減圧蒸発させた後、水層を4×1000mL酢酸エチルで抽出して、抽出液をそれぞれ飽和NaCl溶液1000mLで2回洗浄した後、無水NaSOで乾燥させた。濾過して、溶媒を減圧蒸発させ、油状粗製品を得た。油状粗製品を酢酸エチル2000mLに溶解して、石油エーテル2000mLを加え、16h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキを石油エーテル:酢酸エチル=1:1の混合溶液1000mLで洗浄し、濾過ケーキを40~50℃で乾燥させ、化合物INT04 680gを収率71.8%で得た。
【0064】
実施例15、INT05の製造
(1)化合物INT04 250g(1mol)、水酸化ナトリウム固体320g(8mol、8eq)を5L丸底フラスコに加えて、PEG-400 1250mL(5vol)を加え、120~130℃で16時間還流した。サンプリングして検出し、HPLC検出によりINT04<0.5%後、70~80℃に冷却した。反応に水(10vol)2.5Lを加えた。均一に撹拌した後、まず、トルエンで2.5L(10vol)を1回抽出し、次に、トルエン(1250mL、5vol)で2回抽出した。トルエンを合併して、飽和塩化ナトリウム溶液(2.5L、10vol)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣をトルエン(250mL、1vol)で洗浄し、減圧蒸発により溶媒を除去して、灰色固体粗製品223gを得た。
(2)固体粗製品223gをジクロロメタン(6vol)1.3Lに溶解し、無水Boc酸229g(1.05mol、1.05eq)を秤量して反応に投入し、温度を20~30℃に制御して2時間撹拌し、HPLCにより反応をINT04B<0.5%まで監視した。反応終了後、ジクロロメタンを減圧蒸発により除去し、n-ヘキサン1.6Lを加えて、3時間結晶化した。吸引濾過して、濾過ケーキをn-ヘキサン250mLで2回洗浄し、40~50℃で所定重量まで乾燥させた。INT05白色固体 214gを全収率69.3%で得た。
【0065】
実施例16、INT05の製造
(1)化合物INT04 150g(0.6mol)、水酸化ナトリウム固体269g(4.8mol、8eq)を5L丸底フラスコに加えて、PEG-400 750mL(5vol)を加え、120~130℃で15時間還流した。サンプリングして検出し、HPLC検出によりINT04<0.5%後、70~80℃に冷却した。反応に水(10vol)1.5Lを加えた。均一に撹拌した後、まず、トルエン1.5L(10vol)で1回抽出し、次に、トルエン(750mL、5vol)で2回抽出した。トルエンを合併して、飽和塩化ナトリウム溶液(2.5L、10vol)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣をトルエン(250mL、1vol)で洗浄し、減圧蒸発により溶媒を除去して、灰色固体粗製品108gを得た。
(2)固体粗製品81gを秤量してジクロロメタン(8vol)640mLに溶解し、無水Boc酸119g(0.57mol、1.5eq)を秤量して反応に投入し、温度を20~30℃に制御して4時間撹拌し、HPLCにより反応をINT04B<0.5%まで監視した。反応終了後、ジクロロメタンを減圧蒸発により除去し、n-ヘキサン400mLを加えて、4時間結晶化した。吸引濾過して、濾過ケーキを80mLn-ヘキサンで2回洗浄し、40~50℃で所定重量まで乾燥させた。INT05白色固体 80gを、全収率66.8%で得た。
【0066】
実施例17、 INT05の製造
(1)化合物INT04 150g(0.6mol)、水酸化カリウム固体144g(3.6mol、6eq)を5L丸底フラスコに加えて、PEG-400 750mL(5vol)を加え、120~130℃で16時間還流した。サンプリングして検出し、HPLC検出によりINT04<0.5%後、70~80℃に冷却した。反応に水(10vol)1.5Lを加えた。均一に撹拌した後、まず、トルエン(10vol)1.5Lで1回抽出し、次に、トルエン(750mL、5vol)で2回抽出した。トルエンを合併して、飽和塩化ナトリウム溶液(2.5L、10vol)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣をトルエン(250mL、1vol)で洗浄し、減圧蒸発により溶媒を除去して、灰色固体粗製品103gを得た。
(2)固体粗製品82gを秤量してジクロロメタン(10vol)820mLに溶解し、無水Boc酸86g(0.42mol、1.05eq)を秤量して反応に投入し、温度を20~30℃に制御して2時間撹拌し、HPLCにより反応をINT04B<0.5%まで監視した。反応終了後、ジクロロメタンを減圧蒸発により除去し、n-ヘキサン550mLを加えて、5時間結晶化した。吸引濾過して、濾過ケーキをn-ヘキサン80mLで2回洗浄し、40~50℃で所定重量まで乾燥させた。INT05白色固体 75.5gを全収率62.3%で得た。
【0067】
実施例18、 INT05の製造
(1)化合物INT04 4kg(15.9mol)、水酸化ナトリウム固体5.06kg(126.5mol、8eq)を100L反応釜に加えて、PEG-400 22.3kg(5vol)を加え、120~130℃で16時間還流した。サンプリングして検出し、HPLC検出によりINT04<2%後、70~80℃に冷却した。反応に水(10vol)40Lを加えた。均一に撹拌した後、まず、トルエン(10vol)40Lで1回抽出し、次にトルエン(20L、5vol)で2回抽出した。トルエンを合併して、飽和塩化ナトリウム溶液(40L、10vol)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣をトルエン(4L、1vol)で洗浄し、減圧蒸発により溶媒を除去して、灰色固体粗製品を得た。
(2)固体粗製品をジクロロメタン(10vol)40Lに溶解し、無水Boc酸3.56kg(16.3mol、1.05eq)を秤量して反応に投入し、温度を20~30℃に制御して2時間撹拌し、HPLCにより反応をINT04B<0.5%まで監視した。反応終了後、ジクロロメタンを減圧蒸発により除去し、n-ヘキサン15.1kgを加えて、5時間結晶化した。吸引濾過して、濾過ケーキをn-ヘキサン2.1kgで2回洗浄し、40~50℃で所定重量まで乾燥させた。INT05白色固体3.5kgを全収率71.1%で得た。
【0068】
実施例19、INT06の製造
無水酢酸3.8mL(40.8mmol、1.8eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸2.8mL(63.5mmol、2.8eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30min撹拌し、INT05(7g、22.7mmol)を秤量してジクロロメタン70mLに溶解し、0~10℃に冷却した。硝化試薬をジクロロメタンに緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに6時間撹拌し、滴下終了後の0、0.5、1.5、3、6時間にそれぞれサンプリングし、HPLCにより反応を監視し、HPLCにより各時間点での原料、生成物及び不純物の状況を調べて、結果を下記表に示した。原料が滴下終了すると完全に反応し、副生成物が同時に生成され始め、0.5h反応すると副生成物が15%に達し、3h反応するとINT06が33%に下がり、6h反応すると、INT06が約18%に下がった。
【0069】
【表1】
【0070】
実施例20、INT06の製造
無水酢酸3.42mL(32.6mmol、1.62eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸2.52mL(57.5mmol、2.52eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30min撹拌し、INT05(7g、22.7mmol)を秤量してジクロロメタン70mLに溶解し、0~10℃に冷却した。硝化試薬をジクロロメタンに緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに6時間撹拌し、滴下終了後0、0.5、1.5、3、6時間にそれぞれサンプリングし、HPLCにより反応を監視し、HPLCにより各時間点での原料、生成物及び不純物の状況を調べて、結果を下記表に示した。原料が滴下終了すると完全に反応し、副生成物が同時に生成され始め、0.5h反応すると副生成物が6%に達し、3h反応するとINT06が56%に下がり、6h反応すると、INT06が約43%に下がった。
【0071】
【表2】
【0072】
実施例21、INT06の製造
無水酢酸3.04mL(36.7mmol、1.44eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸2.24mL(50.8mmol、2.24eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30min撹拌し、INT05(7g、22.7mmol)を秤量してジクロロメタン70mLに溶解し、0~10℃に冷却した。硝化試薬をジクロロメタンに緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに6時間撹拌し、滴下終了後0、0.5、1.5、3、6時間にそれぞれサンプリングし、HPLCにより反応を監視し、HPLCにより各時間点での原料、生成物及び不純物の状況を調べて、結果を下記表に示した。原料が滴下終了後の0.5hに完全に反応し、副生成物が3.5%に達し、3h反応すると副生成物が約12%であった。
【0073】
【表3】
【0074】
実施例22、INT06の製造
無水酢酸2.66mL(28.6mmol、1.26eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸1.96mL(44.5mmol、1.96eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30min撹拌し、INT05(7g、22.7mmol)を秤量してジクロロメタン70mLに溶解し、0~10℃に冷却した。硝化試薬をジクロロメタンに緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに6時間撹拌し、滴下終了後0、0.5、1.5、3、6時間にそれぞれサンプリングし、HPLCにより反応を監視し、HPLCにより各時間点での原料、生成物及び不純物の状況を調べて、結果を下記表に示した。滴下後0.5hに原料が0.37%残り、インプロセス制御要件を満たし、3h反応すると原料が完全に反応し、副生成物が1.84%であった。
【0075】
【表4】
【0076】
実施例23、INT06の製造
無水酢酸2.28mL(24.5mmol、1.08eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸1.68mL(38.1mmol、1.68eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30min撹拌し、INT05(7g、22.7mmol)を秤量してジクロロメタン70mLに溶解し、0~10℃に冷却した。硝化試薬をジクロロメタンに緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに6時間撹拌し、滴下終了後0、0.5、1.5、3、6時間にそれぞれサンプリングし、HPLCにより反応を監視し、HPLCにより各時間点での原料、生成物及び不純物の状況を調べて、結果を下記表に示した。滴下終了3h後に原料が0.49%残り、副生成物が0.78%であり、6h反応すると、原料が完全に反応し、INT06が約79%であった。
【0077】
【表5】
【0078】
実施例24、INT06の製造
(1)無水酢酸114mL(1.2mol、1.8eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸84mL(1.9mol、2.8eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30分間撹拌した。INT05固体 210g(0.68mol)を秤量してジクロロメタン(10vol)2.1Lに溶解し、0~10℃に冷却した。調製した硝化試薬を反応に緩やかに滴下し、0~10℃で保温して、30min反応させた。HPLCにより反応を監視し、INT05<0.5%となると、反応に氷水(10vol)2.1Lを加えて反応を停止した。撹拌後、水層を分離して、有機層を1N炭酸水素ナトリウム溶液2.1L(10vol)及び飽和塩化ナトリウム溶液2.1L(10vol)のそれぞれで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣をジクロロメタン210mLで2回洗浄し、ジクロロメタンを合併した後、30~35℃で減圧蒸発により溶媒を除去し、黄色油状液体を得た。
(2)油状液体にメタノール480mLを加えて、完全に溶解するまで撹拌した後、混合液に水210mLを加えて、温度を20~30℃に制御して、さらに結晶が析出されるまで撹拌した。懸濁液に残りの水420mLを加え、20~30℃で保温して、2時間撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキ固体を乾固させた後、40~50℃、真空で所定重量まで乾燥させ、白色INT06固体200gを収率83%で得た。
【0079】
実施例25、INT06の製造
(1)無水酢酸14.6mL(157mmol、1.62eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸10.8mL(244mmol、2.52eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30分間撹拌した。INT05固体 30g(97mmol)を秤量してジクロロメタン(10vol)300mLに溶解し、0~10℃に冷却した。調製した硝化試薬を反応に緩やかに滴下し、0~10℃で保温して、30min反応させた。HPLCにより反応を監視し、INT05<0.5%となると、反応に氷水(10vol)300mLを加えて反応を停止した。撹拌後、水層を分離して、有機層を1N炭酸水素ナトリウム溶液300mL(10vol)及び飽和塩化ナトリウム溶液300mL(10vol)のそれぞれで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣を30mLジクロロメタンで2回洗浄し、ジクロロメタンを合併した後、30~35℃減圧蒸発により溶媒を除去して、黄色油状液体を得た。
(2)油状液体にメタノール127mLを加えて、完全に溶解するまで撹拌した後、混合液に水30mLを加え、温度を20~30℃に制御して、さらに結晶が析出されるまで撹拌した。懸濁液に残りの水60mLを加え、20~30℃で保温して、2時間撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキ固体を乾固させた後、40~50℃、真空で所定重量まで乾燥させ、白色INT06固体27.4gを収率80%で得た。
【0080】
実施例26、INT06の製造
(1)無水酢酸13.0mL(0.14mol、1.44eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸9.6mL(0.22mol、2.24eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30分間撹拌した。INT05固体30g(97mmol)を秤量してジクロロメタン(10vol)300mLに溶解し、0~10℃に冷却した。調製した硝化試薬を反応に緩やかに滴下し、0~10℃で保温して、30min反応させた。HPLCにより反応を監視し、INT05<0.5%となると、反応に氷水(10vol)300mLを加えて反応を停止した。撹拌後、水層を分離して、有機層を1N炭酸水素ナトリウム溶液300mL(10vol)及び飽和塩化ナトリウム溶液300mL(10vol)のそれぞれで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣を30mLジクロロメタンで2回洗浄し、ジクロロメタンを合併した後、30~35℃減圧蒸発により溶媒を除去して、黄色油状液体を得た。
(2)油状液体にメタノール127mLを加えて、完全に溶解するまで撹拌した後、混合液に水30mLを加え、温度を20~30℃に制御して、さらに結晶が析出されるまで撹拌した。懸濁液に残りの水60mLを加え、20~30℃で保温して、2時間撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキ固体を乾固させた後、40~50℃、真空で所定重量まで乾燥させ、白色INT06固体26.8gを収率78%で得た。
【0081】
実施例27、INT06の製造
(1)無水酢酸15.2mL(0.16mol、1.26eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸11.2mL(0.25mol、1.96eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30分間撹拌した。INT05固体 40g(0.13mol)を秤量してジクロロメタン(10vol)400mLに溶解し、0~10℃に冷却した。調製した硝化試薬を反応に緩やかに滴下し、0~10℃で保温して、3h反応させた。HPLCにより反応を監視し、INT05<0.5%となると、反応に氷水(10vol)400mLを加えて反応を停止した。撹拌後、水層を分離して、有機層を1N炭酸水素ナトリウム溶液400mL(10vol)及び飽和塩化ナトリウム溶液400mL(10vol)のそれぞれで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣を40mLジクロロメタンで2回洗浄し、ジクロロメタンを合併した後、30~35℃減圧蒸発により溶媒を除去して、黄色油状液体を得た。
(2)油状液体にメタノール157mLを加えて、完全に溶解するまで撹拌した後、混合液に水40mLを加え、温度を20~30℃に制御して、さらに結晶が析出されるまで撹拌した。懸濁液に残りの水80mLを加え、20~30℃で保温して、2時間撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキ固体を乾固させた後、40~50℃、真空で所定重量まで乾燥させ、白色INT06固体40.7gを収率89%で得た。
【0082】
実施例28、INT06の製造
(1)無水酢酸13.0mL(0.14mol、1.08eq)を秤量して、0~10℃に冷却した。発煙硝酸9.6mL(0.22mol、1.68eq)を秤量して、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30分間撹拌した。INT05固体 40g(0.13mol)を秤量してジクロロメタン(10vol)400mLに溶解し、0~10℃に冷却した。調製した硝化試薬を反応に緩やかに滴下し、0~10℃で保温して、6h反応させた。HPLCにより反応を監視し、INT05<0.5%となると、反応に氷水(10vol)400mLを加えて反応を停止した。撹拌後、水層を分離して、有機層を1N炭酸水素ナトリウム溶液400mL(10vol)及び飽和塩化ナトリウム溶液400mL(10vol)のそれぞれで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣を40mLジクロロメタンで2回洗浄し、ジクロロメタンを合併した後、30~35℃減圧蒸発により溶媒を除去して、黄色油状液体を得た。
(2)油状液体にメタノール157mLを加えて、完全に溶解するまで撹拌した後、混合液に水40mLを加え、温度を20~30℃に制御して、さらに結晶が析出されるまで撹拌した。懸濁液に残りの水80mLを加え、20~30℃で保温して、2時間撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキ固体を乾固させた後、40~50℃、真空で所定重量まで乾燥させ、白色INT06固体38.9gを収率85%で得た。
【0083】
実施例29、INT06の製造
(1)無水酢酸1.45kg(14.3mol、1.26eq)を、0~10℃に冷却した。発煙硝酸1.47kg(22.17mol、1.96eq)を、冷却済みの無水酢酸に緩やかに滴下し、滴下終了後、さらに30分間撹拌した。INT05固体3.5kg(11.3mol)を秤量してジクロロメタン(10vol)35Lに溶解し、0~10℃に冷却した。調製した硝化試薬を反応に緩やかに滴下し、0~10℃で保温して、0.5h反応させた。HPLCにより反応を監視し、INT05<0.5%となると、反応に氷水(10vol)5Lを加えて反応を停止した。撹拌後、水層を分離して、有機層を1N炭酸水素ナトリウム溶液35L(10vol)及び飽和塩化ナトリウム溶液35L(10vol)のそれぞれで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、濾渣を35Lジクロロメタンで2回洗浄し、ジクロロメタンを合併した後、30~35℃減圧蒸発により溶媒を除去して、黄色油状液体を得た。
(2)油状液体にメタノール13.65kgを加えて、完全に溶解するまで撹拌した後、混合液に水3.5Lを加え、温度を20~30℃に制御して、さらに結晶が析出されるまで撹拌した。懸濁液に残りの水7Lを加え、20~30℃で保温して、2時間撹拌した。吸引濾過して濾過ケーキ固体を乾固させた後、40~50℃、真空で所定重量まで乾燥させ、白色INT06固体3.8kgを収率94%で得た。
【0084】
実施例30、MN08の製造
(1)HClガスを酢酸エチルに導入して濃度4.37Mの溶液とした。酢酸エチル1Lを秤量してINT06 200g(0.56mol)を溶解させた。HCl/酢酸エチル646mL(HCl 2.8mol、5eq)を秤量して反応液に加え、温度を20~30℃に制御して、16時間反応させた。HPLCにより監視して、INT06<0.5%となると反応を停止した。吸引濾過して、濾過ケーキを酢酸エチル400mLで洗浄し、乾固させて、MN08粗製品を得た。
(2)MN08粗製品をメタノール500mLに溶解して、完全に溶解すると、吸引濾過して、濾過ケーキをメタノール80mLで洗浄した。メタノールを合併して、40~50℃でメタノール100mLが残るまで減圧蒸留した後、温度を20~30℃に低下させて、酢酸エチル4Lを加え、2h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキを酢酸エチル200mLで洗浄し、40~50℃、減圧で所定重量まで乾燥させた。MN08白色固体128gを収率78%で得た。
【0085】
実施例31、MN08の製造
(1)HClガスを酢酸エチルに導入して濃度3.7Mの溶液とした。酢酸エチル465mLを秤量してINT06 93g(0.26mol)を溶解させた。HCl/酢酸エチル700mL(HCl 2.6mol、10eq)を秤量して反応液に加え、温度を20~30℃に制御して、16時間反応させた。HPLCにより監視して、INT06<0.5%となると反応を停止した。吸引濾過して、濾過ケーキを酢酸エチル190mLで洗浄し、乾固させて、MN08粗製品を得た。
(2)MN08粗製品をメタノール280mLに溶解して、完全に溶解すると、吸引濾過して、濾過ケーキをメタノール80mLで洗浄した。メタノールを合併して、40~50℃でメタノール50mLが残るまで減圧蒸留した後、温度を20~30℃に低下させ、酢酸エチル1.4Lを加えて、2h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキを酢酸エチル100mLで洗浄し、40~50℃、減圧で所定重量まで乾燥させた。MN08白色固体58gを収率76%で得た。
【0086】
実施例32、MN08の製造
(1)HClガスを酢酸エチルに導入して濃度3.7Mの溶液とした。酢酸エチル590mLを秤量してINT06118g(0.33mol)を溶解した。HCl/酢酸エチル446mL(HCl 1.65mol、5eq)を秤量して反応液に加え、温度を20~30℃に制御して、16時間反応させた。HPLCにより監視して、INT06<0.5%となると反応を停止した。吸引濾過して、濾過ケーキを酢酸エチル259mLで洗浄し、乾固させて、MN08粗製品を得た。
(2)MN08粗製品をメタノール360mLに溶解して、完全に溶解すると、吸引濾過して、濾過ケーキをメタノール120mLで洗浄した。メタノールを合併して、40~50℃でメタノール100mLが残るまで減圧蒸留した後、温度を20~30℃に低下させ、酢酸エチル2.4Lを加えて、2h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキを酢酸エチル200mLで洗浄し、40~50℃、減圧で所定重量まで乾燥させた。MN08白色固体70gを収率83%で得た。
【0087】
実施例33、MN08の製造
(1)HClガスを酢酸エチルに導入して濃度4.37Mの溶液とした。酢酸エチル22.5Lを秤量してINT06 4.5kg(12.7mol)を溶解した。HCl/酢酸エチル14.5L(HCl 63.6mol、5eq)を秤量して反応液に加え、温度を20~30℃に制御して、16時間反応させた。HPLCにより監視して、INT06<0.5%となると反応を停止した。吸引濾過して、濾過ケーキを酢酸エチル9Lで洗浄し、乾固させて、MN08粗製品9Lを得た。
(2)MN08粗製品をメタノール12Lに溶解して、完全に溶解すると、吸引濾過して、濾過ケーキをメタノール1.5Lで洗浄した。メタノールを合併して、40~50℃でメタノール2Lが残るまで減圧蒸留した後、温度を20~30℃に低下させ、酢酸エチル90Lを加えて、2h撹拌した。吸引濾過して、濾過ケーキを酢酸エチル4Lで洗浄し、40~50℃、減圧で所定重量まで乾燥させた。MN08白色固体2.4kgを収率65%で得た。
【0088】
本明細書は、いくつかの実施形態及び実施例を提供したが、これらの説明は、説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。当業者であれば、本発明の特許範囲を逸脱することなく、いくつかの変化及び修飾を行うことができる。