(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】テーブル装置
(51)【国際特許分類】
G12B 5/00 20060101AFI20230426BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20230426BHJP
B23Q 1/62 20060101ALI20230426BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
G12B5/00 T
H01L21/68 K
B23Q1/62 C
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2018151745
(22)【出願日】2018-08-10
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉持 尚史
(72)【発明者】
【氏名】古川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸明
(72)【発明者】
【氏名】杉田 澄雄
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3205635(JP,U)
【文献】特開2012-105517(JP,A)
【文献】特開2006-40409(JP,A)
【文献】特開平3-223021(JP,A)
【文献】特開2006-266404(JP,A)
【文献】特開平6-100164(JP,A)
【文献】特開2003-343578(JP,A)
【文献】特開2006-248628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G12B 5/00
B65G 49/07
G16C 29/00-31/06
H01L 21/68
B23Q 1/62
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有し、前記第1面側の第1空間と、前記第2面側の第2空間とを区切る板状部材と、
前記板状部材の前記第1面と対向する第1基板と、
前記第1基板の、前記第1面と対向する面に設けられた第1引力発生部と、
前記第1空間に設けられ、前記第1基板を移動させる移動機構と、
前記板状部材を介して前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第2基板の、前記第2面と対向する面に設けられ、前記板状部材を介して前記第1引力発生部と対向し、前記第1引力発生部との間に引力を発生させる第2引力発生部と、
前記第1基板の、前記第1面と対向する面に設けられた第1斥力発生部と、
前記第2基板の、前記第2面と対向する面に設けられ、前記板状部材を介して前記第1斥力発生部と対向し、前記第1斥力発生部との間に斥力を発生させる第2斥力発生部と、
前記第2基板と前記第2面との間に設けられ、前記第2基板を移動可能に支持する転がり案内装置と、を有し、
前記第1引力発生部と、前記第2引力発生部と、前記第1斥力発生部と、前記第2斥力発生部とは、磁石であり、
前記板状部材は、非磁性体であり、
前記板状部材の少なくとも前記第2面は、表面改質が施されて
おり、
前記第1基板及び前記第2基板は、それぞれ、平面視で長辺と短辺とを有する矩形状であり、
前記第1基板の前記長辺に沿って、1つの前記第1引力発生部は2つの前記転がり案内装置の間に配置され、かつ、前記第1斥力発生部は、2つの前記転がり案内装置の一方の前記転がり案内装置と前記第1引力発生部との間、及び、他方の前記転がり案内装置と前記第1引力発生部との間にそれぞれ配置され、
前記第1基板の前記短辺に沿って、1つの前記第1引力発生部は2つの前記転がり案内装置の間に配置され、かつ、前記第1斥力発生部は設けられていない
テーブル装置。
【請求項2】
前記板状部材の少なくとも前記第2面は、鏡面加工が施されている
請求項1に記載のテーブル装置。
【請求項3】
前記転がり案内装置は、
前記第2基板に連結されたベースと、
前記ベースに回転可能に設けられ、表面に固体潤滑皮膜が設けられた転動体、を有し、
前記転動体は、前記板状部材の前記第2面に接する
請求項1又は請求項2に記載のテーブル装置。
【請求項4】
前記固体潤滑皮膜は、フッ素油焼付け膜である
請求項3に記載のテーブル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送装置、工作機械又は半導体製造装置には、真空雰囲気や特殊ガス雰囲気のプロセス室内で、テーブルをスライド移動させて位置決めするテーブル装置が用いられる(例えば特許文献1参照)。このようなテーブル装置では、テーブルを平面上で移動させるために転がり案内装置が用いられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テーブル装置は、隔壁により遮蔽された真空雰囲気や、特殊ガス雰囲気のプロセス室内や、クリーン環境等で用いられる場合がある。転がり案内装置が隔壁の表面を移動すると、転がり案内装置と隔壁との接触により摩耗が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、耐摩耗性を向上することができるテーブル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係るテーブル装置は、第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有し、前記第1面側の第1空間と、前記第2面側の第2空間とを区切る板状部材と、前記板状部材の前記第1面と対向する第1基板と、前記第1基板の、前記第1面と対向する面に設けられた第1引力発生部と、前記第1空間に設けられ、前記第1基板を移動させる移動機構と、前記板状部材を介して前記第1基板と対向する第2基板と、前記第2基板の、前記第2面と対向する面に設けられ、前記板状部材を介して前記第1引力発生部と対向し、前記第1引力発生部との間に引力を発生させる第2引力発生部と、前記第2基板と前記第2面との間に設けられ、前記第2基板を移動可能に支持する転がり案内装置と、を有し、前記第1引力発生部と、前記第2引力発生部とは、磁石であり、前記板状部材は、非磁性体である。
【0007】
これにより、移動機構等が設けられた第1空間と、第2基板等が設けられた第2空間とは、板状部材によって区切られる。そして、第1引力発生部と第2引力発生部との間の引力により、第2基板には、第1基板に向かう方向に引力が作用する。これにより、移動機構の動作により第1基板が移動すると、第1基板に追従して、第2空間に設けられた第2基板が移動する。板状部材は、非磁性体であるため、板状部材と第2引力発生部との間に引力は発生しない。このため、板状部材に強磁性体を用いた場合に比べて、板状部材の第2面に垂直な方向で、転がり案内装置と板状部材との間に作用する力が抑制され、摩擦力の増大を抑制できる。この結果、テーブル装置は、耐摩耗性を向上することができる。
【0008】
テーブル装置の望ましい態様として、前記板状部材の少なくとも前記第2面は、表面改質が施されている。これによれば、板状部材の硬さが向上する。このため、ステージ装置は、板状部材と転がり案内装置との接触により生じる摩耗を抑制することができ、使用環境でのクリーン度を保つことができる。
【0009】
テーブル装置の望ましい態様として、前記板状部材の少なくとも前記第2面は、鏡面加工が施されている。これによれば、転がり案内装置が有する油等の異物が板状部材の第2面に付着した場合であっても、容易に異物を除去することができる。
【0010】
テーブル装置の望ましい態様として、前記転がり案内装置は、前記第2基板に連結されたベースと、前記ベースに回転可能に設けられ、表面に固体潤滑皮膜が設けられた転動体、を有し、前記転動体は、前記板状部材の前記第2面に接する。これによれば、ステージ装置は、固体潤滑皮膜により板状部材と転動体との間の摩擦が低減され、板状部材及び転動体の摩耗を抑制できる。したがって、ステージ装置は、耐摩耗性を向上することができる。
【0011】
テーブル装置の望ましい態様として、前記固体潤滑皮膜は、フッ素油焼付け膜である。これによれば、ステージ装置は、フッ素油焼付け膜により板状部材と転動体との間の摩擦を低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、耐摩耗性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るテーブル装置の斜視図である。
【
図5】
図5は、第2テーブルが有する第2基板の平面図である。
【
図6】
図6は、第2テーブルが有する転がり案内装置の断面図である。
【
図7】
図7は、板状部材の平面図を示し、第2テーブルの移動後及び第2テーブルの清掃後の板状部材を説明するための説明図である。
【
図8】
図8は、第2移動機構の一例を示す側面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係るテーブル装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るテーブル装置の斜視図である。
図2は、
図1におけるA-A断面図である。
図3は、第1基板の平面図である。
図4は、第2テーブルの斜視図である。
図5は、第2テーブルが有する第2基板の平面図である。
図6は、第2テーブルが有する転がり案内装置の断面図である。
図7は、板状部材の平面図を示し、第2テーブルの移動後及び第2テーブルの清掃後の板状部材を説明するための説明図である。
図8は、第2移動機構の一例を示す側面図である。
【0016】
図1に示すように、テーブル装置1は、筐体2と、第1テーブル3と、第2テーブル4と、第1移動機構6と、第2移動機構7とを含む。第1テーブル3、第1移動機構6及び第2移動機構7は、筐体2の内側の第1空間Pに設けられる。第2テーブル4は、筐体2の外側の第2空間Rに設けられる。第2空間Rは、特定の環境を維持し、操作対象物の位置決めや、加工、検査等を行うための空間である。第2空間Rは、作業に適した特定の環境を維持できる空間であればよい。第2空間Rは、真空、減圧、ガス置換(減圧又は陽圧)、温度の異なる空間、クリーン環境、異物環境等の様々な環境に適用可能である。例えば、テーブル装置1は、細胞等のサンプルの採取や各種検査等を行うバイオ用途に用いられる。この場合、第2空間Rはクリーン環境であり、第2空間R内の第2テーブル4は、高温蒸気滅菌や乾熱滅菌などにより滅菌処理が施される。
【0017】
筐体2は、板状部材21を含む。板状部材21は、筐体2の側面に対して垂直な方向に延出する板状の部材であり、筐体2と一体に設けられる。第1空間Pと第2空間Rとは板状部材21によって区切られている。本実施形態では、板状部材21は非磁性体であり、非磁性ステンレス等が用いられる。非磁性体は、強磁性体ではない材料である。非磁性ステンレスとして、合金オーステナイト系ステンレス(例えばSUS316等)が挙げられる。
【0018】
なお、本実施形態において、水平面内の一方向をX方向とし、水平面内においてX方向と交差する方向をY方向とし、X方向及びY方向のそれぞれと交差する方向(すなわち鉛直方向)をZ方向とする。板状部材21は、X方向とY方向とが成す平面と平行となっている。
【0019】
図2に示すように、板状部材21は、第1面21aと、第1面21aと反対側の第2面21bとを有する。第1空間Pは、第1面21a側の空間である。第2空間Rは、第2面21b側の空間である。板状部材21によって、第1空間Pと第2空間Rとが分離されている。板状部材21は、第1空間Pと第2空間Rとを連通する孔部等が設けられていない連続した板状の部材である。板状部材21には、少なくとも第1テーブル3及び第2テーブル4の可動範囲と重なる領域で連続しており、孔部等が設けられていない。これにより、第1移動機構6及び第2移動機構7の動作により発生する異物を含む気体が、第1空間Pから第2空間Rに流入することを抑制できる。したがって、テーブル装置1は、第2空間Rの環境を維持することができる。
【0020】
第1テーブル3は、第1基板31と、第1引力発生部32と、第1斥力発生部33と、第1転がり案内装置34と、を含む。第1基板31は、第1主面31aと、第1主面31aと反対側の第2主面31bとを有する板状の部材である。第1基板31の第1主面31aは、板状部材21の第1面21aと離隔して対向する。第1基板31の第2主面31bは、第2移動機構7の連結部77と連結される。第1基板31は、第1移動機構6及び第2移動機構7の動作により、板状部材21の第1面21aと平行な面内を移動する。
【0021】
第1引力発生部32、第1斥力発生部33及び第1転がり案内装置34は、第1基板31の第1主面31aに設けられる。言い換えると、第1引力発生部32、第1斥力発生部33及び第1転がり案内装置34は、第1基板31と板状部材21との間に設けられる。本実施形態において、第1引力発生部32及び第1斥力発生部33は、磁石であり、例えば耐熱ネオジム磁石やコバルト磁石を用いることができる。耐熱ネオジム磁石の耐熱温度は、150℃程度である。コバルト磁石の耐熱温度は200℃程度である。第1引力発生部32及び第1斥力発生部33は、それぞれ、N極が第1主面31aに接している。また、第1引力発生部32及び第1斥力発生部33は、それぞれ、S極が板状部材21と離隔して対向する。
【0022】
第1転がり案内装置34は、ベース341と、転動体342とを含む。ベース341は第1基板31に固定される。転動体342は、ベース341の凹部内に回転可能に設けられている。転動体342は、板状部材21の第1面21aと接している。第1転がり案内装置34は、例えば、ボールローラであり、転動体342の回転により、第1基板31は、板状部材21の第1面21aに沿って自由に移動可能になっている。第1転がり案内装置34が設けられているため、第1引力発生部32及び第1斥力発生部33が板状部材21に接触することを抑制でき、第1基板31がスムーズに移動できる。なお、第1テーブル3と第2テーブル4との間の引力と、板状部材21の剛性とが適切に設定されていれば、第1転がり案内装置34は、必ずしも必要ではない。
【0023】
図3に示すように、第1基板31は、平面視で矩形状である。なお、
図3は、第1基板31の第1主面31a側から見たときの平面図である。第1基板31は、第1側面31c、第2側面31d、第3側面31e及び第4側面31fを有する。第1側面31c、第2側面31d、第3側面31e及び第4側面31fは、第1主面31aと第2主面31bとの間の面である。第1側面31cは、第2側面31dと対向する。第3側面31eは、第1側面31cと第2側面31dとの間の面であり、第4側面31fと対向する。
【0024】
第1転がり案内装置34は、第1基板31の第1主面31aの4隅にそれぞれ設けられる。第1基板31の第1主面31aには、4つの第1引力発生部32-1、32-2、32-3、32-4が設けられる。ここで、第3側面31eのX方向の中点と、第4側面31fのX方向の中点とを結ぶ仮想線を仮想線B1とする。第1側面31cのY方向の中点と、第2側面31dのY方向の中点とを結ぶ仮想線を仮想線B2とする。第1引力発生部32-1、32-2は、仮想線B1と重なる位置であって、第1主面31aの外縁に設けられる。また、第1引力発生部32-3、32-4は、仮想線B2と重なる位置であって、第1主面31aの外縁に設けられる。
【0025】
第1基板31の第1主面31aには、4つの第1斥力発生部33-1、33-2、33-3、33-4が設けられる。第1斥力発生部33-1、33-2は、それぞれ、第3側面31eに沿った方向において、第1転がり案内装置34と第1引力発生部32-1との中間位置に設けられる。第1斥力発生部33-1、33-2は、仮想線B1を対称軸として線対称の位置に配置される。第1斥力発生部33-3、33-4は、第1斥力発生部33-1、33-2と同様に、第4側面31fの近傍に設けられる。なお、以下の説明において第1引力発生部32-1、32-2、32-3、32-4を区別して説明する必要がない場合には、第1引力発生部32と表す。第1斥力発生部33-1、33-2、33-3、33-4も同様に第1斥力発生部33と表す。
【0026】
図2に示すように、第2テーブル4は、第2基板41と、第2引力発生部42と、第2斥力発生部43と、第2転がり案内装置44と、を含む。第2基板41は、第3主面41aと、第3主面41aと反対側の第4主面41bとを有する板状の部材である。第2基板41の第4主面41bは、板状部材21の第2面21bと離隔して対向する。つまり、第2基板41は、板状部材21を介して第1基板31と対向する。
図4に示すように、第2基板41の第3主面41aは、操作対象物であるワークWが載置される面である。また、第3主面41aの4隅にはワークWを保持するための保持部412が設けられている。これにより、第2基板41の上で、ワークWの位置決めが可能である。
【0027】
第2基板41の第4主面41bには、第4主面41bから突出する載置部411、443が設けられている。第2引力発生部42、第2斥力発生部43及び第2転がり案内装置44は、第2基板41の載置部411、443に設けられる。言い換えると、第2引力発生部42、第2斥力発生部43及び第2転がり案内装置44は、第2基板41と板状部材21との間に設けられる。
図2では、載置部411、443の高さに応じて、第2基板41のZ方向の位置及び第2引力発生部42、第2斥力発生部43のZ方向の位置を調整できる。本実施形態において、第2引力発生部42及び第2斥力発生部43は、磁石であり、例えば耐熱ネオジム磁石やコバルト磁石を用いることができる。耐熱ネオジム磁石の耐熱温度は、150℃程度である。コバルト磁石の耐熱温度は200℃程度である。第2引力発生部42は、S極が第4主面41bに接している。また、第2引力発生部42は、N極が板状部材21と離隔して対向する。第2斥力発生部43は、N極が第4主面41bに接している。また、第2斥力発生部43は、S極が板状部材21と離隔して対向する。
【0028】
第2引力発生部42は、板状部材21を介して第1引力発生部32と対向する。すなわち、第2引力発生部42は、Z方向から見たときに、第1引力発生部32と重なる位置に配置される。第2引力発生部42は第1引力発生部32と異なる極が対向するように配置される。
図2に示す例では、第2引力発生部42のN極と、第1引力発生部32のS極が対向する。これにより、第1引力発生部32と第2引力発生部42との間には、引力F1が発生する。第2基板41には、第1基板31に向かう方向の引力F1が作用する。これにより、第2基板41は、第1基板31の移動に追従して、板状部材21の第2面21bに沿って移動可能となっている。
【0029】
第2斥力発生部43は、板状部材21を介して第1斥力発生部33と対向する。すなわち、第2斥力発生部43は、Z方向から見たときに、第1斥力発生部33と重なる位置に配置される。第2斥力発生部43は第1斥力発生部33と同じ極が対向するように配置される。
図2に示す例では、第2斥力発生部43のS極と、第1斥力発生部33のS極が対向する。これにより、第1斥力発生部33と第2斥力発生部43との間に斥力F2が発生する。第2基板41には、第1基板31から第2基板41に向かう方向の斥力F2が作用する。
【0030】
本実施形態では、引力F1の合計の力は、斥力F2の合計の力よりも大きい。引力F1と斥力F2とにより、第1基板31と第2基板41との間に作用する力を調整することができる。引力F1及び斥力F2は、第2基板41の追従性能(移動速度、加速度等)に応じて適宜、設定することができる。引力F1及び斥力F2は、第1引力発生部32、第1斥力発生部33、第2引力発生部42及び第2斥力発生部43の個数や、各磁石の磁力を変更することにより設定できる。又は、第1引力発生部32と第2引力発生部42との間隔、及び第1斥力発生部33と第2斥力発生部43との間隔を変更することで引力F1及び斥力F2を設定できる。第1引力発生部32及び第2引力発生部42は、異極どうしが吸着する磁石である。第1斥力発生部33及び第2斥力発生部43は、異極どうしが吸着する磁石に対して小さい大きさの磁石を同極どうしで適宜配置して斥力を発生させる。これにより、Z方向の引力と、XY方向の追従性の微調整を行うことができる。
【0031】
図5に示すように、第2基板41は、平面視で矩形状である。なお、
図5は、第2基板41の第4主面41b側から見たときの平面図である。第2基板41は、第5側面41c、第6側面41d、第7側面41e及び第8側面41fを有する。第5側面41c、第6側面41d、第7側面41e及び第8側面41fは、第3主面41aと第4主面41bとの間の面である。第5側面41cは、第6側面41dと対向する。第7側面41eは、第5側面41cと第6側面41dとの間の面であり、第8側面41fと対向する。
【0032】
第2転がり案内装置44、第2引力発生部42及び第2斥力発生部43の配置は、
図3に示す第1転がり案内装置34、第1引力発生部32及び第1斥力発生部33の配置と同様である。すなわち、第2転がり案内装置44は、第2基板41の第4主面41bの4隅にそれぞれ設けられる。4つの第2転がり案内装置44は、第1転がり案内装置34と重なる位置に設けられる。
【0033】
第2基板41の第4主面41bには、4つの第2引力発生部42-1、42-2、42-3、42-4が設けられる。ここで、第7側面41eのX方向の中点と、第8側面41fのX方向の中点とを結ぶ仮想線を仮想線B3とする。第5側面41cのY方向の中点と、第6側面41dのY方向の中点とを結ぶ仮想線を仮想線B4とする。第2引力発生部42-1、42-2は、仮想線B3と重なる位置であって、第4主面41bの外縁に設けられる。また、第2引力発生部42-3、42-4は、仮想線B4と重なる位置であって、第4主面41bの外縁に設けられる。第2引力発生部42-1、42-2、42-3、42-4は、それぞれ、
図3に示す第1引力発生部32-1、32-2、32-3、32-4と重なる位置に設けられる。
【0034】
同様に、第2基板41の第4主面41bには、4つの第2斥力発生部43-1、43-2、43-3、43-4が設けられる。第2斥力発生部43-1、43-2、43-3、43-4は、それぞれ、
図3に示す第1斥力発生部33-1、33-2、33-3、33-4と重なる位置に設けられる。
【0035】
本実施形態では、第1引力発生部32、第2引力発生部42、第1斥力発生部33及び第2斥力発生部43は、磁石である。このため、第1引力発生部32、第2引力発生部42、第1斥力発生部33及び第2斥力発生部43を駆動させるための駆動回路や配線を設ける必要がなく、第1基板31及び第2基板41の構成を簡便にできる。つまり、第2空間Rには、第2基板41を移動させるための移動機構、駆動回路、配線等を設ける必要がない。また、第2基板41と、第2引力発生部42と、第2斥力発生部43と、第2転がり案内装置44とに耐熱性に優れた材料が用いられる。このため、テーブル装置1を、例えば、バイオ用途などのクリーン環境で使用する場合、第2基板41、第2引力発生部42、第2斥力発生部43及び第2転がり案内装置44を含む第2テーブル4を高温蒸気滅菌や乾熱滅菌などにより容易に滅菌処理を施すことができる。
【0036】
図6に示すように、第2転がり案内装置44は、ベース441と、転動体442とを含む。第2転がり案内装置44は、第1転がり案内装置34と同様の構成であり、例えば、ボールローラである。ベース441は第2基板41の載置部443に固定される。転動体442は、ベース441の凹部内に回転可能に設けられている。これにより、また、ベース441の凹部と転動体442との隙間には、転動体442の回転による摩擦を抑制するための複数のボール(図示しない)が設けられていても良い。転動体442は、板状部材21の第2面21bと接している。第2転がり案内装置44は、第2基板41を、板状部材21の第1面21aに沿って自由に移動可能に支持する。また、第2転がり案内装置44が設けられているため、第2引力発生部42及び第2斥力発生部43が板状部材21に接触することを抑制できる。このため、第2基板41は、第1基板31の移動に追従してスムーズに移動できる。
【0037】
図6に示すように、転動体442の表面には固体潤滑皮膜444が設けられている。固体潤滑皮膜444は、例えばフッ素油焼付け膜である。これに限定されず、固体潤滑皮膜444は、例えば蒸着膜、スパッタ膜、粘性材料塗布膜(グリース)、フッ素樹脂コーティング膜であってもよい。これにより、板状部材21と転動体442との間の摩擦が低減される。なお、固体潤滑皮膜444は、ベース441の表面にも設けられていても良い。
【0038】
また、板状部材21の少なくとも第2面21bは、表面改質が施されている。これにより、板状部材21の表面に硬化層が形成され、板状部材21の硬さが向上する。硬化層を設ける表面改質処理の種類は特に限定されるものではないが、エア・ウォーター株式会社のパイオナイト(登録商標)処理が好適である。この処理は、浸炭処理の前処理として、例えば三フッ化窒素(NF3)等のフッ素系ガスを用いて200~400℃程度でフッ化処理を行ない、その後に浸炭性ガスにより浸炭処理を行うものである。なお、これに限定されず硬化層としては、例えばショットピーニング加工と研磨加工による硬化層や窒化処理による硬化層であってもよい。ショットピーニング加工では、板状部材21の表面に多数の粒子を衝突させることで硬化層が形成される。
【0039】
さらに、板状部材21の少なくとも第2面21bは、鏡面加工が施されている。鏡面加工は、上述した表面改質により形成された硬化層の表面(第2面21bの表面)にバフ研磨やラップ研磨等を実施する。これにより、表面改質より板状部材21の表面粗さが大きくなった場合であっても、鏡面加工後の板状部材21の表面粗さが表面改質後の表面粗さよりも小さくなる。また、鏡面加工後にも硬化層は残るため、表面改質後の板状部材21の硬さは保持される。
【0040】
これらの構成により、テーブル装置1は、板状部材21と転動体442との間の摩擦が低減され、板状部材21及び転動体442の接触により生じる摩耗を抑制できる。したがって、テーブル装置1は、耐摩耗性を向上することができる。このため、テーブル装置1は、使用環境でのクリーン度を保つことができる。
【0041】
図7に示すように、第2テーブル4の移動後(ステップS1)には、板状部材21の第2面21b上に油等の異物MPが付着する場合がある。異物MPは、例えば、第2転がり案内装置44が有する潤滑油等であり、第2テーブル4の移動経路に沿って第2面21bと転動体442とが接触する箇所に付着する。板状部材21の第2面21bは鏡面加工が施されているため、第2テーブル4の清掃後(ステップS2)には、異物MPを拭き取ることで容易に異物MPを除去することができる。このため、テーブル装置1は、異物MPが残留することを抑制して、使用環境でのクリーン度を保つことができる。
【0042】
また、筐体2のうち、少なくとも板状部材21は、耐熱性及び耐食性に優れた材料が用いられる。これにより、板状部材21も容易に滅菌処理を施すことができる。第2テーブル4及び筐体2は、テーブル装置1から容易に取り外すことができる。このため、第2テーブル4及び筐体2を、テーブル装置1から取り外して高温蒸気滅菌装置や乾熱滅菌装置に入れることで滅菌を行うことができる。この場合、板状部材21を含む筐体2の全体に耐熱性に優れた材料が用いられる。また、第1空間Pと第2空間Rとが筐体2によって分離されているため、例えばガスを注入して第2空間Rのみ滅菌することができる。
【0043】
図1に示す第1移動機構6及び第2移動機構7は、XYステージである。第1移動機構6と第2移動機構7とは、同様の構成を有する。以下の説明については、第2移動機構7を例に挙げる。第2移動機構7の説明は、第1移動機構6の説明にも適用できる。
図8に示すように、第2移動機構7は、モータ71と、ボールねじ73と、ナット76と、筐体74とを含むボールねじ機構である。第2移動機構7は、モータ71から伝達された回転駆動力を、ボールねじ73の軸方向に沿った方向の運動に変換して第1基板31に伝達する駆動伝達部である。
【0044】
ボールねじ73と、ナット76とは、筐体74の内部に組み込まれる。ボールねじ73は、ナット76を貫通する。ボールねじ73は、筐体74に回転可能に支持されており、ボールねじ73の一端側は、シャフト72を介してモータ71と連結される。これにより、モータ71の出力が、ボールねじ73に伝達され、ボールねじ73が回転可能になっている。
【0045】
ナット76は、ガイドレール75に沿った方向に移動可能に設けられる。また、ナット76は、ガイドレール75に組み込まれることにより、回転が規制される。これにより、ナット76は、ボールねじ73の回転により軸方向に移動する。ナット76は、ボールねじ73の回転方向に応じて移動方向が切り換えられる。
【0046】
連結部77は、ナット76と第1基板31とを連結する部材であり、ナット76の移動とともに軸方向に移動可能となっている。連結部77の厚さや平面形状を適宜変更することで、第1基板31の平面形状や高さ位置を変更する場合であっても、第1基板31とナット76とを良好に連結できる。
【0047】
以上のような構成により、第2移動機構7は、モータ71の回転駆動がボールねじ73に伝達されると、ナット76とともに第1基板31が軸方向に移動する。
図1に示すように、第1移動機構6には第2移動機構7が移動可能に固定されている。第1移動機構6の動作により、第2移動機構7及び第1テーブル3はX方向に移動可能となっている。第2移動機構7の動作により、第1テーブル3はY方向に移動可能となっている。このようにして、第1テーブル3は、板状部材21と平行な平面を移動できる。
【0048】
第1移動機構6及び第2移動機構7の構成はあくまで一例であり、
図1及び
図7に示す構成に限定されない。第1移動機構6及び第2移動機構7は、第1基板31を含む第1テーブル3を移動させることができる構成であればよい。第1移動機構6及び第2移動機構7としては、この他、種々の移動機構を用いることができ、例えば、リニアモータを用いる移動機構等も用いることができる。
【0049】
以上説明したように、テーブル装置1は、板状部材21と、第1基板31と、第1引力発生部32と、移動機構(第1移動機構6及び第2移動機構7)と、第2基板41と、第2引力発生部42と、転がり案内装置(第2転がり案内装置44)と、を有する。板状部材21は、第1面21aと、第1面21aと反対側の第2面21bとを有し、第1面21a側の第1空間Pと、第2面21b側の第2空間Rとを区切る。第1基板31は、板状部材21の第1面21aと対向する。第1引力発生部32は、第1基板31の、第1面21aと対向する面に設けられる。移動機構は、第1空間Pに設けられ、第1基板31を移動させる。第2基板41は、板状部材21を介して第1基板31と対向する。第2引力発生部42は、第2基板41の、第2面21bと対向する面に設けられ、板状部材21を介して第1引力発生部32と対向し、第1引力発生部32との間に引力を発生させる。第2転がり案内装置44は、第2基板41と第2面21bとの間に設けられ、第2基板41を移動可能に支持する。板状部材21は、非磁性体である。
【0050】
このような構成により、移動機構等が設けられた第1空間Pと、第2基板41等が設けられた第2空間Rとは、板状部材21によって区切られる。そして、第1引力発生部32と第2引力発生部42との間の引力により、第2基板41は、第1基板31に向かう方向に引力が作用する。これにより、移動機構の動作により第1基板31が移動すると、第1基板31に追従して、第2空間Rに設けられた第2基板41が移動する。
【0051】
板状部材21は、非磁性体であるため、第1引力発生部32と第2引力発生部42との間に生じる磁力により、板状部材21を介して、第1基板31及び第2基板41に引力を作用させることができる。すなわち、板状部材21と第2引力発生部42との間に引力は発生しない。第2転がり案内装置44と板状部材21との間に作用する力は、第1引力発生部32と第2引力発生部42との間に発生する引力及び第1斥力発生部33と第2斥力発生部43との間に発生する斥力で規定される。このため、板状部材21に強磁性体を用いた場合に比べて、板状部材21の第2面21bに垂直な方向で、第2転がり案内装置44と板状部材21との間に作用する力が抑制され、摩擦力の増大を抑制できる。この結果、テーブル装置1は、耐摩耗性を向上することができる。また、板状部材21として耐熱性に優れた材料を用いることで、板状部材21に、高温蒸気滅菌や乾熱滅菌などにより容易に滅菌処理を施すことができる。
【0052】
また、テーブル装置1において、板状部材21の少なくとも第2面21bは、表面改質が施されている。これによれば、板状部材21の硬さが向上する。このため、テーブル装置1は、板状部材21と第2転がり案内装置44との接触により生じる摩耗を抑制することができ、使用環境でのクリーン度を保つことができる。
【0053】
また、テーブル装置1において、板状部材21の少なくとも第2面21bは、鏡面加工が施されている。これによれば、第2転がり案内装置44が有する油等の異物MPが板状部材21の第2面21bに付着した場合であっても、容易に異物MPを除去することができる。
【0054】
また、テーブル装置1において、第2転がり案内装置44は、第2基板41に連結されたベース441と、ベース441に回転可能に設けられ、表面に固体潤滑皮膜444が設けられた転動体442、を有する。転動体442は、板状部材21の第2面21bに接する。これによれば、テーブル装置1は、固体潤滑皮膜444により板状部材21と転動体442との間の摩擦が低減され、板状部材21及び転動体442の摩耗を抑制できる。したがって、テーブル装置1は、耐摩耗性を向上することができる。
【0055】
また、テーブル装置1において、固体潤滑皮膜444は、フッ素油焼付け膜である。これによれば、転動体442の表面にフッ素油焼付け膜を施すことにより、テーブル装置1は、板状部材21と転動体442との間の摩擦を低減することができる。
【0056】
なお、第1転がり案内装置34、第1引力発生部32及び第1斥力発生部33の数や配置は、
図3に示す例に限定されない。第1引力発生部32は、2つ、3つ、又は5つ以上設けられていてもよい。第1斥力発生部33は、2つ、3つ、又は5つ以上設けられていてもよい。第1引力発生部32の数は、第1斥力発生部33の数と異なっていてもよい。また、第1斥力発生部33を設けない構成であってもよい。第1転がり案内装置34、第1引力発生部32及び第1斥力発生部33のいずれかを、仮想線B1と仮想線B2との交点C1の位置に設けてもよい。また、第2転がり案内装置44、第2引力発生部42及び第2斥力発生部43の数や配置も、第1転がり案内装置34、第1引力発生部32及び第1斥力発生部33と同様に、第2基板41の追従性能に応じて適宜変更できる。例えば、第2転がり案内装置44、第2引力発生部42及び第2斥力発生部43のいずれかを、
図5に示す交点C2の位置に設けてもよい。なお、第1転がり案内装置34及び第2転がり案内装置44は、
図2、
図6等に示す構成に限定されず、例えば、複数の転がり軸受を有する構成であってもよい。
【0057】
図3及び
図5に示すように、第1基板31及び第2基板41は、それぞれ矩形状であるが、これに限定されない。第1基板31及び第2基板41は、正方形状、多角形状、円形状等、他の形状であってもよい。また、第1基板31と第2基板41とは、異なる形状、大きさを有していてもよい。
【0058】
なお、第1引力発生部32、第1斥力発生部33、第2引力発生部42及び第2斥力発生部43は磁石であるが、これに限定されない。例えば、第1引力発生部32及び第1斥力発生部33の少なくとも一方は、コイルとヨークとを含む構成であってもよい。この場合、コイルに流れる電流を変化させることで、第1引力発生部32と第2引力発生部42との間に引力を発生させることができる。同様に第1斥力発生部33と第2斥力発生部43との間に斥力を発生させることができる。
【0059】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係るテーブル装置の断面図である。
図9に示すように、本実施形態のテーブル装置1Aは、筐体2Aと、第1テーブル3と、第2テーブル4と、移動機構(第1移動機構6及び第2移動機構7(
図1参照))とを有する。筐体2Aの外側の空間が第1空間Pであり、筐体2Aの内側の空間が第2空間Rである。第2空間Rは、例えば真空、減圧、クリーン環境等、様々な環境に対応可能である。筐体2Aの底板が、板状部材21Aである。筐体2Aは、例えば床面などに固定されている。つまり、第1移動機構6及び第2移動機構7により第1テーブル3が移動した場合であっても、筐体2Aは移動しない。
【0060】
第1テーブル3は、板状部材21Aの第1面21Aa側、すなわち第1空間Pに配置される。また、第2テーブル4は、板状部材21Aの第2面21Ab側、すなわち第2空間Rに配置される。つまり、筐体2Aの外側に、第1基板31及び第1引力発生部32を含む第1テーブル3と、移動機構(第1移動機構6及び第2移動機構7(
図6では図示を省略する))と、が設けられる。また筐体2Aの内側に、第2基板41、第2引力発生部42及び第2転がり案内装置44を含む第2テーブル4が設けられる。第1テーブル3及び第2テーブル4の構成は、
図2から
図6に示したものと同様であり、詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施形態においても、第1引力発生部32と第2引力発生部42との間の引力により、第2基板41は、第1基板31に向かう方向に引力F1が作用する。これにより、移動機構の動作により第1基板31が移動すると、第1基板31に追従して、第2空間Rに設けられた第2基板41が移動する。これにより、テーブル装置1Aは、移動機構等が設けられる第1空間Pから、操作対象物の位置決めや検査を行う第2空間Rへの気体の流入を抑制するとともに、第2空間Rで第2基板41の移動が可能である。また、板状部材21Aの第2面21Abには、表面改質及び鏡面加工が施されている。第2転がり案内装置44は、転動体442の表面に固体潤滑皮膜444(
図6参照)が設けられている。このため、テーブル装置1Aは、板状部材21Aと転動体442との間の摩擦が低減され、板状部材21A及び転動体442の摩耗を抑制できる。したがって、テーブル装置1Aは、耐摩耗性を向上することができる。
【符号の説明】
【0062】
1、1A テーブル装置
2、2A 筐体
21、21A 板状部材
21a、21Aa 第1面
21b、21Ab 第2面
3 第1テーブル
31 第1基板
31a 第1主面
31b 第2主面
32 第1引力発生部
33 第1斥力発生部
34 第1転がり案内装置
4 第2テーブル
41 第2基板
41a 第3主面
41b 第4主面
411、443 載置部
412 保持部
42 第2引力発生部
43 第2斥力発生部
44 第2転がり案内装置
441 ベース
442 転動体
444 固体潤滑皮膜
6 第1移動機構
7 第2移動機構
77 連結部
P 第1空間
R 第2空間