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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】口栓
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/38 20060101AFI20230426BHJP
   B65D 75/58 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B65D33/38
B65D75/58
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019020603
(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公開番号】P2020128215
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】本庄 美香
(72)【発明者】
【氏名】和田 潔
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-216073(JP,A)
【文献】実開平02-090272(JP,U)
【文献】実開昭59-186261(JP,U)
【文献】特開2004-149195(JP,A)
【文献】特開2005-239232(JP,A)
【文献】実開昭53-108617(JP,U)
【文献】特開2015-131666(JP,A)
【文献】特開平10-310173(JP,A)
【文献】特開2005-144035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/36-33/38
B65D 75/58
B65D 47/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する容器の開口部に取り付けて使用する合成樹脂製の口栓であって、口栓本体と吸引ストローとキャップとから構成され、
口栓本体は、前記キャップが螺合する雄ねじを備えた円筒状の外筒と、口栓全体を保持するためのフランジ部と、容器の開口部に溶着するための溶着部とが一体に成形されており、
前記吸引ストローは、前記口栓本体の外筒の内周に嵌合し、最上部に、前記外筒の最上部に係止するためのつば部を有し、下部には、最下部が容器の底面に到達する弾性を有する小口径の吸引管を備え、該吸引管取付部には容器内の空気を吸引するための直径1~5mmのエアー孔を有し、
前記キャップは、前記口栓本体の外筒に設けられた雄ねじに螺合する雌ねじを内周に有するねじ部と、前記吸引ストローの内周に嵌合し、内容物を吸引するための吸引プラグを挿入可能な内筒とを有し、該内筒の内部には、内筒内周を軸方向に摺動可能な可動弁を備え、
該可動弁は、前記吸引プラグが挿入されない状態では、前記内筒先端の開口部を閉鎖しており、前記吸引プラグが挿入された時には、吸引プラグの先端と弾性的に係合して内筒内周を摺動し、内筒先端を開放することを特徴とする口栓。
【請求項2】
前記吸引ストローのつば部と、前記キャップとが、キャップ最上部の内側に設けられたコンタクトリングによって密封されることを特徴とする請求項1に記載の口栓。
【請求項3】
前記吸引ストローのつば部と、前記キャップとが、キャップ最上部の内側に挿入された弾性パッキンによって密封されることを特徴とする請求項1に記載の口栓。
【請求項4】
前記吸引ストローの吸引管取付部には、吸引管の外側からも内容物を吸引するための空隙を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の口栓。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の口栓を備えた吸引内容物注出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収納した容器に取り付けて吸引使用するための口栓に関し、比較的簡単な構造でありながら再封止が可能であり、しかも容器に残る残液が少なくて済む口栓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体や粉体を収納する容器として、柔軟な袋状の容器に口栓を取付けた口栓付きパウチと呼ばれる容器が知られている。口栓付きパウチは、内容物を一度に全量使用するのではなく、小出しに使用する場合であっても、使用した量に応じて容器が収縮するので、内容物を最後まで空気に触れることなく使用することができるという長所を備えている。
【0003】
特許文献2に記載された口栓構造、ノズルは、この口栓付きパウチに用いる口栓であって、従来の口栓(特許文献1)においてプラグの内周面と雄部材の頭部における寸法精度要求が非常に高くて、使い捨て容器など、コストをかけられないものには採用することができなかったという問題や、内容物を充填する設備において、内容物の変更に伴って設備を改変しなければならず、対応が困難であるという問題を解決しようとしたものである。
【0004】
従来の口栓付きパウチは、袋を所定のサーバーに取り付けて、袋の下部に取り付けられた口栓から、内容物を自然落下で取出す方式が一般的であった。特許文献2に記載された口栓も、同様の構造である。
【0005】
しかし、内容量が大きな容器であると、相当の重量があるため、持ち上げて倒立させるのが困難な場合がある。そこで、例えばインキを印刷機に供給するための容器等では、吸引ポンプで吸引して使用したいという要求があるが、特許文献2に記載された口栓では、対応することが出来なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3411270号公報
【文献】特開2016-216073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで発明者らは、特願2018-129117において、容器の上部からの吸引による内容物液体の供給が可能であり、しかも再封止可能な図9に示したような口栓を提案したものである。しかしながらこの口栓は、口栓下部に備えた吸引ストローの口径が大きいため、ストロー内部に残留する液体の量が無視できない量であり、この改善を望む声があった。
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、容器の上部から吸引によって内容物を注出することが可能で、しかも再封止可能な口栓であって、容器内に残留する内容物の量を低減することが可能な口栓を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、可撓性を有する容器の開口部に取り付けて使用する合成樹脂製の口栓であって、口栓本体と吸引ストローとキャップとから構成され、口栓本体は、前記キャップが螺合する雄ねじを備えた円筒状の外筒と、口栓全体を保持するためのフランジ部と、容器の開口部に溶着するための溶着部とが一体に成形されており、前記吸引ストローは、前記口栓本体の外筒の内周に嵌合し、最上部に、前記外筒の最上部に係止するためのつば部を有し、下部には、最下部が容器の底面に到達する弾性を有する小口径の吸引管を備え、該吸引管取付部には容器内の空気を吸引するための直径1~5mmのエアー孔を有し、前記キャップは、前記口栓本体の外筒に設けられた雄ねじに螺合する雌ねじを内周に有するねじ部と、前記吸引ストローの内周に嵌合し、内容物を吸引するための吸引プラグを挿入可能な内筒とを有し、該内筒の内部には、内筒内周を軸方向に摺動可能な可動弁を備え、該可動弁は、前記吸引プラグが挿入されない状態では、前記内筒先端の開口部を閉鎖しており、前記吸引プラグが挿入された時には、吸引プラグの先端と弾性的に係合して内筒内周を摺動し、内筒先端を開放することを特徴とする口栓である。
【0010】
本発明に係る口栓は、少ない部品から構成される比較的簡単な構造でありながら、吸引使用が可能であり、可動弁の働きによって、開放、再封止が可能である。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記吸引ストローのつば部と、前記キャップとが、キャップ最上部の内側に設けられたコンタクトリングによって密封されることを特徴とする請求項1に記載の口栓である。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、前記吸引ストローのつば部と、前記キャップとが、キャップ最上部の内側に挿入された弾性パッキンによって密封されることを特徴とする請求項1に記載の口栓である。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、前記吸引ストローの吸引管取付部には、吸引管の外側からも内容物を吸引するための空隙を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の口栓である。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか1項に記載の口栓を備えた吸引内容物注出容器である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る口栓は、口栓本体と吸引ストローとキャップという、少ない部品から構成される比較的簡単な構造であるにも係らず、従来の口栓では不可能であった吸引使用を可能とし、さらに可動弁の働きによって、開放、再封止が可能となった。
【0016】
構成部品が少なく、しかもいずれの部品も汎用の合成樹脂で成型することができるので、安価に製造できる。
【0017】
従来、内容物を重力によって容器の下部から供給する必要から、容器全体を倒立させて、専用のサーバー等に載置して使用していたものが、本発明に係る口栓を備えた容器にあっては、吸引使用が可能となったことで、大型の容器であっても、持ち上げたり、倒立させたりする必要が無くなり、使い勝手が向上した。
【0018】
吸引ストローの下部には、最下部が容器の底面に到達する弾性を有する小口径の吸引管を備えたので、吸引されずに容器内に残る残液の量を最小限に留めることが可能となった。また本発明に係る口栓は、容器の大きさに応じて、吸引管の長さを調節するだけで、他の部品は共通に使用できるので、さまざまなサイズの容器に対応することが容易に可能である。
【0019】
吸引管取付部には容器内の空気を吸引するためのエアー孔を有するので、吸引開始時には容器の上部に存在する空気が優先的に吸引され、空気が無くなった時点で内容液の供給が開始されるので、エアー噛みのない安定した液供給が可能となる。
【0020】
請求項2に記載の発明や、請求項3に記載の発明のように、吸引ストローのつば部と、キャップとがキャップの締め付けによって密封される構造である場合には、口栓本体の外筒や吸引ストロー、キャップの内筒等の精度を厳密に調整する必要が無くなるため、製造コストが低く抑えられる。
【0021】
請求項4に記載の発明のように、吸引ストローの吸引管取付部に、吸引管の外側からも内容物を吸引するための空隙を設けた場合には、吸引量を増やすことができる他に、吸引管取付部に設けたエアー孔と同様の効果を発揮し、エアー噛みのない安定した液供給が可能となる。
【0022】
本発明に係る口栓を備えた容器は、特に印刷機や複写機にインキを供給する容器として好ましく使用できる。特に高価な内容物の場合、最後の一滴まで無駄なく使用したいという要望に応えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明に係る口栓の一実施態様を示した斜視図である。
図2図2は、図1の状態から、キャップを取り外した状態を示した斜視図である。
図3図3は、図2の状態から吸引ストローを取り外して、本発明に係る口栓を構成する3つの部品を示した斜視図である。
図4図4は、本発明に係る口栓の一実施態様を容器に取り付けた状態を模式的に示した断面説明図である。
図5図5は、本発明に係る口栓に、吸引プラグを挿入しようとする状態を模式的に示した断面説明図である。
図6図6は、図5の状態から、吸引プラグを完全に挿入することにより、可動弁が開放された状態を模式的に示した断面説明図である。
図7図7は、本発明に係る口栓の他の実施態様を容器に取り付けた状態を模式的に示した断面説明図である。
図8図8(a)は、本発明に係る口栓の他の実施態様を容器に取り付けた状態を模式的に示した断面説明図である。図8(b)は、吸引ストローの吸引管取付部を下から見た状態を示した説明図である。
図9図9は、従来の口栓を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る口栓について詳細に説明する。図1は、本発明に係る口栓1の一実施態様を示した斜視図である。図2は、図1の状態から、キャップ30を取り外した状態を示した斜視図である。さらに図3は、図2の状態から吸引ストロ
ー20を取り外して、本発明に係る口栓1を構成する3つの部品すなわち、口栓本体10、吸引ストロー20、キャップ30を示した斜視図である。また、図4は、本発明に係る口栓1の一実施態様を容器2に取り付けた状態を模式的に示した断面説明図である。
【0025】
本発明に係る口栓1は、可撓性を有する容器2の開口部に取り付けて使用する合成樹脂製の口栓であって、口栓本体10と吸引ストロー20とキャップ30とから構成される。
【0026】
口栓本体10は、キャップ30が螺合する雄ねじ14を備えた円筒状の外筒11と、口栓全体を保持するためのフランジ部12と、容器2の開口部に溶着するための溶着部13とが一体に成形されている。
【0027】
吸引ストロー20は、口栓本体10の外筒11の内周に嵌合し、最上部に、外筒11の最上部に係止するためのつば部21を有する。吸引ストロー20の下部には、最下部が容器2の底面に到達する弾性を有する小口径の吸引管23を備え、吸引管取付部22には容器内の空気を吸引するためのエアー孔24を有する。吸引管23の長さを容器のサイズに応じて調節することにより、さまざまなサイズの容器に適用することができる。なお吸引管23の先端部は、容器の底面に吸着しないように、凹凸を設けても良い。
【0028】
エアー孔24が存在することにより、吸引の開始時に容器内の空気が優先的に吸引されるため、容器内のエアーが存在しない状態で安定した液供給が可能となる。エアー孔24の直径としては、1mm~5mm程度が適当である。
【0029】
キャップ30は、口栓本体10の外筒11に設けられた雄ねじ14に螺合する雌ねじを内周に有するねじ部31と、吸引ストロー20の内周に嵌合し、内容物を吸引するための吸引プラグ40を挿入可能な内筒32とを有し、内筒32の内部には、内筒内周を軸方向に摺動可能な可動弁33を備えている。
【0030】
可動弁33は、図5に示したように、吸引プラグ40が挿入されない状態では、内筒32の先端の開口部を閉鎖しており、図6に示したように、吸引プラグ40が挿入された時には、吸引プラグの先端と弾性的に係合して内筒内周を摺動し、内筒32の先端を開放する。
【0031】
口栓1から吸引プラグ40を抜去すれば、可動弁33は、吸引プラグの先端部に係合しているため、吸引プラグと共に元の場所に移動して、内筒32の先端の開口部を再び閉鎖する。すなわち、容器の再封止、再開放が可能である。
【0032】
図4に示した例では、吸引ストロー20のつば部21と、キャップ30とは、キャップ最上部の内側に設けられたコンタクトリング34によって密封されている。
【0033】
一方、図7に示した例では、吸引ストロー20のつば部21と、キャップ30とは、キャップ最上部の内側に挿入された孔あき円盤状の弾性パッキン35aによって密封されており、吸引ストロー20のつば部と、口栓本体10とは、口栓本体最上部に配置された孔あき円盤状の弾性パッキン35bによって密封されている。弾性パッキン35a、35bとしては、各種ゴム材料を用いることができる。
【0034】
一方、吸引プラグ40とキャップ30の内筒32とは、図5に示したような吸引プラグに取り付けられたリングパッキン41によって密封されるので、吸引動作において、空気や内容物が漏れ出す恐れはない。
【0035】
特に図示しないが、本発明に係る口栓1を取り付けた容器2に内容物を充填するには、
吸引プラグ40と同じ形状の充填ノズルを口栓に挿入して、図6に示したと同じ、可動弁33を開放した状態で、充填することができる。
【0036】
図8(a)は、本発明に係る口栓1の他の実施態様を容器2に取り付けた状態を模式的に示した断面説明図である。図8(b)は、吸引ストロー20の吸引管取付部22を下から見た状態を示した説明図である。図8に示した例では、吸引ストロー20の吸引管取付部22には、吸引管23の外側からも内容物を吸引するための空隙25を有することを特徴とする。空隙25からは、内容液を吸引することができるので、より大量の内容液を供給できるばかりでなく、容器内部に空気が存在する場合には空気を優先的に吸引するので、エアー孔24と同様の効果を発揮する。
【0037】
本発明に係る口栓1に使用する材料としては、各種合成樹脂を用いることができる。具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)、ポリアクリロニトリル系樹脂、ABS樹脂、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、フッ素ゴム、シリコンゴム、テフロン(登録商標)パッキン等である。
【0038】
具体的な組合わせの例を挙げれば、口栓本体10や吸引ストロー20、可動弁33としては、ポリエチレン(PE)樹脂を使用し、キャップ30としては、それより硬めのPP樹脂を使用すると良い。
【0039】
吸引ストロー20のつば部21と、キャップ30とが、キャップ最上部の内側に設けられたコンタクトリング34によって密封される場合には、吸引ストロー20の材質としては、パッキン性のある軟質のLDPE樹脂、LLDPE樹脂やこれらの共重合体で、曲げ弾性率が200MPa未満の材料を使用することが好ましい。
【0040】
一方、吸引ストロー20のつば部21と、キャップ30とが、キャップ最上部の内側に挿入された弾性パッキン35aによって密封される場合には、吸引ストロー20の材質としては、PE樹脂の他、PP樹脂、ABS樹脂等の硬い材料も使用することができる。この場合、吸引ストロー20と口栓本体10との密封を図るために、両者の間に弾性パッキン35bを挿入するのが望ましい。
【0041】
吸引管23の材質としては、天然ゴム、各種合成ゴム、エラストマー等、柔軟性を有する材料から内容物に応じて選択する。以下実施例に基いて本発明に係る口栓を具体的に説明する。
【実施例
【0042】
<実施例1>
図1~4に示したような構造の口栓を作成した。各部の材質は、口栓本体及び吸引ストローがポリエチレン樹脂であり、キャップがポリプロピレン樹脂、吸引管がポリプロピレンゴムである。吸引ストローの内径は12mm、全長は、可動弁下の長さでPE樹脂部を10mm、吸引管部を110mmとした。この口栓を天地寸法225mm、幅寸法200mm、容量1リットルの軟質パウチの開口部に溶着して吸引内容物注出容器とした。この容器に内容液として水を1リットル充填した。口栓に挿入した吸引プラグから水を吸引し、残液の量を測定した。
【0043】
<実施例2>
口栓として、吸引管取付部に空隙を設けた、図8に示したような構造とした以外は、実施例1と同様にして吸引内容物注出容器を作成し、同様に評価した。
【0044】
<比較例1>
比較例1として、図9に示したような、吸引管を使用しない従来の口栓を用いて、吸引内容物注出容器を作成し、同様に評価した。吸引ストローの長さは、110mmとした。
【0045】
<比較例2>
比較例2として、吸引ストローの長さを50mmとした以外は、比較例1と同様にして、吸引内容物注出容器を作成し、同様に評価した。以上の結果を表1にまとめる。
【0046】
【表1】
【0047】
従来の口栓である比較例1の口栓を使用した容器では残液が30mlであったのに対して、本発明に係る口栓である実施例1、実施例2の口栓を用いた容器では、残液がいずれも12mlであった。吸引ストロー長が絶対的に不足している比較例2の口栓を用いた容器では、口栓部が閉塞したため、残液が50mlにもなった。
【符号の説明】
【0048】
1・・・口栓
2・・・容器
10・・・口栓本体
11・・・外筒
12・・・フランジ部
13・・・溶着部
14・・・雄ねじ
20・・・吸引ストロー
21・・・つば部
22・・・吸引管取付部
23・・・吸引管
24・・・エアー孔
25・・・空隙
30・・・キャップ
31・・・ねじ部
32・・・内筒
33・・・可動弁
34・・・コンタクトリング
35a、35b・・・弾性パッキン
40・・・吸引プラグ
41・・・リングパッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9