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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】情報処理装置及び印刷システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230426BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230426BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 303
H04N1/00 127A
B41J29/38
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019052540
(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公開番号】P2020154714
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】結城 明
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-021620(JP,A)
【文献】特開2017-174287(JP,A)
【文献】特開2018-073324(JP,A)
【文献】特開2008-087419(JP,A)
【文献】特開2017-042998(JP,A)
【文献】特開2017-211901(JP,A)
【文献】特開2011-229074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
プロファイル情報を不揮発的に記憶する記憶部と、
要求に応じて、第1印刷装置に向けて、前記プロファイル情報を前記通信部に送信させ、前記プロファイル情報を前記第1印刷装置に送信したとき、第2印刷装置に向けて、自動登録用プロファイル情報を前記通信部に配信させるデータ処理部と、を含み、
前記プロファイル情報は、印刷媒体の種類ごとに定められた色変換用のプロファイルデータを含み、
前記自動登録用プロファイル情報は、前記第1印刷装置に送信された前記プロファイル情報と同じ前記プロファイル情報であり、
前記第1印刷装置は、前記通信部と通信可能な印刷装置のうちの1つであり、
前記第2印刷装置は、前記通信部と通信可能な前記印刷装置であり、前記第1印刷装置と同じグループに属する前記印刷装置であり、
前記記憶部は、利用可否データを記憶し、
前記利用可否データは、前記印刷装置ごとに、利用不可の印刷媒体の種類を定義したデータであり、
前記データ処理部は、
前記プロファイル情報を前記第1印刷装置に送信したとき、前記利用可否データに基づき、前記第2印刷装置が、前記自動登録用プロファイル情報に対応する前記印刷媒体が利用不可か否かを確認し、
前記自動登録用プロファイル情報に対応する前記印刷媒体が利用不可ではない前記第2印刷装置に向けて、前記自動登録用プロファイル情報を前記通信部に送信させ
前記自動登録用プロファイル情報を利用不可の前記第2印刷装置に向けては、前記自動登録用プロファイル情報を前記通信部に送信させないことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
通信部と、
プロファイル情報を不揮発的に記憶する記憶部と、
要求に応じて、第1印刷装置に向けて、前記プロファイル情報を前記通信部に送信させ、前記プロファイル情報を前記第1印刷装置に送信したとき、第2印刷装置に向けて、自動登録用プロファイル情報を前記通信部に配信させるデータ処理部と、を含み、
前記プロファイル情報は、印刷媒体の種類ごとに定められた色変換用のプロファイルデータを含み、
前記自動登録用プロファイル情報は、前記第1印刷装置に送信された前記プロファイル情報と同じ前記プロファイル情報であり、
前記第1印刷装置は、前記通信部と通信可能な印刷装置のうちの1つであり、
前記第2印刷装置は、前記通信部と通信可能な前記印刷装置であり、前記第1印刷装置と同じグループに属する前記印刷装置であり、
前記データ処理部は、前記通信部が前記印刷装置から前記プロファイル情報の送信要求を受けたとき、前記送信要求を行った前記印刷装置に向けて、前記送信要求で指定された前記プロファイル情報を前記通信部に送信させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信する複数の前記印刷装置と、を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
前記印刷装置が前記情報処理装置以外から前記プロファイル情報を取得したとき、
前記印刷装置は、前記情報処理装置に向けて、新たに取得した前記プロファイル情報を送信し、
前記情報処理装置は、
前記印刷装置から受信した前記プロファイル情報を、前記プロファイル情報を送信した前記印刷装置と同じ前記グループに属する前記印刷装置に送信することを特徴とする請求項に記載の印刷に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷装置は、
携帯型メモリーを接続するための接続部を含み、
前記接続部に接続された前記携帯型メモリーから前記プロファイル情報を新たに取得することを特徴とする請求項に記載の印刷システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体の種類ごとにプロファイル情報を印刷装置に配信する情報処理装置及び印刷システム画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高品質の印刷物を得るため、用いる印刷メディアの種類ごとに、用いる設定情報を切り替えることがある。印刷前に用いる印刷メディアに対応する設定情報が選択される。印刷メディアを変えるごとに、設定情報が選択される。選択した設定情報に応じて、印刷装置は印刷する。このような印刷メディアの種類ごとに設定情報を変える印刷処理システムの一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、印刷メディアに応じた印刷に必要な設定情報を含んだ印刷メディア毎のメディア印刷情報を管理対象とする印刷装置毎に記憶する印刷管理装置と、自装置を管理する印刷管理装置が記憶する設定情報に従った設定で印刷を実行する印刷装置と、を含み、印刷装置は、唯一の印刷管理装置により管理され、印刷管理装置は、管理対象の印刷装置を所定の表示部に表示する印刷処理システムが記載されている。この構成により、印刷装置の管理を最適化しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0006])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-101320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商業印刷(産業印刷)では、高品質の印刷が求められる。印刷サービスの提供に対して対価が支払われるためである。商業印刷用の印刷装置は、プロ向けの印刷装置といえる。発注者が求める画質以上となるように、印刷する必要がある。事務用や家庭用の印刷装置よりも商業印刷用の印刷装置の方が、求められる印刷の品質が高いといえる。
【0006】
商業印刷用の印刷装置では、使用する印刷媒体の種類(銘柄)ごとに、プロファイル(ICCプロファイル)を登録できるようにすることがある。プロファイルは、色空間変換用のマッピングデータを含む。印刷装置は、プロファイルを参照して入力された画像データを変換し、出力用画像データを生成する。例えば、印刷媒体の製造者(製紙業者)がプロファイルを作成することがある。プロファイルは、入力(原稿や印刷に用いる画像データ)と出力(印刷物)との色の差ができるだけ小さくなるように、印刷媒体の色、特性を考慮して定義される。
【0007】
商業印刷において印刷に用いる印刷媒体の種類は多数に及ぶ。例えば、紙を用いた印刷媒体として用紙がある。現在、流通する用紙の種類は非常に多い。さらに、印刷媒体は用紙に限られない。例えば、布、樹脂、建築資材を印刷する場合もある。初めて用いる印刷媒体(プロファイルがインストールされていない印刷媒体)を用いるとき、当該印刷媒体のプロファイルを印刷前に印刷装置に登録(インストール)する必要がある。印刷装置に、数百種類のプロファイルをインストールすることもある。この場合、プロファイルを登録する作業が何回も繰り返される。しかも、印刷会社は印刷装置を複数所有する場合があるが、1台ずつプロファイルの登録を行う必要がある。それぞれの印刷装置に、多数のプロファイルを登録する作業は時間、手間がかかり、煩わしいという問題がある。特に、多数の印刷装置を所有する場合、プロファイルの登録作業の負担は重くなる。
【0008】
特許文献1記載の技術では、それぞれの商業印刷用の印刷装置に、1つずつプロファイルを登録しなくてはならない。従って、上記の問題を解決することはできない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑み、複数の印刷装置を管理する場合、関連する印刷装置に投機的に(先行して)プロファイルを自動登録し、プロファイルの登録作業の負担を減らす。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る情報処理装置は、情報処理装置は、通信部、記憶部、データ処理部を含む。前記記憶部は、プロファイル情報を不揮発的に記憶する。前記データ処理部は、要求に応じて、第1印刷装置に向けて、前記プロファイル情報を前記通信部に送信させる。前記プロファイル情報を前記第1印刷装置に送信したとき、前記データ処理部は、第2印刷装置に向けて、自動登録用プロファイル情報を前記通信部に配信させる。前記プロファイル情報は、印刷媒体の種類ごとに定められた色変換用のプロファイルデータを含む。前記自動登録用プロファイル情報は、前記第1印刷装置に送信された前記プロファイル情報と同じ前記プロファイル情報である。前記第1印刷装置は、前記通信部と通信可能な印刷装置のうちの1つである。前記第2印刷装置は、前記通信部と通信可能な前記印刷装置であり、前記第1印刷装置と同じグループに属する前記印刷装置である。
【0011】
また、本発明に係る印刷システムは、前記情報処理装置と、前記情報処理装置と通信する複数の前記印刷装置と、を含む。
【0012】
これらの情報処理装置と印刷システムによれば、ある印刷装置(第1印刷装置)にプロファイル情報を登録したとき、同じグループに属する印刷装置(第2印刷装置)にもプロファイル情報を登録することができる。第1印刷装置にプロファイル情報を登録した印刷媒体を第2印刷装置で用いるか否かは未定である。しかし、第1印刷装置と同じ者が管理する以上、第2印刷装置でも同じ印刷媒体を用いて印刷する可能性はある。そこで、第1印刷装置に関連する第2印刷装置にプロファイル情報を前もって登録してしまう。つまり、同じグループに属する印刷装置に、同時に同じプロファイル情報を登録することができる。自動的かつ投機的にプロファイル情報を印刷装置に登録することができる。後に、自動的に登録されたプロファイル情報に対応する印刷媒体を用いることになったとき、使用者は新たなプロファイル情報の登録(インストール)作業を行わなくてすむ。プロファイル情報の登録作業の負担(時間、手間)を減らすことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の印刷装置を管理する場合、ある印刷装置でプロファイル情報が登録されたとき、関連する印刷装置に投機的に(先行して)プロファイルを自動的に登録することができる。プロファイルの登録作業に要する時間、手間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る印刷システムの一例を示す図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る印刷装置の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る印刷装置の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る印刷装置でのプロファイル情報の登録と自動配信の一例を示す図である。
図6】実施形態に係るグループ定義データの一例を示す図である。
図7】実施形態に係る利用可否データの一例を示す図である。
図8】実施形態に係る印刷装置でのプロファイル情報の登録と自動配信の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1図8を用いて、本発明に係る情報処理装置1と印刷装置2を含む印刷システム100の実施形態を説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。以下では、印刷装置2としてインクを用いて印刷するプリンターを例に挙げて説明する。実施形態で説明する印刷装置2は商業印刷用のものである。例えば、印刷装置2は、A4用紙を1分間に100枚以上印刷できる。なお、印刷装置2は、例えば、複合機でもよい。印刷装置2の色材はインクに限られない。
【0016】
(印刷システム100)
図1を用いて、実施形態に係る印刷システム100の一例を説明する。図1は、実施形態に係る印刷システム100の一例を示す図である。
【0017】
印刷システム100は、情報処理装置1と複数の印刷装置2を含む。情報処理装置1は、例えば、サーバーである。情報処理装置1は複数の印刷装置2を管理する。例えば、情報処理装置1は複数の印刷装置2と互いに通信できる。ネットワークを介して、各装置が通信可能に接続される。例えば、同じローカルネットワーク内に、情報処理装置1と各印刷装置2が配される。
【0018】
それぞれの印刷装置2の印刷媒体は異なっていてもよい。印刷媒体は、例えば、用紙である。例えば、ダンボール(厚紙)、チラシ用の用紙、読み物用の用紙、包装紙のような用紙が印刷媒体として用いることができる。また、印刷装置2は、壁紙、タイル、布、樹脂のような紙以外の素材の印刷媒体を印刷してもよい。なお、印刷会社は、印刷媒体(専門分野)に応じて複数台の印刷装置2を所有することが多い。
【0019】
印刷装置2は、インクを用いて印刷するものでもよい。また、印刷装置2はトナーを用いて印刷するものでもよい。また、印刷装置2は、カラー印刷(複数色の色材を用いる印刷)を行うものでもよい。また、印刷装置2は、モノクロ印刷を行うものでもよい。
【0020】
(情報処理装置1)
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の一例を説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置1の一例を示す図である。
【0021】
情報処理装置1はデータ処理部10、記憶部11、ディスプレイ12、入力デバイス13、通信部14を含む。データ処理部10は制御回路10aを含む基板(サーバー基板)である。制御回路10aは、例えば、CPUである。データ処理部10は演算、処理を行う。データ処理部10は情報処理装置1の動作を制御する。記憶部11は、RAM、ROM、ストレージ(HDD)を含む。記憶部11はデータを不揮発的に記憶できる。
【0022】
ディスプレイ12は、例えば、液晶パネル又は有機ELパネルを含む。データ処理部10は、画面、情報をディスプレイ12に表示させる。入力デバイス13は、例えば、キーボードやマウスである。入力デバイス13は使用者の操作を受け付ける。入力デバイス13の出力に基づき、データ処理部10は操作内容を認識する。入力デバイス13を用いて、使用者はコマンドを情報処理装置1に入力することができる。
【0023】
通信部14は、通信用回路、通信用メモリーを含む。通信用メモリーは、通信用ソフトウェアを記憶する。通信部14は、ネットワークを介し、印刷装置2と通信する。データ処理部10は、印刷装置2とのデータの送受信を通信部14に行わせる。また、通信部14は、インターネットのようなネットワークを介し、外部のコンピューター200やサーバーとも通信できる。
【0024】
(印刷装置2の概要)
まず、図3及び図4を用いて、実施形態に係る印刷装置2の一例を説明する。図3図4は、実施形態に係る印刷装置2の一例を示す図である。
【0025】
図3は、商業印刷用の大型の印刷装置2の一例を示す。図3図4に示す印刷装置2は、用紙を印刷媒体とする。印刷装置2は、収容装置201、本体装置202、第1後処理装置203、第2後処理装置204を含む。図3において、実線矢印は、印刷媒体が搬送方向される方向(印刷媒体の流れ)を示す。収容装置201と本体装置202が連結(接続)される。本体装置202と第1後処理装置203が連結(接続)される。第1後処理装置203と第2後処理装置204が連結(接続)される。
【0026】
収容装置201は印刷媒体(用紙)を収容する。収容装置201は複数のカセットを含む。印刷のとき、何れかのカセットから印刷媒体が供給される。収容装置201は、給紙された用紙を本体装置202に印刷媒体を送る。収容装置201が搬送する用紙は本体装置202に侵入する。
【0027】
本体装置202は印刷媒体に印刷を行う。本体装置202は印刷済の用紙を第1後処理装置203に送る。第1後処理装置203は、印刷媒体に吹き付けられたインクの乾燥と、印刷媒体のカール除去を行う装置である。本体装置202はインクを用いて印刷する。インク乾燥のため、第1後処理装置203は、ファン205とヒーター206を含む。ファン205は風を本体装置202から送られた印刷媒体に吹き付ける。ヒーター206は、印刷媒体に温風を送るためのものである。ヒーター206はファン205に吹き付ける空気を暖める。これにより、インクを乾かすことができる。また、第1後処理装置203はデカールローラー対207を含む。デカールローラー対207は印刷媒体に圧力をかける。第2後処理装置204は、排出トレイ208に印刷媒体を排出する装置である。第2後処理装置204は、表側が下向きとなるように、印刷媒体の表裏を逆転できる。
【0028】
図3に示すように、印刷装置2は制御部20、デバイス記憶部21、操作パネル23(操作部に相当)、印刷部24、デバイス通信部25を含む。制御部20は印刷装置2の各部を制御する。制御部20は、制御回路20aと画像処理回路20bを含む。制御回路20aは、例えば、CPUである。制御回路20aは、デバイス記憶部21に記憶される制御プログラムや制御データに基づき演算、処理を行う。デバイス記憶部21は、ROM、ストレージ(HDD、フラッシュROM)のような不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置を含む。画像処理回路20bは、印刷に用いる画像データに対し、画像処理を行う。
【0029】
印刷装置2は操作パネル23を含む。操作パネル23は、表示パネル23a、タッチパネル23bを含む。制御部20は、設定画面や情報を表示パネル23aに表示させる。表示パネル23aは、キー、ボタン、タブのような操作用画像を表示する。タッチパネル23bは表示パネル23aへのタッチ操作を検知する。タッチパネル23bの出力に基づき、制御部20は、操作された操作用画像を認識する。制御部20は、使用者が行った設定操作を認識する。
【0030】
印刷装置2は印刷部24を含む。印刷部24は、収容装置201、本体装置202の一部、第1後処理装置203、第2後処理装置204を含む。本体装置202は、印刷部24として、媒体搬送部24a、及び、画像形成部24bを含む。印刷ジョブを行うとき、制御部20は印刷部24の動作を制御する。
【0031】
各カセットにはピックアップローラーが設けられる。印刷ジョブのとき、制御部20は、給紙させるカセットのピックアップローラーを回転させる。制御部20は、収容装置201100b内で印刷媒体を搬送させる。制御部20は、本体装置202に侵入した印刷媒体を媒体搬送部24aに搬送させる。媒体搬送部24aは、画像形成部24bに向けて用紙を搬送する。媒体搬送部24aは、搬送ベルト26、駆動ローラー27、従動ローラー28を含む。
【0032】
搬送ベルト26は駆動ローラー27と従動ローラー28にかけ回される。なお、搬送ベルト26は、印刷媒体を吸着する。例えば、搬送ベルト26に設けられた小さな穴から空気を吸入する吸着装置が設けられる。吸着装置により、印刷中の印刷媒体の位置ずれを防ぐことができる。駆動ローラー27を回転させるため、駆動モーターが設けられる。印刷ジョブ中、制御部20は、駆動モーターを回転させ、搬送ベルト26を周回させる。
【0033】
画像形成部24bは搬送される印刷媒体に印刷を行う。言い換えると、画像形成部24bは、印刷媒体にインクを吐出して画像を記録する。印刷のための画像データは画像処理回路20bから供給される。図3に示すように、画像形成部24bは、4本のラインヘッド29を含む。ラインヘッド29のうち、1つはブラック、1つはイエロー、1つはシアン、1つはマゼンタのインクを吐出する。各ラインヘッド29は固定される。搬送ベルト26の上方に各ラインヘッド29が設けられる。各ラインヘッド29と搬送ベルト26の間には、一定の隙間が設けられる。印刷媒体はこの隙間を通過する。
【0034】
各ラインヘッド29は複数のノズルを含む。各ノズルの開口は搬送ベルト26と向かい合う。各ノズルからインクが吐出される。インクは印刷媒体に着弾する。これにより、画像が記録(形成)される。ラインヘッド29ごとに、インクを供給するインク補給機構(不図示)が設けられる。
【0035】
制御部20はデバイス通信部25と接続される。デバイス通信部25は通信用のハードウェア(コネクタ、通信用回路)とソフトウェアを含む。デバイス通信部25は情報処理装置1と通信する。また、デバイス通信部25は、コンピューター200と通信できる。制御部20はコンピューター200から印刷用データを受信する。印刷用データは印刷設定や印刷内容を含む。制御部20(画像処理回路20b)は、受信した(入力された)印刷用データを解析する。受信した印刷用データに基づき、制御部20は、画像形成部24bでの画像形成に用いる画像データ(ラスターデータ)を生成する。
【0036】
(プロファイル情報3)
次に、図2図4を用いて、実施形態に係るプロファイル情報3の一例を説明する。
【0037】
各印刷装置2は、商業印刷用のものである。情報処理装置1は、高品質、かつ、高速に印刷を行うための各印刷装置2を管理する。印刷物の品質を高めるため、制御部20は、使用する印刷媒体用のプロファイル情報3を適用する。記憶部11は、デバイス記憶部21は複数のプロファイル情報3を不揮発的に記憶する。
【0038】
プロファイル情報3は、ICCプロファイルを含む。ICCプロファイルは、Color Management Systemに準拠したデータである。ICCプロファイルは、入力(画像データ)の色と出力(画像データ)での色の違いを軽減し、できるだけ正しい色(画像データ通りの色)で印刷するためのデータである(カラーマッチング)。例えば、ICCプロファイルは、色変換(画素値変換)用のテーブルを含む。例えば、白い用紙でも、真っ白な用紙もあれば、クリーム色に近い用紙もある。印刷媒体の色を考慮して、カラーテーブル(ICCプロファイル)が定められる。
【0039】
なお、プロファイル情報3は、印刷媒体名(銘柄)を示すデータを含む。また、プロファイル情報3は、印刷媒体の特性を示すデータを含んでもよい。例えば、プロファイル情報3は、印刷媒体のサイズを示すデータをふくんでもよい。印刷媒体が用紙の場合、プロファイル情報3は、坪量(単位面積当たりの重さ)、紙の種類、コートの有無を示す情報を含んでもよい。
【0040】
印刷媒体の製造者や販売者がプロファイル情報3の作成を行うことがある。また、印刷装置2の製造者や販売者がプロファイル情報3の作成を行うこともある。このようなプロファイル情報3には、製造者や販売者のサーバーからプロファイル情報3をダウンロードできるように公開されているものがある。この場合、ダウンロードすることにより、プロファイル情報3を取得することができる。
【0041】
例えば、情報処理装置1の入力デバイス13は、サーバーの指定とダウンロードするプロファイル情報3の指定を受け付ける。この場合、情報処理装置1のデータ処理部10は、指定されたサーバーへのアクセスを通信部14に行わせる。そして、データ処理部10は、指定されたプロファイル情報3を通信部14に取得させる。データ処理部10は、取得したプロファイル情報3を記憶部11に不揮発的に記憶させる。
【0042】
また、プロファイル情報3を印刷装置2の使用者が作成する場合もある。この場合、作成したプロファイル情報3を情報処理装置1のデバイス記憶部21に不揮発的に記憶させることができる。例えば、作成者は、情報処理装置1の通信部14に向けて、プロファイル情報3を作成したコンピューター200からプロファイル情報3を送信する。情報処理装置1のデータ処理部10は、受信したプロファイル情報3を記憶部11に不揮発的に記憶する。また、情報処理装置1に設けられたソケットにプロファイル情報3を記憶した携帯型メモリー300を差し込むことにより、プロファイル情報3を記憶部11に不揮発的に記憶させることもできる。
【0043】
このように、情報処理装置1は、プロファイル情報3のデータベースとして機能する。
【0044】
印刷装置2では、印刷するとき、印刷に用いる印刷媒体の種類(銘柄)を選択する必要がある。印刷媒体にあわせた印刷を行うためである。例えば、特定の用紙を用いる場合、使用者は用紙種類(用紙名)を操作パネル23で選択する。
【0045】
印刷装置2のデバイス記憶部21は不揮発的にプロファイル情報3を記憶する。印刷装置2は、複数のプロファイル情報3を不揮発的に記憶できる。言い換えると、印刷装置2にプロファイル情報3を登録(インストール)することができる。印刷装置2の操作パネル23は、デバイス記憶部21が記憶するプロファイル情報3の一覧を表示パネル23aに表示させる。操作パネル23は、印刷に用いる印刷媒体に対応するプロファイル情報3の選択を受け付ける。制御部20は、選択されたプロファイル情報3に対応する印刷媒体を、印刷に用いる印刷媒体と認識する。
【0046】
印刷装置2の制御部20(画像処理回路20b)は、プロファイル情報3に含まれるICCプロファイル(色変換テーブル)を用いて、画像データを変換し、出力用画像データを生成する。変換元の画像データは、コンピューター200からデバイス通信部25が受信した画像データ、又は、コンピューター200から受信した印刷用データ(ページ記述言語で記述されたデータ)に基づき制御部20が生成した画像データである。制御部20は、出力用画像データに基づき、画像形成部24bに印刷させる。
【0047】
(ダウンロードによるプロファイル情報3の登録と自動配信)
次に、図5図7を用いて、実施形態に係る印刷装置2でのプロファイル情報3の登録と自動配信一例を説明する。図5は実施形態に係る印刷装置2でのプロファイル情報3の登録と自動配信の一例を示す図である。図6は実施形態に係るグループ定義データ4の一例を示す図である。図7は、実施形態に係る利用可否データ5の一例を示す図である。
【0048】
デバイス記憶部21にプロファイル情報3が記憶されていない(登録されていない)場合、印刷装置2では、印刷に用いる印刷媒体(プロファイル情報3)を選択できない。印刷装置2のデバイス記憶部21には、使用する印刷媒体に対応するプロファイル情報3が記憶されていなくてはならない。このような場合、プロファイル情報3を印刷装置2に登録(インストール)する必要がある。
【0049】
情報処理装置1からのダウンロードによって、新たなプロファイル情報3を印刷装置2に登録することができる。以下の説明では、ダウンロードによりプロファイル情報3を新たに登録した印刷装置2を第1印刷装置2aと称する(図1参照)。第1印刷装置2aは、情報処理装置1の通信部14と通信可能であり、かつ、情報処理装置1が管理する印刷装置2のうちの1台である。第1印刷装置2aには、自動配信によりプロファイル情報3を取得した印刷装置2は含まれない。
【0050】
プロファイル情報3がダウンロードされたとき、情報処理装置1(データ処理部10)は、第2印刷装置2b(図1参照)に自動登録用プロファイル情報3を自動的に配信する。情報処理装置1は、ダウンロードされた(第1印刷装置2aに送信された)プロファイル情報3と同じプロファイル情報3を、自動登録用プロファイル情報3と扱う。
【0051】
第2印刷装置2bは、通信部14と通信可能な印刷装置2である。例えば、第2印刷装置2bは、情報処理装置1と同じローカルネットワークに属する印刷装置2である。しかも、第2印刷装置2bは、第1印刷装置2aと同じグループに属する印刷装置2である。
【0052】
次に、図5を用いて、情報処理装置1からのダウンロードと自動登録用プロファイル情報3の配信の流れの一例を説明する。
【0053】
図5のスタートは、ダウンロードによる新たなプロファイル情報3の登録を開始する時点である。印刷装置2の操作パネル23は、ダウンロードによるプロファイル情報3の登録開始指示を受け付ける。操作パネル23がダウンロードによる登録開始指示を受け付けたとき、制御部20は、ダウンロードデータ選択画面を表示パネル23aに表示させる(ステップ♯11)。
【0054】
具体的に、制御部20は、情報処理装置1(通信部14)へのアクセスをデバイス通信部25に行わせる。そして、制御部20は、情報処理装置1(記憶部11)に記憶されているプロファイル情報3の一覧を表示するためのデータをデバイス通信部25に取得させる。例えば、制御部20は、情報処理装置1が記憶する全てのプロファイル情報3のデータ名(ファイル名)やプロファイルに対応する印刷媒体の名前(銘柄)をデバイス通信部25に取得させる。取得したデータに基づき、制御部20は、ダウンロードデータ選択画面に、情報処理装置1(記憶部11)が記憶するプロファイル情報3や印刷媒体の名前(種類)の一覧を表示パネル23aに表示させる。
【0055】
そして、操作パネル23は、登録する(インストールする)プロファイル情報3の指定を受け付ける。これにより、制御部20は、操作パネル23で指定されたプロファイル情報3を認識する(ステップ♯12)。制御部20は、情報処理装置1(通信部14)に向けて、指定されたプロファイル情報3の送信要求をデバイス通信部25に送信させる(ステップ♯13)。
【0056】
送信要求を受けたとき、情報処理装置1は応答する。具体的に、データ処理部10は送信要求された(指定された)プロファイル情報3を送信する(ステップ♯14)。印刷装置2(デバイス通信部25)は、新たなプロファイル情報3をダウンロードする。具体的に、通信部14が印刷装置2からのプロファイル情報3の送信要求を受けたとき、情報処理装置1のデータ処理部10は、送信要求を行った印刷装置2(デバイス通信部25)に向けて、送信要求で指定されたプロファイル情報3を通信部14に送信させる。
【0057】
印刷装置2の制御部20は、受信したプロファイル情報3をデバイス記憶部21に不揮発的に記憶させる(ステップ♯15)。これにより、プロファイル情報3の印刷装置2への登録(インストール)が完了する。
【0058】
次に、情報処理装置1のデータ処理部10は、第1印刷装置2aと同じグループの印刷装置2(第2印刷装置2b)を認識する(ステップ#16)。データ処理部10は、グループ定義データ4を参照して第2印刷装置2bを認識する。
【0059】
ここで、情報処理装置1(記憶部11)は、グループ定義データ4を不揮発的に記憶する(図2参照)。図6はグループ定義データ4の一例を示す。図6に記すように、グループ定義データ4は、印刷装置2がどのグループに属するかを定義したデータである。言い換えると、グループ定義データ4は、情報処理装置1が管理する(情報処理装置1と同じローカルネットワークに属する)それぞれの印刷装置2が属するグループを定義したデータである。図6に示すように、1つの印刷装置2は、複数のグループに属してもよい。また、1つの印刷装置2は、1つのグループのみに属してもよい。
【0060】
情報処理装置1にて、グループ定義データ4の作成、編集を行うことができる、情報処理装置1の入力デバイス13は、グループ定義データ4の作成、編集の操作を受け付ける。例えば、入力デバイス13は、ある印刷装置2を特定のグループに所属させる操作を受け付ける。また、入力デバイス13は、ある印刷装置2を特定のグループから外す操作を受け付ける。つまり、入力デバイス13は、グループ定義データ4の編集を受け付ける。
【0061】
入力デバイス13になされた編集操作に応じて、情報処理装置1(データ処理部10)は、グループ定義データ4を記憶部11に更新させる。作成、編集結果が反映されるように、グループ定義データ4が更新される。
【0062】
管理者は、印刷装置2が印刷する印刷媒体のタイプ、印刷装置2が用いる色材、印刷装置2の製造会社、印刷装置2の形式、印刷装置2の印刷特性を考慮してグループ定義データ4の作成、編集を行うことができる。例えば、同じ機種又は同系の印刷装置2を同じグループとすることができる。また、印刷出力特性が近い印刷装置2を同じグループとしてもよい。
【0063】
次に、情報処理装置1のデータ処理部10は、第2印刷装置2bのうち、自動登録用プロファイル情報3を配信する印刷装置2を認識する(ステップ#17)。データ処理部10は、利用可否データ5を参照して配信する印刷装置2を認識する。
【0064】
ここで、情報処理装置1(記憶部11)は、利用可否データ5を不揮発的に記憶する(図2参照)。図7は利用可否データ5の一例を示す。図7に記すように、利用可否データ5は、印刷装置2ごとに、使用できない印刷媒体の種類(名前、銘柄)を定義したデータである。利用可否データ5は、印刷装置2ごとに、登録が不要なプロファイル情報3(印刷媒体の種類)を定義したデータともいえる。
【0065】
図7に示すように、印刷装置2には、複数の利用できない印刷媒体が定義されるものがある。また、印刷装置2には、利用できない印刷媒体が1つのみ定義されるものもある。また、印刷装置2には、利用できない印刷媒体が定義されないものもあり得る。
【0066】
情報処理装置1にて、利用可否データ5の作成、編集を行うことができる、情報処理装置1の入力デバイス13は、利用可否データ5の作成、編集の操作を受け付ける。例えば、入力デバイス13は、ある印刷装置2について、特定の印刷媒体を利用不可と定める操作を受け付ける。また、入力デバイス13は、ある印刷装置2について、特定の印刷媒体を利用不可の定義を外す操作を受け付ける。
【0067】
入力デバイス13になされた操作に応じて、情報処理装置1(データ処理部10)は、利用可否データ5を記憶部11に更新させる。作成、編集結果が反映されるように、利用可否データ5が更新される。
【0068】
管理者、使用者は、印刷装置2の印刷目的、印刷対象を考慮して利用可否データ5の作成、編集を行うことができる。例えば、管理者は、厚紙印刷用の印刷装置2について、普通紙、薄紙、布のような印刷媒体を利用不可と定めてもよい。管理者は、布用の印刷装置2について、紙を素材とする印刷媒体を利用不可と定めてもよい。
【0069】
なお、自動配信しようとするプロファイル情報3に対応する印刷媒体の種類(銘柄)が利用可否データ5に含まれていない場合がある。この場合、情報処理装置1のデータ処理部10は、すべての第2印刷装置2bに、自動登録用プロファイル情報3を配信すると認識する。
【0070】
情報処理装置1(データ処理部10)は、自動登録用プロファイル情報3に対応する印刷媒体が利用不可の第2印刷装置2bに向けては、自動登録用プロファイル情報3を通信部14に送信させない(ステップ#18)。不要なプロファイル情報3の自動登録を防ぐことができる。
【0071】
一方、情報処理装置1(データ処理部10)は、自動登録用プロファイル情報3に対応する印刷媒体が利用不可ではない第2印刷装置2bに向けて、自動登録用プロファイル情報3を通信部14に送信させる(ステップ#19)。使用する可能性がある印刷媒体のプロファイル情報3を自動に登録することができる。
【0072】
自動登録用プロファイル情報3を受信したとき、印刷装置2(制御部20)は、受信した自動登録用プロファイル情報3をデバイス記憶部21に不揮発的に記憶させる(ステップ#110)。これにより、第2印刷装置2bでプロファイル情報3の自動登録が完了する(エンド)。
【0073】
(携帯型メモリー300を用いたプロファイル情報3の登録と自動配信)
次に、図8を用いて、実施形態に係る印刷装置2でのプロファイル情報3の登録の一例を説明する。図8は、実施形態に係る印刷装置2でのプロファイル情報3の登録と自動配信の一例を示す図である。
【0074】
携帯型メモリー300(図4参照)は、例えば、USBメモリーやメモリーカードである。携帯型メモリー300を用いる場合、使用者は登録したいプロファイル情報3を携帯型メモリー300に予め記憶させておく。例えば、使用者作成のプロファイル情報3を携帯型メモリー300に記憶させておく。携帯型メモリー300を用いて、新たなプロファイル情報3を印刷装置2に登録することができる。
【0075】
印刷装置2は接続部210を含む(図4参照)。接続部210は携帯型メモリー300を接続し、データの読み書きをするためのインターフェイスである。接続部210は、携帯型メモリー300を接続するためのソケットや、携帯型メモリー300の読み書きを行うための通信回路(インターフェイス回路)を含む。
【0076】
図8のスタートは、携帯型メモリー300を用いた新たなプロファイル情報3の登録の開始指示がなされた時点である。印刷装置2の操作パネル23は携帯型メモリー300によるプロファイル情報3の登録開始指示を受け付ける。操作パネル23が携帯型メモリー300による登録開始指示を受け付けたとき、制御部20は、読み出しデータ選択画面を表示パネル23aに表示させる(ステップ♯21)。
【0077】
具体的に、制御部20は、携帯型メモリー300へのアクセスを接続部210に行わせる。そして、制御部20は、携帯型メモリー300に記憶されているプロファイル情報3を検索する。制御部20は、ダウンロードデータ選択画面内に、検出したプロファイル情報3の一覧を表示パネル23aに表示させる。
【0078】
操作パネル23は、登録する(インストールする)プロファイル情報3の指定を受け付ける。これにより、制御部20は、操作パネル23で指定されたプロファイル情報3を認識する(ステップ♯22)。制御部20は、携帯型メモリー300から指定されたプロファイル情報3を接続部210に読み出させる(ステップ♯23)。言い換えると、制御部20は、携帯型メモリー300から新たに登録するプロファイル情報3を取得する。
【0079】
携帯型メモリー300からプロファイル情報3を読み出したとき、印刷装置2の制御部20は、情報処理装置1(通信部14)に向けて、読み出したプロファイル情報3をデバイス通信部25に送信させる(ステップ♯24)。言い換えると、情報処理装置1以外からプロファイル情報3を取得したとき、印刷装置2(制御部20)は、情報処理装置1に向けて、新たに取得したプロファイル情報3を送信させる。
【0080】
印刷装置2からのプロファイル情報3を受信したとき、情報処理装置1(データ処理部10)は、受信したプロファイル情報3を記憶部11に不揮発的に記憶させる(ステップ♯25)。これにより、データベース(情報処理装置1)に新規のプロファイル情報3が自動的に蓄積される。
【0081】
さらに、印刷装置2の制御部20は、読み出したプロファイル情報3をデバイス記憶部21に不揮発的に記憶させる(ステップ♯26)。これにより、携帯型メモリー300から読み出されたプロファイル情報3の印刷装置2への登録(インストール)が完了する。
【0082】
次に、情報処理装置1のデータ処理部10は、プロファイル情報3を送信してきた印刷装置2と同じグループの印刷装置2(第3印刷装置2)を認識する(ステップ#27)。言い換えると、データ処理部10は、携帯型メモリー300からプロファイル情報3を取得した印刷装置2と同じグループの印刷装置2を第3印刷装置2として認識する。データ処理部10は、グループ定義データ4を参照して第3印刷装置2を認識する(第2印刷装置2bのときと同様)。
【0083】
次に、情報処理装置1のデータ処理部10は、第3印刷装置2のうち、自動登録用プロファイル情報3を配信する印刷装置2を認識する(ステップ#28)。データ処理部10は、利用可否データ5を参照して配信する印刷装置2を認識する(第2印刷装置2bのときと同様)。
【0084】
この場合、情報処理装置1は、印刷装置2から受信した(携帯型メモリー300から読み出された)プロファイル情報3と同じプロファイル情報3を自動登録用プロファイル情報3と扱う。
【0085】
情報処理装置1(データ処理部10)は、自動登録用プロファイル情報3に対応する印刷媒体を利用できない第3印刷装置2に向けては、自動登録用プロファイル情報3を通信部14に送信させない(ステップ#29)。不要なプロファイル情報3の自動登録を防ぐことができる。
【0086】
一方、情報処理装置1(データ処理部10)は、自動登録用プロファイル情報3に対応する印刷媒体が利用不可ではない第3印刷装置2に向けて、自動登録用プロファイル情報3を通信部14に送信させる(ステップ#210)。使用する可能性がある印刷媒体のプロファイル情報3を自動に登録することができる。
【0087】
自動登録用プロファイル情報3を受信したとき、印刷装置2(制御部20)は、受信した自動登録用プロファイル情報3をデバイス記憶部21に不揮発的に記憶させる(ステップ#211)。これにより、第3印刷装置2でプロファイル情報3の自動登録が完了する(エンド)。
【0088】
このようにして、実施形態に係る情報処理装置1は、通信部14、記憶部11、データ処理部10を含む。記憶部11は、プロファイル情報3を不揮発的に記憶する。データ処理部10は、要求に応じて、第1印刷装置2aに向けて、プロファイル情報3を通信部14に送信させる。プロファイル情報3を第1印刷装置2aに送信したとき、データ処理部10は、第2印刷装置2bに向けて、自動登録用プロファイル情報3を通信部14に配信させる。プロファイル情報3は、印刷媒体の種類ごとに定められた色変換用のプロファイルデータを含む。自動登録用プロファイル情報3は、第1印刷装置2aに送信されたプロファイル情報3と同じプロファイル情報3である。第1印刷装置2aは、通信部14と通信可能な印刷装置2のうちの1つである。第2印刷装置2bは、通信部14と通信可能な印刷装置2であり、第1印刷装置2aと同じグループに属する印刷装置2である。
【0089】
また、実施形態に係る印刷システム100は、情報処理装置1と、情報処理装置1と通信する複数の印刷装置2と、を含む。
【0090】
これらの情報処理装置1と印刷システム100によれば、ある印刷装置2(第1印刷装置2a)にプロファイル情報3を登録したとき、同じグループに属する印刷装置2(第2印刷装置2b)にもプロファイル情報3を登録することができる。第1印刷装置2aにプロファイル情報3を登録した印刷媒体を第2印刷装置2bで用いるか否かは未定である。しかし、第1印刷装置2aと同じ者が管理する以上、第2印刷装置2bでも同じ印刷媒体を用いて印刷する可能性はある。そこで、第1印刷装置2aに関連する第2印刷装置2bにプロファイル情報3を前もって登録してしまう。つまり、同じグループに属する印刷装置2に、同時に同じプロファイル情報3を登録することができる。自動的かつ投機的にプロファイル情報3を印刷装置2に登録することができる。後に、自動的に登録されたプロファイル情報3に対応する印刷媒体を用いることになったとき、使用者は新たなプロファイル情報3の登録(インストール)作業を行わなくてすむ。プロファイル情報3の登録作業の負担(時間、手間)を減らすことができる。
【0091】
情報処理装置1は入力デバイス13を含む。記憶部11は、グループ定義データ4を記憶する。グループ定義データ4は、印刷装置2が属するグループを定義したデータである。データ処理部10は、グループ定義データ4に基づき、第2印刷装置2bを認識する。入力デバイス13は、グループ定義データ4の編集を受け付ける。使用者は、印刷装置2がどのグループに属するかを定められる。管理する印刷装置2のうち、関連する印刷装置2を定義することができる。
【0092】
記憶部11は、利用可否データ5を記憶する。利用可否データ5は、印刷装置2ごとに、利用不可の印刷媒体の種類を定義したデータである。プロファイル情報3を第1印刷装置2aに送信したとき、データ処理部10は、利用可否データ5に基づき、第2印刷装置2bが、自動登録用プロファイル情報3に対応する印刷媒体が利用不可か否かを確認する。データ処理部10は、自動登録用プロファイル情報3に対応する印刷媒体が利用不可ではない第2印刷装置2bに向けて、自動登録用プロファイル情報3を通信部14に送信させる。データ処理部10は、自動登録用プロファイル情報3を利用不可の第2印刷装置2bに向けては、自動登録用プロファイル情報3を通信部14に送信させない。不要なプロファイル情報3の第2印刷装置2bへの登録を避けることができる。印刷できない印刷媒体のプロファイル情報3については、第2印刷装置2bへの自動登録が行われない。不要なデータを記憶させることがない。
【0093】
データ処理部10は、通信部14が印刷装置2からプロファイル情報3の送信要求を受けたとき、送信要求を行った印刷装置2に向けて、送信要求で指定されたプロファイル情報3を通信部14に送信させる。印刷装置2から送信要求を送るだけで、印刷装置2(第1印刷装置2a)にプロファイル情報3を登録する(ダウンロードする)ことができる。
【0094】
印刷システム100では、印刷装置2が情報処理装置1以外からプロファイル情報3を取得したとき、印刷装置2は、情報処理装置1に向けて、新たに取得したプロファイル情報3を送信する。情報処理装置1は、印刷装置2から受信したプロファイル情報3を、プロファイル情報3を送信した印刷装置2と同じグループに属する印刷装置2に送信する。印刷装置2が新たに取得したプロファイル情報3を情報処理装置1に転送することができる。情報処理装置1を介さずに印刷装置2に登録されたプロファイル情報3を、関連する印刷装置2に自動的に登録することができる。
【0095】
印刷装置2は、携帯型メモリー300を接続するための接続部210を含む。印刷装置2は、接続部210に接続された携帯型メモリー300からプロファイル情報3を新たに取得する。携帯型メモリー300から印刷装置2に入力されたプロファイル情報3(新たに取得したプロファイル情報3)を情報処理装置1に転送することができる。携帯型メモリー300から印刷装置2に入力されたプロファイル情報3を、関連する印刷装置2に自動的に登録することができる。
【0096】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、複数の印刷装置を管理する情報処理装置に利用可能である。情報処理装置と複数の印刷装置を含む印刷システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0098】
100 印刷システム 1 情報処理装置
10 データ処理部 11 記憶部
13 入力デバイス 14 通信部
2 印刷装置 2a 第1印刷装置(印刷装置)
2b 第2印刷装置(印刷装置) 210 接続部
3 プロファイル情報 4 グループ定義データ
5 利用可否データ 300 携帯型メモリー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8