(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
H01R 9/22 20060101AFI20230426BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
H01R9/22
H01R13/52 301B
H01R13/52 D
(21)【出願番号】P 2020000833
(22)【出願日】2020-01-07
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】廣岡 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】橋本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】金 知聖
(72)【発明者】
【氏名】村井 完
(72)【発明者】
【氏名】工藤 康弘
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-130749(JP,A)
【文献】特開2017-103011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/22
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される機器のハウジングに設けられる端子台であって、
筒状のコネクタ部と、
前記コネクタ部の外周に形成され、前記ハウジングの開口を塞ぐ態様で前記ハウジングに固定される台座部と、を備え、
前記台座部は、
前記コネクタ部の軸線方向に対して交差する方向に延びる第1壁部と、
前記コネクタ部の軸線方向において前記第1壁部に対向する第2壁部と、
前記第1壁部と第2壁部とを繋ぐように前記第1壁部と前記第2壁部の間に設けられたリブと、
前記第1壁部と前記第2壁部との間において前記リブによって区画された空隙部と、
を備え、
前記空隙部が前記コネクタ部の軸線方向に対して交差する方向に開放されている端子台。
【請求項2】
前記リブは、互いに交差する第1リブ及び第2リブを含む、請求項1に記載の端子台。
【請求項3】
前記台座部の裏面側に環状のシール部材を備え、
前記端子台の前記ハウジングに対する組付状態において、前記シール部材は前記開口を囲う位置で前記ハウジングと前記第2壁部とによって挟まれて圧縮される、請求項1又は請求項2に記載の端子台。
【請求項4】
前記第2壁部には、前記シール部材が配置される収容溝が形成されている、請求項3に記載の端子台。
【請求項5】
前記台座部は、前記ハウジングに対して締結固定される複数の被締結部を備え、
前記第1壁部及び前記第2壁部は、前記被締結部同士を繋ぐように形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の端子台。
【請求項6】
前記台座部は、前記コネクタ部の軸線方向に沿って立設された立設リブと、前記立設リブによって区画され前記コネクタ部の軸線方向に開口する凹部と、を備え、
前記凹部には、当該凹部の内外を連通する水抜き孔が形成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の端子台。
【請求項7】
前記第1壁部及び前記第2壁部は、前記端子台を前記コネクタ部の軸線方向から見たときの前記端子台の長手方向に沿った側部に設けられ、
前記立設リブ及び前記凹部は、前記端子台を前記コネクタ部の軸線方向から見たときの前記端子台の短手方向に沿った側部に設けられている、請求項6に記載の端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機器に取り付けられる端子台として、例えば特許文献1に記載された端子台は、筒状のコネクタ部と、コネクタ部の外周に形成された台座部とを備えている。台座部は、機器のハウジングの開口を塞ぐ態様で該ハウジングに固定される。また、特許文献1の端子台において、台座部の表面側(反機器側)には、複数の補強用のリブが、筒状の前記コネクタ部の軸線方向に沿って立てられており、それらリブによって台座部の剛性が向上されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような端子台において、台座部の表面側には、補強用のリブによって囲われた空間が形成される。このため、台座部の表面側から端子台に水がかかったときに、補強用のリブの間に水が浸入し、当該リブの間に水が滞留するおそれがある。
【0005】
そこで、台座部における補強用のリブの間への水の浸入を抑制可能な端子台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の端子台は、車両に搭載される機器のハウジングに設けられる端子台であって、筒状のコネクタ部と、前記コネクタ部の外周に形成され、前記ハウジングの開口を塞ぐ態様で前記ハウジングに固定される台座部と、を備え、前記台座部は、前記コネクタ部の軸線方向に対して交差する方向に延びる第1壁部と、前記コネクタ部の軸線方向において前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と第2壁部とを繋ぐように前記第1壁部と前記第2壁部の間に設けられたリブと、前記第1壁部と前記第2壁部との間において前記リブによって区画された空隙部と、を備え、前記空隙部が前記コネクタ部の軸線方向に対して交差する方向に開放されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、台座部における補強用のリブの間への水の浸入を抑制可能な端子台を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図3は、同形態の端子台における裏面側からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の端子台は、
[1]車両に搭載される機器のハウジングに設けられる端子台であって、筒状のコネクタ部と、前記コネクタ部の外周に形成され、前記ハウジングの開口を塞ぐ態様で前記ハウジングに固定される台座部と、を備え、前記台座部は、前記コネクタ部の軸線方向に対して交差する方向に延びる第1壁部と、前記コネクタ部の軸線方向において前記第1壁部に対向する第2壁部と、前記第1壁部と第2壁部とを繋ぐように前記第1壁部と前記第2壁部の間に設けられたリブと、前記第1壁部と前記第2壁部との間において前記リブによって区画された空隙部と、を備え、前記空隙部が前記コネクタ部の軸線方向に対して交差する方向に開放されている。
【0010】
この構成によれば、台座部の表面側から端子台に水がかかった場合に、第1壁部及び第2壁部の間のリブによって区画された空隙部への水の浸入を抑制することが可能となる。従って、台座部における補強用のリブの間の空隙部への水の浸入を抑制することが可能となる。
【0011】
[2]前記リブは、互いに交差する第1リブ及び第2リブを含むことが好ましい。この構成によれば、台座部の剛性を好適に向上させることが可能となる。
[3]前記台座部の裏面側に環状のシール部材を備え、前記端子台の前記ハウジングに対する組付状態において、前記シール部材は前記開口を囲う位置で前記ハウジングと前記第2壁部とによって挟まれて圧縮されることが好ましい。この構成によれば、機器のハウジングと第2壁部との間をシール部材にてシールして、ハウジングの開口への水の浸入を抑制することが可能となる。
【0012】
[4]前記第2壁部には、前記シール部材が配置される収容溝が形成されていることが好ましい。この構成によれば、第2壁部の収容溝にてシール部材を安定して保持することが可能となる。
【0013】
[5]前記台座部は、前記ハウジングに対して締結固定される複数の被締結部を備え、前記第1壁部及び前記第2壁部は、前記被締結部同士を繋ぐように形成されていることが好ましい。この構成によれば、台座部における被締結部間の剛性を、第1壁部と、第2壁部と、第1及び第2壁部の間のリブとによって向上させることが可能となる。
【0014】
[6]前記台座部は、前記コネクタ部の軸線方向に沿って立設された立設リブと、前記立設リブによって区画され前記コネクタ部の軸線方向に開口する凹部と、を備え、前記凹部には、当該凹部の内外を連通する水抜き孔が形成されていることが好ましい。この構成によれば、立設リブによって区画された凹部に入った水を水抜き孔から凹部の外側に排出することが可能となるため、凹部における水の滞留を抑制することができる。
【0015】
[7]前記第1壁部及び前記第2壁部は、前記端子台を前記コネクタ部の軸線方向から見たときの前記端子台の長手方向に沿った側部に設けられ、前記立設リブ及び前記凹部は、前記端子台を前記コネクタ部の軸線方向から見たときの前記端子台の短手方向に沿った側部に設けられていることが好ましい。この構成によれば、コネクタ部の軸線方向から見て長手方向を有する端子台において、被水に強いより好適な構成とすることが可能となる。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の端子台の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。なお、本開示における平行とは、厳密な意味での平行を意味するものではなく、平行とみなされる範囲であれば本発明の効果を奏する範囲で幅を持つ意味である。また、本開示における垂直とは、厳密な意味での垂直を意味するものではなく、垂直とみなされる範囲であれば本発明の効果を奏する範囲で幅を持つ意味である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の端子台10は、車両に搭載される機器のハウジング11に組み付けられるものである。なお、図面中の互いに直交するXYZ軸におけるX軸は、端子台10の長手方向Xを表し、Y軸は端子台10の幅方向Yを表し、Z軸は端子台10の高さ方向Zを表している。
【0018】
端子台10は、筒状のコネクタ部21と、コネクタ部21の外周においてXY平面に沿って鍔状に延びるように形成された台座部22と、を備えている。
台座部22は、ハウジング11の組付面12に固定される。本実施形態の組付面12は平面状をなす。また、本実施形態の組付面12は天方向側を向くとともに、重力方向に対して交差するように構成されている。組付面12には、ハウジング11の内外を連通する開口13が形成されている。台座部22は、ハウジング11の開口13を塞ぐ態様で組付面12に固定される。また、端子台10は、高さ方向Zが組付面12に対して垂直をなすように、組付面12に組み付けられる。
【0019】
(コネクタ部21)
コネクタ部21は、平面視(組付面12に対する垂直方向視であって、本実施形態では高さ方向Z視)における端子台10の中央部に設けられている。なお、以下の説明において、端子台10の高さ方向Z視を単に「平面視」と言う。
【0020】
コネクタ部21は、図示しない相手側コネクタが嵌合される筒状の嵌合部24と、嵌合部24の内周側に配置された複数の端子25と、を備えている。嵌合部24及び台座部22は、例えば合成樹脂材からなる射出成形品である。すなわち、嵌合部24及び台座部22は互いに一体に形成されている。なお、コネクタ部21(嵌合部24)の軸線方向(開口方向)は、端子台10の高さ方向Z、すなわち、組付面12に対する垂直方向に沿っている。
【0021】
図1及び
図3に示すように、コネクタ部21の複数の端子25は、端子台10の長手方向Xに沿って並設されている。また、複数の端子25は、台座部22の表面側から裏面側に貫通するように配置されている。各端子25の一端部(台座部22の裏面側の端部)は、開口13を介してハウジング11の内部に挿入されるとともに、ハウジング11内に設けられた機器側の端子(図示略)と接続される。また、各端子25の他端部(台座部22の表面側の端部)は、嵌合部24に対して反機器側から装着される前記相手側コネクタの端子と接続される。
【0022】
(台座部22)
図1及び
図2に示すように、台座部22は、平面視において略長方形状をなしている。すなわち、台座部22は、長手方向Xの寸法が幅方向Yの寸法よりも長く形成されている。また、以下の説明では、台座部22における組付面12と対向する側を「裏面側」とし、その反対側を「表面側」と言う。
【0023】
台座部22の平面視における4つの角部の各々には、被締結部としての筒状のカラー26がインサート成形により埋設されている。各カラー26は、台座部22を形成する合成樹脂材よりも剛性の高い材料(例えば金属材料)からなる。各カラー26は、図示しないボルトによって組付面12に対して締結固定される。これにより、台座部22が組付面12に対して固定される。なお、本実施形態におけるカラー26の中心軸線(すなわち、ボルトの組付方向)は、端子台10の高さ方向Zと平行をなしている。
【0024】
図1、
図3及び
図4に示すように、台座部22は、高さ方向Zにおいて互いに対向する第1壁部31及び第2壁部32と、第1壁部31と第2壁部32の間に形成された補強用のリブ33と、第1壁部31と第2壁部32の間においてリブ33によって区画された空隙部34と、を備えている。
【0025】
(第1壁部31及び第2壁部32)
第1壁部31及び第2壁部32は、嵌合部24の外側面から幅方向Yに沿って延出している。第1壁部31は、高さ方向Zと直交するXY平面に沿った平板状をなしている。第2壁部32は、第1壁部31に対して組付面12側に位置している。本実施形態では、第1壁部31が台座部22の表面を形成し、第2壁部32が台座部22の裏面を形成している。
【0026】
図1及び
図2に示すように、第1壁部31は、長手方向Xに並ぶ2つのカラー26を繋ぐように形成されている。また、第1壁部31は、嵌合部24の幅方向Yの両側にそれぞれ形成されている。また、
図3に示すように、第2壁部32は、端子25を含むコネクタ部21の周りに環状に形成されている。
【0027】
(リブ33)
図1、
図3及び
図4に示すように、端子台10の高さ方向Z、すなわちコネクタ部21の軸線方向(筒状の嵌合部24の開口方向)において互いに対向する第1壁部31と第2壁部32との間にはリブ33が形成されている。本実施形態のリブ33は、第1リブ41、第2リブ42及び第3リブ43を含んで構成されている。
【0028】
第3リブ43は、長手方向Xに直交するYZ平面に沿う平板状をなし、長手方向Xに複数並んでいる。各第3リブ43は、第1壁部31から第2壁部32に亘って形成されている。また、各第3リブ43は、嵌合部24の外側面から幅方向Yに延出している。すなわち、各第3リブ43は、嵌合部24の外側面に繋がっている。
【0029】
第1リブ41及び第2リブ42はYZ平面に対して傾斜し、幅方向Yから見てX字状に交差している。なお、本実施形態では、第1リブ41と第2リブ42との交差部44は、第1壁部31と第2壁部32との間の高さ方向Zの中心位置に設定されている。また、第1リブ41及び第2リブ42は、嵌合部24の外側面から幅方向Yに延出している。すなわち、第1リブ41及び第2リブ42は、嵌合部24の外側面に繋がっている。また、第1リブ41及び第2リブ42は、複数の第3リブ43によって区画された各空間にそれぞれ形成されている。なお、上記した第3リブ43、第1リブ41及び第2リブ42を含むリブ33は、台座部22におけるコネクタ部21を挟んだ幅方向Yの両側部位にそれぞれ形成されている。
【0030】
(空隙部34)
高さ方向Zにおける第1壁部31及び第2壁部32の間において、リブ33によって区画された空隙部34は、高さ方向Zに対して平行をなすコネクタ部21の軸線方向に対して交差する方向に開放されている。本実施形態では、空隙部34は、幅方向Yの外側、すなわちコネクタ部21とは反対側に開放する開放端34aを有している。なお、本実施形態の空隙部34は、第1壁部31と第1及び第2リブ41,42とによって区画されたものと、第2壁部32と第1及び第2リブ41,42とによって区画されたものと、第1~第3リブ41~43によって区画されたものを有している。
【0031】
図1及び
図2に示すように、台座部22は、コネクタ部21の長手方向Xの両側において、台座部22の長手方向X両側の外側壁を形成する立設リブ45を有している。各立設リブ45は、高さ方向Zに沿って立設されている。また、各立設リブ45は、幅方向Yに並ぶカラー26を繋ぐように形成されている。
【0032】
図2に示すように、立設リブ45とコネクタ部21の嵌合部24との間には、底壁46が形成されている。すなわち、台座部22には、立設リブ45、嵌合部24及び底壁46からなる凹部47が形成されている。また、本実施形態の端子台10は、高さ方向Zに沿って立設された、立設リブ45とは別の立設リブ49も備えている。立設リブ49は、底壁46から高さ方向Zに延び、嵌合部24の外側面と立設リブ45とを繋ぐように形成されている。また、立設リブ49は幅方向Yに交差する壁状をなす。立設リブ49は凹部47を区画している。
【0033】
そして、凹部47の底壁46には、底壁46を高さ方向Zに貫通する水抜き孔48が形成されている。水抜き孔48は、平面視において、後述のシール本体部51の外側に形成され、凹部47の内部と端子台10の外部側とを連通している。また、水抜き孔48の下端部(排出側の端部)は、前記組付面12と対向している。
【0034】
(シール部材50)
図3及び
図4に示すように、端子台10は、台座部22の裏面側においてシール部材50を備えている。シール部材50はゴムやエラストマなどの弾性材料にて形成されている。シール部材50は、平面視で環状をなすシール本体部51と、シール本体部51から内周側に延びる複数の固定部52と、を備えている。各固定部52は、台座部22の裏面側において高さ方向Zに沿って延出形成された固定ピン53に固定されている。シール本体部51は、第2壁部32の裏面に環状に形成された収容溝54内に配置されている。
【0035】
シール本体部51は、平面視において、ハウジング11の開口13の周りを囲うように、開口13よりも大きな形状をなしている。台座部22がハウジング11に固定された状態において、シール本体部51は、開口13を囲う位置でハウジング11の組付面12と台座部22とによって挟まれて圧縮状態とされる。これにより、台座部22と組付面12との間がシールされ、開口13への水入りが抑制されるようになっている。
【0036】
また、台座部22において、第1及び第2壁部31,32の幅方向Yの外側端部、及び第1~第3リブ41~43の幅方向Yの外側端部は、平面視においてシール本体部51の外側に位置している。すなわち、第1壁部31及び第2壁部32の間に形成された空隙部34の開放端34aは、平面視においてシール本体部51の外側に位置している。
【0037】
本実施形態の作用について説明する。
台座部22には、長手方向Xに並ぶカラー26の間を繋ぐ第1及び第2壁部31,32が形成されるとともに、第1及び第2壁部31,32の間にはリブ33が形成されている。また、台座部22には、幅方向Yに並ぶカラー26の間を繋ぐ立設リブ45及び底壁46が形成されている。このため、各カラー26を組付面12に対して締結固定したときに、台座部22におけるカラー26間の部位が、シール本体部51からの反力を受けて、表面側に凸となるように湾曲変形することを抑制することができる。特に、本実施形態では、材料としての剛性が比較的低い合成樹脂材にて台座部22を形成しているため、台座部22の剛性を高めることがより重要となっている。
【0038】
本実施形態の効果について説明する。
(1)台座部22において、第1壁部31と第2壁部32との間の位置でリブ33によって区画された空隙部34は、コネクタ部21の軸線方向に対して交差する方向(本実施形態では幅方向Y)に開放されている。この構成によれば、台座部22の表面側(すなわち、高さ方向Zの側方)から端子台10に水がかかった場合に、第1壁部31及び第2壁部32の間のリブ33によって区画された空隙部34への水の浸入を抑制することが可能となる。従って、台座部22における補強用のリブ33の間の空隙部34への水の浸入を抑制することが可能となる。
【0039】
(2)リブ33は、互いに交差する第1リブ41及び第2リブ42を含んで構成される。この構成によれば、台座部22の剛性を好適に向上させることが可能となる。
(3)台座部22の裏面側に環状のシール部材50を備える。そして、端子台10のハウジング11に対する組付状態において、シール部材50は、開口13を囲う位置でハウジング11と第2壁部32とによって挟まれて圧縮される。この構成によれば、機器のハウジング11と第2壁部32との間をシール部材50にてシールして、ハウジング11の開口13への水の浸入を抑制することが可能となる。
【0040】
(4)第2壁部32には、シール部材50のシール本体部51が配置される収容溝54が形成されている。この構成によれば、第2壁部32の収容溝にてシール部材50を安定して保持することが可能となる。
【0041】
(5)台座部22は、ハウジング11に対して締結固定される複数のカラー26を備え、第1壁部31及び第2壁部32は、カラー26同士を繋ぐように形成されている。この構成によれば、台座部22におけるカラー26間の剛性を、第1壁部31と、第2壁部32と、第1及び第2壁部31,32の間のリブ33とによって向上させることが可能となる。
【0042】
(6)台座部22は、コネクタ部21の軸線方向に沿って立設された立設リブ45,49と、立設リブ45,49によって区画されコネクタ部21の軸線方向に開口する凹部47と、を備え、凹部47には、当該凹部47の内外を連通する水抜き孔48が形成されている。この構成によれば、立設リブ45,49によって区画された凹部47に入った水を水抜き孔48から凹部47の外側に排出することが可能となるため、凹部47における水の滞留を抑制することができる。
【0043】
(7)第1壁部31及び第2壁部32は、端子台10をコネクタ部21の軸線方向から見たときの端子台10の長手方向Xに沿った側部に設けられる。また、立設リブ45,49及び凹部47は、端子台10をコネクタ部21の軸線方向から見たときの端子台10の短手方向(幅方向Y)に沿った側部に設けられる。すなわち、第1壁部31及び第2壁部32の間の空隙部34に比べて水入りの可能性がより高い凹部47を、端子台10の短手方向(幅方向Y)に沿った側部に設けている。これにより、端子台10の平面視における凹部47の占有領域を少なく構成することが可能となる。従って、コネクタ部21の軸線方向から見て長手方向Xを有する端子台10において、被水に強いより好適な構成とすることが可能となる。
【0044】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・台座部22におけるリブ33の構成は上記実施形態に限定されるものではなく、台座部22のサイズ、形状、形成材料の剛性などに応じて適宜変更可能である。
【0045】
例えば、リブ33において、第1リブ41、第2リブ42及び第3リブ43のいずれか1つ、または2つを省略した構成としてもよい。また、例えば、第1及び第2壁部31,32の間に、第1及び第2壁部31,32と平行な中間リブを含むリブ33の構成としてもよい。また、当該中間リブは、カラー26同士を繋ぐ構成であってもよい。
【0046】
また、リブ33の幅方向Yから見た形状は、第1及び第2リブ41,42からなるX字状に限定されるものではなく、例えば、格子状やハニカム形状などとしてもよい。
また、第1及び第2リブ41,42の個数及び大きさは上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、第1及び第2リブ41,42をそれぞれ1つとするとともに、幅方向Yにおいて第1壁部31及び第2壁部32と略同等の長さで構成してもよい。
【0047】
・第1壁部31が、高さ方向Zと直交するXY平面に対して傾斜する構成としてもよい。また、第2壁部32が、高さ方向Zと直交するXY平面に対して傾斜する構成としてもよい。また、第1壁部31と第2壁部32とが互いに平行でない構成としてもよい。
【0048】
・幅方向Yに並ぶカラー26の間においても第1壁部31及び第2壁部32を形成するとともに、それら第1壁部31と第2壁部32との間にリブ33を形成してもよい。
・第2壁部32における収容溝54の外側の領域(すなわち、シール本体部51のシール領域外)に、高さ方向Zに貫通する水抜き孔を形成してもよい。この構成によれば、空隙部34内に浸入した水を水抜き孔を通じて、シール本体部51のシール領域外の空隙部34の外部に排出することが可能となる。
【0049】
・台座部22の形成材料は合成樹脂材に限定されるものではなく、例えばアルミニウムなどの金属材料としてもよい。
・台座部22の平面視における外形形状は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、略正方形状、すなわち、長手方向Xの寸法及び幅方向Yの寸法が略等しい形状であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 端子台
11 ハウジング
12 組付面
13 開口
21 コネクタ部
22 台座部
24 嵌合部
25 端子
26 カラー(被締結部)
31 第1壁部
32 第2壁部
33 リブ
34 空隙部
34a 開放端
41 第1リブ
42 第2リブ
43 第3リブ
44 交差部
45 立設リブ
46 底壁
47 凹部
48 水抜き孔
49 立設リブ
50 シール部材
51 シール本体部
52 固定部
53 固定ピン
54 収容溝
X 端子台の長手方向
Y 端子台の幅方向(短手方向)
Z 端子台の高さ方向