(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】操作端末装置及びそのユーザインターフェースの制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20230426BHJP
F24F 11/50 20180101ALI20230426BHJP
G06F 3/0485 20220101ALI20230426BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20230426BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
G06F3/0481
F24F11/50
G06F3/0485
G06F3/0488
H04Q9/00 331A
(21)【出願番号】P 2022011217
(22)【出願日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】河村 康晴
(72)【発明者】
【氏名】中村 朋子
(72)【発明者】
【氏名】大喜多 克
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0184322(US,A1)
【文献】国際公開第2014/128784(WO,A1)
【文献】特開2011-107783(JP,A)
【文献】特開2013-242849(JP,A)
【文献】特開2010-205280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06F 3/0488
G06F 3/0485
H04Q 9/00
F24F 11/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが本体装置を制御するための操作端末装置であって、
制御部と、
前記制御部によって制御される、タッチパネルを含むユーザインターフェース部と、を備え、
前記制御部は、
複数の設定画面のうちの一の設定画面をタッチパネルに表示させ、前記タッチパネルに対する前記ユーザの操作に応じて他の設定画面に切り替わるように表示を制御する表示制御機能を有し、
前記表示制御機能は、前記一の設定画面から前記他の設定画面に切り替わった場合に、前記他の設定画面に設けられた前記ユーザが選択可能な複数の選択要素のうちの現在設定されている一の選択要素が、所定の時間表示され、前記所定の時間経過後に、前記一の選択要素とともに他の前記選択要素が選択可能に表示されるように制御する機能を含む、
操作端末装置。
【請求項2】
前記表示制御機能は、前記所定の時間、前記他の設定画面において前記一の選択要素のみが表示され、前記所定の時間経過後に、前記他の選択要素が表示されるように制御する機能を含む、
請求項1に記載の操作端末装置。
【請求項3】
前記表示制御機能は、スクロール表示によって前記一の設定画面から前記他の設定画面に切り替わるように制御する機能を含む、
請求項1又は2に記載の操作端末装置。
【請求項4】
前記他の設定画面は、前記複数の選択要素が配置されたドラムロール画像を含み、前記タッチパネルに対する前記ユーザのスライド操作に応じてドラムロールが回転するように前記ドラムロール画像が変化するドラムロール方式のGUIである、請求項1から3のいずれか一項に記載の操作端末装置。
【請求項5】
前記表示制御機能は、現在設定されている一の選択要素が、前記所定の時間、前記他の選択要素と視覚的に区別される演出効果で表示されるように制御する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の操作端末装置。
【請求項6】
前記視覚的に区別された演出効果は、カラー、ハイライト、ブリンク、ボールド、斜体、及び下線の少なくとも1つを含む、
請求項5に記載の操作端末装置。
【請求項7】
ユーザが本体装置を制御するためのタッチパネルを備えた操作端末装置によるユーザインターフェースの表示制御方法であって、
複数の設定画面のうちの一の設定画面をタッチパネルに表示させることと、
前記一の設定画面が表示された前記タッチパネルに対する前記ユーザの操作に応じて他の設定画面に切り替わるように表示させることと、
前記一の設定画面から前記他の設定画面に切り替わった場合に、前記他の設定画面に配置された前記ユーザが選択可能な複数の選択要素のうちの現在設定されている一の選択要素のみを、所定の時間、表示させることと、
前記所定の時間経過後に、前記一の選択要素とともに他の前記選択要素を選択可能に表示させることと、を含む、
ユーザインターフェースの表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作端末装置及びそのユーザインターフェースの表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空調機の動作設定には、操作端末装置としてのリモートコントローラが用いられる。近年は、タッチパネル式のリモートコントローラも登場し、ユーザに対し、従来の押しボタン式より直感的な操作性を提供するGUI(グラフィカルユーザインターフェース)が用いられることが増加している。例えば、空調機の動作モードの設定では、選択可能な冷房運転や暖房運転、除湿運転といった各種の動作モードを示す選択要素(選択肢)が画面に一括表示され、ユーザは、該一括表示された選択要素の中から所望のものを選択する。この場合、画面には、現在設定されている動作モードが強調表示等の形態で表示され、選択されていない動作モードと視覚的に区別され得るようになっている(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-55928号公報
【文献】国際公開WO2020/045249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画面内に全ての選択要素を一括表示させた場合、ユーザは選択可能な選択要素を直ちに把握し得る一方、従来の強調表示等の形態だけでは、設定された選択要素と設定されていない選択要素が一括表示されていることから、現在設定されている選択要素がどれであるか、ユーザにとって必ずしも理解し易いとはいえず、現在設定されている選択要素を誤認するおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、選択可能な選択要素を直ちに把握し得るとともに、現在設定されている選択要素を確実に理解し得る操作端末装置及びそのユーザインターフェースの表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、以下に示す発明特定事項乃至は技術的特徴を含んで構成される。
【0007】
ある観点に従う本発明は、ユーザが本体装置を制御するための操作端末装置である。該操作端末装置は、制御部と、該制御部によって制御される、タッチパネルを含むユーザインターフェース部とを備える。
前記制御部は、複数の設定画面のうちの一の設定画面をタッチパネルに表示させ、前記タッチパネルに対する前記ユーザの操作に応じて他の設定画面に切り替わるように表示を制御する表示制御機能を有する。
また、前記表示制御機能は、前記一の設定画面から前記他の設定画面に切り替わった場合に、前記他の設定画面に設けられた前記ユーザが選択可能な複数の選択要素のうちの現在設定されている一の選択要素が、所定の時間表示され、前記所定の時間経過後に、前記一の選択要素とともに他の前記選択要素が選択可能に表示されるように制御する機能を含む。
【0008】
更に、別の観点に従う本発明は、ユーザが本体装置を制御するためのタッチパネルを備えた操作端末装置によるユーザインターフェースの表示制御方法である。
前記表示制御方法は、複数の設定画面のうちの一の設定画面をタッチパネルに表示させることと、前記一の設定画面が表示された前記タッチパネルに対する前記ユーザの操作に応じて他の設定画面に切り替わるように表示させることと、前記一の設定画面から前記他の設定画面に切り替わった場合に、前記他の設定画面に配置された前記ユーザが選択可能な複数の選択要素のうちの現在設定されている一の選択要素のみを、所定の時間、表示させることと、前記所定の時間経過後に、前記一の選択要素とともに他の前記選択要素を選択可能に表示させることと、を含む。
【0009】
なお、本明細書等において、手段又は部とは、単に物理的手段又は要素を意味するものではなく、その手段又は部が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、一の手段又は部が有する機能が2つ以上の物理的手段又は要素により実現されても、2つ以上の手段又は部の機能が一の物理的手段又は部により実現されても良い。また、「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が協働し動作する物のことをいい、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、選択可能な選択要素を直ちに把握し得るとともに、現在設定されている選択要素が確実に理解できる操作端末装置及びそのユーザインターフェースの表示制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の技術的特徴、目的、及び作用効果乃至は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果があっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置が適用される空気調和システムの構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置が適用される空気調和システムにおける室内機の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の機能的構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の外観構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上に表示される各種の設定画面のページ遷移の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上に表示された温度設定画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上に表示された運転モード設定画面に対する操作の一例を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8B】
図8Bは、
図8Aに示した設定画面切替処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上の画面表示の変化の一例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上の画面表示の変化の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置が適用される空気調和システムの構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、空気調和システム1は、例えば、空気調和機の室内機2と、ユーザが室内機2を遠隔的に操作可能な操作端末装置3とを備える。また、図示しないが、空気調和システム1は、室内機2に電気配線及び冷媒配管によって接続された室外機を含む。
【0015】
室内機2は、例えば室内に配置され、室内の空気を調和する空気調和システム1の一部を構成する。室内機2は、熱交換器やファンを備え、熱交換器により冷媒と室内空気との間で熱交換を行い適切な温度及び湿度に調節された調和空気をファンにより室内に送出することで、室内の暖房、冷房、除湿等を行う。室内機2は、操作端末装置3との関係において、本体装置である。
【0016】
操作端末装置3は、ユーザが室内機2を遠隔的に操作するためのユーザインターフェースデバイスであり、リモートコントローラ(いわゆる「リモコン」)とも称される。本開示では、操作端末装置3は、据置型又は壁面取付型であるものとするが、これに限られず、ハンドヘルド型であっても良い。
【0017】
室内機2と操作端末装置3とは、例えば無線通信により接続されるが、これに限られず、有線通信により接続されても良い。無線通信の一例として、室内機2と操作端末装置3とは、赤外線通信により接続される。或いは、室内機2と操作端末装置3とは、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)規格に従う無線通信技術により接続される。一方、有線通信の場合は、例えばUART(Universal synchronous Receiver/Transmitter)のようなI/Fにより接続されればよい。操作端末装置3は、ユーザによる入力操作に従った制御コマンドを室内機2に送信する。室内機2は、制御コマンドを受信し、これに従って動作する。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態に係る空気調和システムにおける室内機の機能的構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、室内機2は、例えば、室内機制御部21と、空気調和機構22と、センサ部23と、通信インターフェース部24とを含む。
【0019】
室内機制御部21は、室内機2の動作を制御するためのプロセッサ(マイクロコンピュータ)211、メモリ212、外部インターフェース部213等を含む。メモリ212は、例えば組み込み型制御プログラム及び各種の設定データ等を記憶する。室内機制御部21は、例えば、ユーザによる操作端末装置3の操作の下、運転モード(例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転等)を切り替えるように、室内機2を制御する。外部インターフェース部213は、室内機制御部21と、空気調和機構22、センサ部23、及び外部の装置(例えば操作端末装置3)とを接続するインターフェース回路である。
【0020】
空気調和機構22は、室内機2のうち、熱交換器、コンプレッサ、ファン、ルーバー等である。空気調和機構22は、室内機制御部21からの制御を受け、こうして室内機2は室外機との協働により、熱交換器において冷媒と室内空気との間で熱交換を行い、調和された空気を室内に吹き出す。
【0021】
センサ部23は、室内機2が設置された部屋の各種の物理量を検出する素子である。センサ部23は、例えば、各種の環境センサを含む。同図では、温度センサ23a及び湿度センサ23bが示されている。
【0022】
通信インターフェース部24は、操作端末装置3の通信インターフェース部34(
図3参照)との間で無線通信を実現するための通信インターフェースである。例えば、室内機2と操作端末装置3とが赤外線通信により接続される場合、通信インターフェース部24は赤外線信号を受信する受光部(図示せず)を含む。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態に係る空気調和システムにおける操作端末装置の機能的構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、操作端末装置3は、例えば、制御部31と、記憶部32と、ユーザインターフェース部33と、通信インターフェース部34とを備える。
【0024】
制御部31は、操作端末装置3を制御する。制御部31は、例えば、プロセッサを含む。また、記憶部32は、制御部31の動作に必要なメモリモジュールであり、例えば制御プログラムや各種の設定データ等を記憶する。制御部31は、プロセッサの制御の下、制御プログラムを実行し、記憶部32、ユーザインターフェース部33、通信インターフェース部34と協働することにより、操作端末装置3に種々の機能を実現させる。本開示では、制御部31は、複数の設定画面のうちの一の設定画面をタッチパネル331に表示させ、タッチパネル331に対するユーザの操作に応じて他の設定画面に切り替わるように表示を制御する表示制御機能を有する。表示制御機能は、後述するように、例えば、ドラムロール画像をユーザインターフェース部33に表示させ、また、ドラムロール画像における一の選択要素を他の選択要素と視覚的に区別し得る演出効果で表示させる機能を有する。
【0025】
ユーザインターフェース部33は、制御部31の制御により、ユーザに直感的な操作を提供する。本開示では、ユーザインターフェース部33は、タッチパネル331を含む。タッチパネル331は、表示部と位置入力部とからなる入出力装置である。ユーザインターフェース部33は、タッチパネル331の表示部に表示された画像に対してユーザが指等で触れた位置を、タッチパネル331の位置入力部が検出し入力信号として制御部31に出力する。制御部31は、その入力信号に基づいて、所定の処理を実行する。
【0026】
通信インターフェース部34は、室内機2の通信インターフェース部24との間で無線通信を実現するための通信インターフェースである。例えば、室内機2と操作端末装置3とが赤外線通信により接続される場合、通信インターフェース部34は赤外線信号を発光する発光部(図示せず)を含む。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の外観構成の一例を示す図である。同図に示すように、筐体301は、例えば、ABS等の樹脂材料により形成され、操作端末装置3の外観を与える。本実施形態では、筐体301は、薄型の直方体の形状を有し、前面にはユーザインターフェース部33のタッチパネル331が設けられている。タッチパネル331には、制御部31の制御により、種々のGUI画面が表示される。
【0028】
図5は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上に表示される各種の設定画面のページ遷移の一例を示す図である。同図では、4つの設定画面、すなわち、室内機2によって調和される周囲環境の温度を設定する温度設定画面510、冷房、暖房、除湿などの運転モードを設定する運転モード設定画面520、室内機2から吹き出す風量を設定する風量設定画面530、及びその他のスケジュール設定などの各種設定を行うその他設定画面540が例示されている。
【0029】
これら4つの設定画面510~540は、図示されるように、タッチパネル331上に例えばスクロール表示、すなわち図中に矢印で示すように各々の設定画面がループ状に遷移するような表示形式で表示される。例えば、操作端末装置3は、制御部31の制御の下、表示画面を非表示(消灯)としているスリープモードにおいて、タッチパネル331に対するユーザのタッチ操作を検出すると、タッチパネル331上に起動画面(図示せず)を表示させた後、ホーム画面である温度設定画面510をタッチパネル331に表示させる。続いて、ユーザはタッチパネル331上で指を左方向にスライド又はフリックさせると、操作端末装置3は、指の動きに合わせて、画面が横方向にスライドするように画面遷移し、タッチパネル上の温度設定画面510から運転モード設定画面520に切り替えるように制御する。このようにして、ユーザは、タッチパネル331上で左右方向のスライド操作等(スワイプ操作又はフリック操作等)をすることにより、設定画面を順に切り替えることができる。
【0030】
図6及び
図7は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す図であり、具体的には、
図6は、タッチパネル331上に表示された温度設定画面の一例を示す図であり、
図7は、運転モード設定画面の一例を示す図である。
【0031】
図6に示すように、温度設定画面510は、電源スイッチを示す電源スイッチアイコン511と、表示されている設定画面のページを示すページアイコン512と、現在の運転モードを示す運転モードアイコン513と、現在の設定温度を示すとともに設定したい温度を選択するための温度設定アイコン514とを含む。なお、いくつかのアイコンは、ユーザビリティ等の観点から他の設定画面においてもレイアウトを共通にしている。本例では、温度設定アイコン514は、温度設定画面510の中央の円形状の表示領域内にレイアウトされている。
【0032】
本開示において、温度設定画面510の温度設定アイコン504は、いわゆるドラムロール方式のGUIである。ユーザは、温度設定アイコン504を操作して、周囲環境の温度を設定する。すなわち、温度設定画面510内の温度設定アイコン504は、選択し得る設定温度を示す複数の選択要素(本例では華氏温度を示す数字)が配置されたドラムロールを模擬的に表示した画像(ドラムロール画像)である。制御部31は、アニメーションのようにドラムロール画像を変化させるように制御する。ドラムロールの正面位置(温度設定画面510における画面の中央位置)は、設定温度を決定するための位置(選択位置)であり、また、現在の設定温度を示す。本例では、選択位置における現在の設定温度を示す数字は、拡大表示されて他の数字より大きく表示され、これにより、視認性を向上させている。
【0033】
また、
図7に示すように、運転モード設定画面520は、電源スイッチを示す電源スイッチアイコン511と、表示されている設定画面のページを示すページアイコン512と、各種の運転モード及び現在の運転モードを示す運転モードアイコン513と、運転モード設定アイコン521とを含む。同様に、ユーザは、運転モード設定画面520内の所定のアイコンに対して様々な操作をすることにより、操作端末装置3に指示を与えることができる。
【0034】
運転モード設定画面520内の運転モード設定アイコン521もまた、いわゆるドラムロール方式のGUIである。運転モードは、例えば、冷房運転モード、除湿運転モード、暖房運転モード、凍結防止運転モード、及び自動運転モードがあり、図中、それぞれ、アイコン521a~521eで示されている。本例では、アイコン521cが、他のアイコン521a、521b、521d及び521eと視覚的に区別された演出効果で表示され、現在の設定が暖房運転モードであることが示されている。例えば、選択位置にある選択要素の明度を100%として、そこから離れる選択要素ほど明度が低くなるように(暗くなるように)表示される。このように視覚的に区別された演出効果とは、ユーザに認識させたい要素を強調表示(ここでは選択要素の明度を上げ、他要素の明度を下げる等)することなどを表している。
【0035】
本開示では、ユーザが各種の設定画面510~540において左右方向のスライド操作等(スワイプ操作又はフリック操作等)をすることにより、制御部31は、タッチパネル331上の表示を一の設定画面から他の設定画面に切り替える。この場合、制御部31は、例えば画面が横方向にスライドするように画面遷移するように制御する。また、制御部31は、以下に述べるように、画面が横方向にスライドするように画面遷移した設定画面において、ユーザが選択可能な複数の選択要素のうちの現在設定されている一の選択要素が、所定の時間(例えば1秒)、視覚的に区別される演出効果で表示され、所定の時間経過後に、該一の選択要素の演出効果を終了させるとともに他の選択要素も該一の選択要素と同様に表示され、選択可能となるように制御する。一例としては、現在設定されていない他の選択要素は、現在設定されている一の選択要素の表示に遅れて表示されるなどの動作となる。
【0036】
図8Aは、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の処理の一例を示すフローチャートである。かかる処理は、制御部31のプロセッサが制御プログラムを実行することにより実現されるユーザインターフェースの表示制御方法である。
【0037】
同図に示すように、操作端末装置3は、例えばスリープモードで動作中、タッチパネル331に対するユーザによる操作があったか否かを監視している(S801)。ここでのユーザの操作は、例えば、タッチパネル331へのタッチ操作である。
【0038】
操作端末装置3は、タッチパネル331に対して何らかのユーザの操作があったと判断した場合(S801のYes)、タッチパネル331にホーム画面としての例えば
図6に示したような温度設定画面510が表示されるように制御を行う(S802)。タッチパネル331に対する何らかのユーザの操作がない場合(S801のNo)は、操作があったか否かの判断(S801)に戻る。続いて、操作端末装置3は、タッチパネル331の温度設定画面510に対するユーザの所定の操作があったか否かを監視する(S803)。例えば、操作端末装置3は、温度設定画面510において、左右方向のスライド操作(ドラムロール操作)、上下方向のスライド操作(ページ切替操作)、及びその他の操作(特定のアイコンへのタップ操作等)があったか否かを監視する。
【0039】
操作端末装置3は、温度設定画面510に対して何らかの操作があり(S803のYes)、それが上又は下方向へのスライド操作があったと判断した場合、そのスライド操作に合わせてドラムロールが回転するように表示を変化させて、選択位置にある選択要素を設定内容として選択する(S804)。例えば、操作端末装置3は、ドラムロールが停止した時点で計時を開始し、所定の時間が経過した場合に、選択位置にある選択要素を設定内容として設定する(図示せず)。計時は、例えばドラムロール表示制御機能により行われる。これにより、操作端末装置3は、選択した設定内容に応じた処理を室内機2に実行させるため、制御コマンドを発行し、これを室内機2に送信する。
【0040】
また、操作端末装置3は、温度設定画面510に対して何らかの操作があり(S803のYes)、それが左又は右方向へのスライド操作があったと判断した場合、前後のページに対応する設定画面へ切り替えるための処理を行う(S805)。例えば
図9(a)に示すように、ユーザが温度設定画面510に対して例えば左方向へのスライド操作を行った場合、操作端末装置3は、運転モード設定画面520に切り替えるために、同図(b)に示すように、画面中央の円形の表示領域内をスクロール表示させる。
【0041】
図8Bは、
図8Aに示したS805の設定画面切替処理の詳細を説明するためのフローチャートである。同
図Bに示すように、操作端末装置3は、ページの切り替えが発生すると、現在の設定画面中央の円形の表示領域内がスクロール表示されるように制御する(S8051)。
【0042】
続いて、操作端末装置3は、スクロール表示の終了により切替先の設定画面において現在設定されている選択要素のみが表示されるように制御する(S8052)。例えば、現在の運転モードが暖房運転モードであれば、運転モード設定画面520において、
図10(a)に示すように、暖房運転モードを示すアイコン521cのみが現在設定されている選択要素として表示される。このとき、操作端末装置3は、スクロール表示の終了によりページが切り替わったことを示すため、ページアイコン512の丸円の表示の中で、図で黒く塗りつぶされ強調表示させているものを、スクロールさせた方向にある隣の丸円に対して適用するようにする(いわゆるインジケータ表示)。
【0043】
操作端末装置3は、現在設定されている選択要素のみを表示させた後、所定の時間が経過したか否かを判断する(S8053)。所定の時間は、例えば、約1秒であるが、これに限られず、特定の選択要素が視覚的に認識され得る長さであれば良い。操作端末装置3は、所定の時間が経過するまで画面の表示を停止させる(S8053のNo)。
【0044】
また、代替的に又は追加的に、操作端末装置3は、現在設定されている選択要素に対し視覚的に区別された演出効果を施してもよい。視覚的に区別された演出効果とは、ユーザが選択した選択要素をユーザが認識しやすいように強調表示することを示し、例えば、カラー(周囲との異なる配色表示)、ハイライト(マーカによる強調表示)、ブリンク(点滅表示)、ボールド(太字による強調表示)、斜体(文字等の傾斜表示)、及び下線(文字等への下線付加表示)等といった表示である。操作端末装置3は、所定の時間(例えば1秒)が経過したと判断した場合(S8053のYes)、
図10(a)から
図10(b)へと表示を変化させるように、すなわち残りの選択要素が時間的に遅れて追加的に表示されるように制御する(S8054)。更にこの場合、操作端末装置3は、選択位置にある選択要素の明度を100%として、そこから離れる選択要素ほど明度が低くなるように表示を制御しても良い。これにより、選択位置にある選択要素は、他の選択要素と視覚的に更に区別されることにより、現在設定されている選択要素をユーザは確実に把握することができるようになる。
【0045】
このようにして、ユーザは、上下方向へのスライド操作を行うことにより、所望の運転モードを選択することができる。また、ユーザは、運転モード設定画面520において例えば左右方向へのスライド操作を行うことにより、他の設定画面に切り替えることができる。
【0046】
図8Aに戻り、操作端末装置3は、温度設定画面510に対して何らかの操作があり(S803のYes)、それがその他の操作(例えばタッチ操作等)があったと判断した場合、その操作に応じた処理を実行する(S806)。例えば、電源アイコン511に対するタップ操作があった場合、操作端末装置3は、室内機2の電源をオフにするための制御コマンドを送信し、また、スリープモードに移行する。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、操作端末装置3は、設定画面が切り替わった場合に、切替先の設定画面において現在設定されている選択要素のみを表示し、所定の時間経過後に、時間的に遅れて残りの選択要素を追加的に表示するように制御する。これにより、ユーザは、切替先の設定画面において現在の設定内容を直ちに把握することができるようになる。
【0048】
なお、上記では、温度設定画面510から運転モード設定画面520への切り替えを例にして説明したが、これに限られず、例えば、運転モード設定画面520から温度設定画面510への切り替えであっても良い。すなわち、操作端末装置30は、運転モード設定画面520から温度設定画面510への切り替え操作があると、温度設定画面510において、現在設定されている温度を示す選択要素のみが表示され、所定の時間経過後に、他の温度を示す選択要素が時間的に遅れて表示されるように制御する。
【0049】
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0050】
例えば、本明細書に開示される方法においては、その結果に矛盾が生じない限り、ステップ、動作又は機能を並行して又は異なる順に実施しても良い。説明されたステップ、動作及び機能は、単なる例として提供されており、ステップ、動作及び機能のうちのいくつかは、発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略でき、また、互いに結合させることで一つのものとしてもよく、また、他のステップ、動作又は機能を追加してもよい。
【0051】
また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定の技術的事項を、適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定の技術的事項と置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1…空気調和システム
2…室内機
21…室内機制御部
211…プロセッサ
212…メモリ
213…外部インターフェース部
22…空気調和機構
23…センサ部
23a…温度センサ
23b…湿度センサ
24…通信インターフェース部
3…操作端末装置
31…制御部
32…記憶部
33…ユーザインターフェース部
331…タッチパネル
34…通信インターフェース部
301…筐体
【要約】
【課題】GUIにおいて、現在設定されている選択要素を確実に理解できるようにする。
【解決手段】本発明は、ユーザが本体装置を制御するための操作端末装置である。該操作端末装置は、制御部と、該制御部によって制御される、タッチパネルを含むユーザインターフェース部とを備える。該制御部は、複数の設定画面のうちの一の設定画面をタッチパネルに表示させ、該タッチパネルに対する該ユーザの操作に応じて他の設定画面に切り替わるように表示を制御する表示制御機能を有する。該表示制御機能は、該一の設定画面から該他の設定画面に切り替わった場合に、該他の設定画面に設けられた該ユーザが選択可能な複数の選択要素のうちの現在設定されている一の選択要素が、所定の時間表示され、該所定の時間経過後に、該一の選択要素とともに他の該選択要素が選択可能に表示されるように制御する機能を含む。
【選択図】
図3