IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社MaaS Tech Japanの特許一覧

<>
  • 特許-プログラム及び情報処理装置 図1
  • 特許-プログラム及び情報処理装置 図2
  • 特許-プログラム及び情報処理装置 図3
  • 特許-プログラム及び情報処理装置 図4
  • 特許-プログラム及び情報処理装置 図5
  • 特許-プログラム及び情報処理装置 図6
  • 特許-プログラム及び情報処理装置 図7
  • 特許-プログラム及び情報処理装置 図8
  • 特許-プログラム及び情報処理装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230426BHJP
   G06Q 10/1093 20230101ALI20230426BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/1093
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021093663
(22)【出願日】2021-06-03
(62)【分割の表示】P 2019162859の分割
【原出願日】2019-09-06
(65)【公開番号】P2021131909
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2021-10-07
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【審査官】西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-081840(JP,A)
【文献】特開2009-217397(JP,A)
【文献】特開2003-139553(JP,A)
【文献】特開2015-195014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地点から到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを含むユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
ユーザの前記スケジュールを前記記憶手段に登録する登録手段、
前記登録手段により前記移動スケジュールが登録された場合に、登録された前記移動スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段、
前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容を前記端末装置に出力する出力手段、
として機能させ
前記登録手段は、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に、前記施設に滞在するスケジュールを当該ユーザに紐づけて前記記憶手段に登録すると共に、登録された前記移動スケジュールを前記出発地点から前記施設までの移動経路を示す移動スケジュールに変更し、且つ、前記施設から前記到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを追加登録することにより、登録された前記移動スケジュールを変更する、
プログラム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記移動スケジュールの間に、前記施設情報が示す施設から予め定められた距離の範囲内をユーザが通過するか否かを判定し、当該判定の結果、通過すると判定した場合に提案可と肯定判定し、通過しないと判定した場合に提案不可と否定判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記スケジュールに基づき、ユーザに空いている時間があるか否かを判定し、当該判定の結果、前記時間があると判定した場合に提案可と肯定判定し、前記時間がないと判定した場合に提案不可と否定判定する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記スケジュールは、複数存在し、
前記判定手段は、複数のスケジュールのうち一のスケジュールと当該一のスケジュールの次のスケジュールの間の時間が、前記施設情報が示す施設に応じて設定された設定時間以上であるか否か判定し、当該判定の結果、設定時間以上であると判定した場合にユーザに空いている時間があるとして提案可と肯定判定し、設定時間未満であると判定した場合にユーザに空いている時間がないとして提案不可と否定判定する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記スケジュールに基づき、ユーザが、前記施設情報が示す施設まで現在から所定時間以内に来られるか否かを判定し、当該判定の結果、前記所定時間以内に来られると判定した場合に提案可と肯定判定し、前記所定時間以内に来られないと判定した場合に提案不可と否定判定する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記端末装置をユーザ装置としたとき、
前記コンピュータは更に、前記施設情報が示す施設の予約状況を管理する施設装置と通信可能であり、
前記判定手段は更に、前記施設装置と通信して、前記施設情報が示す施設を予約可能か否か判定し、
前記出力手段は、前記判定手段が、提案可能と判定し、且つ、予約可能と判定した場合に、前記提案内容を出力する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記登録手段は、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に前記施設装置と通信し、前記施設の予約処理を実行する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項8】
出発地点から到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを含むユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
ユーザの前記スケジュールを前記記憶手段に登録する登録手段、
前記登録手段により前記移動スケジュールが登録された場合に、登録された前記移動スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容を前記端末装置に出力する出力手段と、
を備え、
前記登録手段は、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に、前記施設に滞在するスケジュールを当該ユーザに紐づけて前記記憶手段に登録すると共に、登録された前記移動スケジュールを前記出発地点から前記施設までの移動経路を示す移動スケジュールに変更し、且つ、前記施設から前記到着地点までの移動経路を示す移動スケジュールを追加登録することにより、登録された前記移動スケジュールを変更する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザのスケジュールを管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-121213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、ユーザのスケジュールを管理するだけで、スケジュールの有効活用ができていないという問題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スケジュールの有効活用ができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、ユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、前記スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段、前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容を前記端末装置に出力する出力手段、として機能させる。
【0007】
また、本発明の第二態様に係るプログラムでは、前記スケジュールは、出発地点から到着地点までの移動スケジュールを含み、前記判定手段は、前記移動スケジュールの間に、前記施設情報が示す施設から予め定められた距離の範囲内をユーザが通過するか否かを判定し、当該判定の結果、通過すると判定した場合に提案可と肯定判定し、通過しないと判定した場合に提案不可と否定判定する。
【0008】
また、本発明の第三態様に係るプログラムでは、前記判定手段は、前記スケジュールに基づき、ユーザに空いている時間があるか否かを判定し、当該判定の結果、前記時間があると判定した場合に提案可と肯定判定し、前記時間がないと判定した場合に提案不可と否定判定する。
【0009】
また、本発明の第四態様に係るプログラムでは、前記スケジュールは、複数存在し、前記判定手段は、複数のスケジュールのうち一のスケジュールと当該一のスケジュールの次のスケジュールの間の時間が、前記施設情報が示す施設に応じて設定された設定時間以上であるか否か判定し、当該判定の結果、設定時間以上であると判定した場合にユーザに空いている時間があるとして提案可と肯定判定し、設定時間未満であると判定した場合にユーザに空いている時間がないとして提案不可と否定判定する。
【0010】
また、本発明の第五態様に係るプログラムでは、前記判定手段は、前記スケジュールに基づき、ユーザが、前記施設情報が示す施設まで現在から所定時間以内に来られるか否かを判定し、当該判定の結果、前記所定時間以内に来られると判定した場合に提案可と肯定判定し、前記所定時間以内に来られないと判定した場合に提案不可と否定判定する。
【0011】
また、本発明の第六態様に係るプログラムでは、前記コンピュータを更に、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に前記施設に来るスケジュールを当該ユーザに紐づけて前記記憶手段に登録する登録手段、として機能させる。
【0012】
また、本発明の第七態様に係るプログラムでは、前記端末装置をユーザ装置としたとき、前記コンピュータは更に、前記施設情報が示す施設の予約状況を管理する施設装置と通信可能であり、前記判定手段は更に、前記施設装置と通信して、前記施設情報が示す施設を予約可能か否か判定し、前記出力手段は、前記判定手段が、提案可能と判定し、且つ、予約可能と判定した場合に、前記提案内容を出力する。
【0013】
また、本発明の第八態様に係るプログラムでは、前記登録手段は、前記出力手段による提案内容に対して前記ユーザの承認が得られた場合に前記施設装置と通信し、前記施設の予約処理を実行する。
【0014】
また、本発明の第九態様に係るプログラムは、ユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、前記スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段、前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設の広告を前記端末装置に出力する出力手段、として機能させる。
【0015】
また、本発明の第十態様に係る情報処理装置は、ユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、前記スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段と、前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容を前記端末装置に出力する出力手段と、を備える。
【0016】
また、本発明の第十一態様に係る情報処理装置は、ユーザのスケジュールと施設情報とを記憶する記憶手段を備え、ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、前記スケジュールに基づき、提案の可否を判定する判定手段と、前記判定手段が肯定判定した場合に、前記施設情報が示す施設の広告を前記端末装置に出力する出力手段と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、スケジュールの有効活用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第一実施形態に係る提案システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】サーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】サーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】第一実施形態に係る提案システムにおける提案処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】移動スケジュールを含むユーザのカレンダーの一例を示す図である。
図6】ユーザ装置に表示される提案画面の一例を示す図である。
図7図5に示すカレンダーにスケジュールを追加した後のカレンダーの状態の一例を示す図である。
図8】第二実施形態に係る提案システムにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】ユーザのカレンダーの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
<第一実施形態>
まず、本発明の第一実施形態に係る提案システムについて説明する。
【0021】
---全体構成---
図1は、本発明の第一実施形態に係る提案システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、第一実施形態に係る提案システム1は、サーバ装置10と、一又は複数のユーザ装置12と、一又は複数の施設装置14と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に構成されている。
【0023】
サーバ装置10は、ユーザのスケジュールを管理したり、ユーザに施設に行くことを提案したりする情報処理装置(コンピュータ)である。
【0024】
ユーザ装置12は、ユーザが操作する通信端末装置である。このユーザ装置12としては、スマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0025】
施設装置14は、施設情報が示す施設の予約状況を管理する通信端末装置である。この施設装置14としては、パーソナルコンピュータやサーバ装置等が挙げられる。また、施設としては、レストランや本屋等の店舗や、アミューズメント施設、スポーツジム、病院、学校、美術館、市役所等が挙げられる。
【0026】
---ハードウェア構成---
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0028】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0029】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0030】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、ゲームプログラム14を含む、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0031】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。なお、ユーザ装置12や、施設装置14のハードウェア構成は、操作装置や表示装置等を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えてもよい。
【0032】
---機能的構成---
図3は、サーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、サーバ装置10は、記憶手段50と、登録手段52と、判定手段54と、出力手段56と、付与手段58と、を備える。
【0034】
記憶手段50は、ウェブページ50Aと、ユーザ情報50Bと、カレンダー50Cと、施設情報50Dと、を含む。ウェブページ50Aは、例えば、ユーザのカレンダーを表示するカレンダーページや、ユーザに施設に行くことを提案する提案ページ等を含む。ユーザ情報50Bは、ユーザ毎に設けられ、ユーザの名前や性別、連絡先等を含む。カレンダー50Cは、ユーザ毎に設けられ、ユーザのスケジュールを含む。このスケジュールは、例えば、会議や昼食、接待等のスケジュールの内容と、開始時間と、終了時間とを含む。また、スケジュール50Cは、出発地点から到着地点までの移動スケジュールを含んでもよい。この移動スケジュールは、例えば、出発地点と、到着時点と、出発時間と、到着時間と、移動経路を含む。施設情報50Dは、例えば日本全国の施設において登録された施設毎に設けられ、施設の名前や、住所、施設の種類等を含む。
【0035】
登録手段52は、ユーザ装置12の要求に基づき、ユーザのスケジュールを対応するカレンダー50Cに登録する機能を有する。また、登録手段52は、後述の出力手段56による提案内容に対してユーザの承認が得られた場合に施設に来るスケジュールを当該ユーザに紐づけて記憶手段50の対応するカレンダー50Cに登録してもよい。また、登録手段52は、出力手段56による提案内容に対してユーザの承認が得られた場合に施設装置14と通信して、施設の予約処理を実行してもよい。
【0036】
判定手段54は、ユーザのカレンダー50Cに含まれるスケジュールに基づき、提案の可否を判定する機能を有する。具体的には、判定手段54は、移動スケジュールの間に、施設情報が示す施設から予め定められた距離の範囲内をユーザが通過するか否かを判定し、当該判定の結果、通過すると判定した場合に提案可と肯定判定し、通過しないと判定した場合に提案不可と否定判定する。また、判定手段54は更に、スケジュール及び予約情報に基づき、施設装置14と通信して、施設情報が示す施設を予約可能か否か判定してもよい。なお、上記「予め定められた距離」は、ユーザが歩ける範囲内であることが好ましく、ユーザがユーザ装置12を操作して適宜変更することができる。
【0037】
出力手段56は、判定手段54が肯定判定した場合に、施設情報が示す施設に行くことを提案する提案内容をユーザ装置12に出力する機能を有する。また、出力手段56は、判定手段54が、提案可能と判定し、且つ、予約可能と判定した場合に、提案内容を出力してもよい。
【0038】
付与手段58は、ユーザに対して特典を付与する機能を有する。特典としては、公共交通機関に利用可能なポイントの他、提案された施設に利用可能なポイントやチケット、金券等が挙げられる。
【0039】
---提案処理の流れ---
図4は、第一実施形態に係る提案システム1における提案処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0040】
(ステップSP10)
判定手段54は、登録手段52により移動スケジュールがユーザのカレンダー50Cに登録されたか否かを判定する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0041】
(ステップSP12)
判定手段54は、登録された移動スケジュールを取得する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0042】
(ステップSP14)
判定手段54は、取得した移動スケジュールに基づき、ユーザに対する提案の可否を判定する。第一実施形態では、判定手段54は、取得した移動スケジュールの間に、施設情報50Dが示す施設から例えば500m以内や1km以内等、予め定められた距離の範囲内をユーザが通過するか否かを判定し、当該判定の結果、通過すると判定した場合に提案可と肯定判定し、通過しないと判定した場合に提案不可と否定判定する。
【0043】
ここで、図5は、移動スケジュールを含むユーザのカレンダー50Cの一例を示す図である。
【0044】
図5に示すように、カレンダー50Cは、複数のスケジュール100を含む。複数のスケジュール100は、例えば、移動スケジュールを除く通常のスケジュール100Aと、移動スケジュール100Bと、を含む。この移動スケジュール100Bでは、例えば、12時~15時の間に、××線の電車で、□□駅から〇×駅に移動し、タクシーで〇×駅から△□ビルまで移動する予定となっている。このような移動スケジュール100Bの場合、判定手段54は、□□駅から〇×駅又は〇×駅から△□ビルまで移動する間に、施設情報50Dが示す施設から例えば200m以内をユーザが通過するか否かを判定し、当該判定の結果、通過すると判定した場合に提案可と肯定判定し、通過しないと判定した場合に提案不可と否定判定する。
【0045】
図4に戻って、上記判定が肯定判定された場合には処理はステップSP16の処理に移行し、上記判定が否定判定された場合には図4に示す一連の処理が終了する。
【0046】
(ステップSP16)
判定手段54は、施設情報50Dが示す施設の予約状況を管理する施設装置14と通信して、当該施設装置14から、施設の予約状況を取得する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0047】
(ステップSP18)
判定手段54は、取得した予約状況に基づき、移動スケジュール100Bが示す時間帯の間又は移動スケジュール100Bの直後のスケジュールの空き時間に、施設情報が示す施設を予約可能か否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP20の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には図4に示す一連の処理が終了する。
【0048】
(ステップSP20)
出力手段56は、施設情報50Dが示す施設に行くことを提案する提案内容(の画面データ)をユーザ装置12に出力(送信)する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0049】
(ステップSP22)
ユーザ装置12は、サーバ装置10から、画面データを受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、受信した画面データに基づき、提案画面を表示する。
【0050】
図6は、ユーザ装置12に表示される提案画面110の一例を示す図である。
【0051】
図6に示すように、提案画面110は、提案内容112と、承諾ボタン114と、キャンセルボタン116と、を含む。提案内容112は、ユーザに対して、例えばお店の名前や住所、URL(uniform resource locator)等、施設情報50Dが示す施設に行くことを提案する内容を含む。承諾ボタン114とキャンセルボタン116は、ユーザが押下可能に構成されている。
【0052】
図4に戻って、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP24)
ユーザ装置12は、提案画面110において、承諾ボタン114が押下されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理は、ステップSP26の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には図4に示す一連の処理が終了する。
【0054】
(ステップSP26)
ユーザ装置12は、ユーザIDを含み、提案内容をユーザのスケジュール100として追加登録を要求する追加要求をサーバ装置10に送信する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0055】
(ステップSP28)
サーバ装置10は、ユーザ装置12から、追加要求を受信する。これに応答して、登録手段52は、施設の予約処理を実行する。具体的には、登録手段52は、受信した追加要求に含まれるユーザIDに対応するユーザ情報50Bを取得し、取得したユーザ情報50Bと、提案内容に基づいたユーザの施設に滞在するスケジュールとを含む予約要求を施設装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP30の処理に移行する。
【0056】
(ステップSP30)
施設装置14は、サーバ装置10から、予約要求を受信する。これに応答して、施設装置14は、予約要求に含まれる情報に基づき、管理している予約状況に、ユーザの予約を追加登録する。続いて、施設装置14は、予約完了の旨をサーバ装置10に送信する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP32)
登録手段52は、提案内容に基づいたユーザの施設に滞在するスケジュール100を、受信した追加要求に含まれるユーザIDに対応するユーザに紐づけて記憶手段50に登録する。具体的には、登録手段52は、受信した追加要求に含まれるユーザIDに対応するユーザのカレンダー50Cに、提案内容に基づいたユーザの施設に滞在するスケジュールを追加登録する。この際、登録手段52は、移動スケジュール100Bを調整する。
【0058】
図7は、図5に示すカレンダー50Cにスケジュールを追加した後のカレンダー50Cの状態の一例を示す図である。
【0059】
図7に示すように、登録手段52は、例えば、休憩のために〇〇店が提案された場合、移動スケジュール100Bを□□駅から〇×駅までの移動に調整(変更)する。続いて、登録手段52は、〇〇店で休憩するスケジュール100Cを追加登録する。続いて、登録手段52は、〇〇店から、元々の目的地であった△□ビルまでの移動手段を検索し、その移動スケジュールを追加登録する。
【0060】
図4に戻って、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP34)
付与手段58は、提案内容を承諾したユーザに対して特典を付与する。第一実施形態では、付与手段58は、提案内容に係る施設で利用可能なポイントや電子チケットを付与する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP36)
出力手段56は、予約やスケジュールの追加が完了した旨を含む完了通知をユーザ装置12に送信する。そして、処理は、ステップSP38の処理に移行する。
【0063】
(ステップSP38)
ユーザ装置12は、サーバ装置10から、完了通知を受信する。これに応答して、ユーザ装置12は、受信した完了通知の通知内容を表示する。
【0064】
---効果---
以上、第一実施形態では、ユーザのスケジュール100と施設情報50Dとを記憶する記憶手段50を備え、ユーザの端末装置としてのユーザ装置12と通信可能なサーバ装置10を、スケジュール100に基づき、提案の可否を判定する判定手段54、 判定手段54が肯定判定した場合に、施設情報50Dが示す施設に行くことを提案する提案内容をユーザ装置12に出力する出力手段56として機能させる。
【0065】
この構成によれば、施設情報50Dが示す施設に行くことを提案する提案の可否にスケジュール100を利用するので、スケジュール100の有効活用ができる。また、施設に行く可能性が低いユーザに対して提案することを防止することができるので、そのようなユーザに提案することで与える不快感を回避することができる。また、効率の良い提案ができるので、サーバ装置10の通信量や処理負荷を低減することができる。
【0066】
また、第一実施形態では、スケジュール100は、出発地点から到着地点までの移動スケジュール100Bを含み、判定手段54は、移動スケジュール100Bの間に、施設情報50Dが示す施設から予め定められた距離の範囲内をユーザが通過するか否かを判定し、当該判定の結果、通過すると判定した場合に提案可と肯定判定し、通過しないと判定した場合に提案不可と否定判定する。
【0067】
この構成によれば、移動のついでに施設に行ける可能性のあるユーザに対して提案するので、効率的な提案ができ、もって、サーバ装置10の通信量や処理負荷を低減することができる。また、行く可能性の低いユーザに提案することで与える不快感を回避することができる。
【0068】
また、第一実施形態では、プログラムがサーバ装置10を更に、出力手段56による提案内容に対してユーザの承認が得られた場合に施設に来るスケジュール100を当該ユーザに紐づけて記憶手段50に登録する登録手段52として機能させる。
【0069】
この構成によれば、提案内容に基づくスケジュール100をユーザが手動で追加登録する場合に比べて、ユーザの手間を低減することができる。
【0070】
また、第一実施形態では、サーバ装置10は更に、施設情報50Dが示す施設の予約状況を管理する施設装置12と通信可能であり、判定手段54は更に、施設装置12と通信して、施設情報が示す施設を予約可能か否か判定し、出力手段56は、判定手段54が、提案可能と判定し、且つ、予約可能と判定した場合に、提案内容を出力する。
【0071】
また、第一実施形態では、登録手段52は、出力手段56による提案内容に対してユーザの承認が得られた場合に施設装置12と通信し、施設の予約処理を実行する。
【0072】
この構成によれば、提案内容に係る施設をユーザが手動で予約する場合に比べて、ユーザの手間を低減することができる。
【0073】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係る提案システムについて説明する。
【0074】
上記第一実施形態では、判定手段54は、移動スケジュール100Bの移動の間に、施設情報50Dが示す施設から予め定められた距離の範囲内をユーザが通過するか否かを判定する場合を説明したが、第二実施形態では、判定手段54は、スケジュール100に基づき、ユーザに空いている時間があるか否かを判定し、当該判定の結果、時間があると判定した場合に提案可と肯定判定し、時間がないと判定した場合に提案不可と否定判定する。
【0075】
図8は、第二実施形態に係る提案システムにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0076】
(ステップSP50)
判定手段54は、ユーザのカレンダー50Cから複数のスケジュール100を取得する。そして、処理は、ステップSP52の処理に移行する。
【0077】
(ステップSP52)
判定手段54は、スケジュール100に基づき、ユーザに空いている時間があるか否かを判定し、当該判定の結果、時間があると判定した場合に提案可と肯定判定し、時間がないと判定した場合に提案不可と否定判定する。より具体的には、判定手段54は、複数のスケジュール100のうち一のスケジュールと当該一のスケジュールの次のスケジュールの間の空き時間が、施設情報50Dが示す施設に応じて設定された設定時間以上であるか否か判定し、当該判定の結果、設定時間以上であると判定した場合にユーザに空いている時間があるとして提案可と肯定判定し、設定時間未満であると判定した場合にユーザに空いている時間がないとして提案不可と否定判定する。
【0078】
図9は、ユーザのカレンダー50Cの他の例を示す図である。
【0079】
図9に示すように、判定手段54は、例えば、複数のスケジュール100のうち一のスケジュール100Xと当該一のスケジュール100Xの次のスケジュール100Yの間の空き時間が、施設情報50Dが示す施設(例えば飲食店)に応じて設定された30分以上であるか否かを判定する。ここで、一のスケジュール100Xの次のスケジュール100Yの間の空き時間は3時間であるので、判定手段54は、設定時間以上であると肯定判定する。
【0080】
図8に戻って、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0081】
以上、第二実施形態では、判定手段54は、スケジュール100に基づき、ユーザに空いている時間があるか否かを判定し、当該判定の結果、時間があると判定した場合に提案可と肯定判定し、時間がないと判定した場合に提案不可と否定判定する。
【0082】
この構成によれば、空き時間で施設に行ける可能性のあるユーザに対して提案するので、効率的な提案ができ、もって、サーバ装置10の通信量や処理負荷を低減することができる。また、行く可能性の低いユーザに提案することで与える不快感を回避することができる。
【0083】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0084】
例えば、上記実施形態では、サーバ装置10に、登録手段52や付与手段58を設ける場合を説明したが、サーバ装置10から省略することもできる。
【0085】
また、上記実施形態では、判定手段54は、移動スケジュール100Bの間に、施設情報50Dが示す施設から予め定められた距離の範囲内をユーザが通過するか否かを判定する場合を説明したが、スケジュール100に基づき、ユーザが、施設情報50Dが示す施設まで現在から所定時間以内に来られるか否かを判定し、当該判定の結果、前記所定時間以内に来られると判定した場合に提案可と肯定判定し、前記所定時間以内に来られないと判定した場合に提案不可と否定判定してもよい。具体的には、スケジュール100が示す場所情報に基づき、ユーザが、施設情報50Dが示す施設まで現在から所定時間以内に来られるか否かを判定し、当該判定の結果、前記所定時間以内に来られると判定した場合に提案可と肯定判定し、前記所定時間以内に来られないと判定した場合に提案不可と否定判定してもよい。この構成によれば、施設に行ける可能性のあるユーザに対して提案するので、効率的な提案ができ、もって、サーバ装置10の通信量や処理負荷を低減することができる。また、行く可能性の低いユーザに提案することで与える不快感を回避することができる。
【0086】
また、上記実施形態では、出力手段56は、提案内容をユーザ装置12に出力する場合を説明したが、その出力とともに、又はその出力の代わりに、施設情報50Dが示す施設の広告を出力してもよい。広告には、施設の名前や場所が記述されていてもよいし、施設のURLが記述されてもよい。また、広告には、施設の写真や絵が掲載されていてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10…サーバ装置(コンピュータ)、50…記憶手段、54…判定手段、56…出力手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9