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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20230426BHJP
【FI】
B65D33/00 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018118729
(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公開番号】P2019218126
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智彦
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-197850(JP,U)
【文献】特開平10-250764(JP,A)
【文献】国際公開第2012/100996(WO,A1)
【文献】実開平02-059172(JP,U)
【文献】特開2001-354268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材の一方の面が内側となるように袋状に形成された袋状本体部を備えており、
シート材は、一方向の一端部から他端部に亘って延びる一対のシート材第一領域であって前記一方向に対して交差する他方向に間隔を空けて形成される一対のシート材第一領域と、前記一方向の一端部を構成すると共に前記他方向に延びるシート材第二領域であって両端部が一対のシート材第一領域の前記一方向の一端部と重なるように構成されるシート材第二領域とを備えており、
前記一対のシート材第一領域は、シート材の前記他方向の両端部に形成されており、
袋状本体部は、シート材の一方の面が内側となるようにシート材第二領域が環状に形成されてなる環状端部と、一対のシート材第一領域同士が前記一方向の一端部から他端部に亘って分離可能に重なり合う帯状重合部であってシート材の一方の面側が対峙するように重なり合う帯状重合部とを備えており、
環状端部は、シート材第二領域の両端部におけるシート材の一方の面側が対峙するようにシート材第二領域の両端部が重なり合って形成された対峙端部であって帯状重合部の一方向の一端部を構成する対峙端部と、該対峙端部と対向する位置が切り込まれて形成された前記一方向に延びる切込部とを備え、
前記切込部は、一端部がシート材の端縁に達するように形成され
前記袋状本体部は、該袋状本体部の内側に物品を収容した状態で、前記一方向の一端側が閉塞されてなる一端側閉塞部を備え、
前記一端側閉塞部は、前記袋状本体部における前記一端側の端縁より前記一方向の他端側の位置に形成される包装袋。
【請求項2】
環状端部は、前記他方向に間隔を空けた2箇所でシート材第二領域がシート材の一方の面側へ折り返されることで形成される一対の折返端部と、該一対の折返端部と対峙端部との間に形成される一対の折返領域と、一対の折返端部の間に形成される中間領域とを備えており、
一対の折返領域と中間領域とが対向するように配置されており、
該中間領域に切込部が形成される請求項1に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収容する包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を収容する包装袋として、プラスチックフィルム等のシート材が袋状に形成されてなる袋状本体部を備えるものが知られている。該袋状本体部としては、例えば、シート材における一方向に延びる一対の側端部が重ね合わされて筒状に形成された状態で、該一対の側端部がシールされた背貼り部と、シート材における筒状に形成された領域の両端部が閉塞されて形成された一対の閉塞端部とを備え、一対の閉塞端部間に物品が収容される収容空間が形成されたものが知られている。そして、このような袋状本体部には、対向するように配置される一対の対向壁部が形成されており、一方の対向壁部に背貼り部が形成される。
【0003】
このような包装袋を開封する方法としては、一般的に、袋状本体部における物品を収容した領域を切断する方法が採用されている。具体的には、一方の閉塞端部に形成されたV字状のノッチを境として一方の閉塞端部の両側を指で摘む。そして、一方の閉塞端部の一方の側を他方の側に対して相対的に一方の対向壁部側(又は、他方向の対向壁部側)へ引っ張ることで、ノッチを切っ掛けに前記一方向(帯状重合部が延びる方向)に袋状本体部を切断する。これにより、包装袋が開封されるため、包装袋に収容された物品を取り出すことが可能となる。
又は、他の方法としては、前記一方向に交差する他方向における袋状本体部の一端部であって所定位置が切断可能に構成された一端部(以下、切断可能端部とも記す)の該切断可能位置を境として、切断可能端部の両側を指で摘む。そして、切断可能端部の一方の側を他方の側に対して相対的に一方の対向壁部側(又は、他方向の対向壁部側)へ引っ張ることで、切断可能位置から前記他方向に袋状本体部を切断する。これにより、包装袋が開封されるため、包装袋に収容された物品を取り出すことが可能となる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-256158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように包装袋を開封すると、袋状本体部の切断に伴って形成される端部(以下、切断端部とも記す)が一対の対向壁部の対向方向に移動することになる。このため、袋状本体部が切断される位置と、袋状本体部に収容した物品とが重なっている場合、切断端部が物品に接触して物品を損傷させる虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、包装袋を切断して開封する際に、収容された物品が損傷するのを抑制することができる包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装袋は、シート材の一方の面が内側となるように袋状に形成された袋状本体部を備えており、シート材は、一方向の一端部から他端部に亘って延びる一対のシート材第一領域であって前記一方向に対して交差する他方向に間隔を空けて形成される一対のシート材第一領域と、前記一方向の一端部を構成すると共に前記他方向に延びるシート材第二領域であって両端部が一対のシート材第一領域の前記一方向の一端部と重なるように構成されるシート材第二領域とを備えており、袋状本体部は、シート材の一方の面が内側となるようにシート材第二領域が環状に形成されてなる環状端部と、一対のシート材第一領域が前記一方向の一端部から他端部に亘って分離可能に重なり合う帯状重合部であってシート材の一方の面側が対峙するように重なり合う帯状重合部とを備えており、環状端部は、シート材第二領域の両端部におけるシート材の一方の面側が対峙するようにシート材第二領域の両端部が重なり合って形成された対峙端部であって帯状重合部の一方向の一端部を構成する対峙端部と、該対峙端部と対向する位置が切り込まれて形成された前記一方向に延びる切込部と備える。
【0008】
斯かる構成によれば、環状端部は、シート材第二領域の両端部におけるシート材の一方の面側が対峙するようにシート材第二領域の両端部が重なり合って形成された対峙端部であって帯状重合部の一方向の一端部を構成する対峙端部と、該対峙端部と対向する位置が切り込まれて形成された切込部と備える。
【0009】
これにより、環状端部における切込部及び対峙端部が形成された部分を境として、前記他方向における環状端部の両側を指などで摘み、前記他方向に引き離すように引っ張ることで、切込部を切っ掛けに袋状本体部が前記一方向に切断される。また、斯かる切断と共に、帯状重合部を構成する一対のシート材第一領域が前記他方向に分離される。つまり、前記他方向における袋状本体部の一方の側と他方の側とを前記他方向に離間させつつ、包装袋を開封することができるため、袋状本体部内の物品が袋状本体部の切断位置と重なるように位置する場合であっても、袋状本体部の切断によって形成される端部や帯状重合部を形成する一対のシート材第一領域が物品に接触するのを抑制することができる。これにより、包装袋の開封に伴って物品が損傷するのを抑制することができる。
【0010】
環状端部は、前記他方向に間隔を空けた2箇所でシート材第二領域がシート材の一方の面側へ折り返されることで形成される一対の折返端部と、該一対の折返端部と対峙端部との間に形成される一対の折返領域と、一対の折返端部の間に形成される中間領域とを備えており、一対の折返領域と中間領域とが対向するように配置されており、該中間領域に切込部が形成されてもよい。
【0011】
斯かる構成によれば、一対の折返領域と中間領域とが対向するように配置されており、該中間領域に切込部が形成される。
【0012】
このため、環状端部における切込部及び対峙端部が形成された部分を境として、一方の折返領域と中間領域とが対向する部分(以下、環状端部の一方の側、とも記す)と、他方の折返領域と中間領域とが対向する部分(以下、環状端部の他方の側、とも記す)とを指などで容易に摘むことが可能になる。これにより、環状端部の一方の側と他方の側とを摘んで前記他方向に引っ張ることで、切込部を切っ掛けに袋状本体部が前記一方向に切断されると共に、帯状重合部を構成する一対のシート材第一領域が前記他方向に分離される。
つまり、環状端部の一方の側と他方の側とを摘んで前記他方向に引っ張ることが容易になるため、上述のような包装袋の開封(袋状本体部の切断と一対のシート材第一領域の分離)を容易に行うことができる。
【0013】
環状端部が閉塞されてもよい。
【0014】
斯かる構成によれば、環状端部が閉塞されることで、前記一方向における袋状本体部の一端部に一端側閉塞部が形成されることになるが、環状端部における対峙端部の対向する位置に切込部を備えることで、上述のようにして包装袋の開封(袋状本体部の切断と一対のシート材第一領域の分離)を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、包装袋を切断して開封する際に、収容された物品が損傷するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る包装袋を構成するシート材の斜視図。
図2】同実施形態に係る包装袋の概略を示した図。
図3同実施形態に係る包装袋を開封した状態を示した図。
図4】同実施形態に係る包装袋を開封した状態を示した図。
図5】本発明の他の実施形態に係る包装袋を示した図。
図6】(a)は、本発明の更に他の実施形態に係る包装袋を示した図、(b)は、本発明の更に他の実施形態に係る包装袋を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る包装袋の一実施形態について、図1~4を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一又は相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。また、以下の説明において、一方向とは、各図の座標軸におけるx軸に沿った方向であり、前記一方向に交差する他方向とは、各図の座標軸におけるy軸に沿った方向である。
【0018】
本実施形態に係る包装袋1は、図1に示すようなシート材Xを用いて形成される。該シート材Xとしては、特に限定されるものではなく、例えば、一枚のシートから構成されたものであってもよく、複数のシート(例えば、複数のシートの端部同士)が連結されることで形成されるものであってもよく、複数のシートが積層された積層シートから構成されたものであってもよい。
シート材Xを構成するシートとしては、特に限定されるものではなく、例えば、紙製や樹脂製のシートが挙げられる。樹脂製のシートとしては、例えば、引き裂き方向性(具体的には、前記一方向に沿った引き裂き方向性)を有するフィルム(例えば、一軸延伸フィルムや二軸延伸フィルム等)を用いることが好ましい。また、シート材Xは、該一方の面における2つの領域を対峙させた状態で該領域を連結可能に構成されることが好ましい。斯かるシート材Xとしては、例えば、所謂イージーピールフィルムによって一方の面が形成されたものであってもよく、シート材Xの一方の面における連結する部分にパートコートが施されたものであってもよい。より詳しくは、シート材Xは、OPPフィルムとイージーピールフィルムとこれらの間に配置されるバリア層(MXD,EVOH,又は、VM等の層)とを備えることが好ましい。
【0019】
また、シート材Xは、一方向(以下、第一方向とも記す)の一端部から他端部に亘って延びる一対のシート材第一領域X1を備える。該シート材第一領域X1は、前記一方向(第一方向)に対して交差する他方向(以下、第二方向とも記す)に間隔を空けて形成される。本実施形態では、一対のシート材第一領域X1は、第一方向に延びる帯状の領域であって第二方向におけるシート材Xの両端部を構成する。
【0020】
また、シート材Xは、第一方向の一端部を構成すると共に第二方向に延びるシート材第二領域X2を備える。該シート材第二領域X2は、両端部が一対のシート材第一領域X1の第一方向の一端部と重なるように構成される。また、シート材Xは、第一方向の他端部を構成すると共に第二方向に延びるシート材第三領域X3を備える。該シート材第三領域X3は、両端部が一対のシート材第一領域X1の第一方向の他端部と重なるように構成される。
【0021】
そして、包装袋1は、図2に示すように、シート材Xの一方の面が内側となるように袋状に形成された袋状本体部2を備える。該袋状本体部2は、シート材Xの一方の面が内側となるようにシート材第二領域X2が環状に形成されてなる環状端部3と、一対のシート材第一領域X1が第一方向の一端部から他端部に亘って分離可能に重なり合うように配置された帯状重合部4とを備える。また、本実施形態では、袋状本体部2は、シート材Xの一方の面が内側となるようにシート材第三領域X3が環状に形成されて閉塞された他端側閉塞部5を備える。本実施形態では、袋状本体部2は、第一方向の一端部に環状端部3を備え、第一方向の他端部に他端側閉塞部5を備える。
【0022】
環状端部3は、シート材第二領域X2の両端部におけるシート材Xの一方の面側が対峙するようにシート材第二領域X2の両端部が重なり合って形成された対峙端部6を備える。該対峙端部6は、帯状重合部4における第一方向の一端部を構成する。本実施形態では、対峙端部6は、少なくとも一部においてシート材第二領域X2の両端部が剥離可能に連結される(具体的には、ヒートシール等される)。
【0023】
本実施形態では、環状端部3は、第二方向に間隔を空けた2箇所でシート材第二領域X2がシート材Xの一方の面側へ折り返されることで形成される一対の折返端部7と、該一対の折返端部7と対峙端部6との間に形成される一対の折返領域8と、一対の折返端部7の間に形成される中間領域9とを備える。そして、一対の折返領域8と中間領域9とが対向するように配置される。
【0024】
また、環状端部3は、対峙端部6と対向する位置が切り込まれて形成された第一方向に延びる切込部10を備える。本実施形態では、切込部10は、中間領域9に形成される。また、切込部10は、一端部がシート材Xの端縁に達するように形成される。本実施形態では、切込部10は、シート材Xが端縁から線状に切り込まれて形成される。また、切込部10は、シート材第二領域の内側に形成される。つまり、切込部10は、他端部がシート材第二領域の外の領域に達しないように形成される。
【0025】
帯状重合部4は、一対のシート材第一領域X1におけるシート材Xの一方の面側が対峙するように一対のシート材第一領域X1が重なり合って形成される。また、帯状重合部4は、第一方向における袋状本体部2の一端部から他端部に亘って連続的に形成される。そして、第一方向における帯状重合部4の一端部が環状端部3の対峙端部6を構成する。また、帯状重合部4は、幅方向の少なくとも一部において一対のシート材第一領域X1が一端部から他端部に亘って剥離可能に連結される(シールされる)。
【0026】
上記のように構成される包装袋1は袋状本体部2の内側に物品Yを収容した状態で、第一方向の一端側が閉塞される。これにより、第一方向における袋状本体部2の一端側に一端側閉塞部11が形成される。本実施形態では、環状端部3が閉塞されて一端側閉塞部11が形成される。つまり、一端側閉塞部11は、袋状本体部2の第一方向の一端部に形成される。また、一端側閉塞部11は、環状端部3における一対の折返領域8と中間領域9とが連結される(具体的には、ヒートシール等される)。これにより、包装袋1(具体的には、袋状本体部2)内に物品Yが封入された状態となる。
【0027】
そして、包装袋1(具体的には、袋状本体部2)を開封して物品Yを取り出す際には、環状端部3における切込部10及び対峙端部6が形成された部分を境として、第二方向における環状端部3の両側を指などで摘む。そして、斯かる環状端部3の両側を第二方向に引き離すように引っ張ることで、切込部10を切っ掛けに袋状本体部2が第一方向に(具体的には、仮想線Lに沿って)切断されると共に、帯状重合部4を構成する一対のシート材第一領域X1が第二方向に分離される。これにより、包装袋1(袋状本体部2)は、第一方向に延びる袋状本体部2の切断位置(仮想線)L及び帯状重合部4を境として、図4に示すように、第二方向の一方の側と他方の側とに分離されるため、物品Yを包装袋1から取り出すことができる。
【0028】
以上のように、本発明に係る包装袋によれば、包装袋を切断して開封する際に、収容された物品が損傷するのを抑制することができる。
【0029】
即ち、環状端部3は、シート材第二領域X2の両端部におけるシート材Xの一方の面側が対峙するようにシート材第二領域X2の両端部が重なり合って形成された対峙端部6であって帯状重合部4の一方向の一端部を構成する対峙端部6と、該対峙端部6と対向する位置が切り込まれて形成された切込部10と備える。
【0030】
これにより、環状端部3における切込部10及び対峙端部6が形成された部分を境として、第二方向における環状端部3の両側を指などで摘み、第二方向に引き離すように引っ張ることで、切込部10を切っ掛けに袋状本体部2が第一方向に切断される。また、斯かる切断と共に、帯状重合部4を構成する一対のシート材第一領域X1が第二方向に分離される。つまり、第二方向における袋状本体部2の一方の側と他方の側とを第二方向に離間させつつ、包装袋1を開封することができるため、袋状本体部2内の物品Yが袋状本体部2の切断位置(仮想線)Lと重なるように位置する場合であっても、袋状本体部2の切断によって形成される端部や帯状重合部4を形成する一対のシート材第一領域X1が物品Yに接触するのを抑制することができる。これにより、包装袋1の開封に伴って物品Yが損傷するのを抑制することができる。
【0031】
また、一対の折返領域8と中間領域9とが対向するように配置されており、該中間領域9に切込部10が形成される。
【0032】
このため、環状端部3における切込部10及び対峙端部6が形成された部分を境として、一方の折返領域8と中間領域9とが対向する部分(以下、環状端部3の一方の側、とも記す)と、他方の折返領域8と中間領域9とが対向する部分(以下、環状端部3の他方の側、とも記す)とを指などで容易に摘むことが可能になる。これにより、環状端部3の一方の側と他方の側とを摘んで第二方向に引っ張ることで、切込部10を切っ掛けに袋状本体部2が第一方向に切断されると共に、帯状重合部4を構成する一対のシート材第一領域X1が第二方向に分離される。つまり、環状端部3の一方の側と他方の側とを摘んで第二方向に引っ張ることが容易になるため、上述のような包装袋1の開封(袋状本体部2の切断と一対のシート材第一領域X1の分離)を容易に行うことができる。
【0033】
また、環状端部3が閉塞されることで、第一方向における袋状本体部2の一端部に一端側閉塞部11が形成されることになるが、環状端部3における対峙端部6の対向する位置に切込部10を備えることで、上述のようにして包装袋1の開封(袋状本体部の切断と一対のシート材第一領域の分離)を行うことができる。
【0034】
なお、本発明に係る包装袋は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記の各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記の実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0035】
例えば、上記実施形態では、一端側閉塞部11と他端側閉塞部5とが第二方向に延びるように(具体的には、袋状本体部2が四角形状となるように)形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、他端側閉塞部5が第一方向及び第二方向に交差する第三方向(座標軸のz軸方向)に延びるように形成されてもよい。つまり、袋状本体部2が四面体状に形成されてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、環状端部3が閉塞されることで、一端側閉塞部11が形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図6(a)に示すように、袋状本体部2における環状端部3より第一方向の他端側の位置に一端側閉塞部11が形成されてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、環状端部3は、一対の折返端部7を備えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図6(b)に示すように、シート材第二領域X2が一箇所で折り返されることで、環状端部3が形成されてもよい。つまり、環状端部3が折返端部7を一つのみ備えるように構成してもよい。斯かる場合には、袋状本体部2における環状端部3より第一方向の他端側の位置に一端側閉塞部11が形成される。そして、対峙端部6に対向する位置に折返端部7が位置し、該折返端部7に切込部10が形成される。
【0038】
また、上記実施形態では、帯状重合部4は、第一方向の一端部から他端部に亘って、一対のシート材第一領域X1が連結される(具体的には、ヒートシール等される)ように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第一方向の一端部(即ち、対峙端部6を構成する部分)では、一対のシート材第一領域X1が連結されない(具体的には、ヒートシール等されない)ように構成されてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、帯状重合部4は、一対のシート材第一領域X1の全体が連結される(具体的には、ヒートシール等される)ように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、一対のシート材第一領域X1におけるシート材Xの端縁側の領域が連結されない(具体的には、ヒートシール等されない)ように構成されてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、切込部10は、一端部がシート材Xの端縁に達するように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、一端部がシート材Xの端縁に達しないように構成されてもよい。換言すれば、切込部10は、シート材Xの端縁から離間した位置に形成されてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、切込部10は、線状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、シート材Xの端縁がV字状に切り欠かれて形成されてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、一対のシート材第一領域X1は、シート材Xの第二方向の両端部に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、シート材Xの第二方向の両端部から離間した位置に形成されてもよい。また、上記実施形態では、シート材第三領域X3は、シート材Xの第一方向の他端部に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、シート材Xの第一方向の他端部から離間した位置に形成されてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、包装袋1は、袋状本体部2のみから構成されているが、これに限定されるものではなく、袋状本体部2に加えて他の部材を備えるように構成してもよい。例えば、袋状本体部2に重なるように他のシート部材を備える包装袋1であってもよい。
【0044】
なお、上記実施形態では、環状端部3における対峙端部6に対向する位置とは、第二方向において対峙端部6と重なる位置と該重なる位置から5mm程度外れた位置とを含むものである。
【符号の説明】
【0045】
1…包装袋、2…袋状本体部、3…環状端部、4…帯状重合部、5…他端側閉塞部、6…対峙端部、7…折返端部、8…折返領域、9…中間領域、10…切込部、11…一端側閉塞部、L…仮想線、X…シート材、X1…シート材第一領域、X2…シート材第二領域、X3…シート材第三領域、Y…物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6