IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧

特許7268982プリント基板、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】プリント基板、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/00 20060101AFI20230426BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20230426BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20230426BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20230426BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20230426BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
H01L23/00 C
H05K3/28 G
H05K3/46 Q
H01L23/30 B
H01L23/30 D
H05K9/00 Q
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018170401
(22)【出願日】2018-09-12
(65)【公開番号】P2019080046
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-08-10
(31)【優先権主張番号】10-2017-0138134
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】高 知韓
(72)【発明者】
【氏名】姜 宝藍
(72)【発明者】
【氏名】金 東寛
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0170146(US,A1)
【文献】特開2013-247339(JP,A)
【文献】特表2008-515189(JP,A)
【文献】特開2016-111026(JP,A)
【文献】特許第6180646(JP,B1)
【文献】特開平10-032223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/00
H05K 3/28
H05K 3/46
H01L 23/29
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上の半導体チップと、
前記半導体チップを覆い、互いに対向する第1側壁及び第2側壁を含む第1モールディング部と、
前記基板上に設けられ、前記第1側壁及び前記第2側壁に沿って延びる第2モールディング部とを含み、
前記第1モールディング部及び前記第2モールディング部上に、伝導性物質を含む第3モールディング部をさらに含み、
前記第1モールディング部は非伝導性物質を含み、
前記第2モールディング部は伝導性EMCを含み、
前記第2モールディング部は前記伝導性EMC100重量%に対して85重量%乃至95重量%の伝導性フィラーを含み、
前記第3モールディング部は前記第2モールディング部と異なる含量の伝導性フィラーを含む、半導体パッケージ。
【請求項2】
前記第1モールディング部は、前記第1側壁と前記第2側壁とを連結する第3側壁をさらに含み、
前記第2モールディング部は、前記第1側壁、前記第2側壁及び前記第3側壁に沿って延びる、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記第1モールディング部は、前記第3側壁と対向する第4側壁をさらに含み、
前記第2モールディング部は、前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁及び前記第4側壁に沿って延びる、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記基板は接地パッドを含み、
前記第2モールディング部は前記接地パッドと接触する、請求項1ないし3のうち何れか一項記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
基板と、
前記基板上の半導体チップと、
前記基板上に設けられ、半導体チップを覆う第1モールディング部と、
前記基板上に設けられ、前記第1モールディング部の側壁に沿って延びる第2モールディング部と、
前記第1モールディング部の上面及び前記第2モールディング部の上面を覆う第3モールディング部とを含み、
前記第2モールディング部及び前記第3モールディング部は各々伝導性EMCを含み、
前記第2モールディング部及び前記第3モールディング部は各々前記伝導性EMC100重量%に対して85重量%乃至95重量%の伝導性フィラーを含み、
前記第2モールディング部及び前記第3モールディング部は互いに異なる含量の伝導性フィラーを含む、半導体パッケージ。
【請求項6】
第1方向に沿って隣接する第1実装領域及び第2実装領域を含む基板と、
前記基板上に設けられ、伝導性物質を含むモールディング構造体とを含み、
前記モールディング構造体は、前記基板の縁に沿って延びる周縁部、及び前記第1実装領域と前記第2実装領域とを分離させる第1格子部を含む、プリント基板。
【請求項7】
第1方向に沿って隣接する第1実装領域及び第2実装領域を含む基板を提供し、
前記基板上に、伝導性物質を含むモールディング構造体を形成し、
前記第1実装領域上に第1半導体チップを形成し、前記第2実装領域上に第2半導体チップを形成し、
前記基板及び前記モールディング構造体上に、前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップを覆う第1モールディング部を形成することを含み、
前記モールディング構造体は、前記基板の縁に沿って延びる周縁部、及び前記第1実装領域と前記第2実装領域とを分離させる第1格子部を含む、半導体パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スマートフォンなどのモバイル機器が急速に小型化、軽量化、高性能化するにつれて、半導体パッケージの薄板化及び高集積化が求められている。これにより、薄い厚さの基板に対する要求が増加しつつある。
【0003】
しかし、薄い厚さの基板は、工程上の不良を引き起こしやすいという問題がある。例えば、薄い厚さの基板は、剛性の低下により半導体パッケージの製造工程中に撓んだり破れたりすることが懸念される。基板の剛性低下を補完するために、ジグ(Jig)またはキャリア(Carrier)の使用が可能であるかもしれないが、このような方法は、新しい設備及び工程の導入が必要になってしますという問題がある。
【0004】
一方、半導体パッケージの薄板化及び高集積化に伴い、電磁障害(EMI;electromagnetic interference)現象がますます顕著になってくることも懸念される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、電磁障害を防止し、剛性が補強された半導体パッケージを提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、剛性が補強されたプリント基板を提供することにある。
【0007】
本発明が解決しようとする別の技術的課題は、電磁障害を防止し、剛性が補強された半導体パッケージの製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の技術課題は上述した技術課題に制限されず、上述していない別の技術課題は以降の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を達成するための本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、基板と、基板上の半導体チップと、半導体チップを覆い、互いに対向する第1側壁及び第2側壁を含む第1モールディング部と、基板上に設けられ、第1側壁及び第2側壁に沿って延びる第2モールディング部とを含み、第1モールディング部は非伝導性物質を含み、第2モールディング部は伝導性物質を含む。
【0010】
上記技術的課題を達成するための本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、基板と、基板上の半導体チップと、基板上に設けられ、半導体チップを覆う第1モールディング部と、基板上に設けられ、第1モールディング部の側壁に沿って延びる第2モールディング部と、第1モールディング部の上面及び第2モールディング部の上面を覆う第3モールディング部とを含み、第2モールディング部及び第3モールディング部は伝導性EMCを含む。
【0011】
上記他の技術的課題を達成するための本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係るプリント基板は、第1方向に沿って隣接する第1実装領域及び第2実装領域を含む基板と、基板上に設けられ、伝導性物質を含むモールディング構造体とを含み、モールディング構造体は、基板の縁に沿って延びる周縁部と、第1実装領域と第2実装領域とを分離させる第1格子部とを含む。
【0012】
上記別の技術的課題を達成するための本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法は、第1方向に沿って隣接する第1実装領域及び第2実装領域を含む基板を提供し、基板上に、伝導性物質を含むモールディング構造体を形成し、第1実装領域上に第1半導体チップを形成し、第2実装領域上に第2半導体チップを形成し、基板及びモールディング構造体上に、第1半導体チップ及び第2半導体チップを覆う第1モールディング部を形成することを含むが、モールディング構造体は、基板の縁に沿って延びる周縁部、及び第1実装領域と第2実装領域とを分離させる第1格子部を含む。
【0013】
その他の実施形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係るプリント基板の概略上面図である。
図2図1のA-A’に沿った概略断面図である。
図3図1のB-B’に沿った概略断面図である。
図4】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係るプリント基板の概略上面図である。
図5図4のC-C’に沿った概略断面図である。
図6図4のD-D’に沿った概略断面図である。
図7a】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの様々な概略上面図にある。
図7b】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの様々な概略上面図にある。
図7c】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの様々な概略上面図にある。
図8図7aのE-E’に沿った概略断面図である。
図9】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの概略上面図である。
図10図9のF-F’に沿った概略断面図である。
図11】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの概略上面図である。
図12図11のG-G’に沿った概略断面図である。
図13】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの概略上面図である。
図14】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図15】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図16a】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図16b】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図17】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図18】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図19】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図20】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図21】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図22】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図23】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図24】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
図25】本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係るプリント基板を説明する。
【0016】
図1は本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係るプリント基板の概略上面図、図2図1のA-A’に沿った概略断面図、図3図1のB-B’に沿った概略断面図である。
【0017】
図1乃至図3を参照すると、幾つかの実施形態に係るプリント基板は、基板100、及びモールディング構造体220Sを含む。
基板100はパッケージ用基板であり得る。例えば、基板100は、薄型のプリント基板(thin PCB:thin printed circuit board)であり得る。基板100の厚さは、例えば、0.17mm以下であり得る。基板100は単層または多層から構成できる。
【0018】
基板100は、複数の実装領域120を含むことができる。図1には、複数の実装領域120が碁盤状に配列されるものと示されているが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。
【0019】
複数の実装領域120は、後述する半導体チップ(図8の300)が実装される領域であり得る。たとえば、それぞれの実装領域120は回路パターンを含むことができる。実装領域120の回路パターンは半導体チップ300と電気的に接続できる。
【0020】
複数の実装領域120は、互いに隣接する第1実装領域121、第2実装領域122及び第3実装領域123を含むことができる。
【0021】
例えば、図1に示すように、第1実装領域121と第2実装領域122は、第1方向Xに沿って隣接して配置できる。しかし、第1実装領域121と第2実装領域122とは電気的に分離することが可能である。
【0022】
また、例えば、図1に示すように、第1実装領域121と第3実装領域123は、第1方向Xと交差する第2方向Yに沿って隣接して配置できる。しかし、第1実装領域121と第3実装領域123とは電気的に分離することが可能である。
【0023】
幾つかの実施形態において、第3実装領域123は、複数の実装領域120のうちの最外郭に配置される実装領域であり得る。例えば、第3実装領域123は、複数の実装領域120のうちの基板100の縁に最も隣接する実装領域であり得る。
【0024】
また、基板100は、第1ボンディングパッド102、第2ボンディングパッド104及び接地パッド106を含むことができる。第1ボンディングパッド102、第2ボンディングパッド104及び接地パッド106は、それぞれ複数個形成できる。また、第1ボンディングパッド102、第2ボンディングパッド104及びパッド106は、それぞれ導電体から形成できる。
【0025】
第1ボンディングパッド102は、例えば、基板100の上部に形成できる。第1ボンディングパッド102は、基板100上に形成される電気的回路、例えば、回路パターンなどに接続できる。また、第1ボンディングパッド102は、後述するボンディングワイヤ(図8の306)に接続される部分であり得る。すなわち、第1ボンディングパッド102は、基板100の回路パターンが外部に接続される部分であり得る。これにより、基板100は、第1ボンディングパッド102を介して半導体チップなどと電気的に接続できる。
【0026】
第2ボンディングパッド104は、例えば、基板100の下部に形成できる。第1ボンディングパッド102と同様に、第2ボンディングパッド104は、基板100上に形成される電気的回路、例えば、回路パターンなどに接続できる。また、第2ボンディングパッド104は、後述する半田ボール(図8の110)に接続される部分であり得る。すなわち、第2ボンディングパッド104は、基板100の回路パターンが外部に接続される部分であり得る。
【0027】
接地パッド106は、例えば、基板100の上部に形成できる。接地パッド106は、基板100内の接地ラインと電気的に接続できる。ところが、幾つかの実施形態において、接地パッド106は省略されてもよい。
【0028】
モールディング構造体220Sは基板100上に配置できる。モールディング構造体220Sは、基板100の上面から第1方向X及び第2方向Yと交差する第3方向Zに沿って延びるように形成できる。
【0029】
幾つかの実施形態に係るモールディング構造体220Sは周縁部222及び第1格子部224を含むことができる。
【0030】
モールディング構造体220Sの周縁部222は、基板100の縁に沿って延びることができる。例えば、図1に示すように、基板100が長方形の形状である場合、モールディング構造体220Sの周縁部222は、長方形の縁に沿って延びる形状を有することができる。
【0031】
幾つかの実施形態において、すべての実装領域120は周縁部222内に配置できる。例えば、モールディング構造体220Sの周縁部222は、複数の実装領域120のうち、最外郭に配置される実装領域の周りに沿って延びることができる。これにより、図1及び図3に示すように、周縁部222は、複数の実装領域120のうち、最外郭に配置される第3実装領域123に隣接することができる。
【0032】
しかし、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではなく、幾つかの実施形態において、複数の実装領域120のうちの一部の実装領域は、周縁部222の外側に配置されてもよい。
【0033】
モールディング構造体220Sの第1格子部224は、複数の実装領域120の少なくとも一部を分離させることができる。モールディング構造体220Sの第1格子部224は、周縁部222内で延びることができる。例えば、図1に示すように、第1格子部224は、周縁部222内で第2方向Yに沿って延び、複数の実装領域120の少なくとも一部を分離させることができる。例えば、図1及び図2に示すように、第1格子部224は、第1実装領域121と第2実装領域122とを分離させることができる。
【0034】
第1格子部224は周縁部222に接続できる。また、第1格子部224は、周縁部222から複数個第2方向Yに沿って延びることができる。例えば、複数の第1格子部224は、すべての実装領域120に隣接し、第2方向Yに沿って延びることができる。
【0035】
幾つかの実施形態において、モールディング構造体220Sは、基板100の縁から離隔することができる。すなわち、基板100の最外郭上にはモールディング構造体220Sが形成されなくてもよい。例えば、図1に示すように、モールディング構造体220Sの周縁部222の縁は基板100の縁から離隔することができる。
【0036】
幾つかの実施形態において、モールディング構造体220Sは接地パッド106と接触することができる。例えば、図2及び図3に示すように、周縁部222及び第1格子部224は接地パッド106上に形成できる。これにより、接地パッド106は、モールディング構造体220Sにグラウンド電圧を提供することができる。図2には、接地パッド106の幅が第1格子部224の幅と同じであることが示されているが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。例えば、接地パッド106の幅は、第1格子部224の幅よりも大きくても小さくてもよい。
【0037】
モールディング構造体220Sは、例えば、エポキシ樹脂封止剤(EMC:epoxy molding compound)を含むことができるが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。
【0038】
幾つかの実施形態において、モールディング構造体220Sは、伝導性物質を含むことができる。例えば、モールディング構造体220Sは伝導性EMCを含むことができる。伝導性EMCは伝導性フィラーを含むことができる。伝導性フィラーは例えばフェライト(ferrite)を含むことができる。しかし、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではなく、伝導性フィラーは、公知の様々な伝導性フィラーを含むことができる。例えば、伝導性フィラーは、Ag、Cu、Ni、ZnO、SnO、Al、ステンレス鋼などを含む金属系伝導性フィラー、アセチレンブラック(Acetylene Black)、チャネルブラック(Channel Black)、ピッチ(Pitch)系/パン(Pan)系炭素繊維、グラファイト(Graphite)などを含む炭素系伝導性フィラー、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどを含む高分子系伝導性フィラー、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含むこともできる。
【0039】
幾つかの実施形態において、モールディング構造体220Sは、伝導性EMC100重量%に対し、50重量%以上の伝導性フィラーを含むことができる。例えば、モールディング構造体220Sは、伝導性EMC100重量%に対し、85重量%~95重量%の伝導性フィラーを含むことができる。
【0040】
薄い厚さの基板は、工程上の不良を引き起こすという問題がある。例えば、薄い厚さの基板は、剛性の低下により、半導体パッケージの製造工程中に撓んだり破れたりすることがある。しかし、幾つかの実施形態に係るプリント基板は、モールディング構造体220Sを用いて基板の剛性を補強することができる。例えば、組立工程時または搬送時に、モールディング構造体220Sは、基板100を支持して基板100の剛性を補強することができる。
【0041】
基板の剛性低下を補完するために、ジグ(Jig)またはキャリア(Carrier)の使用が可能であるかもしれないが、このような方法は、新しい設備及び工程の導入が必要になってしまうという問題がある。これに対して、幾つかの実施形態に係るモールディング構造体220Sは、EMCを含むことができるので、既存の設備及び工程が利用できる。例えば、幾つかの実施形態に係るモールディング構造体220Sは、後述する第1モールディング部(図8の210)と同一の設備を用いて製造できる。これにより、幾つかの実施形態に係るプリント基板は、半導体パッケージの製造コストを削減することができる。
【0042】
また、幾つかの実施形態に係るモールディング構造体220Sは、基板100の縁から離隔するので、基板を取り扱うための領域を容易に提供することができる。例えば、半導体パッケージの製造工程に使用される治工具は、モールディング構造体220Sが形成されていない基板100の縁を用いて、幾つかの実施形態に係るプリント基板を固定させることができる。
【0043】
図4は本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係るプリント基板の概略上面図、図5図4のC-C’に沿った概略断面図、図6図4のD-D’に沿った概略断面図である。説明の便宜のために、図1乃至図3を用いて説明したのと重複する部分は、簡略に説明し或いは省略する。
【0044】
図4乃至図6を参照すると、幾つかの実施形態に係るモールディング構造体220Sは、第2格子部226をさらに含む。
【0045】
モールディング構造体220Sの第2格子部226は、複数の実装領域120の少なくとも一部を分離させることができる。モールディング構造体220Sの第2格子部226は、周縁部222内で延長できる。例えば、図4に示すように、第2格子部226は、周縁部222内で第1方向Xに沿って延び、複数の実装領域120の少なくとも一部を分離させることができる。例えば、図4及び図6に示すように、第2格子部226は、第1実装領域121と第3実装領域123とを分離させることができる。
【0046】
第2格子部226は周縁部222に接続できる。また、第2格子部226は、周縁部222から複数個第1方向Xに沿って延びることができる。例えば、複数の第2格子部226は、すべての実装領域120に隣接し、第1方向Xに沿って延びることができる。
【0047】
複数の実装領域120は碁盤状に配列できるので、モールディング構造体220Sは例えば格子状に形成できる。これにより、それぞれの実装領域120はモールディング構造体220Sによって互いに分離できる。
【0048】
幾つかの実施形態において、モールディング構造体220Sは接地パッド106と接触することができる。例えば、図5及び図6に示すように、周縁部222、第1格子部224及び第2格子部226は接地パッド106上に形成できる。これにより、接地パッド106は、モールディング構造体220Sにグラウンド電圧を提供することができる。図6には、接地パッド106の幅が第2格子部226の幅と同じであることが示されているが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。例えば、接地パッド106の幅は第2格子部226の幅よりも大きくても小さくてもよい。
【0049】
以下、図7a乃至図13を参照して、本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージを説明する。
【0050】
図7a、図7b及び図7cは本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの様々な概略上面図である。図8図7aのE-E’に沿った概略断面図である。説明の便宜のために、図1乃至図6を用いて説明したのと重複する部分は、簡単に説明し或いは省略する。
【0051】
図7a及び図8を参照すると、幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、基板100、半導体チップ300、ボンディングワイヤ306、半田ボール110、第1モールディング部210及び第2モールディング部220を含む。
【0052】
半導体チップ300は基板100上に配置できる。例えば、半導体チップ300は、基板100の実装領域(図1の120)上に実装できる。半導体チップ300は、例えば、マイクロプロセッサなどのロジック素子であり得るが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。
【0053】
半導体チップ300は、複数のチップが積層された構造であり得る。例えば、半導体チップ300は、下部チップ302b、及び下部チップ302b上に積層された上部チップ302uを含むことができる。図8には、2つのチップのみが積層された構造が示されているが、半導体チップ300は、3つ以上のチップが積層された構造であってもよい。
【0054】
下部チップ302bは、下部付着部304bによって基板100上に実装できる。下部付着部304bは、接着手段を用いて下部チップ302bを基板100上に実装することができる。
【0055】
上部チップ302uは、上部付着部304uによって下部チップ302b上に実装できる。下部付着部304bと同様に、上部付着部304uは接着手段を用いて上部チップ302uを下部チップ302b上に実装することができる。
【0056】
下部付着部304bと上部付着部304uは、例えば、液状のエポキシ、接着テープ、または導電性媒介体を含むことができるが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。
【0057】
幾つかの実施形態において、半導体チップ300は、フリップチップボンディングによって基板100上に実装できる。図示してはいないが、例えば、複数の伝導性チップバンプが基板と半導体チップ300との間に介在できる。複数の伝導性チップバンプは、例えば、半田付け工程で形成できる。
【0058】
ボンディングワイヤ306は、基板100と半導体チップ300とを電気的に接続することができる。例えば、ボンディングワイヤ306は、基板100の第1ボンディングパッド102に接続できる。ところが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではなく、基板100は、例えば、ボンディングテープなどにより半導体チップ300と電気的に接続されてもよい。
【0059】
半田ボール110は基板100に接続できる。例えば、半田ボール110は、基板100の第2ボンディングパッド104に接続できる。これにより、基板100は、半田ボール110を介して他の基板などと電気的に接続できる。例えば、基板100は、半田ボール110を介してモジュールボード(module board)または主回路ボード(main circuit board)などに電気的に接続できる。
【0060】
第1モールディング部210は半導体チップ300を覆うことができる。これにより、半導体チップ300は第1モールディング部210によって密封できる。
【0061】
第1モールディング部210は、第1側壁S1、第2側壁S2、第3側壁S3及び第4側壁S4を含むことができる。第1側壁S1及び第2側壁S2は、第1モールディング部210の互いに対向する側壁であり得る。第3側壁S3は、第1側壁S1と第2側壁S2とを連結する第1モールディング部210の側壁であり得る。第4側壁S4は、第3側壁S3に対向する第1モールディング部210の側壁であり得る。
【0062】
例えば、第1側壁S1及び第2側壁S2は、第2方向Yに沿って延びる第1モールディング部210の両側壁であり得る。第3側壁S3は、第1方向Xに沿って延びる第1モールディング部210の一側壁であり得る。第4側壁S4は、第1方向Xに沿って延びる第1モールディング部210の他の一側壁であり得る。例えば、第1側壁S1、第2側壁S2、第3側壁S3及び第4側壁S4は、直方体形状である第1モールディング部210のそれぞれの側壁であり得る。
【0063】
第1モールディング部210は、非伝導性物質を含むことができる。第1モールディング部210は例えば非伝導性フィラーを含む非伝導性EMCを含むことができる。非伝導性フィラーは例えばシリカ(silica)を含むことができるが、本発明の技術的思想は、これに制限されるものではない。
【0064】
第2モールディング部220は、基板100上で、第1モールディング部210の側壁の少なくとも一部に沿って延びることができる。これにより、第2モールディング部は、半導体チップ300の少なくとも一部を囲むことができる。例えば、図7aに示されているように、第2モールディング部220は、第1モールディング部210の第1側壁S1及び第2側壁S2に沿って延びることができる。しかし、幾つかの実施形態において、第2モールディング部220は、第1モールディング部210の第3側壁S3及び第4側壁S4に沿って延びなくてもよい。
【0065】
図8に示されているように、第2モールディング部220の下面は、基板100の上面と接触することができる。図8には、第2モールディング部220の上面が第1モールディング部210の上面と面一に配置されることが示されているが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。例えば、第2モールディング部220の上面は、第1モールディング部210の上面より高くても低くてもよい。
【0066】
幾つかの実施形態において、第2モールディング部220は、基板100の接地パッド106と接触することができる。これにより、第2モールディング部220は接地パッド106によって接地できる。
幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、図1乃至図6に係るプリント基板を用いて製造された半導体パッケージであり得る。例えば、図1乃至図6によるプリント基板を用いて、互いに隣接する複数の半導体パッケージを製造することができる。次いで、隣接する複数の半導体パッケージをそれぞれ切断して、図7a乃至図8による半導体パッケージを製造することができる。これについては、図14乃至図25の説明で詳細に後述する。
【0067】
例えば、図1乃至図3のプリント基板を用いて、図7a及び図8の半導体パッケージを製造することができる。このような場合、第2モールディング部220は、図1のモールディング構造体220Sの一部であり得る。例えば、第1側壁S1及び第2側壁S2上の第2モールディング部220は第1格子部224の一部であり得る。
【0068】
図7b及び図8を参照すると、幾つかの実施形態に係る第2モールディング部220は第3側壁S3に沿って延びることができる。
【0069】
例えば、図7bに示されているように、第2モールディング部220は、第1モールディング部210の第1側壁S1、第2側壁S2及び第3側壁S3に沿って延びることができる。しかし、幾つかの実施形態において、第2モールディング部220は、第1モールディング部210の第4側壁S4に沿って延びなくてもよい。
【0070】
幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、図1乃至図6に係るプリント基板を用いて製造された半導体パッケージであり得る。
【0071】
例えば、図1乃至図3のプリント基板を用いて、図7b及び図8の半導体パッケージを製造することができる。このような場合、第2モールディング部220は、図1のモールディング構造体220Sの一部であり得る。例えば、第1側壁S1及び第2側壁S2上の第2モールディング部220は第1格子部224の一部であり得る。例えば、第3側壁S3上の第2モールディング部220は周縁部222の一部であり得る。
【0072】
図7c及び図8を参照すると、幾つかの実施形態に係る第2モールディング部220は、第4側壁S4に沿ってさらに延びることができる。
【0073】
例えば、図7cに示されているように、第2モールディング部220は、第1モールディング部210の第1側壁S1、第2側壁S2、第3側壁S3及び第4側壁S4に沿って延びることができる。
【0074】
幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、図1乃至図6によるプリント基板を用いて製造された半導体パッケージであり得る。
【0075】
例えば、図4乃至図6のプリント基板を用いて、図7c及び図8の半導体パッケージを製造することができる。このような場合に、第2モールディング部220は、図1のモールディング構造体220Sの一部であり得る。例えば、第1側壁S1及び第2側壁S2上の第2モールディング部220は、第1格子部224の一部であり得る。例えば、第3側壁S3及び第4側壁S4上の第2モールディング部220は、第2格子部226の一部であり得る。または、例えば、第1側壁S1、第2側壁S2、第3側壁S3または第4側壁S4上の第2モールディング部220は、周縁部222の一部であってもよい。
【0076】
図9は本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの概略上面図である。図10図9のF-F’に沿った概略断面図である。説明の便宜のために、図1乃至図8を用いて説明したのと重複する部分は、簡単に説明し或いは省略する。
【0077】
図9及び図10を参照すると、幾つかの実施形態に係る第1モールディング部210は、第2モールディング部220の上面を覆うことができる。例えば、第1モールディング部210の最上面は、第2モールディング部220の最上面より高くてもよい。
【0078】
図9及び図10には、第1モールディング部210が第2モールディング部220の上面を全部覆うものと示されているが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。例えば、第1モールディング部210は、第2モールディング部220の上面の一部を覆うこともできる。
【0079】
図11は本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの概略上面図である。図12図11のG-G’に沿った概略断面図である。説明の便宜のために、図1乃至図8を用いて説明したのと重複する部分は、簡単に説明し或いは省略する。
【0080】
図11及び図12を参照すると、幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、第3モールディング部230をさらに含む。
【0081】
第3モールディング部230は、第1モールディング部210及び第2モールディング部220上に配置できる。これにより、第3モールディング部230は、第2モールディング部220と接触することができる。上述したように、第2モールディング部220が接地される場合、第3モールディング部230も接地できる。
【0082】
図11及び図12には、第3モールディング部230が第1モールディング部210の上面及び第2モールディング部220の上面を全部覆うものと示されているが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。例えば、第3モールディング部230は、第2モールディング部220の上面の一部を覆うこともできる。ところが、第3モールディング部230は、第1モールディング部210の上面を全部覆うことができる。
【0083】
第3モールディング部230は、例えば、EMCを含むことができるが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。
【0084】
幾つかの実施形態において、第3モールディング部230は伝導性物質を含むことができる。例えば、第3モールディング部230は伝導性EMCを含むことができる。伝導性EMCは伝導性フィラーを含むことができる。伝導性フィラーは、例えば、フェライト(ferrite)を含むことができる。しかし、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではなく、伝導性フィラーは、公知の様々な伝導性フィラーを含むことができる。例えば、伝導性フィラーは、Ag、Cu、Ni、ZnO、SnO、Al、ステンレス鋼などを含む金属系伝導性フィラー、アセチレンブラック(Acetylene Black)、チャネルブラック(Channel Black)、ピッチ(Pitch)系/パン(Pan)系炭素繊維、グラファイト(Graphite)などを含む炭素系伝導性フィラー、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどを含む高分子系伝導性フィラー、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含むこともできる。
【0085】
幾つかの実施形態において、第3モールディング部230は、伝導性EMC100重量%に対し、50重量%以上の伝導性フィラーを含むことができる。例えば、第3モールディング部230は、伝導性EMC100重量%に対し、85重量%~95重量%の伝導性フィラーを含むことができる。
【0086】
幾つかの実施形態において、第3モールディング部230は、第2モールディング部220と同一の物質を含むことができるが、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではない。例えば、第3モールディング部230は、第2モールディング部220とは異なる種類の伝導性フィラー、または第2モールディング部220とは異なる含有量の伝導性フィラーを含むこともできる。
【0087】
図13は本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの概略上面図である。説明の便宜のために、図1図8を用いて説明したのと重複する部分は簡単に説明し或いは省略する。
【0088】
図13を参照すると、幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、複数のサブ半導体チップを含むことができる。
【0089】
例えば、基板100上に第1サブ半導体チップ300a及び第2サブ半導体チップ300bが配置できる。第1サブ半導体チップ300a及び第2サブ半導体チップ300bは、それぞれ図7a乃至図8の半導体チップ300に対応することができる。
【0090】
第1モールディング部210は、第1サブ半導体チップ300a及び第2サブ半導体チップ300bを覆うことができる。これにより、第1サブ半導体チップ300a及び第2サブ半導体チップ300bは第1モールディング部210によって密封できる。第2モールディング部220は、第1サブ半導体チップ300a及び第2サブ半導体チップ300bの少なくとも一部を囲むことができる。
【0091】
半導体パッケージが薄板化及び高集積化するにつれて、半導体パッケージの剛性が低下するという問題がある。例えば、半導体パッケージの薄板化は、半導体パッケージの反り(warpage)現象を顕著にすることができる。しかし、幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、第2モールディング部220を用いて半導体パッケージの剛性を補強することができる。例えば、第2モールディング部220は、基板100及び第1モールディング部210を支持して、幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの剛性を補強することができる。
【0092】
また、半導体パッケージが薄板化及び高集積化するにつれて、電磁障害(EMI;electromagnetic interference)現象がますます顕著になるという問題がある。しかし、幾つかの実施形態に係る半導体パッケージは、第2モールディング部220を用いて電磁障害現象を防止することができる。例えば、伝導性物質を含む第2モールディング部220は、基板100の接地パッド106と接触して接地できる。接地された第2モールディング部220は、半導体チップ300を囲むことができ、半導体チップ300に対する電磁障害現象を防止することができる。
【0093】
幾つかの実施形態において、接地された第3モールディング部230は、第2モールディング部220と一緒に半導体チップ300を完全に囲むことができ、半導体チップ300に対する電磁障害を最小限に抑えることができる。
【0094】
以下では、図14乃至図25を参照して、本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明する。
【0095】
図14乃至図25は、本発明の技術的思想の幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を説明するための中間段階図である。説明の便宜のために、図1乃至図13を用いて説明したのと重複する部分は、簡単に説明し或いは省略する。
【0096】
図14及び図15を参照すると、複数の実装領域120を含む基板100を提供する。参考までに、図15図14のA1-A1’に沿った断面図である。
【0097】
複数の実装領域120は、第1方向Xに沿って隣接する第1実装領域121及び第2実装領域122を含むことができる。
【0098】
基板100は、第1ボンディングパッド102、第2ボンディングパッド104及び接地パッド106を含むことができる。第1ボンディングパッド102、第2ボンディングパッド104及び接地パッド106はそれぞれ複数個形成できる。また、第1ボンディングパッド102、第2ボンディングパッド104及び接地パッド106はそれぞれ導電体で形成できる。
【0099】
図16a乃至図17を参照すると、基板100上にモールディング構造体220Sを形成する。参考までに、図17図16a及び図16bのA2-A2’に沿った断面図である。
【0100】
モールディング構造体220Sは様々な形状に形成できる。例えば、図16aに示されているように、周縁部222及び第1格子部224を含むモールディング構造体220Sが形成できる。これにより、図1乃至図3に係るプリント基板が製造できる。
【0101】
または、例えば、図16bに示されているように、周縁部222、第1格子部224及び第2格子部226を含むモールディング構造体220Sが形成できる。これにより、図4乃至図6に係るプリント基板が製造できる。
【0102】
説明の便宜のために、以下の説明において、モールディング構造体220Sは、周縁部222、第1格子部224及び第2格子部226を含むものと説明する。
【0103】
モールディング構造体220Sは、例えば、EMCを含むことができる。モールディング構造体220Sは、例えば、ディスペンシング(dispensing)、フィルム付着(film attach)、移送成形(transfer molding)、または圧縮成形(compression molding)のうちの少なくとも一つの方式によって形成できる。しかし、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではなく、モールディング構造体220Sは、EMCを含む成形物を形成する様々な方法によって形成できる。
【0104】
幾つかの実施形態において、モールディング構造体220Sは伝導性物質を含むことができる。例えば、モールディング構造体220Sは伝導性EMCを含むことができる。
【0105】
幾つかの実施形態において、モールディング構造体220Sは、基板100の接地パッド106と接触するように形成できる。
【0106】
図18及び図19を参照すると、基板100上に複数の半導体チップ300を形成する。参考までに、図19図18のA3-A3’に沿った断面図である。
【0107】
複数の半導体チップ300は、複数の実装領域120上にそれぞれ形成できる。例えば、第1実装領域121上に第1半導体チップ310が形成でき、第2実装領域122上に第2半導体チップ320が形成できる。
【0108】
半導体チップ300は、複数のチップが積層された構造であり得る。図19には、第1半導体チップ310及び第2半導体チップ320にそれぞれ2つのチップのみが積層された構造が示されているが、第1半導体チップ310及び第2半導体チップ320は、それぞれ3つ以上のチップが積層された構造であってもよい。
【0109】
モールディング構造体220Sは、複数の実装領域120の少なくとも一部を分離させることができるので、複数の半導体チップ300の少なくとも一部は、モールディング構造体220Sによって分離できる。例えば、第1半導体チップ310と第2半導体チップ320とは、モールディング構造体220Sによって互いに分離できる。
【0110】
図20及び図21を参照すると、基板100及びモールディング構造体220S上に第1モールディング部210を形成する。参考までに、図21図20のA4-A4’に沿った断面図である。
【0111】
第1モールディング部210は、複数の半導体チップ300を覆うように形成できる。例えば、第1モールディング部210は、第1半導体チップ310及び第2半導体チップ320を覆うように形成できる。
【0112】
また、第1モールディング部210は、モールディング構造体220Sを覆うように形成できる。これにより、第1モールディング部210の最上面はモールディング構造体220Sの最上面より高いことがある。
【0113】
第1モールディング部210は、例えば、非伝導性EMCを含むことができる。第1モールディング部210は、例えば、ディスペンシング(dispensing)、フィルム付着(film attach)、移送成形(transfer molding)、または圧縮成形(compression molding)のうちの少なくとも一つの方式によって形成できる。しかし、本発明の技術的思想はこれに制限されるものではなく、第1モールディング部210は、EMCを含む成形物を形成する様々な方式によって形成できる。
【0114】
幾つかの実施形態において、第1モールディング部210は、モールディング構造体220Sを形成するのと同じ方式で形成できる。これにより、幾つかの実施形態に係る半導体パッケージの製造コストが低減できる。
【0115】
図22及び図23を参照すると、モールディング構造体220Sの上面及び第1モールディング部210の上面を平坦化する。参考までに、図23図22のA5-A5’に沿った断面図である。
【0116】
モールディング構造体220Sの上面及び第1モールディング部210の上面を平坦化することは、例えば、化学機械研磨(CMP;chemical mechanical polishing)方法によって行われ得る。
【0117】
これにより、モールディング構造体220Sの上面及び第1モールディング部210の上面は面一に配置できる。本明細書において、「同一」とは、完全に同じ場合だけでなく、工程上のマージンなどにより発生しうる微細な差の場合も含む意味である。
【0118】
また、これにより、第1モールディング部210は、モールディング構造体220Sによって複数の封止部に分離できる。例えば、第1モールディング部210は、モールディング構造体220Sによって分離される第1封止部210a及び第2封止部210bを含むことができる。図23に示されているように、第1封止部210aは、第1半導体チップ310を覆う第1モールディング部210の一部であってもよく、第2封止部210bは、第2半導体チップ320を覆う第1モールディング部210の一部であってもよい。
【0119】
しかし、幾つかの実施形態において、モールディング構造体220Sの上面及び第1モールディング部210の上面を平坦化することは省略されてもよい。
【0120】
図24及び図25を参照すると、モールディング構造体220S及び第1モールディング部210上に第3モールディング部230を形成する。参考までに、図25図23のA6-A6’に沿った断面図である。
【0121】
第3モールディング部230は、モールディング構造体220Sの上面及び第1モールディング部210の上面を覆うように形成できる。これにより、第3モールディング部230はモールディング構造体220Sと接触することができる。
【0122】
幾つかの実施形態において、第3モールディング部230は伝導性物質を含むことができる。例えば、第3モールディング部230は伝導性EMCを含むことができる。
【0123】
しかし、幾つかの実施形態において、モールディング構造体220S及び第1モールディング部210上に第3モールディング部230を形成することは省略されてもよい。
【0124】
これにより、図1乃至図3のプリント基板または図4乃至図6のプリント基板を用いて、互いに隣接する複数の半導体パッケージを形成することができる。
【0125】
次いで、隣接する複数の半導体パッケージをそれぞれ切断して、個別的な半導体パッケージを製造することができる。
【0126】
例えば、図1乃至図3のプリント基板を用いる半導体パッケージの製造方法において、第1半導体チップ310の周辺を切断して図7a及び図8の半導体パッケージを製造することができる。
【0127】
例えば、図4乃至図6のプリント基板を用いる半導体パッケージの製造方法において、第1半導体チップ310の周辺を切断して図7c及び図8の半導体パッケージを製造することができる。
【0128】
例えば、図24及び図25の第1半導体チップ310の周辺を切断して、図11及び図12による半導体パッケージを製造することができる。
【0129】
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造でき、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることが理解できるだろう。よって、上述した実施形態はあらゆる面で例示的なもので、限定的なものではないと理解すべきである。
【符号の説明】
【0130】
100 基板
120 実装領域
210 第1モールディング部
220 第2モールディング部
220S モールディング構造体
230 第3モールディング部
300 半導体チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16a
図16b
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25