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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】移動システム
(51)【国際特許分類】
   B60F 5/02 20060101AFI20230426BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20230426BHJP
   B64C 37/02 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B60F5/02
B64C27/08
B64C37/02
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019051824
(22)【出願日】2019-03-19
(65)【公開番号】P2020152211
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 祐介
(72)【発明者】
【氏名】岡本 正也
(72)【発明者】
【氏名】国府寺 弘明
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 直人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 友宏
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-076048(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110308723(CN,A)
【文献】特表2016-528522(JP,A)
【文献】特表2021-515725(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017218061(DE,A1)
【文献】米国特許第07946530(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0047342(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60F 5/02
B64C 27/08
B64C 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭乗可能なキャビンと、
前記キャビンに対して連結および解除可能に構成され、連結された前記キャビンを移動させる移動装置と、
搭乗者が入力したキャビン内使用目的を満たす、前記キャビンと前記移動装置とを対応付けた移動ユニットを抽出するサーバと、
を備え
前記キャビン内使用目的は、前記搭乗者が前記移動ユニットに搭乗して移動するときに所望する前記キャビンの内での行動を示す、移動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搭乗者が搭乗可能なキャビンを移動させる移動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、結合するモジュールに応じて、乗客用モジュールを、地上を通じて移動させたり、空中を通じて移動させることが可能な乗客輸送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-76048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような移動システムにおいて、乗客用モジュールおよび結合するモジュールが複数種類あった場合、モジュールを結合して構成された移動ユニットの種類が複数となる。移動ユニットの種類が多くなると、使用目的に合致した移動ユニットを決定することができない場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、適切な移動ユニットの決定を支援することが可能な移動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の移動システムは、搭乗可能なキャビンと、キャビンに対して連結および解除可能に構成され、連結されたキャビンを移動させる移動装置と、搭乗者が入力したキャビン内使用目的を満たす、キャビンと移動装置とを対応付けた移動ユニットを抽出するサーバと、を備え、キャビン内使用目的は、搭乗者が移動ユニットに搭乗して移動するときに所望するキャビンの内での行動を示す
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、適切な移動ユニットの決定を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態による移動システムの構成を示す概略図である。
図2】キャビン、航空装置および走行装置の関係を説明する図である。
図3】データベース部に格納される移動ユニット目的テーブルを示す概略図である。
図4】データベース部に格納されるキャビン目的テーブルを示す概略図である。
図5】データベース部に格納されるキャビンテーブル、航空装置テーブルおよび走行装置テーブルを示す概略図である。
図6】端末装置における抽出要求部の動作を説明するフローチャートである。
図7】サーバにおける抽出部の動作を説明するフローチャートである。
図8】移動可否絞り込み抽出処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
図1は、本実施形態による移動システム1の構成を示す概略図である。図1では、制御信号の流れを破線の矢印で示している。以下では、本実施形態に関係する構成や処理について詳細に説明し、本実施形態と無関係の構成や処理については説明を省略する。
【0011】
移動システム1は、複数種類(図1では、3種類)のキャビン10、複数種類(図1では、3種類)の航空装置12、複数種類(図1では、3種類)の走行装置14、端末装置16、通信ネットワーク18およびサーバ20を含む。ここでは、キャビン10、航空装置12および走行装置14をそれぞれ3種類挙げて説明するが、その種類は、3種類に限らず、1種類でもよいし、2種類でもよいし、4種類以上であってもよい。また、キャビン10の種類の数、航空装置12の種類の数および走行装置14の種類の数は、それぞれ等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
【0012】
キャビン10は、中空に形成されており、搭乗者が搭乗可能となっている。キャビン10は、車輪、プロペラおよびそれらの駆動装置を有していない。つまり、キャビン10は、自体に推進力がない。複数種類のキャビン10は、例えば、搭乗可能人数などによって、大きさ、形状、外観やデザインなどが異なっていてもよい。なお、図1では、キャビン10にハッチングを施すことで外観やデザインが異なることを示している。
【0013】
航空装置12は、プロペラ、駆動装置およびバッテリ22を有している。航空装置12の駆動装置は、バッテリ22の電力を消費してプロペラを駆動させる。プロペラの数は、例えば、4個であるが、1~3個であってもよいし、5個以上であってもよい。つまり、航空装置12は、プロペラを回転させることで揚力を発生させ、空を飛行することができる。航空装置12は、例えば、ドローン(無人航空機)である。また、航空装置12には、搭乗者を乗せる部分が付いていない。複数種類の航空装置12は、飛行するための装置出力やバッテリ容量などによって、大きさや形状などが異なっていてもよい。
【0014】
走行装置14は、車輪、駆動装置およびバッテリ24を有している。走行装置14の駆動装置は、バッテリ24の電力を消費して車輪を駆動させる。つまり、走行装置14は、車輪を回転させることで推進力を発生させ、地上を走行することができる。また、走行装置14には、搭乗者を乗せる部分が付いていない。つまり、走行装置14は、電気自動車からキャビンを除いたものに相当する。複数種類の走行装置14は、走行するための装置出力やバッテリ容量などによって、大きさや形状などが異なっていてもよい。
【0015】
図2は、キャビン10、航空装置12および走行装置14の関係を説明する図である。キャビン10には、航空装置連結部30および走行装置連結部32が設けられる。航空装置連結部30は、キャビン10の鉛直上部に設けられ、走行装置連結部32は、キャビン10の鉛直下部に設けられる。
【0016】
航空装置12には、キャビン連結部34が設けられる。キャビン連結部34は、例えば、航空装置12の鉛直下部に設けられる。また、走行装置14には、キャビン連結部36が設けられる。キャビン連結部36は、例えば、前輪と後輪との間の鉛直上部に設けられる。
【0017】
航空装置12は、キャビン10に対して連結および解除可能に構成されている。例えば、航空装置12のキャビン連結部34には、複数の爪が形成される。また、キャビン10の航空装置連結部30には、キャビン連結部34の複数の爪に対応する溝が形成される。キャビン連結部34は、航空装置連結部30を爪で引っ掛けて掴むことで、航空装置連結部30と連結することができる。また、キャビン連結部34は、航空装置連結部30を掴んでいた爪を開くことで、連結されていた航空装置連結部30との連結を解除することができる。
【0018】
航空装置12とキャビン10とが連結されると、航空ユニット40が形成される。航空ユニット40は、空を通じて移動することができる。航空ユニット40は、基本的には、航空装置12が自動運転することで、キャビン10を移動させる。なお、航空ユニット40は、キャビン10に設けられる運転装置を通じて、搭乗者の運転によって移動してもよい。
【0019】
走行装置14は、キャビン10に対して連結および解除可能に構成されている。例えば、キャビン10の走行装置連結部32には、複数の突起が形成される。走行装置14のキャビン連結部36は、走行装置連結部32の複数の突起を各々挟んで支持することで、走行装置連結部32と連結することができる。また、キャビン連結部36は、突起を挟むことを解除することで、連結されていた走行装置連結部32との連結を解除することができる。
【0020】
走行装置14とキャビン10とが連結されると、走行ユニット42が形成される。走行ユニット42は、地上を通じて移動することができる。走行ユニット42は、走行装置14が自動運転することでキャビン10を移動させてもよいし、キャビン10に設けられる運転装置を通じて、搭乗者の運転によって移動してもよい。
【0021】
キャビン10は、航空装置12に連結される場合、走行装置14との連結が解除される。また、キャビン10は、走行装置14に連結される場合、航空装置12との連結が解除される。なお、ここでは、総重量の低減化のために航空装置12または走行装置14の一方にキャビン10が連結されると他方との連結を解除する例を挙げているが、キャビン10は、航空装置12および走行装置14の両方に同時に(並行して)連結されてもよい。
【0022】
以下、航空装置12および走行装置14を総称して、移動装置と呼ぶ場合がある。また、航空ユニット40および走行ユニット42を総称して、移動ユニットと呼ぶ場合がある。
【0023】
図1に戻って、移動システム1では、キャビン10および移動装置(航空装置12および走行装置14)が複数種類あるため、キャビン10に対する移動装置の組み合わせパターン(換言すると、移動ユニットのパターン)が複数ある。移動システム1は、例えば、このような複数種類の移動ユニット(複数種類のキャビン10、航空装置12および走行装置14)を複数のユーザ(換言すると、移動ユニットに搭乗する搭乗者)で共有(シェア)するような構成である。
【0024】
端末装置16は、例えば、スマートフォンやタブレットなどである。端末装置16は、通信部50、入出力インターフェース52および制御部54を含む。なお、端末装置16は、キャビン10の中に設けられたユーザインターフェースなどであってもよい。
【0025】
通信部50は、外部と通信(無線通信または有線通信)を確立し、通信ネットワーク18を通じて各種の情報を送受信することができる。通信ネットワーク18は、例えば、通信キャリアの無線通信ネットワークであってもよいし、インターネットであってもよい。具体的には、通信部50は、通信ネットワーク18を通じてサーバ20と通信する。
【0026】
入出力インターフェース52は、ユーザによる入力操作を受け付ける入力機能と、各種の情報をユーザに表示するディスプレイなどの出力機能とを有する。
【0027】
制御部54は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。制御部54は、プログラムを実行することで、抽出要求部56として機能する。
【0028】
抽出要求部56は、入出力インターフェース52を通じて、移動ユニットの抽出条件の入力を受け付ける。移動ユニットの抽出条件は、複数種類の移動ユニットの中から、1または複数の移動ユニットを抽出するための各種の情報である。ユーザ(搭乗者)が入出力インターフェース52を通じて移動ユニットの抽出条件を入力すると、移動システム1では、入力された移動ユニットの抽出条件を満たす移動ユニットの抽出が行われる。
【0029】
移動ユニットの抽出条件は、具体的には、移動ユニット目的、キャビン目的、出発地および目的地の情報が含まれる。
【0030】
移動ユニット目的は、移動ユニット全体についての使用目的のことであり、ユーザが移動ユニットをどのような使用目的で使用したいかを示す。移動ユニット目的は、例えば、「山に行く」、「海に行く」、「最短移動」、「街乗り」などのキーワードとして入力される。なお、移動ユニット目的は、例示したものに限らない。
【0031】
キャビン目的は、キャビン10の使用目的のことであり、移動ユニットを構成するキャビン10単体についての使用目的を示す。換言すると、キャビン目的は、移動ユニットで移動中に、キャビン10内でどのようなことをしたいかを示す。キャビン目的は、例えば、「運転」、「寝る」、「リラックス」、「デスクワーク」などのキーワードとして入力される。なお、キャビン目的は、例示したものに限らない。
【0032】
出発地は、移動ユニットの移動開始位置である。目的地は、移動ユニットの移動目標位置である。出発地および目的地は、住所で特定してもよいし、建物などのランドマークで特定してもよいし、緯度経度で特定してもよい。
【0033】
抽出要求部56は、移動ユニットの抽出条件が入力されると、通信部50および通信ネットワーク18を通じて抽出要求をサーバ20に送信する。抽出要求は、複数種類の移動ユニットの中から抽出条件を満たす移動ユニットを抽出する処理を要求するものである。抽出要求には、入出力インターフェース52を通じてユーザが入力した抽出条件が格納される。
【0034】
また、抽出要求部56は、抽出結果を受信すると、その抽出結果を入出力インターフェース52のディスプレイに表示させる。つまり、抽出条件を満たす移動ユニットがユーザに提示される。
【0035】
サーバ20は、移動システム1の管理者によって設置される。サーバ20は、通信部60、データベース部62および制御部64を含む。
【0036】
通信部60は、外部と通信(無線通信または有線通信)を確立し、通信ネットワーク18を通じて各種の情報を送受信することができる。通信部60は、端末装置16、各キャビン10および各移動装置と通信することができる。
【0037】
データベース部62は、例えば、不揮発性メモリで構成される。データベース部62には、移動ユニット目的テーブル、キャビン目的テーブル、キャビンテーブル、航空装置テーブルおよび走行装置テーブルが格納されている。
【0038】
図3は、データベース部62に格納される移動ユニット目的テーブルを示す概略図である。図3に示すように、移動ユニット目的テーブルには、移動ユニット目的(移動ユニットの使用目的)がキーワードで記載されている。
【0039】
また、移動ユニット目的テーブルには、移動ユニットカテゴリおよび移動ユニットタイプが、移動ユニット目的に関連付けられて記載されている。移動ユニット目的には、その移動ユニット目的を達成するのに適切な1または複数の移動ユニットカテゴリおよび移動ユニットタイプが関連付けられている。
【0040】
移動ユニットカテゴリは、例えば、「SUV」、「スポーツ」、「航空」、「小型」などのような移動ユニットの種類を示す。また、移動ユニットタイプは、移動ユニットの機種および型式を示す。移動ユニットタイプは、航空ユニットの機種および型式を示す航空ユニットタイプ、および、走行ユニットの機種および型式を示す走行ユニットタイプを含む。
【0041】
図3では、移動ユニットカテゴリ「SUV」が走行ユニット42に属するため、移動ユニットタイプとして走行ユニットタイプの一例である「SUV-A」、「SUV-B」および「SUV-C」などが記載されている。なお、移動ユニットカテゴリが航空ユニット40に属する場合、移動ユニットタイプとして航空ユニットタイプが記載されてもよい。
【0042】
また、移動ユニット目的テーブルには、キャビンタイプおよび移動装置タイプが、移動ユニットタイプに関連付けられて記載されている。移動ユニットタイプには、その移動ユニットタイプの移動ユニットを構成するキャビン10のキャビンタイプ、および、その移動ユニットタイプの移動ユニットを構成する移動装置の移動装置タイプが関連付けられる。
【0043】
キャビンタイプは、「キャビン-A」、「キャビン-B」、「キャビン-C」などのようにキャビン10の機種および型式を示す。
【0044】
移動装置タイプは、移動装置の機種および型式を示す。移動装置タイプは、航空装置12の機種および型式を示す航空装置タイプ、および、走行装置14の機種および型式を示す走行装置タイプを含む。
【0045】
図3では、移動ユニットタイプ「SUV-A」等が走行ユニット42に属するため、移動装置タイプとして走行装置タイプの一例である「走行装置-A」、「走行装置-B」および「走行装置-C」などが記載されている。なお、移動ユニットタイプが航空ユニット40に属する場合、移動装置タイプとして航空装置タイプが記載されてもよい。
【0046】
図4は、データベース部62に格納されるキャビン目的テーブルを示す概略図である。図4に示すように、キャビン目的テーブルには、キャビン目的(キャビンの使用目的)がキーワードで記載されている。また、キャビン目的テーブルには、キャビンタイプがキャビン目的に関連付けられて記載されている。キャビン目的には、1または複数のキャビンタイプが関連付けられる。
【0047】
図5は、データベース部62に格納されるキャビンテーブル、航空装置テーブルおよび走行装置テーブルを示す概略図である。図5(a)には、キャビンテーブルが示されており、図5(b)には、航空装置テーブルが示されており、図5(c)には、走行装置テーブルが示されている。なお、航空装置テーブルおよび走行装置テーブルを総称して、移動装置テーブルと呼ぶ場合がある。
【0048】
図5(a)に示すように、キャビンテーブルには、キャビン10の各々を識別するキャビン識別子が記載されている。また、キャビンテーブルには、キャビンタイプおよび使用状況が、キャビン識別子に関連付けられて記載されている。キャビンタイプについては、上述の通りである。
【0049】
キャビンテーブルにおける使用状況は、キャビン10が現在使用中であるか否かを示し、リアルタイムに更新される。例えば、キャビン識別子に対応するキャビン10の使用が決定された場合、使用状況の欄には、「使用中」を示す情報が記載される。また、例えば、キャビン10の使用が終了された場合、キャビン10からサーバ20に使用終了の情報が送信され、使用状況の欄には、「使用していない」を示す情報が記載される。
【0050】
なお、図示を省略するが、キャビンテーブルには、キャビン10に関する各種の情報(例えば、搭乗可能人数など)が、キャビン識別子に関連付けられて記載されてもよい。
【0051】
図5(b)に示すように、航空装置テーブルには、航空装置12の各々を識別する航空装置識別子が記載されている。また、航空装置テーブルには、航空装置タイプ、バッテリ容量および使用状況が、航空装置識別子に関連付けられて記載されている。航空装置タイプについては、上述の通りである。
【0052】
航空装置テーブルにおけるバッテリ容量は、航空装置12に搭載されるバッテリ22の容量である。バッテリ容量は、現在のSOC(State of Charge)を示し、リアルタイムに更新される。例えば、サーバ20は、各航空装置12から現在のバッテリ容量を定期的または所定のタイミングで取得し、航空装置テーブルのバッテリ容量を更新してもよい。所定のタイミングは、例えば、抽出要求を受信したときなどでもよい。
【0053】
航空装置テーブルにおける使用状況は、航空装置12が現在使用中であるか否かを示し、リアルタイムに更新される。航空装置テーブルにおける使用状況の更新は、例えば、キャビンテーブルにおける使用状況の更新と同様にして行われる。
【0054】
なお、図示を省略するが、航空装置テーブルには、航空装置12を飛行させるための出力(装置出力)など航空装置12に関連する各種の情報が、航空装置識別子に関連付けられて記載されてもよい。
【0055】
図5(c)に示すように、走行装置テーブルには、走行装置14の各々を識別する走行装置識別子が記載されている。また、走行装置テーブルには、走行装置タイプ、バッテリ容量および使用状況が、走行装置識別子に関連付けられて記載されている。走行装置タイプについては、上述の通りである。
【0056】
走行装置テーブルにおけるバッテリ容量は、走行装置14に搭載されるバッテリ24の容量である。バッテリ容量は、現在のSOCを示し、リアルタイムに更新される。走行装置テーブルのバッテリ容量の更新は、例えば、航空装置テーブルのバッテリ容量の更新と同様にして行われる。
【0057】
走行装置テーブルにおける使用状況は、走行装置14が現在使用中であるか否かを示し、リアルタイムに更新される。走行装置テーブルにおける使用状況の更新は、例えば、キャビンテーブルにおける使用状況の更新と同様にして行われる。
【0058】
なお、図示を省略するが、走行装置テーブルには、走行装置14を走行させるための出力(装置出力)など走行装置14に関連する各種の情報が、走行装置識別子に関連付けられて記載されてもよい。
【0059】
また、データベース部62には、交通情報が格納され、リアルタイムに更新される。交通情報には、地図情報、渋滞情報、工事情報などが含まれる。交通情報は、例えば、定期的または所定のタイミングで更新される。所定のタイミングは、例えば、移動ユニットの抽出時などでもよい。
【0060】
図1に戻って、サーバ20の制御部64は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。制御部64は、プログラムを実行することで、抽出部66として機能する。
【0061】
抽出部66は、端末装置16から抽出要求を受信すると、抽出要求に含まれる抽出条件を満たす移動ユニットを抽出する。移動ユニットの抽出については、具体的には、以下のように行う。
【0062】
抽出部66は、移動ユニット目的テーブルを参照して、抽出要求に含まれる移動ユニット目的に対応する移動ユニット(移動ユニットタイプ)を抽出する。例えば、ユーザは、入出力インターフェース52を通じて、移動ユニット目的として「山に行く」を入力したとする。そうすると、移動ユニット目的が「山に行く」に対応する移動ユニットタイプである「SUV-A」、「SUV-B」、「SUV-C」などが抽出される。ユーザは、「SUV-A」、「SUV-B」、「SUV-C」などを使用することで、適切に山に行くことができる。
【0063】
また、抽出部66は、キャビン目的で抽出してもよい。具体的には、抽出部66は、移動ユニット目的で抽出された移動ユニットを、抽出要求に含まれるキャビン目的で絞り込み抽出してもよい。換言すると、抽出部66は、移動ユニット目的とキャビン目的との両方を満たす移動ユニットを抽出してもよい。例えば、抽出部66は、キャビン目的テーブルを参照して、抽出要求に含まれるキャビン目的に対応するキャビンタイプを抽出する。抽出部66は、移動ユニット目的テーブルを参照し、移動ユニット目的で抽出された移動ユニット(移動ユニットタイプ)の中からキャビン目的で抽出されたキャビンタイプに対応する移動ユニット(移動ユニットタイプ)を抽出する。
【0064】
例えば、ユーザは、入出力インターフェース52を通じて、キャビン目的として「寝る」を入力したとする。そうすると、キャビン目的が「寝る」に対応するキャビンタイプである「キャビン-B」が抽出され、「キャビン-B」に対応する移動ユニットタイプである「SUV-B」が抽出される。ユーザは、「SUV-B」を使用することで、寝ながら移動することができる。
【0065】
このように、抽出部66は、移動ユニット目的およびキャビン目的のいずれか一方または双方を満たす移動ユニットを抽出する。このため、移動システム1では、抽出された移動ユニットをユーザに提示することで、使用目的に合致した適切な移動ユニットの決定を支援することができる。
【0066】
また、抽出部66は、移動ユニット目的およびキャビン目的に加え、キャビン10および移動装置の使用状況で移動ユニットを抽出(絞り込み抽出)してもよい。この場合、抽出部66は、キャビン10および移動装置の両方が使用されていない移動ユニットを抽出する。
【0067】
例えば、抽出部66は、キャビンテーブルを参照し、抽出された移動ユニット(移動ユニットタイプ)のキャビンタイプに対応するキャビン識別子を抽出し、そのキャビン識別子に対応する使用状況を確認する。抽出部66は、抽出された移動ユニット(移動ユニットタイプ)のうち、使用状況が「使用していない」であるキャビンタイプに対応する移動ユニット(移動ユニットタイプ)を抽出する。なお、キャビンタイプに対応するキャビン識別子が複数ある場合、抽出部66は、複数のキャビン識別子のうち1つでも「使用していない」ものがあれば、そのキャビンタイプに対応する移動ユニット(移動ユニットタイプ)を抽出してもよい。
【0068】
また、抽出部66は、移動装置テーブルを参照し、抽出された移動ユニット(移動ユニットタイプ)の移動装置タイプ(航空装置タイプおよび走行装置タイプ)に対応する移動装置識別子(航空装置識別子および走行装置識別子)を抽出し、その移動装置識別子に対応する使用状況を確認する。抽出部66は、抽出された移動ユニット(移動ユニットタイプ)のうち、使用状況が「使用していない」である移動装置タイプに対応する移動ユニット(移動ユニットタイプ)を抽出する。なお、移動装置タイプに対応する移動装置識別子が複数ある場合、抽出部66は、複数の移動装置識別子のうち1つでも「使用していない」ものがあれば、その移動装置タイプに対応する移動ユニットを抽出してもよい。
【0069】
また、抽出部66は、移動ユニット目的およびキャビン目的に加え、出発地、目的地および移動装置の現在のバッテリ容量に基づいて移動ユニットを抽出(絞り込み抽出)してもよい。つまり、抽出部66は、実際に出発地から目的地まで移動可能な移動ユニットを抽出する。
【0070】
例えば、抽出部66は、出発地および目的地から移動装置の移動経路を導出し、移動経路から移動時間を導出する。抽出部66は、移動時間に基づいて、目的地まで移動するのに必要となるバッテリ容量である必要バッテリ容量を導出する。抽出部66は、移動装置テーブルを参照し、抽出された移動ユニット(移動ユニットタイプ)のうち、現在のバッテリ容量が必要バッテリ容量以上である移動ユニット(移動ユニットタイプ)を抽出する。
【0071】
このように、抽出部66は、移動ユニット目的およびキャビン目的を満たすことに加え、使用状況および目的地までの移動可否のいずれか一方または双方の抽出条件を満たす移動ユニットを抽出してもよい。これにより、ユーザは、より適切な移動ユニットを決定することができる。
【0072】
また、抽出部66は、抽出された移動ユニットについて、移動ユニットを使用した場合に必要となる使用料金を導出してもよい。
【0073】
抽出部66は、抽出した移動ユニットの情報(使用料金などの付帯情報を含む情報)を、通信部60および通信ネットワーク18を通じて端末装置16に送信する。このとき、抽出部66は、抽出された移動ユニットに、移動装置識別子およびキャビン識別子に関連付けられた移動ユニット識別子を付与して送信してもよい。これにより、抽出された移動ユニットの中から使用する移動ユニットが決定された場合に、サーバ20は、決定された移動ユニットを構成するキャビン10および移動装置を迅速かつ正確に認識することができる。
【0074】
なお、抽出部66は、端末装置16に送信した移動ユニットを他の人が一時的に選択できないように制限してもよい。
【0075】
端末装置16は、抽出された移動ユニットの情報を受信すると、入出力インターフェース52のディスプレイに抽出結果を表示する。抽出された移動ユニットが複数ある場合には、移動ユニットの使用料金、移動時間などの所定条件順にソートされて表示される。なお、ソートは、使用料金順および移動時間順に限らない。また、抽出された移動ユニットが複数ある場合には、ユーザは、その中から使用する1の移動ユニットを選択することができる。
【0076】
ユーザにより使用する移動ユニットが決定されると、端末装置16は、決定された移動ユニットの移動ユニット識別子をサーバ20に送信する。
【0077】
サーバ20は、受信した移動ユニット識別子から、決定されたキャビン識別子および移動装置識別子を認識する。サーバ20は、決定されたキャビン10および移動装置と通信し、それらキャビン10および移動装置(つまり、決定された移動ユニット)に対して出発地に移動するように指示する。これにより、ユーザは、決定した移動ユニットを使用して(移動ユニットに搭乗して)移動することができる。
【0078】
図6は、端末装置16における抽出要求部56の動作を説明するフローチャートである。抽出要求部56は、ユーザの入力操作に応じた一連の処理を行う。
【0079】
まず、抽出要求部56は、移動ユニット目的の入力を受け付ける(S100)。例えば、抽出要求部56は、予め設定された移動ユニット目的に関するキーワードのリストを入出力インターフェース52のディスプレイに表示させて、移動ユニット目的の入力をユーザに促す。ユーザは、表示された移動ユニット目的に関するキーワードの中から、希望に一番近いキーワードを選択する。抽出要求部56は、入出力インターフェース52を通じて入力されたキーワード、すなわち、移動ユニット目的を取得する。
【0080】
次に、抽出要求部56は、キャビン目的の入力を受け付ける(S110)。例えば、抽出要求部56は、予め設定されたキャビンの目的に関するキーワードのリストを入出力インターフェース52のディスプレイに表示させて、キャビン目的の入力をユーザに促す。ユーザは、表示されたキャビン目的に関するキーワードの中から、希望に一番近いキーワードを選択する。抽出要求部56は、入出力インターフェース52を通じて入力されたキーワード、すなわち、キャビン目的を取得する。
【0081】
次に、抽出要求部56は、出発地の入力を受け付ける(S120)。例えば、抽出要求部56は、入出力インターフェース52に地図を表示させ、出発地とする地図上の位置をユーザに指定させることで出発地を取得する。なお、抽出要求部56は、出発地の住所を入力させることで出発地を取得してもよい。また、出発地が現在地である場合、抽出要求部56は、出発地を全地球測位システム(GPS)によって取得してもよい。
【0082】
次に、抽出要求部56は、目的地の入力を受け付ける(S130)。例えば、抽出要求部56は、入出力インターフェース52に地図を表示させ、目的地とする地図上の位置をユーザに指定させることで目的地を取得する。なお、抽出要求部56は、目的地の住所を入力させることで目的地を取得してもよい。
【0083】
次に、抽出要求部56は、取得した移動ユニットの使用目的、キャビン目的、出発地および目的地の各情報(抽出条件)が格納された抽出要求を、通信部50を通じてサーバ20に送信する(S140)。これにより、サーバ20では、抽出条件にしたがった抽出が行われる。
【0084】
次に、抽出要求部56は、抽出結果を受信したか否かを判断する(S150)。抽出結果を受信していない場合(S150におけるNO)、抽出要求部56は、抽出結果を受信するまで待機する。
【0085】
抽出結果を受信した場合(S150におけるYES)、抽出要求部56は、抽出結果を入出力インターフェース52のディスプレイに表示させ(S160)、一連の処理を終了する。これにより、ユーザは、表示された抽出結果を参照して、使用する移動ユニットを選択することができる。
【0086】
図7は、サーバ20における抽出部66の動作を説明するフローチャートである。抽出部66は、抽出要求の受信に応じて、図7の一連の処理を実行する。
【0087】
まず、抽出部66は、受信した抽出要求の内容を解析する(S200)。これにより、抽出部66は、抽出要求に含まれている各種の抽出条件を取得する。
【0088】
次に、抽出部66は、取得した移動ユニット目的を満たす移動ユニットを抽出する(S210)。具体的には、抽出部66は、移動ユニット目的テーブルを参照し、取得した移動ユニット目的に関連付けられた種類の移動ユニットを抽出する。
【0089】
次に、抽出部66は、ステップS210で抽出された移動ユニットを、取得したキャビン目的で絞り込み抽出する(S220)。具体的には、抽出部66は、キャビン目的テーブルを参照し、取得したキャビン目的に関連付けられたキャビンタイプを導出する。抽出部66は、移動ユニット目的テーブルを参照し、ステップS210で抽出された移動ユニットの中から、導出されたキャビンタイプを含んで構成される移動ユニットを抽出する。
【0090】
次に、抽出部66は、使用状況で絞り込み抽出する(S230)。例えば、抽出部66は、ステップS220で抽出された移動ユニットを構成するキャビン10および移動装置が、現在使用中であるか否かを、キャビンテーブルおよび移動装置テーブルを参照して判断する。抽出部66は、ステップS220で抽出された移動ユニットの中から、移動ユニットを構成するキャビン10および移動装置の両方が現在使用中ではない移動ユニットを絞り込み抽出する。
【0091】
次に、抽出部66は、出発地から目的地までの移動ユニットの移動可否によって絞り込み抽出を行う移動可否絞り込み抽出処理を行う(S240)。移動可否絞り込み抽出処理では、ステップS230で絞り込み抽出された移動ユニットの中から、取得された出発地から目的地まで移動可能な移動ユニットが絞り込み抽出される。移動可否絞り込み抽出処理の流れについては、後に詳述する。
【0092】
次に、抽出部66は、絞り込み抽出された移動ユニット毎に移動ユニット識別子を付与する(S250)。移動ユニット識別子には、移動ユニットを構成するキャビン10のキャビン識別子と、移動ユニットを構成する移動装置の移動装置識別子とが関連付けられる。
【0093】
次に、抽出部66は、絞り込み抽出された移動ユニットを移動ユニット識別子とともにリスト化し、通信部60を通じて端末装置16に送信し(S260)、一連の処理を終了する。
【0094】
図8は、移動可否絞り込み抽出処理の流れを説明するフローチャートである。まず、抽出部66は、抽出要求の解析結果から出発地および目的地を取得する(S300)。次に、抽出部66は、データベース部62から交通情報を取得する(S310)。
【0095】
次に、抽出部66は、ステップS230で抽出された移動ユニットのうち1の移動ユニットを仮選択する(S320)。以下、仮選択された移動ユニットを仮移動ユニットと呼ぶ場合がある。
【0096】
次に、抽出部66は、出発地、目的地および交通情報に基づいて、仮移動ユニットの移動経路を導出する(S330)。例えば、仮移動ユニットが航空ユニット40であれば、抽出部66は、出発地から目的地まで大凡直線的な移動経路を導出してもよい。また、仮移動ユニットが大型の走行装置14であれば、抽出部66は、細い道路を避けて移動経路を導出してもよい。また、抽出部66は、目的地までの最短経路に渋滞などがある場合には、渋滞などを避けた移動経路を導出してもよい。
【0097】
次に、抽出部66は、移動経路に基づいて移動時間を導出する(S340)。具体的には、抽出部66は、仮移動ユニットにおける移動装置の移動装置テーブルを参照し、移動装置の装置出力などから仮移動ユニットの速度を導出する。抽出部66は、仮移動ユニットの移動速度と移動経路とから移動時間を導出する。
【0098】
次に、抽出部66は、目的地まで移動するのに必要なバッテリ容量である必要バッテリ容量を導出する(S350)。具体的には、抽出部66は、移動時間および移動装置の装置出力などから必要バッテリ容量を導出する。
【0099】
次に、抽出部66は、仮移動ユニットにおける移動装置の移動テーブルを参照し、移動装置(移動ユニット)の現在のバッテリ容量を取得する(S360)。
【0100】
次に、抽出部66は、バッテリ容量が足りるか否かを判断する(S370)。具体的には、抽出部66は、現在のバッテリ容量が必要バッテリ容量以上である場合、バッテリ容量が足りると判断する。
【0101】
バッテリ容量が足りる場合(S370におけるYES)、抽出部66は、仮移動ユニットで目的地まで移動可能とみなし(S380)、仮移動ユニットの使用料金を導出し(S390)、ステップS410の処理に進む。
【0102】
バッテリ容量が足りない場合(S370におけるNO)、抽出部66は、仮移動ユニットでは目的地まで移動不可能とみなし(S400)、抽出部66は、ステップS410の処理に進む。
【0103】
次に、抽出部66は、ステップS230で抽出されたすべての移動ユニットについて仮選択したか否かを判断する(S410)。
【0104】
すべてについて仮選択が行われていない場合(S410におけるNO)、抽出部66は、ステップS320の処理に戻り、まだ仮選択されていない1の移動ユニットを仮選択する。つまり、抽出部66は、ステップS230で抽出されたすべての移動ユニットについて、目的地まで移動可能か否かの確認を行う。
【0105】
すべてについて仮選択が行われた場合(S410におけるYES)、抽出部66は、移動可能と判断された移動ユニットを抽出し(S420)、図8の一連の処理を終了する。なお、ステップS420では、ステップS390で導出された使用料金も移動ユニットに関連付けられて抽出される。このようにして、移動可否絞り込み抽出処理(S240)が行われる。
【0106】
以上のように、本実施形態の移動システム1では、搭乗者が入力した使用目的を満たす、キャビン10と移動装置とを対応付けた移動ユニットが抽出される。搭乗者は、抽出された移動ユニットを参照することで、適切な移動ユニットを決定することができる。
【0107】
したがって、本実施形態の移動システム1によれば、適切な移動ユニットの決定を支援することができる。
【0108】
なお、本実施形態の抽出部66は、移動ユニット目的、キャビン目的、使用状況および目的地までの移動可否のすべてを満たす移動ユニットを抽出していた。しかし、抽出部66は、少なくとも移動ユニット目的およびキャビン目的のいずれか一方または双方を満たす移動ユニットを抽出すればよく、使用状況および目的地までの移動可否による抽出を省略してもよい。
【0109】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0110】
例えば、上記実施形態の航空装置12は、プロペラを有するドローンであった。しかし、複数の航空装置12は、ドローンに限らず、例えば、翼によって飛行する航空装置12を含んでもよい。
【0111】
また、上記実施形態の走行ユニット42は、バッテリ24の電力を消費して移動する電気自動車であった。しかし、走行ユニット42は、電気自動車に限らず、例えば、エンジン自動車およびハイブリッド自動車を含んでもよい。この場合、抽出部66は、バッテリ容量だけでなく、ガソリン容量を考慮して、移動ユニットの絞り込み抽出を行ってもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、使用目的に関する抽出条件(移動ユニット目的およびキャビン目的)と他の抽出条件(出発地および目的地)とが一緒にサーバ20に送信されていた。しかし、使用目的に関する抽出条件が最初にサーバ20に送信され、使用目的による抽出結果が端末装置16に送信され、その後、他の抽出条件がサーバ20に送信され、絞り込み抽出結果が端末装置16に送信されてもよい。
【0113】
また、上記実施形態のサーバ20では、キャビン10と移動装置との連結タイプ、移動ユニットの形状、移動ユニットの空力抵抗、移動装置の装置出力、移動装置およびキャビン10の重量および積載重量、現在のバッテリ容量などから、移動ユニットを構成する移動装置およびキャビン10の対応付けが適切に行われてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、搭乗者が搭乗可能なキャビンを移動させる移動システムに利用できる。
【符号の説明】
【0115】
1 移動システム
10 キャビン
12 航空装置
14 走行装置
20 サーバ
40 航空ユニット
42 走行ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8