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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】油性化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20230426BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20230426BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20230426BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/81
A61K8/73
A61Q1/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019063708
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020164425
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】織田 はるか
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 史仁
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-235017(JP,A)
【文献】特開2006-176453(JP,A)
【文献】国際公開第2018/199314(WO,A1)
【文献】特開2015-193607(JP,A)
【文献】特開2017-036222(JP,A)
【文献】特開2004-107355(JP,A)
【文献】国際公開第2011/013174(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(C);
(A)分子中に水酸基を2つ以上含む油剤(ただし、下記成分(C)に該当するものを除く)
(B)炭素数18以上のα-オレフィンとビニルピロリドンとの共重合体
(C)デキストリン脂肪酸エステル
を含有し、成分(A)及び(B)の含有質量割合(A)/(B)が1~20である油性化粧料。
【請求項2】
前記成分(B)の含有量が化粧料全量中3~20質量%である請求項1に記載の油性化粧料。
【請求項3】
さらに成分(D)炭素数16以下のα-オレフィンとビニルピロリドンとの共重合体を含有する請求項1または2に記載の油性化粧料。
【請求項4】
前記成分(D)が(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマーである請求項3に記載の油性化粧料。
【請求項5】
前記成分(A)が重合度3~20のポリグリセリン脂肪酸エステルである請求項1~4のいずれか1項に記載の油性化粧料。
【請求項6】
前記成分(B)が(VP/エイコセン)コポリマーまたはトリコンタニルPVPである請求項1~5のいずれか1項に記載の油性化粧料。
【請求項7】
前記成分(C)がパルミチン酸デキストリン及び/または(パルミチン酸/オクタン酸
)デキストリンである請求項1~6のいずれか1項に記載の油性化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性化粧料に関し、特に、べたつきのない軽くなめらかな使用感を有し、ツヤ感があり、負担感を伴わずに化粧膜がぷっくり感のある化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
口紅、チークやアイシャドウ等のメイク製品は、唇や頬、瞼といった塗布部に色味を付与し、顔の印象を華やかに仕上げるアイテムである。これらは、色の鮮やかさや化粧持ちの点から油性化粧料で提供されることが多い。発色やツヤ感、使用感に加えて、最近では化粧持ち機能がとても需要の高い機能となっている。その機能を発揮するために、様々な素材の組み合わせが検討されている。例えば、特定の物性の硬化ヒマシ油とダイマー酸とのオリゴマー、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス及び/またはセレシン、水酸基を少なくとも1個有するヒドロキシ化合物及びIOB値が0.1~0.4である液状エステル油を組み合わせて塗布時ののびやつや、しっとり感等に優れる技術(特許文献1参照)や、フェニル基を含むシリコーンレジンと(ビニルピロリドン/アルフェオレフィン)コポリマーを一定の比率で含有することでツヤ感や化粧持ちを上げる技術(特許文献2参照)等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-185070号公報
【文献】特開2016-117701号公報
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、膜ができる際の負担感が大きく、ツヤ感もそこまで上がらず、化粧膜のぷっくり感が得られないなど満足のいくものが得られなかった。また、特許文献2の技術においては、使用感が重くなりやすく、負担感を伴い、ぷっくり感も十分でないなど、満足のいくものが得られなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、べたつきのない軽くなめらかな使用感を有し、ツヤ感があり、負担感を伴わずに塗布後の化粧膜がぷっくり感のある油性化粧料の開発を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる実情において、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油性化粧料において、分子中に水酸基を2つ以上含む油剤と炭素数18以上のα-オレフィンとビニルピロリドンとの共重合体とを組み合わせることでゲル化し、デキストリン脂肪酸エステルと組み合わせることで、なめらかな伸び広がり、べたつきのなさ、ツヤ感やぷっくり感を付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下を含むものである。
[1]
次の成分(A)~(C);
(A)分子中に水酸基を2つ以上含む油剤(ただし、下記成分(C)に該当するものを除く)
(B)炭素数18以上のα-オレフィンとビニルピロリドンとの共重合体
(C)デキストリン脂肪酸エステル
を含有し、成分(A)及び(B)の含有質量割合(A)/(B)が1~20である油性化
粧料。
[2]
前記成分(B)の含有量が化粧料全量中3~20質量%である[1]に記載の前記油性化粧料。
[3]
さらに成分(D)炭素数16以下のα-オレフィンとビニルピロリドンとの共重合体を含有する[1]または[2]に記載の前記油性化粧料。
[4]
前記成分(D)が(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマーである[3]に記載の前記油性化粧料。
[5]
前記成分(A)が重合度3~20のポリグリセリン脂肪酸エステルである[1]~[4]のいずれかに記載の前記油性化粧料。
[6]
前記成分(B)が(VP/エイコセン)コポリマーまたはトリコンタニルPVPである[1]~[5]のいずれかに記載の前記油性化粧料。
[7]
前記成分(C)がパルミチン酸デキストリン及び/または(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリンである[1]~[6]のいずれかに記載の前記油性化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、べたつきのない軽くなめらかな伸び広がりを有し、ツヤ感があり、負担感を伴わずに塗布後の化粧膜がぷっくり感のある油性化粧料を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味し、特に記載がない場合の「%」は「質量%」を指すものとする。
【0010】
本発明における成分(A)分子中に水酸基を2つ以上含む油剤は、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定さない。そのような化合物としては、例えば、脂肪酸、アミノ酸等の酸と、グリセリンまたはそのポリマー、ペンタエリスリトールまたはそのポリマー、ショ糖またはそのポリマー等とのエステルが挙げられ、最終生成物として分子中に2つ以上の水酸基を構造中に残すことを特徴とするものである。本発明における成分(A)の水酸基は、分子中に2つ以上存在していれば、その位置や水酸基の数は特に限定されない。例えば、エステルの場合、アルコールに水酸基を2つ以上有していても良く、脂肪酸に水酸基を2つ以上有していても良いが、アルコールに水酸基を2つ以上有しているものが好ましい。本発明において、分子中の水酸基数は2つ以上であれば特に限定されないが、他の成分と組み合わせた際の親和性の点から2~10が好ましく、2~7がより好ましく、2~3が特に好ましい。具体的には、デカイソステアリン酸デカグリセリル(水酸基2つ)、ノナイソステアリン酸デカグリセリル(水酸基3つ)、デカエチルヘキサン酸デカグリセリル(水酸基2つ)、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル(水酸基7つ)、イソステアリン酸ジグリセリル(水酸基3つ)、ジイソステアリン酸ジグリセリル(水酸基2つ)等が挙げられる、それらの1種又は2種以上を用いることができる。この中でも、成分(A)を重合度3~20のポリグリセリン脂肪酸エステルとすることで、ツヤ感、ぷっくり感により優れる為より好ましい。
【0011】
成分(A)の含有量は、特に限定されないが、5~50%が好ましく、更に好ましくは8~40%である。この範囲であれば、負担感のなさ、なめらかな伸び広がり、ぷっくり感により優れる為より好ましい。
【0012】
本発明における成分(B)炭素数18以上のα-オレフィンとビニルピロリドンの共重合体は、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、炭素数18以上のα-オレフィンとしては、1-オクタデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン、1-トリコンテン等が挙げられ、ビニルピロリドンと共重合したものを使用できる。成分(B)のα-オレフィンは、炭素数は20~30であることが好ましく1-エイコセン、1-トリコンテンを用いた(VP/エイコセン)コポリマーまたはトリコンタニルPVPがツヤ感、ぷっくり感、負担感のなさの点で好ましく、(VP/エイコセン)コポリマーがより好ましい。
【0013】
成分(B)の含有量は、特に限定されないが3~20%が好ましく、更に好ましくは5~15%である。この範囲であれば、ツヤ感、ぷっくり感、負担感のなさにより優れる為より好ましい。
【0014】
本発明の油性化粧料では、成分(A)と成分(B)の含有質量割合が(A)/(B)が1~20である。成分(A)と成分(B)の比率がこの範囲であると、負担感のなさにより優れる為より好ましい。
【0015】
本発明における成分(C)デキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンと脂肪酸のエステルである。本発明における成分(C)に用いられる脂肪酸は、特に限定されないが、炭素数8~22の脂肪酸が好ましく、炭素数8~18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸がより好ましい。このような脂肪酸として具体的にはエチルヘキサン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸等を例示することができる。成分(C)にはこれら脂肪酸の1種単独または2種以上の組み合わせと、上記多糖とのエステル化物が利用可能であるが、とりわけ構成脂肪酸の少なくとも一部にミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の炭素数14以上の脂肪酸を含有するものが好ましい。本発明における成分(C)は、具体的には、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン、イソステアリン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル等が挙げられ、何れも利用可能であるが、べたつきのなさ、ぷっくり感においてとりわけ優れた効果を発揮することから、パルミチン酸デキストリン及び/または(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリンが特に好ましい。成分(C)としては、例えばレオパールKL2、レオパールTL2、レオパールMKL2、レオパールTT2、ユニフィルマHVY(何れも千葉製粉社製)等の市販品を用いることができる。
【0016】
成分(C)の含有量は、特に限定されないが1~10%が好ましく、5~8%がより好ましい。この範囲であれば、なめらかな伸び広がり、べたつきのなさ、ぷっくり感、負担感のなさにより優れる為より好ましい。
【0017】
さらに、本発明には成分(D)炭素数16以下のα-オレフィンとビニルピロリドンとの共重合体を含有することができる。本発明において、成分(D)を含有することで、ツヤ感や負担感のなさ、ぷっくり感の点において好ましい。炭素数16以下のα-オレフィンとしては、1-ヘキサデセンや、1-テトラデセン、1-ドデセンなどが挙げられ、ビニルピロリドンと共重合したものを使用できる。成分(D)のα-オレフィンは、炭素数10~16が好ましく、1-ヘキサデセンとビニルピロリドンの共重合体である(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマーがぷっくり感により優れる為より好ましい。
【0018】
成分(D)の含有量は、特に限定されないが、3~20%が好ましく、5~15%より好ましい。この範囲であれば、ぷっくり感、負担感のなさにより優れる為より好ましい。
【0019】
本発明の油性化粧料は、上記の成分(A)~(D)の他に、通常化粧料に使用される成分、成分(A)~(D)以外の油性成分、粉体、界面活性剤、繊維、水性成分、紫外線吸収剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。
【0020】
本発明の油性化粧料は、通常公知の製法で得ることができる。以下に製造方法の例を示すが、これに限定されるものではない。例えば、成分(A)~(D)を90℃に加熱溶解し、その他の成分を添加し、容器に充填、必要に応じて成型を経て得ることができる。
【0021】
本発明の油性化粧料は、特に限定されず、口紅、リップグロス、口紅ベースコート、口紅オーバーコート、チーク、アイカラー等が挙げられるが、特にリップグロス、口紅オーバーコートであることが好ましい。
【0022】
本発明の油性化粧料は、油剤を主成分とする油性、外層を油剤の連続相とする油中水型に適用されうるが、油剤や油溶性化合物である油性成分を連続相とする、水の含有量が1%以下である、もしくは実質的に水を含まない油性が好ましい。性状としては、特に限定されないが、液状、半固形状、固形状等が挙げられ、液状または半固形状であることが好ましく、さらにはチューブ容器や塗布体付のアプリケータ容器等の容器に充填されてなる液状であることが最も好ましい。
【実施例
【0023】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0024】
[油剤ゲルの調整]
表1に示す組成の組成物をそれぞれ100℃に加熱溶融してジャー容器に流し込み得られたゲルについて、以下に示す方法により、ゲル強度を測定した。その結果も併せて表1に示す。
【0025】
【表1】
*1:ANTARON V-220(Ashland社製)
*2:KEH-1010(坂本薬品工業社製)
*3:Sフェイス IS-1005P(坂本薬品工業社製)
*4:コスモール43V(日清オイリオグループ社製)
*5:Liponate TDTM(Vantage Speciality Chemical社製)
*6:T.I.O(日清オイリオグループ社製)
【0026】
(評価方法)
ゲル強度について、各試料を25℃1時間静置後、FUDOH社製レオメーターを用いて、10mmのブランジャーを使い、6cm/minで2mmの距離を針入した際のゲル強度を測定した。本発明においては、0.5N以上のものを用いると、ぷっくり感により優れる為より好ましい。
【0027】
実施例1(本発明品1~19)及び比較例(比較品1~7):油性リキッドルージュ
表2及び表3に示す組成の油性リップグロスを下記の製造方法により製造して得られた油性リップグロスについて、以下に示す方法により、(a)負担感のなさ、(b)ツヤ感、(c)ぷっくり感、(d)なめらかな伸び広がり、(e)べたつきのなさについて評価した。この結果も併せて表2及び表3に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
*7:ANTARON WP-660(Ashland社製)
*8:ANTARON V-216(Ashland社製)
*9:日石ポリブテンHV-1900(JX日鉱日石エネルギー社製)
*10:KF-96A-100cs(信越化学工業社製)
【0030】
(製造方法)
A:成分(1)~(14)を80℃~90℃にて加熱溶解する。
B:Aに成分(15)~(22)を加えて、室温で均一に混合する。
C:Bを脱泡後、直接流し込み、油性リキッドルージュを得た。
【0031】
(評価方法)
下記評価項目(a)~(e)の項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が各試料を口唇に塗布し、(a)については化粧膜の収縮感がなく、化粧膜の負担感を感じないかどうかを、(b)については化粧膜にツヤがあるように感じるかを、(c)については化粧膜に厚みが感じられ、ぷっくりした印象となるかを、(d)については塗布時になめらかに伸び広がるかどうかを、(e)塗布時にべたつきを感じないかを下記絶対評価基準にて評点をつけ、パネル全員の評点合計を算出し、下記階判定基準により判定した。
【0032】
<評価項目>
(a)負担感のなさ
(b)ツヤ感
(c)ぷっくり感
(d)なめらかな伸び広がり
(e)べたつきのなさ
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
4点:非常によい
3点:よい
2点:やや悪い
1点:悪い
<判定基準>
(判定):(評点の合計)
◎ :65点以上
〇 :50点以上64点以下
△ :35点以上49点以下
× :34点以下
【0033】
表2および表3から明らかなごとく、本発明の実施例1(本発明品1~19)は、負担感のなさ、ツヤ感、ぷっくり感、なめらかな伸び広がり、べたつきのなさ、すべての評価項目において優れた良好なものであった。一方、成分(A)を含有しない比較例1では、ぷっくり感、ツヤ感、べたつきのなさが得られずに効果が不十分であった。成分(A)を含有せず、分子中の水酸基数が2つであるトリイソステアリン酸ポリグリセリル-2を用いた比較例2では、ぷっくり感、ツヤ感に満足のいくものが得られなかった。成分(B)を含有しない比較例3、4では、ぷっくり感、負担感のなさ、ツヤ感が得られずに効果が不十分であった。成分(A)及び(B)の含有質量割合が0.9である比較例5では、なめらかな伸び広がり、ツヤ感、ぷっくり感が十分でなかった。成分(A)及び(B)の含有質量割合が26.67である比較例6では、ぷっくり感に十分満足いくものが得られなかった。成分(C)を含有しない比較例7では、べたつきのなさ、ぷっくり感に充分満足のいくものが得られなかった。
【0034】
実施例2:油性リップグロス
(成分) (%)
1.デカ2-エチルヘキサン酸デカグリセリル *2 20
2.(VP/エイコセン)コポリマー *1 1
3.パルミチン酸デキストリン 5
4.(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン 4
5.(ヘキサデセン/VP)コポリマー *8 10
6.ジメチルシリル化シリカ 0.5
7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
8.ポリブテン *11 10
9.重質流動イソパラフィン *12 13
10.トコフェロール 0.01
11.ポリシリコーン-15 0.5
12.赤色202号 0.02
13.黄色4号 0.005
14.酸化チタン 0.05
15.黒色酸化鉄 0.001
16.赤色218号 0.04
17.(PET/ポリメタクリル酸メチル)ラミネート 1
18.アルミニウム末 0.5
19.オリーブ油 0.001
20.ツバキ油 0.001
21.シア脂 0.01
22.コメヌカ油 0.001
23.ラベンダー油 0.001
24.ブドウポリフェノール 0.001
25.香料 0.02
*11:日石ポリブテンHV-1900(JX日鉱日石エネルギー社製)
*12:パールリーム46
(製造方法)
A:成分(1)~(11)を80℃~90℃にて加熱溶解する。
B:Aに成分(12)~(16)を加えて、ビーズミルにて均一に混合する。
C:Bに成分(17)~(25)を加えて、均一の混合する。
D:Cを脱泡後、90℃に加熱してチューブ容器に直接流し込み、放冷して油性リップグロスを得た。
実施例2の油性リップグロスは、負担感のなさ、ツヤ感、ぷっくり感、なめらかな伸び広がり、べたつきのなさのすべての点で満足のいくものであった。
【0035】
実施例3:油性流し込みアイカラー
(成分) (%)
1.(パルミチン酸/ヘキシルデカン酸)デキストリン *13 6
2.ノナイソステアリン酸デカグリセリル *14 25
3.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 残量
4.トリメリト酸トリトリデシル 5
5.(VP/エイコサン)コポリマー 5
6.ジメチコン(25℃動粘度2CS) 10
7.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1
8.ホウケイ酸(Ca/Al) 10
9.パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン3%処理
酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al) 15
10.ジメチルシリル化シリカ 2
11.ジプロピレングリコール 0.5
12.1,2-ペンタンジオール 0.1
13.酢酸トコフェロール 0.02
14.ヒアルロン酸 0.01
15.コラーゲン 0.01
16.センチフォリアバラ花エキス 0.05
*13:レオパールWX(千葉製粉社製)
*14:Sフェイス IS-1009P(阪本薬品工業社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(5)を80~90℃にて加熱溶解する。
B:Aに成分(6)、(7)、(10)~(16)を加えて、ロールミルにて均一の混合する。
C:Bに成分(8)、(9)を加えて、均一に混合する。
D:Cを90℃で溶解し、皿に直接流し込み、油性流し込みアイカラーを得た。
実施例3の油性流し込みアイカラーは、なめらかな伸び広がり、べたつきのなさ、ツヤ感、ぷっくり感(その効果による目元の立体感)のすべての点で満足のいくものであった。
【0036】
実施例4:油性リップバーム
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 9
2.2-エチルヘキサン酸セチル 15
3.重質流動イソパラフィン 残量
4.リンゴ酸ジイソステアリル 13
5.トリオレイン酸ペンタグリセリル 15
6.デカイソステアリン酸デカポリグリセリル 15
7.イソステアリン酸デキストリン 2
8.(VP/エイコセン)コポリマー 10
9.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
10.ジメチコン(25℃動粘度20CS) 0.5
11.1,3-ブチレングリコール 0.3
12.ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
13.無水ケイ酸 2
14.ベンガラ 0.01
15.油溶性ローズマリーエキス 0.01
16.アボカド油 0.01
17.アルガンオイル 0.01
18.香料 0.1
(製造方法)
A:成分(1)~(10)を80℃~90℃にて加熱溶解する。
B:Aに成分(11)~(17)を加えてロールミルにて均一に混合する。
C:Bを90~95℃で容器に直接流し込み、リップバームを得た。
実施例4のリップバームはなめらかな伸び広がり、ツヤ感、負担感のなさ、べたつきのなさ、仕上がりのぷっくり感のすべての点で満足のいくものであった。