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特許7269269情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20230426BHJP
   G06F 3/038 20130101ALI20230426BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230426BHJP
【FI】
H04N7/15 120
G06F3/038 310A
G06T7/00 660Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021032129
(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公開番号】P2022133177
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2021-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】山中 祥太
(72)【発明者】
【氏名】池松 香
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-051653(JP,A)
【文献】特開2010-141843(JP,A)
【文献】特開2010-232887(JP,A)
【文献】特開2015-207806(JP,A)
【文献】特開2016-100033(JP,A)
【文献】特開2017-140107(JP,A)
【文献】特開2018-205638(JP,A)
【文献】特開2019-186780(JP,A)
【文献】相馬 奈美、日浦 慎作、佐藤 宏介,受講者の活性度と主観的評価の提示に基づく授業支援システム,電子情報通信学会技術研究報告 HCS2005-63~75 ヒューマンコミュニケーション基礎,日本,社団法人電子情報通信学会,2006年03月15日,Vol.105 No.681,pp. 67 - 70
【文献】入部 百合絵篠原 修二桂田 浩一新田 恒雄,講義情報を用いた自主学習支援システムの構築,第1回音声ドキュメント処理ワークショップ講演論文集,日本,情報処理学会音声言語情報処理研究会,2007年02月27日,pp. 25 - 32
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/15
G06F 3/033- 3/039
G06T 7/00 - 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者が参加するオンライン会議において発言している発言者が撮影された画像を視聴している他の利用者の視聴状況を示す視聴情報を収集する取得部と、
前記取得部によって収集された視聴情報に基づいて、前記発言者の発言に対する前記他の利用者の集中度合いを分析する分析部と、
前記分析部による分析結果を前記発言者に対して提供する提供部と、
を備え
前記取得部は、
前記発言者の発言状況を示す発言情報を取得し、
前記分析部は、
前記取得部によって取得された発言情報に基づいて、前記発言者が前記他の利用者に対して前記発言者の発言に対する集中を促しているか否かを判定し、
前記提供部は、
前記分析部によって前記発言者が前記他の利用者に対して前記発言者の発言に対する集中を促していると判定された場合、前記発言者の発言に対する集中を促す通知を前記他の利用者に対して提供する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記分析部は、
前記オンライン会議の会議中の各時刻における前記発言者の発言に対する前記他の利用者の集中度合いを示す集中スコアを算出し、
前記提供部は、
前記分析部によって算出された前記他の利用者の集中スコアに関する情報を前記発言者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記視聴情報として、前記他の利用者の視線に関する視線情報を収集し、
前記分析部は、
前記他の利用者の視線情報に基づいて、前記他の利用者の集中スコアを算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記分析部は、
前記他の利用者の視線情報に基づいて、前記他の利用者が前記画像を見ているか否かを判定し、前記他の利用者が前記画像を見ていないと判定した場合よりも、前記他の利用者が前記画像を見ていると判定した場合の方が、前記他の利用者の集中スコアを高く算出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記視聴情報として、前記他の利用者の画像を収集し、
前記分析部は、
前記他の利用者の画像に含まれる前記他の利用者の姿勢に基づいて、前記他の利用者の集中スコアを算出する、
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記分析部は、
前記他の利用者の画像に基づいて、前記他の利用者の姿勢が前のめりであるか否かを判定し、前記他の利用者の姿勢が前のめりでないと判定した場合よりも、前記他の利用者の姿勢が前のめりであると判定した場合の方が、前記他の利用者の集中スコアを高く算出する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記分析部は、
前記他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻を特定し、
前記提供部は、
前記分析部によって特定された時刻を示す時刻情報を前記発言者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項2~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記分析部は、
前記他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の特徴を分析し、
前記提供部は、
前記分析部によって分析された特徴を示す特徴情報を前記発言者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記分析部は、
前記他の利用者のうち少なくとも2以上の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の共通性を分析し、
前記提供部は、
前記特徴情報として、前記分析部によって分析された共通性を示す共通情報を前記発言者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記分析部によって算出された前記他の利用者それぞれの集中スコアの平均を示すグラフを生成する生成部をさらに備え、
前記提供部は、
前記生成部によって生成されたグラフを前記発言者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項2~9いずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記取得部は、
前記発言情報として、前記発言者の画像を収集し、
前記分析部は、
前記発言者の画像に基づいて、前記発言者の姿勢が前のめりであるか否かを判定し、前記発言者の姿勢が前のめりであると判定した場合、前記発言者が前記他の利用者に対して前記発言者の発言に対する集中を促していると判定する、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記提供部は、
前記分析部による分析結果を前記発言者が撮影された画像を新たに視聴する新たな利用者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記提供部は、
前記分析部によって算出された前記他の利用者の集中スコアに関する情報を前記新たな利用者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記分析部は、
前記他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻を特定し、
前記提供部は、
前記分析部によって特定された時刻を示す時刻情報を前記新たな利用者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項12または13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記分析部は、
前記他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の特徴を分析し、
前記提供部は、
前記分析部によって分析された特徴を示す特徴情報を前記新たな利用者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記分析部は、
前記他の利用者のうち少なくとも2以上の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の共通性を分析し、
前記提供部は、
前記特徴情報として、前記分析部によって分析された共通性を示す共通情報を前記新たな利用者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記分析部は、
前記他の利用者のうち少なくとも2以上の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻と、前記新たな利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻との共通性を分析し、
前記提供部は、
前記共通性を示す共通情報を前記新たな利用者に対して提供する、
ことを特徴とする請求項15または16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
複数の利用者が参加するオンライン会議において発言している発言者が撮影された画像を視聴している他の利用者の視聴状況を示す視聴情報を収集する取得工程と、
前記取得工程によって収集された視聴情報に基づいて、前記発言者の発言に対する前記他の利用者の集中度合いを分析する分析工程と、
前記分析工程による分析結果を前記発言者に対して提供する提供工程と、
を含み、
前記取得工程は、
前記発言者の発言状況を示す発言情報を取得し、
前記分析工程は、
前記取得工程によって取得された発言情報に基づいて、前記発言者が前記他の利用者に対して前記発言者の発言に対する集中を促しているか否かを判定し、
前記提供工程は、
前記分析工程によって前記発言者が前記他の利用者に対して前記発言者の発言に対する集中を促していると判定された場合、前記発言者の発言に対する集中を促す通知を前記他の利用者に対して提供する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項19】
複数の利用者が参加するオンライン会議において発言している発言者が撮影された画像を視聴している他の利用者の視聴状況を示す視聴情報を収集する取得手順と、
前記取得手順によって収集された視聴情報に基づいて、前記発言者の発言に対する前記他の利用者の集中度合いを分析する分析手順と、
前記分析手順による分析結果を前記発言者に対して提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させ
前記取得手順は、
前記発言者の発言状況を示す発言情報を取得し、
前記分析手順は、
前記取得手順によって取得された発言情報に基づいて、前記発言者が前記他の利用者に対して前記発言者の発言に対する集中を促しているか否かを判定し、
前記提供手順は、
前記分析手順によって前記発言者が前記他の利用者に対して前記発言者の発言に対する集中を促していると判定された場合、前記発言者の発言に対する集中を促す通知を前記他の利用者に対して提供する、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の拠点間でのオンラインでの会議を可能とするオンライン会議に関する技術の開発がますます盛んになっている。例えば、オンライン会議の各出席者の音声データおよび画像データを取得し、取得した各出席者の音声データおよび画像データに基づいて、音声データにおける各発言の発言者を特定し、取得した各出席者の音声データを発言の時系列でタイムラインとして出力する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-61594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、各出席者の音声データを発言の時系列でタイムラインとして出力するにすぎない。このため、上記の従来技術では、オンライン会議に参加する利用者の会議への参加意欲を高めることができるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、オンライン会議に参加する利用者の会議への参加意欲を高めることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、複数の利用者が参加するオンライン会議において発言している発言者が撮影された画像を視聴している他の利用者の視聴状況を示す視聴情報を収集する取得部と、前記取得部によって収集された視聴情報に基づいて、前記発言者の発言に対する前記他の利用者の集中度合いを分析する分析部と、前記分析部による分析結果を前記発言者に対して提供する提供部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、オンライン会議に参加する利用者の会議への参加意欲を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.情報処理システムの構成〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1には、端末装置10と、情報処理装置100とが含まれる。端末装置10と、情報処理装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図1に示す情報処理システム1には、任意の数の端末装置10と任意の数の情報処理装置100とが含まれてもよい。
【0011】
端末装置10は、オンライン会議に参加する利用者によって利用される情報処理装置である。ここで、オンライン会議とは、離れた場所にいる相手とWebを介してリアルタイムでコミュニケーションをとることができるツール(システム)のことを指す。本願明細書において「オンライン会議」と記載する場合には、会議としてだけでなく、オンライン会議システムを用いた講義や研修が含まれる。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップ型PCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)や、ヘッドマウントディスプレイ等である。本実施形態では、端末装置10は、デスクトップ型PCであるものとする。
【0012】
また、端末装置10には、オンライン会議システムを利用するためのアプリケーション(以下、「オンライン会議アプリ」ともいう)がインストールされている。端末装置10は、オンライン会議アプリに対する操作を行うための各種画像(例えば、ツールバーやアイコン等)を画面に表示する。また、端末装置10には、カメラ、マイク、スピーカーなどの機能を有するデバイスが接続されている。端末装置10は、それぞれのデバイスから入力された映像や音声を複数の拠点間で送受信する。
【0013】
また、端末装置10には、利用者の物理的な状態を検知する各種のセンサが接続されている。例えば、端末装置10には、上述したカメラやマイクに加えて、端末装置10を使用する利用者の視線を計測するための視線計測センサが接続されている。例えば、端末装置10は、眼球に直接接触しない視線計測センサを備える。例えば、端末装置10は、眼球に直接接触しない視線計測センサの一例として、角膜反射法(PCCR)によるアイトラッキングのための各種センサを備える。例えば、端末装置10は、利用者の角膜上に光の反射点を生じさせるための近赤外線LEDと、角膜上に生じた光の反射点を撮影するためのアイトラッキングカメラ(例えば、赤外線カメラ)を備える。
【0014】
また、端末装置10は、各種のセンサによって、利用者の物理的な状態を示すセンサ情報を検出する。例えば、端末装置10は、センサ情報の一例として、カメラによって利用者の画像を検出する。また、端末装置10は、センサ情報の一例として、マイクによって利用者の音声を検出する。また、端末装置10は、センサ情報の一例として、視線計測センサによって利用者の視線を検出する。端末装置10は、センサ情報を検出すると、検出したセンサ情報を情報処理装置100に送信する。
【0015】
なお、図1に示すように、端末装置10を利用する利用者に応じて、端末装置10を端末装置10-1~10-N(Nは自然数)のように区別して説明する場合がある。例えば、端末装置10-1は、図2に示す利用者U21によって利用される端末装置10である。また、例えば、端末装置10-2は、図2に示す利用者U1(発言者)によって利用される端末装置10である。また、例えば、端末装置10-2は、図2に示す利用者U2(聞き手)によって利用される端末装置10である。また、例えば、端末装置10-3は、図2に示す利用者U3(聞き手)によって利用される端末装置10である。また、例えば、端末装置10-4は、図2に示す利用者U4(聞き手)によって利用される端末装置10である。また、以下では、端末装置10-1~10-N(Nは自然数)について、特に区別なく説明する場合には、端末装置10と記載する。
【0016】
情報処理装置100は、後述する図2で説明する情報処理を実行する情報処理装置である。具体的には、情報処理装置100は、複数の利用者が参加するオンライン会議において発言している発言者が撮影された画像を視聴している他の利用者の視聴状況を示す視聴情報を収集する。続いて、情報処理装置100は、収集した視聴情報に基づいて、発言者の発言に対する他の利用者の集中度合いを分析する。続いて、情報処理装置100は、発言者の発言に対する他の利用者の集中度合いに関する分析結果を発言者に対して提供する。
【0017】
〔2.情報処理の一例〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図2は、複数の利用者U1~U4が参加するオンライン会議の様子を示す。図2の右側に示す利用者U1は、オンライン会議において発言している発言者である。一方、図2の左側に示す他の利用者U2~U4は、発言している利用者U1が撮影された画像G1を各自の端末装置10―2~10-4で視聴している。図2に示す例では、情報処理装置100が、利用者U1の発言に対する他の利用者U2~U4それぞれの集中度合いに関する分析結果の一例として、他の利用者U2~U4それぞれの集中度合いを示す集中スコアの平均を示すグラフを利用者U1に対して提供する。
【0018】
まず、情報処理装置100は、利用者U1が撮影された画像G1を視聴している他の利用者U2~U4それぞれの視聴状況を示す視聴情報を収集する(ステップS1)。情報処理装置100は、オンライン会議の会議中の各時刻における他の利用者U2~U4それぞれの視聴情報を収集する。情報処理装置100は、視聴情報の一例として、利用者U1が撮影された画像G1を視聴している他の利用者U2~U4の視線に関する視線情報を端末装置10―2~10-4からそれぞれ取得する。また、情報処理装置100は、視聴情報の一例として、利用者U1が撮影された画像G1を視聴している他の利用者U2~U4の画像G2~G4を端末装置10―2~10-4からそれぞれ取得する。
【0019】
情報処理装置100は、視聴情報を収集すると、収集した視聴情報に基づいて、オンライン会議の会議中の各時刻における発言者の発言に対する他の利用者U2~U4の集中度合いを分析する(ステップS2)。具体的には、情報処理装置100は、収集した視聴情報に基づいて、オンライン会議の会議中の各時刻における発言者の発言に対する他の利用者U2~U4それぞれの集中度合いを示す集中スコアをリアルタイムに算出する。ここで、集中スコアとは、オンライン会議において発言している発言者の発言に対する他の利用者の集中の度合いを示す数値を指す。例えば、集中スコアは、他の利用者の集中の度合いが高いほど大きく、他の利用者の集中の度合いが低いほど小さい数値であってよい。
【0020】
例えば、情報処理装置100は、他の利用者U2~U4それぞれの視線情報に基づいて、他の利用者U2~U4それぞれが画像G1を見ているか否かを判定する。そして、情報処理装置100は、他の利用者U2~U4それぞれが画像G1を見ていないと判定した場合よりも、他の利用者U2~U4それぞれが画像G1を見ていると判定した場合の方が、他の利用者U2~U4それぞれの集中スコアを高く算出する。
【0021】
また、情報処理装置100は、他の利用者U2~U4それぞれの画像G2~G4に基づいて、他の利用者U2~U4それぞれの姿勢が前のめりであるか否かを判定する。そして、情報処理装置100は、他の利用者U2~U4それぞれの姿勢が前のめりでないと判定した場合よりも、他の利用者U2~U4それぞれの姿勢が前のめりであると判定した場合の方が、他の利用者U2~U4それぞれの集中スコアを高く算出する。
【0022】
情報処理装置100は、オンライン会議の会議中の各時刻における他の利用者U2~U4それぞれの集中スコアを算出すると、オンライン会議の会議中の各時刻における他の利用者U2~U4それぞれの集中スコアの平均を示すグラフGH1を生成する(ステップS3)。情報処理装置100は、会議の時刻の進行に合わせて、リアルタイムにグラフGH1を更新する。
【0023】
情報処理装置100は、グラフGH1を生成すると、生成したグラフGH1に関する情報を利用者U1に提供する(ステップS4)。具体的には、情報処理装置100は、生成したグラフGH1に関する情報を端末装置10―1に送信する。情報処理装置100は、会議の時刻の進行に合わせて、リアルタイムに更新されるグラフGH1に関する情報を端末装置10―1に送信する。端末装置10―1は、情報処理装置100からグラフGH1に関する情報を受信すると、グラフGH1に関する情報を画面に表示する。
【0024】
上述したように、情報処理装置100は、複数の利用者U1~U4が参加するオンライン会議において発言している発言者(利用者U1)が撮影された画像G1を視聴している他の利用者U2~U4の視聴状況を示す視聴情報を収集する。続いて、情報処理装置100は、収集した視聴情報に基づいて、発言者の発言に対する他の利用者U2~U4それぞれの集中度合いを分析する。続いて、情報処理装置100は、発言者の発言に対する他の利用者U2~U4それぞれの集中度合いに関する分析結果(図2に示す例では、グラフGH1)を発言者に対して提供する。
【0025】
このように、情報処理装置100は、オンライン会議中に発言者に対して、リアルタイムに自身の発言に対する聞き手の集中度合いをフィードバックすることを可能にする。これにより、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が聞き手の集中度合いに合わせてオンライン会議中に発言の内容や発言の仕方を変更することを可能にする。例えば、情報処理装置100は、発言者がグラフGH1から聞き手の集中度合いが低下してきたことを認識した場合には、発言者が会議中に小休止を入れたり、発言者が聞き手に対して集中を促すことを可能にする。また、例えば、情報処理装置100は、発言者がグラフGH1から聞き手の集中度合いが高まってきたことを認識した場合には、会議の中で特に重要なポイントについて優先的に発言することを可能にする。このように、情報処理装置100は、リアルタイムに自身の発言に対する聞き手の集中度合いがフィードバックされるので、発言者の意欲を高めることを可能にする。また、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が聞き手に対する発言の内容や発言の仕方を変えることにより、聞き手の視聴意欲を高めることを可能にする。したがって、情報処理装置100は、オンライン会議に参加する利用者の会議への参加意欲を高めることができる。
【0026】
なお、図2では、情報処理装置100がオンライン会議中に発言者に対して、リアルタイムに自身の発言に対する聞き手の集中度合いをフィードバックする場合を例に説明したが、フィードバックするタイミングはリアルタイムに限られない。例えば、情報処理装置100は、オンライン会議の後に、オンライン会議の会議中の各時刻における発言者の発言に対する他の利用者U2~U4それぞれの集中スコアの平均を示すグラフGH1を生成する。そして、情報処理装置100は、オンライン会議の後に、生成したグラフGH1に関する情報を利用者U1に提供する。これにより、情報処理装置100は、オンライン会議後に、発言者に対して、会議中の自身の発言に対する聞き手の集中度合いをフィードバックすることを可能にする。これにより、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が自身の発言を振り返り、次回以降の発言の参考情報にすることを可能にする。
【0027】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示させるための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0028】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0029】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0030】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0031】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、分析部132と、生成部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0032】
(取得部131)
取得部131は、複数の利用者が参加するオンライン会議において発言している発言者が撮影された画像を視聴している他の利用者の視聴状況を示す視聴情報を収集する。具体的には、取得部131は、視聴情報の一例として、他の利用者の視線に関する視線情報を収集する。より具体的には、取得部131は、他の利用者の端末装置10から他の利用者の視線情報を取得する。例えば、取得部131は、端末装置10の視線計測センサによって検出された他の利用者の視線情報を端末装置10の視線計測センサから取得する。
【0033】
また、取得部131は、視聴情報の一例として、他の利用者の画像を収集する。より具体的には、取得部131は、他の利用者それぞれの端末装置10から他の利用者それぞれの画像を取得する。例えば、取得部131は、端末装置10のカメラによって撮影された他の利用者の画像を端末装置10のカメラから取得する。
【0034】
(分析部132)
分析部132は、取得部131によって収集された視聴情報に基づいて、発言者の発言に対する他の利用者の集中度合いを分析する。具体的には、分析部132は、オンライン会議の会議中の各時刻における発言者の発言に対する他の利用者の集中度合いを示す集中スコアを算出する。
【0035】
例えば、分析部132は、他の利用者の視線情報に基づいて、他の利用者が画像を見ているか否かを判定する。続いて、分析部132は、他の利用者が画像を見ていないと判定した場合よりも、他の利用者が画像を見ていると判定した場合の方が、他の利用者の集中スコアを高く算出する。
【0036】
また、分析部132は、他の利用者の画像に基づいて、他の利用者の姿勢が前のめりであるか否かを判定する。続いて、分析部132は、他の利用者の姿勢が前のめりでないと判定した場合よりも、他の利用者の姿勢が前のめりであると判定した場合の方が、他の利用者の集中スコアを高く算出する。
【0037】
(生成部133)
生成部133は、分析部132によって算出された他の利用者それぞれの集中スコアに基づいて、集中スコアに関する種々の情報を生成する。具体的には、生成部133は、分析部132によって算出された他の利用者それぞれの集中スコアの平均を示すグラフを生成する。例えば、生成部133は、オンライン会議の会議中の各時刻における他の利用者それぞれの集中スコアの平均を示すグラフを生成する。なお、生成部133は、グラフをリアルタイムに生成する場合には、会議の時刻の進行に合わせて、グラフを更新する。
【0038】
(提供部134)
提供部134は、分析部132による分析結果を発言者に対して提供する。具体的には、提供部134は、分析部132によって算出された他の利用者の集中スコアに関する情報を発言者に対して提供する。より具体的には、提供部134は、生成部133によって生成されたグラフに関する情報を発言者に対して提供する。例えば、提供部134は、生成部133によって生成されたグラフに関する情報を発言者の端末装置10に送信する。
【0039】
〔4.情報処理のフロー〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す例では、取得部131は、複数の利用者が参加するリモート会議において発言している発言者が撮影された画像を視聴している他の利用者の視聴状況を示す視聴情報を収集する(ステップS101)。分析部132は、取得部131によって収集された視聴情報に基づいて、発言者の発言に対する他の利用者の集中度合いを分析する(ステップS102)。提供部134は、分析部132による分析結果を発言者に対して提供する(ステップS103)。
【0040】
〔5.変形例〕
〔5-1.発言者に対するその他の情報提供〕
上述した実施形態では、情報処理装置100が他の利用者の集中スコアの平均を示すグラフを発言者に対して提供する場合について説明したが、情報処理装置100が提供する情報は集中スコアの平均を示すグラフに限られない。具体的には、情報処理装置100が、聞き手の集中スコアが急に低下した時刻や聞き手の集中スコアが急に高くなった時刻の特徴に関する共通性を示す共通情報を発言者に対して提供してよい。
【0041】
例えば、分析部132は、他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻(以下では、集中スコアが急に低下した時刻、または集中スコアが急に高くなった時刻ともいう)を特定する。続いて、分析部132は、他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の特徴を分析する。例えば、分析部132は、マーケットバスケット分析によって、他の利用者のうち少なくとも2以上の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の共通性を分析する。
【0042】
例えば、分析部132は、聞き手のうち、利用者U2と利用者U3の集中スコアが急に低下した時刻として、オンライン会議の開始時刻から5分30秒経った時刻を特定する。また、分析部132は、同じく、聞き手である利用者U2と利用者U3の集中スコアが急に低下した時刻として、オンライン会議の開始時刻から20分20秒経った時刻を特定する。続いて、分析部132は、2以上の聞き手の集中スコアが、オンライン会議の開始時刻から5分30秒経った時刻と開始時刻から20分20秒経った時刻に低下したという共通性を分析する。
【0043】
提供部134は、分析部132によって特定された時刻を示す時刻情報を発言者に対して提供する。提供部134は、分析部132によって分析された特徴を示す特徴情報を発言者に対して提供する。例えば、提供部134は、特徴情報の一例として、分析部132によって分析された共通性を示す共通情報を発言者に対して提供する。例えば、提供部134は、「オンライン会議の開始時刻から5分30秒くらいで集中度合いが落ちた聞き手は、開始時刻から20分20秒あたりでも集中度合いが落ちる傾向にあった」といった分析結果を示すメッセージを発言者の端末装置10に送信する。
【0044】
これにより、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が自身の発言を振り返り、次回以降の発言の参考情報にすることを可能にする。
【0045】
〔5-2.聞き手に対する情報提供〕
上述した実施形態では、情報処理装置100が他の利用者の集中度合いに関する情報を発言者に対して提供する場合について説明したが、情報処理装置100による情報の提供先は発言者に限られない。具体的には、情報処理装置100は、聞き手に対して発言者の発言に対する集中を促す通知を提供してよい。
【0046】
より具体的には、取得部131は、発言者の発言状況を示す発言情報を取得する。具体的には、取得部131は、発言情報の一例として、発言者の画像を発言者の端末装置10のカメラから取得する。
【0047】
分析部132は、取得部131によって取得された発言情報に基づいて、発言者が他の利用者に対して発言者の発言に対する集中を促しているか否かを判定する。例えば、分析部132は、発言者の画像に基づいて、発言者の姿勢が前のめりであるか否かを判定する。分析部132は、発言者の姿勢が前のめりであると判定した場合、発言者が他の利用者に対して発言者の発言に対する集中を促していると判定する。
【0048】
提供部134は、分析部132によって発言者が他の利用者に対して発言者の発言に対する集中を促していると判定された場合、発言者の発言に対する集中を促す通知を他の利用者に対して提供する。例えば、提供部134は、「ここが聞き所です!」といったメッセージを他の利用者の端末装置10に送信する。
【0049】
これにより、情報処理装置100は、通知を受けた聞き手が発言者に注目するよう促すことができるので、聞き手の視聴意欲を高めることを可能にする。
【0050】
〔5-3.新たな聞き手に対する情報提供〕
上述した実施形態では、情報処理装置100が他の利用者の集中度合いに関する情報を発言者に対して提供する場合について説明したが、情報処理装置100による情報の提供先は発言者に限られない。具体的には、情報処理装置100は、オンライン会議において発言している発言者が撮影された画像を新たに視聴する新たな利用者(例えば、オンライン会議における発言者の画像の録画を再生して後から視聴する利用者や、翌年に同じオンライン講義で発言者の講義を新しく受ける利用者など)に対して過去の聞き手の集中度合いに関する情報を提供してよい。なお、本明細書では、オンライン会議システムを用いて発言者が聞き手に対して講義を行う場合には、オンライン会議の代わりに「オンライン講義」と記載する場合がある。
【0051】
例えば、分析部132は、他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻を特定する。例えば、分析部132は、あるオンライン講義で発言している発言者の発言を視聴した過去の聞き手のうち、利用者U2と利用者U3の集中スコアが急に高くなった時刻として、オンライン講義の開始時刻から4分30秒経った時刻を特定する。提供部134は、分析部132によって特定された時刻を示す時刻情報を新たな利用者に対して提供する。例えば、提供部134は、翌年に同じ発言者によるオンライン講義を新しく受ける新たな利用者U5の端末装置10に対して、オンライン講義の開始時刻から4分30秒経った時刻のタイミングに合わせて、「去年リアルタイムで聞いていた人たちの集中度合いが高かったタイミングです」といったメッセージを送信する。
【0052】
同様に、分析部132は、過去の聞き手のうち、2以上の聞き手の集中スコアが急に低下した時刻を特定する。そして、提供部134は、分析部132によって特定された時刻を示す時刻情報を新たな利用者に対して提供する。例えば、翌年に同じ発言者によるオンライン講義を新しく受ける新たな利用者U5の端末装置10に対して、特定された時刻のタイミングに合わせて、「去年リアルタイムで聞いていた人たちの集中度合いが低下したタイミングです」といったメッセージを送信してよい。
【0053】
また、分析部132は、他の利用者のうち少なくとも2以上の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻と、新たな利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻との共通性を分析する。提供部134は、共通性を示す共通情報を新たな利用者に対して提供する。
【0054】
これにより、情報処理装置100は、情報提示を受けた新たな聞き手の視聴意欲を高めることを可能にする。
【0055】
例えば、分析部132は、オンライン講義で発言している発言者の発言を視聴した過去の聞き手のうち、利用者U2と利用者U3の集中スコアが急に高くなった時刻として、オンライン講義の開始時刻から4分30秒経った時刻を特定する。また、同様に、分析部132は、過去の聞き手である利用者U2と利用者U3の集中スコアが急に高くなった時刻として、オンライン講義の開始時刻から19分20秒経った時刻を特定する。続いて、分析部132は、オンライン講義の過去の聞き手のうち、2以上の利用者の集中スコアが、オンライン講義の開始時刻から4分30秒経った時刻と開始時刻から19分20秒経った時刻において急に高くなったという共通性を分析する。
【0056】
また、分析部132は、翌年に同じ発言者のオンライン講義を新しく受けている新たな利用者U5の集中スコアを算出する。続いて、分析部132は、新たな利用者U5の集中スコアが急に高くなった時刻として、オンライン講義の開始時刻から4分30秒経った時刻を特定する。続いて、分析部132は、過去の聞き手のうち、2以上の利用者の集中スコアが、オンライン会議の開始時刻から4分30秒経った時刻と開始時刻から19分20秒経った時刻に急に高くなったという分析結果と、新たな利用者U5の集中スコアが、オンライン講義の開始時刻から4分30秒経った時刻に急に高くなったという分析結果との共通性を分析する。
【0057】
例えば、分析部132は、新たな利用者U5の集中スコアがオンライン講義の開始時刻から4分30秒経った時刻に急に高くなったので、過去の聞き手と同様に、新たな利用者U5の集中スコアが開始時刻から19分20秒経った時刻にもまた急に高くなると予測する。提供部134は、新たな利用者U5の端末装置10に対して、「あなたは開始時刻から4分30秒あたりで集中度合いが高くなったので、開始時刻から19分20秒あたりの内容に対しても集中度合いが高くなりますよ。」といったメッセージを送信する。
【0058】
これにより、情報処理装置100は、情報提示を受けた新たな聞き手の視聴意欲をさらに高めることを可能にする。
【0059】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部131と、分析部132と、提供部134を備える。取得部131は、複数の利用者が参加するオンライン会議において発言している発言者が撮影された画像を視聴している他の利用者の視聴状況を示す視聴情報を収集する。分析部132は、取得部131によって収集された視聴情報に基づいて、発言者の発言に対する他の利用者の集中度合いを分析する。提供部134は、分析部132による分析結果を発言者に対して提供する。
【0060】
このように、情報処理装置100は、オンライン会議中に発言者に対して、リアルタイムに自身の発言に対する聞き手の集中度合いをフィードバックすることを可能にする。これにより、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が聞き手の集中度合いに合わせてオンライン会議中に発言の内容や発言の仕方を変更することを可能にする。例えば、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が聞き手の集中度合いが低下してきたことを認識した場合には、発言者が会議中に小休止を入れたり、発言者が聞き手に対して集中を促すことを可能にする。また、例えば、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が聞き手の集中度合いが高まってきたことを認識した場合には、会議の中で特に重要なポイントについて優先的に発言することを可能にする。このように、情報処理装置100は、リアルタイムに自身の発言に対する聞き手の集中度合いがフィードバックされるので、発言者の意欲を高めることを可能にする。また、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が聞き手に対する発言の内容や発言の仕方を変えることにより、聞き手の視聴意欲を高めることを可能にする。したがって、情報処理装置100は、オンライン会議に参加する利用者の会議への参加意欲を高めることができる。
【0061】
また、情報処理装置100は、オンライン会議の後に、発言者に対して、会議中の自身の発言に対する聞き手の集中度合いをフィードバックすることを可能にする。これにより、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が自身の発言を振り返り、次回以降の発言の参考情報にすることを可能にする。
【0062】
また、分析部132は、オンライン会議の会議中の各時刻における発言者の発言に対する他の利用者の集中度合いを示す集中スコアを算出する。提供部134は、分析部132によって算出された他の利用者の集中スコアに関する情報を発言者に対して提供する。
【0063】
これにより、情報処理装置100は、聞き手の集中度合いを集中スコアの数値によって提供することで、発言者が聞き手の集中度合いを把握しやすくすることを可能にする。
【0064】
また、取得部131は、視聴情報として、他の利用者の視線に関する視線情報を収集する。分析部132は、他の利用者の視線情報に基づいて、他の利用者の集中スコアを算出する。例えば、分析部132は、他の利用者の視線情報に基づいて、他の利用者が画像を見ているか否かを判定し、他の利用者が画像を見ていないと判定した場合よりも、他の利用者が画像を見ていると判定した場合の方が、他の利用者の集中スコアを高く算出する。
【0065】
一般的に、発言者が撮影された画像を見ていない利用者よりも、画像を見ている利用者の方が発言者による発言に集中していると考えられる。これにより、情報処理装置100は、他の利用者が画像を見ているか否かを判定したうえで、他の利用者の集中スコアを適切に算出することを可能にする。
【0066】
また、取得部131は、視聴情報として、他の利用者の画像を収集する。分析部132は、他の利用者の画像に含まれる他の利用者の姿勢に基づいて、他の利用者の集中スコアを算出する。例えば、分析部132は、他の利用者の画像に基づいて、他の利用者の姿勢が前のめりであるか否かを判定し、他の利用者の姿勢が前のめりでないと判定した場合よりも、他の利用者の姿勢が前のめりであると判定した場合の方が、他の利用者の集中スコアを高く算出する。
【0067】
一般的に、聞き手の姿勢が前のめりになると、そうでない場合よりも、発言者による発言に集中していると考えられる。これにより、情報処理装置100は、他の利用者の姿勢が前のめりであるか否かを判定したうえで、他の利用者の集中スコアを適切に算出することを可能にする。
【0068】
また、分析部132は、他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻を特定する。提供部134は、分析部132によって特定された時刻を示す時刻情報を発言者に対して提供する。
【0069】
これにより、情報処理装置100は、発言者に対して、自身の発言に対する聞き手の集中度合いが大きく変化したタイミングをフィードバックすることができる。例えば、情報処理装置100は、発言者に対して、自身の発言に対する聞き手の集中度合いが大きく低下したタイミング、または聞き手の集中度合いが大きく高まったタイミングをフィードバックすることができる。
【0070】
また、分析部132は、他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の特徴を分析する。提供部134は、分析部132によって分析された特徴を示す特徴情報を発言者に対して提供する。例えば、分析部132は、他の利用者のうち少なくとも2以上の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の共通性を分析する。提供部134は、特徴情報として、分析部132によって分析された共通性を示す共通情報を発言者に対して提供する。
【0071】
これにより、情報処理装置100は、発言者に対して、聞き手の集中度合いに関するマーケットバスケット分析による分析結果を提供可能とする。例えば、情報処理装置100は、発言者に対して、「オンライン会議の開始時刻から4分30秒くらいで集中度合いが落ちた聞き手は、開始時刻から19分20秒あたりでも集中度合いが落ちる傾向にある」といった分析結果を示すメッセージを提供可能とする。これにより、情報処理装置100は、フィードバックを受けた発言者が自身の発言を振り返り、次回以降の発言の参考情報にすることを可能にする。
【0072】
また、情報処理装置100は、生成部133をさらに備える。生成部133は、分析部132によって算出された他の利用者それぞれの集中スコアの平均を示すグラフを生成する。提供部134は、生成部133によって生成されたグラフを発言者に対して提供する。
【0073】
これにより、情報処理装置100は、発言者が複数の聞き手の集中度合いの平均を示すグラフを見ることによって、複数の聞き手全体の集中度合いに関する大まかな情報を一目で把握可能とすることができる。
【0074】
また、取得部131は、発言者の発言状況を示す発言情報を取得する。分析部132は、取得部131によって取得された発言情報に基づいて、発言者が他の利用者に対して発言者の発言に対する集中を促しているか否かを判定する。提供部134は、分析部132によって発言者が他の利用者に対して発言者の発言に対する集中を促していると判定された場合、発言者の発言に対する集中を促す通知を他の利用者に対して提供する。また、取得部131は、発言情報として、発言者の画像を収集する。分析部132は、発言者の画像に基づいて、発言者の姿勢が前のめりであるか否かを判定し、発言者の姿勢が前のめりであると判定した場合、発言者が他の利用者に対して発言者の発言に対する集中を促していると判定する。
【0075】
このように、情報処理装置100は、例えば、発言者が気合を入れたら(例えば、前のめりになったら、ここが聞き所であるといったメッセージを聞き手に対して通知可能とする。これにより、情報処理装置100は、通知を受けた聞き手が発言者に注目するよう促すことができるので、聞き手の視聴意欲を高めることを可能にする。したがって、情報処理装置100は、オンライン会議に参加する利用者の会議への参加意欲を高めることができる。
【0076】
また、提供部134は、分析部132による分析結果を発言者が撮影された画像を新たに視聴する新たな利用者に対して提供する。また、提供部134は、分析部132によって算出された他の利用者の集中スコアに関する情報を新たな利用者に対して提供する。また、分析部132は、他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻を特定する。提供部134は、分析部132によって特定された時刻を示す時刻情報を新たな利用者に対して提供する。
【0077】
これにより、情報処理装置100は、例えば、翌年に同じ発言者によるオンライン講義を新しく受ける新たな聞き手に対して、去年リアルタイムで同じ発言者によるオンライン講義を聞いていた利用者たちの集中度合いが高かったタイミングや低かったタイミングとして情報提示することを可能にする。これにより、情報処理装置100は、情報提示を受けた新たな聞き手の視聴意欲を高めることを可能にする。
【0078】
また、分析部132は、他の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の特徴を分析する。例えば、分析部132は、他の利用者のうち少なくとも2以上の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻の共通性を分析する。例えば、分析部132は、他の利用者のうち少なくとも2以上の利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻と、新たな利用者の集中スコアの変化率の大きさが所定の閾値を超えた時刻との共通性を分析する。提供部134は、分析部132によって分析された特徴を示す特徴情報を新たな利用者に対して提供する。例えば、提供部134は、特徴情報として、分析部132によって分析された共通性を示す共通情報を新たな利用者に対して提供する。例えば、提供部134は、共通性を示す共通情報を新たな利用者に対して提供する。
【0079】
これにより、情報処理装置100は、例えば、翌年に同じ発言者によるオンライン講義を新しく受ける新たな聞き手に対して「あなたは開始時刻から4分30秒あたりで集中度合いが高くなったので、開始時刻から19分20秒あたりの内容に対しても集中度合いが高くなりますよ。」というような予測に関する情報を提示することを可能にする。これにより、情報処理装置100は、情報提示を受けた新たな聞き手の視聴意欲をさらに高めることを可能にする。
【0080】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図5は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0081】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0082】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0083】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0084】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0085】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0086】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0087】
〔8.その他〕
また、上記各実施形態および変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0088】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0089】
例えば、上述した例では、実施形態に係る情報処理システムが中央処理型(集中型ともいう)のコンピューティングシステムである例について説明したが、情報処理システムの構成はこれに限られない。具体的には、他の実施形態に係る情報処理システムは、複数台の端末装置10で構成される分散型コンピューティングシステムであってよい。例えば、他の実施形態に係る情報処理システムは、複数台の端末装置10がネットワークを介して互いに接続されている。また、他の実施形態に係る情報処理システムでは、それぞれの端末装置10に図3で説明した情報処理装置100の機能が実装されている。
【0090】
また、上述してきた各実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0091】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、提供部は、提供手段や提供回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 分析部
133 生成部
134 提供部
図1
図2
図3
図4
図5