(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】二段折り畳み式調理道具
(51)【国際特許分類】
A47J 45/06 20060101AFI20230426BHJP
【FI】
A47J45/06 D
(21)【出願番号】P 2021181328
(22)【出願日】2021-11-05
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0002449
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0009116
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521486929
【氏名又は名称】アン ヘソン
(73)【特許権者】
【識別番号】521486930
【氏名又は名称】ムン ソクミン
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アン ヘソン
(72)【発明者】
【氏名】ムン ソクミン
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0029044(US,A1)
【文献】米国特許第05940974(US,A)
【文献】特開平08-000431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 45/00-45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部からしゃもじ、フォーク、さじ、フライ返し、しゃくし及び調理用スプーンなどの調理道具の中で一つが選択的に形成されるボディー部;
調理時に撹拌、固定などの行為を遂行できるようにスティック型の形状を持つハンドル部;及び
一側に上記ボディー部が連結され、その他側に上記
ハンドル部が連結されて回動可能な回動部
を含み、
上記ボディー部は、その一端部から延長して形成される第1掛け部を含み、
上記ハンドル部は、その一端部から延長して形成される第2掛け部を含み、
上記回動部は、一端が上記第1掛け部に連結され、他端が上記第2掛け部に連結されることで二段フォールディングが可能になるよう、その一側と他側に形成される少なくとも2個以上の孔を含み、
調理時に上記回動部によって上記ボディー部及び上記ハンドル部が折り畳まれることを防止し、遊休時に上記回動部が自在に折り畳まれるよう、上記回動部を包んで上記回動部の一面に沿って移動可能なスライディング部
を含むことを特徴とする二段折り畳み式調理道具。
【請求項2】
上記ボディー部、上記ハンドル部及び上記回動部が相互分離されるように上記孔の一面が開放されたことを特徴とする請求項
1に記載の二段折り畳み式調理道具。
【請求項3】
上記スライディング部は、
スライディング位置を臨時固定できるように上記スライディング部の下部の内面から突出して形成されるスライディング突起
を含み、
上記ハンドル部は、
上記スライディング突起を収容できるように上記ハンドル部の下面に形成される少なくとも2個以上の収容溝
を含むことを特徴とする請求項
2に記載の二段折り畳み式調理道具。
【請求項4】
上記スライディング部は、
調理道具がフォールディングされた状態で固定されるように上記
スライディング部の下部の外面から突出して形成される固定突起
を含み、
上記ボディー部は、
上記固定突起を収容できるように上記ボディー部の下面に形成される固定溝
を含むことを特徴とする請求項
3に記載の二段折り畳み式調理道具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動可能な調理道具に係り、より詳しくは、端部からしゃもじ、フォーク、さじ、フライ返し、しゃくし及び調理用スプーンなどの調理道具の中で一つが選択的に形成されるボディー部、ハンドル部及び一端が第1掛け部に連結され、他端が第2掛け部に連結されることで二段回動が可能になるよう、その一側と他側に形成される少なくとも2個以上の孔を含む回動部を含む二段折り畳み式調理道具に関する。
【背景技術】
【0002】
ここに記述された内容は単純に本発明に対する背景情報を提供するだけであって、従来の技術を構成するものではない。
【0003】
通常、調理器具には、しゃくし、フライ返しなどがある。このような調理器具は熱を使って調理するため、使用者が熱から保護されながら食べ物を調理できるように取っ手が付着される。
【0004】
通常の調理器具に付着される取っ手は片手形態で結合される。片手形態の取っ手は一手で調理できるように形成されたもので、棒型で長く突出して形成される。
【0005】
このような調理器具において、片手形態の調理器具は取っ手が長く形成されていて熱源から使用者の手を保護し、調理が容易になるように形成されているが、片手形態の調理器具を包装したり保管する時は不要に包装が大きくなったり、不要な空間が要されて空間に制約がある問題がある。
【0006】
すなわち、片手形態の調理器具は取っ手の長さの分、包装材も大きく形成しなければならないし、取っ手の長さ分の保管空間も必要であるため、使用上安全性は確保できるものの、保管や移動間の包装では相当不便である。
【0007】
さらに、片手形態の調理器具は長く固定された形態で形成されているため、食べ物を調理した後、片手を取って移動する時、取っ手の長さによる移動間不便さがある。つまり、通常片手調理器具は、移動する時長く形成された取っ手が使用者の腕に引っかかったり、周りの器物に引っかかって食べ物を流すなどの問題が発生する。さらに、このような問題の発生を減らすために、片手調理器具の取っ手を調理器具の本体側に近くで使用者が把持しても、把持されていない部分が干渉されて、返って上述した問題がもっと発生することがある。
【0008】
このような問題点を解決するために、制限された大きさの容器或いはホルダーに保管できるよう、折り畳んで長さを減らす折り畳み式調理道具を通常使っている。
【0009】
このような折り畳み式調理道具は、単一回動部を備えて調理道具を折り畳んで保管することができる。しかし、このような従来の折り畳み式調理道具は、食べ物を混ぜたり返すなどの調理行為によって結合が解除され、調理するに不便な問題点があった。
【0010】
上述した従来の片手型調理道具及び単一回動部を備える調理道具の問題点を解決するために、国内及び海外の一部の関連業態では二段折り畳み式調理道具に対する研究をした事例があるが、実際製品化するには、二段回動構造を備えるために要される費用が過度であったり、そうでなくても該当装置の製造単価対比効果が大きくないため、従来の調理道具と比べる時、市場競争力が落ちて本格的に常用化された事例は見つからなかった。
【0011】
したがって、上述したように、従来技術が持つ問題点を解決できる調理道具の開発が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明によって解決しようとする課題は、上記言及した従来技術の短所を補完するためのものであって、本発明の目的は次のとおりである。
【0013】
第一、保管時に積載体積が減少するよう、二段折り畳み式構造が備えられる調理道具を提供しようとする。
【0014】
第二、調理時に回動部によってボディー部及びハンドル部が折り畳まれることを防いで、調理後、調理道具の遊休時に回動部が自在に折り畳まれるよう、回動部を包むスライディング部を含む調理道具を提供しようとする。
【0015】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた別の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によると、端部からしゃもじ、フォーク、さじ、フライ返し、しゃくし及び調理用スプーンなどの調理道具の中で一つが選択的に形成されるボディー部、調理時に撹拌、固定などの行為を遂行できるようにスティック型の形状を持つハンドル部、及び一側にボディー部が繋がれ、その他側にグラップ部が連結されてフォールディングできる回動部を含むことを特徴とする二段折り畳み式調理道具が提供される。
【0017】
この時、ボディー部はその一端部から延長して形成される第1掛け部を含み、ハンドル部はその一端部から延長して形成される第2掛け部を含み、回動部は一端が第1掛け部に連結され、他端が第2掛け部に連結されることで二段フォールディングができるように、その一側と他側に形成される少なくとも2個以上の孔を含むことができる。
【0018】
また、ボディー部、ハンドル部及び回動部が相互完全に分離するように、孔の一面が開放されることができる。
【0019】
本発明の他の特徴によると、二段折り畳み式調理道具は、調理時に回動部によってボディー部及びハンドル部が折り畳まれることを防止し、遊休時に回動部が自在に折り畳まれるように回動部を包んで回動部の一面に沿って移動可能なスライディング部を含むことができる。
【0020】
この時、スライディング部はスライディング位置を臨時固定できるようにスライディング部の下部の内面から突出して形成されるスライディング突起を含み、ハンドル部はスライディング突起を収容できるようにハンドル部の下面に形成される少なくとも2個以上の収容溝を含むことができる。
【0021】
また、スライディング部は調理道具がフォールディングされた状態で固定されるように下部の外面から突出して形成される固定突起を含み、ボディー部は固定突起を収容できるようにボディー部の下面に形成される固定溝を含むことができる。
【0022】
本発明のさらなる解決手段は、以下に続く説明で一部説明され、その説明から部分的に容易に確認できたり、または本発明の実施によって知得されることができる。
【0023】
前述した一般的説明及び次の詳細な説明は、いずれも単なる例示で、説明するためのものであり、請求範囲に記載された本発明を制限しない。
【発明の効果】
【0024】
上記のように構成された本発明の効果について説明すれば、次のとおりである。
【0025】
第一、二段折り畳み式構造によって調理後に保管する時、積載体積が減少することがある。
【0026】
第二、調理時に回動部によってボディー部及びハンドル部が折り畳まれることを防止し、遊休時に回動部が自在に折り畳まれることができる。
【0027】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた別の効果は請求範囲の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施例による二段折り畳み式調理道具の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例によるボディー部の形状を示す図面である。
【
図3】本発明の一実施例による調理道具の分解図である。
【
図4】本発明の一実施例による回動部の拡大図である。
【
図5】本発明の一実施例によるスライディング部の平面図及び断面図である。
【
図6】本発明の一実施例による固定突起及び固定溝の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。
【0030】
ただし、本発明の具体的な一実施形態を説明するにあたり、係る公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0031】
本発明の上述した目的、特徴及び長所は、添付の図面と係る次の詳細な説明から見て明らかになる。ただし、本発明は多様な変更を加えることができ、いくつかの実施例を含むことができるので、以下では特定実施例を図面に例示し、これを詳しく説明する。
【0032】
本発明と係わる公知機能或いは構成についた具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で利用される数字は、一つの構成要素を他の構成要素と区分するための識別記号に過ぎない。
【0033】
また、以下の説明で使われる構成要素に対する接尾語「部」は、単に明細書を容易に作成するために使われたり混用されるものであって、それ自体に互いに区別される意味や役目を持つものではない。
【0034】
図1は本発明の一実施例による二段折り畳み式調理道具の斜視図である。
【0035】
図2は本発明の一実施例によるボディー部200の形状を示す図面である。
【0036】
本発明の一実施例による二段折り畳み式調理道具は、ボディー部200、ハンドル部300及び回動部を含むことができる。
【0037】
ボディー部200は、
図2に図示されたように、その端部からしゃもじ、フォーク、さじ、フライ返し、しゃくし及び調理用スプーンなどの調理道具の中で一つが選択的に形成されることができる。これと違って、公知の他の調理道具の中で一つが選択的に形成されることができる。
【0038】
ハンドル部300は、調理時に撹拌などの行為を行えるように、スティック型の形状を持つことができる。
【0039】
回動部は、一側にボディー部200が連結され、その他側にグラップ部が連結されて回動可能である。
【0040】
ボディー部200及びハンドル部300は形状が変わらない剛体(rigid body、例えば、鉄、アルミニウム、銅などのような金属、またはポリスチレン(PS)、ABS、ポリアセタール(POM)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリカプロラクトン(PCL)及びポリプロピレン(PP)などのような合成樹脂が選択されることができ、シリコーンも選択されることができる。)で形成されることもできる。
【0041】
図3は本発明の一実施例による調理道具の分解図である。
【0042】
図4は本発明の一実施例による回動部の拡大図である。
【0043】
ボディー部200は、その一端部から延長して形成される第1掛け部210を含み、ハンドル部300はその一端部から延長して形成される第2掛け部310を含むことができる。
【0044】
さらに、回動部は一端が第1掛け部210に連結され、他端が第2掛け部310に連結されることで二段フォールディングができるようにその一側と他側に形成される少なくとも 2個以上の孔410を含むことができる。
【0045】
従来折り畳み式調理道具は、単一の回動構造が備えられて回動範囲が狭いという短所が指摘されてきた。しかし、本発明の一実施例による二段折り畳み式調理道具は、複数個の回動構造が備えられ、回動部を基準にして回動部の下端に配置されるボディー部200が180度回動可能であり、回動部の上端に配置されるハンドル部300が180度回動可能であって、360度全方向に回動が可能である。
【0046】
また、従来折り畳み式調理道具は、単一の回動構造が損傷される場合、それ以上回動できないという短所が指摘されてきたが、本発明による二段折り畳み式調理道具は、複数個の回動部が備えられているので、一つの回動部が損傷されても一定範囲回動可能である。
【0047】
結果的に、本発明の一実施例による二段折り畳み式調理道具は、360度回転することによってボディー部200とフォールディングブが突き合わせて重ねられることができる。したがって、調理前後に調理道具を保管する時、積載体積が減少してキャンピングなどの外部アクティビティ活動によって調理道具を伴って移動する場合、使用者の便宜性が向上されることができる。
【0048】
さらに、回動部は、ボディー部200、ハンドル部300及び回動部が相互完全に分離できるように、孔410の一面が開放されることができる。
【0049】
結果的に、本発明の一実施例による二段折り畳み式調理道具は、調理時に発生することがある油などの異物によって調理道具が汚染してもボディー部200、ハンドル部300及び回動部が相互完全に分離されることで、洗浄など衛生管理が容易である。
【0050】
図5は本発明の一実施例によるスライディング部500の平面図及び断面図である。
【0051】
図6は本発明の一実施例による固定突起530及び固定溝220の概念図である。
【0052】
本発明の他の特徴によると、二段折り畳み式調理道具は、スライディング部500を含むことができる。
【0053】
スライディング部500は、調理時に回動部によってボディー部200及びハンドル部300が折り畳まれることを防止し、遊休時に回動部が自在に折り畳まれるように、
図5の(A)に図示されたように、回動部を包んで回動部の一面に沿って移動可能である。
【0054】
スライディング部500はスライディング突起520及び固定突起530を含むことができるし、ハンドル部300は収容溝320を含み、ボディー部200は固定溝220を含むことができる。
【0055】
スライディング突起520は、スライディング部500の位置を臨時固定できるよう、スライディング部500の下部の内面から突出して形成されることができる。
【0056】
収容溝320は、
図5の(B)に図示されたように、スライディング突起520を収容できるように、ハンドル部300の下面に少なくとも2個以上形成されることができる。
【0057】
固定突起530は、調理道具がフォールディングされた状態で固定されるよう、下部の外面から突出して形成されることができる。
【0058】
固定溝220は、固定突起530を収容できるようにボディー部200の下面に形成されることができる。
【0059】
結果的に、本発明による二段折り畳み式調理道具は、スライディング突起520及び収容溝320が互いに結合および固定されることで、調理時にはフォールディング部によってボディー部200とハンドル部300が回動されることを防止することができる。さらに、調理後に保管する時、固定突起530及び固定溝220が相互結合および固定されることで、ボディー部200とハンドル部300が回動された状態で固定されることができる。
【0060】
一方、スライディング部500の上面には、円形部が陰刻形成され、使用者のスライディング操作の便宜性を向上させることができる。
【0061】
本実施例は、本発明の技術的思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から脱しない範囲で本実施例の多様な修正及び変形が可能である。
【0062】
本実施例は、本発明の技術的思想を限定するためではなく説明するためのものなので、本実施例によって本発明の権利範囲が限定されるものではない。
【0063】
本発明の保護範囲は、請求範囲によって解釈しなければならず、それと同等であるか、または均等であると認められる全ての技術的思想は、本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0064】
100:本発明
200:ボディー部
210:第1掛け部
220:固定溝
300:ハンドル部
310:第2掛け部
320:収容溝
400:回動部
410:孔
500:スライディング部
520:スライディング突起
530:固定突起