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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20230426BHJP
【FI】
G07G1/00 301Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021201351
(22)【出願日】2021-12-13
(62)【分割の表示】P 2018038863の分割
【原出願日】2018-03-05
(65)【公開番号】P2022031911
(43)【公開日】2022-02-22
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯坂 仁志
(72)【発明者】
【氏名】内藤 英浩
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 信介
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-069491(JP,A)
【文献】特開2003-281623(JP,A)
【文献】特開2011-108290(JP,A)
【文献】特開2017-146986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00-5/00
G06Q 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の本体部と、
前記本体部が立設される台の荷受面との間に、商品の読み取りを妨げない所定の間隔をあけて前記本体部に内蔵され、商品を特定する情報を読み取る読取部と、
前記本体部のオペレータ側に向けて設けられ、情報の表示を行う表示部と、
前記表示部の周囲に設けられ、客側に向けて情報を表示する客用表示部と、
前記読取部が読み取った情報で特定された商品の決済処理にかかわる客の入力操作を受け付ける、前記本体部及び前記客用表示部と別体の入力装置と、
前記本体部に取り付けられ、前記本体部の外側に水平に延出され、上向きの面である載置面を有し、前記荷受面との間に前記所定の間隔をあけるように前記入力装置を前記載置面上で固定支持して前記客用表示部の周囲かつ前記客用表示部の下方に位置させる支持部と、
を備える販売データ処理装置。
【請求項2】
前記表示部は前記本体部の頂部に設けられ、
前記客用表示部は前記表示部の側方に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記客用表示部および前記入力装置は、前記本体部に対して、客の移動方向下流側に配置されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の販売データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、販売対象の商品の登録を行う販売データ処理装置と、販売データ処理装置で登録された商品の販売登録データに基づき決済処理を実行する会計装置とを、ネットワーク接続したチェックアウトシステムが利用されている。係るチェックアウトシステムでは、商品の登録と決済とを複数の店員で分業する構成(二人制方式)や、客自身が決済を行う構成(セミセルフ方式)とすることが可能である。
【0003】
上記チェックアウトシステムでは、縦型スキャナタイプの販売データ処理装置が使用されることが一般的である。このような販売データ処理装置は、チェックアウトカウンタに固定的に設置(立設)される。また、販売データ処理装置は、商品に付されたバーコード等を読み取る読取装置や表示装置を備える他、カード決済時に客が暗証番号を入力するためのピンパッド装置等の周辺機器が接続される。係る周辺機器は、販売データ処理装置と別体であるため、チェックアウトカウンタ上の販売データ処理装置に隣接した位置に載置される。
【0004】
しかしながら、周辺機器をチェックアウトカウンタ上に載置すると、チェックアウトカウンタ上で利用可能な領域が狭くなる。そのため、販売データ処理装置に隣接した位置に買物カゴを置けない等、利便性が低下する可能性がある。また、チェックアウトカウンタの載置面の高さは、概ね、平均的成人女性の腰より低い程度であるが、この高さでは、ピンパッドを操作しづらい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、チェックアウトカウンタの上面を広く確保した状態で、周辺機器を使用することが可能な販売データ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の販売データ処理装置は、柱状の本体部と、読取部と、表示部と、客用表示部と、入力装置と、支持部と、を備える。読取部は、前記本体部が立設される台の荷受面との間に、商品の読み取りを妨げない所定の間隔をあけて前記本体部に内蔵され、商品を特定する情報を読み取る。表示部は、前記本体部のオペレータ側に向けて設けられ、情報の表示を行う。客用表示部は、前記表示部の周囲に設けられ、客側に向けて情報を表示する。入力装置は、前記本体部及び前記客用表示部と別体で、前記読取部が読み取った情報で特定された商品の決済処理にかかわる客の入力操作を受け付ける。支持部は、前記本体部に取り付けられ、前記本体部の外側に水平に延出され、上向きの面である載置面を有し、前記荷受面との間に前記所定の間隔をあけるように前記入力装置を前記載置面上で固定支持して前記客用表示部の周囲かつ前記客用表示部の下方に位置させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るチェックアウトシステムの一例を示す斜視図である。
図2図2は、図1の販売データ処理装置を背面側から見た斜視図である。
図3図3は、販売データ処理装置の正面図であって、買物カゴが本体部の正面に位置する状態を示す図である。
図4図4は、販売データ処理装置の背面図であって、買物カゴが本体部の正面に位置する状態を示す図である。
図5図5は、販売データ処理装置の背面図であって、買物カゴが本体部の側部にある状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る販売データ処理装置の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態では、二人制方式やセミセルフ方式等のチェックアウトシステムで用いられる販売データ処理装置に適用した例について説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0009】
図1は、実施形態に係るチェックアウトシステム1の一例を示す斜視図である。チェックアウトシステム1は、横長テーブル状のチェックアウトカウンタ2(台の一例)を有する。チェックアウトカウンタ2の上面には、平坦な荷受面3が形成されている。荷受面3には、商品を収納する買物カゴ(図示せず)等が載置される。
【0010】
チェックアウトカウンタ2の長手方向の略中央領域には、販売データ処理装置10が設置される。販売データ処理装置10は、縦型タイプのスキャナ装置(縦型スキャナ)である。販売データ処理装置10は、荷受面3において、オペレータから見て奥側に位置付けられる。販売データ処理装置10は、決済端末(図示せず)等の外部装置と通信可能に接続される。
【0011】
販売データ処理装置10は、本体部11、表示部12、操作部13、客用表示部14、およびアーム部15を備えている。
【0012】
本体部11は、販売データ処理装置10の主要部を構成する。本体部11は、柱状の形状を有し、荷受面3に立設されている。また、本体部11は、収納部111と、支柱部112とを備えている。
【0013】
収納部111は、略箱型の形状を有し、内部に、販売データ処理装置10の動作に係る各種の機器を内蔵する。各種の機器は、例えば、スキャナ部21やプリンタ部22である。
【0014】
スキャナ部21は、読取部の一例であって、商品を特定する情報(商品に付されたコードシンボルや当該商品の特徴等)を、読取窓21aを介して読み取る。スキャナ部21は、読取窓21aから読取光を照射する照明、その反射光を受光するイメージセンサ、イメージセンサの出力信号に関してデコード処理を実行するデコーダ等(何れも図示せず)を具備する。
【0015】
プリンタ部22は、排紙口22aからレシート等の印刷物を排紙(発行)するプリンタ装置である。プリンタ部22は、印刷媒体である用紙を収納するための用紙収納部、用紙収納部に収納された用紙を排紙口22aに搬送する搬送部、排紙口22aに搬送される用紙に印刷を行う印刷部等(何れも図示せず)を具備する。
【0016】
なお、スキャナ部21の読取窓21aと、プリンタ部22の正面(インタフェース)は、収納部111のオペレータに対向する側の面(以下、正面とする)の一部を構成する。つまり、収納部111は、正面に、読取窓21aやプリンタ部22のインタフェースに相当する開口部を有している。
【0017】
支柱部112は、収納部111の正面部を残した周りを囲み、且つ支持する。支柱部112は、下端に、一対の足部(図示せず)を備えている。一対の足部は、本体部11の両側部を下方に伸ばしたような形状を有する。一対の足部が、荷受面3に設けられた一対の貫通孔(図示せず)に差し込まれることにより、本体部11が荷受面3上に立てて固定(立設)される。
【0018】
本体部11を構成する収納部111と支柱部112は、少なくとも両側部において、二重の構造を有している。二重の構造は、例えば、金属製の板材が所定の隙間をあけて対向配置されたものである。この二重の構造により、対向する板材の間に、ケーブルを引き回し、収納することが可能となる。ケーブルが金属板間の隙間に収納されることにより、各部を通信可能に接続するために引き回されるケーブルが荷受面3上などに露出する程度を減らすことができる。また、金属製の板材が二重になる構造により、本体部11の強度を向上させる効果が得られる。
【0019】
表示部12は、収納部111の上面(本体部11の頂部)に取り付けられている。操作部13は、表示部12の一方の側部に、取り付けられている。表示部12および操作部13が上述の構成であることにより、操作部13に対する押下操作を行うと、本体部11に、ねじりの力が発生する。しかしながら、本実施形態の販売データ処理装置10では、支柱部112が収納部111を両側面から支持する構成であるため、ねじり力に対して高い剛性を有し、操作部13の押下操作に伴う揺れやガタツキの発生が抑えられる。また、上述の構成により、収納部111自体の剛性が向上するため、上部に表示部12等の重量物を取り付けた場合であっても、揺れやガタツキの発生が抑えられて、荷受面3上で良好な安定性が得られる。
【0020】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスであって、チルト可能に構成されている。表示部12は、販売データ処理装置10の操作者(オペレータ)用のディスプレイとして使用され、オペレータに向けた情報を表示する。なお、表示部12は、タッチパネル構成であってもよい。また、表示部12は、販売データ処理装置10の動作を統括して制御するCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の制御ユニット(コンピュータ構成)を備えてもよい。
【0021】
操作部13は、表示部12に隣接して設けられている。図1の例では、操作部13は、オペレータから見て表示部12の右隣(右の側方)に設けられている。操作部13は、キーボード13aやカードリーダ等の入力デバイスを有する。カードリーダは、カードに付された磁気テープを読み取る。操作部13は、カードリーダの一部である溝13bを備えている。溝13bは、カードの磁気テープ部分の差し込みを受ける。カードが溝13bの長手方向に沿ってスライド移動されると、カードリーダが磁気テープの情報を読み取る。
【0022】
客用表示部14は、表示部12に隣接して設けられている。図1の例では、客用表示部14は、オペレータから見て表示部12の左隣(左の側方)に配置されている。客用表示部14は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスであって、表示部12の表示面の裏側にて、客向けの情報を表示する。客向けの情報としては、例えば、スキャナ部21が読み込んだ商品の情報や、登録した商品の一覧の他、特売の情報などがある。
【0023】
アーム部15は、本体部11の側部に取り付けられ、本体部11の外側に向かって水平に延出している。より詳細には、アーム部15は、本体部11の支柱部112に、ねじ止め等により固定されている。また、アーム部15は、荷受面3から上へ離れた位置に、位置している。なお、本実施形態のアーム部15は、客用表示部14と載置面151との間に位置している。
【0024】
アーム部15の上向きの面である載置面151には、ピン(PIN:Personal Identification Number)パッド装置30が載置される。図1の販売データ処理装置10が正面側(オペレータ側)から見た図であるのに対し、図2は、販売データ処理装置10を背面側(客側)から見た斜視図である。
【0025】
ここで、アーム部15は、入力装置を支持して客用表示部14の周囲に位置させる支持部の一例である。入力装置は、例えばピンパッド装置30である。アーム部15は、ピンパッド装置30等の周辺機器を、支持する。
【0026】
ピンパッド装置30は、載置面151上に載置されることにより、客用表示部14と荷受面3との間に位置する。本実施形態のピンパッド装置30は、客用表示部14の下方に配置されている。
【0027】
ピンパッド装置30は、客用表示部14の近傍に配置されている。つまり、販売データ処理装置10の背面視(または正面視)において、ピンパッド装置30の上部と客用表示部14の下部とは重ならず、間に微小隙間が存在している。
【0028】
ピンパッド装置30は、スキャナ部21が読み取った情報で特定された商品の決済処理にかかわる客の入力操作を受け付ける入力装置の一例である。より具体的には、ピンパッド装置30は、クレジットカード等によるカード決済時に使用され、暗証番号の入力を受け付ける。
【0029】
ピンパッド装置30は、本体31、カバー32およびホルダ33を備えている。本体31は、操作部311および表示部312を備えている。ピンパッド装置30は、操作部311および表示部312を客側に向けて、配置される。
【0030】
操作部311は、客による暗証番号の入力を受け付ける。表示部312は、文字等で客への案内などを示す。カバー32は、本体31の周りを囲み、操作部311に客が行った操作や表示部312の表示内容を、操作者である客以外に対して隠して見えにくくする。ホルダ33は、操作部311および表示部312が所定の角度に傾斜した状態になるよう、本体31を支持し、アーム部15の載置面151に固定する。上記所定の角度としては、客が操作部311を操作しやすく表示部312を見やすいと推定できる角度が好適である。
【0031】
ここで、図1に示す矢印Aは、客の移動方向を示している。客用表示部14およびピンパッド装置30は、本体部11に対して、客の移動方向下流側に配置されている。これにより、客を販売データ処理装置10の下流側に導き、客の移動を促進して滞留を防ぐことができる。
【0032】
図3は、販売データ処理装置10の正面図である。図4および図5は、販売データ処理装置10の背面図である。また、図3および図4は、買物カゴ5が本体部11の正面に位置する状態を示す図であり、図5は、買物カゴ5が本体部11の側部にある状態を示す図である。
【0033】
支柱部112にアーム部15を取り付ける高さは特に問わないが、荷受面3とアーム部15との間に買物カゴ5等を載置できるよう、買物カゴ5等の高さよりも高い位置に取り付けることが好ましい。ピンパッド装置30と荷受面3との間に、所定の間隔(買物カゴ5の高さよりも広い)があけられていると、登録される商品が入った買物カゴ5がアーム部15やピンパッド装置30に当っていずれかが破損する等の不都合を防止できる。また、販売登録を行うオペレータは、アーム部15やピンパッド装置30を気にすることなく、荷受面3上で買物カゴ5を移動させることができるため、販売登録に係る作業の効率化を図ることができる。
【0034】
このような構成の販売データ処理装置10においては、アーム部15の載置面151にピンパッド装置30を載置することで、当該ピンパッド装置30を荷受面3から離間させた状態で安定して保持することができる。したがって、販売データ処理装置10を有するチェックアウトシステム1では、ピンパッド装置30を荷受面3上に載置することがなくなるため、荷受面3を広く確保することができる。
【0035】
また、ピンパッド装置30が客用表示部14のすぐ下に位置するので、客は、客用表示部14と表示部312とを見ながら操作部311を操作することができる。
【0036】
本実施形態では、ピンパッド装置30を支持するアーム部15を、客用表示部14と荷受面3との間に設け、ピンパッド装置30を客用表示部14の下方に位置させている。しかし実施にあたって、ピンパッド装置30の配置は、本実施形態のものに限らず、客用表示部14の周囲であれば、客が客用表示部14と表示部312とを見ながら操作部311を操作可能であるので構わない。つまり、ピンパッド装置30が、例えば客用表示部14の上方や側方に位置していてもよい。客用表示部14の周囲にピンパッド装置30を配置するにあたって、アーム部15に相当する支持用の部材(支持部)が、本体部11でなく、例えば客用表示部14に取り付けられていても構わない。
【0037】
また、本実施形態の客用表示部14は、表示部12に隣接しているが、実施にあたっては、他の位置に位置していて構わない。例えば、客用表示部14は、概ね表示部12の周囲に位置していればよく、表示部12の上方や背面側に位置していてもよい。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加、組み合せ等が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 …チェックアウトシステム
10…販売データ処理装置
11…本体部、111…収納部、112…支柱部
12…表示部
13…操作部、13a…キーボード、13b…溝
14…客用表示部
15…アーム部(支持部)、151…載置面
21…スキャナ部、21a…読取窓
22…プリンタ部、22a…排紙口
30…ピンパッド装置(入力装置、周辺機器)
31…本体、311…操作部、312…表示部
32…カバー
33…ホルダ
2 …チェックアウトカウンタ
3 …荷受面
5 …買物カゴ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【文献】特開2010-257120公報
図1
図2
図3
図4
図5