(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】情報処理装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230426BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07G1/06 Z
(21)【出願番号】P 2021209354
(22)【出願日】2021-12-23
(62)【分割の表示】P 2017103420の分割
【原出願日】2017-05-25
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 圭一
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-054513(JP,A)
【文献】特許第5744295(JP,B1)
【文献】特開2006-166421(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0327134(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レシートサービスを提供する店舗において取得された、前記電子レシートサービスを対象者が利用するための会員コードが前記店舗から通知されたことに応じて、前記対象者による前記店舗の利用を検出する検出手段と、
前記検出手段により利用が検出された
前記店舗に関して定められた情報を、前記対象者の立ち寄り先を示す立ち寄り先情報として、前記対象者に関連づけて定められた通知先に対して
、前記検出手段による検出に応じてリアルタイムに通知する通知手段と、
を具備した情報処理装置。
【請求項2】
前記通知手段は
、前記立ち寄り先情報を
プッシュ通知する
か、又は前記立ち寄り先情報を本文に含んだ電子メールを送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
一人の対象者
についての前記検出手段による検出の履歴を示す履歴情報を生成する生成手段、
をさらに備え、
かつ前記通知手段は、
リアルタイムな通知とは別に、前記生成手段により生成された履歴情報を、前記立ち寄り先情報として通知する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記検出手段による検出の履歴を地図上に示す画像情報として前記履歴情報を生成する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置を制御するコンピュータを、
電子レシートサービスを提供する店舗において取得された、前記電子レシートサービスを対象者が利用するための会員コードが前記店舗から通知されたことに応じて、前記対象者による前記店舗の利用を検出する検出手段と、
前記検出手段により利用が検出された
前記店舗に関して定められた情報を、前記対象者の立ち寄り先を示す立ち寄り先情報として、前記対象者に関連づけて定められた通知先に対して
、前記検出手段による検出に応じてリアルタイムに通知する通知手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
子供又は老人などの見守りの対象者の行動を見守るためのシステムが既に運用されている。
しかしながら、この種のシステムにおいては、対象者がGPS(global positioning system)端末などの特別な機器を携行する必要がある。該当する機器を携行しないで行動した対象者の行動を確認することはできない。
【0003】
このような事情から、対象者が特別な機器を携行しなくとも、当該対象者の行動を確認できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、対象者が特別な機器を携行しなくとも、当該対象者の行動を確認することを可能とする情報処理装置及びそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、検出手段と通知手段とを備える。検出手段は、電子レシートサービスを提供する店舗において取得された、電子レシートサービスを対象者が利用するための会員コードが店舗から通知されたことに応じて、対象者による店舗の利用を検出する。通知手段は、検出手段により利用が検出された店舗に関して定められた情報を、対象者の立ち寄り先を示す立ち寄り先情報として、対象者に関連づけて定められた通知先に対して、検出手段による検出に応じてリアルタイムに通知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る電子レシートサーバの要部回路構成と、当該電子レシートサーバを含んだ電子レシートシステムの構成とを示すブロック図。
【
図2】
図1中のレシートデータベースに含まれるデータレコードの1つの構成を示す図。
【
図3】
図1中の店舗データベースに含まれるデータレコードの1つの構成を示す図。
【
図4】
図1中の会員データベースに含まれるデータレコードの1つの構成を示す図。
【
図5】
図1中のプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【
図7】
図1中のプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【
図8】
図1中のプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、対象者の行動を確認することを可能とする情報処理装置としての機能を備えた電子レシートサーバを例に説明する。なお、当該電子レシートサーバの機能は、対象者の行動を、対象者以外の者が見守る用途に好適である。そこで以下においては、対象者を「見守り対象者」と称する。また、当該見守り対象者の行動を確認し、当該見守り対象者を見守る者を「見守り者」と称する。
【0009】
図1は本実施形態に係る電子レシートサーバ100の要部回路構成と、当該電子レシートサーバ100を含んだ電子レシートシステムの構成とを示すブロック図である。
電子レシートシステムは、電子レシートサーバ100、複数のPOSシステム200及び情報端末300を、通信ネットワーク400を介して互いに通信可能とすることによって構成されている。
【0010】
電子レシートサーバ100は、既存の電子レシートサービスと同様なサービスと、後述する見守りサービスとを通信ネットワーク400を介して提供するための情報処理を行う。
複数のPOSシステム200は、それぞれ異なる複数の店舗Sに設けられる。POSシステム200は、店舗Sにおける取引の内容を表す取引データ及び当該取引の決済に関わる決済データなどを取得し、管理する。POSシステム200は、電子レシートサーバ100が提供する電子レシートサービスの会員となっている客との取引に関しては、取引データ及び決済データなどの通知を伴って、電子レシートサーバ100に対して電子レシートデータの登録要求を行う。POSシステム200としては、電子レシートサービスに適応した既存のシステムをそのまま用いることができる。そこで、POSシステム200の詳細についての説明は省略する。
【0011】
情報端末300は、電子レシートサービスの会員が利用可能で、通信ネットワーク400を介して電子レシートサーバ100にアクセスしてクライアントとして機能する任意の情報処理装置である。情報端末300は、有線通信及び無線通信のいずれにより通信ネットワーク400に接続されるものであってもよい。情報端末300としては、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話装置、あるいはパーソナルコンピュータなどの既存の様々な装置が適用可能である。そこで、情報端末300の詳細についての説明は省略する。
【0012】
通信ネットワーク400は、典型的には、移動体通信網とインターネットとを組み合わせたものである。しかしながら通信ネットワーク400は、例えば無線LANとVPN(virtual private network)とを組み合わせたものなど、他のどのようなものであってもよい。
【0013】
電子レシートサーバ100は、プロセッサ1、メインメモリ2、補助記憶デバイス3、通信インタフェース4及び伝送路5を備える。プロセッサ1と、メインメモリ2、補助記憶デバイス3及び通信インタフェース4とは、伝送路5によって接続される。
電子レシートサーバ100においては、プロセッサ1、メインメモリ2及び補助記憶デバイス3が伝送路5によって接続されることにより、電子レシートサーバ100を制御するコンピュータを構成している。
【0014】
プロセッサ1は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムに従って、電子レシートサーバ100としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0015】
メインメモリ2は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ2は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ2は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ2は、プロセッサ1が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ2は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ1によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0016】
補助記憶デバイス3は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス3は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶デバイス3は、プロセッサ1が各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ1での処理によって生成されたデータとを保存する。補助記憶デバイス3は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0017】
通信インタフェース4は、通信ネットワーク400を介したデータ通信を行う。通信インタフェース4としては、例えばインターネットを介したデータ通信のための周知の処理を行うように構成された周知のものを用いることができる。
伝送路5は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続されている各部の間で授受されるデータや制御信号を伝送する。
【0018】
さて、補助記憶デバイス3の記憶領域の一部は、レシートデータベース31、店舗データベース32及び会員データベース33として使用される。レシートデータベース31は、電子レシートサービスの会員に電子レシートサービスを提供するための各種の情報を記憶する。店舗データベース32は、POSシステム200を備える店舗Sのそれぞれに関する各種の情報を記憶する。会員データベース33は、電子レシートサービスの会員に関する各種の情報を記憶する。
【0019】
図2はレシートデータベース31に含まれるデータレコードの1つの構成を示す図である。
レシートデータベース31は、
図2に示すようなデータレコードである取引レコード31aの集合である。ただしレシートデータベース31は、
図2に示す取引レコード31aをそのまま複数含んでいる訳ではなく、実際には周知の正規化が行われている。
【0020】
取引レコード31aは、電子レシートサービスの会員が店舗Sで行った取引のそれぞれに対応する。取引レコード31aは、フィールドF11,F12,F13,F14,F15を含む。フィールドF11のデータは、対応する取引を行った会員を識別するための会員コードを表す。フィールドF12のデータは、対応する取引が行われた日付を表す。フィールドF13のデータは、対応する取引が行われた店舗Sを識別するための店舗コードを表す。フィールドF14のデータは、例えば、取引された商品に関する商品コード、商品名、単価及び数量などを含む。つまりフィールドF14のデータは、対応する取引の内容を表した取引データである。フィールドF15のデータは、例えば、小計額、税額、合計額、釣銭額及び決済方法などを含む。つまりフィールドF15のデータは、対応する取引の決済に関する決済データである。なお、取引レコード31aは、上記とは別のデータを含んでいてもよい。
【0021】
図3は店舗データベース32に含まれるデータレコードの1つの構成を示す図である。
店舗データベース32は、
図3に示すようなデータレコードである店舗レコード32aの集合である。ただし店舗データベース32は、
図3に示す店舗レコード32aをそのまま複数含んでいる訳ではなく、実際には周知の正規化が行われている。
【0022】
店舗レコード32aは、複数の店舗Sのそれぞれに対応する。店舗レコード32aは、フィールドF21,F22,F23,F24を含む。フィールドF21のデータは、対応する店舗Sを識別するための店舗コードを表す。フィールドF22のデータは、対応する店舗Sを識別するための店舗名を表す。フィールドF23のデータは、対応する店舗Sの所在地を示す店舗住所を表す。フィールドF24のデータは、該当する店舗Sの所在地を示す店舗座標を表す。店舗座標は、典型的には経緯度であるが、別の任意の座標系に従うものであってもよい。
【0023】
図4は会員データベース33に含まれるデータレコードの1つの構成を示す図である。
会員データベース33は、
図4に示すようなデータレコードである会員レコード33aの集合である。ただし会員データベース33は、
図4に示す会員レコード33aをそのまま複数含んでいる訳ではなく、実際には周知の正規化が行われている。
【0024】
会員レコード33aは、複数の会員のそれぞれに対応する。会員レコード33aは、フィールドF31,F32,F33,F34,F35,F36,F37,F38を含む。フィールドF31のデータは、対応する会員を識別するための会員コードを表す。フィールドF32のデータは、対応する会員を識別するための会員氏名を表す。フィールドF33のデータは、対応する会員が見守り対象者である場合に、見守り者の会員コードを見守り者コードとして表す。フィールドF33のデータは、対応する会員が見守り対象者ではない場合には、予め定められた無効データとされる。フィールドF34のデータは、対応する会員が見守り者である場合に、見守り対象者の会員コードを対象者コードとして表す。フィールドF34のデータは、対応する会員が見守り者ではない場合には、予め定められた無効データとされる。フィールドF35のデータは、例えば、情報端末300を識別するための端末コード、あるいはメールアドレスを表す。つまりフィールドF35のデータは、見守り者に対しての通知先を表す通知先データである。通知先データはフィールドF36のデータは、フィールドF33のデータが示す会員コードで識別される会員に対する通知をリアルタイムで行うか否かの設定を示したリアルタイムフラグを表す。フィールドF37のデータは、対応する会員の取引の履歴を、フィールドF33のデータが示す会員コードで識別される会員が閲覧することを許容するか否かの設定を示した履歴フラグを表す。フィールドF38のデータは、対応する会員の取引の詳細を、フィールドF33のデータが示す会員コードで識別される会員が閲覧することを許容するか否かの設定を示した詳細フラグを表す。
【0025】
電子レシートサーバ100は例えば、ハードウェアとしてサーバ用の汎用のコンピュータ装置を用い、アプリケーションプログラムをメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に書き込むことによって実現できる。なお、アプリケーションプログラムは、電子レシートサーバ100の譲渡の際にメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に記憶されていてもよいし、上記の汎用のコンピュータ装置とは別に譲渡されてもよい。後者の場合、アプリケーションプログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して譲渡される。
【0026】
次に以上のように構成された電子レシートシステムの動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0027】
本実施形態の電子レシートシステムにおける見守りサービスは、電子レシートサービスの利用者を見守り対象者とする。また、見守り者も、電子レシートサービスの利用者とする。このため、見守り対象者及び見守り者のそれぞれに対応する会員レコード33aが、会員データベース33に含まれる。そして見守り対象者に対応する会員レコード33aには、フィールドF33に見守り者の会員コードが記述され、フィールドF34に無効データが記述される。またフィールドF35には、見守り者がプッシュ通知を希望するならば、そのプッシュ通知を受ける情報端末300の端末コードが記述され、見守り者がメール通知を希望するならば、その通知のための電子メールの送信先となるメールアドレスが記述される。またフィールドF36,F37,F38は、例えば見守り対象者と見守り者との関係性を考慮しての電子レシートサービスの提供者による決定に応じて、あるいは会員の希望に応じて、各フラグの状態が設定される。なお、どの会員が見守り対象者又は見守り者となるかは、任意である。一例としては、見守り対象者はお年寄りであり、見守り者は、当該お年寄りの家族である。
【0028】
POSシステム200では、会員に関する取引の内容の登録と決済とが完了すると、会員コード、取引日付、店舗コード、取引データ及び決済データの通知を伴って、電子レシートサーバ100に対して電子レシートデータの登録要求を行う。
【0029】
電子レシートサーバ100が通常の動作状態にあるとき、プロセッサ1はメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に記憶されたアプリケーションプログラムに基づく情報処理を実行する。
図5はプロセッサ1による情報処理のフローチャートである。
【0030】
Act1としてプロセッサ1は、POSシステム200のいずれかから登録要求がなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ1は、上述のように登録要求が行われたならばYesと判定し、Act2へと進む。
Act2としてプロセッサ1は、登録要求とともに通知された各種のデータを含んだ新たな取引レコード31aを含めるようにレシートデータベース31を更新する。
【0031】
Act3としてプロセッサ1は、登録要求とともに通知された会員コードで識別される会員が見守り対象者であるか否かを確認する。つまりプロセッサ1は、取引を行った会員(以下、取引会員と称する)が見守り対象者であるか否かを確認する。プロセッサ1は具体的には、通知された会員コードがフィールドF31に記述されている会員レコード(ここでは、対象者レコードと称する)33aを会員データベース33から取得する。そしてプロセッサ1は、当該対象者レコード33aのフィールドF33に有効な会員コードが記述されているかどうかを確認する。そしてプロセッサ1は、有効な会員コードが記述されていることを確認したならばYesと判定し、Act4へと進む。このようにプロセッサ1は、見守り対象者の会員コードの通知を伴う登録要求を受けた場合に、当該登録要求に伴って通知された店舗コードで識別される店舗Sを見守り対象者が利用したことを検出していることになる。かくしてアプリケーションプログラムに基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは検出手段として機能する。なお、プロセッサ1は、有効な会員コードが記述されていないことを確認したならばAct3にてNoと判定し、Act1の待受状態に戻る。
【0032】
Act4としてプロセッサ1は、取引会員の見守りを行う会員に対してリアルタイム通知がオン設定となっているか否かを確認する。プロセッサ1は具体的には、会員レコード33aのフィールドF34のデータが取引会員の会員コードを表す別の会員レコード(ここでは、見守り者レコードと称する)33aを会員データベース33から取得する。そしてプロセッサ1は、当該見守り者レコード33aのフィールドF36のリアルタイムフラグが、見守り対象者に関する通知をリアルタイムで行う設定を表すならばYesと判定し、Act5へと進む。なお、プロセッサ1は、リアルタイムフラグが、通知をリアルタイムで行わない設定を表すならばAct4にてNoと判定し、Act1の待受状態に戻る。
【0033】
Act5としてプロセッサ1は、見守り者に対してプッシュ通知が設定されているか否かを確認する。プロセッサ1は具体的には、Act4で取得した見守り者レコード33aのフィールドF35のデータが、端末コードを表すか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、該当するデータが端末コードを表すならばYesと判定し、Act6へと進む。
Act6としてプロセッサ1は、見守り者レコード33aのフィールドF35のデータが表す端末コードで識別される情報端末300に対してプッシュ通知を行う。このプッシュ通知は、取引会員がどの店舗Sで取引を行ったかを、見守り者に知らせるものである。
【0034】
図6はプッシュ通知に基づいて情報端末300において表示される一例としての通知画面SC1を示す図である。
通知画面SC1は、メッセージ画像IM1及びボタンB1,B2を表す。
【0035】
メッセージ画像IM1は、「山田太郎さんが、」「4月1日 10:00に、」「○×ストア 中央店」及び「を利用しました。」の文字列を含んでいる。
文字列「山田太郎」は、対象者レコード33aのフィールドF32に表された会員氏名である。文字列「4月1日 10:00」は、登録要求とともに通知された取引日時である。文字列「○×ストア 中央店」は、登録要求とともに通知された店舗コードに関連づけて店舗レコード32aのフィールドF22に表された店舗名である。この文字列「○×ストア 中央店」、すなわち店舗名称は、見守り対象者の立ち寄り先を特定可能な情報の1つであるから、見守り対象者の立ち寄り先を示す立ち寄り先情報の一例である。そしてこのような情報を含んだ通知画面を、見守り対象者に関連づけられた見守り者の情報端末300に送信することは、上記の立ち寄り先情報を、見守り対象者に関連づけて予め定められた通知先に対して通知することに相当する。かくしてアプリケーションプログラムに基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは上記の通知を行う通知手段として機能する。
【0036】
ボタンB1,B2は、通知画面SC1の表示を終了する旨、又は取引の詳細を表示する旨の指定を受けるためのGUI(graphical user interface)である。なお、メッセージ画像IM1は、通知画面SC1以外の通知画面においては別のメッセージ画像に置き換えられる。しかしながらボタンB1,B2は、全ての通知画面に共通に表される。
【0037】
一方、プロセッサ1は、見守り者レコード33aのフィールドF35のデータがメールアドレスを表すならば、Act5にてNoと判定し、Act7へと進む。
Act7としてプロセッサ1は、電子メールを、見守り者レコード33aのフィールドF35のデータが表すメールアドレスに宛てて送信する。プロセッサ1は例えば、当該電子メールの本文には、上記のメッセージ画像IM1に示されるのと同様な文字列と、取引の詳細の表示を電子レシートサーバ100に要求するためのリンクとを含める。
プロセッサ1は、Act6又はAct7を終えたならば、Act1の待受状態に戻り、別の登録要求に備える。
【0038】
ところで電子レシートサーバ100が通常の動作状態にあるとき、プロセッサ1はメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に記憶されたアプリケーションプログラムに基づき、
図5に示すのとは別の情報処理を並行的に実行する。
図7及び
図8はプロセッサ1による情報処理のフローチャートである。
【0039】
Act11としてプロセッサ1は、会員によるウェブアクセスがなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ1は、任意の情報端末300からのウェブアクセスを受け、そのアクセス者が会員であることを例えば周知の認証処理により確認したならば、Yesと判定してAct12へと進む。なお、このときにプロセッサ1は、電子レシートサービスにより提供するいくつかのサービスをアクセス者に選択させるための操作画面を情報端末300に表示させる。この操作画面で選択できるサービスの1つは、見守り者が見守り対象者の行動を確認可能とする見守り機能である。
【0040】
見守り機能を用いて他の会員の行動を確認したい会員は、情報端末300を用いて電子レシートサーバ100へとウェブアクセスし、上記の操作画面において見守り機能を指定する。なお会員は、例えば当該会員自身が行った取引の内容を確認するなどの目的で見守り機能以外のサービスを利用するならば、そのサービスを上記の操作画面において指定する。
【0041】
Act12としてプロセッサ1は、アクセス者が見守り機能による情報閲覧を指定したか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、アクセス者が見守り機能以外のサービスを指定したならばNoと判定し、その指定されたサービスに応じた処理を実行するための処理へと進む。この場合の処理は、例えば既存の電子レシートサービスを実現するための周知の処理であってよく、この実施形態の特徴ではないので、その説明は省略する。一方でプロセッサ1は、アクセス者が見守り機能を指定したならばYesと判定し、Act13へと進む。
【0042】
Act13としてプロセッサ1は、アクセス者が見守り者であるか否かを確認する。プロセッサ1は具体的には、フィールドF33のデータがアクセス者の会員コードと一致する会員レコード33aを会員データベース33から検索し、該当する会員レコード33aが存在すれば、見守り者であると判定する。プロセッサ1は、該当する会員レコード33aが存在しなければ、Act11の待受状態に戻り、別の会員アクセスに備える。プロセッサ1は、該当する会員レコード33aが存在したならば、Act13にてYesと判定し、Act14へと進む。なお、Act13にてNoと判定してAct11の待機状態に戻るときにプロセッサ1は、アクセス者が見守り機能を利用できない旨の表示を、情報端末300で行わせてもよい。あるいはプロセッサ1は、アクセス者が見守り者ではない場合には、上記の操作画面において見守り機能を指定できないようにし、Act13を行わなくてもよい。
なお、前述のプッシュ通知に基づく通知画面においてボタンB2を押す操作が情報端末300で行われたならば、情報端末300はその旨の通知を伴って電子レシートサーバ100にウェブアクセスする。また前述の電子メールに含められたリンクをクリックする操作が情報端末300で行われたならば、情報端末300はリンクに基づいて電子レシートサーバ100にウェブアクセスする。プロセッサ1は、これらのウェブアクセスがなされたならば、Act11,Act12及びAct13のいずれもYesと判定し、Act14へと進む。
【0043】
Act14としてプロセッサ1は、アクセス者による履歴閲覧が許容されているか否かを確認する。プロセッサ1は具体的には、フィールドF33のデータがアクセス者の会員コードと一致する会員レコード(ここでは、対象者レコードと称する)33aのフィールドF37の履歴フラグが許容を示す状態であるか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、履歴閲覧が許容されていないならばNoと判定し、Act15へと進む。
【0044】
Act15としてプロセッサ1は、最終店舗画面をアクセス元の情報端末300に送信する。最終店舗画面は、見守り対象者が行い、かつ電子レシート登録の対象となった取引のうちの最新の取引をどの店舗Sで取引を行ったかを、見守り者に知らせるものである。情報端末300は、この最終店舗画面を表示する。
【0045】
図9は情報端末300において表示される一例としての最終店舗画面SC2を示す図である。
最終店舗画面SC2は、メッセージ画像IM2及びボタンB3を表す。
【0046】
メッセージ画像IM2は、「山田太郎さんは、」「4月1日 10:00に、」「○×ストア 中央店」及び「を利用しています。」の文字列を含んでいる。
文字列「山田太郎」は、対象者レコード33aのフィールドF32に表された会員氏名である。文字列「4月1日 10:00」は、対象者レコード33aのフィールドF31に表された会員コードにフィールドF11のデータが一致する取引レコード31aのフィールドF12に表された取引日付である。なお日付を表す当該文字列は、該当する取引レコード31aが複数存在する場合には、それらの取引レコード31aのフィールドF12にそれぞれ表された取引日付のうちの最近のものである。文字列「○×ストア 中央店」は、上記の取引日付を得た取引レコード31aのフィールドF13に表された店舗コードに関連づけて店舗レコード32aのフィールドF22に表された店舗名である。
【0047】
ボタンB3は、最終店舗画面SC2を、最新の利用店舗に関するものに更新する旨の指定を受けるためのGUIである。なお、メッセージ画像IM2は、最終店舗画面SC2以外の最終店舗画面においては別のメッセージ画像に置き換えられる。しかしながらボタンB3は、全ての最終店舗画面に共通に表される。
【0048】
なお、一人の会員が別の複数の会員の見守り者となることを許容するならば、複数の会員に関する会員レコード33aのそれぞれのフィールドF33に同じ会員コードが設定されることがあり得る。そしてこの場合には、対象者レコード33aが複数存在することがあり得る。プロセッサ1は、対象者レコード33aが複数存在するならば、それらの対象者レコード33aのそれぞれに関して個別に最終店舗画面を生成する。そしてプロセッサ1は、一定時間毎に自動で、あるいはアクセス者の指示に応じて、複数の最終店舗画面を順次に表示する。あるいはプロセッサ1は、複数の対象者レコード33aに関する情報をいずれも示した1つの最終店舗画面を情報端末300に表示させてもよい。あるいはプロセッサ1は、複数の対象者レコード33aに対応する見守り対象者のリストを表す画面を情報端末300に表示させ、アクセス者による見守り対象者の指定に応じて、その見守り対象者についての最終店舗画面を情報端末300に表示させてもよい。
【0049】
アクセス者は、最終店舗画面に示される情報を最新の情報に更新したい場合は、ボタンB3を押す操作を情報端末300にて行う。そうすると情報端末300は、電子レシートサーバ100に対して更新要求を行う。
【0050】
Act16としてプロセッサ1は、更新要求がなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ1は、上記のように更新要求が行われたならばYesと判定し、Act15に戻る。このときにプロセッサ1は、レシートデータベース31の最新の状態を考慮して最終店舗画面を作り直し、要求元の情報端末300へと送信する。かくして、見守り対象者が、電子レシートの登録を伴う新たな取引を行った場合には、その取引がどの店舗Sで行われたのかを表すように、情報端末300で表示される最終店舗画面が更新される。
【0051】
一方、プロセッサ1は、アクセス者による履歴閲覧が許容されているならばAct14にてYesと判定し、
図8中のAct17へと進む。なお、対象者レコード33aが複数存在する場合、履歴閲覧を許容する設定と、許容しない設定とが混在している場合がある。プロセッサ1はこの場合、1つの対象者レコード33aでも履歴閲覧を許容する設定となっているならば、Act14にてYesと判定することとする。ただしこの場合にプロセッサ1は、履歴閲覧を許容しない設定となっている会員レコード33aを対象者レコード33aから除外し、履歴閲覧を許容する設定となっている対象者レコード33aのみを以降の処理における対象者レコード33aとする。
【0052】
Act17としてプロセッサ1は、一覧画面をアクセス元の情報端末300に送信する。一覧画面は、見守り対象者が行い、かつ電子レシート登録の対象となった取引が、いつ、どこで行われたのかを一覧として示す。プロセッサ1は具体的には、見守り対象者の会員コードにフィールドF11のデータが一致する取引レコード31aをレシートデータベース31から抽出し、当該取引レコード31aに基づいて一覧画面を生成する。情報端末300は、この一覧画面を表示する。
図10は一例としての一覧画面SC3を示す図である。
一覧画面SC3は、一覧画像IM3及びボタンB4を表す。
【0053】
一覧画像IM3は、上記の一覧を示す。
【0054】
ボタンB4は、地図画面への表示変更の要求を受けるためのGUIである。なお、一覧画像IM3は、一覧画面SC3以外の一覧画面においては別の一覧画像に置き換えられる。しかしながらボタンB4は、全ての一覧画面に共通に表される。
【0055】
なおプロセッサ1は、対象者が複数存在するならば、それらの対象者のそれぞれに関して個別に一覧画面を生成する。そしてプロセッサ1は、一定時間毎に自動で、あるいはアクセス者の指示に応じて、複数の一覧画面を順次に表示する。あるいはプロセッサ1は、複数の見守り対象者のリストを表す画面を情報端末300に表示させ、アクセス者によるいずれかの見守り対象者の指定に応じて、その見守り対象者についての一覧画面を情報端末300に表示させてもよい。
【0056】
Act18としてプロセッサ1は、変更要求が行われたか否かを確認する。プロセッサ1は具体的には、ボタンB3を押す操作が情報端末300にて行われたか否かを確認する。そして当該操作が行われていないならばNoと判定し、Act19へと進む。
Act19としてプロセッサ1は、取引指定がなされたか否かを確認する。プロセッサ1は具体的には、一覧画像IM3内にて、いずれか1つの取引を指定するための操作が情報端末300にて行われたか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、当該操作が行われていないならばNoと判定し、Act18へと戻る。
かくしてプロセッサ1はAct18及びAct19においては、変更要求又は取引指定のいずれかがなされるのを待ち受ける。アクセス者は、見守り対象者が行った取引の詳細を確認したい場合には、例えば取引日付を表す文字列又は店舗名を表す文字列をタッチするなどして1つの取引を指定する操作を情報端末300で行う。情報端末300は当該操作が行われたならば、その旨を電子レシートサーバ100に通知する。プロセッサ1は、このような通知がなされたならば、Act19にてYesと判定し、Act20へと進む。
【0057】
Act20としてプロセッサ1は、指定された取引の詳細を表したレシート画面をアクセス元の情報端末300に送信する。レシート画面は、取引の内容及び決済の状況を表す画面である。
図11は一例としてのレシート画面SC4を示す図である。
レシート画面SC4は、レシート画像IM4及びボタンB5を表す。
【0058】
レシート画像IM4は、取引の詳細を表している。レシート画像IM4は、例えば通常の電子レシートサービスにおいて過去の取引の詳細を会員に確認させるために情報端末300において表示させる画面に類似するものであってよい。
【0059】
ボタンB5は、レシート画面SC4の表示を終了する旨の指示を受けるためのGUIである。なお、レシート画像IM4は、レシート画面SC4以外のレシート画面においては別のレシート画像に置き換えられる。しかしながらボタンB5は、全てのレシート画面に共通に表される。
【0060】
Act21としてプロセッサ1は、終了指示がなされるのを待ち受ける。プロセッサ1は具体的には、ボタンB5を押す操作がなされるのを待ち受ける。アクセス者は、取引の詳細を確認し終えたならば、ボタンB5を押す操作を情報端末300で行う。プロセッサ1は、このような操作が行われたならばYesと判定し、Act17に戻る。つまりプロセッサ1は、情報端末300における表示を一覧画面に戻す。
【0061】
一方、アクセス者は、地図において見守り対象者の取引の履歴を確認したい場合には、ボタンB4を押す操作を情報端末300で行う。情報端末300は当該操作が行われたならば、その旨を電子レシートサーバ100に通知する
。プロセッサ1は、このような通知がなされたならばAct18にてYesと判定し、Act22へと進む。
Act22としてプロセッサ1は、地図画面をアクセス元の情報端末300に送信する。地図画面は、見守り対象者が行い、かつ電子レシート登録の対象となった取引が、いつ、どこで行われたのかを地図上に示す。プロセッサ1は具体的には、見守り対象者の会員IDにフィールドF11のデータが一致する取引レコード31aをレシートデータベース31から抽出し、当該取引レコード31aに基づいて地図画面を生成する。情報端末300は、この地図画面を表示する。
図12は一例としての地図画面SC5を示す図である。
地図画面SC5は、地図画像IM5及びボタンB6を表す。
【0062】
地図画像IM5は、予め用意された地図に、取引が行われた店舗Sの位置を示す黒丸と、その店舗Sで取引が行われた日付を示す文字列とを合成して表している。なお、プロセッサ1は具体的には、上記のように抽出した取引レコード31aのフィールドF13に記述された店舗コードにフィールドF21のデータが一致する店舗レコード32aを店舗データベース32から抽出する。そしてプロセッサ1は、当該抽出した店舗レコード32aのフィールドF23又はF24のデータに基づいて、上記の黒点を合成する位置を決定する。つまり、この黒点を合成する位置を決定するために用いるフィールドF23又はF24のデータ、すなわち店舗住所又は店舗座標はいずれも、見守り対象者の立ち寄り先を特定可能な情報の1つであり、見守り対象者の立ち寄り先を示す立ち寄り先情報の一例である。
【0063】
ボタンB6は、一覧画面への表示変更の要求を受けるためのGUIである。なお、地図画像IM5は、地図画面SC5以外の地図画面においては別の地図画像に置き換えられる。しかしながらボタンB6は、全ての地図画面に共通に表される。
【0064】
以上の一覧画面及び地図画面はいずれも、一人の見守り対象者による施設の利用についての検出の履歴を示す履歴情報に該当する。かくしてアプリケーションプログラムに基づく情報処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは上記の履歴情報を生成する生成手段として機能する。
【0065】
Act23としてプロセッサ1は、変更要求が行われたか否かを確認する。プロセッサ1は具体的には、ボタンB6を押す操作が情報端末300にて行われたか否かを確認する。そして当該操作が行われていないならばNoと判定し、Act24へと進む。
Act24としてプロセッサ1は、取引指定がなされたか否かを確認する。プロセッサ1は具体的には、地図画像IM5内にて、いずれか1つの取引を指定するための操作が情報端末300にて行われたか否かを確認する。そしてプロセッサ1は、当該操作が行われていないならばNoと判定し、Act23へと戻る。
かくしてプロセッサ1はAct23及びAct24においては、変更要求又は取引指定のいずれかがなされるのを待ち受ける。アクセス者は、見守り対象者が行った取引の詳細を確認したい場合には、例えば取引日付を表す文字列をタッチするなどして1つの取引を指定する操作を情報端末300で行う。プロセッサ1は、このような操作が行われたならば、Act24にてYesと判定し、Act25へと進む。
Act25としてプロセッサ1は、Act20と同様にレシート画面をアクセス元の情報端末300に送信する。
【0066】
Act26としてプロセッサ1は、終了指示がなされるのを待ち受ける。アクセス者は、取引の詳細を確認し終えたならば、上述と同様な操作を情報端末300で行う。情報端末300は当該操作が行われたならば、その旨を電子レシートサーバ100に通知する。プロセッサ1は、このような通知がなされたならばYesと判定し、Act22に戻る。つまりプロセッサ1は、情報端末300における表示を地図画面に戻す。
【0067】
一方、アクセス者は、一覧画面により見守り対象者の取引の履歴を確認したい場合には、ボタンB6を押す操作を情報端末300で行う。情報端末300は当該操作が行われたならば、その旨を電子レシートサーバ100に通知する。プロセッサ1は、このような通知がなされたならばAct23にてYesと判定し、Act17へと戻る。つまりプロセッサ1は、情報端末300における表示を一覧画面に戻す。
【0068】
なお、プロセッサ1は、
図7及び
図8に示す情報処理のいずれの段階においても、予め定められた終了操作が情報端末300にて行われたことに応じて情報端末300から終了要求がなされた場合には、
図7及び
図8に示す情報処理を終了する。
【0069】
以上のように電子レシートサーバ100によれば、見守り対象者が店舗Sで取引を行った場合には、当該取引がどの店舗Sで行われたのかを見守り者が確認できる。例えば、見守り者は、見守り対象者が通常の行動範囲外の店舗Sを利用した場合には、通常の行動範囲を超えた異常な見守り対象者の行動として認識できる。また例えば、見守り者は、見守り対象者が通常は利用しない店舗Sを利用した場合に、異常な見守り者の行動として認識できる。逆に、見守り対象者の行動が正常であると見守り者が認識するならば、見守り者は安心することができる。このようにして電子レシートサーバ100は、見守り者による見守り対象者の見守りを支援することができる。
【0070】
そして電子レシートサーバ100は、店舗SのPOSシステム200で取得された見守り対象者の会員コードが通知されたことをもって、見守り対象者が店舗Sを利用したことを検出し、店舗Sを立ち寄り先として見守り対象者に通知している。従って、見守り対象者が、見守り対象者自身の位置を検出するための機器を携行する必要はない。また電子レシートサーバ100は、電子レシートシステムにおける登録要求を利用して、見守り対象者が店舗Sを利用したことを検出するので、既存の電子レシートシステムを有効利用して簡易に実現することが可能である。
【0071】
また電子レシートサーバ100は、見守り対象者が店舗Sを利用したことを検出したことに応じて、プッシュ通知又はメール送信による通知を行う。従って、見守り対象者が店舗Sを利用したことが、見守り者に対してリアルタイムに通知されることになる。従って、見守り対象者の異常行動を、見守り者が速やかに認識することができる。また、見守り者は、見守り対象者が直前に居た場所を通知に基づいて特定できることから、見守り者が見守り対象者の現在位置を容易に推定できる。
【0072】
また電子レシートサーバ100は、一人の見守り対象者による店舗の利用についての検出の履歴を示す履歴情報を、一覧画面又は地図画面として通知する。これにより見守り者は、見守り対象者が店舗を利用した履歴を確認することが可能であり、これにより見守り対象者の行動を詳細に確認可能となる。なお電子レシートサーバ100は、見守り対象者となる会員毎の設定により、見守り対象者への一覧画面又は地図画面の通知を行うか否かを決定する。これにより、見守り対象者の見守りのために必要性が高い場合などに限って、上記の履歴確認を許容することができ、見守り対象者のプライバシーが不必要に侵害されることを防止できる。
【0073】
また電子レシートサーバ100は、見守り対象者が行った取引の詳細をレシート画面として通知する。これにより見守り者は、見守り対象者が行った取引の内容をも加味して、見守り対象者の行動を確認可能となる。例えば、見守り対象者が、不必要に高額商品を購買した場合、あるいは未成年である見守り対象者が酒類又はタバコ等を購買した場合、などのよう不適切な取引を見守り者が確認できる。なお電子レシートサーバ100は、見守り対象者となる会員毎の設定により、見守り対象者へのレシート画面の通知を行うか否かを決定する。これにより、見守り対象者の見守りのために必要性が高い場合などに限って、上記の詳細確認を許容することができ、見守り対象者のプライバシーが不必要に侵害されることを防止できる。
【0074】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
見守り対象者による利用を検出する施設は、店舗Sには限らず、例えば駅又は図書館などのような任意の施設であってよい。駅であれば、定期券又は電子マネーによる入出場を、施設の利用として検出すればよい。図書館であれば、図書の借り出し手続きがなされたことを施設の利用として検出すればよい。
【0075】
通知画面又は一覧画面においては、店舗名称に代えて、あるいは店舗名称に加えて、店舗住所を表すなどのように、立ち寄り先情報として通知する情報は、見守り対象者の立ち寄り先を見守り者が認識可能であれば、任意の情報であってよい。
【0076】
別の既存の電子レシートサーバと連携して上記の見守りサービスを提供する、電子レシートサーバとは別の装置として情報処理装置を実現してもよい。あるいは、例えば上記のように駅への入出場をもって駅の利用を検出するのであれば、当該入出場を管理するサーバ装置に情報処理装置の機能を備えるなど、電子レシートサーバ以外の装置において情報処理装置を実現してもよい。
【0077】
プロセッサ1が行う前述した情報処理の一部は省略してもよい。例えば、Act4を省略し、Act3でYesと判定したならば必ず通知を行ってもよい。また例えば、Act5を省略し、Act6又はAct7のいずれか一方のみを実行してもよい。また例えば、Act14を省略し、Act13でYesと判定したならば、Act17へと進んでもよい。また例えば、Act18及びAct22~Act26を行わなくてもよい。また例えば、Act17~Act21及びAct23を行わなくてもよい。また例えば、Act19~Act21を行わなくてもよい。また例えば、Act24~Act26を行わなくてもよい。
【0078】
上記の情報処理によりプロセッサ1が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 対象者による施設の利用を検出する検出手段と、
前記検出手段により利用が検出された施設に関して定められた情報を、前記対象者の立ち寄り先を示す立ち寄り先情報として、前記対象者に関連づけて定められた通知先に対して通知する通知手段と、
を具備した情報処理装置。
[付記2] 前記通知手段は、前記検出手段により前記施設の利用が検出されたことに応じて、前記立ち寄り先情報を通知する、
付記1に記載の情報処理装置。
[付記3] 一人の対象者による施設の利用についての前記検出手段による検出の履歴を示す履歴情報を生成する生成手段、
をさらに備え、
かつ前記通知手段は、前記生成手段により生成された履歴情報を、前記立ち寄り先情報として通知する、
付記1又は付記2に記載の情報処理装置。
[付記4] 前記生成手段は、前記検出手段による検出の履歴を地図上に示す画像情報として前記履歴情報を生成する、
付記3に記載の情報処理装置。
[付記5] 前記検出手段は、電子レシートサービスを提供する店舗において取得された、前記電子レシートサービスを前記対象者が利用するための会員コードが前記店舗から通知されたことに応じて、前記対象者による前記施設としての前記店舗の利用を検出する、付記1-付記4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[付記6] 情報処理装置を制御するコンピュータを、
対象者による施設の利用を検出する検出手段と、
前記検出手段により利用が検出された施設に関して定められた情報を、前記対象者の立ち寄り先を示す立ち寄り先情報として、前記対象者に関連づけて定められた通知先に対して通知する通知手段と、
して機能させるためのプログラム。
[付記7] 対象者による施設の利用を検出し、
当該利用が検出された施設に関して定められた情報を、前記対象者の立ち寄り先を示す立ち寄り先情報として、前記対象者に関連づけて定められた通知先に対して通知する、通知方法。
【符号の説明】
【0080】
1…プロセッサ、2…メインメモリ、3…補助記憶デバイス、4…通信インタフェース、5…伝送路、31…レシートデータベース、31a…取引レコード、32…店舗データベース、32a…店舗レコード、33…会員データベース、33a…会員レコード(アクセス者レコード、見守り者レコード、対象者レコード)、100…電子レシートサーバ、200…POSシステム、300…情報端末、400…通信ネットワーク。