(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】鋳型粉末及び鋳型コーティング
(51)【国際特許分類】
B22C 3/00 20060101AFI20230426BHJP
B22D 13/02 20060101ALI20230426BHJP
B22D 13/10 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B22C3/00 G
B22C3/00 B
B22D13/02 501B
B22D13/10 502H
(21)【出願番号】P 2021530271
(86)(22)【出願日】2019-11-28
(86)【国際出願番号】 NO2019050261
(87)【国際公開番号】W WO2020111948
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-27
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520239883
【氏名又は名称】エルケム エーエスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ギルマン, フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】トゥミ, ムラド
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-507125(JP,A)
【文献】米国特許第06102983(US,A)
【文献】国際公開第2006/068487(WO,A1)
【文献】特開2001-269767(JP,A)
【文献】国際公開第2018/004357(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/004356(WO,A1)
【文献】特表2008-536688(JP,A)
【文献】特開平03-130344(JP,A)
【文献】特開平04-308018(JP,A)
【文献】特開平06-246415(JP,A)
【文献】特公昭43-001737(JP,B1)
【文献】特公昭46-012620(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 1/00-3/02
B22D 1/00
B22D 13/00-13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造鋳型の内側表面をコーティングするための鋳型粉末であって、10~99.5重量%のフェロシリコン合金と、
3~50重量%の硫化鉄と、及び任意選択的に、
1~30重量%のCaSi合金と、及び/又は
1~10重量%のCaF
2
からなる、鋳型粉末。
【請求項2】
鋳型粉末が、50~95重量%のフェロシリコン合金と、5~50重量%の硫化鉄とを含む、請求項1に記載の鋳型粉末。
【請求項3】
鋳型粉末が、70~90重量%のフェロシリコン合金と、10~30重量%の硫化鉄とを含む、請求項2に記載の鋳型粉末。
【請求項4】
鋳型粉末が、50~70重量%のフェロシリコン合金と、30~50重量%の硫化鉄とを含む、請求項2に記載の鋳型粉末。
【請求項5】
鋳型粉末が、
30~90重量%のフェロシリコン合金と、
3~30重量%の硫化鉄と、
5~30重量%のCaSi合金と、
1~10重量%のCaF
2
からなる、請求項1に記載の鋳型粉末。
【請求項6】
硫化鉄が、FeS、FeS
2又はこれらの混合物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の鋳型粉末。
【請求項7】
フェロシリコン合金が、40~80重量%のケイ素と、最大6重量%のカルシウムと、最大11重量%のバリウムと、最大5重量%のアルミニウム、ストロンチウム、マンガン、ジルコニウム、希土類元素、ビスマス及びアンチモンの元素のうちの1つ以上と、任意選択的に最大3重量%のマグネシウムと、任意選択的に最大1重量%のチタンと、任意選択的に最大1重量%の鉛と、残部の鉄及び偶発的不純物とを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の鋳型粉末。
【請求項8】
CaSi合金が、28~32重量%のカルシウム、残部のケイ素及び偶発的不純物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の鋳型粉末。
【請求項9】
フェロシリコン合金の粒径が、60μm~0.5mmである、請求項1~8のいずれか一項に記載の鋳型粉末。
【請求項10】
硫化鉄の粒径が20μm~0.5mmである、請求項1~9のいずれか一項に記載の鋳型粉末。
【請求項11】
鋳型粉末が、フェロシリコン合金粒子、硫化鉄粒子、並びに微粒子形態の任意のCaSi合金及びCaF
2の、機械的混合物又はブレンドの形態であり、CaSi合金及びCaF
2の粒径が20μm~0.5mmの範囲である、請求項1~10のいずれか一項に記載の鋳型粉末。
【請求項12】
鋳型粉末が、乾燥形態、湿式スラリの形態、又は乾式若しくは湿式吹き付けの形態である、請求項1~11のいずれか一項に記載の鋳型粉末。
【請求項13】
鋳造鋳型の内側表面上の鋳型コーティングであって、
10~99.5重量%のフェロシリコン合金と、
3~50重量%の硫化鉄と、及び
任意選択的に、1~30重量%のCaSi合金と、及び/又は
1~10重量%のCaF
2
からなる、鋳型コーティング。
【請求項14】
鋳型コーティングが、50~95重量%のフェロシリコン合金と、5~50重量%の硫化鉄とを含む、請求項13に記載の鋳型コーティング。
【請求項15】
鋳型コーティングが、70~90重量%のフェロシリコン合金と、10~30重量%の硫化鉄とを含む、請求項14に記載の鋳型コーティング。
【請求項16】
鋳型コーティングが、50~70重量%のフェロシリコン合金と、30~50重量%の硫化鉄とを含む、請求項14に記載の鋳型コーティング。
【請求項17】
鋳型コーティングが、30~90重量%のフェロシリコン合金と、
3~30重量%の硫化鉄と、
5~30重量%のCaSi合金と、
1~10重量%のCaF
2
からなる、請求項13に記載の鋳型コーティング。
【請求項18】
硫化鉄が、FeS、FeS
2又はこれらの混合物である、請求項13~17のいずれか一項に記載の鋳型コーティング。
【請求項19】
フェロシリコン合金が、40~80重量%のケイ素と、最大6重量%のカルシウムと、最大11重量%のバリウムと、最大5重量%のアルミニウム、ストロンチウム、マンガン、ジルコニウム、希土類元素、ビスマス及びアンチモンの元素のうちの1つ以上と、任意選択的に最大3重量%のマグネシウムと、任意選択的に最大1重量%のチタンと、任意選択的に最大1重量%の鉛と、残部の鉄及び偶発的不純物とを含む、請求項13~18のいずれか一項に記載の鋳型コーティング。
【請求項20】
CaSi合金が、28~32重量%のカルシウム、残部のケイ素及び偶発的不純物を含む、請求項13~19のいずれか一項に記載の鋳型コーティング。
【請求項21】
フェロシリコン合金の粒径が、60μm~0.5mmである、請求項13~20のいずれか一項に記載の鋳型コーティング。
【請求項22】
硫化鉄の粒径が20μm~0.5mmである、請求項13~21のいずれか一項に記載の鋳型コーティング。
【請求項23】
鋳型コーティングが、鋳型内に導入される鋳鉄の重量に基づいて、0.1~0.5重量%で塗布される、請求項13~22のいずれか一項に記載の鋳型コーティング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延性鋳鉄の鋳造に使用される内側鋳型表面をコーティングするための鋳型粉末と、鋳造鋳型の内側表面上の鋳型コーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
延性鉄パイプは、一般に遠心鋳造によって製造される。遠心鋳造では、溶融金属を急速に回転する金型のキャビティ内に注ぎ、金属を遠心力によって金型の壁に対して保持し、パイプの形態で凝固する。鋳造機は、典型的には、ウォータージャケットによって囲まれた円筒形鋼鋳型を含み、液体延性鉄は鋳込みによって導入され、このような鋳造機は、DeLavaud鋳造機として知られている。鋳型は、内側表面上の鋳型粉末によってコーティングされる。鋳型の内側表面上に鋳型粉末を使用するいくつかの目的が存在し、いくつかの理由は以下の通りである。
-鋳型寿命を延ばすために熱障壁を形成することと、
-鋳型からの鋳造製品の抽出を容易にすることと、
-鋳造製品に形成される炭化物の量を低減することと、
-表面欠陥を低減することである。
【0003】
米国特許第4,058,153号は、回転鋳型での遠心鋳造による延性鉄パイプの製造のためのプロセスを開示している。鋳型の内側表面は、水中懸濁液中のシリカ及びベントナイトの混合物と、粉末化された接種製品の薄層とでコーティングされる。この製造プロセスは、一般的に「湿式吹き付け」プロセスで示される。
【0004】
「乾式吹き付け」プロセスでは、鋳型粉末は、接種剤、鋳造表面上の欠陥(特にピンホール)の形成を低減する構成要素、及び不活性鉱物充填剤を含むいくつかの構成要素の混合物から構成され得る。従来の鋳型粉末は、フェロシリコン、CaSi、CaF2、及びMg又はCaなどの高度に還元された金属を含む米国特許第7,615,095(B2)号に記載されている。しかしながら、過剰な純Mgを用いて、MgO(スラグ含有物)を鋳型表面上に形成することができ、これは望ましくない効果をもたらし得る。
【0005】
延性鉄パイプの主な欠陥の1つは、ピンホールなどの表面欠陥である。ピンホールは、典型的には、パイプの外側表面に位置する穴であり、鋳造製品の構造的完全性を損なう場合があるため、鋳造製品では一般的に望ましくない。鋳鉄パイプのピンホール欠陥は、パイプが水圧で接続されたときに、漏水を発生させ得る。ピンホールは、80mm~300mmの直径などの小さな直径を有するパイプにおいてより一般的である。またピンホールは、湿式吹き付けプロセスと比較して、乾燥吹き付けプロセスで製造された延性鋳鉄パイプでより頻繁に発生する。特定の条件下、鋳鉄の化学組成、例えば高炭素当量、及び注入温度では、ピンホール形成を防止することは困難である。
【0006】
鋳造パイプ製品の表面に多数のピンホールがある場合、パイプ鋳造所は、鋳型表面の鋳型粉末の増加がピンホールの形成を減少させる可能性があるため、鋳型粉末の添加量を増加させる可能性がある。しかしながら、鋳型粉末の添加速度が速いと、コストが高くなり、更にスラグの問題につながる可能性がある。また、鋳造パイプ内に溶解されていないフェロシリコンのリスクもあり、これは機械的特性を低下させ得る。鋳型表面上の鋳型粉末の量の増加がピンホール形成を回避するのに十分でない場合、鋳造所は通常、鋼鋳型を交換しなければならない。
【0007】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点の少なくとも一部を緩和する鋳鉄鋳造用の鋳造鋳型の内側表面をコーティングするための鋳型粉末を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、延性鉄パイプにおけるピンホールの形成を防止する、又は少なくとも著しく低減させる鋳型粉末を提供することである。別の目的は、上記の欠点を伴わずに、延性鋳鉄パイプ内のピンホールの数を低減する鋳型粉末を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様では、本発明は、鋳造鋳型の内側表面をコーティングするための鋳型粉末であって、
10~99.5重量%のフェロシリコン合金と、
0.5~50重量%の硫化鉄と、及び任意選択的に、
1~30重量%のCaSi合金と、及び/又は
1~10重量%のCaF2
とを含む、鋳型粉末に関する。
【0010】
一実施形態では、鋳型粉末は、50~95重量%のフェロシリコン合金と、5~50重量%の硫化鉄とを含む。
【0011】
一実施形態では、鋳型粉末は、70~90重量%のフェロシリコン合金と、10~30重量%の硫化鉄とを含む。
【0012】
一実施形態では、鋳型粉末は、50~70重量%のフェロシリコン合金と、30~50重量%の硫化鉄とを含む。
【0013】
一実施形態では、鋳型粉末は、
30~90重量%のフェロシリコン合金と、
0.5~30重量%の硫化鉄と、
5~30重量%のCaSi合金と、
1~10重量%のCaF2
を含む。
【0014】
一実施形態では、硫化鉄は、FeS、FeS2又はこれらの混合物である。
【0015】
一実施形態では、フェロシリコン合金は、通常の量において、40~80重量%のケイ素と、最大6重量%のカルシウムと、最大11重量%のバリウムと、最大5重量%のアルミニウム、ストロンチウム、マンガン、ジルコニウム、希土類元素、ビスマス及びアンチモンの元素のうちの1つ以上と、任意選択的に最大3重量%のマグネシウムと、任意選択的に最大1重量%のチタンと、任意選択的に最大1重量%の鉛と、残部の鉄及び偶発的不純物とを含む。
【0016】
一実施形態では、CaSi合金は、通常の量において、28~32重量%のカルシウム、残部のケイ素及び偶発的不純物を含む。
【0017】
一実施形態では、フェロシリコン合金の粒径は、60μm~0.5mmである。
【0018】
一実施形態では、硫化鉄の粒径は、20μm~0.5mmである。
【0019】
一実施形態では、鋳型粉末は、フェロシリコン合金粒子と硫化鉄粒子との機械的混合物又はブレンドの形態であり、任意選択のCaSi合金及びCaF2が微粒子形態である。
【0020】
一実施形態では、鋳型粉末が、乾燥形態、湿式スラリの形態、又は乾式若しくは湿式吹き付けの形態である。
【0021】
第2の態様では、本発明は、鋳造鋳型の内側表面の鋳型コーティングであって、
10~99.5重量%のフェロシリコン合金と、
0.5~50重量%の硫化鉄と、及び任意選択的に、
1~30重量%のCaSi合金と、及び/又は
1~10重量%のCaF2
とを含む。
【0022】
一実施形態では、鋳型コーティングは、50~95重量%のフェロシリコン合金と、5~50重量%の硫化鉄とを含む。
【0023】
一実施形態では、鋳型コーティングは、70~90重量%のフェロシリコン合金と、10~30重量%の硫化鉄とを含む。
【0024】
一実施形態では、鋳型コーティングは、50~70重量%のフェロシリコン合金と、30~50重量%の硫化鉄とを含む。
【0025】
一実施形態では、鋳型コーティングは、
30~90重量%のフェロシリコン合金と、
0.5~30重量%の硫化鉄と、
5~30重量%のCaSi合金と、
1~10重量%のCaF2と
を含む。
【0026】
鋳型コーティングの一実施形態では、硫化鉄は、FeS、FeS2又はこれらの混合物である。
【0027】
鋳型コーティングの一実施形態では、フェロシリコン合金は、通常の量において、40~80重量%のケイ素と、最大6重量%のカルシウムと、最大11重量%のバリウムと、最大5重量%のアルミニウム、ストロンチウム、マンガン、ジルコニウム、希土類元素、ビスマス及びアンチモンの元素のうちの1つ以上と、任意選択的に最大3重量%のマグネシウムと、任意選択的に最大1重量%のチタンと、任意選択的に最大1重量%の鉛と、残部の鉄及び偶発的不純物とを含む。
【0028】
鋳型コーティングの一実施形態では、CaSi合金は、通常の量において、28~32重量%のカルシウム、残部のケイ素及び偶発的不純物を含む。
【0029】
鋳型コーティングの一実施形態では、フェロシリコン合金の粒径は、60μm~0.5mmである。
【0030】
鋳型コーティングの一実施形態では、硫化鉄の粒径は20μm~0.5mmである。
【0031】
鋳型コーティングの一実施形態では、鋳型コーティングは、鋳型内に導入される鋳鉄の重量に基づいて、約0.1~約0.5重量%、例えば0.2~0.4重量%で塗布される。
【0032】
第3の態様では、本発明は、延性鋳鉄を鋳造するプロセスにおける鋳造鋳型の内側表面上のコーティングとして、第1の態様による鋳型粉末の使用、及び第1の態様の実施形態に関する。延性鋳鉄の鋳造における鋳造鋳型の内側表面上のコーティングとして本発明による鋳型粉末の使用は、鋳型表面上に乾式又は湿式吹き付けの形態で鋳型粉末を塗布することを含む。本発明による鋳型粉末は、例えば遠心鋳造プロセスによる延性鋳鉄パイプの鋳造において、鋳造鋳型の内側表面のコーティングとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】層又は鋳型コーティングを有する鋼鋳型の一部及び延性鉄パイプの一部の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、延性鋳鉄製品、特に遠心鋳造プロセスによって鋳造された延性鋳造鉄パイプにおける、ピンホールなどの表面欠陥を低減するために、鋳造鋳型の内側表面をコーティングするのに好適な鋳型粉末に関する。内側表面にコーティングされた鋳型粉末の層2を有する鋳型1の一部の断面、及び鋳型に鋳造された延性鉄パイプ3を示す
図1を参照する。
【0035】
本発明者らは、液体鋳鉄が鋳型表面上の酸化物と反応すると、ガスが形成され、ピンホールの形成を引き起こすことがあることを見出した。延性鋳鉄の鈍化処理に使用されるマグネシウムは、鋳鉄に含有される酸素及び硫黄の割合を減少させ、これは、液体鋳鉄の表面張力を増加させると考えられる。鋳型表面上の液体金属と酸化物との間の反応で生成されたガスは、液体鋳鉄の表面張力のために液体金属の内側から拡散することができず、その結果、ガスは液体表面の下に閉じ込められ、それによってピンホールが形成される。本発明者らは、鋳型粉末に硫化鉄を添加することにより、液体鋳鉄の表面張力を修正(すなわち、より低く)することが可能であり、表面張力のこの修正により、閉じ込められたガスが液体金属から拡散することができ、それによってピンホールの形成が防止されることを見出した。
【0036】
本発明による鋳型粉末は、一般に、10~99.5重量%のフェロシリコン合金、及び0.5~50重量%の硫化鉄を含む。硫化鉄は、FeS、FeS2又はこれらの混合物である。鋳型粉末は、任意選択的に、1~30重量%のCaSi合金、及び/又は1~10重量%のCaF2を含んでもよい。
【0037】
フェロシリコン(FeSi)合金は、一般に40重量%~80重量%のケイ素を含むケイ素と鉄との合金である。ケイ素含有量は更に高くてもよく、例えば最大95重量%であってもよいが、このような高ケイ素FeSi合金は通常、鋳造所用途では使用されない。高ケイ素FeSi合金はまた、ケイ素系合金と称されてもよい。本発明の鋳型粉末中のフェロシリコン合金は、鋳鉄中のグラファイト形態を制御し、鋳造製品中の冷却レベル(すなわち、炭化鉄の形成)を低下させる接種効果を有する。適切な標準グレードのフェロシリコン合金の例は、FeSi75、FeSi65及び/又はFeSi45(すなわち、それぞれ約75重量%、65重量%又は45重量%のケイ素を含むフェロシリコン合金)である。
【0038】
標準グレードのフェロシリコン合金は、通常、それぞれ最大2重量%など、いくらかのカルシウム(Ca)及びアルミニウム(AI)を含む。しかしながら、本発明の鋳型粉末中のFeSi合金中のカルシウムの量は、最大6重量%など、より高くてもよく、又は例えば約1重量%、又は約0.5重量%など、より低くてもよい。FeSi合金中のカルシウムの量は、最大0.1重量%など、低くてもよい。FeSi合金中のアルミニウムの量は、最大約5重量%などであってもよい。典型的には、FeSi合金中のアルミニウムの量は、0.3~5重量%であるべきである。
【0039】
当技術分野で一般的に知られているように、フェロシリコン合金接種剤は、当該Ca及びAlに加えて、Mg、Mn、Zr、Sr、Ba、Ti、Bi、Sb、Pb、Ce、Laなどの他の元素を、冶金的条件及び鋳鉄への影響に応じて様々な量で含んでもよい。本発明の鋳型粉末に適したフェロシリコン合金は、通常の量において、当該カルシウム及びアルミニウムに加えて、最大約11重量%のBaと、最大約5重量%のストロンチウム(Sr)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)、希土類元素(RE)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)の元素のうちの1つ以上と、残部の鉄及び偶発的不純物とを含んでもよい。元素Ba、Sr、Mn、Zr、RE、Bi及びSbは、合金元素としてFeSi合金中に存在しなくてもよく、当該元素がFeSi合金に意図的に添加されないことを意味するが、いくつかのFeSi合金では、当該元素は、約0.01重量%などの不純物レベルで依然として存在してもよい。元素Ba、Sr、Mn、Zr、RE、Bi及びSbのうちの1つ以上は、FeSi合金中に約0.3重量%を超える量で存在してもよい。場合によっては、フェロシリコン合金中のBaの量は、最大約8重量%である。場合によっては、フェロシリコン合金はまた、最大3重量%のマグネシウム、例えば、最大1重量%のMg、及び/又は最大1重量%のTi及び/又は最大1重量%のPbを含有してもよい。
【0040】
鋳型粉末中の硫化鉄は、FeS、FeS2又はこれらの混合物である。FeSの量は、鋳型粉末の総重量に基づいて、0.5~50重量%である。硫化鉄がFeS2である場合、量は、好ましくは、鋳型粉末の総重量に基づいて最大30重量%であるべきである。本発明による鋳型粉末の場合、硫化鉄は好ましくはFeSである。本発明の鋳型粉末中の硫化鉄は、FeSとFeS2との混合物であってもよいことに留意されたい。硫化鉄は、鋳鉄表面におけるピンホールの形成を著しく減少させる。鋳型コーティング中に硫化鉄が存在すると、鋳型に導入された液体鉄の表面張力が低下する。表面張力の低下の効果は、液体鋳鉄に閉じ込められた気泡が拡散することができるため、ピンホールの形成が防止されるか、又は少なくとも著しく減少することである。鋳型粉末中の硫化鉄含有量が高すぎる場合(約50重量%を超えるFeS、又は約30重量%のFeS2)、鋳鉄製品中に球状グラファイトの代わりに薄片グラファイトを得るリスクがある。したがって、硫化鉄の上限は50重量%である。鋳型粉末中の硫化鉄の量が0.5重量%未満である場合、表面張力が液体鋳鉄中の気泡の拡散のために十分に低下しない可能性があり、したがってピンホールが形成される可能性がある。更に、0.5~3重量%など、鋳型粉末中の少量の硫化鉄では、鋳型粉末の均質なブレンドを得ることはより困難であり得る。したがって、鋳型粉末中の硫化鉄含量は、好ましくは少なくとも3重量%である。
【0041】
CaSi合金は、鋳型粉末に現在使用されている従来の構成要素であり、ピンホールの低減効果、並びにわずかな接種効果を有する。ケイ化カルシウム又は二ケイ化カルシウム(CaSi2)とも呼ばれ得るCaSi合金は、通常の量において、約30%重量%のカルシウム、典型的には28~32重量%、並びに残部のケイ素及び偶発的不純物である。工業用CaSi合金は通常、Fe及びAlを一次汚染物質として含有する。標準グレードのCaSi合金中のFe含有量は、典型的には最大約4重量%であり、Alは典型的には最大約2重量%である。標準グレードCaSi合金は、典型的には、約55~63重量%のSiを含む。鋳型粉末中の大量のCaSi合金は、遠心鋳造ダイを詰まらせる可能性がある。CaSiを使用することによる別の欠点は、スラグ介在物が形成されて鋳鉄パイプ表面に堆積し、鋳鉄パイプに欠陥又は表面欠陥をもたらす可能性があることである。更に、カルシウムは液体鉄との溶解性が実質的になく、酸化物/硫化物を生成する可能性がある。これらの欠点は、鋳型型寿命を短縮し、鋳鉄製品の表面欠陥、特に上記で説明したピンホールにつながる可能性がある。したがって、従来のCaSi合金の量を硫化鉄で置き換えるか、又は少なくとも減少させることは、硫化鉄が遠心鋳造鋳型の目詰まりを減少させるか、又は目詰まりにつながらないので、更なる利点を有する。本発明によれば、鋳型粉末は、1~30%重量%のCaSi合金を含み得る。CaSi合金は、当分野において既知の約30重量%のCaを含む、任意の市販のCaSi合金であってもよい。CaSi合金を含む本発明による鋳型粉末は、例えば、ピンホール形成が起こりにくい鋳鉄製品の鋳造に適しており、そのような鋳造プロセスは鋳型粉末組成物中に必要とする硫化鉄が少ないためである。硫黄の存在下で薄片グラファイトをより形成しやすい鋳鉄組成物を鋳造する場合、CaSi合金及びより少量の硫化鉄を含む鋳型粉末もまた必要であり得る。
【0042】
CaF2はまた、鋳型粉末中の従来の構成要素である。CaF2はスラグの融点温度を低下させ、より多くの液体スラグを与え、鋳造パイプの表面を改善する。CaF2はまた、ピンホールの低減効果を有するが、CaF2のピンホール低減効果は、延性鋳鉄パイプへのピンホールの形成を回避するのに十分ではない。本発明によれば、鋳型粉末は、1~10重量%のCaF2を含み得る。場合によってはCaSi合金に加えてCaF2を含む本発明による鋳型粉末は、例えば、ピンホール形成が起こりにくい鋳鉄製品の鋳造に適しており、そのような鋳造プロセスは、鋳型粉末組成物中に必要とする硫化鉄が少ないためである。
【0043】
上述のように、硫化鉄は、従来鋳型粉末中のピンホール低減構成要素として使用されてきたCaSi合金を完全に又は部分的に置き換えることができ、それによって、そのような鋳型粉末中のCaSiの存在に関連する任意の欠点を低減し、更には排除することができ、その結果、パイプ表面のピンホール欠陥が著しく少なくなる。FeSi合金及び硫化鉄のみを含む本発明による鋳型粉末は、好適には、5~50重量%の硫化鉄及び50~95%重量%のFeSi合金の組成を有する。適切な範囲の例は、例えば10~40重量%の硫化鉄及び60~90重量%のFeSi合金、10~30重量%の硫化鉄及び70~90重量%のFeSi合金、30~50重量%の硫化鉄及び50~70重量%のFeSi合金である。FeSは硫化鉄の好ましい形態であるが、硫化鉄がFeS2又は2つの混合物である場合、鋳型粉末中の硫化鉄の相対量は、硫化鉄のFeS形態と比較して多くてはならない。硫化鉄がFeS2のみである場合、好適な量は、最大で約30重量%である。
【0044】
本発明による鋳型粉末は、CaSi合金及び/又はCaF2を更に含んでもよい。FeSi合金及び硫化鉄に加えてCaSi合金及び/又はCaF2を含む適切な鋳型粉末組成物は、
0.5~30重量%の硫化鉄と、
30~90重量%のFeSi合金と、
5~30重量%のCaSi合金と、
1~10重量%のCaF2である。
【0045】
鋳型粉末組成物の例は、以下であり、全ての比率は重量%に基づくが、鋳型粉末組成物は上記の発明の概要のセクションで定義された範囲内で変化し得るため、これらの例は本発明を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。
10%FeS+90%FeSi75
20%FeS+10%CaSi+10%CaF2+60%FeSi75
30%FeS+10%CaSi+60%FeSi75
25%FeS+5%CaF2+70%FeSi65
15%FeS2+10%CaSi+75%FeSi45
【0046】
例示された鋳型粉末組成物における示されたFeSi75、FeSi65及びFeSi45は、互いに置換されてもよく、又はFeSi75、FeSi65及びFeSi45合金の混合物であってもよいことに留意されたい。
【0047】
本発明による鋳型粉末に含まれる硫化鉄の量、及び/又は延性鉄パイプで使用するためのフェロシリコン合金の量、例えば、FeSi45、FeSi65又はFeSi75の量は、異なる要因に依存して変化し得る。ピンホール形成に影響を及ぼす因子は、例えば以下の通りである。
【0048】
製造プロセス:
現在、湿式吹き付けプロセスにおいてのみ純粋なCaSi合金を使用することが一般的である。湿式吹き付けプロセスでは、混合物「水+ベントナイト+SiO2」(湿式吹き付けと呼ばれる)を鋳型鋼表面に適用し、CaSi合金粉末を湿式吹き付け層の上部に使用する。本発明による鋳型粉末は、湿式コーティング中に添加されてもよく、又はこのような湿式コーティングの上部に粉末が導入されてもよい。DeLavaudプロセス、すなわち遠心金属鋳型がウォータージャケットに囲まれている鋳造プロセスでは、接種剤、CaF2、MgF2、及びCaSi合金を含む製品を鋳型コーティングとして使用することが一般的である。硫化鉄を含む本発明の鋳型粉末は、DeLavaud(乾式吹き付け)及び湿式吹き付けプロセスの両方で使用することができ、このプロセスは、以下のような要因の影響を受けて、異なるレベルの硫化鉄を必要とする場合がある。
【0049】
パイプ厚:
3~4mmなどのパイプ壁厚が小さいと、ピンホールが存在する危険性が高い。4~20mmでは、中程度のリスクがあり、20mmを超えると、ピンホールが存在する危険性が低い。
【0050】
鋳鉄溶融物中の残留Mgの量:
Mg(鈍化)処理後、鉄中に残留Mgが存在する。延性鋳鉄の製造において正常である鋳鉄溶融物中の高レベルのMgでは、ピンホール欠陥形成のリスクがより高い。
【0051】
鋳型に導入される液体鋳鉄の量に応じて、遠心鋳造ダイを覆う鋳型粉末の量。
【0052】
遠心鋳造ダイの清浄度の状態(遠心鋳造ダイ内のスケール堆積量)。スケール堆積物では、表面に固定された元素との反応が生じるリスクがあり、そのような場合、より多くの鋳型粉末及び/又はより多量の硫化鉄が必要になる可能性がある。
【0053】
本発明による鋳型粉末の全ての構成要素は、ミクロン範囲内の微粒子形態である。フェロシリコン合金粒子の粒径は、典型的には60μm~0.5mmである。FeSとFeS2の両方の硫化鉄の典型的な粒径は、20μm~0.5mmである。CaSi合金及びCaF2の粒径は、上記の20μm~0.5mmの範囲にある従来のサイズ内にあるべきである。鋳型粉末のサイズ分布は0.063~0.5mmであり、0.063mm未満の粒子=0~50%及び0.5mmを超える粒子=0~20%である。
【0054】
本発明による鋳型粉末は、ピンホール及び他の表面欠陥の形成を防止するために、永久鋳型などの鋳造鋳型上、並びに延性鋳鉄の鋳造に使用される鋳型インサート及び/又はコア要素上の鋳型コーティングとして使用される。本発明の鋳型粉末は、遠心鋳造プロセスによって、延性鋳鉄パイプの鋳造に使用される鋳型及び鋳型インサートをコーティングするのに特に適している。鋳型粉末は、フェロシリコン合金と硫化鉄、及び存在する場合はCaSi及び/又はCaF2との機械的混合物又はブレンドの形態であるべきである。鋳型粉末は、乾燥形態又は湿式スラリとして湿潤形態で、内側鋳型表面、及び任意の鋳型インサートの表面に塗布することができる。鋳型粉末は、既知の方法に従って、鋳型表面及び任意の鋳型インサートの表面に塗布することができ、吹き付けは従来の方法である。本発明の鋳型粉末の添加量は、通常の添加量に相当し、鋳型内に導入される鋳鉄の重量に基づいて、典型的には約0.1~0.5重量%、例えば0.2~0.4重量%又は0.25~0.35重量%である。
【0055】
本発明はまた、鋳造鋳型の内側表面及び任意の鋳型インサート上の鋳型コーティングであって、10~99.5重量%のフェロシリコン合金、0.5~50重量%の硫化鉄、及び任意選択的に1~30重量%のCaSi合金、及び/又は1~10重量%のCaF2を含む鋳型コーティングに関する。鋳型コーティング中の成分及び成分の量は、本発明による鋳型粉末に関して上述したものと同じである。鋳鉄鋳造鋳型の内側表面上の鋳型コーティングは、鋳型に導入される鋳鉄の重量に基づいて、約0.1~0.5重量%、例えば0.2~0.4重量%、又は0.25.~0.35重量%の量で塗布されてもよい。
【0056】
本発明の鋳型粉末を製造する方法は、上述のように所望の比のフェロシリコン合金及び硫化鉄を粒子形態で提供することと、存在する場合、粒子CaSi合金及び/又はCaF2を提供することとを含む。粒子及び/又は粉末材料を機械的に混合する/ブレンドするための任意の好適なミキサーが用いられてもよい。必要に応じて、材料は、既知の方法に従って好適な粒径に研削又は粉砕されてもよい。
【0057】
本発明による鋳型粉末は、延性鋳鉄を鋳造する際に、表面欠陥、特にピンホールを低減するための鋳型の内側表面上のコーティングとして使用される。鋳型粉末は、延性鋳造鉄パイプの製造のために、遠心鋳造鋳型の内側鋳型表面上に適用するのに特に好適である。本発明による鋳型粉末は、乾式又は湿式吹き付けの形態で内側鋳型表面に塗布することができるが、当分野で一般的に知られている他の塗布方法を使用して鋳型表面をコーティングすることができる。
【0058】
本発明は、以下の実施例により例示される。これらの実施例は、本発明の異なる実施形態及び本発明の効果を例示することを意味するため、本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0059】
実施例1
この実施例では、従来の鋳型粉末を本発明による鋳型粉末と比較した。試験では、同じ鋳造機を使用し、同じグレードの延性鉄パイプ、鋳型粉末を同じ方法で、同じ添加量で導入した。延性鉄は、同じ化学組成及び注入温度を有した。
【0060】
参照:
従来の鋳型粉末は、以下の組成を有していた:
25重量%CaSiと、
10重量%CaF2と、
65重量%FeSiである。
FeSiの組成はSi:62.6~67.2重量%、Sr:0.6~1重量%、Al:最大0.5重量%、Ca:最大0.1重量%、残部のFe及び偶発的不純物であった。
【0061】
発明:
本発明による鋳型粉末は、以下の組成を有していた。
20重量%FeS、
80重量%FeSiである。
FeSiの組成はSi:65~71重量%、Sr:0.3~0.5重量%、Al:最大1重量%、Ca:最大1重量%、Ba:0.1~0.4重量%、Zr:1.5~2.5重量%、Mn:1.4~2.3重量%、残部のFe及び偶発的不純物である。
【0062】
本発明による鋳型粉末の粒径は、0.063mm~0.3mmの範囲内であった。鋳型粉末は、FeSi合金と硫化鉄粉末との機械的混合物であり、鋳型粉末は、乾式吹き付けによって内側鋳型表面に塗布された。
【0063】
この試験は、2種類の鋳型粉末を比較するために、参照及び発明を示す遠心鋳造機において工業条件下で実施した。各鋳型粉末540パイプを製造した。本発明の鋳型粉末を用いて製造したパイプの外側表面のピンホールの数を参照と比較して半分とした。試験で製造したパイプの外側表面のピンホールの数を目視検査によりカウントした。
【0064】
実施例2
この実施例では、従来の鋳型粉末(参照)を本発明による鋳型粉末(発明)と比較した。試験では、同じ鋳造機を使用し、同じグレードの延性鉄パイプ、鋳型粉末を同じ方法で、同じ添加量0.25%で導入した。延性鉄は、同じ化学組成及び注入温度を有した。
【0065】
参照:
従来の鋳型粉末は、以下の組成を有していた:
12重量%CaF2と
88重量%FeSiである。
FeSiの組成はSi:62~69重量%、Al:0.55~1.3重量%、Ca:0.6~1.9重量%、Ba:0.3~0.7重量%、Zr:3~5重量%、Mn:2.8~4.5重量%、残部のFe及び偶発的不純物である。
【0066】
発明:
本発明による鋳型粉末は、以下の組成を有していた。
20重量%FeS、
80重量%FeSiである。
FeSiの組成はSi:62~69重量%、Al:0.55~1.3重量%、Ca:0.6~1.9重量%、Ba:0.3~0.7重量%、Zr:3~5重量%、Mn:2.8~4.5重量%、残部のFe及び偶発的不純物である。
【0067】
本発明による鋳型粉末の粒径は、0.063mm~0.3mmの範囲内であった。鋳型粉末は、FeSi合金と硫化イレオン(ireon)粉末との機械的混合物であり、鋳型粉末は、乾式吹き付けによって内側鋳型表面に塗布された。
【0068】
この試験は、2種類の鋳型粉末を比較するために、遠心鋳造機において工業条件下で実施した。参照及び発明に示されている。表1は、上記の従来の鋳型粉末を使用したパイプ鋳造の試験結果と、上記の組成を有する本発明による鋳型粉末を使用したパイプ鋳造の試験結果とを示す。
【0069】
【0070】
試験で製造したパイプの外側表面のピンホールの数を目視検査によりカウントした。本発明による鋳型粉末を使用した試験で製造されたパイプでは、検査されたパイプ表面に観察されたピンホールは著しく少なかった。
【0071】
したがって、硫化鉄を含有する本発明による鋳型粉末を用いて、ピンホール欠陥が大幅に低減されたことが明確に実証された。
【0072】
本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、概念を組み込んでいる他の実施形態が使用され得ることが、当業者には明らかであろう。上に例示したかつ添付図面中に例示した、本発明のこれらの及び他の例は、例としてのみ意図されており、本発明の実際の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。