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特許7269360高効率と高信頼性を備えた車両照明用LEDシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】高効率と高信頼性を備えた車両照明用LEDシステム
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/14 20200101AFI20230426BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20230426BHJP
   F21S 41/141 20180101ALI20230426BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20230426BHJP
   H05B 45/18 20200101ALI20230426BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20230426BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20230426BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230426BHJP
【FI】
H05B45/14
H01L33/00 J
F21S41/141
H05B45/345
H05B45/18
H05B45/325
H05B47/105
F21Y115:10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021549190
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 KR2020006811
(87)【国際公開番号】W WO2021117990
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】10-2019-0162392
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521367651
【氏名又は名称】イ キョンヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イ キョンヨン
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-529419(JP,A)
【文献】国際公開第2019/187279(WO,A1)
【文献】特開2011-134903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/14
H01L 33/00
F21S 41/141
H05B 45/345
H05B 45/18
H05B 45/325
H05B 47/105
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直列連結される第1LEDチップ及び第2LEDチップ、並びに前記第1LEDチップ及び第2LEDチップの駆動を制御するための駆動回路を含んで構成されるLEDパッケージと、
前記LEDパッケージの外部から前記LEDパッケージの端子を介して前記第1LEDチップ及び第2LEDチップに連結され、主電流チャネルが直列連結される外部トランジスタと、を備え、
前記駆動回路は、
入力電圧の大きさが基準電圧よりも小さいときには、第1定電流で前記第1LEDチップだけを駆動し、前記入力電圧の大きさが前記基準電圧よりも大きいときには、第2定電流で前記第1LEDチップ及び前記第2LEDチップ、並びに前記外部トランジスタを駆動し、
前記第1LEDチップだけが駆動されるときに、前記第1LEDチップでの電力と、前記直列連結される第1LEDチップ及び第2LEDチップ、並びに前記外部トランジスタのすべてが駆動されるときに、前記第1LEDチップ及び前記第2LEDチップでの電力が同じになるように前記第1定電流及び前記第2定電流を制御することを特徴とする
車両照明用LEDシステム。
【請求項2】
前記外部トランジスタの主電流チャネルに直列連結される電流検出抵抗と、をさらに備え、
前記駆動回路は、
前記LEDパッケージの端子を介して前記電流検出抵抗にかかる電圧を入力され、前記電流検出抵抗にかかる電圧と前記駆動回路が前記第2定電流の決定に基づいて設定される電圧を比較した結果として、前記外部トランジスタのゲートを制御することを特徴とする
請求項1に記載の車両照明用LEDシステム。
【請求項3】
前記駆動回路は、第1LEDチッ及び第2LEDチップが連結されるノードにドレインが連結され、接地にソースが連結される第1FETをさらに含み、
前記駆動回路は、
入力電圧の大きさが基準電圧よりも小さいときには、前記第1FETを介して前記第1定電流が流れるように前記第1FETのゲートを制御し、
前記入力電圧の大きさが前記基準電圧よりも大きいときには、前記第1FETがOFF(オフ)されるように前記第1FETのゲートを制御することを特徴とする
請求項1に記載の車両照明用LEDシステム。
【請求項4】
前記LEDパッケージの外部から前記LEDパッケージの端子を介して前記駆動回路に連結され、前記第1定電流をセッティングする電流セット抵抗と、をさらに備えることを特徴とする
請求項3に記載の車両照明用LEDシステム。
【請求項5】
前記電流セット抵抗を含んで前記第1FETのゲートに連結される電流ミラー回路(M)を構成し、
前記電流ミラー回路(M)は、
前記駆動回路の制御部によって制御電圧を入力されて前記電流セット抵抗に流れる電流のミラー電流が、前記第1FETを介して流れるように前記第1FETのゲート電圧を制御することを特徴とする
請求項4に記載の車両照明用LEDシステム。
【請求項6】
前記LEDパッケージの内部に構成され、前記LEDパッケージの温度を検出する温度センサと、をさらに備え、
前記駆動回路は、
前記温度センサが検出した温度値に応じて前記基準電圧を変動させるが、温度値が上がるほど、前記基準電圧を下げることを特徴とする
請求項1に記載の車両照明用LEDシステム。
【請求項7】
互いに直列連結される第1LEDチップ及び第2LEDチップ、並びに前記第1LEDチップ及び第2LEDチップの駆動を制御するための駆動回路を含んで構成されるLEDパッケージと、
前記LEDパッケージの外部から前記LEDパッケージの端子を介して前記第1LEDチップ及び第2LEDチップに一端が直列連結される熱分配抵抗と、を備え、
前記駆動回路は、
入力電圧の大きさが第1基準電圧よりも小さいときには、前記第1LEDチップを通って接地に行く経路に第1定電流が流れるように駆動し、
前記入力電圧の大きさが前記第1基準電圧よりも大きい、かつ第2基準電圧よりも小さいときには、前記直列連結される第1LEDチップ及び第2LEDチップを通って接地に行く経路に2定電流が流れるよう駆動し、
前記入力電圧の大きさが前記第2基準電圧よりも大きいときには、前記直列連結される第1LEDチップ及び第2LEDチップ、並びに前記熱分配抵抗を通る経路に前記第2定電流が流れるように駆動することを特徴とする
車両照明用LEDシステム。
【請求項8】
前記駆動回路は、
前記第1LEDチップだけが駆動されるときに前記第1LEDチップの電力と、前記直列連結される第1LEDチップ及び第2LEDチップを通って接地に行く経路に駆動されるときに第1LEDチップ及び第2LEDチップの電力と、前記直列連結される第1LEDチップ及び第2LEDチップ、並びに前記熱分配抵抗を通る経路に駆動されるときに第1LEDチップ及び第2LEDチップの電力とは同じになるように制御することを特徴とする
請求項7に記載の車両照明用LEDシステム。
【請求項9】
前記駆動回路は、
前記第1LEDチップと前記第LEDチップが連結されるノードにドレインが連結され、接地にソースが連結される第1FETと、
前記第2LEDチップと前記熱分配抵抗が連結されるノードにドレインが連結され、接地にソースが連結される第2FETと、
熱分配抵抗の他端がドレインに連結され、接地にソースが連結される第3FETと、をさらに含み、
前記駆動回路は、
前記入力電圧の大きさが前記第1基準電圧よりも大きい、かつ前記第2基準電圧よりも小さいときには、前記第1FET及び前記第3FETをOFF(オフ)するようにし、前記第2FETを介して前記第2定電流が流れるように制御し、
前記入力電圧の大きさが前記第2基準電圧よりも大きいときには、前記第1FET及び前記第2FETをOFF(オフ)するようにし、前記第3FETを介して前記第2定電流が流れるように制御することを特徴とする
請求項8に記載の車両照明用LEDシステム。
【請求項10】
前記LEDパッケージの外部から前記LEDパッケージの端子を介して前記駆動回路に連結され、前記駆動回路に対して前記第1定電流をセッティングする第1電流セット抵抗と、
前記LEDパッケージの外部から前記LEDパッケージの端子を介して前記駆動回路に連結され、前記駆動回路に対して前記第2定電流をセッティングする第2電流セット抵抗と、をさらに備えることを特徴とする
請求項9に記載の車両照明用LEDシステム。
【請求項11】
前記第1電流セット抵抗を含んで前記第1FETのゲートに連結される第1電流ミラー回路(M1)を構成し、
前記第1電流ミラー回路(M1)は、
前記駆動回路の制御部によって第1制御電圧を入力されて前記第1電流セット抵抗に流れる電流のミラー電流が、前記第1FETを介して流れるように、前記第1FETのゲート電圧を制御することを特徴とする
請求項10に記載の車両照明用LEDシステム。
【請求項12】
前記LEDパッケージの内部に構成され、前記LEDパッケージの温度を検出する温度センサと、をさらに備え、
前記駆動回路は、
前記温度センサが検出する温度値に応じて前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を変動させるが、温度値が上がるほど前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を下げることを特徴とする
請求項7に記載の車両照明用LEDシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用照明のように、入力電圧の変動範囲が広い状況でも高い信頼性と高い効率性を有するLED(発光ダイオード、エルイーディー)システムとその駆動方法に関する
【背景技術】
【0002】
自動車用照明の既存の駆動方式は、大きく2つの形態に分けることができる。
【0003】
一番目の方式は、FET(電界効果トランジスタ)、Diode(ダイオード)とInductor(インダクタ)などを使用するスイッチング駆動方式であり、スイッチング駆動方式は、高効率性と高信頼性(駆動安定性、回路の温度など)の実現が可能である。しかし、スイッチング駆動方式は、EMIの問題があり、使用される必須の部品の体積が大きいため回路の総サイズが大きくなってコストが高くなる問題があるため、一般的にはよく使用されていない。
【0004】
二番目の方式は、Linear(リニア)駆動方式と呼ばれる定電流駆動方式であり、FET、DiodeとInductorなどのスイッチング駆動方式で必要となった大きな体積と高価な部品を使用していないことにより、EMI(イーエムアイ、電磁妨害雑音)の問題がないながらもスイッチング駆動方式よりも小さいサイズの実施が可能であるという長所がある。しかし、Linear方式の場合、入力電圧の範囲に応じて駆動安定性が急激に低下し、温度による回路の信頼性が低いという欠点がある。
【0005】
Linear駆動方式は、一般的な車両の照明の駆動領域である入力電圧(Vin)7V~24Vの範囲でLEDの数量に応じて定電流で駆動できない領域が発生する。例えば、一般的な3Vf LED 3EAを使用するシステムの場合、通常9V以上において定電流で駆動可能であるため、7V~9Vの領域では、通常の定電流で駆動できない問題がある。
【0006】
なお、一般的な3Vf LED 1EA/2EAを使用するシステムは、低い電圧領域である7V~9Vでは、通常の定電流で駆動可能であるが、入力電圧が高い条件、例えば20V以上では、定電流回路の発熱の問題が生じてそれによる信頼性の問題が発生する。
【0007】
全体のLEDシステムのPower(電力)は、以下のように表現することができる。
【0008】
P(total)=P(熱分配抵抗)+P(total LED)+P(駆動回路)
【0009】
P(total LED)は、全体のLEDで消費される電力であり、P(熱分配抵抗)は、熱分配の目的で構成される抵抗で消費される電力であり、P(駆動回路)は、駆動回路で消費される電力である。しかし、従来Linear駆動方式のLEDシステムでは、入力電圧が高くなるほど駆動回路にかかる電力、すなわちP(駆動回路)の値が上昇し続けるように構成されるしかない。そうすると、従来のLinear駆動方式のLEDシステムでは、発熱の問題が生じて信頼性の問題が発生するか、又は信頼性確保のために、より高いPowerを耐えられるように駆動回路のsize(サイズ)が大きくならなければならない問題点がある(一般的に、駆動回路は、IC(集積回路)を使用するため、IC PKG size(ICパッケージサイズ)が大きくなる)。
【0010】
一方、駆動回路のサイズ(IC PKG size)を減らするために、熱分配抵抗にかかるPower(電力)を高めることができるが、同じLEDの輝度を表すためには、LED電流が一定であるため、熱分配抵抗にかかるPower(電力)を高めるほど、熱分配抵抗にかかる電圧が高くなる問題がある。これは、一般的な3Vf LED 1EA/2EAを使用したLEDシステムを使用しても、低電圧領域7V~9Vの間、あるいは9Vでも熱分配抵抗の電圧drop(ドロップ)で、通常の駆動にならない可能性があることを意味する。
【0011】
仮定として、駆動回路がLED PKGに含まれている形態では、P(total LED)とP(駆動回路)が1つのLED PKGで消費されるため、分離される方法に比べて、高い電圧領域でもっと高い発熱の問題が発生して信頼性の問題がさらに良くならない。したがって、LED駆動回路がLED PKGに含まれている形態は、部品数が減り、システム全体のサイズが減少する利点があるが、高いLED Powerを実施することができない問題がある。
【0012】
上記したように、従来の定電流駆動方式(Linear駆動方式)は、スイッチング駆動方式よりも実装回路のサイズが小さく、コストが低い利点があるが、共通して発熱の問題が生じてスイッチング方式よりは小さいが、定電流駆動回路のサイズが大きくならなければならない問題点がある。これにより、定電流駆動回路のコストが上昇する。すなわち、ICのPKGサイズが大きくならなければならないし、熱分配抵抗のサイズもまた大きくならなければならない。
【0013】
また、低い電圧領域で、通常駆動可能ではないという問題に起因して熱分配抵抗値を高い値で使用することができない限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記したように従来のLinear駆動方式の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、入力電圧の変動範囲が広い状況でも高い信頼性と高い効率性を有する車両照明用LEDシステムを提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、駆動回路のサイズを小さくしてコストを下げながらも、従来の方式の最大の問題点である発熱問題を解決し、広い電圧範囲で安定的な動作が可能な車両照明用LEDシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施態様による車両照明用LEDシステムは、互いに直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12と、前記第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12の駆動を制御するための駆動回路13と、前記駆動回路13を含んで構成されるLEDパッケージ10と、前記LEDパッケージ10の外部から前記LEDパッケージ10の端子を介して前記第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12と連結されるが、主電流チャネルが直列連結される外部トランジスタ20と、を備える。前記駆動回路13は、入力電圧の大きさが基準電圧よりも小さいときは、第1定電流で前記第1LEDチップ11だけを駆動し、前記入力電圧の大きさが前記基準電圧よりも大きいときは、第2定電流で前記第1LEDチップ11及び前記第2LEDチップ12、並びに前記外部トランジスタ20を駆動する。前記第1LEDチップ11だけが駆動されるときに、前記第1LEDチップ11での電力と、前記直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12、並びに前記外部トランジスタ20のすべてが駆動されるときに、前記第1LEDチップ11及び前記第2LEDチップ12での電力とが同一になるように前記第1定電流及び前記第2定電流を制御することを特徴とする。
【0017】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記外部トランジスタ20の主電流チャネルに直列連結される電流検出抵抗30と、をさらに備える。前記駆動回路は、前記LEDパッケージ10の端子を介して前記電流検出抵抗30にかかる電圧の入力を受けられ、前記電流検出抵抗30にかかる電圧と、前記駆動回路が前記第2定電流の決定に基づいて設定される電圧と、を比較した結果により、前記外部トランジスタ20のゲートを制御することができる。
【0018】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記駆動回路13は、第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12が連結されるノードにドレインが連結され、接地にソースが連結される第1FET132と、をさらに備える。前記駆動回路13は、入力電圧の大きさが基準電圧よりも小さいときには、前記第1FET132を介して前記第1定電流が流れるように前記第1FET132のゲートを制御し、前記入力電圧の大きさが前記基準電圧よりも大きいときには、前記第1FET132がOFF(オフ)されるように前記第1FET132のゲートを制御することができる。
【0019】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記LEDパッケージ10の外部から前記LEDパッケージ10の端子を介して、前記駆動回路13に連結され、前記第1定電流をセッティングする電流セット抵抗40 と、をさらに備えてもよい。
【0020】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記電流セット抵抗40を含んで前記第1FET132のゲートに連結される電流ミラー回路(M)を構成する。前記電流ミラー回路(M)は、前記駆動回路13の制御部131によって制御電圧を入力されて前記電流セット抵抗40に流れる電流のミラー電流が前記第1FET132を介して流れるように、前記第1FET132のゲート電圧を制御することができる。
【0021】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記LEDパッケージ10の内部に構成され、前記LEDパッケージ10の温度を検出する温度センサ139と、をさらに備える。前記駆動回路13は、前記温度センサ139が検出した温度値に応じて前記基準電圧を変動させるが、温度値が上がるほど、前記基準電圧を下げることができる。
【0022】
本発明の一実施態様による車両照明用LEDシステムは、互いに直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12と、前記第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12の駆動を制御するための駆動回路13と、前記駆動回路13含んで構成されるLEDパッケージ10と、前記LEDパッケージ10の外部から前記LEDパッケージ10の端子を介して前記第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12に一端が直列連結される熱分配抵抗50と、を備える。前記駆動回路13は、入力電圧の大きさが第1基準電圧よりも小さいときには、前記第1LEDチップ11を通って接地に行く経路に第1定電流が流れるように駆動し、前記入力電圧の大きさが前記第1基準電圧よりも大きい、かつ第2基準電圧より小さいときには、前記直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12を通って接地に行く経路に前記第2定電流が流れるように駆動し、前記入力電圧の大きさが前記第2基準電圧よりも大きいときには、前記直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12、並びに前記熱分配抵抗50を通る経路に前記第2定電流が流れるように駆動することを特徴とする。
【0023】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記駆動回路13は、前記第1LEDチップ11だけが駆動されるときに、前記第1LEDチップ11の電力と、前記直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12を通って接地に行く経路に駆動されるときに、第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12の電力と、前記直列連結される第1LEDチップ11及び第2 LEDチップ12、並びに前記熱分配抵抗50を通る経路に駆動されるときに、第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12の電力とは同一になるように制御することができる。
【0024】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記駆動回路13は、前記第1LEDチップ11と前記第1LEDチップ12が連結されるノードにドレインが連結され、接地にソースが連結される第1FET141と、前記第2LEDチップ12と前記熱分配抵抗50が連結されるノードにドレインが連結され、接地にソースが連結される第2FET142と、熱分配抵抗50の他端がドレインに連結され、接地にソースが連結される第3FET143と、をさらに含む。前記駆動回路13は、前記入力電圧の大きさが前記第1基準電圧より大きい、かつ前記第2基準電圧より小さいときには、前記第1FET141及び前記第3FET143をOFF(オフ)するようにし、前記第2FET142を介して前記第2定電流が流れるように制御し、前記入力電圧の大きさが前記第2基準電圧より大きいときには、前記第1FET141及び前記第2FET142をOFF(オフ)するようにし、前記第3FET143を介して前記第2定電流が流れるように制御することができる。
【0025】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記LEDパッケージ10の外部から前記LEDパッケージ10の端子を介して前記駆動回路13に連結され、前記駆動回路13に対して前記第1定電流をセッティングする第1電流セット抵抗41と、前記LEDパッケージ10の外部から前記LEDパッケージ10の端子を介して前記駆動回路13に連結され、前記駆動回路13に対して前記第2定電流をセッティングする第2電流セット抵抗42と、をさらに含み得る。
【0026】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記第1電流セット抵抗40を含んで前記第1FET141のゲートと連結される第1電流ミラー回路(M1)を構成し、前記第1電流ミラー回路(M1)は、前記駆動回路13の制御部131によって第1制御電圧を入力されて前記第1電流セット抵抗41に流れる電流のミラー電流が、前記第1FET141を介して流れるように前記第1FET141のゲート電圧を制御することができる。
【0027】
上記した車両照明用LEDシステムにおいて、前記LEDパッケージ10の内部に構成され、前記LEDパッケージ10の温度を検出する温度センサ139と、をさらに備える。前記駆動回路13は、前記温度センサ139が検出する温度値に応じて前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を変動させるが、温度値が上がるほど、前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を下げることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明による車両照明用LEDシステムは、上記した従来の駆動方式の問題点を解決して入力電圧の変動範囲が広い状況でも高い信頼性と高い効率性を備える。
【0029】
なお、本発明による車両照明用LEDシステムは、駆動回路のサイズを小さくしてコストを下げながらも、従来の方式の最大の問題点である発熱問題を解決し、広い電圧範囲で安定的に動作可能な長所がある。
【0030】
なお、本発明による車両照明用LEDシステムは、部品の数と回路面積を減らすことができ、全入力電圧範囲及び時間変化によっても、全体のLED Power(LED電力)を一定に維持して1つのLED PKG(LEDパッケージ)内で全入力電圧と時間変化に応じて、同じ光量を維持することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施形態による車両照明用LEDシステムに含まれているLEDパッケージとして、図1(a)は、LEDパッケージの外観であり、図1(b)は、LEDパッケージ内部の主要構成を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態による車両照明用LEDシステムの主要構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態に適用することができる電流ミラー回路(M)の例を示す回路図である。
図4図4は、第1実施形態を変形した変形例による車両照明用LEDシステムを示すブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態による車両照明用LEDシステムの電気的特性を示したグラフであり、図5(a)は、入力電圧に応じた電流特性を示したものであり、図5(b)は、入力電圧に応じた電力特性を示したものである。
図6】本発明の第2実施形態による車両照明用LEDシステムの主要構成を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態による車両照明用LEDシステムの電気的特性を示すグラフとして、図7(a)は、入力電圧に応じた電流特性を示すものであり、図7(b)は、入力電圧による電力特性を示すものである。
図8】実際の自動車で使用されている既存の駆動方式と本発明の第1実施形態による方式を比較テスト(Test)した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態による車両照明用LEDシステムに含まれているLEDパッケージとして、図1(a)はLEDパッケージの外観であり、図1(b)は、LEDパッケージ内部の主要構成を示す図である。
【0033】
図2は、本発明の第1実施形態による車両照明用LEDシステムの主要構成を示す機能ブロック図である。
【0034】
本発明の第1実施形態による車両照明用LEDシステムは、主にLEDパッケージ10と、外部トランジスタ20と、電流検出抵抗30と、電流セット抵抗40と、を備える。そしてLEDパッケージ10は、互いに直列連結される第1LEDチップ11(以下、「LED1」とも呼ばれる)及び第2LEDチップ12(以下、「LED2」とも呼ばれる)、並びに駆動回路13を含んで構成されているが、本発明の実施形態は、LEDチップと駆動回路が単一のパッケージにともに構成される形態である。第1LEDチップ11のアノード(Anode)は、LEDパッケージのアノード(Anode)端子を介して入力電圧(Vin)を供給され、第1LEDチップ11のカソード(Cathode)は、第2LEDチップ12のアノード(Anode)に連結され、第2 LEDチップ12のカソード(Cathode)は、LEDパッケージのカソード(Cathode)端子を介して外部トランジスタ20に連結される。
【0035】
基本的なシステム形態は、少なくともLED chip 2EAと、高効率/高信頼性のための駆動回路13が含まれるLEDパッケージと、従来の方式で熱分配抵抗の役割をする外部トランジスタ20と、を備える。
【0036】
外部トランジスタ20としては、FET(Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar mode Transistor)などがあり、代表的には、FETが選好される。外部トランジスタ20は、LEDパッケージ10の外部からLEDパッケージ10の端子(カソード)を介して第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12に連結される。外部トランジスタ20は、一端が第2LEDチップ12のカソード(Cathode)に連結され、他端は電流検出抵抗30に連結され、外部トランジスタの主な電流チャンネル(以下、「主電流チャネル」とも呼ばれ、FETの場合ドレイン・ソース経路をいう)が第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12に直列連結され、ゲートは駆動回路13に連結されて駆動回路13の制御信号を受信する。
【0037】
駆動回路13は、第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12の駆動、並びに外部トランジスタ20の動作を制御するためのものであり、駆動回路13は、直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12のうち、入力電圧の大きさが基準電圧よりも小さいときは、第1定電流で第1LEDチップ11だけを駆動し、入力電圧の大きさが基準電圧よりも大きいときは、第2定電流で第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12などを駆動する。駆動回路13は、第1LEDチップ11だけが駆動されるときに第1LEDチップ11での電力と、直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12などがすべて駆動されるときに、第1LEDチップ11及び前記第2LEDチップ12での電力が同じになるよう、第1定電流及び前記第2定電流を制御する。
【0038】
高効率/高信頼性のための駆動回路13の役割は、LED chip 2EAの駆動形態が変化しても(例えば、LED1だけの駆動あるいは(LED1+LED2+FET)の同時駆動)LEDチップ全体のPower(電力)を一定に維持する。入力電圧の変化があってもLED全体のPowerが同じになるようにLED chipの駆動を変化させ、高い入力電圧でもLEDの発熱を下げるために、従来の熱分配抵抗の役割をする外部トランジスタ20を制御する。さらに、Protection(プロテクション)機能と駆動回路の温度検出を通じてLED1と(LED1+LED2+FET)の駆動を変更する機能もまた含まれている。
【0039】
電流検出抵抗30は、一端が外部トランジスタ20の主電流チャネルに直列連結され、他端は接地に連結されてLED1、LED2及び外部トランジスタを通る経路の電流を検出するための役割を遂行するが、具体的には電流検出抵抗に流れる電流と抵抗を掛けた電圧信号をLEDパッケージの端子(CS)を介して駆動回路13のコンパレータ134に提供する。
【0040】
電流セット抵抗40は、LEDパッケージ10の外部からLEDパッケージ10の端子(RS)を介して駆動回路13に連結されるが、駆動回路の一部とともに電流ミラー回路(M)を構成し、第1定電流をセッティング(設定)するために使用される。
【0041】
駆動回路13は、駆動回路の各部分に電力を供給する電源生成回路133と、第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12が連結されるノードにドレインが連結され、接地にソースが連結される第1FET132と、電流ミラー回路(M)(具体的には、ミラー用回路136)に対して第1制御電圧を提供する第1基準値生成回路138と、コンパレータ134に対して第2制御電圧を提供する第2基準値生成回路135と、第2基準値生成回路135からの第2制御電圧と電流検出抵抗30からの電圧を比較した結果を出力するコンパレータ134と、プロテクション状況のときには、外部トランジスタ20をOFF(オフ)させる電圧を外部トランジスタ20のゲートに印加し、普段はコンパレータ134の出力に応じて、外部トランジスタ20のゲート電圧を制御する外部トランジスタの駆動ゲートドライバ137と、LEDパッケージ10の温度を検出する温度センサ139と、電流セット抵抗40をさらに利用して電流ミラー回路(M)を構成するミラー用回路136と、駆動回路の各部分から電圧や検出信号の入力を受けて駆動回路の各部分を制御する制御部131と、などを含んで構成される。
【0042】
制御部131は、入力電圧(Vin)、LED1の電圧(具体的にはLED1のカソード(Cathode)電圧)(VLED1)、LED2の電圧(具体的にはLED2のカソード(Cathode)電圧)(VLED2)及び外部トランジスタのゲート電圧(VGATE)、並びに温度センサの検出結果信号などを入力されて駆動回路の各部分を制御するが、第1基準値生成回路138に対して設定される第1比較電圧の情報を提供し、第2基準値生成回路135に対して設定される第2比較電圧の情報を提供し、外部トランジスタの駆動ゲートドライバ137に対してプロテクション状況に対する制御信号を提供し、これらに必要な演算と制御を行う。
【0043】
駆動回路13は、入力電圧の大きさが基準電圧よりも小さいときは、第1FET132を介して第1定電流が流れるように第1FET132のゲートを制御し、第2LEDチップ12と外部トランジスタ20を通る経路には電流が流れないように外部トランジスタ20のゲートを制御する。なお、駆動回路13は、入力電圧の大きさが基準電圧よりも大きいときは、第1FET132がOFF(オフ)されるように第1FET132のゲートを制御し、第2定電流が第1LEDチップ、第2LEDチップ及び外部トランジスタ20を介して流れるように外部トランジスタ20のゲート電圧を制御する。
【0044】
駆動回路13は、LEDパッケージ10の端子(CS)を介して電流検出抵抗30にかかる電圧を入力され、電流検出抵抗30にかかる電圧と駆動回路が、第2定電流の決定に基づいて設定される電圧を比較した結果として、外部トランジスタ20のゲートを制御することにより、外部トランジスタを介して第2定電流が流れるようにする。
【0045】
低い入力電圧(例えば基準電圧以下)では、LEDパッケージのRS端子(pin)の外部抵抗(電流セット抵抗)を介してLED1の基本定電流設定値を設定して、LED1に対して定電流で駆動を行う。入力電圧が高くなり、LED1及びLED2の直列駆動が可能な高い電圧領域(基準電圧以上)になると、LEDパッケージのCS端子(pin)の外部抵抗(電流検出抵抗)を介して(LED1+LED2+外部トランジスタ)を定電流で駆動させる。
【0046】
このとき、高い電圧領域では、(LED1+LED2)の駆動Power(パワー)以外のPower(パワー)は、外部トランジスタに印加されるようにして広い駆動範囲と発熱の安定性を確保することができる。特に外部トランジスタは、LEDパッケージの外側にあるため、外部トランジスタの発熱は、LEDパッケージに影響を与えない。これにより、LEDパッケージの内部に構成されるLED1、LED2及び駆動回路に影響を与えないためLEDパッケージ(駆動回路)の動作に対する信頼性を確保し、高い電圧領域で外部トランジスタに大きな電力消費を担当させることができるから、LEDパッケージの駆動回路に大きな電力消費を分担させるのと比較してLEDパッケージをより小さく実装することができる。そして、低い電圧領域では、外部トランジスタを通らない経路(また、LED2も通らない経路)に駆動電流が流れるようにするため、従来の技術に比べてより低い入力電圧(例えば、7Vよりも低い5Vまでの領域)でも駆動が可能となる。
【0047】
電流ミラー回路(M)は、電流セット抵抗40とミラー用回路136を含んで第1FET132のゲートに連結される電流ミラー回路(M)を構成する。電流ミラー回路(M)は、駆動回路13の制御部131によって制御電圧を入力されるが、具体的には、制御部131は、第1基準値生成回路138が前記制御電圧を出力することができるように制御電圧情報を第1基準値生成回路138に対して提供することができる。そして、電流ミラー回路(M)は、電流セット抵抗40に流れる電流のミラー電流が第1FET132を介して流れるように、第1FET132のゲート電圧を制御する。
【0048】
図3は、本発明の第1実施形態に適用されてもよい電流ミラー回路(M)の例を示す回路図である。
【0049】
図3の例において図示される電流ミラー回路(M)は、公知の技術であるため、具体的な説明を省略する。ただし、電流ミラー回路(M)に入力される制御電圧(VREF)(「第1制御電圧」)と電流セット抵抗(RS)の値に応じて電流セット抵抗(RS)に流れる1次電流が決定され、1次電流に対して固定される比率を有する2次電流(IOUT)(上記した「第1定電流」になる)が、第1FET132のドレイン・ソース経路に流れるようにする。
【0050】
一方、入力電圧が高い電圧領域に到達すると、制御部の制御(制御情報)によって第2基準値生成回路135は、第2制御電圧をコンパレータ143の+入力に提供し、電流が電流検出抵抗30に流れながら電流検出抵抗30にかかる電圧は、コンパレータ134の-入力となり、コンパレータ143は、これらを比較した結果を出力する。コンパレータ143の出力に応じて、外部トランジスタの駆動ゲートドライバ137は、外部トランジスタ20のゲート電圧を上げたり下げたりするようになり、それに応じて外部トランジスタ20に流れる電流を増加させたり低下したりする動作をするようになり、このような電流の増減とそれによる電流検出抵抗にかかる電圧の変動は、再びコンパレータの入力に反映されることでフィードバックループを構成することになる。これらのフィードバック作用により電流検出抵抗にかかる電圧は、第2制御電圧に収束することになり、最終的には電流検出抵抗が決定された状態で第2駆動電流は、第2制御電圧によって決定される。
【0051】
本発明の第1実施形態によると、高い電圧領域の駆動では、抵抗(つまり、電流検出抵抗)を通過する経路に電流(第2定電流)が流れるが、低い電圧領域の駆動では、抵抗(つまり、電流セット抵抗)を通過していない経路に電流(第1定電流)が流れるようにする。
【0052】
高い電圧領域の駆動では、電流検出抵抗が若干の熱分配抵抗の役割と電圧分配効果を有するようにする一方、低い電圧領域では、電流経路に抵抗をなくして、より低い電圧でもLED(LED1)の駆動を可能にする効果を有する。
【0053】
本発明のもう1つの特徴は、LEDパッケージの温度に応じて基準電圧を可変することである。駆動回路13は、温度センサ139が検出した温度値に基づいて基準電圧を変動させるが、温度値が上がるほど、上記した基準電圧を下げる。本発明では、入力電圧における低い電圧領域と高い電圧領域を分ける基準電圧を温度センサの入力を利用して可変させるにあたって、例えば、通常の温度範囲では、基準電圧が9Vになるようにするが、LEDパッケージの温度が一定温度以上に高くなると基準電圧を8Vに下げるように動作する。これにより、より低い基準電圧で(LED1+LED2+外部FET)の駆動が始まるようにする。
【0054】
本発明の第1実施形態に基づいて同じ電力になるように制御方法では、LED PKG内のLED1/LED2の電気的特性に合わせて、各制御電圧が固定値を有するようにし、RS/CS抵抗を設定してP1=P2が同じになるようにできる。他の制御方法では、内部駆動回路によって自動的にP1=P2となるように実施する方法であって、一方の定電流が決定されると、自動的に他方の定電流が決定されるように計算され、このとき、検出される電圧値が利用されることが可能である。例えば、第1制御電圧は、第2制御電圧と制御部に入力される電圧値から計算されてもよい。
【0055】
図4は、第1実施形態を変形した変形例による車両照明用LEDシステムを示すブロック図である。
【0056】
変形例では、電流セット抵抗がなくなってEN/PWM機能が追加される形で構成される。低い入力電圧領域で第1実施形態は、LEDパッケージのRS端子に連結される外部抵抗を用いてLED1の基本定電流(第1定電流)を設定したが、変形例では、内部フュージング(fusing)によって設定するように変形された(図示せず)。例えば、複数の抵抗を直並列に構成するか、又は抵抗ネットワークを構成した後、フュージングによって第1実施形態に開示された電流セット抵抗の役割を行う実効抵抗を設定した後、利用する方式である。
【0057】
一方、変形例では、外部EN/PWM信号の入力時にLED1駆動あるいは(LED1+LED2)駆動するときOn/OFF駆動及びPWM駆動を行うのが第1実施形態と異なる。このときも、全入力電圧範囲で、EN/PWM信号に合うLED全体のPower(電力)は一定であり、高い効率と高い信頼性の駆動をするのは同じである。
【0058】
図5は、本発明の第1実施形態による車両照明用LEDシステムの電気的特性を示すグラフとして、図5(a)は入力電圧に応じた電流特性を示すものであり、図5(b)は、入力電圧に応じた電力特性を示すものである。
【0059】
図5に示すように、入力電圧がLED1駆動電圧領域(VLED1~V)では、LED1のみ駆動させ、より高い電圧が印加されてLED2まで駆動可能な領域(V~)では、直列のLED1及びLED2に連結される外部トランジスタによって定電流で駆動する。このとき、LED1/LED2の電圧検出及び定電流設定値を変更することにより、入力電圧が可変されても、図5(b)に示すようにLED全体のPower [P(LED Total Power)]は一定にしておき、同じ光量を維持する。
【0060】
LED1のみ駆動がされる領域では、内部の駆動回路を通る経路に流れる定電流(ILED1)によってLED全体のPower(電力)を一定にしておき、それ以外の高い電圧領域、すなわちLED2まで駆動可能な領域では、外部トランジスタを通る経路に流れる定電流(ILED1+LED2+FET)によってLED全体のPower(電力)を一定にしておき、高い電圧入力領域で駆動回路の発熱の問題を解決することができる。
【0061】
外部トランジスタ駆動によって、従来の方法にしたがった熱分配抵抗の問題点である駆動領域の限定を解決することができる。これにより、(LED1+LED2)の駆動電圧を最大効率が可能なLED Vfの値に設定できるようにし、高効率及び発熱の問題を解決する、高い信頼性システムの実装が可能となる。
【0062】
図6は、本発明の第2実施形態による車両照明用LEDシステムの主要構成を示す図である。
【0063】
以下では、第1実施形態と比較して異なる点を中心に説明し、同一又は類似の内容に対しては省略することができる。
【0064】
LEDシステムは、LEDパッケージ10とその外部に構成される熱分配抵抗50などを含んで構成される。
【0065】
LEDパッケージ10は、互いに直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12、並びに第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12の駆動を制御するための駆動回路13を含んで構成されており、熱分配抵抗50は、LEDパッケージ10の外部からLEDパッケージ10の端子(カソード(Cathode))を介して第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12に一端が直列連結され、他端はLEDパッケージ10の端子(DR)に連結される。つまり、熱分配抵抗の両端は、すべてLEDパッケージに連結される。
【0066】
駆動回路13は、入力電圧の大きさが第1基準電圧よりも小さいとき(第1電圧範囲)には、第1LEDチップ11と第1FET141を通って接地に行く経路に第1定電流が流れるように駆動し、入力電圧の大きさが第1基準電圧よりも大きい、かつ第2基準電圧より小さいとき(第2電圧範囲)には、直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12、並びに第2FET142を通って接地に行く経路に第2定電流が流れるように駆動し、入力電圧の大きさが第2基準電圧よりも大きいとき(第3電圧範囲)には、直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12、並びに熱分配抵抗50を介した第3FET143を通る経路に同じ第2定電流(第2電圧範囲のときの電流と同じである)が流れるように駆動する。
【0067】
駆動回路13は、第1LEDチップ11だけが駆動されるとき(入力電圧が第1電圧範囲のとき)の第1LEDチップ11の電力と、直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12を通って接地に行く経路に駆動されるとき(入力電圧が第2電圧範囲のとき)の第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12の電力と、直列連結される第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12、並びに熱分配抵抗50を通って経路に駆動されるとき(入力電圧が第3電圧範囲のとき)の第1LEDチップ11及び第2LEDチップ12の電力とは同じになるように制御する。
【0068】
駆動回路13は、第1FET141、第2FET142及び第3FET143を含み、そして駆動回路13は、駆動回路の各部分に電源を供給する電源生成回路133と、LEDパッケージ10の温度を検出する温度センサ139と、駆動回路の各部分から電圧や検出信号の入力を受けて駆動回路の各部分を制御する制御部131などを含んで構成される。
【0069】
第1FET141は、第1LEDチップ11及び第2 LEDチップ12が連結されるノードにドレインが連結され、接地にソースが連結され、第1電流ミラー回路(M1)により、ゲート電圧が制御される。第2FET142は、第2LEDチップ12と熱分配抵抗50が連結されるノードにドレインが連結され、接地にソースが連結され、第2電流ミラー回路(M2)により、ゲート電圧が制御される。第3FET143は、熱分配抵抗50の他端がドレインに連結され、接地にソースが連結され、第2電流ミラー回路(M2)により、ゲート電圧が制御される。
【0070】
駆動回路13は、入力電圧の大きさが第1基準電圧よりも小さいとき(第1電圧範囲)には、第2FET142及び第3FET143をOFF(オフ)するようにし、第1FET141を介して第1定電流が流れるように制御し、入力電圧の大きさが第1基準電圧より大きい、かつ第2基準電圧より小さいとき(第2電圧範囲)には、第1FET141及び第3FET143をOFF(オフ)するようにし、第2FET142を介して第2定電流が流れるように制御し、入力電圧の大きさが第2基準電圧よりも大きいとき(第3電圧範囲)には、第1FET141及び第2FET142をOFF(オフ)するようにし、第3FET143を介して第2定電流が流れるように制御する。
【0071】
第1電流セット抵抗41は、LEDパッケージ10の外部からLEDパッケージ10の端子(RS1)を介して駆動回路13に連結され、駆動回路13に対して第1定電流をセッティングする。第2電流セット抵抗42は、LEDパッケージ10の外部からLEDパッケージの端子(RS2)を介して駆動回路13に連結され、駆動回路13に対して第2定電流をセッティングする。
【0072】
第1電流セット抵抗41を含んで第1FET141のゲートに連結される第1電流ミラー回路(M1)を構成するが、例えば、図3に図示される電流ミラー回路(M)と同様に構成される。第1電流ミラー回路(M1)は、駆動回路13の制御部131によって第1制御電圧を入力されるが、例えば、制御部131は、第1制御電圧情報を第1基準値生成回路136に提供し、第1基準値生成回路136は、第1制御電圧を出力する。そして、第1ミラー回路は、第1電流セット抵抗41に流れる電流のミラー電流が第1FET141を介して流れるように、第1FET141のゲート電圧(VC1)を制御する。
【0073】
第2電流セット抵抗42を含んで第2FET142のゲート及び第3FET143のゲートに連結される第2電流ミラー回路(M2)を構成する。第2電流ミラー回路(M2)は、駆動回路13の制御部131によって制御電圧を入力されるが、例えば、制御部131は、第2制御電圧情報を第2基準値生成回路144に提供し、第2基準値生成回路144は、第2制御電圧を出力する。そして第2ミラー回路は、第2電流セット抵抗42に流れる電流のミラー電流が第2FET142又は第3FET142を介して流れるように、第2FET142及び第3FET143のゲート電圧をそれぞれ制御するが、電圧範囲に応じて第2FET142又は第3FET143が動作されるようにする。このような形態の電流ミラー回路は、例えば、図3に図示される電流ミラー回路において右の部分の回路又は第2FET142及び第3FET143のゲートが2つ並列連結されるものであり得る。一方、第2FET142又は第3FET143を選択的に動作させるために、2つの並列連結の経路にスイッチングトランジスタを構成して制御部の制御に応じて選択できるようにする。
【0074】
温度センサ139は、LEDパッケージ10の内部に構成されてLEDパッケージ10の温度を検出する。駆動回路13は、温度センサ139が検出した温度値に応じて上記した1基準電圧及び第2基準電圧を変動させるが、温度値が上がるほど、第1基準電圧及び第2基準電圧を下げる。
【0075】
熱分配抵抗を使用する第2実施形態では、駆動回路はLED chip 2EA駆動の形態が変化しても(例えば、LED1のみ駆動、(LED1+LED2)の同時駆動、(LED1+LED2+熱分配抵抗)の同時駆動)、LED全体のPower(電力)を一定に維持する。なお、入力電圧の変化に応じてLED全体のPower(同じ光量)が同じになるようにLED chipの駆動を変化させ、高い入力電圧でもLEDの発熱を下げるために、外部熱分配抵抗を利用して駆動されるように制御する。これにより、高い入力電圧で外部の熱分配抵抗が発熱されるため、LEDパッケージの温度上昇が低減される。
【0076】
低い入力電圧範囲では、LEDパッケージのRS1端子(pin)の外部抵抗を介してLED1の基本定電流の設定値を設定し、LED1を定電流(第1定電流)で駆動する。入力電圧が高くなり、LED1及びLED2の直列駆動が可能な電圧範囲になると、LEDパッケージのRS2端子(pin)の外部抵抗を介して(LED1+ LED2)の基本定電流の設定値を設定して、(LED1+LED2)を定電流(第2定電流)で直列駆動するようにする。
【0077】
なお、LEDパッケージに高い発熱が発生するもっと高い電圧が印加されると、LEDパッケージのRS2端子(pin)による定電流の設定値(第2定電流)を基準に熱分配抵抗までも含まれている回路、すなわち(LED1+LED2+熱分配抵抗)を定電流で直列駆動するようにする。これにより、より高い電圧領域では、(LED1+LED2)の駆動Power(電力)以外にも、熱分布抵抗のPower(電力)も消費されるようにすることで、広い駆動範囲と発熱の安定性を確保することができる。
【0078】
図7は、本発明の第2実施形態による車両照明用LEDシステムの電気的特性を示すグラフとして、図7(a)は、入力電圧に応じた電流特性を示すものであり、図7(b)は、入力電圧にによる電力特性を示すものである。
【0079】
図7のようにLED1の駆動電圧領域では、LED1のみ駆動するようにし、より高い電圧が印加されて(LED1+LED2)が駆動可能な領域では、(LED1+LED2)を直列連結して(LED1+LED2)を駆動する。なお、LEDの発熱の問題が発生するもっと高い電圧が印加されると、外部の熱分配抵抗とともに駆動する。つまり、(LED1+LED2+熱分配抵抗)を定電流で直列駆動する。
【0080】
制御部は、LED1/LED2/熱分配抵抗の電圧検出と定電流の設定値を変更することにより、図7のように入力電圧が可変されてもLED全体のPower(電力)は一定にしておいて、同じ光量を維持するのが最大の特徴である。このとき、入力電圧が上がるほど、入力Power(電力)は上がる。
【0081】
本発明の第2実施形態により、熱分配抵抗を使用する低コストの駆動方式のシステム形態は、LED内部のLED1のみ駆動するとき、(LED1+LED2)、あるいは(LED1+LED2+熱分配抵抗)が駆動される領域でも、すべて内部回路を介してLED全体のPower(電力)を一定にしておく。特に、本発明の第2実施形態では、LED1あるいは(LED1+LED2)の形態、ひいては(LED1+LED2+熱分配抵抗)の形態に選択的に駆動が可能であることにより、低い入力電圧でも駆動が可能で、(LED1+LED2)の駆動電圧を最大効率が可能なLED Vfの値に設定することができる。これにより、従来の方式の熱分配抵抗の問題点である駆動領域の限定を解決することができ、高効率の特性によって発熱問題を解決する、高信頼性システムの実装が可能である。
【0082】
図8は、実際の自動車で使用されている既存の駆動方式と本発明の第1実施形態による駆動方式を比較テスト(Test)した結果を示すグラフである。
【0083】
従来の方式は、低い入力電圧(7V~9V)でLED Total Power(LED総パワー)が低くて均一な光量を表すことができず、高い入力電圧(16V~24V)では、システムの発熱の問題のためLED Total Power(LED総パワー)を下げる駆動方式を採用している。従来の方式では、低入力電圧(7V~9V)では熱分配抵抗にかかる電圧によってLEDに均一な光量を出すことができる電圧が印加されず、これにより、低入力電圧(7V~9V)でLED Total Power(LED総パワー)が低いことから均一な光量を出すことができない。
【0084】
もし熱分配抵抗にかかる電圧を下げると、以下のようにシステムにかかるPower(電力)公式によって駆動回路にかかるPower(電力)が高くなって、図8に示すように、例えば16V以上では均一な光量を出すことができない。
【0085】
P(total)=P(熱分配抵抗)+P(total LED)+P(駆動回路)
【0086】
高入力電圧(16V~24V)では、P(熱分配抵抗)とP(total LED)の値は、一定の値を示す定数値であるから、電圧が高くなるほど駆動回路にかかるPower(電力)は高くなる。これによって、従来の駆動方式は、実施しようとする最大のLED Total Power(LED総パワー)を下げるか、又は高電圧領域で電圧が高くなるほど、従来の駆動方式のようにLED Total Power(LED総パワー)を下げる駆動方式を採用している。
【0087】
したがって、LED駆動とシステム発熱の安定性の問題に起因して低い駆動領域では、定電力のLED駆動を放棄するか、又は高い入力電圧領域で定電力のLED駆動を放棄しなければならない問題があるのである。
【0088】
本発明は、上記で詳細に説明したように、全領域の電圧で同じTotal LED Power(総LEDパワー)を実施することはできる方式のため、図8に示すように、全時間領域及び全入力電圧領域で同じTotal LED Power(総LEDパワー)を実現する。
【0089】
なお、本発明は、高い効率によって従来の駆動方式のLED Total Power(LED総パワー)よりも高いLED Total Power(LED総パワー)を実現することができるにもかかわらず、より小さなIC Packageに実施することができる利点がある。また、核心の駆動ICと周辺部品の温度も下げることができ、システムの信頼性も向上させる利点がある。
【0090】
上記した本発明の説明において、第1LEDチップ及び第2LEDチップのそれぞれは、便宜上、単一のLED素子として図示されているが、複数のLED素子として第1LEDチップ及び/又は第2LEDチップを構成することができるのは当然なことから、本発明は、このように複数のLED素子としてLEDチップを構成する形態を含む。また、上記した本発明の説明では、LEDパッケージが2つのLEDチップを含んで構成されているものと示されているが、3つ以上のLEDチップを含んで構成されることも当然であり、これらの形態も本発明の範囲に含まれる。例えば、3つのLEDチップを含んでいる場合には、基準電圧及び入力電圧の範囲が追加で定義されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8