IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 佳凌科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】光学結像レンズ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20230426BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
G02B13/04
G02B13/18
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022007413
(22)【出願日】2022-01-20
【審査請求日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】110140575
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521343563
【氏名又は名称】佳凌科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林範儒
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-109755(JP,A)
【文献】国際公開第2016/067838(WO,A1)
【文献】特開平10-115778(JP,A)
【文献】国際公開第2018/110526(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第113495342(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112630936(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って物体側から像側まで順に、第一レンズ群、アパーチャー、及び第二レンズ群が配された光学結像レンズ装置であって、
前記第一レンズ群が、当該物体側から当該像側まで当該光軸に沿って並んでいる第一光学アセンブリ、第二光学アセンブリ及び第三光学アセンブリから成り、当該第一光学アセンブリが負屈折力を有し、当該第二光学アセンブリが負屈折力を有し、当該第三光学アセンブリが正屈折力を有し、
前記第二レンズ群が、当該物体側から当該像側まで当該光軸に沿って並んでいる第四光学アセンブリ及び第五光学アセンブリから成り、当該第四光学アセンブリが正屈折力を有し、当該第五光学アセンブリが正屈折力を有し、
ただし、前記第一光学アセンブリ、前記第二光学アセンブリ、前記第三光学アセンブリ、前記第四光学アセンブリ及び前記第五光学アセンブリは、そのうちの二つが少なくとも二つのレンズを含んで粘着した複合レンズであり、残りの三つが単体レンズであり、
前記第一光学アセンブリは、第一レンズから成る単体レンズであり、前記第二光学アセンブリは、第二レンズ及び第三レンズから成る複合レンズであり、前記第三光学アセンブリは、第四レンズから成る単体レンズであり、前記第四光学アセンブリは、第五レンズ及び第六レンズから成る複合レンズであり、前記第五光学アセンブリは、第七レンズから成る単体レンズであり
前記第四レンズは、少なくともその像側面が凸面の球面レンズであり、
前記第五レンズが負屈折力を有し、前記第六レンズが正屈折力を有することを特徴とする光学結像レンズ装置。
【請求項2】
当該光学結像レンズ装置は、-0.6<F/f1<-0.4という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f1は、当該第一レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項3】
当該光学結像レンズ装置は、-0.25<F/f23<-0.1という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f23は、当該第二光学アセンブリにおける第二レンズと第三レンズを粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離である、ことを特徴とする請求項に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項4】
当該光学結像レンズ装置は、0.6<F/f3<0.9という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f3は、当該第三レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項5】
当該光学結像レンズ装置は、0.3<F/f4<0.5という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f4は、当該第四レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項6】
当該光学結像レンズ装置は、0.01<F/f56<0.15という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f5は、当該第四光学アセンブリにおける第五レンズと第六レンズを粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離である、ことを特徴とする請求項に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項7】
当該光学結像レンズ装置は、0.55<F/f6<0.7という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f6は、当該第六レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項8】
当該光学結像レンズ装置は、0.3<F/f7<0.5という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f7は、当該第七レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項9】
当該光学結像レンズ装置は、0.2<F/fg1<0.4という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、fg1は、当該第一レンズ群の焦点距離である、ことを特徴とする請求項1に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項10】
当該光学結像レンズ装置は、0.3<F/fg2<0.5という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、fg2は、当該第二レンズ群の焦点距離である、ことを特徴とする請求項1に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項11】
前記第一レンズが、負屈折力を有し、物体側面と像側面との少なくとも一つが非球面とされ、
前記第二レンズが、負屈折力を有した両凹面レンズであり、
前記第三レンズが、正屈折力を有し、
前記第三レンズの物体側面と前記第二レンズの像側面を粘着して前記複合レンズが形成され
前記第四レンズが、正屈折力を有し、
前記第五レンズが、物体側面が凸面とされると共に、像側面が凹面とされ、
前記第六レンズが、両凸面レンズであ
前記第七レンズが、正屈折力を有し、物体側面と像側面との少なくとも一つが非球面とされたものである、ことを特徴とする請求項1に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項12】
当該第一レンズは、物体側面が凸面とされ、像側面が凹面とされる、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項13】
当該第三レンズは、両凸面レンズである、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項14】
当該第四レンズは、両凸面レンズである、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項15】
当該第七レンズは、両凸面レンズである、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項16】
当該第一レンズにおける物体側面と像側面とは、それぞれ非球面とされる、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項17】
当該第七レンズにおける物体側面と像側面とは、それぞれ非球面とされる、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項18】
当該光学結像レンズ装置は、-0.6<F/f1<-0.4という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f1は、当該第一レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項19】
当該光学結像レンズ装置は、-0.25<F/f23<-0.1という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f23は、当該第二レンズと当該第三レンズを粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離である、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項20】
当該光学結像レンズ装置は、0.6<F/f3<0.9という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f3は、当該第三レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項21】
当該光学結像レンズ装置は、0.3<F/f4<0.5という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f4は、当該第四レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項22】
当該光学結像レンズ装置は、0.01<F/f56<0.15という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f5は、当該第五レンズと当該第六レンズを粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離である、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項23】
当該光学結像レンズ装置は、0.55<F/f6<0.7という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f6は、当該第六レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【請求項24】
当該光学結像レンズ装置は、0.3<F/f7<0.5という条件が満たされており、ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置の焦点距離であり、f7は、当該第七レンズの焦点距離である、ことを特徴とする請求項11に記載の光学結像レンズ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学結像システムの適用分野に関し、低いディストーション及び優れた結像品質を有した光学結像レンズ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影の機能を付けたポータブル電子製品が盛んになるにつれ、光学システムに対するニーズが日々高まっていく。一般的に、光学システムの感光素子は、電荷結合素子(Charge Coupled Device、 CCD)と相補型金属酸化膜半導体素子(Complementary Metal-Oxide Semiconductor Sensor、 CMOS Sensor)との二つ以外がないと共に、半導体を製造する技術が精進していくにつれ、感光素子の画素寸法が小さくなり、光学システムが次第に高画素の分野に発展している。なお、無人航空機や自動運転車が生々発展していくにつれ、先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance system、 ADAS)が極めて重要な役割を果たしており、各種のレンズ装置にセンサーを取り付けることにより環境の情報を集めて、運転者が安全に運転するように保証する。また、車用レンズ装置は、外部に適用される環境の温度変化に応じて、温度のニーズに対するレンズ装置の品質も高まるので、結像品質に対する要求も日々増えている。
【0003】
優れた結像レンズ装置は、低いディストーション(distortion)と高い解像度(resolution)などの利点を有したことが一般的である。しかも、実際の適用場面において、小さい寸法とコストについての問題も考えられるべきであることから、様々な制限条件があっても、優れた結像品質を有したレンズ装置を設計できるようにすることは、設計者にとっての難しい問題の一つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このことに鑑み、本発明は、優れた結像品質の利点を有した光学結像レンズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明が提供する光学結像レンズ装置は、光軸に沿って物体側から像側まで順に、第一レンズ群、アパーチャー及び第二レンズ群を含んでいる。当該第一レンズ群は、当該物体側から当該像側まで当該光軸に沿って並んでいる第一光学アセンブリ、第二光学アセンブリ及び第三光学アセンブリを含み、当該第一光学アセンブリが負屈折力を有し、当該第二光学アセンブリが負屈折力を有し、当該第三光学アセンブリが正屈折力を有し、当該第二レンズ群は、当該物体側から当該像側まで当該光軸に沿って並んでいる第四光学アセンブリ及び第五光学アセンブリを含み、当該第四光学アセンブリが正屈折力を有し、当該第五光学アセンブリが正屈折力を有し、ただし、当該第一光学アセンブリ、当該第二光学アセンブリ、当該第三光学アセンブリ、当該第四光学アセンブリ及び当該第五光学アセンブリは、そのうちの二つが少なくとも二つのレンズを含んで粘着した複合レンズであり、残りの三つは単体レンズである。
【0006】
本発明は、光軸に沿って物体側から像側まで順に、第一レンズ、第二レンズ、第三レンズ、アパーチャー、第四レンズ、第五レンズ、第六レンズ及び第七レンズを含んだ光学結像レンズ装置を他の目的とする。当該第一レンズは、負屈折力を有し、物体側面と像側面とのうちの少なくともの一つが非球面とされるものである。当該第二レンズは、負屈折力を有した両凹面レンズであり、当該第三レンズは、正屈折力を有し、物体側面と当該第二レンズの像側面を粘着して形成した複合レンズであり、当該第四レンズは、正屈折力を有したものであり、当該第五レンズは、負屈折力を有し、物体側面が凸面とされると共に像側面が凹面とされるものであり、当該第六レンズは、正屈折力を有した両凸面レンズであり、当該第七レンズは、正屈折力を有し、物体側面と像側面との少なくともの一つが非球面とされるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明による効果は、当該光学結像レンズ装置に、七つのレンズを用いて五つのグループとなる光学アセンブリを構成し、ただし、二つの光学アセンブリが少なくとも二つのレンズを含んで粘着した複合レンズであり、残りの三つの光学アセンブリが単体レンズであることから、レンズ装置の色差を大幅に改良できると共に収差の発生を抑え、しかも、当該光学結像レンズ装置の屈折力の配列及び条件の特性によって、優れた結像品質を有した効果を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の第一実施例に係る光学結像レンズ装置の構成の模式図である。
図1B】本発明の第一実施例に係る光学結像レンズ装置の縦方向の球面収差図である。
図1C】本発明の第一実施例に係る光学結像レンズ装置の横方向の球面収差図である。
図2A】本発明の第二実施例に係る光学結像レンズ装置の構成の模式図である。
図2B】本発明の第二実施例に係る光学結像レンズ装置の縦方向の球面収差図である。
図2C】本発明の第二実施例に係る光学結像レンズ装置の横方向の球面収差図である。
図3A】本発明の第三実施例に係る光学結像レンズ装置の構成の模式図である。
図3B】本発明の第三実施例に係る光学結像レンズ装置の縦方向の球面収差図である。
図3C】本発明の第三実施例に係る光学結像レンズ装置の横方向の球面収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明をより明確に説明するためには、好ましい実施例を例に挙げて、図面を参照しながら、以下に説明する。図1Aを参照すると、本発明の第一実施例に係る光学結像レンズ装置100は、光軸Zに沿って物体側から像側まで順に、第一レンズ群G1、アパーチャーST及び第二レンズ群G2を含んでいる。本実施例では、当該第一レンズ群G1は、当該物体側から当該像側まで当該光軸Zに沿って並んでいる第一光学アセンブリC1、第二光学アセンブリC2及び第三光学アセンブリC3を含んでいる。当該第二レンズ群G2は、当該物体側から当該像側まで当該光軸Zに沿って並んでいる第四光学アセンブリC4及び第五光学アセンブリC5を含んでいる。ただし、当該第一光学アセンブリC1、当該第二光学アセンブリC2、当該第三光学アセンブリC3、当該第四光学アセンブリC4及び当該第五光学アセンブリC5は、そのうちの二つが少なくとも二つのレンズを含んで粘着した複合レンズであり、残りの三つが単体レンズである。
【0010】
当該第一光学アセンブリC1は、負屈折力を有し、図1Aに示すように、第一レンズL1を含んだ単体レンズであり、当該第一レンズL1は、凸凹レンズである。ただし、当該第一レンズL1は、物体側面S1が当該物体側に向かって円弧状に凸となる凸面とされると共に、像側面S2が凹面とされる。当該第一レンズL1の物体側面S1と像側面S2との少なくともの一つが非球面とされる。第一実施例では、当該第一レンズL1は、当該像側に向かう面の一部が当該像側面S2を窪んで形成すると共に、当該光軸Zが当該物体側面S1と当該像側面S2を通り、当該第一レンズL1における物体側面S1と像側面S2とがそれぞれ非球面である。
【0011】
当該第二光学アセンブリC2は、負屈折力を有し、図1Aに示すように、第二レンズL2及び第三レンズL3を含んだ複合レンズであり、そして、効果的にレンズ装置の色差を改良すると共に収差の発生を抑えることに役立つことが可能である。第一実施例では、当該第二レンズL2は、負屈折力を有した両凹面レンズであり、つまり、当該第二レンズL2における物体側面S3及び像側面S4がそれぞれ凹面とされる。当該第三レンズL3は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、当該第三レンズL3における物体側面S5及び像側面S6がそれぞれ凸面とされ、当該第三レンズL3の物体側面S5に対応的に当該第二レンズL2の像側面S4を粘着することにより、当該第二レンズL2の像側面S4と当該第三レンズL3の物体側面S5とが同一の平面を形成すると共に、当該第二レンズL2と当該第三レンズL3によって、負屈折力を有した複合レンズを結合する。
【0012】
当該第三光学アセンブリC3は、正屈折力を有し、図1Aに示すように、第四レンズL4を含んだ単体レンズであり、第一実施例では、当該第四レンズL4は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、物体側面S7及び像側面S8がそれぞれ凸面とされる。
【0013】
当該第四光学アセンブリC4は、正屈折力を有し、図1Aに示すように、第五レンズL5及び第六レンズL6を含んだ複合レンズであり、第一実施例では、当該第五レンズL5は、負屈折力を有した凸凹レンズである。ただし、当該第五レンズL5は、物体側面S9が当該物体側に向かって円弧状に凸となる凸面とされると共に、像側面S10が凹面とされる。図1Aを参照すると、当該第五レンズL5は、当該像側に向かう面の一部が当該像側面S10を窪んで形成すると共に、当該光軸Zが当該物体側面S9と当該像側面S10を通す。当該第六レンズL6は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、当該第六レンズL6における物体側面S11及び像側面S12がそれぞれ凸面とされ、当該第六レンズL6の物体側面S11に対応的に、当該第五レンズL5の像側面S10を粘着することにより、当該第五レンズL5の像側面S10と当該第六レンズL6の物体側面S11が同一の平面を形成すると共に、当該第五レンズL5と当該第六レンズL6によって、正屈折力を有した複合レンズを結合する。
【0014】
当該第五光学アセンブリC5は、正屈折力を有し、図1Aに示すように、第七レンズL7を含んだ単体レンズであり、当該第七レンズL7は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、当該第七レンズL7における物体側面S13及び像側面S14がそれぞれ凸面とされると共に、当該第七レンズL7における物体側面S13と像側面S14の少なくともの一つが非球面とされ、第一実施例では、当該第七レンズL7における物体側面S13と像側面S14がそれぞれ非球面とされる。
【0015】
また、当該光学結像レンズ装置100は、赤外線フィルターL8及び保護ガラスL9をさらに含む。当該赤外線フィルターL8は、当該第七レンズL7における像側面S14の一方側に位置しており、当該第一レンズ群G1から当該第二レンズ群G2まで通過した映像光に余計な赤外線をフィルタリングして、結像品質を高めるものである。当該保護ガラスL9は、当該赤外線フィルターL8を保護するように、当該赤外線フィルターL8に位置すると共に、当該赤外線フィルターL8と結像面Imとの間に位置するように設置される。
【0016】
本発明に係る光学結像レンズ装置100に、優れた光学性能及び比較的高い結像品質を維持させるように、当該光学結像レンズ装置100は、
(1) -0.6<F/f1<-0.4
(2) -0.25<F/f23<-0.1、0.6<F/f3<0.9
(3) 0.3<F/f4<0.5
(4) 0.01<F/f56<0.15、0.55<F/f6<0.7
(5) 0.3<F/f7<0.5
(6) 0.2<F/fg1<0.4、0.3<F/fg2<0.5という条件がさらに、満たされている。
【0017】
ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置100の焦点距離であり、f1は、当該第一光学アセンブリC1における第一レンズL1の焦点距離であり、f2は、当該第二光学アセンブリC2における第二レンズL2の焦点距離であり、f3は、当該第二光学アセンブリC2における第三レンズL3の焦点距離であり、f23は、当該第二光学アセンブリC2における第二レンズL2と第三レンズL3を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離であり、f4は、当該第三光学アセンブリC3における第四レンズL4の焦点距離であり、f5は、当該第四光学アセンブリC4における第五レンズL5の焦点距離であり、f6は、当該第四光学アセンブリC4における第六レンズL6の焦点距離であり、f56は、当該第四光学アセンブリC4における第五レンズL5と第六レンズL6を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離であり、f7は、当該第五光学アセンブリC5における第七レンズL7の焦点距離であり、fg1は、当該第一レンズ群G1の焦点距離であり、fg2は、当該第二レンズ群G2の焦点距離である。
【0018】
下表一は、本発明の第一実施例に係る光学結像レンズ装置100のデータであり、光学結像レンズ装置100の焦点距離F(または、有効な焦点距離とも呼ばれる)、アパーチャー値Fno、全視野角FOV、各レンズの曲率半径R、光軸Zにおける各面からその次面までの距離、各レンズの屈折率Nd、各レンズの焦点距離、第二光学アセンブリC2の接着焦点距離、第四光学アセンブリC4の接着焦点距離を含んでいる。ただし、焦点距離、曲率半径及び距離は、それらの単位がmmである。以下の記載に言及するデータの資料は、本発明を限定するものではなく、如何なる当業者が本願を参照すると、本願の範囲を逸脱しない限り、これらのパラメータや設定を適正に変更することが可能である。
【0019】
上記の表一によると、以下のように分かる。第一実施例の光学結像レンズ装置100の焦点距離F=7.02mm、アパーチャー値Fno=1.8、画角FOV=85度、ただし、当該第一レンズL1の焦点距離f1=-15.59mm、当該第二レンズL2の焦点距離f2=-5.75mm、当該第三レンズL3の焦点距離f3=10.41mm、当該第四レンズL4の焦点距離f4=18.91mm、当該第五レンズL5の焦点距離f5=-17.38mm、当該第六レンズL6の焦点距離f6=11.47mm、当該第七レンズL7の焦点距離f7=21.09mm、当該第二光学アセンブリC2における第二レンズL2と第三レンズL3を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離f23=-34.95mm、当該第四光学アセンブリC4における第五レンズL5と第六レンズL6を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離f56=65.26mm、当該第一レンズ群G1の焦点距離fg1=26.99、当該第二レンズ群G2の焦点距離fg2=19.13mm。
【0020】
また、上記の具体的なパラメータによると、第一実施例において前記条件式の具体的な数値が以下の通りである。
(1) F/f1=-0.45
(2) F/f23=-0.2、F/f3=0.67
(3) F/f4=0.37
(4) F/f56=0.11、F/f6=0.61
(5) F/f7=0.33
(6) F/fg1=0.26、F/fg2=0.37。
【0021】
上記の表一のデータによると、当該第一光学アセンブリC1乃至第五光学アセンブリC5が、前記当該光学結像レンズ装置100に設定された第(1)乃至(6)の条件を満たしているということが分かる。
【0022】
また、第一実施例に係る光学結像レンズ装置100における当該第一レンズL1の物体側面S1及び像側面S2、及び当該第七レンズL7の物体側面S13及び像側面S14については、非球面の表面の輪郭形状Zを以下の式によって取得することができる。
ただし、
Zは、非球面の表面の輪郭形状であり、
cは、曲率半径の逆数であり、
hは、表面における軸外れ高さの半分(half the off-axis height of the surface)であり、
kは、円錐係数であり、
A4、A6、A8、A10、A12、A14及びA16は、表面における軸外れ高さの半分hについての各係数の次数である。
【0023】
この第一実施例の光学結像レンズ装置100における当該第一レンズL1の物体側面S1及び像側面S2、及び、当該第七レンズL7の物体側面S13及び像側面S14については、円錐係数k、及び、A4、A6、A8、A10、A12、A14及びA16の各係数の次数を下表二に示す。
【0024】
以下、光学シミュレーションデータに基づいて当該光学結像レンズ装置100の結像品質を検証する。図1Bは、本発明の第一実施例の縦方向の球面収差図であり、図1Cは、本発明の第一実施例の横方向の球面収差図である。図1B及び1Cの結果に基づいて、本実施例の光学結像レンズ装置100について上記の設計によって、結像品質を高める効果を検証することが可能である。
【0025】
図2Aを参照すると、本発明の第二実施例に係る光学結像レンズ装置200は、光軸Zに沿って物体側から像側まで順に、第一レンズ群G1、アパーチャーST及び第二レンズ群G2を含んでいる。本実施例では、当該第一レンズ群G1は、当該物体側から当該像側まで当該光軸Zに沿って並んでいる第一光学アセンブリC1、第二光学アセンブリC2及び第三光学アセンブリC3を含み、当該第二レンズ群G2は、当該物体側から当該像側まで当該光軸Zに沿って並んでいる第四光学アセンブリC4及び第五光学アセンブリC5を含む。
【0026】
当該第一光学アセンブリC1は、負屈折力を有し、図2Aに示すように、第一レンズL1を含んだ単体レンズであり、当該第一レンズL1は、凸凹レンズである。ただし、当該第一レンズL1は、物体側面S1が当該物体側に向かって円弧状に凸となる凸面とされると共に、像側面S2が凹面とされ、また、当該第一レンズL1における物体側面S1と像側面S2の少なくともの一つが非球面とされる。第二実施例では、当該第一レンズL1は、当該像側に向かう面の一部が当該像側面S2を窪んで形成すると共に、当該光軸Zが当該物体側面S1と当該像側面S2とを通り、当該第一レンズL1における物体側面S1と像側面S2とがそれぞれ非球面とされる。
【0027】
当該第二光学アセンブリC2は、負屈折力を有し、図2Aに示すように、第二レンズL2及び第三レンズL3を含んだ複合レンズであり、効果的にレンズ装置の色差を改良すると共に収差の発生を抑えることに役立つことが可能である。第二実施例では、当該第二レンズL2は、負屈折力を有した両凹面レンズであり、つまり、物体側面S3と像側面S4がそれぞれ凹面とされ、当該第三レンズL3は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、物体側面S5と像側面S6がそれぞれ凸面とされ、物体側面S5に対応的に当該第二レンズL2の像側面S4を粘着することにより、当該第二レンズL2の像側面S4と当該第三レンズL3の物体側面S5が同一の平面を形成すると共に、当該第二レンズL2と当該第三レンズL3によって、負屈折力を有した複合レンズを結合する。
【0028】
当該第三光学アセンブリC3は、正屈折力を有し、図2Aに示すように、第四レンズL4を含んだ単体レンズであり、第二実施例では、当該第四レンズL4は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、物体側面S7と像側面S8がそれぞれ凸面とされる。
【0029】
当該第四光学アセンブリC4は、正屈折力を有し、図2Aに示すように、第五レンズL5及び第六レンズL6を含んだ複合レンズであり、第二実施例では、当該第五レンズL5は、負屈折力を有した凸凹レンズである。ただし、当該第五レンズL5は、物体側面S9が当該物体側に向かって円弧状に凸となる凸面とされると共に、像側面S10が凹面とされる。図2Aを参照すると、当該第五レンズL5は、当該像側に向かう面の一部が当該像側面S10を窪んで形成すると共に、当該光軸Zが当該物体側面S9と当該像側面S10を通す。当該第六レンズL6は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、当該第六レンズL6における物体側面S11と像側面S12がそれぞれ凸面とされ、当該第六レンズL6の物体側面S11に対応的に当該第五レンズL5の像側面S10を粘着することにより、当該第五レンズL5の像側面S10と当該第六レンズL6の物体側面S11が同一の平面を形成すると共に、当該第五レンズL5と当該第六レンズL6によって、正屈折力を有した複合レンズを結合する。
【0030】
当該第五光学アセンブリC5は、正屈折力を有し、図2Aに示すように、第七レンズL7を含んだ単体レンズであり、当該第七レンズL7は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、当該第七レンズL7における物体側面S13と像側面S14がそれぞれ凸面とされると共に、物体側面S13と像側面S14の少なくともの一つが非球面とされる。第二実施例では、当該第七レンズL7における物体側面S13と像側面S14は、それぞれ非球面とされる。
【0031】
また、当該光学結像レンズ装置200は、赤外線フィルターL8及び保護ガラスL9をさらに含む。当該赤外線フィルターL8は、当該第七レンズL7における像側面S14の一方側に位置しており、当該第一レンズ群G1から当該第二レンズ群G2まで通過した映像光に余計な赤外線をフィルタリングして、結像品質を高めるためのものである。当該保護ガラスL9は、当該赤外線フィルターL8を保護するように、当該赤外線フィルターL8の一方側に位置すると共に、当該赤外線フィルターL8と結像面Imとの間に位置するように設置される。
【0032】
本発明に係る光学結像レンズ装置200に、優れた光学性能及び比較的高い結像品質を維持させるように、当該光学結像レンズ装置200は、
(1) -0.6<F/f1<-0.4
(2) -0.25<F/f23<-0.1、0.6<F/f3<0.9
(3) 0.3<F/f4<0.5
(4) 0.01<F/f56<0.15、0.55<F/f6<0.7
(5) 0.3<F/f7<0.5
(6) 0.2<F/fg1<0.4、0.3<F/fg2<0.5、という条件がさらに満たされている。
【0033】
ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置100の焦点距離であり、f1は、当該第一光学アセンブリC1における第一レンズL1の焦点距離であり、f2は、当該第二光学アセンブリC2における第二レンズL2の焦点距離であり、f3は、当該第二光学アセンブリC2における第三レンズL3の焦点距離であり、f23は、当該第二光学アセンブリC2における第二レンズL2と第三レンズL3を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離であり、f4は、当該第三光学アセンブリC3における第四レンズL4の焦点距離であり、f5は、当該第四光学アセンブリC4における第五レンズL5の焦点距離であり、f6は、当該第四光学アセンブリC4における第六レンズL6の焦点距離であり、f56は、当該第四光学アセンブリC4における第五レンズL5と第六レンズL6を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離であり、f7は、当該第五光学アセンブリC5における第七レンズL7の焦点距離であり、fg1は、当該第一レンズ群G1の焦点距離であり、fg2は、当該第二レンズ群G2の焦点距離である。
【0034】
下表三は、本発明の第二実施例に係る光学結像レンズ装置200のデータであり、光学結像レンズ装置200の焦点距離F(または、有効な焦点距離とも呼ばれる)、アパーチャー値Fno、全視野角FOV、各レンズの曲率半径R、光軸Zにおける各面からその次面までの距離、各レンズの屈折率Nd、各レンズの焦点距離、第二光学アセンブリC2の接着焦点距離、第四光学アセンブリC4の接着焦点距離を含んでいる。ただし、焦点距離、曲率半径及び距離は、それらの単位がmmである。以下の記載に言及するデータの資料は、本発明を限定するものではなく、如何なる当業者が本願を参照すると、本願の範囲を逸脱しない限り、これらのパラメータや設定を適正に変更することが可能である。
【0035】
上記の表三によると、以下のように分かる。第二実施例の光学結像レンズ装置200の焦点距離F=7.75mm、アパーチャー値Fno=1.9、画角FOV=73.9度、ただし、当該第一レンズL1の焦点距離f1=-13.26mm、当該第二レンズL2の焦点距離f2=-7.65mm、当該第三レンズL3の焦点距離f3=10.32mm、当該第四レンズL4の焦点距離f4=18.97mm、当該第五レンズL5の焦点距離f5=-19.35mm、当該第六レンズL6の焦点距離f6=12.37mm、当該第七レンズL7の焦点距離f7=19.46mm、当該第二光学アセンブリC2における第二レンズL2と第三レンズL3を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離f23=-59.124mm、当該第四光学アセンブリC4における第五レンズL5と第六レンズL6を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離f56=64.18mm、当該第一レンズ群G1の焦点距離fg1=24.52、当該第二レンズ群G2の焦点距離fg2=18.61mm。
【0036】
また、上記の具体的なパラメータによると、第二実施例において、前記条件式の具体的な数値が以下の通りである。
(1) F/f1=-0.58
(2) F/f23=-0.13、F/f3=0.75
(3) F/f4=0.41
(4) F/f56=0.12、F/f6=0.63
(5) F/f7=0.4
(6) F/fg1=0.32、F/fg2=0.42。
【0037】
上記の表三データによると、当該第一光学アセンブリC1乃至第五光学アセンブリC5が、前記当該光学結像レンズ装置200に設定された第(1)乃至(6)の条件を満たしているということが分かる。
【0038】
また、第二実施例に係る光学結像レンズ装置200における当該第一レンズL1の物体側面S1及び像側面S2、及び当該第七レンズL7の物体側面S13及び像側面S14については、非球面の表面の輪郭形状Zを以下の式によって取得することができる。
ただし、
Zは、非球面の表面の輪郭形状であり、
cは、曲率半径の逆数であり、
hは、表面における軸外れ高さの半分であり、
kは、円錐係数であり、
A4、A6、A8、A10、A12、A14及びA16は、表面における軸外れ高さの半分hについての各係数の次数である。
【0039】
この第二実施例に係る光学結像レンズ装置200における当該第一レンズL1の物体側面S1及び像側面S2、及び、当該第七レンズL7の物体側面S13及び像側面S14については、円錐係数k、及び、A4、A6、A8、A10、A12、A14及びA16の各係数の次数を下表四に示す。
【0040】
以下、光学シミュレーションデータに基づいて、当該光学結像レンズ装置200の結像品質を検証する。図2Bは、本発明の第二実施例の縦方向の球面収差図であり、図2Cは、本発明の第二実施例の横方向の球面収差図である。図2B及び2Cの結果に基づいて、本実施例の光学結像レンズ装置200について上記の設計によって、結像品質を高める効果を検証することが可能である。
【0041】
図3Aを参照すると、本発明の第三実施例に係る光学結像レンズ装置300は、光軸Zに沿って物体側から像側まで順に第一レンズ群G1、アパーチャーST及び第二レンズ群G2を含んでいる。本実施例では、当該第一レンズ群G1は、当該物体側から当該像側まで当該光軸Zに沿って並んでいる第一光学アセンブリC1、第二光学アセンブリC2及び第三光学アセンブリC3を含み、当該第二レンズ群G2は、当該物体側から当該像側まで当該光軸Zに沿って並んでいる第四光学アセンブリC4及び第五光学アセンブリC5を含む。
【0042】
当該第一光学アセンブリC1は、負屈折力を有し、図3Aに示すように、第一レンズL1を含んだ単体レンズであり、当該第一レンズL1は、凸凹レンズである。ただし、当該第一レンズL1は、物体側面S1が該物体側に向かって円弧状に凸となる凸面とされると共に、像側面S2が凹面とされ、当該第一レンズL1における物体側面S1と像側面S2の少なくともの一つが非球面とされる。第三実施例では、当該第一レンズL1は、当該像側に向かう面の一部が当該像側面S2を窪んで形成すると共に、当該光軸Zが当該物体側面S1と当該像側面S2を通り、当該第一レンズL1における物体側面S1と像側面S2とがそれぞれ非球面である。
【0043】
当該第二光学アセンブリC2は、負屈折力を有し、図3Aに示すように、第二レンズL2及び第三レンズL3を含んだ複合レンズであり、効果的にレンズ装置の色差を改良すると共に収差の発生を抑えることに役立つことが可能である。第三実施例では、当該第二レンズL2は、負屈折力を有した両凹面レンズであり、つまり、当該第二レンズL2における物体側面S3と像側面S4がそれぞれ凹面とされ、当該第三レンズL3は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、当該第三レンズL3における物体側面S5と像側面S6がそれぞれ凸面とされ、当該第三レンズL3の物体側面S5に対応的に当該第二レンズL2の像側面S4を粘着することにより、当該第二レンズL2の像側面S4と当該第三レンズL3の物体側面S5が同一の平面を形成すると共に、当該第二レンズL2と当該第三レンズL3によって、負屈折力を有した複合レンズを結合する。
【0044】
当該第三光学アセンブリC3は、正屈折力を有し、図3Aに示すように、第四レンズL4を含んだ単体レンズであり、第三実施例では、当該第四レンズL4は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、当該第四レンズL4における物体側面S7と像側面S8がそれぞれ凸面とされる。
【0045】
当該第四光学アセンブリC4は、正屈折力を有し、図3Aに示すように、第五レンズL5及び第六レンズL6を含んだ複合レンズであり、第三実施例では、当該第五レンズL5は、負屈折力を有した凸凹レンズである。ただし、当該第五レンズL5は、物体側面S9が当該物体側に向かって円弧状に凸となる凸面とされると共に、像側面S10が凹面とされる。図2Aを参照すると、当該第五レンズL5は、当該像側に向かう面の一部が当該像側面S10を窪んで形成すると共に、当該光軸Zが当該物体側面S9と当該像側面S10とを通す。当該第六レンズL6は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、当該第六レンズL6における物体側面S11と像側面S12とがそれぞれ凸面とされ、当該第六レンズL6の物体側面S11に、対応的に、当該第五レンズL5の像側面S10を粘着することにより、当該第五レンズL5の像側面S10と当該第六レンズL6の物体側面S11とが同一の平面を形成すると共に、当該第五レンズL5と当該第六レンズL6によって、正屈折力を有した複合レンズを結合する。
【0046】
当該第五光学アセンブリC5は、正屈折力を有し、図3Aに示すように、第七レンズL7を含んだ単体レンズであり、当該第七レンズL7は、正屈折力を有した両凸面レンズであり、つまり、当該第七レンズL7における物体側面S13と像側面S14がそれぞれ凸面とされると共に、当該第七レンズL7における物体側面S13と像側面S14の少なくともの一つが非球面とされる。第三実施例では、当該第七レンズL7における物体側面S13と像側面S14は、それぞれ非球面とされる。
【0047】
また、当該光学結像レンズ装置300は、赤外線フィルターL8及び保護ガラスL9をさらに含む。当該赤外線フィルターL8は、当該第七レンズL7における像側面S14の一方側に位置しており、当該第一レンズ群G1から当該第二レンズ群G2まで通過した映像光に余計な赤外線をフィルタリングして、結像品質を高めるためのものである。当該保護ガラスL9は、当該赤外線フィルターL8を保護するように、当該赤外線フィルターL8の一方側に位置すると共に当該赤外線フィルターL8と結像面Imとの間に位置するに設置される。
【0048】
本発明に係る光学結像レンズ装置300に、優れた光学性能及び比較的高い結像品質を維持させるように、当該光学結像レンズ装置300は、
(1) -0.6<F/f1<-0.4
(2) -0.25<F/f23<-0.1、0.6<F/f3<0.9
(3) 0.3<F/f4<0.5
(4) 0.01<F/f56<0.15、0.55<F/f6<0.7
(5) 0.3<F/f7<0.5
(6) 0.2<F/fg1<0.4、0.3<F/fg2<0.5、という条件がさらに満たされている。
【0049】
ただし、Fは、当該光学結像レンズ装置300の焦点距離であり、f1は、当該第一光学アセンブリC1における第一レンズL1の焦点距離であり、f2は、当該第二光学アセンブリC2における第二レンズL2の焦点距離であり、f3は、当該第二光学アセンブリC2における第三レンズL3の焦点距離であり、f23は、当該第二光学アセンブリC2における第二レンズL2と第三レンズL3を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離であり、f4は、当該第三光学アセンブリC3における第四レンズL4の焦点距離であり、f5は、当該第四光学アセンブリC4における第五レンズL5の焦点距離であり、f6は、当該第四光学アセンブリC4における第六レンズL6の焦点距離であり、f56は、当該第四光学アセンブリC4における第五レンズL5と第六レンズL6を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離であり、f7は、当該第五光学アセンブリC5における第七レンズL7の焦点距離であり、fg1は、当該第一レンズ群G1の焦点距離であり、fg2は、当該第二レンズ群G2の焦点距離である。
【0050】
下表五は、本発明の第三実施例に係る光学結像レンズ装置300のデータであり、光学結像レンズ装置300の焦点距離F(または、有効な焦点距離とも呼ばれる)、アパーチャー値Fno、全視野角FOV、各レンズの曲率半径R、光軸Zにおける各面からその次面までの距離、各レンズの屈折率Nd、各レンズの焦点距離、第二光学アセンブリC2の接着焦点距離、第四光学アセンブリC4の接着焦点距離を含んでいる。ただし、焦点距離、曲率半径及び距離は、それらの単位がmmである。以下の記載に言及するデータの資料は、本発明を限定するものではなく、如何なる当業者が本願を参照すると、本願の範囲を逸脱しない限り、これらのパラメータや設定を適正に変更することが可能である。
【0051】
上記の表五によると、いかのように分かる。第三実施例の光学結像レンズ装置300の焦点距離F=8.7mm、アパーチャー値Fno=2.1、画角FOV=62度、ただし、当該第一レンズL1の焦点距離f1=-16.09mm、当該第二レンズL2の焦点距離f2=-7.31mm、当該第三レンズL3の焦点距離f3=9.97mm、当該第四レンズL4の焦点距離f4=19.59mm、当該第五レンズL5の焦点距離f5=-18.61mm、当該第六レンズL6の焦点距離f6=13.69mm、当該第七レンズL7の焦点距離f7=18.45mm、当該第二光学アセンブリC2における第二レンズL2と第三レンズL3を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離f23=-50.76mm、当該第四光学アセンブリC4における第五レンズL5と第六レンズL6を粘着して形成した複合レンズの接着焦点距離f56=151.93mm、当該第一レンズ群G1の焦点距離fg1=23.92、当該第二レンズ群G2の焦点距離fg2=20.73mm。
【0052】
また、上記の具体的なパラメータによると、第三実施例において前記条件式の具体的な数値が以下の通りである。
(1) F/f1=-0.54
(2) F/f23=-0.17、F/f3=0.87
(3) F/f4=0.44
(4) F/f56=0.06、F/f6=0.64
(5) F/f7=0.47
(6) F/fg1=0.36、F/fg2=0.42。
【0053】
上記の表五のデータによると、当該第一光学アセンブリC1乃至第五光学アセンブリC5が、前記当該光学結像レンズ装置300に設定された第(1)乃至(6)の条件を満たしているということが分かる。
【0054】
また、第三実施例に係る光学結像レンズ装置300における当該第一レンズL1の物体側面S1及び像側面S2、及び、当該第七レンズL7の物体側面S13及び像側面S14については、非球面の表面の輪郭形状Zを以下の式によって取得することができる。
ただし、
Zは、非球面の表面の輪郭形状であり、
cは、曲率半径の逆数であり、
hは、表面における軸外れ高さの半分であり、
kは、円錐係数であり、
A4、A6、A8、A10、A12、A14及びA16は、表面における軸外れ高さの半分hについての各係数の次数である。
【0055】
この第三実施例に係る光学結像レンズ装置300における当該第一レンズL1の物体側面S1及び像側面S2、及び、当該第七レンズL7の物体側面S13及び像側面S14については、円錐係数k及びA4、A6、A8、A10、A12、A14及びA16の各係数の次数を下表六に示す。
【0056】
以下、光学シミュレーションデータに基づいて、当該光学結像レンズ装置300の結像品質を検証する。図3Bは、本発明の第三実施例の縦方向の球面収差図であり、図3Cは本発明の第三実施例の横方向の球面収差図である。図3B及び3Cの結果に基づいて、本実施例の光学結像レンズ装置300について、上記の設計によって、結像品質を高める効果を検証することが可能である。
【0057】
以上は、本発明における好ましい実施可能な実施例に過ぎず、注意すべきことは、上記の表に記載したデータの資料が本発明を限定するものではなく、如何なる当業者が本願を参照すると、本願の範囲を逸脱しない限り、これらのパラメータや設定を適正に変更することが可能である。本発明の明細書や特許請求の範囲に基づいてなされる均等置換は、いずれも、本発明の特許範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
100、200、300 光学結像レンズ装置
G1 第一レンズ群
G2 第二レンズ群
C1 第一光学アセンブリ
C2 第二光学アセンブリ
C3 第三光学アセンブリ
C4 第四光学アセンブリ
C5 第五光学アセンブリ
L1 第一レンズ
L2 第二レンズ
L3 第三レンズ
L4 第四レンズ
L5 第五レンズ
L6 第六レンズ
L7 第七レンズ
L8 赤外線フィルター
L9 保護ガラス
Im 結像面
ST アパーチャー
Z 光軸
S1、S3、S5、S7、S9、S11、S13、S15 物体側面
S2、S4、S6、S8、S10、S12、S14、S16 像側面
【要約】
【課題】優れた結像品質の利点を有した光学結像レンズ装置を提供すること。
【解決手段】光学結像レンズ装置は、光軸に沿って物体側から像側まで順に第一レンズ群、アパーチャー及び第二レンズ群を含んでいる。第一レンズ群は、第一光学アセンブリ、第二光学アセンブリ及び第三光学アセンブリを含み、第一光学アセンブリが負屈折力を有し、第二光学アセンブリが負屈折力を有し、第三光学アセンブリが正屈折力を有する。第二レンズ群は、第四光学アセンブリ及び第五光学アセンブリを含み、第四光学アセンブリが正屈折力を有し、第五光学アセンブリが正屈折力を有する。ただし、第一光学アセンブリ、第二光学アセンブリ、第三光学アセンブリ、第四光学アセンブリ及び第五光学アセンブリは、そのうちの二つが少なくとも二つのレンズを含んで粘着した複合レンズであり、残りの三つが単体レンズであることから、光学結像システムに高い結像品質の利点を有させることができる。
【選択図】図1A
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C