(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】食品調理器の構造
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20230426BHJP
【FI】
A47J31/44 100
(21)【出願番号】P 2022061867
(22)【出願日】2022-04-01
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】500503160
【氏名又は名称】大統營實業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林裕源
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-122754(JP,U)
【文献】登録実用新案第3216831(JP,U)
【文献】特開2005-230317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 1/00- 9/52
A23N 1/00-17/02
A47J 31/00-31/60
42/00-44/02
B02B 1/00- 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、食品調理ユニット及び昇降調整ユニットを備えた食品調理器の構造であって、
前記本体には、ベースが設けられ、前記ベースの両側には、支持座がそれぞれ接続され、前記支持座内には、チャンバが形成され、
前記食品調理ユニットは、前記本体の2つの支持座間に配設され、前記ベースの上方に位置し、
前記昇降調整ユニットは、縦向ガイド溝及び操作杆を有し、
前記縦向ガイド溝は、前記本体の2つの前記支持座の内面にそれぞれ形成されるとともに、前記チャンバと連通し、前記支持座の前面には、貫通孔が形成され、前記貫通孔と前記支持座の前記チャンバとが連通し、前記食品調理ユニットの両側には、ガイドがそれぞれ設けられ、2つの前記ガイドは、2つの前記支持座の前記縦向ガイド溝に対応して接合され、
前記操作杆は、前記本体の前記支持座に形成された前記貫通孔を介して前記支持座の前記チャンバ内に挿設されるとともに、前記支持座の前記ガイドに対応した箇所に設けられた爪部を有し、前記支持座の前記ガイドには、前記操作杆の前記爪部が対応して係合される係合溝が形成され、前記操作杆上には、少なくとも1つの横向ガイド溝が形成され、前記支持座には、前記横向ガイド溝に対応した箇所に位置決めピンが螺着され、前記操作杆と前記支持座との間には弾性部材が取付けられ、前記操作杆の前端には、前記支持座の前記貫通孔から露出される駆動部が設けられることを特徴とする、
食品調理器の構造。
【請求項2】
前記本体は、2つの前記支持座の前記チャンバをそれぞれ対応して覆う2つのサイドカバーを有することを特徴とする請求項1に記載の食品調理器の構造。
【請求項3】
前記食品調理ユニットの2つの前記ガイドは、固定孔及びストッパをそれぞれ有し、前記固定孔は、2つの前記支持座の前記チャンバ中にそれぞれ位置し、前記ガイドの前記固定孔には、前記ストッパがそれぞれ挿着されることを特徴とする請求項1に記載の食品調理器の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品に関し、特に、食品調理器の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、人々が外出して消費する機会が減り、代わりにインターネットショッピングを利用する者が増えている。そのため、物流に大きな負担が生じており、運送費も徐々に値上げされている。運送コストは、製品の包装サイズにより直接影響を受けるため、運送コストを減らすために、包装サイズを小さくすることが研究開発されてきた。
【0003】
特許文献1の「高さ調整可能なパレットを有するコーヒーメーカー」及び特許文献2の「スマートコーヒーメーカー」は、コーヒーカップを置くパレットが高さ調整可能となっているため、コーヒーの抽出及びコーヒーカップの取出しを容易に行うことができる。
しかし、その調整構造は、パレットのみに限定されていたため、コーヒーメーカー全体の高さを調整することはできなかった。そのため包装して運送するとき、コーヒーメーカー全体のサイズを小さくすることができず、運送コストを減らすことが困難であった。
【0004】
以上の問題に鑑み、一部の業者はコーヒーメーカー全体の高さを調整することが可能な技術を開発した。例えば、特許文献3の「ドリップ式コーヒーメーカー」及び特許文献4の「折畳み式コーヒーメーカー」などの特許では、漏斗アセンブリとベースとの間に水タンクを連結し、水タンクを介して漏斗アセンブリをベースに向かって折り畳んで収納することにより、コーヒーメーカー全体のサイズを小さくしていた。
しかし、これらの特許では、伸縮折畳み構造が水タンクに取り付けられていたため、漏水したり損壊したりするなどの問題が生じないように、漏れ防止構造を強化する必要があった。そのためそのような伸縮折畳み構造は、構造が複雑となり製造コストが増大した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】台湾特許第I357809号公報
【文献】中国実用新案公告第205994297U号公報
【文献】中国特許第103622557B号公報
【文献】中国特許出願公開第110236393A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、構造が簡素で、使用していないときに容積を小さくすることにより、運送コスト及び収納スペースを減らすことができる食品調理器の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、本体、食品調理ユニット及び昇降調整ユニットを備えた食品調理器の構造であって、前記本体には、ベースが設けられ、前記ベースの両側には、支持座がそれぞれ接続され、前記支持座内には、チャンバが形成され、前記食品調理ユニットは、前記本体の2つの支持座間に配設され、前記ベースの上方に位置し、前記昇降調整ユニットは、縦向ガイド溝及び操作杆を有し、前記縦向ガイド溝は、前記本体の2つの前記支持座の内面にそれぞれ形成されるとともに、前記チャンバと連通し、前記支持座の前面には、貫通孔が形成され、前記貫通孔と前記支持座の前記チャンバとが連通し、前記食品調理ユニットの両側には、ガイドがそれぞれ設けられ、2つの前記ガイドは、2つの前記支持座の前記縦向ガイド溝に対応して接合され、前記操作杆は、前記本体の前記支持座に形成された前記貫通孔を介して前記支持座の前記チャンバ内に挿設されるとともに、前記支持座の前記ガイドに対応した箇所に設けられた爪部を有し、前記支持座の前記ガイドには、前記操作杆の前記爪部が対応して係合される係合溝が形成され、前記操作杆上には、少なくとも1つの横向ガイド溝が形成され、前記支持座には、前記横向ガイド溝に対応した箇所に位置決めピンが螺着され、前記操作杆と前記支持座との間には弾性部材が取付けられ、前記操作杆の前端には、前記支持座の前記貫通孔から露出される駆動部が設けられることを特徴とする、食品調理器の構造を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の食品調理器の構造は、使用していないときに、食品調理ユニットを本体内まで下降させて本発明の容積を大幅に減らすことにより、包装コスト及び運送費用を減らすことができる。
また、本発明の昇降調整ユニットは、食品調理ユニットが有するガイドが対応して接合されるガイド溝が支持座に形成され、操作杆とガイドとを係合させる簡素な構造により、食品調理ユニットを昇降させて位置決めさせることができるとともに、製造コストを減らすこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る食品調理器の構造を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る食品調理器の構造を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る食品調理器の構造を示す部分拡大分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る食品調理器の構造を示す部分拡大断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る食品調理器の構造の収納状態を示す部分拡大断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る食品調理器の構造の収納状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の技術手段及びそれにより達成可能な効果を、より完全かつ明白に開示するために、開示した添付の図面及び符号と併せて本発明を以下に詳説する。
【0011】
まず、
図1~
図4を参照する。
図1~
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る食品調理器の構造は、少なくとも本体1、食品調理ユニット2及び昇降調整ユニット3から構成されてなる。
【0012】
本体1には、ベース11が設けられる。ベース11には、容器位置決め部111が凹設される。ベース11の左右両側には、支持座12がそれぞれ一体に連続接続される。支持座12内には、チャンバ121が形成される。2つの支持座12のチャンバ121は、2つのサイドカバー13によりそれぞれ対応して覆われる。
【0013】
食品調理ユニット2は、本体1の2つの支持座12間に配設され、本体1のベース11の上方に位置する。食品調理ユニット2は、珈琲豆、大豆、クルミなどのナッツ類を研磨する食品研磨機構でもよいし、珈琲抽出機構でもよいし、果物を攪拌してジュースなどを調理する飲料調理機構でもよいし、かき氷機構などでもよい。
【0014】
昇降調整ユニット3は、縦向ガイド溝31及び操作杆35を有する。縦向ガイド溝31は、本体1の2つの支持座12の内面にそれぞれ形成されるとともに、チャンバ121と連通する。支持座12の前面には、貫通孔32が形成され、貫通孔32と支持座12のチャンバ121とが連通する。食品調理ユニット2の左右両側には、ガイド33がそれぞれ設けられる。2つのガイド33は、2つの支持座12の縦向ガイド溝31に対応して接合されるとともに、固定孔331が形成される。2つのガイド33の固定孔331は、2つの支持座12のチャンバ121中にそれぞれ位置する。2つのガイド33の固定孔331に、2つのストッパ34がそれぞれ挿着されると、2つのストッパ34が2つの支持座12のチャンバ121のチャンバ底にそれぞれ当接されて位置決めされ、ガイド33が縦向ガイド溝31から外れることを防ぐことができる。
操作杆35は、本体1の支持座12の前面に形成された貫通孔32を介して支持座12のチャンバ121内に挿設されるとともに、支持座12のガイド33に対応した箇所に設けられた爪部351を有し、支持座12のガイド33には、操作杆35の爪部351が対応して係合される係合溝332が形成される。操作杆35上には、少なくとも1つの横向ガイド溝352が形成され、支持座12には、横向ガイド溝352に対応した箇所に位置決めピン36が螺着され、操作杆35と支持座12との間には弾性部材37が取付けられる。操作杆35の前端には、支持座12の貫通孔32から露出される駆動部353が設けられる。
【0015】
実際に使用するときは、コップ、椀などの容器を本体1のベース11に設けた容器位置決め部111に位置決めさせ、調理する食材を食品調理ユニット2中に投入して食品を調理し、食品の調理が完了した後、下方の容器中に正確に落下させる。
【0016】
使用者が収納スペースを減らすかメーカーが包装容積を減らすには、一方の手で食品調理ユニット2を支え、他方の手で昇降調整ユニット3の操作杆35を押圧して本体1の支持座12から外側に露出された駆動部353により、操作杆35を横方向へ押動して所定の行程で変位させる。すると、
図5に示すように、操作杆35に設けた爪部351が、食品調理ユニット2の一側のガイド33に形成された係合溝332から外れて係合状態が解除され、重力により食品調理ユニット2がベース11に落下して位置決めされ、本体1のベース11及び2つの支持座12により形成された空間中に確実に収容される(
図6を参照する)。
【0017】
そのため、本発明に係る食品調理器の構造は、食品調理器の体積を大幅に減らし、包装コスト及び運送費用などを減らすことができる。
本発明の昇降調整ユニット3は、本体1の支持座12に縦向ガイド溝31が形成され、食品調理ユニット2にガイド33が設けられ、支持座12の縦向ガイド溝31に対応して接合し、操作杆35に設けられた爪部351を、食品調理ユニット2のガイド33に形成した係合溝332に対応して係合させる簡素な構造設計により、食品調理ユニット2を昇降させて位置決めさせることができるため、製造コストを減らすこともできる。
【0018】
本発明に係る食品調理器の構造は、以下(1)及び(2)の長所を有する。
(1)本体と食品調理ユニットとの間に設けて接続した昇降調整ユニットにより、本発明を使用していないとき、食品調理ユニットを本体内まで下降させることにより、本発明の食品調理器の容積を減らすことができるため、包装コスト及び運送費用を減らすことができる。
(2)本発明の商品調理器構造の昇降調整ユニットは、食品調理ユニットに設けたガイドを対応して接合するガイド溝が支持座に形成され、操作杆とガイドとを係合する簡素な構造により、食品調理ユニットを昇降させて位置決めすることにより、製造コストを減らすことができる。
【符号の説明】
【0019】
1 本体
2 食品調理ユニット
3 昇降調整ユニット
11 ベース
12 支持座
13 サイドカバー
31 縦向ガイド溝
32 貫通孔
33 ガイド
34 ストッパ
35 操作杆
36 位置決めピン
37 弾性部材
111 容器位置決め部
121 チャンバ
331 固定孔
332 係合溝
351 爪部
352 横向ガイド溝
353 駆動部
【要約】
【課題】構造が簡素で、使用していないときに容積を小さくすることにより、運送コスト及び収納スペースを減らすことができる食品調理器の構造を提供する。
【解決手段】食品調理器の構造は、本体1、食品調理ユニット2及び昇降調整ユニット3を備える。本体1には、ベース11が設けられる。ベース11の両側には、支持座12がそれぞれ接続される。支持座12内には、チャンバ121が形成される。食品調理ユニット2は、本体1の2つの支持座12間に配設され、ベース11の上方に位置する。昇降調整ユニット3は、縦向ガイド溝31及び操作杆35を有する。縦向ガイド溝31は、本体1の2つの支持座12の内面にそれぞれ形成されるとともに、チャンバ121と連通する。支持座12の前面には、貫通孔32が形成される。貫通孔32と支持座12のチャンバ121とが連通し、食品調理ユニット2の両側には、ガイド33がそれぞれ設けられる。
【選択図】
図3