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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】衣服のための吸収パッド
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20230426BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20230426BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20230426BHJP
   A61F 13/537 20060101ALI20230426BHJP
   A61F 13/539 20060101ALI20230426BHJP
   A61F 13/536 20060101ALI20230426BHJP
   A61F 13/533 20060101ALI20230426BHJP
   A41B 9/12 20060101ALI20230426BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20230426BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20230426BHJP
   A61F 13/74 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
A61F13/15 130
A61F13/49 220
A61F13/47
A61F13/537 310
A61F13/539
A61F13/15 143
A61F13/536 100
A61F13/533 100
A41B9/12 E
A61F13/53 300
A61F13/511 200
A61F13/74
A61F13/15 142
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022506616
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 SG2020050434
(87)【国際公開番号】W WO2021025615
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】1911052.7
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522026474
【氏名又は名称】マス・イノベイション・(プライベイト)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MAS Innovation (Private) Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】カジャンタン,アルルセーラン
(72)【発明者】
【氏名】セナナヤケ,ランカ ブッディカ
(72)【発明者】
【氏名】セルバラジャー,ジャランティラン
(72)【発明者】
【氏名】アラッチゲ,スメダ クルップ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥシヤンタ,マプティヤゲ ドン ジャニト
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド,カニシュカ
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-005499(JP,A)
【文献】特開2015-029542(JP,A)
【文献】特開2006-002255(JP,A)
【文献】特開2004-105485(JP,A)
【文献】特開2019-55047(JP,A)
【文献】登録実用新案第3107255(JP,U)
【文献】特開2011-135998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A41B9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服における使用のための吸収パッドであって、前記吸収パッドは、
液体が浸透不可能なバリア層と、
前記バリア層に取り付けられ、液体吸収部分を有する機能層と、
前記機能層と前記バリア層との周囲に結合された液体が浸透不可能な周囲シーリング要素と、
第1部分及び第2部分を有する周囲取付要素と、
を備え、
前記第1部分は、前記周囲シーリング要素に結合され、
前記周囲取付要素の前記第2部分は、前記周囲シーリング要素から切り離され、衣服の布本体に取り付けられるように配置され、よって前記吸収パッドを衣服に取り付けて、
前記吸収パッドは、少なくとも30回の機械洗濯及びタンブル乾燥サイクルに耐えることができるように洗浄可能であり、再利用可能である、吸収パッド。
【請求項2】
前記機能層は、液体が浸透可能なウィッキング部分をさらに有し、
前記吸収部分は、前記ウィッキング部分に取り付けられ、前記ウィッキング部分と前記バリア層との間に配置される、請求項1に記載の吸収パッド。
【請求項3】
前記ウィッキング部分と、前記吸収部分と、前記バリア層とは、互いにステッチされ、または接着剤によって互いに結合される、請求項2に記載の吸収パッド。
【請求項4】
前記接着剤は、両面接着テープを有する、請求項3に記載の吸収パッド。
【請求項5】
前記周囲取付要素は、衣服への取付を容易にするように、Y型構造を有する、請求項1に記載の吸収パッド。
【請求項6】
前記機能層は、抗菌剤、においに対抗する化学剤、及びシミ耐性剤の1つまたは複数を有する、請求項1に記載の吸収パッド。
【請求項7】
前記機能層は、前記機能層の中央部分において、前記機能層を圧縮するためのステッチを有する、請求項1に記載の吸収パッド。
【請求項8】
前記周囲シーリング要素は、前記機能層の周囲と前記バリア層の周囲とに、接着剤または超音波結合によって結合される、請求項1に記載の吸収パッド。
【請求項9】
布本体と、
前記布本体に取り付けられた吸収パッドと
を有し、
前記吸収パッドは、
液体が浸透不可能なバリア層と、
前記バリア層に取り付けられ、液体吸収部分を有する機能層と、
前記機能層と前記バリア層との周囲に結合された液体が浸透不可能な周囲シーリング要素と、
第1部分及び第2部分を有する周囲取付要素と、
を備え、
前記第1部分は、前記周囲シーリング要素に結合され、
前記周囲取付要素の第2部分は、前記周囲シーリング要素から切り離され、衣服の前記布本体に取り付けられ、
前記吸収パッドは洗浄可能であり、再利用可能である、衣服。
【請求項10】
前記吸収パッドの前記機能層は、液体が浸透可能なウィッキング部分をさらに有し、
前記吸収部分は前記ウィッキング部分に取り付け前記ウィッキング部分と前記バリア層との間に配置される、請求項に記載の衣服。
【請求項11】
前記第2部分は、ステッチによって前記布本体に取り付けられる、請求項に記載の衣服。
【請求項12】
前記第2部分は、バッグアウト方法を用いて前記布本体にステッチされる、請求項11に記載の衣服。
【請求項13】
前記第2部分及び前記布本体に取り付けられた1つまたは複数の弾性バンドをさらに有する、請求項に記載の衣服。
【請求項14】
前記機能層は、前記機能層の中央部分において、前記機能層を圧縮するためのステッチを有する、請求項に記載の衣服。
【請求項15】
前記周囲シーリング要素は、前記機能層の周囲と前記バリア層の周囲とに、接着剤または超音波結合によって結合される、請求項9に記載の衣服。
【請求項16】
衣服を改造する方法であって、前記方法は、
布本体を有する衣服を提供することと、
衣服における使用のために吸収パッドを形成することと、
を有し、
前記吸収パッドは、
液体が浸透不可能なバリア層と、
前記バリア層に取り付けられ、液体吸収部分を有する機能層と、
前記機能層と前記バリア層との周囲に結合された液体が浸透不可能な周囲シーリング要素と、
第1部分及び第2部分を有する周囲取付要素と、
を備え、
前記第1部分は、前記周囲シーリング要素に結合され、
前記周囲取付要素の前記第2部分は、前記周囲シーリング要素から切り離されて、
前記吸収パッドは洗浄可能であり、再利用可能であって、
前記方法は、前記周囲取付要素の前記第2部分を前記布本体に取り付けて、よって前記吸収パッドを衣服に取り付けることを有する、方法。
【請求項17】
前記機能層は、液体が浸透可能なウィッキング部分をさらに有し、
前記吸収部分は、前記ウィッキング部分に取り付けられ、前記ウィッキング部分と前記バリア層との間に配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記取り付けることは、前記第2部分を前記布本体にステッチすることを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ステッチは、バッグアウト方法を用いて実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ステッチのための前記バッグアウト方法は、ステッチを形成する前に、前記布本体を裏返すことを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記バッグアウト方法は、単一針タッキングによってステッチを形成することを有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記バッグアウト方法は、ステッチを形成した後に、前記布本体の表を出すことを有する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記周囲シーリング要素は、前記機能層の周囲と前記バリア層の周囲とに、接着剤または超音波結合によって結合される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本開示は、2019年8月2日に出願された、英国特許出願第1911052.7に基づく利益を主張して、本明細書に参照によってその全体が含まれる。
【0002】
本開示は、一般的に衣服のための吸収パッドに関する。より具体的に、本開示は、吸収パッドを有する衣服とともに、衣服における使用のための吸収パッドの様々な実施の形態を説明する。
【背景技術】
【0003】
再利用可能及び洗浄可能な吸収下着等の吸収衣服は、体液を吸収する目的で着用される。これらの体液は、膣分泌物、尿、月経液、汗及び母乳を含む。多くの人は体液の故意でない分泌について悩み、このような分泌を吸収するように設計され、着用しているユーザにとって機能的であり、着心地が良い衣服は少ない。
【0004】
例えば、生理中の女性は、月経液によって外側の衣服が汚れることを抑制するために、下着の着用に加えて、一般的にタンポンまたは生理用ナプキンを使用する。タンポンまたはパッドは全ての液体の流れを吸収する場合が多いが、予想外の漏れが発生し得る。このような漏れを回避するために、代わりに、より大きい領域の保護を提供し、月経量が多い女性にとって特に便利であってもよい大人用のブリーフ(brief)を着用することを選択できる。大人用のブリーフは尿失禁を有する人にとっても便利である可能性がある。しかしながら、大人用のブリーフはかさばり、かっこ悪い傾向があり、そのため、外側の衣類の下に隠すことが困難であり、ユーザが恥ずかしい思いをする可能性がある。大人用のブリーフ及び生理用ナプキンを着用するデメリットは、違和感、皮膚炎(irritant dermatitis)及び/または炎症をもたらす可能性がある濡れたもの(wetness)に長時間さらされることを含む。さらに、パッド/タンポンは間違って配置される恐れがあり、大人用のブリーフは緩く巻かれる恐れがあり、両方ともに漏れをもたらす。加えて、これらの従来の製品は、一般的に使い捨てであり、これは環境及び経済費用が大きくなり得ることを意味する。
【0005】
従来製品のかさばりは、ユーザにとって被覆範囲が小さい下着を着用することが容易でないことを意味する。例えば、吸収パッドは、それらを充分に収容できる被覆範囲が最大となる大きい下着の内部に配置されるべきであり、一方で、おむつ及び吸収下着は一般的にユーザの失禁に適切に対処できるように大きい。したがって、ソング(thong)スタイルまたはローライズ(low-rise)ビキニ下着を好む者は、外側の衣類への漏れが発生し得る好きな下着を履くことと、全ての漏れが防止されることを保証する、かさばってかっこ悪い衣服を着ることとのいずれかを選択することが強制される。
【0006】
WO2016/133458は、層構造を有する吸収パッドを説明する。しかしながら、この吸収パッドの層構造は、吸収パッドが衣服に装着される方法を非ステッチ手段(non-stitching means)に限定する。DE102008057840は、縫うことによって織物に取り付けられる失禁パッドを説明する。しかしながら、失禁パッドを縫うことは、そこを通じた孔を形成し、これらの孔は漏れの危険性を増加させる。
【0007】
したがって、上述の問題点及び/または不利益の少なくとも1つに対処するため、または軽減するためには、衣服における使用のために、改善された吸収パッドの提供が求められている。
【発明の概要】
【0008】
本開示の第1態様によると、衣服における使用のための吸収パッドがある。吸収パッドは、液体が浸透不可能な(liquid impermeable)バリア層と、バリア層に取り付けられ、液体吸収部分を有する機能層と、機能層とバリア層との周囲に結合された液体が浸透不可能な周囲シーリング要素と、第1部分及び第2部分を有する周囲取付要素と、を備え、第1部分は、周囲シーリング要素に結合され、周囲取付要素の第2部分は、周囲シーリング要素から切り離され、衣服の布本体に取り付けられるように配置され、したがって吸収パッドを衣服に取り付ける。
【0009】
本開示の第2態様によると、衣服における使用のための吸収パッドを形成する方法がある。方法は、液体吸収部分を有する機能層を、液体が浸透不可能なバリア層に取り付けることと、液体が浸透不可能な周囲シーリング要素を機能層及びバリア層の周囲に結合することと、周囲取付要素の第1部分を周囲シーリング要素に結合することとを有し、周囲取付要素の第2部分は、周囲シーリング要素から切り離され、衣服の布本体に取り付けられるように配置され、したがって吸収パッドを衣服に取り付ける。
【0010】
本開示の第3態様によると、布本体と、布本体に取り付けられた吸収パッドとを有する衣服がある。吸収パッドは、液体が浸透不可能なバリア層と、バリア層に取り付けられ、液体吸収部分を有する機能層と、機能層とバリア層との周囲に結合された液体が浸透不可能な周囲シーリング要素と、第1部分及び第2部分を有する周囲取付要素と、を備え、第1部分は、周囲シーリング要素に結合され、周囲取付要素の第2部分は、周囲シーリング要素から切り離され、衣服の布本体に取り付けられる。
【0011】
本開示の第4態様によると、衣服を改造する方法がある。方法は、布本体を有する衣服を提供することと、衣服における使用のために吸収パッドを形成することとを有する。吸収パッドは、液体が浸透不可能なバリア層と、バリア層に取り付けられ、液体吸収部分を有する機能層と、機能層とバリア層との周囲に結合された液体が浸透不可能な周囲シーリング要素と、第1部分及び第2部分を有する周囲取付要素と、を備え、第1部分は、周囲シーリング要素に結合され、周囲取付要素の第2部分は、周囲シーリング要素から切り離される。方法は、さらに、周囲取付要素の第2部分を布本体に取り付けること、したがって吸収パッドを衣服に取り付けることを有する。
【0012】
したがって、本明細書には、本開示による衣服における使用のための吸収パッドが開示される。様々な特徴、態様、及び本開示の利点は、非限定的な例示のみによって、添付の図面とともに、後続の本開示の実施の形態の詳細な説明によって、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施の形態によって、衣服の布本体に取り付けられる吸収パッドの断面図である。
図2】本開示の実施の形態によって、衣服の布本体に取り付けられる吸収パッドの他の断面図である。
図3】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを形成する方法のフロー図である。
図4A】本開示の実施の形態によって、形成されている吸収パッドの断面図である。
図4B】本開示の実施の形態によって、形成されている吸収パッドの上面図である。
図4C】本開示の実施の形態によって、形成されている吸収パッドの断面図である。
図4D】本開示の実施の形態によって、形成されている吸収パッドの上面図である。
図5】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを用いて衣服を改造する方法のフロー図である。
図6A】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを用いて改造されている衣服の断面図である。
図6B】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを用いて改造されている衣服の上面図である。
図6C】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを用いて改造されている衣服の断面図である。
図6D】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを用いて改造されている衣服の上面図である。
図6E】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを用いて改造されている衣服の上面図である。
図6F】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを用いて改造されている衣服の上面図である。
図7A】本開示の実施の形態によって、形成されている吸収パッド及び吸収パッドを用いて改造されている衣服の他の断面図である。
図7B】本開示の実施の形態によって、形成されている吸収パッド及び吸収パッドを用いて改造されている衣服の他の断面図である。
図7C】本開示の実施の形態によって、形成されている吸収パッド及び吸収パッドを用いて改造されている衣服の他の断面図である。
図7D】本開示の実施の形態によって、形成されている吸収パッド及び吸収パッドを用いて改造されている衣服の他の断面図である。
図8A】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを有する衣服の前面図である。
図8B】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを有する衣服の背面図である。
図9A】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを有する他の衣服の断面図である。
図9B】本開示の実施の形態によって、吸収パッドを有する他の衣服の斜視図である。
図10A】本開示の実施の形態によって、衣服の布本体に取り付けられた吸収パッドの他の断面図である。
図10B】本開示の実施の形態によって、衣服の布本体に取り付けられた吸収パッドの他の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
簡潔さ及び明確性のため、本開示の実施の形態の説明は、図面に示すように、衣服における使用のための吸収パッドに向けられている。本開示の態様は、本明細書における実施の形態とともに説明されるが、これらの実施の形態に本開示を制限することを意図するものではないと理解されよう。逆に、本開示は、添付の請求項によって規定される本開示の範囲内に含まれる本明細書にて説明される実施の形態に対する代替、改造、及び同等なものも包含することを意図している。さらに、後続の詳細な説明において、本開示のより徹底的な理解を提供するように、特定の詳細が記載されている。しかしながら、技術分野において通常の能力を有する者、即ち当業者は、本開示が、特定の詳細無しで、及び/または特定の実施の形態の態様の組み合わせから発生する複数の詳細とともに実施されてもよいと認識する。いくつかの場合において、知られたシステム、方法、処置及び部品は、本開示の実施の形態の態様を不必要にわかりにくくしないように、詳細に説明されていない。
【0015】
本開示の実施の形態において、特定の要素の図示または考慮、または特定の図面における特定の要素番号の使用、または対応する説明資料におけるそこへの参照は、他の図面またはそれに関連した説明資料において特定される同一、同等または類似の要素または要素番号を包含してもよい。
【0016】
「実施の形態/例示」、「他の実施の形態/例示」、「いくつかの実施の形態/例示」、「いくつかの他の実施の形態/例示」等への参照は、説明される実施の形態/例示が、特定の特徴、構造、特性、性質、要素、または限定を含んでもよいが、必ずしも全ての実施の形態/例示は特定の特徴、構造、特性、性質、要素、または限定を含まなくてもよいことを示す。さらに、文言「実施の形態/例示において」または「他の実施の形態/例示」の繰り返し使用は、必ずしも同一の実施の形態/例示に示さない。
【0017】
用語「備える」、「含む」、「有する」等は、実施の形態に列挙されている特徴/要素/ステップ以外のものの存在を除外しない。互いに異なる実施の形態における特定の特徴/要素/ステップの記載は、ある実施の形態においてこれらの特徴/要素/ステップの組み合わせを使用できないことを示さない。用語「ある(a)」または「ある(an)」は1つまたは2つ以上と定義される。図面または関連した文書における「/」の使用は、特段の記載がない限り「及び/または」を意味すると理解される。本明細書における特定の数値または数値範囲の記載は、おおよその数値または数値範囲を含むまたはおおよその数値または数値範囲の記載であると理解される。
【0018】
本開示の代表的または例示的な実施の形態において、図1に示す衣服における使用のための、例えば、ガセット(gusset)の形態であるがこれに限定されない吸収パッドまたはパッド100がある。具体的に、吸収パッド100は、衣服の布本体200に取り付け可能である。衣服は、特に体液の分泌があってもよい身体の部分においてユーザによって着用されるインナーウェア(intimate garment)または下着であってもよい。例えば、衣服は、ブラジャー、ランジェリー、スポーツウェア、及び同様のぴったりしたまたは体型にフィットした衣服であってもよいがこれらに限定されない。吸収パッド100は、機能層101と、液体が浸透不可能なバリア層106とを含み、機能層101は、バリア層106に例えば結合及び/またはステッチすることによって取り付けられる。機能層101は、液体を吸収できる液体吸収部分104を含む。
【0019】
図2に示す実施の形態において、機能層101は、液体が浸透可能なウィッキング(wicking)部分102をさらに含み、吸収部分104は、ウィッキング部分102に例えば結合及び/またはステッチすることによって取り付けられ、ウィッキング部分102とバリア層106との間に配置される。加えて、機能層101は、ウィッキング部分102においてバリア層106に例えば結合及び/またはステッチすることによって取り付けられる。
【0020】
ウィッキング部分102は、液体または水分を取得して、下にある吸収部分104へ分配できる。特に、吸収パッド100を有する衣服がユーザによって着用されると、ウィッキング部分102は、ユーザの体に面し、吸収部分104へユーザの体によって生成された体液を運ぶように機能する。言い換えれば、ウィッキング部分102は、液体を、ユーザに直接的に接する表面から、吸収部分104に接触する内面に運ぶ。ウィッキング部分102は、ファイバまたはファイバによって形成される糸によって形成されてもよく、ファイバ及び糸は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、天然セルロース、再生セルロース、再生セルロース派生物(例えば、アセチルセルロース、トリアセチルセルロース)、天然タンパク質、及び再生タンパク質から成るグループの1つまたは複数から選択される。ウィッキング部分102は、編物(ラッシェル、トリコット等の経編、丸編/横編(flat)などの緯編)、織物、不織布法(ブロー紡糸、短繊維不織布(staple nonwoven)、スパンレイド(spun laid)、エアレイド、ニードルパンチ、サーマルボンド、水流交絡(hydro-entangled)、ケミカルボンド等)、電界紡糸、フォース紡糸(force-spinning)等の技術を用いて生成されてもよい。加えて、ウィッキング部分102は、例えば、ウィッキングレート、ウィッキング容量、分散及び分配のレート、一方向の液体輸送等の液体及び水分管理の機能を向上させるコーティング、トリートメントのカプセルまたはトリートメントの溜まりの1つまたは複数を含んでもよい。
【0021】
ウィッキング部分102の材料は、もとから水分ウィッキング性を有してもよく及び/または水分ウィッキング性を有するように処理されてもよい。例えば、ウィッキング材料は、フレンチテリーニット(French terry knit)を有する100%ポリエステル布であって、ウィッキング部分102の2つの面にわたってデニール差を有してもよく、デニール差は液体をウィッキング部分102の皮膚に面した面から吸収部分104と接触する内面に輸送することを助ける。他の適切なウィッキング材料は、ポリエステル、ポリプロピレン、及び綿のブレンドを含む。ユーザの皮膚に面したフレンチテリーニットの三角リッジ構造を有するウィッキング部分102の使用に関連する利点は、皮膚と接触するウィッキング部分102の表面の表面積が少なくなり、皮膚に対して濡れを感じることを抑制する。
【0022】
例示として、ウィッキング部分102は、51%綿である材料を有してもよく、ウィッキング部分102の内側及び外側の表面の1つまたは両方は、ウィッキング部分102にわたって合計すると親水性のグラジエントを形成するように、親水性の組成または材料(例えば、酸化ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、親水性シリコーン、または親水性ポリウレタン)及び/または疎水性の組成または材料(例えば、シリコーン、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリアクリレート、ポリウレタン、またはろう)によって処理されてもよい。言い換えれば、ユーザの皮膚に直接接触する表面の親水性は低く(即ち、疎水性が高く)、一方で外側表面の親水性は高い。例えば、ユーザの皮膚に直接接触するウィッキング部分102の表面は、疎水性材料によって処理されてもよく、及び/または反対側の表面は親水性材料によって処理されてもよい。これは、ユーザの皮膚に直接接触する表面の疎水性の性質によって生成される「押す」力と、ウィッキング部分102を通じてユーザから遠ざけるようにいずれかの水分または液体をウィックし得る外側表面の親水性の性質によって生成される「引く」力との組み合わせをもたらす。親水性と疎水性との組成は、当業者に知られているいずれかの従来の方法を用いて、ウィッキング部分102に適用されてもよい。
【0023】
加えて、いずれかの側面上における毛細管力(capillary forces)の差分は、ウィッキング部分102の布構造によって形成されてもよく、ウィッキング部分102の一方側は、ウィッキング部分102の反対側に比較してより小さい孔サイズを有する。理想的には、この孔組み合わせは、断面において、ウィッキング部分102と通じる漏斗のような(funnel-like)構造を形成し、液体は、毛細管圧力の差分によって、大きい孔サイズを有する側面から小さい孔サイズを有する側面に引かれる。
【0024】
ウィッキング部分102を通じるウィッキングレートがより早くまたは遅くなるように制御されてもよい。レートは、液体の全てまたは大部分は吸収部分104に吸収され、衣服の範囲を超えて漏れないことを保証するように、ウィッキング部分102の吸収の最大レートに設定されてもよい。ウィッキングレートは、ウィッキング部分102の密度、厚みまたは組成によって、及び/またはウィッキング部分102に適用される疎水性及び/または親水性の材料の量及びタイプによって制御されてもよい。他の実施の形態において、ウィッキングレートは、ユーザに直接接触するウィッキング部分102の表面がユーザにとって「乾燥している」または概ね乾燥しているように感じられるように設定されてもよく、一方で他の表面は濡れているように感じられてもよい。
【0025】
ある実施の形態において、ウィッキング部分102は、抗菌剤または抗菌物質を含んでもよい。例えば、抗菌物質は、銀を含む物質、二酸化チタン、第4級シラン、過酸化水素、トリクロサン、及びジンクピリチオンからなるグループから選択される1つまたは複数の物質であってもよい。加えてまたは代わって、ウィッキング部分102は、においに対抗する化学剤または物質を含んでもよい。例えば、においに対抗する物質は、酸を中和するポケットを有するナノ粒子、大きい表面積のミネラル組成、大きい表面積のセラミック組成、及び大きい表面積の粘土組成をからなるグループから選択される1つまたは複数の物質であってもよい。さらに、加えてまたは代わって、ウィッキング部分102は、シミ耐性または防汚剤(stain-proof)または物質を含んでもよい。
【0026】
吸収部分104は、先行技術によって知られたいずれかの液体吸収(absorbent)/吸収(absorbing)材料(例えば、綿、綿ブレンド、フォーム、合成材料、吸収ポリマーフォーム、ナノテクノロジーに基づいたまたはナノテクノロジーによって生成された材料、またはいずれかの他の水分吸収材料)を含んでもよい。材料は、50から500g/m2、例えば、180から300g/m2の重量を有してもよい。例えば、吸収部分104は、マイクロファイバ2重テリーニットを有する80:20ブレンドのポリエステル:ナイロン布から形成されてもよい。他の適切な材料は、ポリプロピレン、またはいずれかのセルロースに基づいた布及び綿、竹等を含むそれらのブレンドを含む。
【0027】
ある実施の形態において、吸収部分104は、100%のポリエステル二重テリー布であってもよい。この材料は略90%空気であって、ポリエステルファイバの大きな膨張なく、水分がポリエステルテリー布の空気隙間を埋めるため、より高い吸収容量を可能にする。これは、著しく厚い吸収パッド100をもたらさない。
【0028】
ある実施の形態において、吸収部分104は、高吸水性ポリマー(SAP)、ハイドロゲル、及びポリエステルの2つまたは3つ以上を有するブレンドファイバから形成されてもよく、または吸収部分104の少なくて一部(例えば、衣服の布本体200に面する表面)はSAP及び/またはハイドロゲルによって処理されてもよい。これらの実施の形態において、これらの材料の使用は、増加した液体吸収容量、吸収パッド100において減少した厚み及び重量、及び吸収部分104における向上した親和性によってユーザの皮膚に接触するウィッキング部分102の表面における改善した乾燥した感じをもたらしてもよい。
【0029】
図1に示すように、ある実施の形態において、機能層101は、吸収部分104を含むが、ウィッキング部分102を除外する。ある実施の形態において、機能層101は、上述のウィッキング部分102の少なくとも一部の性質を実現するように処理される。具体的に、機能層101の外側表面103は、外側表面103が、下に配置される吸収部分104への効率的な液体の輸送を可能にするように、化学的に処理されてもよい。このような化学的処理は、当業者によって容易に知られている。処理された外側表面103は、吸収部分104へ液体を取得して分配するための上述のウィッキング部分102の性質を実現する。機能層101は、さらに、関連した性質を実現するようにウィッキング部分102において上述された抗菌剤、においに対抗する化学剤、及びシミ耐性剤の1つまたは複数を含むように、化学剤/物質によって処理されてもよく、または化学剤/物質が追加されてもよい。
【0030】
バリア層106は、防漏型(leak-proof)であって、いずれかの知られている完全または部分的液体ブロッキング材料を含んでもよい。望ましくは、バリア層106は通気性を有し、液体はそこを通過できないが、(水蒸気を含む)気体は通過できる。例えば、バリア層106は、熱可塑性または熱硬化性フィルムの1つまたは複数の層を含んでもよく、熱可塑性または熱硬化性フィルムは、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、及びシリコーンからなるグループの1つまたは複数から選択されてもよい。液体が浸透不可能な材料の具体的な例示は、液体が浸透不可能なポリマーまたは熱可塑性ポリウレタンフィルムによって形成される層を含む。
【0031】
ある実施の形態において、バリア層106は、SAP/ハイドロゲルにコーティングされた軽量なきつくニットされた/織られた布であってもよく、またはバリア層106は、織物/SAPハイブリッドファイバを用いて形成された軽量なきつくニットされた/織られた布であってもよい。代わって、バリア層106は、防水(liquid-proof)膜(例えば、台湾のDingzing Advanced Materials Incによって供給される防水膜材料)であってもよい。吸収パッド100を有する衣服において使用されると、バリア層106は、乾燥状態において完全に通気性を有する利点を提供してもよく、一方で液体にさらされると効果的なバリア材料を提供する。さらに、これらの材料は、吸収パッド100が、熱可塑性ポリウレタンフィルム等の液体が浸透不可能なポリマーの使用と比較して、より速く乾燥することを可能にする。
【0032】
図1に示す実施の形態において、機能層101は、結合手段108によって、それぞれの周囲または側面エッジにおいて、バリア層106に結合される。代わって、結合手段108は、機能層101とバリア層106との間における全表面にわたって適用されてもよい。結合手段108は接着剤または超音波結合であってもよい。例えば、接着剤は、接着テープ、液体糊、またはホットメルト(hotmelt)粉末糊であってもよい。接着剤が接着テープであると、テープは両面接着テープ(例えば、Bemis Associates Inc.によって生成されるタイプ)であってもよく、テープは単一の層または複数の層を有してもよく、複数の層はバリア層、弾性層等の1つまたは複数の機能を有してもよい。接着剤が液体糊である場合、糊は、ホットメルト糊、液体レジン、またはこれらの組み合わせであってもよい(例えば、接着剤は、ノズル押出によるホットメルト糊/液体レジン結合、またはスクリーン印刷/テンプレート印刷による液体レジン結合であってもよい)。
【0033】
図2に示すある実施の形態において、機能層101は、吸収部分104に、結合及び/またはステッチすることによって取り付けられたウィッキング部分102を含む。吸収部分104とバリア層106とは、結合手段108によってそれぞれの周囲または側面エッジにおいてウィッキング部分102に結合されてもよい。選択的に、吸収部分104は、それらの間の全表面にわたって結合手段108が適用されて、バリア層106に結合されてもよい。
【0034】
機能層101及びバリア層106は、同一の2D足跡を有してもよく、これは層101、106が位置する平面を上/下から見たときに、各層101、106の形状または面積が実質的に同一であることを意味する。機能層101がウィッキング部分102及び吸収部分104を含む実施の形態において、機能層101及びバリア層106の2D足跡は実質的に同一の大きさを有する一方、吸収部分104は、ウィッキング部分102及びバリア層106の2D足跡より小さい2D足跡を有する。例えば、吸収部分104の2D足跡は、略2から20mmであって、例えば、10から15mmであって、ウィッキング部分102及びバリア層106の2D足跡よりその周囲において小さい。この大きさの違いは、(異なる大きさを有するウィッキング部分102と吸収部分104とを含む)機能層101とバリア層106とを、単一の結合手段108によって単一のパッド内に統合されることを可能にする。様々な層/部分を統合するために単一の結合手段108を用いることで、有利なことに、漏れのリスクを軽減することができる。
【0035】
適切な場合において結合手段108が適用されて、層/部分の他の可能な配置があってもよいと認識される。例えば、ウィッキング部分102、吸収部分104、及びバリア層106は、単一の接着テープによって互いに結合される。代わって、ウィッキング部分102は、第1接着テープによって吸収部分104に結合され、ウィッキング部分102は、第2接着テープによってバリア層106に結合される。第3接着テープは、吸収部分104をバリア層106に結合するように使用されてもよい。
【0036】
層/部分の他の例示的な配置において、それぞれの2D足跡はウィッキング部分102(最小面積)から吸収部分104に、そしてバリア層106(最大面積)に増加してもよい。結合手段108は、様々な層/部分を互いに結合するように適切に適用されてもよいと認識される。
【0037】
吸収パッド100は、機能層101及びバリア層106の周囲を囲む液体が浸透不可能な周囲シーリング要素110をさらに含む。具体的に、周囲シーリング要素110は、機能層101の周囲105と、バリア層106の周囲107とに結合される。特に、機能層101の周囲105は、露出したウィッキング部分102または外側表面103の側面エッジにあってもよく、バリア層106の周囲107は、同様に、バリア層106の露出した表面109の側面エッジにあってもよい。
【0038】
周囲シーリング要素110は、Bemis Associates Inc.によって生成されるタイプ等の片面の接着テープを含んでもよく、テープは単一の層または複数の層を有してもよく、複数の層はバリア層、弾性層等の1つまたは複数の機能を有してもよい。片面接着テープの接着面は、機能層101とバリア層106とに面する。図1及び図2に示すように、周囲シーリング要素110は、機能層101とバリア層106とのそれぞれの周囲105、107を完全に囲むC折り(C-fold)またはC型配置を有する。この配置は、吸収部分104の周りで液体が浸透不可能なバリアシールまたはカフを形成し、結果として生じる吸収パッド100から衣服上への漏れを有利に軽減する。この配置は、洗濯及び再利用できる丈夫な衣服を形成する。
【0039】
ある実施の形態において、周囲シーリング要素110は、接着性質を有しない液体が浸透不可能な要素である。周囲シーリング要素110は、機能層101の周囲105とバリア層106の周囲107とに、接着剤または超音波結合等の適切な結合手段によって結合されてもよい。様々な実施の形態において、周囲シーリング要素110は、吸収パッド100の全ての層/部分に結合されてもよいと認識される。
【0040】
ある実施の形態において、機能層101は、結合手段108を用いて結合する代わりに、それぞれの周囲105、107においてステッチすることによって、バリア層106に取り付けられている。同様に、ウィッキング部分102、吸収部分104、及びバリア層106は、周囲105、107において互いにステッチされてもよい。しかしながら、これらのステッチは、バリア層106を通過する液体のための通路を形成する恐れがある。よって、吸収パッド100の液体に対する浸透不可能性を維持するように、周囲シーリング要素110は、周囲105、107におけるステッチを覆うように配置される。
【0041】
ある実施の形態において、バリア層106と周囲シーリング要素110とは、液体が浸透不可能な材料の連続する部分であってもよく、即ち周囲107において結合が無い。この連続的な材料は、バリア層106と周囲シーリング要素110とが互いに結合される個別の材料の部分である実施の形態と同様に、機能層101の周囲105に結合される。
【0042】
吸収パッド100は、第1部分112aと第2部分112bとを有する周囲取付要素112をさらに含む。周囲取付要素112は、布本体200への取付を容易にするように選択的に弾性を有する適切な材料から形成されてもよい。周囲取付要素112は、布本体200と、同一、類似または異なる布または織物材料から形成されてもよい。周囲取付要素112の第1部分112aは、機能層101に隣接して配置され、周囲シーリング要素110に結合される。ある実施の形態において、第1部分112aの結合は、上述の結合手段108に似た結合手段113の使用によって実現される。例えば、結合手段113は、Bemis Associates Inc.によって生成されるタイプ等の両面接着テープであって、テープは単一の層または複数の層を有してもよく、複数の層はバリア層、弾性層等の1つまたは複数の機能を有してもよい。ある実施の形態において、結合は、超音波結合、または液体糊またはホットメルト粉末糊等の接着剤によって実現される。接着剤が液体糊である場合、糊は、ホットメルト糊、液体レジン、またはこれらの組み合わせであってもよい(例えば、接着剤は、ノズル押出によるホットメルト糊/液体レジン結合、またはスクリーン印刷/テンプレート印刷による液体レジン結合であってもよい)。
【0043】
周囲取付要素112の第2部分112bは、バリア層106に隣接して、周囲シーリング要素110から切り離されて配置される。上述のように周囲シーリング要素110は、片面接着テープであってもよく、接着面はバリア層106に面する一方、非接着面は第2部分112bを面する。さらに、結合手段113は、第1部分112aと機能層101との間に適用され、第2部分112bには適用されないため、第2部分112b上には接着または結合の性質は存在しない。したがって、第2部分112bは、周囲シーリング要素110から切り離されて、周囲シーリング要素110に結合されない。
【0044】
第2部分112bは、ステッチ、裁縫及び/または結合手段(またはこれらのいずれかの組み合わせ)等によって、衣服の布本体200に取り付けられるように配置され、よって、衣服に吸収パッド100を取り付ける。第2部分112bは、周囲シーリング要素110から切り離されているため、最小限の制限とともに布本体200に取り付けられるように自由に配置される。例えば、第2部分112bは、布本体200にステッチされてもまたは縫い付けられてもよく、切り離された第2部分112bは、布本体200へより容易にステッチすること、縫うこと、及び結合することを可能にする。この配置は、よって、第2部分112bが、衣服に対して、吸収パッド100を取り付けるための布切れまたはフラップとして機能することを可能にする。さらに、布本体200に取り付けるために自由に可動な布切れまたはフラップを用いることで、機能層101または周囲シーリング要素110を通じたステッチ等、吸収パッド100の他の層/部分においてステッチまたは裁縫を要せず、よって、吸収パッド100を通じる漏れの危険性を最小化することができる。
【0045】
図1及び図2に示すように、周囲取付要素112は、周囲シーリング要素110を完全に囲むように、周囲シーリング要素110と同様に、C-折り(C-fold)またはC型の配置を有してもよい。この配置は、周囲シーリング要素110上で布カバーを形成し、よって周囲シーリング要素110を保護し、吸収パッド100の質感及び感触を改善できる。周囲取付要素112は、第1部分112a及び第2部分112bが周囲シーリング要素110にそれぞれ結合されている及び切り離されている状態で維持しつつ、異なった配置を有してもよいと認識される。
【0046】
本開示の様々な実施の形態において、吸収パッド100を形成するための方法300がある。図3を参照して、方法300は、バリア層106に機能層101を結合するステップ302を含む。方法300は、周囲シーリング要素110を機能層101の周囲105及びバリア層106の周囲107に結合するステップ304をさらに含む。方法300は周囲取付要素112の第1部分112aを周囲シーリング要素110に結合するステップ306をさらに含む。周囲取付要素112の第2部分112bは周囲シーリング要素110から切り離されて、布本体200に取り付けられるように配置され、よって衣服に吸収パッド100を取り付ける。
【0047】
上述の吸収パッド100の様々な態様は、吸収パッド100を形成するための方法300に同様にまたは類似に適用されると認識され、簡潔さのためにさらに説明されない。
【0048】
ある実施の形態において、機能層101は、ウィッキング部分102及び吸収部分104を含む。ステップ302は、結合及び/またはステッチ等によって、ウィッキング部分102を吸収部分104及びバリア層106に取り付けることを含んでもよく、よって吸収部分104は、ウィッキング部分102とバリア層106との間に配置される。例えば、ウィッキング部分102、吸収部分104、及びバリア層106は、結合手段108によって互いに結合される。ステップ304は、周囲シーリング要素110を、ウィッキング部分102及びバリア層106のそれぞれの周囲に結合することを含んでもよい。ステップ302及びステップ304は、したがって、図4A及び図4Bに示すように、複合層に様々な層/部分を組み合わせる。
【0049】
ステップ306において、周囲取付要素112の第1部分112aは、周囲シーリング要素110の部分に結合される。周囲取付要素112は、機能層101/ウィッキング部分102及びバリア層106の外側エッジを覆う布切れカットの形態であってもよい。ステップ302からステップ306は、したがって、図4C及び図4Dに示す吸収パッド100の形成をもたらす。吸収パッド100は、その液体が浸透不可能な層/部分が、ステッチされるまたは縫われることなく、接着または超音波結合等の適切な結合手段によって接合されているように構成される。ステッチがないことは、したがって、吸収パッド100を通じた漏れの危険性を抑制する。
【0050】
図5及び図6Aから図6Fに示すように、本開示の様々な実施の形態において、衣服400及び衣服400を改造する方法500がある。衣服400は、布本体200と、布本体200に取り付けられた吸収パッド100とを含む。
【0051】
具体的には、吸収パッド100は、布本体200の内面に取り付けられ、少なくとも体からの分泌物が生じるユーザの領域上を延びる。1つまたは複数の吸収パッド100は、統合してまたは取り外し可能に、衣服の一部を形成してもよい。ユーザの皮膚と接触するように設計されるいずれかの衣服には、1つまたは複数の吸収パッド100が装着されてもよい。例えば、衣服は、シャツ、Tシャツ、半ズボン、ズボン(trousers/pants)、レギンス、ランニングショーツ、自転車ショーツ、水着、ヨガパンツ、体型変形「ストレッチ」パンツ、半ズボン等のアウターウェアであってもよい。特に、衣服は、スポーツウェアまたは下着(例えば、ブラジャーまたはパンツ(underpants)、スポーツまたは「パフォーマンス」下着)であってもよい。1つまたは複数の吸収パッド100は、衣服の小さい領域を覆うように装着されてもよく、領域は、一般的に、股間領域、脇下領域、産前産後の女性の乳首等、体からの分泌物の生成が生じる領域である。代わって、吸収パッド100は、衣服の内側表面積の大部分を覆ってもよく、例えば、下着のペアにおける吸収パッド100は、衣服の内側表面積の30-100%を覆ってもよい。吸収パッド100の内側の表面積の被覆レベルは、意図された用途及び求められるユーザの快適さのレベルに基づいて、当業者によって容易に特定され得る。
【0052】
ある実施の形態において、衣服はパンツ(a pair of underpants)であってもよい。パンツは、腰開口と一対の脚開口を有し、その間にユーザの陰部の一部または全部を覆う股間領域を規定する布本体200を含む。パンツは、ユーザの皮膚(この場合においては、着用している者の陰部)と接触する内側表面と、外側表面とを含み、外側表面の一部または全部はユーザの皮膚と直接接触しない。パンツは、具体的にはステッチによって、布本体200の内側表面に取り付けられた吸収パッド100を含む。吸収パッド100は、股間領域を覆うように配置されてもよく、股間領域の一部または全部の上で延びてもよく、及び/または股間領域を超えて延びてもよい。パンツはいずれかのカット、大きさ、スタイル、色、及びタイプであってもよいと認識される。
【0053】
布本体200は、1つまたは複数の層を含んでもよい。例えば、布本体200が1つの層を含むと、吸収パッド100は、布本体200の股間領域に取り付けられてもよい。布本体200が2つの層を含むと、ユーザの体と全面的にまたは部分的に接触する内側布本体層と、ユーザの体に接触しない外側布本体層とがある。最も外側の布本体層は、ユーザに選択肢を提供するように、1つまたは複数の色、パターン、またはデザイン(例えば、黒、色、ピンク等)であってもよく、1つの層を有する布本体200においては、暗い色が望ましくてもよい。布本体200が複数の層を有すると、シミ耐性を提供できるように、最も内側の布本体層は暗い色(例えば、黒または暗いグレイ)であってもよく、よって、そこの上のいずれかのシミは見えない、またはユーザにとって見えにくくまたは目立ちにくくなっている。布本体200が2つ以上の層を有すると、衣服が着用されると、ユーザまたは他の観察者にとって、内側層または層の全てまたは一部が視認可能であってもよく、または全てが視認不可能であってもよい。いずれかの層は外側布本体層と同じ大きさにカットされてもよく、または当該層のフルサイズ以下にカットされてもよい。
【0054】
布本体200が単一の布本体層を有すると、材料は綿、綿ブレンド、合成材料、伸縮されたブレンド(例えば、スパンデックス)または他のいずれかの材料(例えば、天然または人工の織物)で形成されてもよい。布本体200が2つ以上の層を有すると、内側層は、薄い布で形成されてもよく、最も外側の層は、例えば、上述のようにより厚い布で形成されてもよい。内側布本体層は、布本体200のフル形状(full shape)にカットされてもよく、または布本体200のフル形状未満にカットされてもよい。例えば、衣服がパンツであると、内側布本体層は、股間領域のみを覆うように延びるようにカットされてもよい。内側布本体層は、ユーザの体からパンツの外側表面(または着用している者の外側の洋服)への、及び/またはユーザが感じられる股間領域の外側におけるパンツの内側表面のいずれかの位置への液体の漏れを抑制するように、外側布本体層の内側表面に密にステッチされてもよい。パンツはいずれかのスタイルであってもよい。例えば、パンツは、ユーザの腰より低い位置(通常、ユーザのヒップにおける位置またはその付近)にウエストバンドがあるローカットスタイルを有してもよく、またはパンツはハイカットを有してもよく、よってウエストバンドの上に延びる布の部分を含む。ウエストバンドのいずれかの適切な高さが使用されてもよいと認識されよう。
【0055】
図5は、吸収パッド100が含まれるようにまたは装着されるように衣服400を改造する方法500を示す。方法500は、布本体200を含む衣服400を提供するステップ502を含む。方法500は、衣服400における使用のために吸収パッド100を形成するステップ504をさらに含む。吸収パッド100は、上述の方法300によって形成され、簡潔さのためにさらに詳述されない。
【0056】
方法500は、周囲シーリング要素110から切り離された周囲取付要素112の第2部分112bを、衣服400の布本体200に取り付けて、よって吸収パッド100を衣服400に取り付けるステップ506をさらに含む。図6A及び図6Bに示す実施の形態において、第2部分112bは、ステッチまたは裁縫によって布本体200に取り付けられる。このステッチまたは裁縫は、第2部分112bと布本体200との間のステッチ114を形成する。さらに、このステッチは、例えば、単一針タッキング(tacking)等のバッグアウト(bag-out)方法を用いて実行されてもよい。バッグアウト方法は、非限定的な態様において、裏返した布部分を縫い合わせて、全ての表を出すことによって定義されてもよく、よって全てのシーム、シーム公差及びステッチが結果として生じる複合布または衣服400の内側にある。
【0057】
ステッチのためのバッグアウト方法において、吸収パッド100は、バリア層106が露出するように布本体200に配置され、裏返した配置をもたらす。その後、例えば、単一針タッキングによってステッチ114が形成される。図6Aに示すように、布本体200は、バッグアウト方法を用いて、吸収パッド100の側面エッジに沿った第2部分112bとのステッチのために内側に折られたエッジ202を有する。バッグアウト方法を用いて、エッジ202に沿ったステッチまたは裁縫は、衣服400が着用されると、結果として生じるステッチ114をユーザまたは他の観察者から隠すことを可能にする。外部からステッチ114を隠すことで、衣服400は美的な外観を実現することができる。
【0058】
図6C及び図6Dに示す実施の形態において、布本体200は、ユーザに可撓性/弾性を提供するように、弾性バンド116を沿わせるまたは挿入することによって、1つまたは複数の弾性バンド116によって取り付けられる。これは、様々な大きさの幅広いユーザを満足させることができる少数の離散的なサイズの衣服400を提供できる。例えば、衣服400は、パンツであって、弾性バンド116は、脚の開口を囲むように配置される。ある実施の形態において、弾性バンド116は、布本体200に吸収パッド100をステッチまたは裁縫前に挿入され、吸収パッド100は、弾性バンド116とともに布本体200にステッチまたは裁縫される。他の実施の形態においては、吸収パッド100は、布本体200に先にステッチされ、弾性バンド116は後から布本体200に取り付けられる。
【0059】
布本体200に吸収パッド100を縫ったあと、布本体200は図1及び図2に示すように表を出して配置される。図6Eに示すように、布本体200の表を出すにすることで、バリア層106は布本体200に接触して、機能層101/ウィッキング部分102が露出する。特に、機能層101/ウィッキング部分102は、体からの分泌物が生じるユーザの領域の上を延びるべきである。追加のステッチ118は、図6Fに示すように吸収パッド100の上及び下のエッジに沿って等、布本体200に吸収パッド100をさらに固定するように形成されてもよい。
【0060】
ある実施の形態において、ステップ506において、第2部分112bは、布本体200に、互いに結合することで及び選択的にステッチ無しで取り付けられる。当該結合は、結合手段108/113において上述した接着または超音波結合であってもよく、簡潔さのためにさらに詳述されない。上述のバッグアウト方法及び弾性バンド116を含むことの様々な態様は、第2部分112bを布本体200に結合するこれらの実施の形態に同様にまたは類似に適用されてもよい。例えば、第2部分112bは、美的な外観を実現するように同様なバッグアウト方法を用いて布本体200に結合されてもよく、弾性バンド116は、布本体200に、接着または超音波結合によって及び選択的にステッチ無しで結合されてもよい。
【0061】
ある実施の形態において、図2に示すような吸収パッド100は、吸収部分104を含むが、ウィッキング部分102を含まない機能層101を有する。当該機能層101を含む吸収パッド100を形成する方法300と、当該吸収パッド100を含むように衣服400を改造する方法500は、図7Aから図7Dに図示される。吸収パッド100のために上述された方法300及び方法500の様々な態様は、同様にまたは類似して図7Aから図7Dに示す実施の形態に適用されると認識される。
【0062】
図8A及び図8Bは、布本体200に取り付けられた吸収パッド100に含まれるまたは装着されるように方法500によって改造された最終衣服400を示す。吸収パッド100は、防漏型であって、ウィッキング部分102または機能層101の外側表面103等の吸収パッド100の表面から、下に配置される吸収部分104への液体の効率的な輸送を可能にする。吸収パッド100が装着される衣服400は、吸収パッド100に関連する性質を披露する。例えば、吸収パッド100が充分及び効果的な液体吸収を提供するため、吸収パッド100が装着される衣服400が下着の形態を有すると、下着とともに使い捨てのタンポン/パッドを使用しなくてもよい。さらに、吸収パッド100は従来の製品より薄いため、衣服400は、従来のパッドを含む衣服より魅力的でより着心地がよくなり、一方で漏れをさらに抑制できる。図8A及び図8Bは衣服400がパンツであることを示すが、同様な配置は他のタイプの衣服400に対して使用されてもよいため、これは限定的であると考慮されるべきでない。
【0063】
吸収パッド100の構成によって、機能層101、ウィッキング部分102、及び吸収部分104の1つまたは複数は、図9Aに示すようにそれぞれの中央部分111においてステッチされてもよい。ある実施の形態において、機能層101、ウィッキング部分102、及び/または吸収部分104自体が、ステッチによって中央部分111において互いに接合される個別の半分から形成されてもよい。ステッチは、シングルステッチ、ダブルステッチ、またはロックステッチの形態であってもよいが、これらに限定されない。これらのステッチを中央部分111において有することによって、それぞれの層及び部分を圧縮して、中央部分111において井戸のようなまたはポケットのようなプロファイルを形成する。
【0064】
ある実施の形態において、吸収部分104は、複数の吸収層の複合から形成される。図9Aに示すように、吸収部分104は、第1吸収層104aと第2吸収層104bとを有する。それぞれの吸収層104a、104bは、吸収部分104について上述した吸収材料から形成されると認識される。吸収層104a、104bは、等しいまたは等しくない大きさを有してもよい。例えば、図9Aは、第1吸収層104aが第2吸収層104bより小さい足跡を有することを示す。両方の吸収層104a、104bは、例えば、ステッチ及び/または結合によって、その周囲105において互いに結合されてもよい。
【0065】
図9Aに示すように、ウィッキング部分102と吸収層104a、104bとは、ステッチ及び/または結合によって、中央部分111において互いに接合されてもよい。例えば、ウィッキング部分102と吸収層104a、104bとは、中央部分111において互いにステッチされてもよく、ウィッキング部分102から見ると平坦なシームを実現する。特に、ステッチは、無傷な状態を維持するようにバリア層106を貫通しない。ステッチは、シングルステッチ、ダブルステッチ、またはロックステッチの形態であってもよいが、これらに限定されない。バリア層106は、中央部分111において、吸収部分104、具体的には第2吸収層104bに接合され、バリア層106を無傷な状態に維持するように結合等の非ステッチ手段を用いる。例えば、超音波結合、または液体糊またはホットメルト粉末糊等の接着剤が、中央部分111において、バリア層106を第2吸収層104bに結合または接着するように使用されてもよい。ある構造において、バリア層106は、超音波結合によって中央部分111において互いに接合される個別の半分から形成され、この中央部分111における結合部分は、補強テープによって補強される。中央部分111におけるこの接合は、上述の機能層101、ウィッキング部分102、及び吸収部分104の様々な構成を有する実施の形態において同様にまたは類似して適用されてもよいと認識される。
【0066】
吸収パッド100は、周囲取付要素112の第2部分112bを布本体200にステッチまたは結合することによって、衣服400に取り付けられる。図9Bは、吸収パッド100が装着された最終衣服400を示す。バリア層106は、超音波結合等の手段によって非ステッチ手段を用いて中央部分111において布本体200に接合されてもよく、補強テープによって選択的に補強されてもよい。吸収パッド100のように、布本体200は、中央部分111において、布本体200を圧縮し、井戸のようなまたはポケットのようなプロファイルを実現するように、中央部分111においてステッチを有してもよい。中央部分111において様々な部分及び層を互いに接合することによって、吸収パッド100と布本体200との組み合わせをよりきつく圧縮することができ、よって、中央部分111において井戸のようなまたはポケットのようなプロファイルを形成する。吸収パッド100及び布本体200のこの井戸のようなまたはポケットのようなプロファイルによって、衣服400は、衣服400を男性の下着または男性の尿失禁衣服としての使用に適するようになる。
【0067】
図10A及び図10Bに示す実施の形態において、周囲取付要素112はY型構造を有する。第1部分112aは、周囲シーリング要素110に結合され、第2部分112bは、布本体200に取り付けるように周囲シーリング要素110から切り離されている。図10Aに示す1つの実施の形態において、ウィッキング部分102、吸収部分104、及びバリア層106は、結合手段108を用いて互いに結合される。他の実施の形態において、ウィッキング部分102、吸収部分104、及びバリア層106は、その周囲において互いにステッチされ、Y型周囲シーリング要素110は、ステッチ115に重なるように配置される。男性尿失禁衣服において、バリア層106は、ウィッキング部分102及び吸収部分104にステッチされるのではなく、結合されることが望ましい。
【0068】
周囲シーリング要素110は、両面接着テープであってもまたは両面接着テープを含んでもよい。一方の接着面は、ウィッキング部分102、吸収部分104、及びバリア層106に面して、他方の接着面は周囲取付要素112の第1部分112aに面する。代わって、周囲シーリング要素110は、片面接着テープであってもまたは片面接着テープを含んでもよく、周囲取付要素112の第1部分112aは周囲シーリング要素110の非接着面に結合される。Y型周囲取付要素112は、周囲シーリング要素110とともに統合的に形成されてもよく、統合要素としてウィッキング部分102とバリア層106とに結合されてもよい。これは、吸収パッド100を形成するための時間を節約できる。
【0069】
Y型周囲取付要素112は、布本体200への取付を容易にするように、弾性布または織物材料等の弾性材料から形成されてもよい。しかしながら、Y型周囲取付要素112は、布でない/非弾性材料から形成されてもよいと認識される。Y型周囲取付要素112を有する吸収パッド100は、様々な尿失禁衣服における使用のために適している。Y型周囲取付要素112は、上述のような機能層101、ウィッキング部分102、及び吸収部分104の様々な構成を有する他の実施の形態に同様にまたは類似して適用されてもよいと認識される。
【0070】
ある実施の形態において、吸収パッド100及び/または衣服400は、洗濯可能及び再利用可能であるように形成されてもよく、よって環境への負担を軽減できる。例えば、吸収パッド100及び/または衣服400は、本明細書にて説明した全体の外観、(様々な層、結合、及び接着剤を含む)部分の完全性、及び液体管理パラメータにおける変化なく、少なくとも30(例えば、最低50または100)回の機械洗濯及びタンブル(tumble)乾燥サイクルに耐えることができる。材料の選択及び独特な構造は、吸収パッド100及び/または衣服400が水分管理、抗菌機能、及びにおいに対抗する機能の1つまたは複数において妥協することなく、洗濯可能であることを保証する。
【0071】
さらに、吸収パッド100の完全性は、少なくとも30(例えば、最低50または100)回の洗濯及び乾燥サイクルにおいて維持されてもよい。これは、衣服400の寿命において、吸収パッド100が漏れないことを保証する。例えば、本明細書にて説明する吸収パッド100の様々な層/部分は、30回まで(例えば、最低50または100回まで)の洗濯及び乾燥サイクルを経験し、吸収パッド100/衣服400の意図されている寿命において、化学的に、熱的に、機械的に安定した状態を維持するように選択される。
【0072】
吸収パッド100の様々な部分は、190°Cまで、例えば、95°Cまでにおいて熱的に安定している材料から形成されてもよい。接着剤または超音波結合は、190°Cまたは95°Cまでにおいて熱的に安定していてもよく、これによって、複数回洗濯及び乾燥できる衣服400において、吸収パッド100を使用できる。特段の記載がない限り、本明細書にて使用されると、用語「熱的に安定した」は、機械乾燥サイクルと一貫した時間期間において、記載された温度にさらされた後に、対象の部分の物理的な状態において変化がないことを明記することを意図している。
【0073】
上述の詳細な説明において、衣服400における使用のための吸収パッド100に関して本開示の実施の形態は、提供される図面を参照して説明される。本明細書における様々な実施の形態の説明は、本開示の具体的なまたは特定の代表例を呼び出すまたはそれに限定することを意図しておらず、単に本開示の非限定的な例示を示すことを意図している。本開示は、先行技術に関連した上述の問題点または課題の少なくとも1つに対処するように機能する。本開示のいくつかのみの実施の形態が本明細書にて開示されているが、本分野において通常の能力を有する者にとっては、本開示に基づいて、本開示の範囲から離脱することなく、開示された実施の形態に様々な変更及び/または改造が行われてもよいことは明らかである。したがって、本開示の範囲及び後続の請求項の範囲は、本明細書にて説明される実施の形態に限定されない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B