(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】管路構造
(51)【国際特許分類】
F16L 1/028 20060101AFI20230427BHJP
E03B 3/04 20060101ALI20230427BHJP
E03B 7/02 20060101ALI20230427BHJP
F16L 27/10 20060101ALI20230427BHJP
H02G 9/06 20060101ALN20230427BHJP
【FI】
F16L1/028 F
E03B3/04
E03B7/02
F16L27/10 Z
H02G9/06
(21)【出願番号】P 2019085613
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2022-02-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 刊行物による公開/刊行物名:平成30年度農業農村工学会大会講演会概要集 第8講演会場 『水理,応用力学』、タイトル『コンクリート製柔構造底樋の動的挙動に関する実験的検討』、発行年月日:平成30年9月4日 刊行物による公開/刊行物名:平成30年度農業農村工学会大会講演会概要集企画セッション3『農業農村整備の新技術と開発・普及戦略〈技術開発計画検討委員会〉』、タイトル『プレキャストコンクリート製ため池底樋の耐震性向上技術に関する研究開発』、発行年月日:平成30年9月4日 学会発表による公開/学会名:平成30年度農業農村工学会大会講演会、開催場所:京都大学吉田キャンパス北部構内農学部総合館(京都府京都市左京区北白川追分町)、開催日:平成30年9月4日~7日 学会発表による公開/学会名:平成30年度農業農村工学会大会講演会、開催場所:京都大学吉田キャンパス北部構内農学部総合館(京都府京都市左京区北白川追分町)、開催日:平成30年9月4日~7日 集会による公開/展示会名:平成30年度 合同講演会、開催場所:一般財団法人国鉄労働会館B1会議室(東京都港区新橋五丁目15番5号)、開催日:平成30年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229128
【氏名又は名称】ベルテクス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591047327
【氏名又は名称】大和クレス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 義人
(72)【発明者】
【氏名】有田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 良雄
(72)【発明者】
【氏名】大森 雅貴
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-236308(JP,A)
【文献】特開平09-170256(JP,A)
【文献】特開平09-287123(JP,A)
【文献】特開2004-076451(JP,A)
【文献】特開平10-169371(JP,A)
【文献】特開2009-287365(JP,A)
【文献】特開2001-081853(JP,A)
【文献】特開平09-250162(JP,A)
【文献】特開2001-336685(JP,A)
【文献】特開昭63-110327(JP,A)
【文献】特開平02-085435(JP,A)
【文献】特開平09-324457(JP,A)
【文献】特開平09-316985(JP,A)
【文献】特開2007-032042(JP,A)
【文献】特開2005-336710(JP,A)
【文献】特開平07-229133(JP,A)
【文献】特開平03-161607(JP,A)
【文献】特開2007-231530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 1/028
E03B 3/00
E02B 7/00
F16L 27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が導通できる導通空間を有するコンクリート製の管路ブロックを導通経路に沿って複数配置して構築する管路構造であって、
前記管路ブロック同士を接続する接続箇所に、可撓性を有する可撓接続部が設けられ、
複数の前記可撓接続部のうちいずれかが、他の前記可撓接続部の可撓性と異なり、局所的な変形を許容する局所変形接続部で構成され
、
前記局所変形接続部は、前記導通経路において前記管路を支持する支持地盤が変化する変化箇所の近傍に配置された
管路構造。
【請求項2】
流体が導通できる導通空間を有するコンクリート製の管路ブロックを導通経路に沿って複数配置して構築する管路構造であって、
前記管路ブロック同士を接続する接続箇所に、可撓性を有する可撓接続部が設けられ、
複数の前記可撓接続部のうちいずれかが、他の前記可撓接続部の可撓性と異なり、局所的な変形を許容する局所変形接続部で構成され、
前記局所変形接続部は、付帯設備と接続される接続箇所の近傍に配置された
管路構造。
【請求項3】
前記局所変形接続部は、
他の前記可撓接続部より変形性が高い
請求項1
又は2に記載の管路構造。
【請求項4】
前記接続箇所と、該接続箇所を下方から支持する支持地盤との間に配置され、前記接続箇所を下方支持する下方支持版が設けられた
請求項1乃至
3のうちいずれかに記載の管路構造。
【請求項5】
前記管路ブロックが、プレキャスト製コンクリートブロックである
請求項1乃至
4のうちいずれかに記載の管路構造。
【請求項6】
複数の前記管路ブロックのうちいずれかが、
複数のブロック体で構成されるとともに、複数の前記ブロック体同士が前記局所変形接続部で連結された一体型ブロックで構成された
請求項1乃至
5のうちいずれかに記載の管路構造。
【請求項7】
前記局所変形接続部を構成する連結部材は、弾性部材で構成され、
複数の前記ブロック体同士の境界において、周方向に沿って配置されるとともに、
前記ブロック体の厚みの中央より径内側に埋設された
請求項
6に記載の管路構造。
【請求項8】
前記ブロック体は、その他の前記管路ブロックより延長方向の長さが短い
請求項
6又は
7に記載の管路構造。
【請求項9】
所定の導通勾配を有するとともに、地中に埋設された
請求項1乃至
8のうちいずれかに記載の管路構造。
【請求項10】
堤体を横断する堤体底部に埋設された底樋管である
請求項
9に記載の管路構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、堤体底部に埋設され、堤体を横断する底樋管などの管路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載するように、堤体内において、横断面方向に構築される底樋管などの導水用の管路構造は、地盤変形に対し管路の損傷による機能低下・損失を防止する目的で剛性の高い構造物で構築されてきた。
【0003】
しかしながら、構築後年数が経過したこれらの管路構造は、上述したように、剛構造であるため、過度な変形が生じた場合、管路構造自体や導水構造を支持する基礎構造の損傷によって機能低下するとともに、管路構造の損傷によって水みちが発生したりして、堤体の安定性の低下などが引き起こされるおそれがあった。
【0004】
そもそも、堤体は、不均質・不均等な盛り土で構築されていたり、堤体内部に、地盤の特性と異なる遮水構造物やち密に締め固められた遮水層などが存在していることが多く、管路構造の延長方向において沈下特性が局所的に変化し、管路の不等沈下に伴う過度な応力集中によって管路構造の損傷や堤体内の水みちが発生するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、局所的な変形による損傷を防止できる管路構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、流体が導通できる導通空間を有するコンクリート製の管路ブロックを導通経路に沿って複数配置して構築する管路構造であって、前記管路ブロック同士を接続する接続箇所に、可撓性を有する可撓接続部が設けられ、複数の前記可撓接続部のうちいずれかが、他の前記可撓接続部の可撓性と異なり、局所的な変形を許容する局所変形接続部で構成され、前記局所変形接続部は、前記導通経路において前記管路を支持する支持地盤が変化する変化箇所の近傍に配置されたことを特徴とする。
【0008】
上記流体は、液体や気体であってもよい、上記管路は、導水用、排水用、給水用、給排水用、排気用、給気用、換気用、あるいは送気用など様々な用途の管路であってもよい。
上述の可撓性を有する可撓接続部はせん断変形を抑制し、延長方向への所定の変形を許容する可撓性を有する可撓接続部であるとより好ましい。
【0009】
前記支持地盤が変化するとは、支持地盤の土質が異なる、他の埋設物等によって同じ支持地盤であっても支持強度が異なる、さらには、同じ支持地盤であっても圧密度合いに等によって支持力が異なることなどを指す。
【0010】
この発明により、局所的な変形による損傷を防止できる管路を構築することができる。
詳述すると、流体が導通できる導通空間を有するコンクリート製の管路ブロックを導通経路に沿って複数配置して構築する管路構造における前記管路ブロック同士を接続する接続箇所に、可撓性を有する可撓接続部が設けられているため、柔構造の管路を構成することができる。
【0011】
また、複数の前記可撓接続部のうちいずれかが、他の可撓接続部の可撓性と異なり、局所的な変形を許容する局所変形接続部で構成されているため、例えば、管路の延長方向において沈下特性が局所的に変化したとしても、局所変形接続部が局所的な変形に追従するため、過度な応力集中が生じることなく、局所的な変形によって管路が損傷することを防止できる。
【0012】
つまり、本発明の管路構造は、可撓性が異なる継手部を有することで、従来のような管路の剛性によって損傷を防止する剛構造の管路構造と異なり、柔構造である管路を構成するとともに、全体的・局所的な変形に対しても追従して、管路が損傷することを防止できる。
【0013】
なお、前記接続箇所のすべてを、局所的な変形を許容する前記局所変形接続部で構成することも想定されるが、接続箇所のすべてが局所的な変形に追従するため、過度な応力集中が生じず、局所的な変形による管路の損傷をより確実に防止できるものの、局所変形接続部は自在に変形できるため、管路経路に沿って管路を配置することが困難になり、施工性が低下するおそれがある。また、管路の損傷を防止するのに要する変形性の確保に対して、前記局所変形接続部が増加した分、コストが増大することとなる。
【0014】
また、前記局所変形接続部は、前記導通経路において前記管路を支持する支持地盤が変化する変化箇所の近傍に配置されているため、支持地盤が変化することで沈下特性が異なるため、支持地盤が変化する変化箇所では不等沈下が生じやすく、不等沈下によって管路に局所的な応力集中が生じる可能性が高いが、変化箇所の近傍に配置した前記局所変形接続部が局所的に変形するため、管路は不等沈下に追従して変形でき、管路が損傷することを防止できる。
【0015】
またこの発明は、流体が導通できる導通空間を有するコンクリート製の管路ブロックを導通経路に沿って複数配置して構築する管路構造であって、前記管路ブロック同士を接続する接続箇所に、可撓性を有する可撓接続部が設けられ、複数の前記可撓接続部のうちいずれかが、他の前記可撓接続部の可撓性と異なり、局所的な変形を許容する局所変形接続部で構成され、前記局所変形接続部は、付帯設備と接続される接続箇所の近傍に配置されたことを特徴とする。
【0016】
この発明により、局所的な変形による損傷を防止できる管路を構築することができる。
詳述すると、流体が導通できる導通空間を有するコンクリート製の管路ブロックを導通経路に沿って複数配置して構築する管路構造における前記管路ブロック同士を接続する接続箇所に、可撓性を有する可撓接続部が設けられているため、柔構造の管路を構成することができる。
【0017】
また、複数の前記可撓接続部のうちいずれかが、他の可撓接続部の可撓性と異なり、局所的な変形を許容する局所変形接続部で構成されているため、例えば、管路の延長方向において沈下特性が局所的に変化したとしても、局所変形接続部が局所的な変形に追従するため、過度な応力集中が生じることなく、局所的な変形によって管路が損傷することを防止できる。
【0018】
つまり、本発明の管路構造は、可撓性が異なる継手部を有することで、従来のような管路の剛性によって損傷を防止する剛構造の管路構造と異なり、柔構造である管路を構成するとともに、全体的・局所的な変形に対しても追従して、管路が損傷することを防止できる。
【0019】
なお、前記接続箇所のすべてを、局所的な変形を許容する前記局所変形接続部で構成することも想定されるが、接続箇所のすべてが局所的な変形に追従するため、過度な応力集中が生じず、局所的な変形による管路の損傷をより確実に防止できるものの、局所変形接続部は自在に変形できるため、管路経路に沿って管路を配置することが困難になり、施工性が低下するおそれがある。また、管路の損傷を防止するのに要する変形性の確保に対して、前記局所変形接続部が増加した分、コストが増大することとなる。
【0020】
また、前記局所変形接続部は、付帯設備と接続される接続箇所の近傍に配置されているため、管路における接続箇所の近くが損傷することを防止できる。
【0021】
詳述すると、付帯設備と接続される接続箇所は、付帯設備の接続部分によって拘束されるため、管路におけるその他の部分と沈下特性が異なるが、接続箇所の近傍に配置した前記局所変形接続部が局所的に変形するため、管路が損傷することを防止できる。
【0022】
この発明の態様として、前記局所変形接続部は、他の前記可撓接続部より変形性が高くてもよい。
この発明により、前記局所変形接続部によって、さらに変形できるため、局所的な変形に対してもより確実に追従して、管路が損傷することを防止できる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記接続箇所と、該接続箇所を下方から支持する支持地盤との間に配置され、前記接続箇所を下方支持する下方支持版が設けられてもよい。
この発明により、下方支持版によって接続箇所を下方支持できるため、接続箇所に作用するせん断力によって生じるせん断変形を防止することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記管路ブロックが、プレキャスト製コンクリートブロックであってもよい。
この発明により、現場打ちコンクリート製の管路に比べて、プレキャスト製コンクリートブロックは密実で均質であるため、高品質な管路を構築することができる。
【0025】
またこの発明の態様として、複数の前記管路ブロックのうちいずれかが、複数のブロック体で構成されるとともに、複数の前記ブロック体同士が前記局所変形接続部で連結された一体型ブロックで構成されてもよい。
この発明により、複数のブロック体で構成する管路ブロック自体で局所的な変形に追従できるため、局所的な応力の発生をより防止することができる。
【0026】
またこの発明の態様として、前記局所変形接続部を構成する連結部材は、弾性部材で構成され、複数の前記ブロック体同士の境界において、周方向に沿って配置されるとともに、前記ブロック体の厚みの中央より径内側に埋設されてもよい。
【0027】
この発明により、連結部材によって複数のブロック体を連結した一体型ブロックは、前記ブロック体に埋め込まれているため引き抜き抵抗力が高く、上述の可撓接続部のように大きな変形によって接続部の接続が不用意に解消されることなく、大きな変形を許容することができる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記ブロック体は、その他の前記管路ブロックより延長方向の長さが短くてもよい。
この発明により、その他の前記管路ブロックより延長方向の長さが短い前記ブロック体で管路ブロックを構成するため、より小範囲の局所的な変形であっても追従でき、局所的な応力の発生をさらに防止することができる。
【0029】
またこの発明の態様として、所定の導通勾配を有するとともに、地中に埋設されてもよい。
この発明により、管路周辺の地山の変化に対しても、管路が局所的な変形に追従して、局所的な応力の発生を防止することができる。
【0030】
またこの発明の態様として、堤体を横断する堤体底部に埋設された底樋管であってもよい。
この発明により、局所的な変形に追従して、局所的な応力の発生を防止することができる底樋管を構成することができる。
【発明の効果】
【0031】
この発明によれば、局所的な変形による損傷を防止できる管路構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】堤体底部に底樋管が埋設された堤体の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は堤体底部1aに底樋管10が埋設された堤体1の概略断面図を示し、
図2は
図1のa部拡大図を示し、
図3は底樋管10の接続部12を説明する説明図を示し、
図4は一般管ブロック20の説明図を示し、
図5は一般管ブロック20の接続に関する説明図を示し、
図6は連結管ブロック30の説明図を示している。
【0034】
詳述すると、
図3(a)は底樋管10における接続前の接続部12の分解片断面斜視図を示し、
図3(b)は接続部12が接続状態である底樋管10の片断面斜視図を示している。
【0035】
また、
図4(a)は接続済管ブロック20’に対して接続する一般管ブロック20を配置した状態(接続前の状態)の正面図を示し、
図4(b)は、
図4(a)におけるa部の拡大断面図を示し、
図4(c)は一般管ブロック20の左端面図を示している。
【0036】
また、
図5(a)は接続状態の底樋管10の断面図を示し、
図5(b)は、
図5(a)におけるa部の拡大断面図を示している。
図6(a)は一般管ブロック20の正面図を示し、
図6(b)は一般管ブロック20の縦断面図を示し、
図6(c)は
図6(b)におけるa部の拡大図を示している。
【0037】
本発明の底樋管10は、堤体1における堤体底部1aに埋設され、堤体1を横断する導水用の管路構造である。詳しくは、底樋管10は、ため池2の水を堤体1の外部に導水するための管路構造である。この底樋管10について説明する前に、堤体1について説明する。
【0038】
堤体1は、ため池2の外部に沿って、外部の地表部分3とため池2との間に配置されており、断面略台形状で構成されている。
なお、ため池2の水面2aより、堤体1の堤体天端1bは高く、地表部分3は水面2aより低い位置となる。
【0039】
断面略台形状で構成された堤体1は、
図1及び
図2に示すように、河床堆積物4で構成された堤体底部1aと、堤体底部1aの上部の盛土5とで構成され、堤体1におけるため池2側の斜面には、ため池2の水の侵入を防止する、粘性土で構成された遮水層6が設けられている。
【0040】
また、盛土5の下方には、遮水壁7が設けられてる。なお、遮水壁7は後述する底樋管10が貫通し、底樋管10に沿って水みちが生じた場合、土砂の流出・漏水を防止するためのコンクリート製壁体であり、遮水壁7の周囲は、遮水壁7を構築した際の埋め戻し土8で囲われている。
【0041】
このように構成された堤体1の堤体底部1aには、堤体1を横断する底樋管10が設けられている。底樋管10におけるため池2側の端部には取水部60が設けられ、底樋管10における地表部分3側の端部には出水部である外部水路61が設けられており、堤体1を横断する底樋管10によって、取水部60が取水したため池2の水を外部水路61まで導水することができる。
【0042】
このように、取水部60から外部水路61まで導水する底樋管10は、
図3に示すように、導水する導通空間11を有するコンクリート製の管路ブロック13を導通経路に沿って複数配置するとともに、可撓継手14を構成する接続部12で接続して構築するとともに、接続部12を支持する支持プレート50を備えている。
【0043】
底樋管10を構成するコンクリート製の管路ブロック13には、延長方向の所定の長さを有する一般管ブロック20と、連結管ブロック30と、壁部ブロック40とがある。
底樋管10における一般部に配置される一般管ブロック20は、
図4に示すように、側面視釣鐘状であり、内部に円筒形の導通空間11を有するプレキャスト製(以下においてPca製という)のコンクリートブロックである。
【0044】
一般管ブロック20は、両端部のうち一方に、可撓継手14を構成する嵌合凸部15を備え、他端部には嵌合凸部15が嵌合して可撓継手14を構成する嵌合凹部16を備えている。詳述すると、嵌合凸部15は、一般管ブロック20の一端部において、一般管ブロック20の端面20aから、導通空間11の周囲を所定厚み且つ所定の突出量で突出する略円筒状に形成している。
【0045】
このように構成した円筒状の嵌合凸部15の外周面には、径外側に突出するとともに、嵌合凸部15を他の一般管ブロック20の嵌合凹部16に嵌合挿入する挿入方向に対して反対側、つまり一般管ブロック20の本体側に傾倒可能なシール17が周方向に沿って設けられている。
また、嵌合凸部15の周囲の端面20aは径外側に向かって他端側に傾斜しており、嵌合凸部15の周囲の端面20aには、周方向は所定間隔を隔てて緩衝材18を設けている。
【0046】
一般管ブロック20の他端側に設けられ、嵌合凸部15が嵌合する嵌合凹部16は、導通空間11の周囲を、他端側の端面20bより凹ませた凹部であり、嵌合凸部15の突出量よりわずかに深く、且つ嵌合凸部15の外径よりわずかに広い内径の略リング状の空間である。
【0047】
このように構成された一般管ブロック20は、他の一般管ブロック20の嵌合凹部16に嵌合凸部15を挿入して接続することができる。
具体的には、
図5に示すように、例えば、既に他の一般管ブロック20と連結した一般管ブロック20(以下において接続済管ブロック20’という)に対して別の一般管ブロック20を接続する場合、接続済管ブロック20’の嵌合凹部16に、一般管ブロック20の嵌合凸部15を挿入して接続する。このように、嵌合凸部15を嵌合凹部16に挿入嵌合して接続した接続部12は後述するように可撓継手14を構成することとなる。
【0048】
このとき、嵌合凸部15の突出量よりわずかに深く、且つ嵌合凸部15の外径よりわずかに広い内径の略リング状の空間である嵌合凹部16に嵌合凸部15を挿入すると、嵌合凸部15の外径と嵌合凹部16の内径との間にわずかな隙間が形成されるが、その隙間において、周方向に沿って設けたシール17が傾倒し、嵌合凸部15の外径と嵌合凹部16の内径とに挟まれて、封止することができる。
【0049】
また、嵌合凸部15の周囲の端面20aと、接続済管ブロック20’の端面20bとの間にも延長方向のわずかな隙間が形成されるものの、わずかな隙間の周方向の一部には緩衝材18が配置されることとなる。
【0050】
なお、端面20aが径外側に向かって傾斜しているため、嵌合凸部15の周囲の端面20aと、接続済管ブロック20’の端面20bとの間に形成される隙間は、径外側が拡がる断面片傾斜V字状の隙間となる。
【0051】
このように構成した一般管ブロック20の嵌合凸部15を、接続済管ブロック20’の嵌合凹部16に挿入嵌合して、一般管ブロック20と接続済管ブロック20’とを接続すると、接続済管ブロック20’の導通空間11と一般管ブロック20の導通空間11は連通する。
【0052】
さらに、一般管ブロック20の嵌合凸部15を、接続済管ブロック20’の嵌合凹部16に挿入嵌合した可撓継手14は、嵌合凸部15の外径と嵌合凹部16の内径との間にわずかな隙間が形成されるとともに、嵌合凸部15の周囲の端面20aと、接続済管ブロック20’の端面20bとの間にも延長方向のわずかな隙間が形成されるため、接続済管ブロック20’と一般管ブロック20とは、底樋管10の延長方向に対して傾斜させることができる。
【0053】
続いて、連結管ブロック30について、
図6とともに説明する。
底樋管10における一般部に配置される連結管ブロック30は、上述の一般管ブロック20と同様に、側面視釣鐘状であり、内部に円筒形の導通空間11を有するPca製のコンクリートブロックであり、一方側の端部に嵌合凸部15を備えた凸側ブロック体30Xと、他方側の端部に嵌合凹部16を設けた凹側ブロック体30Yと、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yと変形可能に連結して一体化する連結部材36とで構成している。
【0054】
連結部材36は、弾性部材で構成され、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとの境界において周方向に沿って配置される。
連結部材36は、
図6(c)に図示するように、断面環状のクッション部361と、底樋管10の延長方向(連結管ブロック30の長手方向:
図6(c)において左右方向)にクッション部361から延びるアーム部362と、アーム部362の端部近傍に設けたアンカー部363と、クッション部361から径内側に突出するシール凸部364とで構成されている。なお、連結部材36は、上述の断面形状で、連結管ブロック30の形状に応じたリング状に構成されているが、同断面形状の帯状であってもよい。
【0055】
このように構成された連結部材36は、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとの境界の径内周面側にシール凸部364が露出するように、クッション部361が配置され、両アーム部362がそれぞれ凸側ブロック体30X及び凹側ブロック体30Yの厚みの中央より径内側において延長方向に延びるように埋設されている。
【0056】
なお、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yの対向する端面同士の間における連結部材36の径外側は、所定間隔の隙間が形成されている。逆に、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yの対向する端面同士の間の径内側にはシール凸部364が挟み込まれているため、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとの内周面における目地に対して止水性を確保するためのシール等の施工が不要となる。
【0057】
したがって、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとは、連結部材36の変形性によって相対的にその向きや位置を変化することができる。
つまり、連結部材36は、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとを一体化して連結管ブロック30を構成するとともに、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとを接続する接続箇所に配置された可撓性継手であり、局所的な変形を許容する継手としても機能する。
【0058】
なお、連結部材36によって凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとを連結した連結管ブロック30は、凸側ブロック体30X及び凹側ブロック体30Yに埋め込まれたアーム部362にアンカー部363を設けているため、引き抜き抵抗力が高く、嵌合凸部15を嵌合凹部16に挿入嵌合して接続した可撓継手14のように、大きな変形によって、連結部材36による凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとの連結が不用意に解消されることなく、大きな変形を許容することができる。
【0059】
また、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yの対向する端面同士の間における連結部材36の径外側は、所定間隔の隙間が形成されているとともに、上記端面同士の間の径内側に断面環状のクッション部361が埋め込まれているため、いずれの方向に大きく変形しても、断面環状のクッション部361が変形して吸収できるとともに、凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yの対向する端面が損傷することを防止できる。
【0060】
このように構成された連結部材36で連結される凸側ブロック体30X及び凹側ブロック体30Yのそれぞれは、一般管ブロック20より延長方向の長さが短く形成され、凸側ブロック体30Xの一端部において、端面30aから突出するように嵌合凸部15が設けられ、凹側ブロック体30Yの他端部において、端面30bより凹むように嵌合凹部16が設けられている。また、端面30aは端面20aと同様に、径外側に向かって傾斜している。
【0061】
上述したように、凸側ブロック体30Xの一方に備えた嵌合凸部15は、上述の一般管ブロック20の嵌合凸部15と同構造、且つ同サイスであり、凹側ブロック体30Yの他方側に設けた嵌合凹部16は、上述の一般管ブロック20の嵌合凹部16と同構造、且つ同サイスであるため、連結管ブロック30の嵌合凸部15を、一般管ブロック20の嵌合凹部16に挿入嵌合したり、一般管ブロック20の嵌合凸部15を連結管ブロック30の嵌合凹部16に挿入嵌合して、連結管ブロック30と一般管ブロック20とを、上述したように、傾斜可能に接続することができる。もちろん連結管ブロック30同士を傾斜可能に接続することもできる。
【0062】
続いて、壁部ブロック40について説明する。
図1、2に示すように、遮水壁7を貫通する部分に配置される壁部ブロック40は、上述の一般管ブロック20と同様に、側面視釣鐘状であり、内部に円筒形の導通空間11を有するPca製のコンクリートブロックであり、一方側の端部に嵌合凸部15を備えた凸側ブロック体40Xと、他方側の端部に嵌合凹部16を設けた凹側ブロック体40Yとで構成している。
【0063】
しかしながら、上述の連結部材36で凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとを連結する連結管ブロック30と異なり、壁部ブロック40は連結部材を備えておらず、凸側ブロック体40Xと凹側ブロック体40Yとの境界が遮水壁7内部に配置されて一体化されている。なお、一般管ブロック20より延長方向の長さが短くなるように、凸側ブロック体40Xと凹側ブロック体40Yとが形成されている。
【0064】
一般管ブロック20より延長方向の長さを短く形成された凸側ブロック体40Xの一端部において、端面40aから突出するように嵌合凸部15が設けられ、凹側ブロック体40Yの他端部において、端面40bより凹むように嵌合凹部16が設けられている。また、端面40aは端面20aと同様に、径外側に向かって傾斜している。
【0065】
上述したように、凸側ブロック体40Xの一方に備えた嵌合凸部15は、上述の一般管ブロック20の嵌合凸部15と同構造、且つ同サイスであり、凹側ブロック体40Yの他方側に設けた嵌合凹部16は、上述の一般管ブロック20の嵌合凹部16と同構造、且つ同サイスであるため、壁部ブロック40の嵌合凸部15を、一般管ブロック20や連結管ブロック30の嵌合凹部16に挿入嵌合したり、一般管ブロック20や連結管ブロック30の嵌合凸部15を壁部ブロック40の嵌合凹部16に挿入嵌合して、壁部ブロック40と一般管ブロック20や連結管ブロック30とを、上述したように、傾斜可能に接続することができる。もちろん壁部ブロック40同士を傾斜可能に接続することもできる。
【0066】
このように構成した管路ブロック13の接続部12を下方から支持する支持プレート50は、管路ブロック13より幅広で、接続部12を跨ぐ所定の長さかつ所定の厚みを有するPca製のコンクリート板である。
【0067】
上述の管路ブロック13及び支持プレート50を用いた底樋管10は、
図3に示すように、支持プレート50の上で、嵌合凸部15を嵌合凹部16に挿入嵌合し、管路ブロック13同士を接続することで、支持プレート50によって下部が支持された状態で管路ブロック13同士が接続された接続部12を構成することができる。なお、接続部12同士の間の管路ブロック13の下方は、ベントナイトなどの遮水性が高く、膨張機能を有する敷設材料を敷設する。
【0068】
このように構成される底樋管10は、堤体1の堤体底部1aにおいて、取水部60から外部水路61に向かって所定の導水勾配で堤体1を横断する導通経路に沿って配置される。しかしながら、この導通経路は、地質が一様でなく変化する。
【0069】
そのため、このような管路ブロック13を複数導通経路に沿って配置し、接続して構成する底樋管10のうち、遮水層6と埋め戻し土8との間、及び埋め戻し土8と盛土5との間を通る部分の底樋管10を連結管ブロック30で構成する。
また、上述したように、底樋管10は遮水壁7を通過するため、遮水壁7を通過する部分の底樋管10を壁部ブロック40で構成する。
【0070】
このように、導水できる導通空間11を有するコンクリート製の管路ブロック13を導通経路に沿って複数配置して構築する底樋管10は、管路ブロック13同士を接続する接続部12を、可撓性を有する可撓継手14が設けられるとともに、他の可撓継手14の可撓性と異なり、局所的な変形を許容する連結部材36で連結した連結管ブロック30が設けられているため、局所的な変形による損傷を防止できる底樋管10を構築することができる。
【0071】
詳述すると、導水できる導通空間11を有するコンクリート製の管路ブロック13を導通経路に沿って複数配置して構築する底樋管10は管路ブロック13同士を接続する接続部12に、可撓性を有する可撓継手14が設けられているため、柔構造の底樋管10を構成することができる。
【0072】
また、他の可撓継手14の可撓性と異なり、局所的な変形を許容する連結部材36で連結した連結管ブロック30を設けているため、例えば、底樋管10の延長方向において沈下特性が局所的に変化したとしても、連結管ブロック30における連結部材36は局所的な変形に追従するため、過度な応力集中が生じることなく、局所的な変形によって底樋管10が損傷することを防止できる。
【0073】
つまり、本発明の底樋管10は、可撓性が異なる継手部(14,36)を有することで、従来のような底樋管10の剛性によって損傷を防止する剛構造の底樋管と異なり、柔構造である底樋管10を構成するとともに、局所的な変形に対しても追従して、底樋管10が損傷することを防止できる。
【0074】
なお、接続部12のすべてを、局所的な変形を許容する連結部材36で連結して構成することも想定されるが、接続部12のすべてが局所的な変形に追従するため、過度な応力集中が生じず、局所的な変形による底樋管10の損傷をより確実に防止できるものの、連結部材36は自在に変形できるため、経路に沿って底樋管10を配置することが困難になり、施工性が低下するおそれがある。また、底樋管10の損傷を防止するのに要する変形性の確保に対して、連結部材36で連結した連結管ブロック30はコストが増大することとなる。
【0075】
また、連結管ブロック30において連結部材36で連結した連結箇所は、可撓継手14より変形性が高いため、連結部材36によってさらに変形でき、局所的な変形に対しても、より確実に追従して、底樋管10が損傷することを防止できる。
【0076】
また、連結部材36で連結した連結管ブロック30は、導通経路において底樋管10を支持する支持地盤が変化する変化箇所の近傍(遮水層6と埋め戻し土8との間、及び埋め戻し土8と盛土5との間)に配置されているため、支持地盤が変化する変化箇所は沈下特性が異なり、支持地盤が変化する変化箇所では不等沈下が生じやすく、不等沈下によって底樋管10に局所的な応力集中が生じる可能性が高いが、変化箇所の近傍に配置した連結管ブロック30の連結部材36が局所的に変形するため、底樋管10は不等沈下に追従して変形でき、底樋管10が損傷することを防止できる。
【0077】
また、連結部材36で連結した連結管ブロック30は、遮水壁7との接続箇所(遮水壁7を貫通する部分)の近傍に配置されているため、底樋管10における遮水壁7の近くが損傷することを防止できる。
【0078】
詳述すると、遮水壁7との接続箇所(遮水壁7を貫通する部分)は、遮水壁7によって拘束されるため、底樋管10におけるその他の部分と沈下特性が異なるが、遮水壁7の近傍に配置した連結部材36で連結した連結管ブロック30が局所的に変形するため、底樋管10が損傷することを防止できる。
【0079】
また、接続部12と、接続部12を下方から支持する支持地盤との間に配置され、接続部12を下方支持する支持プレート50が設けられているため、支持プレート50によって接続部12を下方支持でき、接続部12に作用するせん断力によって生じるせん断変形を防止することができる。
【0080】
また、管路ブロック13が、プレキャスト製コンクリートブロックであるため、現場打ちコンクリート製の管路に比べて、密実で均質である、高品質な底樋管10を構築することができる。
【0081】
また、連結管ブロック30は、ブロック体30X,30Yで構成されるとともに、ブロック体30X,30Y同士が連結部材36で連結されているため、ブロック体30X,30Yで構成する連結管ブロック30自体で局所的な変形に追従でき、局所的な応力の発生をより防止することができる。
【0082】
また、連結管ブロック30を連結する連結部材36は、弾性部材で構成され、ブロック体30X,30Yの境界において、周方向に沿って配置されるとともに、ブロック体30X,30Yの厚みの中央より径内側に埋設されているため、連結部材36によってブロック体30X,30Yを連結した一連結管ブロック30は、連結部材36がブロック体30X,30Yに埋め込まれているため引き抜き抵抗力が高く、上述の可撓継手14のように大きな変形によって接続部12の接続が不用意に解消されることなく、大きな変形を許容することができる。
【0083】
また、連結管ブロック30を構成するブロック体30X,30Yは、その他の管路ブロック13より延長方向の長さが短いため、より小範囲の局所的な変形であっても追従でき、局所的な応力の発生をさらに防止することができる。
【0084】
また、底樋管10は、所定の導通勾配を有するとともに、地中に埋設されているため、底樋管10周辺の地山の変化に対しても、底樋管10が局所的な変形に追従して、局所的な応力の発生を防止することができる。
【0085】
また、底樋管10が、堤体1を横断する堤体底部1aに埋設されているため、局所的な変形に追従して、局所的な応力の発生を防止することができる底樋管を構成することができる。
【0086】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の接続装置は、上述の実施形態の流体は水に対応し、以下同様に、
導通空間は導通空間11に対応し、
管路ブロックは管路ブロック13,一般管ブロック20,連結管ブロック30,壁部ブロック40に対応し、
管路構造は底樋管10に対応し、
接続箇所は接続部12に対応し、
可撓接続部は可撓継手14に対応し、
局所変形接続部は連結部材36に対応し、
付帯設備は遮水壁7に対応し、
下方支持版は支持プレート50に対応し、
一体型ブロックは連結管ブロック30に対応し、
ブロック体はブロック体30X,30Yに対応し、
堤体は堤体1に対応し、
堤体底部は堤体底部1aに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0087】
例えば、上述の説明では、ため池2の水を底樋管10で導水したが、液体や気体を導通してもよいし、上記底樋管10は、排水用、給水用、給排水用、排気用、給気用、換気用、あるいは送気用など様々な用途の管路であってもよい。
【0088】
また、底樋管10において遮水壁7を貫通する部分の近傍に連結管ブロック30を配置したが、底樋管10に対して導通可能に接続される分岐管などの分岐部の近傍に連結管ブロック30を配置してもよい。
また、壁部ブロック40が遮水壁7を貫通するように構成したが、一般管ブロック20が遮水壁7を貫通するように構成してもよい。
【0089】
さらには、連結部材36によって凸側ブロック体30Xと凹側ブロック体30Yとを一体化して局所的な変形に対応できる連結管ブロック30を構成したが、可撓継手14とは異なる構造の継手によって局所的な変形に対応するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…堤体
1a…堤体底部
7…遮水壁
10…底樋管
11…導通空間
12…接続部
13…管路ブロック
14…可撓継手
20…一般管ブロック
30…連結管ブロック
30X…凸側ブロック体
30Y…凹側ブロック体
36…連結部材
40…壁部ブロック
50…支持プレート