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特許72695811組の抵抗器を通る電流の流れを観測するテストフィクスチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】1組の抵抗器を通る電流の流れを観測するテストフィクスチャ
(51)【国際特許分類】
   G01R 13/20 20060101AFI20230427BHJP
   G01R 1/06 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
G01R13/20 F
G01R1/06 B
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018227027
(22)【出願日】2018-12-04
(65)【公開番号】P2019109232
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】15/843,723
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514046574
【氏名又は名称】キーサイト テクノロジーズ, インク.
(73)【特許権者】
【識別番号】504326686
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ヴァーノン・ブラッシュ,ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】ニール・マーティン・フォーシァ
(72)【発明者】
【氏名】フェイ・フレッド・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ヂェァユー・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン・チャン
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-21064(JP,A)
【文献】実開昭52-48868(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0253603(US,A1)
【文献】中国実用新案第206420938(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106019199(CN,A)
【文献】特開平4-24999(JP,A)
【文献】特開平9-312478(JP,A)
【文献】特開2013-4866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 13/00-13/42
G01R 1/06- 1/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸コネクタ(110)と、
1組の抵抗器と、
前記同軸コネクタ(110)を搭載するベースプレート(105)と、
を備え、
前記ベースプレート(105)は、
第1の金属ゾーン(205)を含む第1の主表面と、
前記第1の主表面の裏側にある第2の主表面であって、該第2の主表面は、第2の金属ゾーン(215)及び第3の金属ゾーン(235)を含み、該第2の金属ゾーン(215)は、前記第1の金属ゾーン(205)及び前記第3の金属ゾーン(235)から電気的に絶縁され、前記第3の金属ゾーン(235)は、前記第1の金属ゾーン(205)に電気的に接続される、第2の主表面と、
前記第1の主表面上に位置する1組のはんだパッドであって、前記同軸コネクタ(110)を前記ベースプレート(105)にはんだ付けするように構成される、1組のはんだパッドと、
前記1組のはんだパッドを取り囲む1組のスロット(230)であって、該1組のスロット(230)における各スロットは、前記1組の抵抗器のそれぞれ1つを前記ベースプレート(105)内に組み込むように構成され、前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記第1の主表面と前記第2の主表面との間の分離距離に実質的に等しい長手方向寸法を有する、1組のスロットと、
を備える、テストフィクスチャ(150)。
【請求項2】
前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記第1の金属ゾーン(205)に接続される第1の平面端子(605)と、前記第2の金属ゾーン(215)に接続される第2の平面端子(605)とを有する表面実装抵抗器(10)である、請求項1に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項3】
前記第3の金属ゾーン(235)は、1つ以上のメッキスルーホール(210)によって前記第1の金属ゾーン(205)に電気的に接続され、前記同軸コネクタ(110)は、表面実装可能な無線周波数(RF)コネクタ(130)又はスルーホール(210)RFコネクタ(130)のうちの一方である、請求項2に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項4】
前記1組のはんだパッドは、第1のはんだパッド(225)を前記第2の主表面上の前記第2の金属ゾーン(215)に接続するメッキスルーホール(210)を有する該第1のはんだパッド(225)を含む、請求項3に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項5】
前記1組のはんだパッドは、前記第1の主表面上の前記第1の金属ゾーン(205)に接続される第2のはんだパッド(225)を更に含む、請求項4に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項6】
前記第3の金属ゾーン(235)は、前記ベースプレート(105)の周縁部(705)上の第4の金属ゾーン(720)によって前記第1の金属ゾーン(205)に電気的に接続される、請求項2に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項7】
ベースプレート(105)であって、
第1の金属ゾーン(205)を含む第1の主表面と、
前記第1の主表面の裏側にある第2の主表面であって、該第2の主表面は、第2の金属ゾーン(215)及び第3の金属ゾーン(235)を含み、該第2の金属ゾーン(215)は、前記第1の金属ゾーン(205)及び前記第3の金属ゾーン(235)から電気的に絶縁され、前記第3の金属ゾーン(235)は、前記第1の金属ゾーン(205)に電気的に接続される、第2の主表面と、
前記第1の主表面から前記第2の主表面に延在する1組の非メッキスルースロット(230)と、
を備える、ベースプレートと、
前記ベースプレート(105)上に搭載された同軸コネクタ(110)であって、前記第1の金属ゾーン(205)にはんだ付けされた第1の端子(605)又はフランジのうちの少なくとも一方と、前記第2の金属ゾーン(215)に接続された少なくとも第2の端子(605)とを有する、同軸コネクタ(110)と、
1組の抵抗器であって、該1組の抵抗器のそれぞれは、前記1組の非メッキスルースロット(230)におけるそれぞれのスロットに組み込まれ、前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記第1の金属ゾーン(205)に接続された第1の端子(605)と、前記第2の金属ゾーン(215)に接続された第2の端子(605)とを有する、1組の抵抗器と、
を備える、テストフィクスチャ(150)。
【請求項8】
前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記ベースプレート(105)の前記第1の主表面と実質的に位置合わせされた第1の平面端子(605)と、前記ベースプレート(105)の前記第2の主表面と実質的に位置合わせされた第2の平面端子(605)とを有する表面実装抵抗器(10)である、請求項7に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項9】
前記表面実装抵抗器(10)は、前記ベースプレート(105)の前記第1の主表面と前記第2の主表面との間の分離距離に実質的に等しい長手方向寸法を有する、請求項8に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項10】
同軸コネクタ(110)の中心ピンに接続された第1の端子(605)を有する該同軸コネクタ(110)と、
ベースプレート(105)であって、
該ベースプレート(105)の底面から延在する電気導電取付ロッド(915)と、
該ベースプレート(105)の上面(958)上に位置する第1の金属ゾーン(205)と、
前記第1の金属ゾーン(205)から前記電気導電取付ロッド(915)の一部分(360)内に延在するメッキスルーオリフィス(930)であって、前記同軸コネクタ(110)の前記第1の端子(605)の圧入挿入に対応するとともに、前記同軸コネクタ(110)の前記第1の端子(605)と、前記第1の金属ゾーン(205)と、前記電気導電取付ロッド(915)との間に電気導電性をもたらすように構成された、メッキスルーオリフィス(930)と、
を備える、ベースプレートと、
電気導電ケーシング(905)であって、
前記同軸コネクタ(110)を搭載するように構成された該電気導電ケーシング(905)の上面(958)と、
該電気導電ケーシング(905)の前記上面(958)上に搭載された前記同軸コネクタ(110)の1つ以上の端子が貫通して延在する中央開口(945)であって、前記同軸コネクタ(110)の前記1つ以上の端子は、前記同軸コネクタ(110)の前記中心ピンに接続された前記第1の端子(605)を含む、中央開口と、
前記ベースプレート(105)の前記底面と実質的に位置合わせされた底部エッジ(957)を有する周縁部(705)であって、該電気導電ケーシング(905)を通る前記同軸コネクタ(110)の円筒形の本体部(360)に電気的に接続される、周縁部(705)と、
1組の抵抗器であって、前記ベースプレート(105)が該電気導電ケーシング(905)によって収容されると、該1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器(10)の第1の平面端子(605)は、前記ベースプレート(105)の前記上面(958)上に位置する前記第1の金属ゾーン(205)と接触して配置され、該1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器(10)の第2の平面端子(605)は、該電気導電ケーシング(905)の内表面(950)と接触して配置される、1組の抵抗器と、
を備える、電気導電ケーシングと、
を備える、テストフィクスチャ(150)。
【請求項11】
前記第1の金属ゾーン(205)に位置し、前記ベースプレート(105)の前記上面(958)上の前記メッキスルーオリフィス(930)を取り囲む第1の1組の窪み(925)であって、該第1の1組の窪み(925)における各窪みは、前記1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器(10)の前記第1の平面端子(605)を嵌め込むように構成されている、第1の1組の窪みと、
前記電気導電ケーシング(905)の前記内表面(950)に位置する第2の1組の窪み(925)であって、該第2の1組の窪み(925)における各窪みは、前記1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器(10)の前記第2の平面端子(605)を嵌め込むように構成されている、第2の1組の窪みと、
を更に備える、請求項10に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項12】
前記電気導電取付ロッド(915)は金属取付ロッドであり、前記電気導電ケーシング(905)は金属ケーシングである、請求項10に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項13】
前記電気導電取付ロッド(915)は、前記テストフィクスチャ(150)を被試験対象(dut(140))上に搭載するとともに該dut(140)の上面(958)の第1の部分(360)と接触するように構成され、さらに、前記電気導電ケーシング(905)の前記周縁部(705)は、前記dut(140)の前記上面(958)の第2の部分(360)と接触するように構成され、前記dut(140)の前記第1の部分(360)及び前記第2の部分(360)は、前記テストフィクスチャ(150)を通る電流の流れをもたらすように配置されている、請求項10に記載のテストフィクスチャ(150)。
【請求項14】
前記同軸コネクタ(110)の前記1つ以上の端子は1つ以上の取付端子を含み、該1つ以上の取付端子は前記ベースプレート(105)から電気的に絶縁されている、請求項10に記載のテストフィクスチャ(150)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
抵抗器は、電流の流れの制限又は電圧供給線における電圧降下の生成等の様々な理由で電子回路において用いられる。抵抗器は、電子回路に存在する信号を観測する信号監視システムにおいても用いられる場合がある。抵抗器は、信号監視システムの一部として用いられるとき、通常、監視されている信号の妨害又は変更をしないように構成される。例えば、低い値の抵抗器を電子回路の一部に接続して、抵抗器と、この抵抗器に結合されたオシロスコープ等の観測機器とを通って流れる電流信号を監視することができる。抵抗器の両端にわたって生じる電圧は、この電流信号についての情報を取得するためにオシロスコープ上で観測することができる。そのような配置は、信号がDC信号又は比較的低い周波数を有する時変信号であるときにかなり有効に機能する。しかしながら、回路が無線周波数(RF)回路であるとき、抵抗器、特にリード線付き抵抗器の様々な部分によって示される固有インダクタンスは、RF回路を通って伝播するRF信号に歪み又は擾乱を導入するおそれがある。
【0002】
高周波数回路においてリード線付き抵抗器を用いることに伴う欠点は、リード線を有しない抵抗器(例えば、表面実装抵抗器)を用いることによって或る程度軽減することができる。しかしながら、表面実装抵抗器同士を相互接続するのに用いられる金属トラック、表面実装抵抗器を他の回路構成要素と接続するのに用いられるワイヤ、RFコネクタ等の他の構成要素に存在するリード線、及び表面実装抵抗器に近接した構成要素レイアウトのインダクタンス寄与等の他の要因が、RF信号、特に、より高い周波数におけるRF信号に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、RF回路においてRF信号を観測するのに用いられる信号監視システム内の抵抗器及び電流伝播経路等の様々な構成要素のインダクタンス寄与を最小にすることが一般に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の1つの例示的な実施の形態によれば、テストフィクスチャは、同軸コネクタと、1組の抵抗器と、前記同軸コネクタを搭載するベースプレートとを備える。前記ベースプレートは、第1の金属ゾーンを含む第1の主表面と、前記第1の主表面の裏側にある第2の主表面とを備え、該第2の主表面は、第2の金属ゾーン及び第3の金属ゾーンを含み、該第2の金属ゾーンは、前記第1の金属ゾーン及び前記第3の金属ゾーンから電気的に絶縁され、前記第3の金属ゾーンは、前記第1の金属ゾーンに電気的に接続される。前記ベースプレートは、前記第1の主表面上に位置する1組のはんだパッドを更に備え、該1組のはんだパッドは、前記同軸コネクタを前記ベースプレートにはんだ付けするように構成される。1組のスロットは、前記1組のはんだパッドを取り囲み、該1組のスロットにおける各スロットは、前記1組の抵抗器のそれぞれ1つを前記ベースプレート内に組み込むように構成され、前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記第1の主表面と前記第2の主表面との間の分離距離に実質的に等しい長手方向寸法を有する。
【0005】
本開示の別の例示的な実施の形態によれば、テストフィクスチャは、ベースプレートと、同軸コネクタと、1組の抵抗器とを備える。ベースプレートは、第1の金属ゾーンを含む第1の主表面と、前記第1の主表面の裏側にある第2の主表面とを備え、該第2の主表面は、第2の金属ゾーン及び第3の金属ゾーンを含み、該第2の金属ゾーンは、前記第1の金属ゾーン及び前記第3の金属ゾーンから電気的に絶縁され、前記第3の金属ゾーンは、前記第1の金属ゾーンに電気的に接続される。前記ベースプレートは、前記第1の主表面から前記第2の主表面に延在する1組の非メッキスルースロットを更に備える。前記同軸コネクタは、前記ベースプレート上に搭載され、前記同軸コネクタは、前記第1の金属ゾーンにはんだ付けされた第1の端子又はフランジのうちの少なくとも一方と、前記第2の金属ゾーンに接続された少なくとも第2の端子とを有する。前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記1組の非メッキスルースロットにおけるそれぞれのスロットに組み込まれ、前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記第1の金属ゾーンに接続された第1の端子と、前記第2の金属ゾーンに接続された第2の端子とを有する。
【0006】
本開示の更に別の例示的な実施の形態によれば、テストフィクスチャは、同軸コネクタと、ベースプレートと、電気導電ケーシングと、1組の抵抗器とを備える。前記同軸コネクタは、該同軸コネクタの中心ピンに接続された第1の端子を有する。前記ベースプレートは、該ベースプレートの底面から延在する電気導電取付ロッドと、該ベースプレートの上面上に位置する第1の金属ゾーンとを含む。前記ベースプレートは、前記第1の金属ゾーンから前記電気導電取付ロッドの一部分内に延在するメッキスルーオリフィスを更に備える。前記メッキスルーオリフィスは、前記同軸コネクタの前記第1の端子の圧入挿入に対応するとともに、前記同軸コネクタの前記第1の端子と、前記第1の金属ゾーンと、前記電気導電取付ロッドとの間に電気導電性をもたらすように構成される。前記電気導電ケーシングは、前記同軸コネクタを搭載するように構成された上面と、該電気導電ケーシングの前記上面上に搭載された前記同軸コネクタの1つ以上の端子が貫通して延在する中央開口とを備え、前記同軸コネクタの前記1つ以上の端子は、前記同軸コネクタの前記中心ピンに接続された前記第1の端子を含む。前記電気導電ケーシングは、前記ベースプレートの前記底面と実質的に位置合わせされた底部エッジを有する周縁部も備え、該周縁部は、該電気導電ケーシングを通る前記同軸コネクタの円筒形の本体部に電気的に接続される。前記1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器の第1の平面端子は、前記ベースプレートが前記電気導電ケーシングによって収容されると、前記ベースプレートの前記上面上に位置する前記第1の金属ゾーンと接触して配置され、前記1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器の第2の平面端子は、該電気導電ケーシングの内表面と接触して配置される。
【0007】
本開示の他の実施の形態及び態様は、添付の図面とともに取り入れられた以下の説明から明らかになる。
【0008】
本発明の多くの態様は、以下の説明を添付の特許請求の範囲及び図とともに参照することによってよりよく理解することができる。様々な図において、同様の参照符号は、同様の構造的要素及び特徴を示す。明瞭にするために、あらゆる図において、あらゆる要素に参照符号がラベル付けされているとは限らない。図面は、必ずしも一律の縮尺で描かれていない。その代わり、本発明の原理を示すことに重点が置かれている。図面は、本発明の範囲を、本明細書に示す例示の実施形態に限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一例示的な実施形態による1組の抵抗器を通る電流の流れを観測する一例示的なテストフィクスチャを備えるシステムを示す図である。
図2図2Aは、本開示の一例示的な実施形態による例示的なテストフィクスチャのベースプレートの上面図である。図2Bは、本開示の一例示的な実施形態による例示的なテストフィクスチャのベースプレートの底面図である。図2Cは、本開示の一例示的な実施形態による例示的なテストフィクスチャのベースプレートの側面断面図である。
図3】本開示の一例示的な実施形態による被試験対象上に搭載された例示的なテストフィクスチャを示す図である。
図4】本開示の一例示的な実施形態による、ベースプレートとスルーホール同軸コネクタの中心端子との間の相互接続を示す例示的なテストフィクスチャの第1の断面図である。
図5】本開示の一例示的な実施形態による、ベースプレートとスルーホール同軸コネクタの別の端子との間の相互接続を示す例示的なテストフィクスチャの第2の断面図である。
図6】本開示の一例示的な実施形態による、ベースプレートと表面実装同軸コネクタとの間の相互接続を示す例示的なテストフィクスチャの第3の断面図である。
図7】本開示の一例示的な実施形態による電流経路の代替の構成を示す例示的なテストフィクスチャの第4の断面図である。
図8】本開示の例示的な実施形態による、被試験対象上に搭載されたときのテストフィクスチャの機能説明を示す図である。
図9図1に示すテストフィクスチャの代替の例示的な実施形態の分解図である。
図10図9に示す代替の例示的な実施形態の組立図である。
図11図9に示す代替の例示的なテストフィクスチャの第1の断面図である。
図12図9に示す代替の例示的なテストフィクスチャの第2の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この説明の全体を通して、実施形態及び変形形態は、発明概念の使用態様及び実施態様を示す目的で説明される。この例示の説明は、本明細書に開示されたような概念の範囲を限定するものとしてではなく、発明概念の例を提示するものとして理解されるべきである。この目的のために、幾つかの特定の単語及び語句が、専ら便宜上のために本明細書に用いられ、そのような単語及び用語は、当業者によって様々な形態及び同等物で一般に理解される様々な対象物及び動作を包含するものとして広く理解されるべきである。これらの用語のうちの幾つかは、幾つかの場合には区別なく用いることができることが理解されよう。
【0011】
例えば、本明細書において用いられるような「電気的に結合される/された」又は「電気的に接続される/された」は、一般的には、例えば、2つの物体を相互接続するプリント回路基板上の金属トラック又ははんだ付着物等の金属素子によって提供される接続に関するものであることが理解されよう。本明細書において用いられるような「搭載(取付/実装)される/された」(mounted)という用語は、一般的には、第1の物体が第2の物体にはんだ付け又は圧入されること(抵抗器又はコネクタがプリント回路基板にはんだ付け又は圧入されること等)を指す。本明細書において用いられるような「~するように構成される/された」という語句は、一般的には、物体が、この語句の文脈において説明される動作を実行する物理構造及び/又は能力を有することを指す。本明細書において用いられるような「例」及び「例示される/された」という単語は、本質的に非排他的及び非限定的であることを意図していることも理解されよう。より詳細に言えば、本明細書において用いられるような「例示的」という単語は、幾つかの例の中の1つを示し、この単語の使用によって、特別な強調、排他性、又は選好が関連付けられることも、暗に意味されることもないことが理解されよう。
【0012】
一般に、本明細書に開示された様々な例示の実施形態は、互いに並列に接続された1組の抵抗器を通る電流の流れを観測するテストフィクスチャに関する。1つの例示的な実施形態では、このテストフィクスチャは、ベースプレートにはんだ付けされた同軸コネクタを備える。1組の抵抗器のそれぞれは、この同軸コネクタを取り囲む1組のスルースロットにおけるそれぞれのスロットの内部に組み込まれる。各抵抗器は、ベースプレートの上面上に位置する第1の金属ゾーンにはんだ付けされた1つの端子と、ベースプレートの底面上に位置する2つの金属ゾーンのうちの一方にはんだ付けされた第2の端子とを有する。上面上の第1の金属ゾーンは、複数のメッキスルーホールによってベースプレートの底面上の2つの金属ゾーンのうちの他方に電気的に接続される。テストフィクスチャが、被試験対象(DUT)のプリント回路基板(PCB)にはんだ付けされると、電流が、DUTから、ベースプレートの底面上の2つの金属ゾーンのうちの一方内に流れ、1組の抵抗器を通って上方に向かい、上面上に位置する第1の金属ゾーン内に流れ、下方に向かって、ベースプレートの底面における他方の金属ゾーンに流れ、DUTに戻る。同軸コネクタの取付ピンは、ベースプレートの上面上の第1の金属ゾーンに電気的に接続され、同軸コネクタの中心ピンは、ベースプレートの底面上の2つの金属ゾーンのうちの他方に電気的に接続され、それによって、1組の抵抗器の両端の電圧降下を観測する観測機器を同軸コネクタに結合することが可能になる。このテストフィクスチャは、小さな実装面積、低いインダクタンス、DUTに存在し得る様々なタイプの電流の様々な特性を評価する大きな帯域幅の配置を提供する。1つの例示的な実施態様では、本開示によるテストフィクスチャは、このテストフィクスチャを通る電流の流れの経路において約0.1nHのインダクタンスをもたらす。これとは対照的に、同心管の対を組み込んだ従来のテストフィクスチャは、この従来のテストフィクスチャを通る電流の流れ経路において約3nHのインダクタンスをもたらす。この従来のテストフィクスチャの同心試験管の対は、内側にある抵抗性の管と、外側にある銅製の管とを含み、抵抗性の管のサイズは、電流の流れの経路における所望の抵抗値によって決まる。従来のテストフィクスチャは、一般に、サイズが大きくて扱いにくく、かなり大きなインダクタンスを有する可能性がある。
【0013】
図1は、本開示の一例示的な実施形態による、被試験対象(DUT)140における1組の抵抗器を通る電流の流れを観測する一例示的なテストフィクスチャ150を備えるシステム100を示している。DUT140は、様々なタイプの電子回路、より詳細には、無線周波数(RF)領域において動作する電子回路のうちの任意のものとすることができる。したがって、この例示的な実施形態では、DUT140は、RF増幅器の形態で互いに接続されて、DUT140の入力コネクタ155内に結合された入力信号に増幅をもたらす幾つかのRFトランジスタを有するRF回路145を備える。増幅された信号は、DUT140の出力コネクタ160において利用可能である。抵抗器、キャパシタ、及びインダクタ等の様々な他の構成要素は図示されていない。他の例示的な実施形態は、パルス電流を観測するのにテストフィクスチャ150を用いることができるスイッチモード電源回路等の他のタイプの回路をDUT140上に備えることができる。
【0014】
DUT140のユーザは、RF回路145の一部分を通る電流の流れの観測を所望する場合があり、本開示の様々な例示的な実施形態に従って、テストフィクスチャ150を用いてこれを行う。この例示的な実施態様では、テストフィクスチャ150は、DUT140の上面にはんだ付けされ、RF回路145からの電流は、テストフィクスチャ150のベースプレート105の底面に位置する金属エリア内に流れる。電流は、その後、ベースプレート105に組み込まれた1組の抵抗器(図示せず)を通過する。これらの1組の抵抗器は、互いに並列に接続されている。ベースプレート105に接続された同軸コネクタ110は、1組の抵抗器の両端における電圧降下を観測する観測機器を結合するのに用いられる。この例示の実施形態では、観測機器はオシロスコープ115である。オシロスコープ115は、テストフィクスチャ150上の同軸コネクタ110と継合(mate)するコネクタ130を有するプローブ125を備える。オシロスコープ115の代わりに、電圧計、波形解析器、又はスペクトル解析器等の他の観測機器を同軸コネクタ110に結合することができる。
【0015】
1組の抵抗器を通って伝播する電流の特性は、これらの1組の抵抗器の両端の電圧降下をオシロスコープ115の表示画面120上で観測することによって評価することができる。テストフィクスチャ150は、RF回路145の動作にもたらす影響を最小にし、1組の抵抗器を通って流れる電流を正確に反映する波形を生成するように構成される。1つの例示的な実施態様では、1組の抵抗器のそれぞれは、ベースプレート105内に組み込まれた表面実装抵抗器であり、これらの抵抗器の端部端子は、ベースプレート105の上面及び底面上の金属ゾーンにはんだ付けされている。この配置は、RF回路145内の電流の流れを観測するDUT140の上面上にリード線付き抵抗器を搭載することによって、リード線付き抵抗器が従来の方法で用いられた場合に発生し得るようなワイヤ及びリード線からの望ましくない誘導性寄与を最小にする。
【0016】
図2Aは、本開示の一例示的な実施形態によるテストフィクスチャ150のベースプレート105の上面図を示している。テストフィクスチャ150のこの上面図は、ベースプレート105の第1の主表面(上面)上に位置する第1の金属ゾーン205を示している。1つの例示的な実施態様では、第1の金属ゾーン205は、ベースプレート105を構成するPCBの上面上の銅ゾーンである。別の例示的な実施態様では、第1の金属ゾーン205は、ベースプレート105を構成する基板、パッド、又は他の任意のプラットフォームの上面上の銅ゾーンである。ベースプレート105の中央部分は、同軸コネクタ110をベースプレート105にはんだ付けするのに用いられる1組のはんだパッドを有する。この例示的な実施形態では、同軸コネクタ110は、スルーホールRFコネクタであり、1組のはんだパッドは、第1の主表面からベースプレート105の裏側の第2の主表面にベースプレート105を貫通して延在するメッキスルーホールを有する中央パッド220を含む。同軸コネクタ110の中心ピンは、メッキスルーホール内に挿入され、ベースプレート105の裏側に位置する中央パッド220の一部分にはんだ付けされ、それによって、同軸コネクタ110の中心ピンは、ベースプレート105の底面上の第2の金属ゾーン215に接続される。
【0017】
1組のはんだパッドは、ベースプレート105の上面上の第1の金属ゾーン205に接続された付加パッド(この例示の実施形態では4つ)を含む。これらの付加パッドのうちの1つは、はんだパッド225として特定される。これらの付加パッドのそれぞれは、同軸コネクタ110の取付ピンの挿入用のメッキスルーホール(又は、幾つかの実施態様では非メッキスルーホール)を有する。取付ピンはパッドにはんだ付けされ、それによって、取付ピン及び同軸コネクタ110の本体は、ベースプレート105の上面上の第1の金属ゾーン205に接続される。
【0018】
図2Aは、同軸コネクタを搭載するのに用いられる1組のはんだパッドを取り囲む1組のスロット230を更に示している。この例示的な実施形態では、ベースプレート105は、円形のベースプレートであり、1組のスロット230は、同軸コネクタ110を取り囲む円形パターンに配置された1組の非メッキスルースロット230である。他の実施形態では、ベースプレート105は、楕円形状又は四辺形状等の他の形状を有することができ、1組のスロット230は、楕円形パターン又は四辺形パターン(正方形パターン、長方形パターン等)等の他のパターンに配置することができる。1組のスロット230のそれぞれは、スロット内への抵抗器の挿入に対応した寸法を有する。例えば、1組のスロット230のそれぞれは、長方形状又は正方形状を有する表面実装抵抗器に対応する長方形の輪郭(長方形スロット)又は正方形の輪郭(正方形スロット)を有することができる。
【0019】
この例示的な実施形態では、1組の8つの表面実装抵抗器の挿入に対応した8つのスロットがある。これらの1組の8つの表面実装抵抗器は、形状が互いに実質的に同一のものとすることができ、抵抗値は互いに同一であってもよいし、同一でなくてもよい。他の実施形態では、8つよりも少ない数のスロット又は多い数のスロットを、8つよりも少ない抵抗器又は多い抵抗器の挿入用に設けることができる。各表面実装抵抗器の長手方向寸法は、ベースプレート105の第1の主表面(上面)と第2の主表面(底面)との間の分離距離に実質的に等しい。1つの例示的な実施態様では、この構成は、各表面実装抵抗器の長手方向寸法と一致するようにベースプレート105の厚さを選択することによって達成することができる。別の例示的な実施態様では、この構成は、ベースプレート105の厚さと一致する寸法を有する抵抗器を選択することによって達成することができる。
【0020】
その結果、各表面実装抵抗器の第1の平面端子は、ベースプレート105の上面と実質的に位置合わせされ(同一平面になる)、各表面実装抵抗器の第2の平面端子は、ベースプレート105の底面と実質的に位置合わせされる(同一平面になる)。第1の平面端子は、ベースプレート105の上面にはんだ付けされ、第2の平面端子は、ベースプレート105の底面にはんだ付けされる。
【0021】
はんだ付けによって、2つの主表面上に小さなはんだバンプが作製される。これらのはんだバンプは、様々な用途において許容できる場合がある。しかしながら、一例示的な実施態様では、各表面実装抵抗器の長手方向寸法を越えるようにベースプレート105の厚さを選択することによって、はんだバンプを実質的に除去又は少なくとも最小にすることができる。ベースプレート105の厚さは、したがって、表面実装抵抗器がスロット内に挿入されたときに表面実装抵抗器のいずれの平面端子においてもキャビティを形成するように選択することができ、このキャビティによって、第1の平面端子がベースプレート105の上面にはんだ付けされるとともに、第2の平面端子がベースプレート105の底面にはんだ付けされるとき、はんだの蓄積が可能になる。
【0022】
上述した方法(はんだバンプがある場合もない場合も)で表面実装抵抗器をはんだ付けすることによって、リード線を有する抵抗器が代わりに用いられた場合に生じ得るような誘導性構成要素の導入が排除される。そのような抵抗器のリード線は、特に、RF回路145の動作周波数が比較的高い(例えば、GHz領域にある)とき、そのような抵抗器を通る電流の流れによって生じる全体的なインピーダンスに悪影響を及ぼすインダクタとして動作する場合がある。一方、RF回路145の動作周波数が比較的低い(例えば、KHz領域又はMHz領域にある)とき、表面実装抵抗器は、本開示の幾つかの例示的な実施形態によれば、リード線を有する抵抗器に置き換えることができる。
【0023】
リード線付き抵抗器は、通常、ベースプレート105の厚さを越える長手方向寸法を有する円筒形の本体を有する。その結果、本開示による1つの例示的な実施態様では、1組のスロット230のそれぞれは、リード線を有する抵抗器の円筒形の本体の挿入に対応した寸法を有する円形の非メッキスルースロットとすることができる。リード線付き抵抗器の第1のリード線は、ベースプレート105の上面上に位置する第1の金属ゾーン205にはんだ付けするために適切に曲げることができ、第2のリード線は、ベースプレート105の底面上に位置する第2の金属ゾーン215にはんだ付けするために適切に曲げることができる。
【0024】
用いられる抵抗器の性質にかかわらず、1組のスロット230の円形の構成によって、長さが互いに実質的に等しい1組の並列電流経路が提供される。これらの等距離電流経路のそれぞれを通って流れる電流の大きさは、1組のスロット230内に挿入される1組の抵抗器のそれぞれの抵抗値を一致させることによって互いに一致させることができ、それによって、電流経路のそれぞれにおいて実質的に同様のインピーダンスがもたらされる。
【0025】
幾つかの例示的な実施態様では、例えば、PCB金属トラックの長さを変えることによって2つ以上の電流経路の間のインピーダンス整合を提供するために、非円形の構成を利用することができる。さらに、1つ以上の電流経路のインピーダンスを増加させるために、ベースプレート105の上面上の第1の金属ゾーン205及び/又はベースプレート105の底面上の第2の金属ゾーン215に追加の抵抗器を搭載することができる。
【0026】
図2Bは、例示的なテストフィクスチャ150のベースプレート105の底面図を示している。ベースプレート105の底面の中央領域に位置するはんだパッドの実装面積は、ベースプレート105の上面の中央領域に位置するはんだパッドの実装面積と一致する。ベースプレート105の底面は、第2の金属ゾーン215だけでなく、第3の金属ゾーン235も含む。この第3の金属ゾーン235は、複数のメッキスルーホール210によってベースプレート105の上面上の第1の金属ゾーン205に電気的に接続されている。図2Bに示された軸インディケータA-A’及びB-B’は、他の図を用いて以下で説明される。
【0027】
図2Cは、ベースプレート105上に搭載された同軸コネクタ110を有するテストフィクスチャ150のベースプレート105の側面断面図を示している。同軸コネクタ110の中心ピンは、中央パッド220におけるメッキスルーホールを貫通して延在する。同軸コネクタ110の取付ピンは、はんだパッド225等の中央パッド220を取り囲むパッドのメッキスルーホールを貫通して延在する。
【0028】
図3は、本開示の一例示的な実施形態によるDUT140上に搭載されたテストフィクスチャ150を示している。DUT140は、RF増幅器の形態で互いに接続されて、DUT140の入力コネクタ155内に結合された入力信号を増幅する幾つかのRFトランジスタを有するRF回路145を備える。この例示的な実施形態では、RF回路145の様々な構成要素は、DUT140の金属ゾーン350にはんだ付けされた表面実装構成要素である。金属ゾーン350は、接地素子(図示せず)への適した接続によってRF回路145に対する接地面として動作するように構成することができる。この例示的な実施形態では、テストフィクスチャ150は、複数のはんだ接合部(はんだ接合部305、はんだ接合部310、はんだ接合部315、及びはんだ接合部320等)を用いることによって金属ゾーン350にはんだ付けされる。他の例示的な実施形態では、テストフィクスチャ150は、ベースプレート105の上側表面の一部分及び周縁の一面にはんだを施し、表面実装はんだ付け技法等の、様々なはんだ付け技法のうちの任意のものを用いることによって金属ゾーン350にはんだ付けすることができる。
【0029】
この例示的な実施形態では、テストフィクスチャ150のベースプレート105がDUT140の金属ゾーン350にはんだ付けされると、同軸コネクタ110の本体は、自動的に接地電位にされる。一方、他の実施形態では、金属ゾーン350は、接地以外の電位(例えば、負の電位)にすることができ、同軸コネクタ110の本体は、これに応じて、この別の電位に対応する。
【0030】
金属ゾーン350の一部分360は、テストフィクスチャ150を搭載するための、金属ゾーン350上に設けることができる実装面積を説明する目的で示されている。この実装面積によって、電流は、RF回路145の一部分から、金属ゾーン350の一部である金属ゾーン355内に流れ、1組の抵抗器のそれぞれを通って上方に向かい、テストフィクスチャ150の上面上の第1の金属ゾーン205内に流れることが可能になる。電流は、その後、第1の金属ゾーン205からメッキスルーホール210を通ってDUT140の底面上の金属ゾーン350内に流れる。上述したようにオシロスコープ115を接続することによって、電流の流れの結果としての1組の抵抗器の両端における電圧降下を観測することができる。
【0031】
図4は、本開示の一例示的な実施形態による、ベースプレート105と同軸コネクタ110の中心ピンとの間の相互接続を示すテストフィクスチャ150の第1の断面図を示している。この第1の断面図は、図2Bにおける軸インディケータA-A’によって示されている。この例ではスルーホールRFコネクタである同軸コネクタ110の中心ピンは、中央パッド220におけるメッキスルーホール内に挿入され、はんだ接合部425によって示されるように、ベースプレート105の底面上の第2の金属ゾーン215にはんだ付けされる。テストフィクスチャ150がDUT140上に搭載されると、第2の金属ゾーン215は、金属ゾーン355(図3に図示)にはんだ付けされる。RF回路145の一部分からの電流は、金属ゾーン355内に流れ、金属ゾーン215を通り、1組のスロット230内に挿入された1組の抵抗器のそれぞれを通って流れる。これらの電流の流れは、第1の電流経路405及び第2の電流経路415によって図4に示されている。
【0032】
第1の電流経路405は、DUT140上の金属ゾーン355からベースプレート105の底面上の金属ゾーン215へ向かい、抵抗器410を通って上方に向かい、ベースプレート105の上面上に位置する金属ゾーン205を通り、メッキスルーホール210を通って下方に向かい、ベースプレート105の底面上の第3の金属ゾーン235内に入り、DUT140の金属ゾーン350内に入る電流の流れを有する。
【0033】
第2の電流経路415は、DUT140の金属ゾーン355からベースプレート105の底面上の金属ゾーン215に向かい、抵抗器420を通って上方に向かい、ベースプレート105の上面上に位置する金属ゾーン205を通り、メッキスルーホール210を通って下方に向かい、ベースプレート105の底面上の第3の金属ゾーン235内に入り、DUT140の金属ゾーン350内に入る電流の流れを有する。
【0034】
幾つかの実施態様では、これらの電流の流れは、DUT140の構成に応じて、図4及び他の図に示すものとは逆の方向にすることができることが理解されよう。例えば、第1の電流経路405は、DUT140の金属ゾーン350からテストフィクスチャ150内へ及びテストフィクスチャ150からDUT140の金属ゾーン355への電流の流れを有することができる。
【0035】
図5は、本開示の一例示的な実施形態による、ベースプレート105と同軸コネクタ110の取付ピンとの間の相互接続を示すテストフィクスチャ150の第2の断面図を示している。この第2の断面図は、図2Bにおける軸インディケータB-B’によって示されている。同軸コネクタ110の取付ピンは、図2Aに図示され、はんだパッド225によって特定された4つのはんだパッドにおけるホール内に挿入される。取付ピンは、第1のはんだ接合部505及び第2のはんだ接合部510によって示されるように、ベースプレート105の底面上の第2の金属ゾーン215にはんだ付けされる。第1のはんだ接合部505及び第2のはんだ接合部510のそれぞれは、ベースプレート105の底面上の4つのはんだパッドと第2の金属ゾーン215との間に絶縁ギャップを設けることによって、ベースプレート105の底面上の第2の金属ゾーン215から電気的に絶縁されている。
【0036】
第1の電流経路405を通る電流の流れ(上述した電流の流れ)は、第2の電流経路415を通る電流の流れ(上述した電流の流れ)と並行に進み、その結果生じる抵抗器の両端の電圧降下は、観測機器において観測するための同軸コネクタ110の中心ピン及び取付ピン内に結合される。
【0037】
図6は、本開示の一例示的な実施形態による、同軸コネクタ110が表面実装可能な無線周波数(RF)コネクタであるときの、ベースプレート105と同軸コネクタ110のピンとの間の相互接続を示すテストフィクスチャ150の第3の断面図を示している。この第3の断面図は、図2Bにおける軸インディケータA-A’によって示されている。
【0038】
この例示的な実施形態では、ベースプレート105の上面上の中央パッド220は、ベースプレート105を貫通して延在するメッキスルーホールによってベースプレート105の底面上の第2の金属ゾーン215に接続されている。同軸コネクタ110の表面実装可能な中心端子は、(表面実装はんだ付け技法を用いることによって)ベースプレート105の上面上の中央パッド220にはんだ付けされ、それによって、同軸コネクタ110の中心端子は、ベースプレート105の底面上の第2の金属ゾーン215に接続される。
【0039】
スルーホールRFコネクタに設けられた取付ピンの代わりに、この実施形態における同軸コネクタ110は、端子605及び端子610等の幾つかの表面実装可能な取付端子を有する。これらの表面実装可能な端子は、ベースプレート105の上面上の第1の金属ゾーン205にはんだ付けされる。電流経路405及び電流経路415は上述したとおりであり、結果として生じる電圧降下は、同軸コネクタ110に結合されたオシロスコープを用いることによって観測することができる。
【0040】
図7は、本開示の一例示的な実施形態による電流経路の代替の構成を示すテストフィクスチャ150の第4の断面図を示している。この第4の断面図は、図2Bにおける軸インディケータA-A’によって示されている。この例示的な実施形態では、上述したメッキスルーホール210は、ベースプレート105の周縁部705上の第4の金属ゾーン720に置き換えることもできるし、この第4の金属ゾーン720を用いて補助することもできる。第4の金属ゾーン720は、ベースプレート105の上面上の第1の金属ゾーン205及びベースプレート105の底面上の第3の金属ゾーン235に接続されている。
【0041】
この例示的な実施形態における第1の電流経路710は、DUT140の金属ゾーン355からベースプレート105の底面上の金属ゾーン215に向かい、抵抗器410を通って上方に向かい、ベースプレート105の上面上に位置する金属ゾーン205を通り、ベースプレート105の周縁部705における第4の金属ゾーン720を通って下方に向かい、ベースプレート105の底面上の第3の金属ゾーン235に向かい、DUT140の金属ゾーン350内に入る電流の流れを有する。
【0042】
この例示的な実施形態における第2の電流経路715は、DUT140の金属ゾーン355からベースプレート105の底面上の金属ゾーン215に向かい、抵抗器420を通って上方に向かい、ベースプレート105の上面上に位置する金属ゾーン205を通り、ベースプレート105の周縁部705における第4の金属ゾーン720を通って下方に向かい、ベースプレート105の底面上の第3の金属ゾーン235に向かい、DUT140の金属ゾーン350内に入る電流の流れを有する。
【0043】
テストフィクスチャ150が、図3に示すようにDUT140の金属ゾーン350にはんだ付けされると、ベースプレート105の周縁部705における第4の金属ゾーン720が、ベースプレート105と金属ゾーン350との間の電気的接続性を高めることを指摘しておくことも適切である。
【0044】
図8は、本開示の様々な例示的な実施形態による、DUT140上に搭載されたときのテストフィクスチャ150の機能説明を示している。電流(IIN)が、DUT140の金属ゾーン355(又はDUT140の金属ゾーン350)からテストフィクスチャ150に入力し、1組の「n」個の抵抗器805を通って伝播し、テストフィクスチャ150から出てDUT140の金属ゾーン350(又はDUT140の金属ゾーン355)内に入る。この電流は、図3に示すRF回路145の一部分又はDUT140の他の部分を発信源とすることができる。
【0045】
1組の「n」個の抵抗器805(n≧2)は、抵抗器410及び抵抗器420(様々な他の図にも同様に示されている)を含み、(n-2)個の他の抵抗器を更に含むことができる。互いに並列に接続された「n」個の抵抗器を通る電流の並列の流れ(IPARALLEL)は、同軸コネクタ110内に結合される電圧降下(VOUT)を生成する。この電圧降下を観測し、抵抗器を通って流れる電流の特性を評価する観測機器を同軸コネクタ110に結合することができる。抵抗器を通って流れる電流の特性によって、DUT140上のRF回路145の1つ以上の動作特性への見識を得ることができる。
【0046】
図9は、テストフィクスチャ150の代替の例示的な実施形態の分解図を示している。この例示的な実施形態は、ベースプレート910と、ベースプレート910を収容するように構成された電気導電ケーシング905とを備える。ベースプレート910は、ベースプレート910の底面から延在する電気導電取付ロッド915を備える。1つの例示的な実施態様では、ベースプレート910は、金属ベースプレートであり、電気導電取付ロッド915は、図1に示すDUT140に設けられたねじ式ホール内に挿入することができるねじ式金属取付ロッドである。別の例示的な実施態様では、ベースプレート910は、金属ベースプレートであり、電気導電取付ロッド915は、DUT140に設けられたホール内に圧入することができる金属取付ロッドである。更に別の例示的な実施態様では、ベースプレート910は、非金属の本体部を備えることができ、電気導電取付ロッド915は、DUT140に設けられたホール内に挿入する(ねじ込む又は圧入する)ことができる金属取付ロッドである。
【0047】
メッキスルーオリフィス930が、ベースプレート910の上面上に位置する金属ゾーン940から電気導電取付ロッド915の一部分の中に延在する。この例示的な実施形態では、メッキスルーオリフィス930は、同軸コネクタ110の中心端子の圧入挿入に対応するようにサイズ決めされている。この中心端子は、同軸コネクタ110の中心ピンに接続されている。同軸コネクタ110の中心端子は、メッキスルーオリフィス930内に挿入されると、ベースプレート910の上面上の金属ゾーン940に電気的に接続されるとともに、電気導電取付ロッド915にも電気的に接続される。この配置は別の図を用いて以下でより詳細に説明されるが、この配置によって、電気導電取付ロッド915と同軸コネクタ110の中心ピンとの間の電気的接続性が得られる。
【0048】
上面からベースプレート910内へ下方に延在する1組のホール935も設けることができる。これらの1組のホール935のそれぞれは、取付端子がベースプレート910の金属ゾーン940にも他の部分にも接触することを可能にすることなく、同軸コネクタ110の取付端子を収容するようにサイズ決めされている。その結果、同軸コネクタ110の取付端子は、金属ゾーン940から電気的に絶縁される。
【0049】
1組の窪み925が、金属ゾーン940に設けられ、これらの1組の窪み925は、メッキスルーオリフィス930を取り囲んでいる。この例示的な実施態様では、ベースプレート910は、円形のベースプレートであり、1組の窪み925は、この円形のベースプレートの周辺部に設けられている。別の例示的な実施態様では、ベースプレート910は、正方形状等の他の形状を有することができ、1組の窪み925は、この例示的な正方形ベースプレートの周辺に沿って金属ゾーン940に設けることができる。1組の窪み925における各窪みは、図8に示す1組の「n」個の抵抗器805等の1組の抵抗器におけるそれぞれの抵抗器の第1の平面端子を嵌め込むように構成される。
【0050】
金属ケーシングとすることができる電気導電ケーシング905は、同軸コネクタ110を搭載するように構成された上面958を有する。この特徴は、別の図を用いて以下でより詳細に説明される。電気導電ケーシング905は、同軸コネクタ110の中心端子及び他の端子(取付端子等)の挿入に対応した中央開口945を備える。同軸コネクタ110の中心端子は、電気導電ケーシング905がベースプレート910と継合されると、中央開口945を通ってベースプレート910におけるメッキスルーオリフィス930内に延在する。
【0051】
電気導電ケーシング905は、ベースプレート910の底面と実質的に位置合わせされた底部エッジ957を有する周縁部956を備える。1つの例示的な実施態様では、ベースプレート910が金属で作られているとき、電気導電ケーシング905の周縁部956は、ベースプレート910の外側垂直面926との接触を回避するように構成される。代替の例示的な実施態様では、ベースプレート910が非金属の本体部を備えているとき、電気導電ケーシング905の周縁部956がベースプレート910の外側垂直面926と接触することを可能にすることができる。
【0052】
1組の窪み(identation)955が、電気導電ケーシング905の内表面950上に設けられ、これらの1組の窪み955は、中央開口945を取り囲んでいる。この例示的な実施態様では、電気導電ケーシング905は、円形のベースプレート910と整合する円形の輪郭を有する。電気導電ケーシング905に設けられた1組の窪み955は、ベースプレート910に設けられた1組の窪み925と空間的に位置合わせされている。1組の窪み955における各窪みは、図8に示す1組の「n」個の抵抗器805等の1組の抵抗器におけるそれぞれの抵抗器の第2の平面端子を嵌め込むように構成される。したがって、電気導電ケーシング905の内表面950は、1組の抵抗器のそれぞれの高さに実質的に対応する分離距離だけ(抵抗器のサイズが互いに同様であるとき)、ベースプレート910の上面上に位置する金属ゾーン940から空間的に分離される。
【0053】
代替の例示的な実施態様では、ベースプレート910上に設けられた1組の窪み925と、電気導電ケーシング905の内表面950上に設けられた1組の窪み955とのうちの一方又は双方を除去することができる。したがって、双方の1組の窪みが除去されると、1組の抵抗器(図8に示す1組の「n」個の抵抗器805等)におけるそれぞれの各抵抗器の第1の平面端子は、金属ゾーン940の平坦部分(これらの平坦部分は、図9に示す1組の窪み925に対応する)上に配置される。1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器の第2の端子は、電気導電ケーシング905の内表面950の平坦部分(これらの平坦部分は、図9に示す1組の窪み955に対応する)上に配置される。
【0054】
図10は、図9に示すテストフィクスチャ150の代替の例示的な実施形態の組立図を示している。電気導電ケーシング905は、継合状態では、ベースプレート910と継合され、ベースプレート910を収容する。周縁部956の底部エッジ957は、DUT140上に搭載されると、DUT140の上面上に位置する金属ゾーン350と接触する。
【0055】
図11は、代替の例示的なテストフィクスチャ150の第1の断面図を示している。この例示的な実施態様では、同軸コネクタ110は、金属ケーシングとすることができる電気導電ケーシング905の上面958上に搭載される。同軸コネクタ110のフランジが、電気導電ケーシング905の上面958と接触するように配置される。より高い電気導電性が望まれている場合、同軸コネクタ110のフランジ及び/又は円筒形の本体部を上面958にはんだ付けすることができる。
【0056】
同軸コネクタ110の中心端子12は、ベースプレート910上のメッキスルーオリフィス930内に圧入され、それによって、中心端子12は、DUT140の上面上に位置する金属ゾーン940と、ベースプレート910の電気導電取付ロッド915とに電気的に接続される。同軸コネクタ110の2つ以上の取付ピンのうちの2つである第1の取付ピン13及び第2の取付ピン14は、電気導電ケーシング905における中央開口945を通ってベースプレート910における1組のホール935内へ下方に延在する。1組のホール935における各ホールの直径及び深さは、取付ピンのそれぞれの直径及び長さよりも大きく、それによって、取付ピンがベースプレート910と接触することが防止される。代替の実施態様では、同軸コネクタ110の取付ピンは、(例えば、切断によって)除去することができ、それによって、ベースプレート910に1組のホール935を設ける必要がなくなる。
【0057】
1組の抵抗器は、電気導電ケーシング905をベースプレート910と継合する前に、ベースプレート910上に設けられた1組の窪み925上に配置することができる。継合されると、1組の抵抗器は、電気導電ケーシング905における1組の窪み955と自動的に接触する。組み立てられたテストフィクスチャ150は、その後、電気導電取付ロッド915を、DUT140上の金属ゾーン355に設けられたホール内に挿入することによってDUT140上に取り付けることができ、このため、電気導電取付ロッド915と金属ゾーン355との間の電気導電性がもたらされる。底部エッジ957は、DUT140上の金属ゾーン350と接触する。
【0058】
電流は、金属ゾーン355から電気導電取付ロッド915を通ってテストフィクスチャ150内へ流れる。電流は、その後、ベースプレート910の上面上に位置する金属ゾーン940を通って複数の方向に流れ、1組の窪み925に取り付けられた1組の抵抗器に向かって流れる。一例示的な電流の流れ15は、金属ゾーン940を通って1組の抵抗器のうちの抵抗器10に向かって伝播する電流を示している。この電流は、その後、抵抗器10を通って上方に進み、電気導電ケーシング905の上面958内に入り、その後、周縁部956を通って下方に進み、DUT140上の金属ゾーン350内に入る。別の例示的な電流の流れ16は、金属ゾーン940を通って1組の抵抗器のうちの別の抵抗器11に向かって伝播する電流を示している。この電流は、その後、抵抗器11を通って上方に進み、電気導電ケーシング905の上面958内に入り、その後、周縁部956を通って下方に進み、DUT140上の金属ゾーン350内に入る。
【0059】
同様の電流の流れは、1組の抵抗器における他の抵抗器のそれぞれを通って発生する。その結果生じる1組の抵抗器の両端の電圧降下は、同軸コネクタ110の中心端子12と円筒形の本体部との間で利用可能である。この電圧降下は、オシロスコープ115等の観測機器を同軸コネクタ110に結合することによって観測することができる。
【0060】
図12は、代替の例示的なテストフィクスチャ150の第2の断面図を示している。この例示的な実施態様では、同軸コネクタ110の取付ピンは切断除去されており、それによって、ベースプレート910に1組のホール935を設ける必要はなくなっている。テストフィクスチャ150の他の様々な部分及びテストフィクスチャ150を通る電流の流れの経路は、図11に関して上記で提供した説明から理解することができる。
【0061】
要約すれば、本発明は、本発明の原理及び概念を例示説明するために、幾つかの例示の実施形態に関して説明されていることに留意すべきである。本明細書に提供される説明を考慮すると、本発明はこれらの例示の実施形態に限定されるものでないことが当業者によって理解されるであろう。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、そのような多くの変形を例示の実施形態に対して行うことができることを理解するであろう。
なお、出願当初の特許請求の範囲の記載は以下の通りである。
請求項1:
同軸コネクタ(110)と、
1組の抵抗器と、
前記同軸コネクタ(110)を搭載するベースプレート(105)と、
を備え、
前記ベースプレート(105)は、
第1の金属ゾーン(205)を含む第1の主表面と、
前記第1の主表面の裏側にある第2の主表面であって、該第2の主表面は、第2の金属ゾーン(215)及び第3の金属ゾーン(235)を含み、該第2の金属ゾーン(215)は、前記第1の金属ゾーン(205)及び前記第3の金属ゾーン(235)から電気的に絶縁され、前記第3の金属ゾーン(235)は、前記第1の金属ゾーン(205)に電気的に接続される、第2の主表面と、
前記第1の主表面上に位置する1組のはんだパッドであって、前記同軸コネクタ(110)を前記ベースプレート(105)にはんだ付けするように構成される、1組のはんだパッドと、
前記1組のはんだパッドを取り囲む1組のスロット(230)であって、該1組のスロット(230)における各スロットは、前記1組の抵抗器のそれぞれ1つを前記ベースプレート(105)内に組み込むように構成され、前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記第1の主表面と前記第2の主表面との間の分離距離に実質的に等しい長手方向寸法を有する、1組のスロットと、
を備える、テストフィクスチャ(150)。
請求項2:
前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記第1の金属ゾーン(205)に接続される第1の平面端子(605)と、前記第2の金属ゾーン(215)に接続される第2の平面端子(605)とを有する表面実装抵抗器(10)である、請求項1に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項3:
前記第3の金属ゾーン(235)は、1つ以上のメッキスルーホール(210)によって前記第1の金属ゾーン(205)に電気的に接続され、前記同軸コネクタ(110)は、表面実装可能な無線周波数(RF)コネクタ(130)又はスルーホール(210)RFコネクタ(130)のうちの一方である、請求項2に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項4:
前記1組のはんだパッドは、第1のはんだパッド(225)を前記第2の主表面上の前記第2の金属ゾーン(215)に接続するメッキスルーホール(210)を有する該第1のはんだパッド(225)を含む、請求項3に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項5:
前記1組のはんだパッドは、前記第1の主表面上の前記第1の金属ゾーン(205)に接続される第2のはんだパッド(225)を更に含む、請求項4に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項6:
前記第3の金属ゾーン(235)は、前記ベースプレート(105)の周縁部(705)上の第4の金属ゾーン(720)によって前記第1の金属ゾーン(205)に電気的に接続される、請求項2に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項7:
ベースプレート(105)であって、
第1の金属ゾーン(205)を含む第1の主表面と、
前記第1の主表面の裏側にある第2の主表面であって、該第2の主表面は、第2の金属ゾーン(215)及び第3の金属ゾーン(235)を含み、該第2の金属ゾーン(215)は、前記第1の金属ゾーン(205)及び前記第3の金属ゾーン(235)から電気的に絶縁され、前記第3の金属ゾーン(235)は、前記第1の金属ゾーン(205)に電気的に接続される、第2の主表面と、
前記第1の主表面から前記第2の主表面に延在する1組の非メッキスルースロット(230)と、
を備える、ベースプレートと、
前記ベースプレート(105)上に搭載された同軸コネクタ(110)であって、前記第1の金属ゾーン(205)にはんだ付けされた第1の端子(605)又はフランジのうちの少なくとも一方と、前記第2の金属ゾーン(215)に接続された少なくとも第2の端子(605)とを有する、同軸コネクタ(110)と、
1組の抵抗器であって、該1組の抵抗器のそれぞれは、前記1組の非メッキスルースロット(230)におけるそれぞれのスロットに組み込まれ、前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記第1の金属ゾーン(205)に接続された第1の端子(605)と、前記第2の金属ゾーン(215)に接続された第2の端子(605)とを有する、1組の抵抗器と、
を備える、テストフィクスチャ(150)。
請求項8:
前記1組の抵抗器のそれぞれは、前記ベースプレート(105)の前記第1の主表面と実質的に位置合わせされた第1の平面端子(605)と、前記ベースプレート(105)の前記第2の主表面と実質的に位置合わせされた第2の平面端子(605)とを有する表面実装抵抗器(10)である、請求項7に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項9:
前記表面実装抵抗器(10)は、前記ベースプレート(105)の前記第1の主表面と前記第2の主表面との間の分離距離に実質的に等しい長手方向寸法を有する、請求項8に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項10:
同軸コネクタ(110)の中心ピンに接続された第1の端子(605)を有する該同軸コネクタ(110)と、
ベースプレート(105)であって、
該ベースプレート(105)の底面から延在する電気導電取付ロッド(915)と、
該ベースプレート(105)の上面(958)上に位置する第1の金属ゾーン(205)と、
前記第1の金属ゾーン(205)から前記電気導電取付ロッド(915)の一部分(360)内に延在するメッキスルーオリフィス(930)であって、前記同軸コネクタ(110)の前記第1の端子(605)の圧入挿入に対応するとともに、前記同軸コネクタ(110)の前記第1の端子(605)と、前記第1の金属ゾーン(205)と、前記電気導電取付ロッド(915)との間に電気導電性をもたらすように構成された、メッキスルーオリフィス(930)と、
を備える、ベースプレートと、
電気導電ケーシング(905)であって、
前記同軸コネクタ(110)を搭載するように構成された該電気導電ケーシング(905)の上面(958)と、
該電気導電ケーシング(905)の前記上面(958)上に搭載された前記同軸コネクタ(110)の1つ以上の端子が貫通して延在する中央開口(945)であって、前記同軸コネクタ(110)の前記1つ以上の端子は、前記同軸コネクタ(110)の前記中心ピンに接続された前記第1の端子(605)を含む、中央開口と、
前記ベースプレート(105)の前記底面と実質的に位置合わせされた底部エッジ(957)を有する周縁部(705)であって、該電気導電ケーシング(905)を通る前記同軸コネクタ(110)の円筒形の本体部(360)に電気的に接続される、周縁部(705)と、
1組の抵抗器であって、前記ベースプレート(105)が該電気導電ケーシング(905)によって収容されると、該1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器(10)の第1の平面端子(605)は、前記ベースプレート(105)の前記上面(958)上に位置する前記第1の金属ゾーン(205)と接触して配置され、該1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器(10)の第2の平面端子(605)は、該電気導電ケーシング(905)の内表面(950)と接触して配置される、1組の抵抗器と、
を備える、電気導電ケーシングと、
を備える、テストフィクスチャ(150)。
請求項11:
前記第1の金属ゾーン(205)に位置し、前記ベースプレート(105)の前記上面(958)上の前記メッキスルーオリフィス(930)を取り囲む第1の1組の窪み(925)であって、該第1の1組の窪み(925)における各窪みは、前記1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器(10)の前記第1の平面端子(605)を嵌め込むように構成されている、第1の1組の窪みと、
前記電気導電ケーシング(905)の前記内表面(950)に位置する第2の1組の窪み(925)であって、該第2の1組の窪み(925)における各窪みは、前記1組の抵抗器におけるそれぞれの各抵抗器(10)の前記第2の平面端子(605)を嵌め込むように構成されている、第2の1組の窪みと、
を更に備える、請求項16に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項12:
前記電気導電取付ロッド(915)は金属取付ロッドであり、前記電気導電ケーシング(905)は金属ケーシングである、請求項16に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項13:
前記電気導電取付ロッド(915)は、前記テストフィクスチャ(150)を被試験対象(dut(140))上に搭載するとともに該dut(140)の上面(958)の第1の部分(360)と接触するように構成され、さらに、前記電気導電ケーシング(905)の前記周縁部(705)は、前記dut(140)の前記上面(958)の第2の部分(360)と接触するように構成され、前記dut(140)の前記第1の部分(360)及び前記第2の部分(360)は、前記テストフィクスチャ(150)を通る電流の流れをもたらすように配置されている、請求項16に記載のテストフィクスチャ(150)。
請求項14:
前記同軸コネクタ(110)の前記1つ以上の端子は1つ以上の取付端子を含み、該1つ以上の取付端子は前記ベースプレート(105)から電気的に絶縁されている、請求項16に記載のテストフィクスチャ(150)。
【符号の説明】
【0062】
100 システム
105 ベースプレート
110 同軸コネクタ
115 オシロスコープ
120 表示画面
125 プローブ
130 コネクタ
140 被試験対象(DUT)
145 RF回路
150 テストフィクスチャ
155 入力コネクタ
160 出力コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12