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特許7269650係留された翼を使用して風力エネルギーを利用する方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】係留された翼を使用して風力エネルギーを利用する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   F03D 9/28 20160101AFI20230427BHJP
   F03D 7/00 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
F03D9/28
F03D7/00
【請求項の数】 69
(21)【出願番号】P 2019564938
(86)(22)【出願日】2017-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 CA2017051478
(87)【国際公開番号】W WO2018213913
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2020-12-02
(31)【優先権主張番号】62/510,265
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/533,531
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519413955
【氏名又は名称】ニュー リーフ マネジメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ブルゴール,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】トッド,デヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ビーチ,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ケイリ,モジタバ
(72)【発明者】
【氏名】ダメロン,デイビッド ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ナスラーバード,ヴァヒド サベリ
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-535612(JP,A)
【文献】特表2013-503279(JP,A)
【文献】カナダ国特許出願公開第2784201(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 9/28
F03D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
係留された翼を使用して風力エネルギーを利用する方法であって
張り段階中、風に発電のために風力エネルギーを利用するように動作可能な少なくとも1つのデジタル油圧機械に機械的に結合されたテザーを延伸させること
発電のために保存された風力エネルギーを使用する前に、前記引張り段階中に前記テザーの延伸を通して利用された少なくとも一部の風力エネルギーを保存すること、および
込み段階中、前記引張り段階中に保存された前記風力エネルギーの少なくとも一部を使用して前記少なくとも1つのデジタル油圧機械にテザーを引き込みさせること
を含み
少なくとも1つのデジタル油圧機械は、それぞれが関連する変位量を有する複数の作動チャンバを含み、前記複数の作動チャンバは選択的に機能が停止されるように構成され、
前記引込み段階中、前記少なくとも1つのデジタル油圧機械が、前記引張り段階中に作動している前記作動チャンバのうちの1つまたは複数の機能を停止させ、前記引張り段階中よりも前記引込み段階中に低い平均変位量を有させる、前記引張り段階中に作動している前記作動チャンバのうちの1つまたは複数の機能を停止することをさらに含む、
方法。
【請求項2】
前記風力エネルギーが機械的に保存される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのデジタル油圧機械が、
(a)高圧チャネルおよび低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれについて、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、前記作動チャンバのそれぞれは前記圧力を調整するために前記高圧チャネルおよび前記低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)ローブであって、前記ローブおよび作動チャンバは互いに対して移動可能であり、前記ローブは、前記作動チャンバとローブが互いに対して移動し、前記ピストンが前記ローブとの接触を維持するときに、前記ピストンに往復運動させるように成形および配置されるローブと
を備える、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記作動チャンバの1つまたは複数の機能を停止することが、機能停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、前記作動チャンバ内の圧力に応答する前記ピストンの複数の往復運動のために前記作動チャンバを同じ圧力のチャネルに流体的に結合することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
機能停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、前記作動チャンバが、前記ピストンの複数の往復運動のために前記低圧チャネルに流体的に結合される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
機能停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、前記作動チャンバの機能を停止することが、
(a)前記ピストンの往復運動が前記作動チャンバを最大容積未満にするときを決定すること;および
(b)前記作動チャンバが最大容積未満のとき、前記作動チャンバを前記高圧および低圧チャネルからシールすること
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記作動チャンバが、前記ローブの1つのピークが前記ピストンと接触しているときにシールされる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
機能停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、前記作動チャンバの機能を停止することが、
(a)前記作動チャンバを前記低圧チャネルのみに流体的に結合すること;
(b)前記ピストンが移動して前記作動チャンバの容積を減少させるように前記作動チャンバの外側の圧力を増大させること;次いで
(c)前記作動チャンバを前記低圧チャネルからシールすること
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記作動チャンバの外側の圧力を増大させることが、前記作動チャンバおよび前記ローブを収容するケース内の圧力を増大させることを含み、前記引込み段階中に作動されたままにする前記作動チャンバを前記ケース内の圧力を増大する前に前記高圧および低圧チャネルからシールすることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記作動チャンバの外側の圧力が、前記低圧チャネル内の圧力よりも高い圧力まで増大される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記作動チャンバ内にあり、前記ピストンおよび前記作動チャンバに接続された引張ばねをさらに含み、
前記引張ばねが、前記作動チャンバが前記低圧チャネルのみに流体的に結合されている場合、前記作動チャンバ内に前記ピストンを引き込み、前記低圧チャネルから前記ピストンに加えられる力よりも小さい力を前記ピストンに加えるように付勢される、
請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記引込み段階中に作動されたままにする前記作動チャンバの少なくとも1つの内部に圧縮ばねをさらに含み、
前記圧縮ばねは、前記作動チャンバから前記ピストンを押し出し、機能停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかの機能を停止するために使用される前記ケース内の圧力よりも大きい力を前記ピストンに加えるように付勢される、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
機能停止される前記作動チャンバが、作動チャンバの第1および第2グループを含み、前記1つまたは複数の作動チャンバの機能を停止することが、
(a)前記第2グループの前記低圧チャネルから前記第1グループの前記低圧チャネルを流体的にシールすること;
(b)作動チャンバの前記第1および第2グループを、それぞれ前記第1および第2グループの前記低圧チャネルに流体的に結合すること;
(c)前記第1および第2グループの前記低圧チャネルを加圧することであって、前記第1グループの前記低圧チャネルは、前記第2グループの前記低圧チャネルの圧力よりも高い圧力に加圧される、加圧すること;
(d)前記第1および第2グループの前記低圧チャネルの圧力の間にあるように、前記第1および第2グループの外側の圧力を増大させること;そして次に、
(e)前記第2グループの前記低圧チャネルから前記第2グループをシールすること
を含む、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2グループの前記低圧チャネルが、前記第1および第2グループが作動されるとき、互いに流体的に結合される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのデジタル油圧機械の作動チャンバは、作動チャンバの第1グループおよび第2グループを含み、前記少なくとも1つのデジタル油圧機械が、
(a)第1および第2の高圧チャネルおよび第1および第2の低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれについて、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの前記第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ前記第1の高圧および低圧チャネルと前記第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)ローブの第1および第2のグループであって、作動チャンバの前記第1および第2のグループはそれぞれローブの前記第1および第2のグループに対して移動可能であり、前記ローブは、作動チャンバの前記第1および第2のグループおよびローブの前記第1および第2のグループがそれぞれ互いに対して移動し、前記ピストンが前記ローブとの接触を維持する場合、前記ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2のグループと;
(d)作動チャンバの前記第1のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能な前記ピストン、第1の高圧および低圧チャネル、およびローブの第1のグループを含む第1のケースと;
(e)作動チャンバの前記第2のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能な前記ピストン、第2の高圧および低圧チャネル、およびローブの第2のグループを含む第2のケースと、を備え、
前記第1および第2のケースは、互いに流体的にシールされ、前記方法は、前記引込み段階中に、作動チャンバの前記グループの1つを含む前記ケースを前記グループの前記1つの前記低圧チャネルの圧力よりも高い圧力に加圧することによって、前記作動チャンバの前記グループの1つの少なくともいくつかの機能を停止することをさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのデジタル油圧機械の作動チャンバは、作動チャンバの第1グループおよび第2グループを含み、前記少なくとも1つのデジタル油圧機械が、
(a)第1および第2の高圧チャネルおよび第1および第2の低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれについて、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの前記第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ前記第1の高圧および低圧チャネルと前記第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)ローブの第1および第2グループであって、作動チャンバの前記第1および第2グループは、ローブの前記第1および第2グループに対してそれぞれ移動可能であり、前記ローブは、作動チャンバの前記第1および第2グループとローブの前記第1および第2グループがそれぞれ互いに対して移動し、前記ピストンが前記ローブとの接触を維持する場合、前記ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2グループとを備え、
作動チャンバの前記第1グループは、第1のロータまたは第1のステータの一方の一部を含み、ローブの前記第1グループは、前記第1のロータまたは前記第1のステータの他方の一部を含み、
作動チャンバの前記第2グループは、第2のロータまたは第2のステータの一方の一部を含み、ローブの前記第2グループは、前記第2のロータまたは前記第2のステータの他方の一部を含み、
前記第1のステータに対する前記第1のロータの完全な回転は、前記第2のステータに対する前記第2のロータの完全な回転よりも低い変位量をもたらし
前記方法は、前記引張り段階中に、前記テザーの延伸により前記第1のステータに対する少なくとも前記第1のロータの回転が引き起こされることを可能にすることにより風力エネルギーを利用すること、および前記引込み段階中に、前記第1のロータが前記第1のステータに対して回転することを許容することなく、前記第2のステータに対する前記第2のロータの回転を使用して前記テザーを引き込むことをさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のロータおよびステータが、それぞれ、前記第2のロータおよびステータよりも大きいリング直径を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第2のロータが、それぞれ第1および第2のシャフトに沿って配置され、クラッチが前記シャフトを相互に結合するように動作可能である、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記ロータのそれぞれが、前記ロータがその周りを回転するシャフトに沿って配置され、第1および第2のクラッチが、それぞれ前記第1および第2のロータを前記シャフトに結合する、請求項16または17に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのデジタル油圧機械が、
(a)高圧チャネルおよび低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれに対して、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、前記作動チャンバのそれぞれは圧力を調整するために前記高圧チャネルおよび前記低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)軸方向に延在するローブのリングであって、前記作動チャンバは前記ローブに対して軸方向および周方向に移動可能であり、前記ローブは、前記作動チャンバおよび前記ローブがそれぞれ互いに対して周方向に移動し、前記ピストンが前記ローブとの接触を維持する場合、前記ピストンに往復運動させるように成形および配置され、および前記ローブのリングの完全な回転からもたらされる前記作動チャンバの総変位量が前記ローブに対する前記作動チャンバの軸方向位置に依存するように前記ローブは振幅および数の少なくとも一方が軸方向に変化する、軸方向に延在するローブのリングと、を備え、
前記方法がさらに、前記作動チャンバの総変位量が前記引張り段階中に前記引込み段階よりも高くなるように前記作動チャンバおよびローブのリングを互いに対して軸方向に移動させることをさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項21】
前記作動チャンバに対するローブの完全な回転からもたらされる前記作動チャンバの総変位量が、前記ローブと作動チャンバとの間の相対運動が一方向に軸方向に進むにつれて単調に変化する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ローブおよび作動チャンバが互いに対して前記一方向に軸方向に移動するにつれ、前記総変位量が変化し、一定に保たれ、その後再び変化する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
ローブの前記リングがロータの一部を構成し、前記作動チャンバがステータの一部を構成し、前記作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きが、ローブの前記リングをシャフトに沿って軸方向に動かすことによって引き起こされる、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
ローブの前記リングがロータの一部を構成し、前記作動チャンバがステータの一部を構成し、前記作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きが、ローブの前記リングが固定されているシャフトを軸方向に動かすことによって引き起こされる、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
ローブの前記リングがロータの一部を構成し、前記作動チャンバがステータの一部を構成し、前記作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きが、前記作動チャンバを含むケースを軸方向に動かすことによって引き起こされる、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記テザーが、線形テザーエンジンを使用して機械的に延ばされ、引き込まれる、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記線形テザーエンジンが、それらの間で前記テザーが線形に延ばされ、引き込まれるホイールを備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記線形テザーエンジンが、それらの間で前記テザーが線形に延ばされ、引き込まれるトラックを備える、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記線形テザーエンジンが、それらの間で前記テザーが線形に延ばされ、引き込まれるベルトを備える、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記テザーがテザーエンジンを使用して機械的に延ばされ、引き込まれ、前記テザーエンジンが、
(a)前記テザーが巻き付けられるドラムと;
(b)前記ドラムの回転軸と整列され、前記ドラムに固定的に結合された中心を有するリングギアとを備え、
前記少なくとも1つのデジタル油圧機械が、前記リングギアを介して前記テザーエンジンに機械的に結合される、
請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つのデジタル油圧機械の作動チャンバは、リング内に配置され前記少なくとも1つのデジタル油圧機械が、
(a)高圧チャネルおよび低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれに対して、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、前記作動チャンバのそれぞれは、圧力を調整するために前記高圧チャネルおよび前記低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)作動チャンバの前記リングに対して偏心して配置されたカムリングであって、前記作動チャンバとカムリングが互いに対して回転し、前記ピストンが前記カムリングとの接触を維持する場合、前記ピストンに往復運動させるように、前記カムリングと作動チャンバは互いに対して回転可能である、カムリングと
を備える、請求項に記載の方法。
【請求項32】
発電機に機械的に結合された追加のデジタル油圧モータを使用して前記発電機に動力を供給するために、前記引張り段階中に利用される風力エネルギーの少なくとも一部を使用して、前記引張り段階および引込み段階中に電気を生成することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項33】
前記引張り段階中、前記発電機が、前記引張り段階中に利用され、保存されない風力エネルギーを使用して動力を供給される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記引張り段階中、前記発電機がまた、前記引張り段階または前の引張り段階中に利用された後に保存された風力エネルギーを使用して動力を供給される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
係留された翼を使用して風力エネルギーを利用するためのシステムであって、
(a)翼と;
(b)前記翼に結合されたテザーと;
(c)前記テザーに結合されたテザーエンジンであって、引張り段階中に前記テザーを延ばし、引込み段階中に前記テザーを引き込むように構成されたテザーエンジンと;
(d)油圧回路と;
(e)前記テザーエンジンに機械的に結合され、前記油圧回路に油圧的に結合され、前記テザーエンジンからの前記テザーの延伸を介して引張り段階中に風力エネルギーを利用するように構成された少なくとも1つのデジタル油圧機械であって、前記風力エネルギーは、発電のために前記少なくとも1つのデジタル油圧機械によって前記油圧回路に伝達され、前記少なくとも1つのデジタル油圧機械は、それぞれ関連する変位量を有する作動チャンバを含み、前記作動チャンバは選択的に機能を停止するように構成される、少なくとも1つのデジタル油圧機械と;および
(f)ここで前記少なくとも1つのデジタル油圧機械は、前記油圧回路からエネルギーを受け取り、前記テザーエンジンを作動させ、前記引込み段階中に前記テザーを引き込むようにさらに構成されており、
(g)前記少なくとも1つのデジタル油圧機械に通信可能に結合された制御システムであって、
(i)発電のために保存された風力エネルギーを使用する前に、前記引張り段階中に前記油圧回路に伝達された少なくとも一部の風力エネルギーを保存させ
(ii)引込み段階中に、前記少なくとも1つのデジタル油圧機械が、前記引張り段階中に作動している前記作動チャンバのうちの1つまたは複数の機能を停止させ、前記引張り段階中よりも前記引込み段階中に低い平均変位量を有させる;および
(iii)保存された風力エネルギーの少なくとも一部が、前記油圧回路を介して少なくとも1つのデジタル油圧機械に戻され、前記テザーを引き込みさせる
ように構成された制御システムと;
を備えるシステム。
【請求項36】
前記油圧回路が、
(a)高圧回路と;
(b)低圧回路と;
(c)前記高圧回路に油圧的に結合され、利用された風力エネルギーを保存するように構成されたアキュムレータと;
(d)前記低圧回路に油圧的に結合された低圧貯蔵部と
を備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記デジタル油圧機械が、
(a)高圧チャネルおよび低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれに対して、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、前記作動チャンバのそれぞれは、圧力を調整するために前記高圧チャネルおよび前記低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)ローブであって、前記ローブおよび作動チャンバは互いに対して移動可能であり、前記ローブは、前記作動チャンバおよびローブが互いに対して移動し、前記ピストンが前記ローブとの接触を維持するとき、前記ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブと
を備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記作動チャンバの1つまたは複数の機能を停止することが、機能を停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、前記作動チャンバ内の圧力に応答する前記ピストンの複数の往復運動のために前記作動チャンバを同じ圧力のチャネルに流体結合することを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項39】
機能停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、前記制御システムは、前記ピストンの複数の往復運動のために前記作動チャンバを前記低圧チャネルに流体的に結合させる、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
機能停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、前記作動チャンバの機能を停止することが、
(a)前記ピストンの往復運動が前記作動チャンバを最大容積未満にするときを決定すること;および
(b)前記作動チャンバが最大容積未満のとき、前記作動チャンバを前記高圧および低圧チャネルからシールすること
を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項41】
前記制御システムが、前記ローブの1つのピークが前記ピストンと接触るときに前記作動チャンバをシールさせるように更に構成されている、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
機能停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、前記作動チャンバの機能を停止することが、
(a)前記作動チャンバを前記低圧チャネルのみに流体的に結合すること;
(b)前記ピストンが移動して前記作動チャンバの容積を減少させるように前記作動チャンバの外側の圧力を増大させること;および次に
(c)前記作動チャンバを前記低圧チャネルからシールすること
を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項43】
前記デジタル油圧機械が、前記作動チャンバおよび前記ローブを収容するケースをさらに備え、前記作動チャンバの外側の圧力を増大させることは、前記ケース内の圧力を増大させることを含み、前記方法は、前記引込み段階中に作動されたままにする前記作動チャンバを前記ケース内の圧力を増大する前に前記高圧および低圧チャネルからシールすることをさらに含む、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記作動チャンバの外側の圧力が、前記低圧チャネルの圧力よりも高くなるように増大される、請求項42または43に記載のシステム。
【請求項45】
前記デジタル油圧機械が、前記作動チャンバ内にあり、前記ピストンおよび前記作動チャンバに接続された引張ばねをさらに含み、前記引張ばねは、前記作動チャンバが前記低圧チャネルのみに流体的に結合されている場合、前記作動チャンバ内に前記ピストンを引き込み、前記低圧チャネルから前記ピストンに加えられる力よりも小さい力を前記ピストンに加えるように付勢される、請求項42に記載のシステム。
【請求項46】
前記デジタル油圧機械が、前記引込み段階中に作動されたままにする前記作動チャンバの少なくとも1つの内部に圧縮ばねをさらに含み、前記圧縮ばねは、前記作動チャンバから前記ピストンを押し出し、機能停止される前記作動チャンバの少なくともいくつかの機能を停止するために使用される前記ケース内の圧力よりも大きい力を前記ピストンに加えるように付勢される、請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
機能停止される前記作動チャンバが、作動チャンバの第1および第2グループを含み、前記1つまたは複数の作動チャンバの機能を停止することが、
(a)前記第2グループの前記低圧チャネルから前記第1グループの前記低圧チャネルを流体的にシールすること;
(b)作動チャンバの前記第1および第2グループを、それぞれ前記第1および第2グループの前記低圧チャネルに流体的に結合すること;
(c)前記第1および第2グループの前記低圧チャネルを加圧することであって、前記第1グループの前記低圧チャネルは、前記第2グループの前記低圧チャネルの圧力よりも高い圧力に加圧される、加圧すること;
(d)前記第1および第2グループの前記低圧チャネルの圧力の間にあるように、前記第1および第2グループの外側の圧力を増大させること;そして次に、
(e)前記第2グループの前記低圧チャネルから前記第2グループをシールすること
を含む、請求項42~46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記制御システムは、前記第1および第2グループが作動されるとき、前記第1および第2グループの前記低圧チャネルを流体的に相互に結合させる、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記デジタル油圧機械の作動チャンバは、作動チャンバの第1グループおよび第2グループを含み、前記デジタル油圧機械が、
(a)第1および第2の高圧チャネルならびに第1および第2の低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれについて、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの前記第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ前記第1の高圧および低圧チャネルならびに前記第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)ローブの第1および第2のグループであって、作動チャンバの前記第1および第2のグループはそれぞれローブの前記第1および第2のグループに対して移動可能であり、前記ローブは、作動チャンバの前記第1および第2のグループならびにローブの前記第1および第2のグループがそれぞれ互いに対して移動し、前記ピストンが前記ローブとの接触を維持する場合、前記ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2のグループと;
(d)作動チャンバの前記第1のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能な前記ピストン、第1の高圧および低圧チャネル、ならびにローブの第1のグループを含む第1のケースと;
(e)作動チャンバの前記第2のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能な前記ピストン、第2の高圧および低圧チャネル、ならびにローブの第2のグループを含む第2のケースと、を備え、
前記第1および第2のケースは、互いに流体的にシールされ、前記方法は、前記引込み段階中に、作動チャンバの前記グループの1つを含む前記ケースを前記グループの前記1つの前記低圧チャネルの圧力よりも高い圧力に加圧することによって、前記作動チャンバの前記グループの1つの少なくともいくつかの機能を停止することをさらに含む、
請求項35に記載のシステム。
【請求項50】
前記デジタル油圧機械の作動チャンバは、作動チャンバの第1グループおよび第2グループを含み、前記デジタル油圧機械が、
(a)第1および第2の高圧チャネルおよび第1および第2の低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれについて、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの前記第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ前記第1の高圧および低圧チャネルならびに前記第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)ローブの第1および第2グループであって、作動チャンバの前記第1および第2グループは、ローブの前記第1および第2グループに対してそれぞれ移動可能であり、前記ローブは、作動チャンバの前記第1および第2グループとローブの前記第1および第2グループがそれぞれ互いに対して移動し、前記ピストンが前記ローブとの接触を維持する場合、前記ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2グループとをさらに備え、
作動チャンバの前記第1グループは、第1のロータまたは第1のステータの一方の一部を含み、ローブの前記第1グループは、前記第1のロータまたは前記第1のステータの他方の一部を含み、
作動チャンバの前記第2グループは、第2のロータまたは第2のステータの一方の一部を含み、ローブの前記第2グループは、前記第2のロータまたは前記第2のステータの他方の一部を含み、
前記第1のステータに対する前記第1のロータの完全な回転は、前記第2のステータに対する前記第2のロータの完全な回転よりも高い変位量をもたらし、
前記方法は、前記引張り段階中に、前記テザーの延伸により前記第1のステータに対する少なくとも前記第1のロータの回転が引き起こされることを可能にすることにより風力エネルギーを利用すること、および前記引込み段階中に、前記第1のロータが前記第1のステータに対して回転することを許容することなく、前記第2のステータに対する前記第2のロータの回転を使用して前記テザーを引き込むことをさらに含む、
請求項35に記載のシステム。
【請求項51】
前記第1のロータおよびステータが、それぞれ、前記第2のロータおよびステータよりも大きいリング直径を有する、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記ロータがその上で回転するシャフトと、前記シャフト上の、前記ロータ間にあるクラッチとをさらに備える、請求項50または51に記載のシステム。
【請求項53】
前記ロータがその上で回転するシャフトと、それぞれ前記第1および第2のロータを前記シャフトに結合する第1のクラッチおよび第2のクラッチとをさらに備える、請求項50または51に記載のシステム。
【請求項54】
前記デジタル油圧機械が、
(a)高圧チャネルおよび低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれに対して、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、前記作動チャンバのそれぞれは圧力を調整するために前記高圧チャネルおよび前記低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)軸方向に延在するローブのリングであって、前記作動チャンバは前記ローブに対して軸方向および周方向に移動可能であり、前記ローブは、前記作動チャンバおよび前記ローブがそれぞれ互いに対して周方向に移動し、前記ピストンが前記ローブとの接触を維持する場合、前記ピストンに往復運動させるように成形および配置され、および前記ローブのリングの完全な回転からもたらされる前記作動チャンバの総変位量が前記ローブに対する前記作動チャンバの軸方向位置に依存するように前記ローブは振幅および数の少なくとも一方が軸方向に変化する、軸方向に延在するローブのリングと、を備え、
前記方法がさらに、前記作動チャンバの総変位量が前記引張り段階中に前記引込み段階よりも高くなるように前記作動チャンバおよびローブのリングを互いに対して軸方向に移動させることをさらに含む、
請求項35に記載のシステム。
【請求項55】
前記作動チャンバに対するローブの完全な回転からもたらされる前記作動チャンバの前記総変位量が、前記ローブと作動チャンバとの間の相対運動が一方向に軸方向に進むにつれて単調に変化する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記ローブおよび作動チャンバが互いに対して一方向に軸方向に移動するにつれ、前記総変位量は変化し、一定に保たれ、その後再び変化する、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
ローブの前記リングがロータの一部を構成し、前記作動チャンバがステータの一部を構成し、前記作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きが、ローブの前記リングをシャフトに沿って軸方向に動かすことによって引き起こされる、請求項54~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
ローブの前記リングがロータの一部を構成し、前記作動チャンバがステータの一部を構成し、前記作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きが、ローブの前記リングが固定されているシャフトを軸方向に動かすことによって引き起こされる、請求項54~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
ローブの前記リングがロータの一部を構成し、前記作動チャンバがステータの一部を構成し、前記作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きが、前記作動チャンバを含むケースを軸方向に動かすことによって引き起こされる、請求項54~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記テザーエンジンが、前記テザーを線形に延ばし、引き込む、請求項35~59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記テザーエンジンが、それらの間で前記テザーが線形に延ばされ、引き込まれるホイールを備える、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記テザーエンジンが、それらの間で前記テザーが線形に延ばされ、引き込まれるトラックを備える、請求項60に記載のシステム。
【請求項63】
前記テザーエンジンが、それらの間で前記テザーが線形に延ばされ、引き込まれるベルトを備える、請求項60に記載のシステム。
【請求項64】
前記テザーエンジンが、
(a)前記テザーが巻き付けられるドラムと;
(b)前記ドラムの回転軸と整列され、前記ドラムに固定的に結合された中心を有するリングギアとを備え、
前記デジタル油圧機械は、それぞれ、前記リングギアを駆動し、前記リングギアによって駆動される、
請求項35~59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項65】
前記デジタル油圧機械の作動チャンバは、リングになっており、前記デジタル油圧機械が、
(a)高圧チャネルおよび低圧チャネルと;
(b)前記作動チャンバのそれぞれに対して、前記作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、前記作動チャンバのそれぞれは、圧力を調整するために前記高圧チャネルおよび前記低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;
(c)作動チャンバの前記リングに対して偏心して配置されたカムリングであって、前記作動チャンバとカムリングが互いに対して回転し、前記ピストンが前記カムリングとの接触を維持する場合、前記ピストンに往復運動させるように、前記カムリングと作動チャンバは互いに対して回転可能である、カムリングと
を備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項66】
前記油圧回路に流体的に結合された追加のデジタル油圧モータと、前記追加の油圧モータに機械的に結合された発電機とをさらに備え、前記制御システムは、前記引張りおよび引込み段階中、利用された風力エネルギーの少なくとも一部を使用して前記発電機に動力を供給するようにさらに構成される、請求項35に記載のシステム。
【請求項67】
前記引張り段階中、前記発電機が、前記引張り段階中に利用され、保存されない風力エネルギーを使用して動力を供給される、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記引張り段階中、前記発電機がまた、前記引張り段階または前の引張り段階中に利用された後に保存された風力エネルギーを使用して動力を供給される、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードを格納し、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項1~34のいずれか一項に記載の方法を実行させる非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、係留された翼を使用して風力エネルギーを利用する方法、システム、および技術に向けられる。
【背景技術】
【0002】
化石燃料を燃焼させることにより電力を得ることは、環境的に有害であり得、また、ますます不経済になりつつある。化石燃料を燃焼させることによる発電の1つの代替策は、風を利用して発電することである。
【0003】
風力エネルギーは、種々の種類の装置を使用して利用することができる。例えば、地上設置型の水平軸および垂直軸の風力タービンは、地上レベルに近い風力エネルギーを利用する。対照的に、空中風力エネルギーシステムも存在し、これはより高い高度で風力エネルギーをより柔軟に利用することができる。
【発明の概要】
【0004】
一態様によれば、係留された翼を使用して風力エネルギーを利用する方法が提供される。この方法は、引張り段階中、風にテザーを延伸させ、そして、発電のために保存された風力エネルギーを使用する前に、テザーの延伸を通して利用された少なくともいくらかの風力エネルギーを保存すること、および引込み段階中、テザーを引き込むために、引張り段階中に保存された風力エネルギーの少なくとも一部を使用することを含む。風力エネルギーは、テザーに機械的に結合されたデジタル油圧ポンプを使用して利用される。
【0005】
保存された風力エネルギーの少なくとも一部は、テザーに機械的に結合されたデジタル油圧モータを使用してテザーを引き込むために使用することができる。
【0006】
風力エネルギーは、機械的に保存することができる。
【0007】
デジタル油圧ポンプ/モータは、デジタル油圧ポンプおよびデジタル油圧モータを備え得る。
【0008】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバと;高圧チャネルおよび低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれについて、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバのそれぞれは圧力を調整するために高圧チャネルおよび低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;ローブであって、ローブおよび作動チャンバは互いに対して移動可能であり、ローブは、作動チャンバとローブが互いに対して移動し、ピストンがローブとの接触を維持するときに、ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブと、を備えることができる。
【0009】
方法は、引込み段階中に、引張り段階中に作動している作動チャンバのうちの1つまたは複数の機能を停止することをさらに含むことができる。
【0010】
作動チャンバの1つまたは複数の機能を停止することは、機能停止される作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、作動チャンバ内の圧力に応答するピストンの複数の往復運動のために作動チャンバを同じ圧力のチャネルに流体的に結合することを含み得る。
【0011】
機能停止される作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、作動チャンバは、ピストンの複数の往復運動のために低圧チャネルに流体的に結合されてもよい。
【0012】
デジタル油圧ポンプ/モータは、特定の風速に対して、引張り段階中に引込み段階よりも高い平均変位量を有するように構成され得る。
【0013】
機能停止される作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、作動チャンバの機能を停止することは、ピストンの往復運動が作動チャンバを最大容積未満にするときを決定すること;および作動チャンバが最大容積未満のとき、作動チャンバを高圧および低圧チャネルからシールすることを含み得る。
【0014】
作動チャンバは、ローブの1つのピークがピストンと接触しているときにシールされてもよい。
【0015】
機能停止される作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、作動チャンバの機能を停止することは、作動チャンバを低圧チャネルのみに流体的に結合すること;ピストンが移動して作動チャンバの容積を減少させるように作動チャンバの外側の圧力を増大させること;および、作動チャンバを低圧チャネルからシールすることを含み得る。
【0016】
作動チャンバの外側の圧力を増大させることは、作動チャンバおよびローブを収容するケース内の圧力を増大させることを含むことができ、方法は、引込み段階中に作動されたままにする作動チャンバをケース内の圧力を増大する前に高圧および低圧チャネルからシールすることをさらに含むことができる。
【0017】
作動チャンバの外側の圧力は、低圧チャネルの圧力よりも高くなるように増大させることができる。
【0018】
本方法は、作動チャンバ内にあり、ピストンおよび作動チャンバに接続された引張ばねをさらに含むことができる。引張ばねは、作動チャンバが低圧チャネルのみに流体的に結合されている場合、作動チャンバ内にピストンを引き込み、低圧チャネルからピストンに加えられる力よりも小さい力をピストンに加えるように付勢されてもよい。
【0019】
本方法は、引込み段階中に作動されたままにする作動チャンバの少なくとも1つの内部に圧縮ばねをさらに含むことができる。圧縮ばねは、作動チャンバからピストンを押し出し、機能停止される作動チャンバの少なくともいくつかの機能を停止するために使用されるケース内の圧力よりも大きい力をピストンに加えるように付勢されてもよい。
【0020】
機能停止される作動チャンバは、作動チャンバの第1および第2グループを含むことができ、1つまたは複数の作動チャンバの機能を停止することは、第2グループの低圧チャネルから第1グループの低圧チャネルを流体的にシールすること;作動チャンバの第1および第2グループを、それぞれ第1および第2グループの低圧チャネルに流体的に結合すること;第1および第2グループの低圧チャネルを加圧することであって、第1グループの低圧チャネルは、第2グループの低圧チャネルの圧力よりも高い圧力に加圧される、加圧すること;第1および第2グループの低圧チャネルの圧力の間にあるように、第1および第2グループの外側の圧力を増大させること;そして次に、第2グループの低圧チャネルから第2グループをシールすることを含み得る。
【0021】
第1および第2グループの低圧チャネルは、第1および第2グループが作動されるとき、互いに流体的に結合され得る。
【0022】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバの第1グループおよび第2グループと;第1および第2の高圧チャネルおよび第1および第2の低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれについて、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ第1の高圧および低圧チャネルおよび第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;ローブの第1および第2のグループであって、作動チャンバの第1および第2のグループはそれぞれローブの第1および第2のグループに対して移動可能であり、ローブは、作動チャンバの第1および第2のグループおよびローブの第1および第2のグループがそれぞれ互いに対して移動し、ピストンがローブとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2のグループと;作動チャンバの第1のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能なピストン、第1の高圧および低圧チャネル、およびローブの第1のグループを含む第1のケースと;作動チャンバの第2のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能なピストン、第2の高圧および低圧チャネル、およびローブの第2のグループを含む第2のケースと、を備えてもよい。第1および第2のケースは、互いに流体的にシールされてもよい。方法は、引込み段階中に、作動チャンバのグループの1つを含むケースをグループの1つの低圧チャネルの圧力よりも高い圧力に加圧することによって、作動チャンバのグループの1つの少なくともいくつかの機能を停止することをさらに含むことができる。
【0023】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバの第1グループおよび第2グループと;第1および第2の高圧チャネルおよび第1および第2の低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれについて、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ第1の高圧および低圧チャネルおよび第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;ローブの第1および第2グループであって、作動チャンバの第1および第2グループは、ローブの第1および第2グループに対してそれぞれ移動可能であり、ローブは、作動チャンバの第1および第2グループとローブの第1および第2グループがそれぞれ互いに対して移動し、ピストンがローブとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2グループとをさらに備えてもよい。作動チャンバの第1グループは、第1のロータまたは第1のステータの一方の一部を含むことができ、ローブの第1グループは、第1のロータまたは第1のステータの他方の一部を含むことができる。作動チャンバの第2グループは、第2のロータまたは第2のステータの一方の一部を含み、ローブの第2グループは、第2のロータまたは第2のステータの他方の一部を含むことができる。第1のステータに対する第1のロータの完全な回転は、第2のステータに対する第2のロータの完全な回転よりも低い変位量をもたらし得る。方法は、引張り段階中に、テザーの延伸により第1のステータに対する少なくとも第1のロータの回転が引き起こされることを可能にすることにより風力エネルギーを利用すること、および引込み段階中に、第1のロータが第1のステータに対して回転することを許容することなく、第2のステータに対する第2のロータの回転を使用してテザーを引き込むことをさらに含んでもよい。
【0024】
第2のロータおよびステータは、それぞれ、第1のロータおよびステータよりも大きいリング直径を有することができる。
【0025】
第1および第2のロータは、それぞれ第1および第2のシャフトに沿って配置されてもよく、クラッチがシャフトを一緒に結合するように動作可能である。
【0026】
ロータのそれぞれは、ロータがその周りを回転するシャフトに沿って配置することができ、第1および第2のクラッチは、それぞれ第1および第2のロータをシャフトに結合することができる。
【0027】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバと;高圧チャネルおよび低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれに対して、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバのそれぞれは圧力を調整するために高圧チャネルおよび低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;軸方向に延在するローブのリングであって、作動チャンバはローブに対して軸方向および周方向に移動可能であり、ローブは、作動チャンバおよびローブがそれぞれ互いに対して周方向に移動し、ピストンがローブとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように成形および配置され、およびローブのリングの完全な回転からもたらされる作動チャンバの総変位量がローブに対する作動チャンバの軸方向位置に依存するようにローブは振幅および数の少なくとも一方が軸方向に変化する、軸方向に延在するローブのリングと、をさらに備えてもよい。方法はさらに、作動チャンバの総変位量が引張り段階中に引込み段階よりも高くなるように作動チャンバおよびローブのリングを互いに対して軸方向に移動させることをさらに含むことができる。
【0028】
作動チャンバに対するローブの完全な回転からもたらされる作動チャンバの総変位量は、ローブと作動チャンバとの間の相対運動が一方向に軸方向に進むにつれて単調に変化し得る。
【0029】
ローブおよび作動チャンバが互いに対して一方向に軸方向に移動するにつれ、総変位量は変化し、一定に保たれ、その後再び変化する可能性がある。
【0030】
ローブのリングはロータの一部を構成し得、作動チャンバはステータの一部を構成し得、作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きは、ローブのリングをシャフトに沿って軸方向に動かすことによって引き起こされ得る。
【0031】
ローブのリングはロータの一部を構成し得、作動チャンバはステータの一部を構成し得、作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きは、ローブのリングが固定されているシャフトを軸方向に動かすことによって引き起こされ得る。
【0032】
ローブのリングはロータの一部を構成し得、作動チャンバはステータの一部を構成し得、作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きは、作動チャンバを含むケースを軸方向に動かすことによって引き起こされ得る。
【0033】
テザーは、線形テザーエンジンを使用して機械的に延ばし、引き込むことができる。
【0034】
線形テザーエンジンは、それらの間でテザーが直線的に延ばされ、引き込まれるホイールを備えてもよい。
【0035】
線形テザーエンジンは、それらの間でテザーが直線的に延ばされ、引き込まれるトラックを備えてもよい。
【0036】
線形テザーエンジンは、それらの間でテザーが直線的に延ばされ、引き込まれるベルトを備えてもよい。
【0037】
テザーは、テザーエンジンを使用して機械的に延ばされ、引き込まれてもよく、テザーエンジンは、テザーが巻き付けられるドラムと;ドラムの回転軸と整列され、ドラムに固定的に結合された中心を有するリングギアとを備える。デジタル油圧モータおよびポンプは、それぞれ、リングギアを駆動し、リングギアによって駆動され得る。
【0038】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバのリングと;高圧チャネルおよび低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれに対して、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバのそれぞれは、圧力を調整するために高圧チャネルおよび低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;作動チャンバのリングに対して偏心して配置されたカムリングであって、作動チャンバとカムリングが互いに対して回転し、ピストンがカムリングとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように、カムリングと作動チャンバは互いに対して回転可能である、カムリングとを備えてもよい。
【0039】
方法は、発電機に機械的に結合された追加のデジタル油圧モータを使用して発電機に動力を供給するために、引張り段階中に利用される風力エネルギーの少なくとも一部を使用して、引張り段階および引込み段階中に電気を生成することをさらに含み得る。
【0040】
引張り段階中、発電機は、引張り段階中に利用され、保存されない風力エネルギーを使用して動力を供給されてもよい。
【0041】
引張り段階中、発電機はまた、引張り段階または前の引張り段階中に利用された後に保存された風力エネルギーを使用して動力を供給されてもよい。
【0042】
別の態様によれば、係留された翼を使用して風力エネルギーを利用するためのシステムが提供される。システムは翼と;翼に結合されたテザーと;テザーに結合されたテザーエンジンであって、引張り段階中にテザーを延ばし、引込み段階中にテザーを引き込むように構成されたテザーエンジンと;油圧回路と;テザーエンジンに機械的に結合され、油圧回路に油圧的に結合されたデジタル油圧ポンプであって、テザーの延伸を介して利用された風力エネルギーをテザーエンジンから油圧回路に転送するように構成されたデジタル油圧ポンプと;テザーエンジンに機械的に結合され、油圧回路に油圧的に結合されたデジタル油圧モータであって、油圧回路からのエネルギーを変換してテザーエンジンを作動させ、引込み段階中にテザーを引き込むように構成されたデジタル油圧モータと;油圧ポンプおよびモータに通信可能に結合された制御システムとを備える。制御システムは、引張り段階中に、風にテザーを延伸させ、電気を生成するために保存された風力エネルギーを使用する前に、テザーの延伸を介して利用された少なくとも一部の風力エネルギーを保存すること;および、引込み段階中に、引張り段階中に保存された風力エネルギーの少なくとも一部を使用して、テザーを引き込むことを含む方法を実行するように構成される。
【0043】
油圧回路は、高圧回路と;低圧回路と;高圧回路に油圧的に結合され、利用された風力エネルギーを保存するように構成されたアキュムレータと;低圧回路に油圧的に結合された低圧貯蔵部とを備えてもよい。
【0044】
デジタル油圧ポンプ/モータは、デジタル油圧ポンプおよびデジタル油圧モータを備えてもよい。
【0045】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバと;高圧チャネルおよび低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれに対して、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバのそれぞれは、圧力を調整するために高圧チャネルおよび低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;ローブであって、ローブおよび作動チャンバは互いに対して移動可能であり、ローブは、作動チャンバおよびローブが互いに対して移動し、ピストンがローブとの接触を維持するとき、ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブと、を備えてもよい。
【0046】
方法は、引込み段階中に、引張り段階中に作動している作動チャンバのうちの1つまたは複数の機能を停止することをさらに含むことができる。
【0047】
作動チャンバの1つまたは複数の機能を停止することは、機能を停止される作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、作動チャンバ内の圧力に応答するピストンの複数の往復運動のために作動チャンバを同じ圧力のチャネルに流体結合することを含み得る。
【0048】
機能停止される作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、制御装置は、作動チャンバを、ピストンの複数の往復運動のために低圧チャネルに流体的に結合してもよい。
【0049】
制御装置は、特定の風速に対して、引張り段階中に引込み段階よりも高い平均変位量を有するようにデジタル油圧ポンプ/モータを構成してもよい。
【0050】
機能停止される作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、作動チャンバの機能を停止することは、ピストンの往復運動が作動チャンバを最大容積未満にするときを決定すること;および作動チャンバが最大容積未満のとき、作動チャンバを高圧および低圧チャネルからシールすることを含み得る。
【0051】
制御装置は、ローブの1つのピークがピストンと接触しているときに作業チャンバをシールしてもよい。
【0052】
機能停止される作動チャンバの少なくともいくつかのそれぞれについて、作動チャンバの機能を停止することは、作動チャンバを低圧チャネルのみに流体的に結合すること;ピストンが移動して作動チャンバの容積を減少させるように作動チャンバの外側の圧力を増大させること;および、作動チャンバを低圧チャネルからシールすることを含み得る。
【0053】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作業チャンバおよびローブを収容するケースをさらに備えてもよく、作動チャンバの外側の圧力を増大させることは、ケース内の圧力を増大させることを含み得る。方法は、引込み段階中に作動されたままにする作動チャンバをケース内の圧力を増大する前に高圧および低圧チャネルからシールすることをさらに含むことができる。
【0054】
作動チャンバの外側の圧力は、低圧チャネルの圧力よりも高くなるように増大させることができる。
【0055】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバ内にあり、ピストンおよび作動チャンバに接続された引張ばねをさらに含むことができ、引張ばねは、作動チャンバが低圧チャネルのみに流体的に結合されている場合、作動チャンバ内にピストンを引き込み、低圧チャネルからピストンに加えられる力よりも小さい力をピストンに加えるように付勢される。
【0056】
デジタル油圧ポンプ/モータは、引込み段階中に作動されたままにする作動チャンバの少なくとも1つの内部に圧縮ばねをさらに含むことができ、圧縮ばねは、作動チャンバからピストンを押し出し、機能停止される作動チャンバの少なくともいくつかの機能を停止するために使用されるケース内の圧力よりも大きい力をピストンに加えるように付勢される。
【0057】
機能停止される作動チャンバは、作動チャンバの第1および第2グループを含むことができ、1つまたは複数の作動チャンバの機能を停止することは、第2グループの低圧チャネルから第1グループの低圧チャネルを流体的にシールすること;作動チャンバの第1および第2グループを、それぞれ第1および第2グループの低圧チャネルに流体的に結合すること;第1および第2グループの低圧チャネルを加圧することであって、第1グループの低圧チャネルは、第2グループの低圧チャネルの圧力よりも高い圧力に加圧される、加圧すること;第1および第2グループの低圧チャネルの圧力の間にあるように、第1および第2グループの外側の圧力を増大させること;そして次に、第2グループの低圧チャネルから第2グループをシールすることを含み得る。
【0058】
制御装置は、第1および第2グループが作動されるとき、第1および第2グループの低圧チャネルを流体的に相互に結合し得る。
【0059】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバの第1グループおよび第2グループと;第1および第2の高圧チャネルおよび第1および第2の低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれについて、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ第1の高圧および低圧チャネルおよび第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;ローブの第1および第2のグループであって、作動チャンバの第1および第2のグループはそれぞれローブの第1および第2のグループに対して移動可能であり、ローブは、作動チャンバの第1および第2のグループおよびローブの第1および第2のグループがそれぞれ互いに対して移動し、ピストンがローブとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2のグループと;作動チャンバの第1のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能なピストン、第1の高圧および低圧チャネル、およびローブの第1のグループを含む第1のケースと;作動チャンバの第2のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能なピストン、第2の高圧および低圧チャネル、およびローブの第2のグループを含む第2のケースと、を備えてもよい。第1および第2のケースは、互いに流体的にシールされてもよい。方法は、引込み段階中に、作動チャンバのグループの1つを含むケースをグループの1つの低圧チャネルの圧力よりも高い圧力に加圧することによって、作動チャンバのグループの1つの少なくともいくつかの機能を停止することをさらに含むことができる。
【0060】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバの第1グループおよび第2グループと;第1および第2の高圧チャネルおよび第1および第2の低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれについて、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ第1の高圧および低圧チャネルおよび第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;ローブの第1および第2グループであって、作動チャンバの第1および第2グループは、ローブの第1および第2グループに対してそれぞれ移動可能であり、ローブは、作動チャンバの第1および第2グループとローブの第1および第2グループがそれぞれ互いに対して移動し、ピストンがローブとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2グループとをさらに備えてもよい。作動チャンバの第1グループは、第1のロータまたは第1のステータの一方の一部を含むことができ、ローブの第1グループは、第1のロータまたは第1のステータの他方の一部を含む。作動チャンバの第2グループは、第2のロータまたは第2のステータの一方の一部を含み、ローブの第2グループは、第2のロータまたは第2のステータの他方の一部を含むことができる。第1のステータに対する第1のロータの完全な回転は、第2のステータに対する第2のロータの完全な回転よりも低い変位量をもたらし得る。方法は、引張り段階中に、テザーの延伸により第1のステータに対する少なくとも第1のロータの回転が引き起こされることを可能にすることにより風力エネルギーを利用すること、および引込み段階中に、第1のロータが第1のステータに対して回転することを許容することなく、第2のステータに対する第2のロータの回転を使用してテザーを引き込むことをさらに含んでもよい。
【0061】
第2のロータおよびステータは、それぞれ、第1のロータおよびステータよりも大きいリング直径を有することができる。
【0062】
システムは、ロータがその上で回転するシャフトと、シャフト上の、ロータ間にあるクラッチとをさらに備えることができる。
【0063】
システムは、ロータがその上で回転するシャフトと、それぞれ第1および第2のロータをシャフトに結合する第1のクラッチおよび第2のクラッチとをさらに備えることができる。
【0064】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバと;高圧チャネルおよび低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれに対して、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバのそれぞれは圧力を調整するために高圧チャネルおよび低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;軸方向に延在するローブのリングであって、作動チャンバはローブに対して軸方向および周方向に移動可能であり、ローブは、作動チャンバおよびローブがそれぞれ互いに対して周方向に移動し、ピストンがローブとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように成形および配置され、およびローブのリングの完全な回転からもたらされる作動チャンバの総変位量がローブに対する作動チャンバの軸方向位置に依存するようにローブは振幅および数の少なくとも一方が軸方向に変化する、軸方向に延在するローブのリングと、をさらに備えてもよい。方法はさらに、作動チャンバの総変位量が引張り段階中に引込み段階よりも高くなるように作動チャンバおよびローブのリングを互いに対して軸方向に移動させることをさらに含むことができる。
【0065】
作動チャンバに対するローブの完全な回転からもたらされる作動チャンバの総変位量は、ローブと作動チャンバとの間の相対運動が一方向に軸方向に進むにつれて単調に変化し得る。
【0066】
ローブおよび作動チャンバが互いに対して一方向に軸方向に移動するにつれ、総変位量は変化し、一定に保たれ、その後再び変化する可能性がある。
【0067】
ローブのリングはロータの一部を構成し得、作動チャンバはステータの一部を構成し得、作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きは、ローブのリングをシャフトに沿って軸方向に動かすことによって引き起こされ得る。
【0068】
ローブのリングはロータの一部を構成し得、作動チャンバはステータの一部を構成し得、作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きは、ローブのリングが固定されているシャフトを軸方向に動かすことによって引き起こされ得る。
【0069】
ローブのリングはロータの一部を構成し得、作動チャンバはステータの一部を構成し得、作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きは、作動チャンバを含むケースを軸方向に動かすことによって引き起こされ得る。
【0070】
テザーエンジンは、テザーを直線的に延ばし、引き込むことができる。
【0071】
テザーエンジンは、それらの間でテザーが直線的に延ばされ、引き込まれるホイールを備えてもよい。
【0072】
テザーエンジンは、それらの間でテザーが直線的に延ばされ、引き込まれるトラックを備えてもよい。
【0073】
テザーエンジンは、それらの間でテザーが直線的に延ばされ、引き込まれるベルトを備えてもよい。
【0074】
テザーエンジンは、テザーが巻き付けられるドラムと;ドラムの回転軸と整列され、ドラムに固定的に結合された中心を有するリングギアとを備えてもよく、デジタル油圧モータおよびポンプは、それぞれ、リングギアを駆動し、リングギアによって駆動され得る。
【0075】
デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバのリングと;高圧チャネルおよび低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれに対して、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバのそれぞれは、圧力を調整するために高圧チャネルおよび低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;作動チャンバのリングに対して偏心して配置されたカムリングであって、作動チャンバとカムリングが互いに対して回転し、ピストンがカムリングとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように、カムリングと作動チャンバは互いに対して回転可能である、カムリングとをさらに備えてもよい。
【0076】
システムは、油圧回路に流体的に結合された追加のデジタル油圧モータと、追加の油圧モータに機械的に結合された発電機とをさらに備えてもよく、制御装置は、引張りおよび引込み段階中、利用された風力エネルギーの少なくとも一部を使用して発電機に動力を供給するようにさらに構成される。
【0077】
引張り段階中、発電機は、引張り段階中に利用され、保存されない風力エネルギーを使用して動力を供給されてもよい。
【0078】
引張り段階中、発電機はまた、引張り段階または前の引張り段階中に利用された後に保存された風力エネルギーを使用して動力を供給されてもよい。
【0079】
別の態様によれば、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードを格納し、プロセッサによって実行されると、プロセッサに上記の方法を実行させる非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。
【0080】
別の態様によれば、デジタル油圧機械であって、作動チャンバの第1グループおよび第2グループと;第1および第2の高圧チャネルおよび第1および第2の低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれについて、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ第1の高圧および低圧チャネルおよび第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;ローブの第1および第2のグループであって、作動チャンバの第1および第2のグループはそれぞれローブの第1および第2のグループに対して移動可能であり、ローブは、作動チャンバの第1および第2のグループおよびローブの第1および第2のグループがそれぞれ互いに対して移動し、ピストンがローブとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2のグループと;作動チャンバの第1のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能なピストン、第1の高圧および低圧チャネル、およびローブの第1のグループを含む第1のケースと;作動チャンバの第2のグループおよびその内部の圧力に応じて移動可能なピストン、第2の高圧および低圧チャネル、およびローブの第2のグループを含む第2のケースと、を備え、第1および第2のケースは互いに流体的にシールされる、デジタル油圧機械が提供される。
【0081】
別の態様によれば、デジタル油圧機械であって、作動チャンバの第1グループおよび第2グループと;第1および第2の高圧チャネルおよび第1および第2の低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれについて、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバの第1および第2グループのそれぞれは、圧力を調整するためにそれぞれ第1の高圧および低圧チャネルおよび第2の高圧および低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;ローブの第1および第2グループであって、作動チャンバの第1および第2グループは、ローブの第1および第2グループに対してそれぞれ移動可能であり、ローブは、作動チャンバの第1および第2グループとローブの第1および第2グループがそれぞれ互いに対して移動し、ピストンがローブとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように成形および配置される、ローブの第1および第2グループとをさらに備え;作動チャンバの第1グループは、第1のロータまたは第1のステータの一方の一部を含み、ローブの第1グループは、第1のロータまたは第1のステータの他方の一部を含み;作動チャンバの第2グループは、第2のロータまたは第2のステータの一方の一部を含み、ローブの第2グループは、第2のロータまたは第2のステータの他方の一部を含み;第1のステータに対する第1のロータの完全な回転は、第2のステータに対する第2のロータの完全な回転よりも低い変位量をもたらす、デジタル油圧機械が提供される。
【0082】
第2のロータおよびステータは、それぞれ、第1のロータおよびステータよりも大きいリング直径を有することができる。
【0083】
機械は、第1および第2のロータがそれぞれその上で回転する第1および第2のシャフトと、シャフトを結合するように動作可能な、ロータの間のクラッチとをさらに備えてもよい。
【0084】
機械は、その上でロータが回転するシャフトと、第1および第2のロータをシャフトにそれぞれ結合する第1および第2のクラッチとをさらに備えてもよい。
【0085】
別の態様によれば、デジタル油圧機械であって、作動チャンバと;高圧チャネルおよび低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれに対して、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバのそれぞれは圧力を調整するために高圧チャネルおよび低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;軸方向に延在するローブのリングであって、作動チャンバはローブに対して軸方向および周方向に移動可能であり、ローブは、作動チャンバおよびローブがそれぞれ互いに対して周方向に移動し、ピストンがローブとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように成形および配置され、およびローブのリングの完全な回転からもたらされる作動チャンバの総変位量がローブに対する作動チャンバの軸方向位置に依存するようにローブは振幅および数の少なくとも一方が軸方向に変化する、軸方向に延在するローブのリングとを備えるデジタル油圧機械が提供される。
【0086】
作動チャンバに対するローブの完全な回転からもたらされる作動チャンバの総変位量は、ローブと作動チャンバとの間の相対運動が一方向に軸方向に進むにつれて単調に変化し得る。
【0087】
ローブおよび作動チャンバが互いに対して一方向に軸方向に移動し得るにつれ、総変位量は変化し、一定に保たれ、その後再び変化する可能性がある。
【0088】
ローブのリングはロータの一部を構成し得、作動チャンバはステータの一部を構成し得、作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きは、ローブのリングをシャフトに沿って軸方向に動かすことによって引き起こされ得る。
【0089】
ローブのリングはロータの一部を構成し得、作動チャンバはステータの一部を構成し得、作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きは、ローブのリングが固定されているシャフトを軸方向に動かすことによって引き起こされ得る。
【0090】
ローブのリングはロータの一部を構成し得、作動チャンバはステータの一部を構成し得、作動チャンバとローブのリングの相対的な軸方向の動きは、作動チャンバを含むケースを軸方向に動かすことによって引き起こされ得る。
【0091】
別の態様によれば、デジタル油圧機械であって、作動チャンバのリングと;高圧チャネルおよび低圧チャネルと;作動チャンバのそれぞれに対して、作動チャンバ内の圧力に応じて移動可能なピストンであって、作動チャンバのそれぞれは、圧力を調整するために高圧チャネルおよび低圧チャネルに選択的に流体結合可能である、ピストンと;作動チャンバのリングに対して偏心して配置されたカムリングであって、作動チャンバとカムリングが互いに対して回転し、ピストンがカムリングとの接触を維持する場合、ピストンに往復運動させるように、カムリングと作動チャンバは互いに対して回転可能である、カムリングとを備える、デジタル油圧機械が提供される。
【0092】
別の態様によれば、テザーエンジンであって、テザーを格納するように構成されたテザー格納装置と;テザーをテザー格納装置に線形に出し入れするための線形テザー引込みおよび延伸ユニットとを備えるテザーエンジンが提供される。
【0093】
線形テザー引込みおよび延伸ユニットの駆動部は、それらの間でテザーが線形に延伸され引き込まれるホイールを備えてもよい。
【0094】
線形テザー引込みおよび延伸ユニットの駆動部は、それらの間でテザーが線形に延伸され引き込まれるトラックを備えてもよい。
【0095】
線形テザー引込みおよび延伸ユニットの駆動部は、それらの間でテザーが線形に延伸され引き込まれるベルトを備えてもよい。
【0096】
本概要は、必ずしもすべての態様の範囲全体を記載するものではない。他の態様、特徴、および利点は、特定の実施形態の以下の記載を検討すると、当業者には明らかになるであろう。
【0097】
添付図面中に1つまたは複数の例示的な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0098】
図1図1A図1B。係留された翼を使用して風力エネルギーを利用するためのシステムの例示的な実施形態を示す。
図2図2A図2B。例示的な係留された翼を示す。
図3図3A図3C。例示的な回転テザーエンジンを示す。
図4図4A図4G。例示的な線形テザーエンジンを示す。
図5図5A図5D。カムリングデジタル油圧機械の例示的な実施形態を示す。
図6】カムリングデジタル油圧機械の例示的な実施形態を示す。
図7】追加的な例示的な実施形態による、1つまたは複数の作動チャンバの機能が停止されているデジタル油圧機械を示す。
図8】追加的な例示的な実施形態による、1つまたは複数の作動チャンバの機能が停止されているデジタル油圧機械を示す。
図9】追加的な例示的な実施形態による、1つまたは複数の作動チャンバの機能が停止されているデジタル油圧機械を示す。
図10】追加的な例示的な実施形態による、1つまたは複数の作動チャンバの機能が停止されているデジタル油圧機械を示す。
図11】追加的な例示的な実施形態による、1つまたは複数の作動チャンバの機能が停止されているデジタル油圧機械を示す。
図12】追加的な例示的な実施形態による、1つまたは複数の作動チャンバの機能が停止されているデジタル油圧機械を示す。
図13図13A図13C。追加的な例示的な実施形態による、1つまたは複数の作動チャンバの機能が停止されているデジタル油圧機械を示す。
図14図14A図14B。異なる変位量を有する例示的な作動チャンバアセンブリを示す。
図15図15A図15B。それぞれクラッチを備える例示的な作動チャンバアセンブリを示す。
図15C図15Bに示されたタイプの例示的なクラッチを詳細に示す。
図16図16A図16F。追加的な実施形態による、デジタル油圧機械で使用できる様々なカムリングプロファイルを示す。
図17図17A図17C。追加的な実施形態による、デジタル油圧機械で使用できる様々なカムリングプロファイルを示す。
図18図18A-18B。追加的な実施形態による、作動チャンバおよびカムリングが互いに同心状である(図18A)および偏心している(図18B)例示的なデジタル油圧機械を対比する。
図19】別の実施形態による、例示的なテザーエンジンを示す。
図20図20A図20B。軸方向に互いにオフセットされているピストンおよびカムリングを有するデジタル油圧機械の例示的な実施形態のそれぞれ側面図および斜視図を示す。
図21】カムリングと半径方向に整列されないようにピストンが斜めにされる例示的なデジタル油圧機械を示す。
【発明を実施するための形態】
【0099】
環境に優しい再生可能なエネルギー源に対する差し迫った必要性がある。1つのそのような源は風である。風力エネルギーを経済的に収穫するために、複数の空中風力エネルギー(airborne wind energy:AWE)システムが提案されている。ポンピングカイトジェネレータ(pumping kite generator:PKG)は、そのようなジェネレータの一種である。PKGは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Loyd,M.L.(1980)、Crosswind kite power(for large-scale wind power production)、Journal of energy、4(3)、106-111で提案されているような横風原理を活用するAWEシステムの構成の1つである。膨大な量の風力が、従来の風力よりも大幅に低い均等化発電原価(Levelized Cost of Energy)で生成され得ることが示されている。
【0100】
PKGシステムでは、ほぼ円形または8の字の軌道の入ってくる風に対して概ね横方向に揚げられる高速の係留された翼(ウィングまたはカイトとも呼ばれる)からの引張り力が、発電機を備えた地上ステーションから収穫され、この間そのテザーは巻き出される(これは「パワーストローク」または「引張り段階」である)。パワーストロークの終わりに、翼はテザー張力を低減または最小化するために調整され、新しいパワーストロークの準備のために翼とテザーは迅速に巻き取られる(これは「引込みストローク」または「引込み段階」である)。パワーストロークはエネルギーを生成する一方、引込みストロークはその一部を消費する。サイクル全体の正味のエネルギー生産は、理想的にはプラスである。
【0101】
しかしながら、横風原理を使用しないエネルギー収穫のためのポンピングサイクルを使用する他のクラスのAWEが存在する。本明細書に記載される特定の実施形態は、これらの他のクラスにも適用可能である。これらの他のクラスには、マグナス効果バルーンポンピング、パラシュートのドラッグ/ポンピング、および翼の非横風ポンピングなどのシステムが含まれる。PKGは、本明細書で主に考察される実施形態である。
【0102】
PKG地上システムの望ましい特徴は、カイトを使用して生成される機械的動力の周期的性質にもかかわらず、エンドユーザ(例えば、電力網)に一貫した(「平滑化された」)電力を生成することである。PKGの別の望ましい特徴は、低コストの発電である。これは、より高い容量係数、より高い効率、より低い資本コスト、およびより低い運用コストのいずれか1つまたは複数によって実現可能である。PKGの効率は、ポンピングサイクルの結合された効率に依存し(例えば、引込み中のエネルギー消費を最小限に抑え、パワーストローク中のエネルギー収穫を最大化することが有利である)、これは、翼の空力効率と、関連するサブシステムの効率とに依存する(例えば、想定される動作範囲にわたって効率的なマシンを指定することが有利である)。
【0103】
本明細書では、PKG「地上ステーション」(別名「ドライブトレイン」)は、テザー張力を加えて管理するために、テザーに巻き(取りおよび出し)機能を提供する手段、ならびに、テザーから収穫した線形の機械的エネルギーを、エンドユーザに送達可能な電気エネルギー出力に変換する手段を指す。
【0104】
本明細書に記載される特定の実施形態は、油圧機械ベースの地上ステーションを備えるポンピングサイクルAWEシステムに関する。地上ステーションは、油圧ポンプ/モータ、油圧モータ、エネルギーアキュムレータ(例えば、油圧空気圧アキュムレータ)、発電機、および制御システムによって駆動されるテザーエンジンを備える。油圧PKG地上ステーションは、(前述の電気地上ステーションと比較して)より高い効率とより低い資本コストを保有することが想定される。
【0105】
デジタル油圧機械は、機械を構成する複数の作動チャンバから作動チャンバを選択的に機能停止する可変容量型油圧機械のサブセットである。この機能停止は、チャンバの入口および出口弁の選択的制御によって達成され、その結果、機能停止されたチャンバは、それによって流体が移動されるときに機械的な動作を行わない(受け入れない)。デジタル油圧機械の例は、Diineff ASによるDigital Distributor Valve Systemである。
【0106】
デジタル油圧の水平軸風力タービン(horizontal axis wind turbine:HAWT)ドライブトレインへの適用は、従来技術に記載されている。HAWTは技術的にはPKGとは異なる。通常の(発電)動作では、HAWTは一般に風によって一方向にのみ駆動されるが、低速の双方向モータリングは、例えばメンテナンスの位置決めのために許可される場合がある。対照的に、通常の動作のPKGは、巻き出し速度を超える巻き取り速度のかなりの速度比(例えば、空力的に効率的なカイトの場合は通常5倍超)の周期的な双方向テザー動作を必要とする(低出力高速モータリングおよび高出力低速ポンピング)。
【0107】
本明細書の特定の実施形態は、デジタル油圧を含む地上ステーションを備えたPKGを含む。特定の実施形態において、デジタル油圧システムは、機能停止された作動チャンバに流体を依然出し入れすることができる(例えば、チャンバと同様の圧力のマニホルドとの間で流体が交換/スイッシュされる)。これには少なくとも2つの欠点がある:流体が依然移動しているため、機能停止した作動チャンバ内で流体摩擦によりエネルギーが失われ、速度とともに粘度損失が増加する;また、流体のキャビテーションや構成要素の浮きが発生する臨界速度を超えると機械的故障のリスクがある。キャビテーションは、機能停止した作動チャンバを充填するシステムの能力が、例えばクランクシャフトにしっかりと連結された急速に収縮するピストンからの要求によって超えられる場合に発生する可能性がある。一方、カムに従うピストンは、カムのプロファイルと回転速度が、システムが満たすことができない充填率を表すときに、カムから浮くことがある。
【0108】
したがって、特定の他の実施形態は、上述の流体の移動の問題に対処するための特定の1つまたは複数の追加の改善を含む。これらの適応により、機能停止した作動チャンバで発生する流体運動の量が減少する。これは、ある範囲の速度でポンプ/モータの効率を向上させ、PKGの際立った低速および高トルクのテザーパワーストロークおよび高速および低トルクのテザー引込みストロークに特に有益である。
【0109】
例示的な一実施形態では、PKGは、地上ステーションおよび係留された翼を備える。翼は、空力の結果として可変テザー張力を生成する能力を持つ任意の操縦可能な飛行装置を備える。地上ステーションは、テザー(テザーエンジン)に結合して操作する手段と、収穫した風力エネルギーを発電機に転送する手段とを備える。
【0110】
PKGの名称は、風力エネルギーを収穫するその方法に由来する。PKGは、少なくともパワーストローク(引張り段階中)と引込みストローク(引込み段階中)とを含むサイクルで動作する。パワーストローク中、翼に作用する空力がテザー張力を生成する。テザーは張力下に地上ステーションから引き出される。地上ステーションでこの張力と変位は、電気に変換される。引込みストローク中、翼に作用する空力は低減され、理想的にはテザー張力を低減するために最小限に抑えられる。テザーは地上ステーションを使用して引き込まれる。係留された翼と地上ステーションの残留抗力と慣性は、テザーエンジンへのエネルギー入力を必要とする。
【0111】
地上ステーションでのテザーからの機械的エネルギーは、理想的にはPKGサイクルにわたって正味の正である。ただし、電力はサイクルにわたって時変である。PKGがエンドユーザに一定の電力で電気を供給することが望ましい。したがって、地上ステーション内にエネルギーを蓄積し、地上ステーションから制御可能にエネルギーを放出する手段が提供される。これにより、エンドユーザに一定の(または負荷に従う、すなわちエンドユーザが指定した)電力が許可され、ここでPKGサイクルの電力変動が除去される。エンドユーザへの電力は依然として平均的なエネルギー収穫変動(例えば、風速の変化による正味エネルギーのPKGサイクルごとの変動)の影響を受ける。しかしながら、アキュムレータの容量と充電状態に制約されるため、この変動は適切なサイズのアキュムレータでフィルタリングすることもできる。
【0112】
描かれた実施形態は、電気出力がエンドユーザの期待を満たすように風力エネルギーを貯蔵および放出する油圧機械ベースの地上ステーションを利用するPKGの方法、システム、および技術に向けられる。しかしながら、上述のように、異なる実施形態は異なるタイプのAWEを備えてもよい。
【0113】
特定の実施形態では、地上ステーションは、風がテザーを伸ばすことを可能にすることにより、引張り段階中に風力エネルギーを利用する。使用される風力エネルギーの少なくとも一部は、その風力エネルギーを使用して発電する前に保存される。引込み段階中、引張り段階中に保存された風力エネルギーの少なくとも一部がテザーを引き込むために使用される。風力エネルギーは、テザーに機械的に結合されたデジタル油圧ポンプを使用して利用され、保存された風力エネルギーの少なくとも一部は、テザーを引き込むために使用される。特定の実施形態では、保存された風力エネルギーの少なくとも一部は、テザーに機械的に結合されたデジタル油圧モータを使用してテザーを引き込むために使用される。利用される風力エネルギーは、機械的に(例えば、アキュムレータを使用して)またはバッテリーまたはスーパーキャパシタを使用するなどして非機械的に保存され得る。エネルギーが非機械的に保存される特定の実施形態では、引込み段階中のエネルギーは、引込み段階中にテザーを引き込むために電気モータに直接電力を供給するために使用され得る。使用される風力エネルギーは、引張りおよび引込み段階の一方または両方の間に電気を生成するために使用されてもよい。例えば、引込み段階中、発電に使用されるエネルギーは、引張り段階中に保存された風力エネルギーを含む。引張り段階中、発電に使用されるエネルギーは、現在または以前の引張り段階中に保存されたエネルギーと、使用されてから保存されていない現在の引張り段階中に使用されるエネルギーの一方または両方を含む。したがって、発電に使用されるエネルギーは、一定の電力がユーザに提供されるように、必要に応じて保存されたエネルギーで緩衝することができる。
【0114】
図1Aを参照すると、係留された翼200を使用して風力エネルギーを利用するためのシステム100の例示的な実施形態が示されている。示された実施形態では、システム100はPKGである。システム100は、少なくとも1つのテザー102に結合された翼200(図1Aには示されていないが、図2Aおよび2Bに示されている)と、テザー102に結合された地上ステーションとを備える。地上ステーションは、少なくとも1つの低圧油圧回路118bおよび1つの高圧油圧回路118a(まとめて「油圧回路118」)と、テザー102に結合され、テザー102を操作できるテザーエンジン104と、テザーエンジン102に機械的に結合され、油圧回路118に油圧的に結合された少なくとも1つの油圧ポンプ/モータ112と、高圧回路118aに油圧的に結合されたアキュムレータ108と、低圧回路118bに油圧的に結合された低圧油圧リザーバ110と、電気を生成して生成された電気を送電網に送るための1つ以上の発電機116に機械的に結合された1つまたは複数の油圧モータまたはポンプ/モータ114(「発電機油圧モータ114」)と、地上ステーションおよび翼200またはデバイスのファーム(図示せず)を制御するためのハードウェアおよびソフトウェアの適切な組み合わせを含む制御システム106とを備える。図示の例示的な実施形態では、制御システム106は、完全に地上ステーションに配置され、異なる実施形態(図示せず)では、制御システム106は、完全に他の場所(例えば、地上ステーションから離れた地面上または翼200内)に配置されるか、いくつかの場所(例えば、部分的に図1Aに示された地上ステーションにおよび翼200内に)に分散され配置されてもよい。例示的な一実施形態では、地上ステーションを制御する手段は、コントローラ(図示せず)を備え、それ自体が、ランダムアクセスコンピュータメモリなどの非一時的コンピュータ可読媒体に通信可能に結合されるプロセッサを備える。媒体には、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードであって、プロセッサによって実行されると、プロセッサに本明細書に記載の例示的な方法の1つまたは複数を実行させるコンピュータプログラムコードが格納されている。
【0115】
図1Bは、システム100の別の実施形態を示す。図1Bでは、システム100は、油圧回路118にそれぞれ流体的に結合された以下のいずれか1つまたは複数を含む:電気式または燃焼式原動機130を使用してアキュムレータ108を充電するための油圧ポンプ128、加熱、冷却、および/または濾過のための油圧流体調整システム126、および油圧システム100からの過剰エネルギーを散逸する手段を提供するための削減装置124。システム100は、追加の機能を提供するサブシステムを形成するために油圧回路118に接続された他のエネルギー消費装置および生産装置を含むこともできる。例えば、システム100は、テザー102の巻き取り/巻き出しを容易にする均等巻き装置122、およびテザーエンジン104の格納を補うための、ドラムなどの追加のテザー格納装置120の一方または両方を備えてもよい。
【0116】
図1Aおよび1Bのシステム100は、システム100のファームを形成するために追加のシステム100と油圧および/または電気的に結合されてもよい。ファームの一実施形態では、ファームを構成するシステム100のいずれか1つまたは複数は、アキュムレータ108、ポンプ/モータ112、および/または発電機油圧モータ114を共有してもよい。共有は、システム100のいずれか1つまたは複数がアキュムレータ108にエネルギーを保存し、ポンプ/モータ112に油圧で動力を供給し、および/または発電機油圧モータ114に油圧で動力を供給し得るように、油圧回路118にシステム100を流体的に結合することによって達成することができる。さらにまたは代わりに、共有は、システム100のいずれか1つまたは複数が、原動機130に動力を供給し、それにより、アキュムレータ108を間接的に充電し、ポンプ/モータ112に動力を供給し、および/または発電機油圧モータ114に動力を供給するようにシステム100を電気的に結合することによって達成することができる。
【0117】
翼200は、揚力面、構造、操縦手段、計装および制御の任意の適切な組み合わせを備えてもよい。図2Aは、空力制御面を特徴とする剛性構造の翼200(例えば、グライダー)の実施形態を示し、異なる実施形態は1、2、または3つのテザー102を特徴とする。図2Bは、柔軟な構造の翼200(例えば、ソフトカイト)の実施形態を示し、異なる実施形態は、風力エネルギーおよび操縦制御を地上ステーションと通信する1つ、2つ、3つ、または4つのテザー102を特徴とする。
【0118】
図3A~3Cを参照すると、回転ドラムウインチシステムに基づくテザーエンジン104の3つの実施形態が示されている。第1の実施形態(図3A)は単純なウインチ設計であり、回転ウインチドラムがテザー102を操作/張力付与し、格納する。第2の実施形態(図3B)は、シングルキャプスタン設計であり、キャプスタンがテザー102に張力を負荷/負荷解除し、テザー格納手段(例えばリール)がドラムによって提供される。シングルキャプスタンの設計は、図3Cのデュアルキャプスタンの実施形態など、複数のキャプスタンに拡張することができる。テザーエンジン104の構成要素は、動力伝達および/またはエアークラフト操縦のための任意の適切な数または構成のテザー102を収容するために並行して再現されてもよい。これらのテザーエンジン104は、テザー102をドラムの周りに巻き付ける特性を共有している。このアクションは、PKGアプリケーションで周期的に発生する。これは、テザー102に曲げが付与され、テザーの寿命に悪影響を及ぼすため、不利である。ドラムの半径を大きくすると、テザーの寿命への悪影響が減少するが、これの別の結果は、パワーおよび引込みストローク間の移行時に必要な追加の時間および/または力のためにその慣性がPKGサイクル効率を低下させる、より大きなテザーエンジン構成要素である。
【0119】
図4A~4Gを参照すると、線形テザーエンジン104の3つの実施形態が示されている。線形テザーエンジン104は、比較的低い慣性を有し、テザー102を大きく曲げることなく充電を処理する。PKG電力容量が増加すると、テザー直径も増加し、図3A~3Cのテザーエンジン104の問題も増加する。テザー102を直線的に展開および引き込むことにより、この問題に対処する。これらの線形テザーエンジン104の第1の実施形態(図4A)は、ホイール404の形態の少なくとも1対の対向要素を備え、一方または両方のホイール404は、アクチュエータ410に機械的に結合される(例えば、共通の油圧ポンプ/モータを共有するまたはホイールごとに1つの油圧ポンプ/モータ)。PKGパワーストローク中、テザーエンジン104を使用して利用されるテザー102の直線運動はエネルギーに変換される。PKG引込みストローク中、テザー102を引き込むためにテザーエンジン104を駆動することができる。図4Bおよび4Cのそれぞれ第2および第3の実施形態では、第1の実施形態の対向ホイール404は異なる対向要素で置き換えられている、すなわち、図4Bではトラックプレート406のバンドおよび図4Cでは可撓性ベルト408で置き換えられている。図4Aのように、アクチュエータ410は、図4Bおよび4Cのそれぞれトラックプレート406およびベルト408に動力を供給する。
【0120】
図4Dから4Gは、線形テザーエンジン104の代替実施形態で使用できる対向要素の追加の向きを示す。図4Dおよび4Eは、テザー102の1つの長手方向位置においてテザー102の周りに周方向に配置された、ホイール404の形態の4つの対向要素のそれぞれ斜視図および平面図を示す。図4Fおよび4Gは、テザー102の1つの長手方向位置においてテザー102の周りに周方向に配置された、ホイール404の形態の3つの対向要素のそれぞれ斜視図および平面図を示す。図4Dから4Gのそれぞれにおいて、ホイール404は、テザー102の周りに等間隔で配置されており、その結果、テザー102の周りで回転対称である。異なる実施形態(図示せず)では、対向要素は、テザー102に関して回転対称ではないように配置されてもよい。
【0121】
線形テザーエンジン104の追加の実施形態(図示せず)が可能であり、図4Aに示す対向要素の単一の対とは対照的に、対向要素の複数の対がテザー102に沿って配置されてもよく、また、前述の実施形態は対向要素の1つが別のタイプ(または低摩擦の不動表面)の代わりに使用されてもよい。加えて、テザー102に対して要素を係合させる力は、油圧回路118に結合されたアクチュエータ(図示せず;アクチュエータは、例えば、線形油圧ラムを含み得る)から得られてもよい。
【0122】
テザーエンジン104は、デジタル油圧ポンプおよびデジタル油圧モータに機械的に結合されてもよく、それは特定の実施形態では図1Aおよび1Bに示されるデジタル油圧ポンプ/モータの組み合わせ112を備えてもよい。図1Aおよび1Bの実施形態などの特定の実施形態では、少なくとも1つの発電機116に結合された少なくとも1つの油圧モータ114(またはポンプ/モータ)も存在する。発電機116もモータリング可能である場合、発電機116を駆動するためのポンプ/モータのオプションは、アキュムレータの充電に使用される専用ポンプ128の代わりに使用できる。交流発電機が選択される場合、発電機116の回転速度は一定であることが望ましい。特定の実施形態では、可変変速機を介して発電機116とその油圧モータ114を結合しないこと、および/またはモータ114に油圧絞り装置を使用しないことが同じく望ましい。したがって、図1Aおよび1Bの実施形態は発電機116を可変容量型油圧モータ114(またはポンプ/モータ)に直接結合し、これにより、同期速度を維持しながら電力を変調できる。しかしながら、特定の異なる実施形態(図示せず)では、ギアボックスを使用して、モータ114と発電機116を結合することができる。使用されるギアボックスは、単一速度でも可変速度でもよい。テザーエンジン104は、PKGサイクルおよび風の変動性により、可変速度で可変電力を生成および消費する。一実施形態では、テザーエンジン油圧ポンプ/モータ112は、油圧流体の変位した体積と圧力(低圧回路と高圧回路の差)の積(収穫されたエネルギーに対応する)がパワーストローク中に最大化され、引込みストローク中に同じ積が最小化されるように、すなわち、それら積の差がサイクル全体で最大化されるように作動される。以下でさらに詳細に考察されるように、テザーエンジン104に結合された油圧ポンプ/モータ112は可変容量のものであることが望ましい。油圧機械の可変容量とは、機械の1回転あたりに変位される流体の可変(および制御可能)量として定義される。
【0123】
デジタル油圧を使用する油圧ポンプ/モータ、ポンプ、またはモータは、複数のバイナリオンオフ油圧弁を使用して、作動チャンバを高圧および低圧流体チャネルに流体的に結合する。以下、デジタル油圧ポンプ/モータのコンテキストにおいてデジタル油圧について考察するが、異なる実施形態(図示せず)では、デジタル油圧は、互いに異なるデジタル油圧ポンプおよびデジタル油圧モータの一方または両方に適用されてもよい。
【0124】
デジタル油圧ポンプ/モータは複数の作動チャンバを備え、各チャンバは少なくとも1つの入口弁および1つの出口弁を含み、弁は、制御システムがそれらを自由に作動できるという点でアクティブである。デジタル油圧ポンプ/モータは、作動チャンバごとに、低圧および高圧マニホルド、またはチャネルのそれぞれについて少なくとも1つの電子制御弁を備えていることによって特徴付けられる。対照的に、従来技術の非デジタル油圧装置は、ポンピング装置用のパッシブ弁(ボールチェック弁などの圧力差で動作する)、またはモータリング装置用のシャフト回転位置に機械的に連結されたアクティブ弁のみを含み得る。電子制御弁の制御を介して、ポンプ/モータの仕事に寄与する変位に参加するようにまたはしないように、デジタル油圧ポンプ/モータの作動チャンバを選択することができる。
【0125】
図5Aを参照すると、デジタル油圧ポンプ/モータ112の1つの例示的実施形態が示されている。これは、シャフト602(図6に示す)を受け入れるための中央開口516を有するマルチローブカムリングを含む。カムリングは複数のローブ510を備え、図5Aでは、ポンプ/モータ112のロータ502を備える。ステータ504は、それらの主軸が平均的なカムリングカム表面に実質的に垂直であるカムリングの周りに周方向に配置された複数の作動チャンバ506と、低圧流体マニホルド(以下、交換可能に「低圧チャネル514」と呼ぶ)と、高圧流体マニホルド(以下、交換可能に「高圧チャネル512」と呼ぶ)と、これらを支持するためのケース1304(図5Aには示されていないが、図13には示されている)とを備える。各作動チャンバ506は、シリンダ(ケース1304から形成され得る穴)の内面と、チャンバ506の一端の表面と、チャンバ506に沿って移動し、その非チャンバ側が、従動子を使用するなどしてカムリングに従動するチャンバ506の他端のピストン508と、チャンバ506と低圧チャネル514との間で流体連通する1つの低圧弁704と、チャンバ506と高圧チャネル512との間で流体連通する1つの高圧弁702とを備える。したがって、ローブ510および作動チャンバ506は互いに対して移動可能であり、したがって、ローブ510は、作動チャンバ506およびローブ510が互いに対して移動し、ピストン508がローブ510との接触を維持するときにピストン508に往復運動させるように成形および配置される。
【0126】
図5Bを参照すると、デジタル油圧ポンプ/モータ112の第2の実施形態が示されている。図5Bでは、ステータ504は、固定ケースに固定されたマルチローブカムリングを備え、ロータ502は、シャフトに固定されたキャリアケースであって、それらの主軸が平均的なカムリングカム表面に実質的に垂直であるカムリングの周りに周方向に配置された複数の作動チャンバ506を支持するキャリアケースを備える。図5Bのポンプ/モータ112は、低圧流体チャネル514および高圧流体チャネル512をさらに備える。各作動チャンバ506は、シリンダ(ケース1304から形成され得る穴)の内面と、チャンバ506の一端の表面と、チャンバ506の反対端にあり、チャンバ506に沿って移動し、その非チャンバ側が、従動子を使用するなどしてカムリングに従動するピストン508と、チャンバと低圧チャネル514との間で流体連通する1つの低圧弁704と、チャンバ506と高圧チャネル512との間で流体連通する1つの高圧弁702とを備える。
【0127】
図5Cを参照すると、デジタル油圧ポンプ/モータ112の第3の実施形態が示されている。これは、固定カムリングステータ504を備え、そのロータ502は、シャフトに固定されたキャリアケースであって、それらの主軸が平均的なカムリングカム表面に実質的に垂直であるカムリングの周囲に周方向に配置された複数の作動チャンバ506を支持するキャリアケースと、低圧チャネル514と、高圧チャネル512とを備える。各作動チャンバ506は、シリンダ(ケース1304から形成され得る穴)の内面と、チャンバ506の一端の表面と、チャンバ506の反対端にあり、チャンバ506に沿って移動し、その非チャンバ側が、従動子を使用するなどしてカムリングに従動するピストン508と、チャンバと低圧チャネル514との間で流体連通する1つの低圧弁704と、チャンバ506と高圧チャネル512との間で流体連通する1つの高圧弁702とを備える。
【0128】
図5Dを参照すると、デジタル油圧ポンプ/モータ112の第4の実施形態が示されている。これは、シャフトに結合された可動カムリングロータ502と、それらの主軸が平均的なカムリングカム表面に実質的に垂直であるカムリングの周囲に周方向に配置された複数の作動チャンバ506を備えるステータ504と、低圧チャネル514と、高圧チャネル512と、これらを支持するケース1304とを備える。各作動チャンバ506は、シリンダ(ケース1304から形成され得る穴)の内面と、チャンバ506の一端の表面と、チャンバ506の反対端にあり、チャンバ506に沿って移動し、その非チャンバ側が、従動子を使用するなどしてカムリングに従動するピストン508と、チャンバと低圧チャネル514との間で流体連通する1つの低圧弁704と、チャンバ506と高圧チャネル512との間で流体連通する1つの高圧弁702とを備える。
【0129】
図5A~5Dの実施形態では、弁は制御装置によって選択的に制御される。
【0130】
図5Cおよび5Dの実施形態は、内側カム表面を備えたカムリングを特徴とすることにより(すなわち、カムリングが作動チャンバ506の外側にある)、図5Aおよび5Bの実施形態と区別される。対照的に、図5Bおよび5Dの実施形態は、それらのロータ502をステータ504の外側に配置することにより(すなわち、アウトランナー構成)、図5Aおよび5Cの実施形態と区別される。
【0131】
以下の記載は、図5Aの実施形態に関するものである。したがって、「カムリング」への言及はロータ502への言及でもある。しかしながら、以下の記載は、図5B~5Dの実施形態などの他の実施形態にも同様に当てはまる。
【0132】
デジタル油圧ポンプ/モータ112の追加の実施形態は、例えば、共通シャフト602(図6)に沿って複数のカムリングおよび作動チャンバグループを軸方向に配置することによって、作動チャンバ506あたりの弁の数を増やして流れを改善しおよび/またはアクティブおよびパッシブ弁の役割を分離することによって、および/または作動チャンバ軸を傾けて、カムリング表面のサブセットに対する力の伝達を促進する(すなわち、シャフト602の回転方向の1つにおいてシャフト602へのトルク適用を促進する)ことによって、発展させることができる。
【0133】
可変容量型油圧機械がデジタル油圧機械である特定の例示的な実施形態では、ポンプ/モータ112は低速カムリング機械であり、発電機油圧駆動モータ114は高速ラジアルピストンタイプ機械であり、これはカムリングがなく、ピストンがクランクシャフトの偏心部分に連結されている。偏心部分は円形であってもよい(この場合、ピストンストローク長は偏心の値の2倍に等しい)。高速可変容量型ラジアルピストン機械の例は、Artemis Intelligent Power Limitedによって開発された。図1Aおよび1Bの実施形態では、ポンプ/モータ112の低圧チャネル514は低圧回路118bに接続され、高圧チャネル512は高圧回路118aに接続され、ポンプ/モータシャフト602は、回転運動を伝達するためにテザーエンジン104に結合され、ポンプ/モータ回転静止構成要素(すなわち、ステータ504)には、回転運動を抑制する手段(例えば、トルクアーム)が提供される。
【0134】
ポンピングモードでのポンプ/モータ112の動作は、ピストン508がカムリングピーク(すなわち、ローブ510のピーク)からローブ510間の谷へと従動するときに作動チャンバ506が低圧弁704から流体を受け入れること;最大チャンバ容積近くでの低圧弁704の閉鎖;シャフト602およびカムリングの回転がピストン508をより小さなチャンバ容積に押し遣るときの流体の加圧;(ストローク中に)チャンバ506内の圧力が高圧チャネル512の圧力に等しいかまたはそれを超えるときの高圧弁702の開放;最小チャンバ容積近くでの高圧弁702の閉鎖;低圧弁704の開放;およびカムリングの周期ごとのサイクルの繰り返しを伴う。本明細書で使用するとき、カムリングの「周期」とは、カムリング上のローブ510の1つを指す。
【0135】
モータリングモードでのポンプ/モータ112の動作は、ピストン508がカムリングピーク(すなわち、ローブ510のピーク)からローブ間の谷へと従動するときに作動チャンバ506が高圧弁702から流体を受け入れること(これはシャフト602を回転させる);最大チャンバ容積近くでの高圧弁702の閉鎖;シャフト604およびカムリングの回転がピストン508をより小さいチャンバ容積に押し遣るときの低圧弁704を介した流体の放出;最小チャンバ容積近くでの低圧弁704の閉鎖;高圧弁702の開放;および、カムリングプロファイルの周期ごとの(すなわち、カムリング上のローブ510ごとの)サイクルの繰り返しを伴う。
【0136】
カムリングプロファイルは、いくつかの周期(すなわち、複数のローブ510)を有し得る。したがって、作動チャンバ506は、カムリング/シャフト602の回転ごとにその容積を数回変位させることができる。制御装置は、チャンバ変位の弁制御シーケンシングにより、回転の方向およびポンピング対モータリング選択を決定する。
【0137】
追加の実施形態は、作動チャンバ506のそれぞれに対するシャフト602の角変位およびシャフト602の角速度を知る手段を備える。例示的な一実施形態では、制御装置は、シャフト角度位置センサ、ならびにシャフト602、カムリング、ピストン508、およびチャンバ506間の既知の幾何学的関係からこの知識を決定する。弁作動および制御ロジックは電子的であり、これは任意の弁作動を可能にする。例示的な一実施形態では、弁の作動は、オペレータの指示(例えば、方向およびポンプ対モータモード)を反映する入力を有する制御装置などのロジックおよび前述の変位情報により制御され、その結果、作動チャンバ506への、および作動チャンバ506からの流体アドミタンスがその意図を表現する。
【0138】
シャフト602の1回転当たりのポンプ/モータ112の変位量は、回転の一部または全部について、作動チャンバ506の任意のサブセットの「機能停止」によって変化されてもよい(ポンプ/モータ112内の任意の作動チャンバサイクルが機能停止されてもよい)。機能停止の1つの手段が図7に示されている。図7では、機能停止される作動チャンバ506のそれぞれについて、低圧弁702または高圧弁704が開かれ、1つのピストン508の往復運動に対して開かれたままである。図示の実施形態では、各機能停止作動チャンバ506の低圧弁704が開かれている。図7に示すように、結果は、モータリングまたはポンピングに向けて行われた正味の仕事がないように、共通の圧力で、機能停止した作動チャンバ506と低圧チャネル514との間で流体が交換される。したがって、前述の弁制御ロジックへの追加の入力は、正味の仕事に寄与するポンプ/モータ112の意図的な生産的変位であり得る。
【0139】
機能停止のオプションに加えて、1つのシャフト602の回転に対する作動チャンバ506の累積変位量は、作動チャンバ506の幾何学的形状、ピストン508の幾何学的形状、任意選択の従動子の幾何学的形状、カムリングプロファイルの振幅、および/またはカムリングプロファイル周期の量(これは単一のローブの場合を含む)の関数である。クランクシャフトマシンの場合、最後の3つはクランクアームの幾何学的形状で置き換えられ、マシンの1回転ごとに厳密に1つのピストン508往復運動が行われる。これらのパラメータは、作動チャンバ506ごとに異なってもよい。本明細書で使用する際、「作動チャンバのグループ」は、互いに同一平面にあるカムリングのローブを共有する任意の数の作動チャンバ506である。例えば、図7では、作動チャンバのグループがカムリングを共有し、カムリングのローブは同一平面上にある。図7の作動チャンバのグループは、シャフト602の長手方向軸に垂直なカムリングの断面に配置されている。すなわち、作動チャンバ506は、その法線がシャフト602の長手方向軸に平行なカムリングの断面に配置される。図20Aおよび20Bは、作動チャンバのグループが図7のように半径方向にオフセットされるのではなくカムリングから軸方向にオフセットされた別の実施形態を示す。追加の実施形態が可能である。例えば、いくつかのサイズの作動チャンバ506がグループ内に存在してもよく、カムリング周期の数(すなわち、ローブ510の数)および/またはそれらの振幅は、2つの作動チャンバグループ間で異なってもよい。別の例として、図21は、カムリングと半径方向に整列しないように、ピストン508がカムリングの中心に対して角度を付けられている実施形態を示している。
【0140】
前述の作動チャンバ506の機能停止手段は、ポンプ/モータ112の機能に寄与しない流体変位を伴う。この非生産的な流体運動を回避して、流体摩擦による寄生損失および/またはサイクル速度の制限を回避することが望ましい。
【0141】
追加のまたは代替の1つの例示的実施形態では、非生産的な流体運動を回避する作動チャンバ506の機能停止手段が提供される。これは、作動チャンバ506のピストン508を(カムリングプロファイルに従動し続けるのではなく)公称最小作動チャンバ506容積に近いかまたはそれ未満に固定することにより機能する。
【0142】
図7では、図示された弁702、704は電子的に作動される。本明細書で使用される際「電子作動」は、一実施形態において、パイロット弁(図示せず、例えば空気圧式または油圧式であり得る)に電子信号を送信し、パイロット弁が弁702、704を作動させて今度は直接または間接的に開閉させることを含み;別の実施形態では、弁702、704を直接開閉するソレノイドなどの電気アクチュエータ(図示せず)に電子信号を直接送信することを含む。異なる実施形態では、異なる形態の電子作動を使用することができる。さらに、図示の実施形態は弁702、704に電子作動を使用しているが、異なる実施形態(図示せず)の弁702、704は異なって作動されてもよい。
【0143】
図8から15Bを参照すると、改善された機能停止のいくつかの実施形態が示されている。第1の実施形態(図8)は、作動チャンバ506の最小容積近くで通常の弁作動を中断することを伴う。この時点で、すべての弁が閉じられ、ピストン508はこの後退位置に留まる。ピストン508の両側の力が平衡すると、機能停止した作動チャンバ506に含まれる流体のいくらかの膨張が起こる。圧縮性の低い流体(液体など)の場合、この膨張はわずかである。カムリングが回転し続けると、ピストン508はカムリング表面から持ち上がる。カムリングの次のピークが近づくと、ピストン508はそれを元々位置付けたカムリングのピーク(すなわち、ローブ510のピーク)よりもカムリングから遠くへ持ち上げられないため、カムリングとのピストン508の短時間の接触が起こり得る。理想的には、通常の作動チャンバ506の機能の再開(再起動)は、カムリングのピークがピストン508を通過する瞬間またはその近くで発生し、その結果、ピストン508は加速してカムリングと接触する最小距離が与えられ、かくして摩耗が回避される。
【0144】
後続の実施形態は、ピストン508をカムリングピークによって達成可能なものよりも小さいチャンバ容積まで後退させ、それによりカムリングピークが通過する際のカムリングとピストン508の潜在的な周期的接触を回避することによって、図8の実施形態を改善する。これらの実施形態では、ピストン508は、機能停止の対象となる作動チャンバ506に入射する流体圧力に対して付勢される力によって変位する。所与の作動チャンバ506について、力の付勢は、作動チャンバの流体に対向するピストン面の雰囲気の加圧(例えば、ポンプ/モータケース1302内の加圧)、いくつかの作動チャンバのピストン508を差動的に付勢するばね、および/または1つまたは複数の作動チャンバ506への流体接続性を備えた中圧マニホルドの導入の組み合わせによって生成され得る。
【0145】
図9Aおよび9Bを参照すると、作動チャンバ506の流体に対向するピストン508の面に共通の雰囲気を共有する少なくとも2つの作動チャンバ506を含む改善された作動チャンバ機能停止手段、および前記共通雰囲気(ケース1304内の圧力)を加圧する手段の第1の実施形態が示されている。この実施形態では、すべての作動チャンバ506は、ケース圧力が無視できる(例えば、大気圧である)場合に作業を実行する。1つの作動チャンバ506の改善された機能停止は、以下によって生じる、すなわち:機械の回転を停止し(これは図9Aではロータ502を停止することにより行われる);非ターゲット作動チャンバ506の低圧弁704を(開いている場合)閉じ(すなわち、その作動チャンバ506は作動したままになる)(それらの作動チャンバ506の高圧弁702は所与の状態のままであり得る);ターゲット作動チャンバ(すなわち、機能停止される作動チャンバ506)の高圧弁702を(開いている場合)閉じ;ターゲット作動チャンバ506の低圧弁704を(閉じている場合)開き;ケース圧力がターゲット作動チャンバ504の低圧流体の力に打ち勝つようにケース圧力を増加させ(非ターゲット作動チャンバ506の流体は圧縮に抵抗する);ターゲット作動チャンバ504を固定化し(例えば、低圧弁を閉じることによって);そしてカムリングからターゲット作動チャンバ506のピストン508が完全に持ち上げられたときに、ケース圧力を解放することによって、1つの作動チャンバ506の改善された機能停止は生じる。図9Bは、作動チャンバ506の弁702、704が閉じられている場合、ケース圧力の変化に応じて作動チャンバ506がどのように固定化するかを示している。本明細書で使用する際、作動チャンバ506の「固定化」とは、その作動チャンバ506にスライドして出入りするピストン508を固定化することを指す。
【0146】
別の実施形態(図示せず)では、ポンプ/モータ112は同じ構成要素を含む。この実施形態は、ケース圧力が無視できる(例えば、大気圧である)場合に仕事に寄与する両方の作動チャンバ506を有する。1つの作動チャンバ506の改善された機能停止は、両方の作動チャンバ506の低圧弁704を開き;両方の作動チャンバ506の高圧弁702を閉じ;ケース圧力が両方の作動チャンバ506内の低圧流体の力に打ち勝つようにケース圧力を増加させ(結果として両方の作動チャンバの容積が減少する);カムリングからターゲット作動チャンバのピストン508が完全に持ち上げられたときに、ターゲット作動チャンバを固定化し(例えば、その低圧弁704を閉じることにより);そして、その固定化の際に、ケース圧力を解放し、非ターゲット作動チャンバ506を通常の動作に戻すことによって起こる。この実施形態は、機械の回転の停止を回避することにより図9Aの実施形態と区別される。しかしながら、作動チャンバ506が機能停止状態に移行している間、作動チャンバ506は生産的ではない。
【0147】
図10A~10Dを参照すると、作動チャンバ流体に対向するピストン508の面上で共通の雰囲気(気体または液体環境)を共有する少なくとも2つの作動チャンバ506と、一方の作動チャンバ506を他方の作動チャンバよりも収縮方向に付勢するばね1002と、共通雰囲気(ケース圧力)を加圧するために使用される制御可能な圧力源/シンク1004とを含む改善された作動チャンバ機能停止手段の第2の実施形態が示されている。図10Aおよび10Bは、図示の実施形態では引張ばね1002であるばね1002が、作動チャンバ容積がゼロ(図10A)および非ゼロ(図10B)のときにピストン508と相互作用する方法を示す。この実施形態は、ケース圧力が無視できる場合(例えば、大気圧)に仕事に寄与する両方の作動チャンバ506を有する。1つの作動チャンバ506の改善された機能停止は、その高圧弁702を閉じ;低圧弁704を開き;制御可能な圧力源/シンク1004を使用してケース圧力を増加させ、その結果、ばね力とケース圧力の組み合わせが他方のチャンバ506の低圧流体の力に打ち勝つことなくターゲット作動チャンバ506の低圧流体の力に打ち勝つようにし;そして、任意選択的に、カムリングからターゲット作動チャンバピストン508が完全に持ち上げられたときに、低圧弁704を閉じ、源/シンク1004を使用してケース圧力を解放することによって起こる。図10Cは、ケース圧力が大気圧であるときのこの実施形態の動作を示し、図10Dは、上述のように、ケース圧力を使用してターゲット作動チャンバ506を機能停止したときのこの実施形態の動作を示す。
【0148】
別の実施形態(図示せず)では、前述のばね1002は、機能停止を改善することを意図されていない作動チャンバ506を作動チャンバの容積を増加させる方向に付勢することができる。すなわち、図10A~10Dに示されるような引張ばねとは対照的な圧縮ばねが使用されてもよい。この実施形態では、ケース圧力は、ケース力が、非ターゲットチャンバ506のばね力と低圧流体力の合計に打ち勝つことなく、ターゲット作動チャンバ506の低圧流体の力に打ち勝つように増大される。さらなる実施形態(図示せず)では、非ターゲット作動チャンバ506の容積の増大を付勢するばね力は、高圧油圧流体のアドミタンスに置き換えることができる。ここで、改善された機能停止のターゲットとなる作動チャンバ506は、最小容積で固定化され、機能停止されない作動チャンバ506の通常の動作が再開する。
【0149】
図11を参照すると、作動チャンバ流体に対向するピストン508面上の共通の雰囲気を共有する少なくとも2つの作動チャンバ506と、共通の雰囲気(ケース圧力)を加圧する制御可能な圧力源/シンク1004とを備える改善された作動チャンバ機能停止手段の第3の実施形態が示される。2つの作動チャンバ506はそれぞれ低圧チャネル514を備え、それらの低圧チャネル514の1つは中圧チャネルとして(その低圧チャネル514は以下「中圧チャネル」である)、中圧チャネル内で中圧を生成および維持する手段と組み合わせて使用される。中圧を維持するための手段は、モータリングモードでは、低圧チャネル514にフィードする中圧チャネルの背圧調整器1104および弁1108であり得、ポンピングモードでは、中圧チャネルにフィードする高圧チャネル512の調整器1102および弁1106であり得る。モータリングモードでは、この実施形態は、ケース圧力が無視できる場合(例えば、大気圧)に仕事に寄与する両方の作動チャンバ506を有する。一方、ポンピングモードでは、中圧チャネルに結合された作動チャンバ506は、低圧チャネル514に交換する弁がない場合、ケース圧力に関係ない寄生的な仕事への寄与である。1つの作動チャンバ506の改善された機能停止は、高圧弁702を閉じ;低圧弁704を開き;ケース圧力が他方のチャンバ506の中圧流体力に打ち勝つことなくターゲット作動チャンバ506の低圧流体の力に打ち勝つようにケース圧力を増加させ;そして、任意選択的に、カムリングからターゲット作動チャンバピストン508が完全に持ち上げられると、低圧弁704を閉じ、ケース圧力を解放することによって起こる。
【0150】
図12を参照すると、作動チャンバ流体に対向するピストン508の面上の共通の雰囲気を共有する少なくとも2つの作動チャンバ506と、共通の雰囲気(ケース圧力)を加圧する制御可能な圧力源/シンク1004と、図11に関して上に記載したような中圧流体チャネルと、中圧と低圧の間の中圧流体チャネル圧力を生成および制御する手段とを備える、改善された作動チャンバ機能停止手段の第4の実施形態が示されている。中圧を生成および制御する手段は、低圧チャネル514にフィードする中圧チャネルの弁付き背圧調整器1104および関連する弁1108;中圧チャネルにフィードする高圧チャネル512の弁付き調整器1102および関連する弁1106;および、低圧チャネル514と中圧チャネルとの間の流体連通を可能にする弁1214であり得る。この実施形態は、中圧チャネルが低圧で動作し、ケース圧力が無視できる場合(例えば、大気圧)に仕事に寄与する両方の作動チャンバ506を有する。1つの作動チャンバ506の改善された機能停止は、高圧弁702を閉じ;低圧弁704を開き;ケース圧力が他方のチャンバ506の中圧流体力に打ち勝つことなくターゲット作動チャンバ506の低圧流体力に打ち勝つようにケース圧力と中圧チャネル圧力の両方を増加させ;ターゲット作動チャンバピストン508を固定化し(例えば、そのすべての弁702、704の閉鎖を介して);そして、カムリングからターゲット作動チャンバピストン508が完全に持ち上げられ/固定されると、ケース圧力を解放し、中間チャネル圧力を低圧に戻すことによって起こる。この実施形態は、作動チャンバ506を機能停止状態に移行するときにもっぱら中圧チャネルを中圧で作動させることにより、図11の実施形態とは区別される。このアプローチの利点は、中圧を維持することによって生じる絞りの非効率の発生を低減することである。
【0151】
図13A~13Cを参照すると、作動チャンバ流体に対向するピストン面上に異なる雰囲気を有する少なくとも2つの作動チャンバ506と、一方の雰囲気圧力を優先的に増加させる差動制御可能な圧力源/シンク1302とを備える、改善された作動チャンバ機能停止手段の第5の実施形態が示されている。図13Aは、シャフト602に沿って配置された異なる作動チャンバグループに提供される異なるケース雰囲気を示しており、例示的実施形態のように、1つのグループは第1のケース1304の1つの圧力で、別のグループは第2のケース1306の別の圧力であるが、他の図示されない実施形態が可能である。この実施形態は、両方のケース圧力が無視できる場合(例えば、大気)に仕事に寄与する両方の作動チャンバ506を有する。1つの作動チャンバの改善された機能停止は、高圧弁702を閉じ;低圧弁704を開き;ケース圧力がターゲット作動チャンバ506の低圧流体の力に打ち勝つように、ターゲット作動チャンバ506のケース圧力を増加させ;増加したケース圧力がピストン508を持ち上げた後、ターゲット作動チャンバ506のピストン508を固定化し;そして、カムリングからターゲット作動チャンバピストン508が完全に持ち上げられると、ケース圧力を解放することによって起こる。ピストン508は、ターゲット作動チャンバ506の低圧弁704を閉じることにより固定化することができる。図13Bおよび13Cは、この実施形態の動作を示し、図13Bは、図13Cの第2のケース1306よりも低いケース圧力の第1ケース1304を示す。図13A~13Cは、差動制御可能な圧力源/シンク1302を示すが、異なる実施形態(図示せず)では、図10B~12の制御可能な圧力源/シンク1004は、図13A~13Cのいずれにおいても使用でき、それにより1つのケース雰囲気の圧力を他のケース雰囲気とは無関係に増減することが可能になる。
【0152】
作動チャンバの機能停止のための上述の方法、システム、および技術は、単独で、または以下に記載するように、さらなるポンプ/モータ適用と組み合わせて呼び出して、PKG性能を改善することができる。
【0153】
前述の実施形態に加えて、または代替として、ポンプ/モータ112は、作動チャンバ506の2つのアセンブリがパワーおよび引込みストロークに割り当てられるPKGシステム用に最適化されてもよい。本明細書で使用するとき、作動チャンバ506の「アセンブリ」1110は、それらの作動チャンバ506が作動チャンバ506の異なるグループの一部を含むか、同じグループ内から選択されるかに関わらず、作動チャンバ506の集合を指す。「重なり合うアセンブリ」への言及は、同一ではないが、少なくとも1つの作動チャンバ506を共有する作動チャンバ506の2つのアセンブリを指す。作動チャンバ506の機能停止は、アセンブリ1110間で選択するために使用され、アセンブリ1110のサブセットを構成する1つまたは複数のチャンバ506は、変位のさらなる分解のために機能停止にされてもよい。作動チャンバ506の機能停止がピストン508を固定するタイプのものである場合、このアプローチはまた、動作速度の範囲を増加させ得る。アセンブリ1110は、シャフト602の回転ごとの個々の変位量が異なり得る作動チャンバ506を備えてもよい。これらのアセンブリ1110は、(共通カムリング周りの)作動チャンバ506グループ全体を含むことができるが、これは必須ではない。
【0154】
図14Bは、軸方向に配置された少なくとも2つの作動チャンバアセンブリ1110a、bを備え、アセンブリの一方1110aが他方のアセンブリ1110bと変位量が異なる実施形態を示す。2つのアセンブリ1110a、bを含む実施形態の場合、一方のアセンブリ1110aの変位量はPKGパワーストロークに対して最適化され、他方のアセンブリ1110bの変位量/パラメータはPKG引込みストロークに対して最適化されることが好ましい。あるいは、一方のアセンブリ1110bがPKG引込みストロークに対して最適化されてもよく、両方のアセンブリ1110a、bの合計がPKGパワーストロークに対して最適化されてもよい。作動チャンバ506の機能停止は、PKGストローク:引込みストロークの高速、低変位量またはパワーストロークの低速、高変位量、に応じて作動チャンバ506の適切な1つまたは複数のアセンブリ1110を選択するために適用される。アセンブリ1110の追加の作動チャンバ506はまた、変位量をさらに改善するために機能停止にされてもよい。個々の変位量が異なる作動チャンバ506からの選択は、粗いポンプ/モータの変位量調整とみなすことができる一方、同様の個々の変位量の作動チャンバ506からの選択は、細かいポンプ/モータ変位量調整とみなすことができる。図14Bでは、アセンブリの一方1110aは、他方のアセンブリ1110bよりも大きな半径、より多くの作動チャンバ506、およびより多くのローブ510を有するロータ502およびステータ504を含む。より大きな半径を有するロータ502およびステータ504を有するアセンブリ1110aは、より大きな変位量を有し、パワーストローク中に作動され、引込みストローク中に機能停止される。より小さな半径を有するロータ502およびステータ504を有するアセンブリ1110bは、任意選択的に、パワーストローク中に作動され、引込みストローク中に作動される。
【0155】
図14Aは、2つの重なり合うアセンブリ1110、すなわち、パワーストロークアセンブリ1110aおよび引込みストロークアセンブリ1110bに集合された作動チャンバ506の4つのグループを含む実施形態を示す。引込みストロークアセンブリ1110bは作動チャンバ506の2つのグループを含み、パワーストロークアセンブリ1110aは、引込みストロークアセンブリ1110bおよび作動チャンバ506の追加の2つのグループを含む。したがって、パワーストロークアセンブリ1110aは、図14Bに関して前述したように。引込みストロークアセンブリ1110bよりも高い変位量を有する。
【0156】
上記の実施形態に加えて、または代替として、ポンプ/モータが、PKGシステム用に最適化されてもよく、ここで作動チャンバ506の2つのアセンブリ1110がパワーおよび引込みストロークに割り当てられ、クラッチ1502(図15Aおよび15Bに示される)がアセンブリ1110を選択するために使用され、アセンブリ1110のいくつかのサブセットが変位の追加の分解のために機能停止にされてもよい。
【0157】
図15Aおよび15Bを参照すると、少なくとも一方のグループが変位量および/または他の物理パラメータにおいて他方と異なる同軸上に配置された少なくとも2つの作動チャンバグループと、ポンプ/モータ出力シャフト602および1つの作動チャンバグループの回転運動の間に提供されたクラッチ1502とをそれぞれ含む2つの実施形態が示されている。クラッチ1502は、複数の作動チャンバグループの別個のシャフト602の間に設けられてもよく(図15A)、作動チャンバグループのカムリングとシャフト602の間に設けられてもよい(図15B)。クラッチ1502は、能動的または受動的に作動させることができる(図15Bは、受動的なフリーホイールタイプのクラッチを示している)。一実施形態では、作動チャンバグループの変位量は、すべてのグループの合計が高変位量パワーストローク用に最適化され、クラッチ1502の動作を介して使用するために分離されたグループのサブセットが低変位量引込みストローク用に最適化されるようなものである。一実施形態では、2つの作動チャンバグループは、その作用がスプラグクラッチの特徴である受動クラッチ1502によって結合される。作動チャンバグループは、(クラッチを介さずに)しっかりとテザーエンジン104に結合し、引込みストロークに最適化された変位量を有する。両方の作動チャンバグループの変位量合計は、パワーストローク用に最適化される。テザー102が翼200によって伸長されると、テザーエンジン104は、ポンピングモード(パワーストローク)で両方の作動チャンバグループを駆動する。テザー102を引き込むために、テザーエンジン104は、しっかりと結合された作動チャンバグループの作動チャンバ506のみが作動され、他のグループは機能停止にされるモータリングモード(引込みストローク)において油圧ポンプ/モータ112により反対方向に駆動される。この機能停止にされたグループの構成要素は、クラッチ1502の動作により静止している。クラッチにより切断された作動チャンバグループは、パワーストローク中に任意の適切な手段によって(すなわち、図7~14に関して記載したように、ピストン508を固定することなくクラッチ1502が引込みストローク中にピストン508の作動を防止するので、ピストン508の固定化を特徴とする上述の改善された手段なしに)機能停止にすることができ、それにより非生産的な流体運動が依然として回避される。したがって、前述の改善された機能停止技術を組み込む前に、ポンプ/モータ112の効率は、PKG用途に対して改善されている。作動チャンバ506を機能停止する前述の手段は、さらなるポンプ/モータ112の変位量制御のために作動チャンバ506に依然として適用されてもよい。その結果、ポンプ/モータ112は、非生産的な流体の動きを抑えて、PKGモードに応じてさまざまな変位量を実現することができる。図15Cは、図15Bに示されているタイプの例示的な受動フリーホイール型クラッチを詳細に示している。
【0158】
前述の実施形態に加えて、または代替として、デジタル油圧ポンプ/モータ112には、作動チャンバ506によって従動されるカムリングプロファイルの制御を通じて可変変位量の手段が提供される。カムリングプロファイルは、機械の回転軸に垂直な(所定の軸方向位置で取られた)カムリング断面の周辺として定義される。例示的なカムリングプロファイルは、平均半径、振幅、および周期の量(すなわち、ローブ510の数)のパラメータを含む正弦関数であり得る。例示的なカムリングプロファイルが図16A~16Fのように提供される。カムリングプロファイルの制御は、作動チャンバ506を持続的に機能停止することなくポンプ/モータ112の変位量を変更する。特定の実施形態では、可変変位量の範囲は、想定されるPKGパワーおよび引込みストロークに対して最適化される(例えば、プロファイルは、高容積用と低容積用との間で変わり得る)。
【0159】
例えば、一実施形態(図示せず)は、作動チャンバグループと、単一部品として構成されたまたは複数の部品を含む、軸方向に配置された少なくとも2つの異なる断面プロファイルを有するカムリング(例えば、図16B)と、作動チャンバ506(ピストン/従動子)のカムリングに対する軸方向の相対位置を変える手段とを備える。この実施形態は、ピストン508がカムリングとの干渉から解放されるようにカムリングプロファイルの変更のターゲットにされたすべての作動チャンバ506を機能停止すること、作動チャンバ506およびカムリングを相対的に変位させる手段の作動、および新しいカムリングプロファイル上での作動チャンバ506の再作動によって機能する。
【0160】
別の実施形態(図示せず)は、作動チャンバグループと、カムリングプロファイルが軸方向に変化する実質的に接線方向の表面連続性を有するカムリングと、カムリングに対する作動チャンバ506(ピストン/従動子)の相対位置を変更する手段とを備える。この実施形態は、位置決め手段の作動中に作動チャンバピストン/従動子がカムリングとの接触を維持し得るように、連続カムリング表面(例えば、図16C、16D、16E)を指定することによって、直前の実施形態と区別される。この実施形態のカムリングプロファイル制御は、カムリングプロファイルの変更のターゲットにされた作動チャンバ506の任意選択の機能停止、作動チャンバ506およびカムリングを相対的に変位させる手段の作動、および任意選択的に機能停止にされた作動チャンバ506の再作動によって機能する。異なるカムリングプロファイルが異なる数の周期を有する一実施形態では、異なる非ゼロ周期数のプロファイル間の中間がゼロ周期のプロファイルである(例えば、図16Eは、6個のローブと12個のローブとの間を移行し、ゼロローブ510の円筒状領域がそれらの間に軸方向に配置されているカムプロファイルを示す)。
【0161】
図17A~17Cを参照すると、油圧アクチュエータ1702の形態の作動チャンバおよびカムリングを相対的に変位させる前述の手段の3つの実施形態が示されている。油圧アクチュエータ1702が示されているが、異なる実施形態(図示せず)では、電気または空気圧アクチュエータなど、異なるが依然適切なタイプのリニアアクチュエータを使用することができる。
【0162】
図17Aは、作動チャンバ506を保持するケース1304が軸方向に固定化され、シャフト602が軸方向に固定化され、回転を制限するが軸方向の変位を可能にする手段を介してカムリングがシャフト602に結合され、油圧アクチュエータ1702がカムリングを軸方向に位置決めする一実施形態を示す。カムリングは、例えばキー溝またはスプラインを使用してシャフト602に結合されてもよい。アクチュエータ1702は、シフトフォークを介して作用し得る。この実施形態は、ケース1702内でカムリングを直接変位させることにより機能し、これにより、作動チャンバ506と整列されたカムリングプロファイルが変更される。
【0163】
図17Bは、軸方向に可動であるが回転は拘束されている作動チャンバ506を保持するケース1702、軸方向に固定化されたカムリングに固く接続されたシャフト602、ケースを軸方向に位置付けるアクチュエータ1702、およびポンプ/モータ112を油圧回路118に接続するコンプライアント手段を含む別の実施形態を示す。この実施形態は、ケース1702をシャフト602上で軸方向に変位させることによって機能し、これにより、作動チャンバ506と整列されたカムリングプロファイルが変更される。
【0164】
図17Cは、作動チャンバ506を保持する固定化されたケース1702、カムリングに固く接続され、軸方向に可動であるシャフト602、シャフト602を軸方向に位置決めするアクチュエータ1702、および軸方向に順応するカムリング接続シャフト602とテザーエンジン104(またはポンプ/モータ出力シャフト)の回転を結合する手段を含む別の実施形態を示す。この実施形態は、ケース1702内でシャフト602を軸方向に変位させることにより機能し、これにより、作動チャンバ506と整列されたカムリングプロファイルが変更される。
【0165】
ここで図18Bを参照すると、カムリングがローブ510を有さず、円筒形であるポンプ/モータ112の別の実施形態が示されている。カムリングおよび作動チャンバ506は両方ともリング形状であり、互いに対して偏心して配置されている。したがって、ローブ510がなくても、カムリングおよび作動グループ506の相対回転により、ピストン508が往復運動する。同心円状に配置された実施形態の作動チャンバ506ごとに経験される変位の例が、対比のために図18Aに示される。
【0166】
ここで図19を参照すると、テザー102が巻き付けられるドラム402と、ドラム402の回転軸と整列され、ドラム402、および油圧ポンプ/モータ112に固く結合された中心を有するリングギア1902とを含むテザーエンジン104の例示的な実施形態が示されている。3つの油圧ポンプ/モータ112が、リングギア1902に結合され、(モータとして作動する場合)リングギア1902を駆動し、(ポンプとして作動する場合)リングギア1902によって駆動される。ポンプ/モータ112のそれぞれは、単一の減速1902ギアを介してリングギア1902に結合されている。異なる実施形態(図示せず)では、2つ以上のギアを使用して、ポンプ/モータ112のいずれか1つまたは複数をリングギア1902に結合してもよく、および/または1つ、2つ、または3つを超える油圧ポンプ/モータ112をリングギア1902に結合してもよい。さらに異なる実施形態(図示せず)では、可変速ギアボックスを使用して、油圧ポンプ/モータ112をドラム402に結合することができる。
【0167】
制御システム106は、上述のようにPKGを操作する。制御戦略は、翼200の軌道、テザーエンジン104の方向および速度、エネルギー蓄積、および/または発電を制御することにより生成されるエネルギーのコストを最適化しようと努める。これらはPKGのパワー出力とシステムの摩耗に影響を与え、これらは収益と運用および保守コストに影響を与え、これらは電気のコストに寄与する。
【0168】
1つまたは複数の例示的な実施形態を、例示のみを目的として記載してきた。この記載は、例示および説明の目的で提示されているが、網羅的であることも開示された形態に限定されることも意図されていない。特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの修正および変更が当業者には明らかであろう。特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの変形および修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。例えば、図示の実施形態では、風力エネルギーが利用され、作動液を使用して気体の本体を圧縮するアキュムレータに機械的に保存される。しかしながら、異なる実施形態(図示せず)では、機械的エネルギーの保存および/または伝達が望まれる場合、油圧に加えて、または油圧の代替として空気圧を使用することができる。さらに、特定の他の実施形態(図示せず)では、利用された風力エネルギーは非機械的に保存される。それらの実施形態の1つでは、地上ステーションは、電池またはスーパーキャパシタなどの電気エネルギー保存手段をさらに備えてもよい。電気エネルギー保存を含むそのような実施形態では、電池またはスーパーキャパシタは、地上ステーションの発電機116およびPKG電気出力接続に電気的に結合され得る(例えば、電池またはスーパーキャパシタインターリンク/コントローラを介して)。これらの実施形態は、油圧回路118に結合された油圧空気圧アキュムレータ108を含んでも依然含まなくてもよく、これにより、静水圧式ドライブトレインの効率と堅牢性が向上するとともに、効率とコストプロファイルが次第に向上する新しい電気エネルギー保存技術を使用する選択肢も可能になる。エネルギー保存が非機械的(例えば、電気的)である特定の実施形態では、引込み段階中にテザー102を引き込むために、油圧モータの代わりに電気モータを使用してもよい。例えば、利用された風力エネルギーが電池に保存される実施形態では、電池は引込み段階中に電気モータに直接電力を供給し得、次に電気モータがテザーエンジンに電力を供給してテザーを引き込む。
【0169】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を記載するためのものであり、限定することを意図するものではない。したがって、本明細書で使用される際、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、本明細書における「名詞(s)」などの名詞接尾辞としての「(s)」の使用は、その名詞の1つまたは複数を意味する。
【0170】
本明細書で使用される場合、用語「含む、備える(comprises)」および「含む、備える(comprising)」は、1つまたは複数の記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、およびグループの存在または追加を排除しないことはさらに理解されよう。「頂」、「底」、「上方」、「下方」、「垂直」、「横方向」などの方向を示す用語は、相対的な参照を提供する目的でのみ以下の記載で使用され、使用中に物品をどのように配置するか、アセンブリまたは環境に対してどのように取り付けるかに関して制限を提案することを意図するものではない。さらに、本記載で使用される用語「結合する(couple)」および「結合された(coupled)」、「結合する(couples)」、および「結合している(coupling)」などのその変形は、特に明記しない限り、間接および直接接続を含むことを意図している。例えば、第1のデバイスが第2のデバイスに結合されている場合、その結合は直接接続によるもの、または他のデバイスおよび接続を介した間接接続によるものであり得る。同様に、第1のデバイスが第2のデバイスに通信可能に結合されている場合、通信は直接接続によるもの、または他のデバイスおよび接続を介した間接接続によるものであり得る。
【0171】
本明細書において選択肢のリストとともに「および/または」を使用することは、それらの選択肢の「いずれか1つまたは複数」を意味する。
【0172】
前述の実施形態で使用される制御装置は、例えば、その処理ユニットによって実行するためのプログラムコードが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体に通信可能に結合された処理ユニット(プロセッサ、マイクロプロセッサ、またはプログラマブルロジックコントローラなど)、マイクロコントローラ(処理ユニットと非一時的なコンピュータ可読媒体の両方を含む)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)であり得る。コンピュータ可読媒体の例は非一時的であり、CD-ROMおよびDVDなどのディスクベースの媒体、ハードドライブおよびその他の形式の磁気ディスクストレージなどの磁気媒体、フラッシュメディアなどの半導体ベースの媒体、ランダムアクセスメモリ(DRAMおよびSRAMを含む)、およびリードオンリーメモリを含む。
【0173】
本明細書で考察された任意の態様または実施形態の任意の部分は、本明細書で考察された任意の他の態様または実施形態の任意の部分と実装または組み合わせることができると考えられる。
【0174】
請求項の解釈において、少なくとも請求項にコンピュータ機器の存在または使用が明確に記載されている場合、本明細書に記載の実施形態を実施するためのコンピュータの使用が不可欠であることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図21