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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】顎サポート台付きEMS運動器具
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230427BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20230427BHJP
   A63B 23/03 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
A63B23/03
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021111084
(22)【出願日】2021-07-02
(65)【公開番号】P2023004777
(43)【公開日】2023-01-17
【審査請求日】2022-07-04
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521294276
【氏名又は名称】株式会社DIS
(74)【代理人】
【識別番号】110002882
【氏名又は名称】弁理士法人白浜国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加治 初彦
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0018611(US,A1)
【文献】特開2009-160459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0317803(US,A1)
【文献】特開2007-151747(JP,A)
【文献】特開2019-195580(JP,A)
【文献】特開2018-050755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N
A63B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顎サポート台付きEMS運動器具であって、
前記顎サポート台は、使用者の顎をサポートする台であり、
USB端子を有する電気刺激装置であり、
前記顎サポート台には、舌骨上筋群のうち、一対の顎舌骨筋とオトガイ舌骨筋とを同時に支持して筋肉トレーニングすることができる露出形の3個の電極パットが配置されていて、
前記顎サポート台を支持し、前記顎サポート台の倒立状態を安定させる重量を有する器具ベースを備え
前記器具ベースには、電源スイッチ、電源のON・OFFインジケータ及びパルス強度ダイヤルを含む操作系の各部材が配置されていて、
前記器具ベースは、使用者が前記顎サポート台に前記顎を載せた状態において、前記操作系の各部材が見えるような大きさを有することを特徴とする顎サポート台付きEMS運動器具。
【請求項2】
前記顎サポート台は使用者の顎の高さを調整可能な高さ調節部を有する請求項1記載の顎サポート台付きEMS運動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EMS運動器具に関し、特に舌骨上筋群を簡単に鍛えるのに好適な顎サポート台付きEMS運動器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主に筋肉や運動神経への電気刺激により筋収縮を起こすことで、筋力増強や筋委縮の予防、痙縮抑制などを目的に行われるEMS運動器具(EMSトレーニング器具)が知られている。
【0003】
EMS運動器具としては、例えば、お腹周りを効率的に鍛えるもの、腹筋を集中的に鍛えるもの、気になる部位(ウエスト・腕・脚)を効率的に鍛えるもの、腕を集中的にきたえるもの、脚を集中的に鍛えるものなどが市販されている。例えば、SIXPAD(登録商標)など。また、顔面筋を鍛えるものなども市販されている。これらのEMS運動器具は専用の導電性ジェルシートを使用するものが多く、装着に手間がかかり、ある程度の期間使用すると肌粘着性が低下するので、交換しなければならず、消耗品にかかるコストも高かった。
【0004】
高齢になると、咽頭部周辺の筋肉の衰えや、各筋肉の連携・協調の衰えにより、食事中の飲み込みが悪くなったり、食べ物が食道に流れづらくなったり、気管に流れてしまういわゆる誤嚥を起こしやすくなる。この誤嚥により、「誤嚥性肺炎」等の重篤な症状を引き起こす可能性がある。
【0005】
こうした食事中の飲み込みを改善させたり、誤嚥を引き起こすのを予防したりするには、舌骨上筋群、咽頭拳上筋群などの筋力強化を行うことが効果的であることが知られている。
【0006】
舌骨上筋群、咽頭拳上筋群の筋力強化を簡単に行えるEMS運動器具として、市販されているものは少ないが、関連する特許文献としては、例えば、特開2020-99742号公報(特許文献1)、特開2007-151747号公報(特許文献2)、特表2010-533031号公報(特許文献3)などが挙げられる。
【0007】
一方、これらのEMS運動器具(訓練装置)では、実際に食べ物を飲み込む動作を行わないので、最適な筋力強化及び筋肉の神経的連携を鍛えられないとして、実際に食べ物を飲み込む動作を行う嚥下用トレーニング器具が提案されている(特開2019-195580号公報(特許文献4))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2020-99742号公報
【文献】特開2007-151747号公報
【文献】特表2010-533031号公報
【文献】特開2019-195580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1は、バンドタイプのEMS運動器具(飲み込み訓練装置)で、電極が備えられた第一のバンドと第二のバンドとを固定部品で対象者の首に装着し、首の周囲に電極を貼り付けて飲み込み訓練の電気刺激を与える構成をしている。上記特許文献1の飲み込み訓練装置は、対象者に対する設置作業が面倒で簡単に対象者が一人で使用できるものではなかった。
【0010】
上記文献2は、ネックカラー型装着具の内面に表面電極2,3を貼り付けて使用するタイプであり、咽頭部全体の訓練が主であり、装着が面倒であり、高齢者等が家庭や老人施設で1人で使用できるような装置ではなかった。
【0011】
上記文献3は、バンドを首に装着するタイプであり、咽頭部全体の訓練が主であり、装着が面倒であり、高齢者等が家庭や老人施設で1人で使用できるような装置ではなかった。
【0012】
上記文献4は、操作者が意図的に訓練しないと効果が上げられない装置であり、ちょっとしたスキマ時間に簡単にできる器具ではなかった。
【0013】
上述したような課題を解決するため、本発明の目的は、舌骨上筋群を簡単に鍛える操作性を向上し、誤嚥性肺炎のリスクを低減させ、美容的効果も得られる顎サポート台付きEMS運動器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の顎サポート台付きEMS運動器具は、以下の構成である。
【0015】
顎サポート台付きEMS運動器具であって、前記顎サポート台は、使用者の顎をサポートする台であり、USB端子を有する電気刺激装置であり、前記顎サポート台には、舌骨上筋群のうち、一対の顎舌骨筋とオトガイ舌骨筋とを同時に支持して筋肉トレーニングすることができる露出形の3個の電極パットが配置されていて、前記顎サポート台を支持し、前記顎サポート台の倒立状態を安定させる重量を有する器具ベースを備え、前記器具ベースには、電源スイッチ、電源のON・OFFインジケータ及びパルス強度ダイヤルを含む操作系の各部材が配置されていて、前記器具ベースは、使用者が前記顎サポート台に前記顎を載せた状態において、前記操作系の各部材が見えるような大きさを有する(請求項1対応)。
【0016】
前記構成に加え、前記顎サポート台は使用者の顎の高さを調整可能な高さ調節部を有する(請求項2対応)。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、舌骨上筋群を簡単に鍛える操作性を向上し、誤嚥性肺炎のリスクを低減させ、美容的効果も得られる顎サポート台付きEMS運動器具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具(フラット)の斜視図。
図2】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の側面図。
図3】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の使用状態説明図。
図4】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の使用時の水噴霧図。
図5】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具における充電用USB変換アダプタと接続用USBケーブルの構成図。
図6】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の水噴霧後の装着図。
図7】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具(返し)の側面図。
図8】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具における筋力強化箇所の説明図。
図9】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具における筋力強化箇所の説明図。
図10】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の機能ブロック図。
図11】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の充電動作フロー図。
図12】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の運動動作フロー図。
図13】本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の調整部の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面を参照し、本発明に係る顎サポート台付きEMS運動器具の詳細を説明すると、以下のとおりである。また、以下の実施形態は、本発明の欠くことのできない要件を含む他に、選択的に採用することのできる要件及び適宜に組み合わせることのできる要件を含んでいる。
【0025】
<実施形態>
本実施形態は、顎サポート台付きEMS運動器具であって、前記顎サポート台は、使用者の顎をサポートする台であり、一体型のUSB充電端子付きの電気刺激装置であり、舌骨上筋群のうち、一対の顎舌骨筋とオトガイ舌骨筋表面を3個の電極パットで同時支持構造としたものである。この構造により、使用者は顎サポート台に顎を乗せて、EMS運動器具のスイッチを入れ、所定時間(例えば、10分間)待っているだけで、舌骨上筋群の筋肉トレーニングが実施できる。
【0026】
<構成>
本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具1は、図1図2図3に示すように、顎サポート台2と、EMS運動器具のベース3と、スイッチ4と、ON/OFFインジケータ5と、パルス強度ダイヤル6と、充電インジケータ7と、電極10と、電極11と、電極12を有する。この顎サポート台付きEMS運動器具1は、使用者9により机・テーブルなどの置台8に設置される。使用者9が顎サポート台2に乗せるだけで、舌骨上筋群の特定の箇所の筋肉トレーニングができる。
【0027】
<構成の説明>
顎サポート台付きEMS運動器具1は、使用者9が図1の斜視図、図2の側面図に示すような状態で、顎サポート台2に顎を乗せて使用する。実際には、顎サポート台2上には、電極(EMSパッド)10、11、12が設けられている。この電極(EMSパッド)10、11、12の作用により使用者9の舌骨上筋群の筋力(筋肉)トレーニングを行う。使用者9は特に意識的にトレーニングをする必要がなく、テレビを見ながら、音楽を聴きながら、リラックス状態で休憩しながら、筋力トレーニングができる。
【0028】
顎サポート台2は、使用者9の顎をサポート(支持)する台である。顎サポート台2上には、露出形の電極(EMSパット)10、11、12が設けられており、露出形の電極にアトマイザーで霧状の水を噴きかけて、導電性を向上させて使用する。水に濡れてもタオルでさっと一拭きすれば、アルコール除菌などが簡単に行える材料であることが望ましい。例えば、レザーや合成樹脂などのカバーが使用できる。また、使用者は所定時間の間、顎を乗せておくので、疲労軽減対策としてカバー内に薄厚のクッション(弾性体)を入れておくのが望ましい。顎サポート台2自体は、合成樹脂等が使用される。
アルコール除菌を行う理由は、昨今、新型コロナ感染症が拡大されており、老人施設やリハビリテーションセンター、デイサービスセンターなどでの利用を想定した場合は、感染防止対策上重要だからである。
【0029】
ベース3は、顎サポート台2に乗せた使用者9の頭を支えるので、倒立状態を安定させる重量を有し、使用者9が顎サポート台2に顎を乗せた状態で、操作系が見えるように設置面の大きさを確保する。また、ベース3は、上面に操作系の各部材が設けられている。図示しないベース3の裏面から充電式電池(例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等)を収納し、顎サーポート台2に設けられた電極(EMSパッド)10、11、12に電源供給を行う。
【0030】
スイッチ4は、電源スイッチであり、ボタンを押下することにより、電源ON又はOFFすることができる。
【0031】
ON・OFFインジケータ5は、電源ON又はOFFの状態を視認できるように、LEDランプなどを備え、ランプ消灯、点灯表示、点滅表示などさせる。例えば、点灯表示で電源ON状態を示し、消灯で電源OFF状態を使用者に知らせる。
【0032】
パルス強度ダイヤル6は、電極(EMSパッド)10、11、12に供給するパルスの強度を変更するロータリスイッチである。図1の例では、「弱」・「中」・「強」などの切替モードがあり、パルス強度ダイヤル6を回転させるだけで、簡単に電気刺激強度を変更できるので、機器に不慣れな高齢者が使用したとしても、簡単に操作することができる。
【0033】
充電インジケータ7は、充電式電池に充電中はLEDランプを点滅表示させ、充電完了になったとき、LEDランプを消灯させる。LEDランプの表示形態は、適宜変更して使用しても良い。例えば、充電中は点滅表示させ、充電完了で連続表示にさせたりしても良い。充電は、図3に示すように、ベース3の背面に設けられたUSB充電端子(USB端子)(例えば、USBタイプC)にUSBケーブル14の一端であるUSBタイプCコネクタ15を接続し、USBケーブル14の他端であるUSBコネクタ20をUSB電源変換アダプタ13に接続した状態で行う。図3の接続状態のUSB電源変換アダプタ13からUSBケーブル14を取り外した状態を図5に示す。
【0034】
机・テーブル8は、顎サポート台付EMS運動器具1を設置する台である。ダイニングテーブルや居間のテーブルなどが利用できる。テーブルの高さは、顎サポート台付EMS運動器具1を設置し、使用者9の顎を顎サポート台2に乗せたとき、ちょうどフィットする高さが望ましい。例えば、居間などで舌骨上筋群の筋肉トレーニングを行う場合、テレビなどがあれば、テレビを視聴しながら、トレーニングを行うことができる。
【0035】
使用者9は、加齢により舌骨上筋群が衰えた高齢者であったり、長期間病院に入院していて舌骨上筋群が衰えた大人や子供でも良い。ただし、子供の場合はEMS運動器具1を適切に操作できる能力がある10歳前後であれば、利用できる。
【0036】
電極10、11、12は露出形のEMS電極パットであり、電極は露出タイプのものを使用する。導電性ジェルパットを使用すると、消耗品代がかかり、コスト高になるので、本実施形態では、露出タイプの電極を使用している。導電性を向上させるため、電極を水で濡らしたりする。使用者9の顎を顎サポート台2に乗せるだけで、電極パット10はオトガイ舌骨筋表面にセットされ、電極パット11、12により一対の顎舌骨筋表面にセットされて同時支持構造をしている。図8に舌骨上筋群50と下顎骨51と舌骨52と電極パット(EMS)の関係を示す。また、図9に示すように、舌骨52と下顎骨51との間に張られた舌骨上筋群50に対して電極パット(EMS)10、11、12が舌骨上筋群の特定の箇所をワンタッチで同時支持構造を実現した。これにより、使用者の筋力トレーニングが簡単できるので、トレーニングの継続性に寄与することができる。
このEMSパットへのパルス供給は、EMS運動器具1の支柱内にケーブルを通して器具ベース3にある充電池と接続し、充電池から行われる。充電完了後は、USBケーブルを取り外してEMS運動器具1を使用することができる。
【0037】
USB電源変換アダプタ13は、図5に示すような形状をしており、AC電源の交流電圧を直流電圧、例えば5V電圧などに変換して、充電池への電源供給を行う。USB充電端子16は、パワーデリバリー対応のタイプCであり、複数の電圧を使用できる。
【0038】
USBケーブル14の一端には24ピンのUSBタイプCコネクタ15を備えており、他端は通常のUSBコネクタ20を備えている。
【0039】
以下、図11を用いて本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の充電動作について説明する。
【0040】
<顎サポート台付きEMS運動器具の充電動作>
まず、図3図4に示すように、顎サポート台付きEMS運動器具1本体のUSBタイプCコネクタ充電端子16(図4参照)にUSBケーブル14の一端のUSBタイプCコネクタ15を接続し、他端のUSBコネクタ20をUSB電源変換アダプタ13に接続し、USB電源変換アダプタ13を商用電源コンセントに差し込むと(ステップ101)、充電が開始される(ステップ102)。充電中は充電インジケータ7のLEDランプが点滅表示される。充電が完了すると、充電インジケータ7が消灯したり、常時点灯させることにより、充電完了を使用者に知らせて確認する(ステップ103)。これにより、充電が完了し、EMS運動器具1が使用できるようになる。
【0041】
以下、図12を用いて本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の運動(トレーニング)動作について説明する。
【0042】
<顎サポート台付きEMS運動器具の運動動作>
まず、図12に示すように、顎サポート台付きEMS運動器具1の事前準備を行う(ステップ111)。予め、充電されたEMS運動器具1を用意しておくものとする。図4に示すように、使用者9が水を入れたアトマイザー17を手に持ち、水18を噴霧して電極パット10、11、12を湿らせる。
【0043】
図6に示すように、使用者9が顎サポート台2にあごを乗せる(ステップ112)。あごを乗せた状態から腕(図示省略)を伸ばしてスイッチ4をオンすると、電源オンとなる(ステップ113)。パルス強度ダイヤル6を回してEMSモード設定を行う(ステップ114)。例えば、図6の例では、「弱」ダイヤルとなっている。すなわち、電気刺激が一番弱いモードとなっている。所定時間(例えば、10分間)動作し、筋力強化運動(トレーニング)を行い、舌骨上筋群が鍛えられる。所定時間経過すると、自動電源オフとなる(ステップ116)。
【0044】
図7は、本実施形態の他の例を示す顎サポート台付きEMS運動器具の側面図である。
【0045】
図7の例では、顎サポート台付きEMS運動器具21の顎サポート台22に返しを設けた以外は、上述した実施形態と同様であるので、説明を省略する。顎サポート台22に返しを設けたので、顎をサポート台に乗せたときに安定性を増す効果を奏する。
【0046】
図13は、本実施形態の他の例を示す顎サポート台付きEMS運動器具の側面図である。
【0047】
図13の例では、顎サポート台付きEMS運動器具31の顎サポート台32に高さ調節部34,35を設けた以外は、上述した実施形態と同様であるので、説明を省略する。顎サポート台32の高さ調節部34,35を設けて、顎サポート台32の高さを調節できるので、座高の高さに合わせて顎を乗せる顎サポート台の高さを適切に調節できる。これにより、1つのEMS運動器具で大人から子供まで舌骨上筋群の筋力トレーニングが簡単にできる。このEMS運動器具は、歯科矯正用のEMS運動器具としても適用できる。加齢により、ほうれい線がしわになっている人の美容にも効果がある。
【0048】
図10は、本実施形態の顎サポート台付きEMS運動器具の機能ブロック図である。
【0049】
図10に示すように、顎サポート台付きEMS運動器具は、操作部40と、制御部41と、通知部42と、電源部43と、パルス発生部44と、電極パット部45と、充電端子46と、充電式電池47と、充電制御部48と、ACアダプタ49とを有する。これらの機能は、公知の手段と同様なものを使用できる。
【0050】
このように、本実施形態によれば、舌骨上筋群を簡単に鍛える操作性を向上し、誤嚥性肺炎のリスクを低減させ、美容的効果も得られる顎サポート台付きEMS運動器具を実現することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 顎サポート台付きEMS運動器具
2 顎サポート台
3 器具ベース
4 電源スイッチ
5 ON・OFFインジケータ
6 パルス強度ダイヤル
7 充電インジケータ
8 机・テーブル
9 使用者
10 電極(パット)
11 電極(パット)
12 電極(パット)
13 USB電源変換アダプタ
14 USBケーブル
15 USBタイプCコネクタ
20 USBコネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13