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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20230427BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20230427BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20230427BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20230427BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20230427BHJP
   H04N 23/58 20230101ALI20230427BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20230427BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B17/56 A
G03B30/00
H04N23/50
H04N23/57
H04N23/58
H04N23/68
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018224926
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020086367
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0198433(US,A1)
【文献】特開2013-025117(JP,A)
【文献】特開2002-131806(JP,A)
【文献】特開2003-262913(JP,A)
【文献】特開2007-127791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G03B 17/56
G03B 30/00
H04N 23/50
H04N 23/57
H04N 23/58
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学モジュールを備える可動体と、
固定体と、
光軸方向と交差する複数の方向を回転軸方向として前記可動体を前記固定体に対して回転可能に支持する支持機構と、
前記可動体に設けられた接続部に一端が接続され、前記可動体に対して前記光軸方向と交差する第1交差方向側に配置されたフレキシブル配線基板と、
前記可動体に対して前記第1交差方向側に配置され、前記フレキシブル配線基板の他端を前記光軸方向において位置決めする位置決め部と、を備え、
前記フレキシブル配線基板は、前記光軸方向から見て重なるように折り曲げられており、
前記回転軸の前記光軸方向における位置は、前記接続部から前記位置決め部までの範囲内であることを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
前記フレキシブル配線基板の折り曲げ回数は、1または2回であることを特徴とする光学ユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光学ユニットにおいて、
前記フレキシブル配線基板の折り曲げ回数は、偶数回であることを特徴とする光学ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記回転軸の前記光軸方向における位置は、前記位置決め部と異なる位置であることを特徴とする光学ユニット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記光軸方向における前記位置決め部の位置は、前記光軸方向における前記接続部の位置と異なることを特徴とする光学ユニット。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記固定体は、前記第1交差方向側において前記接続部から前記位置決め部までの間に、前記第1交差方向と交差する壁部を設けていないことを特徴とする光学ユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記フレキシブル配線基板は、前記一端から前記他端に向かう延設方向に分岐する分岐領域を有することを特徴とする光学ユニット。
【請求項8】
請求項7に記載の光学ユニットにおいて、
前記分岐領域は、前記延設方向から見て前記フレキシブル配線基板が前記第1交差方向に沿って左右対称となるように構成されていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記位置決め部は、前記固定体と一体的に形成されることを特徴とする光学ユニット。
【請求項10】
請求項7に記載の光学ユニットにおいて、
前記位置決め部は、前記フレキシブル配線基板の前記第1交差方向の移動を許容して前記固定体に固定できる構成になっていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記フレキシブル配線基板の少なくとも一部を覆うカバーを備えることを特徴とする光学ユニット。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記可動体を前記固定体に対して回転させる回転駆動機構を備え、
前記回転駆動機構は、前記可動体に対して前記第1交差方向側以外の位置に配置されていることを特徴とする光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光学モジュールを備える可動体と、可動体を変位可能に保持する固定体と、可動体と接続されるフレキシブル配線基板と、を備える様々な光学ユニットが使用されている。例えば、特許文献1には、光学素子を保持した可動モジュールと、可動モジュールを変位可能に保持する固定体と、可動モジュールと接続されるフレキシブル配線基板と、を備える光学ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-69915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような可動体と固定体とフレキシブル配線基板とを備える従来の光学ユニットにおいては、可動体の変位に伴ってフレキシブル配線基板が変位するので、フレキシブル配線基板の変位に伴ってフレキシブル配線基板に負荷がかかり、フレキシブル配線基板が損傷する虞がある。そこで、本発明は、フレキシブル配線基板にかかる負荷を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光学ユニットは、光学モジュールを備える可動体と、固定体と、光軸方向と交差する1または複数の方向を回転軸方向として前記可動体を前記固定体に対して回転可能に支持する支持機構と、前記可動体に設けられた接続部に一端が接続され、前記可動体に対して前記光軸方向と交差する第1交差方向側に配置されたフレキシブル配線基板と、前記可動体に対して前記第1交差方向側に配置され、前記フレキシブル配線基板の他端を前記光軸方向において位置決めする位置決め部と、を備え、前記フレキシブル配線基板は、前記光軸方向から見て重なるように折り曲げられており、前記回転軸の前記光軸方向における位置は、前記接続部から前記位置決め部までの範囲内であることを特徴とする。
【0006】
本態様によれば、フレキシブル配線基板が光軸方向から見て重なるように折り曲げられていることでフレキシブル配線基板を長くでき、フレキシブル配線基板の変位に対する対応性を向上することでフレキシブル配線基板にかかる負荷を低減できる。さらに、可動体の回転軸の光軸方向における位置を接続部から位置決め部までの範囲内とすることで、可動体の回転量(回転角度)に対するフレキシブル配線基板の移動量を低減でき、フレキシブル配線基板にかかる負荷を低減できる。また、フレキシブル配線基板にかかる負荷を低減できることで、可動体の回転量を大きくすることができる。
【0007】
本発明の光学ユニットにおいては、前記フレキシブル配線基板の折り曲げ回数は、1または2回であることが好ましい。フレキシブル配線基板を成形する際の工数が増加しすぎることを抑制するためである。
【0008】
本発明の光学ユニットにおいては、前記フレキシブル配線基板の折り曲げ回数は、偶数回であることが好ましい。フレキシブル配線基板の折り曲げ回数を偶数回とすることで、フレキシブル配線基板の一端から他端まで向かう延設方向において、奇数回目の折り曲げ部分により第1交差方向において可動体に近づく側に向かい、偶数回目の折り曲げ部分により第1交差方向において可動体から離れる側に向かうこととなる。すなわち、フレキシブル配線基板の折り曲げ回数を偶数回とすることで、フレキシブル配線基板を可動体から離れた位置に容易に配置できるとともに、フレキシブル配線基板を可動体から離れる方向に向かうように容易に配置でき、フレキシブル配線基板と可動体との接触を抑制できる。また、配線の自由度を高くすることができる。
【0009】
本発明の光学ユニットにおいては、前記回転軸の前記光軸方向における位置は、前記位置決め部と異なる位置であることが好ましい。光軸方向における位置関係が、接続部、回転軸、位置決め部となり、接続部から位置決め部までの光軸方向における距離を長くできることから、フレキシブル配線基板を長く構成でき、フレキシブル配線基板にかかる負荷を効果的に低減できるためである。
【0010】
本発明の光学ユニットにおいては、前記光軸方向における前記位置決め部の位置は、前記光軸方向における前記接続部の位置と異なることが好ましい。フレキシブル配線基板を簡単に長く構成できるためである。
【0011】
本発明の光学ユニットにおいては、前記固定体は、前記第1交差方向側において前記接続部から前記位置決め部までの間に、前記第1交差方向と交差する壁部を設けていないことが好ましい。接続部から位置決め部まで延設されるフレキシブル配線基板が固定体と干渉することを抑制できるためである。
【0012】
本発明の光学ユニットにおいては、前記フレキシブル配線基板は、前記一端から前記他端に向かう延設方向に分岐する分岐領域を有することが好ましい。フレキシブル配線基板にかかる負荷を効果的に低減できるためである。
【0013】
本発明の光学ユニットにおいては、前記分岐領域は、前記延設方向から見て前記フレキシブル配線基板が前記第1交差方向に沿って左右対称となるように構成されていることが好ましい。フレキシブル配線基板にかかる負荷を特に効果的に低減できるためである。
【0014】
本発明の光学ユニットにおいては、前記位置決め部は、前記固定体と一体的に形成されることが好ましい。位置決め部を固定体と一体的に形成することでフレキシブル配線基板を精度よく位置決めできるためである。
【0015】
本発明の光学ユニットにおいては、前記位置決め部は、前記フレキシブル配線基板の前記第1交差方向の移動を許容して前記固定体に固定できる構成になっていることが好ましい。フレキシブル配線基板の第1交差方向の移動を許容して固定できる構成になっていることで、フレキシブル配線基板に応力が掛からない状態で固定体に固定できるためである。
【0016】
本発明の光学ユニットにおいては、前記フレキシブル配線基板の少なくとも一部を覆うカバーを備えることが好ましい。フレキシブル配線基板が他の構成部材などと接触して損傷することを抑制できるためである。
【0017】
本発明の光学ユニットにおいては、前記可動体を前記固定体に対して回転させる回転駆動機構を備え、前記回転駆動機構は、前記可動体に対して前記第1交差方向側以外の位置に配置されていることが好ましい。回転駆動機構をフレキシブル配線基板が形成されていない側に配置できるので、回転駆動機構とフレキシブル配線基板との接触を抑制するために光学ユニットを大きくする必要が無くなり、光学ユニットの小型化が可能になるためである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の光学ユニットは、フレキシブル配線基板にかかる負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例1に係る光学ユニットの平面図である。
図2】本発明の実施例1に係る光学ユニットの斜視図である。
図3】本発明の実施例1に係る光学ユニットの分解斜視図である。
図4】本発明の実施例1に係る光学ユニットの固定体を透明化して表した斜視図である。
図5】本発明の実施例1から実施例4に係る光学ユニットの概略図である。
図6】本発明の実施例5および実施例6に係る光学ユニットの概略図である。
図7】本発明の実施例7に係る光学ユニットの概略図である。
図8】本発明を説明するための光学ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
【0021】
[実施例1](図1から図4、並びに、図5(a))
最初に、本発明の実施例1に係る光学ユニットについて図1から図4、並びに、図5(a)を用いて説明する。なお、図2及び図3において、符号Lが付された一点鎖線は光軸を示し、符号L1が付された一点鎖線は光軸と交差する第1軸線を示し、符号L2が付された一点鎖線は光軸L及び第1軸線L1と交差する第2軸線L2を示している。そして、R方向は光軸周り方向である。また、各図において、Z軸方向は光軸方向であり、X軸方向は光軸と交差する方向、言い換えるとヨーイングの軸方向であり、Y軸方向は光軸と交差する方向、言い換えるとピッチングの軸方向である。
【0022】
<光学ユニットの全体構成の概略>
図1から図4において、本実施例に係る光学ユニット10の構成について説明する。光学ユニット10は、光学モジュール12を備える可動体14と、Y軸方向を回転軸とする方向(ピッチング方向)及びX軸方向を回転軸とする方向(ヨーイング方向)に変位可能な状態で保持する固定体16と、を備えている。また、可動体14をピッチング方向及びヨーイング方向に駆動する回転駆動機構18と、固定体16に対して可動体14をピッチング方向及びヨーイング方向に回転可能に支持する支持機構20とを備えている。さらに、光学ユニット10は、第1軸線L1周りに回動可能に可動体14を支持する第1支持部19aを第1支持部用延設部27aに備えると共に、第2軸線L2周りに固定体16側の部材に回動可能に支持される第2支持部19bを第2支持部用延設部27bに備えるジンバル機構21を備えている(図3参照)。
【0023】
<光学モジュールについて>
本実施例において、光学モジュール12は略矩形筐体状に形成されており、例えばカメラ付携帯電話機やタブレット型PC等に搭載される薄型カメラ等として用いられる。光学モジュール12は、被写体側にレンズ12aを備え、矩形筐体状のハウジング12bの内部に撮像を行うための光学機器等が内蔵されている。本実施例における光学モジュール12は、一例として、光学モジュール12に生じたピッチングの振れ(Y軸方向を回転軸とする回動方向の振れ)及びヨーイングの振れ(X軸方向を回転軸とする回動方向の振れ)の補正を行うアクチュエーターを内蔵し、ピッチングの振れの補正及びヨーイングの振れの補正が可能な構成となっている。
【0024】
なお、本実施例において、光学モジュール12は、ピッチングの振れ及びヨーイングの振れの補正が可能な構成としたが、この構成に限定はされず、例えば、ピッチングの振れ及びヨーイングの振れのいずれか一方のみの補正が可能な構成でもよい。
【0025】
<可動体について>
図1から図4において、可動体14は、光学モジュール12と、ホルダ枠22と、磁石24A及び24Bとを備えている。ホルダ枠22は、光学モジュール12のレンズ12aが設けられる前面(被写体側の面)と、反対側の後面を除く、残りの4面を取り囲むように設けられる矩形枠状の部材として構成されている。本実施例のホルダ枠22は、一例として光学モジュール12を着脱可能に構成されている。ホルダ枠22において固定体16と対向する2面を利用して、ピッチング及びヨーイングの補正用の磁石24A及び24Bがこれらの外面に取り付けられている。
【0026】
<固定体について>
図1から図4において、固定体16は、固定枠28と、コイル32A及び32Bと、を備えている。本実施例において、固定枠28は、光軸周り方向(R方向)において可動体14のホルダ枠22の少なくとも3面を取り囲むように設けられる矩形枠状の部材128と、X軸方向に沿って外側に延設される壁部228a、壁部228b及び壁部228cを有する延設部228と、から構成されている。ここで、壁部228aは前面(被写体側の面)を覆う壁部であり、壁部228b及び壁部228cはY軸方向を覆う壁部である。なお、本実施例において、部材128の、延設部228側の壁部228a、壁部228b及び壁部228cで3方向から囲まれる領域は、空間となっている(壁部が設けられていない)。
【0027】
なお、本実施例の固定体16は、後述するフレキシブル配線基板51を壁部228a、壁部228b及び壁部228cで3方向からカバー可能な構成になっており、該フレキシブル配線基板51のZ軸方向における位置を位置決めする位置決め部52(図4参照)が設けられている。本実施例の光学ユニット10のように、フレキシブル配線基板51の少なくとも一部を覆うカバーを備えることで。フレキシブル配線基板51が他の構成部材などと接触して損傷することを抑制できる。本実施例の延設部228は、壁部228aと対向する側には壁部が設けられていない。これは、延設部228にフレキシブル配線基板51を配置する際の作業性を向上させるためである。ただし、このような構成に限定されず、壁部228aと対向する側にも壁部を設けてもよく、延設部228にフレキシブル配線基板51を配置した後に取り付け可能な壁部などとすることができる。
【0028】
図2などに示すように、コイル取付け部28aには、コイル32A及び32Bがそれぞれ取り付けられている。本実施例において、コイル32A及びコイル32Bは一例として巻線コイルとして構成されているが、コイルをパターンとして基板配線内に取り込んだパターン基板(コイル基板)としてもよい。
【0029】
本実施例において可動体14が固定体16内に配置された状態において、磁石24Aとコイル32A、磁石24Bとコイル32B、は対向状態となる。また、本実施例において、磁石24Aとコイル32Aとの対、磁石24Bとコイル32Bとの対は、回転駆動機構18を構成している。回転駆動機構18により、可動体14のピッチング及びヨーイングの補正が行われる。
【0030】
また、ピッチング及びヨーイングの補正は以下のように行われる。光学ユニット10にピッチング方向とヨーイング方向の両方向又はいずれか一方向の振れが発生すると、不図示の磁気センサー(ホール素子)によって振れを検出し、その結果に基づいて回転駆動機構18を駆動させる。或いは、振れ検出センサ(ジャイロスコープ)などを用いて、光学ユニット10の振れを検出してもよい。振れの検出結果に基づいて、回転駆動機構18がその振れを補正するように作用する。即ち、光学ユニット10の振れを打ち消す方向に可動体14を動かすように各コイル32A及び32Bに電流が流され、これにより振れが補正される。
【0031】
このように、本実施例の光学ユニット10においては、可動体14を固定体16に対して、ピッチングの軸方向及びヨーイングの軸方向を回転軸として、回転させる回転駆動機構18を備えている。ここで、回転駆動機構18は、可動体14に対してX軸方向のうちのフレキシブル配線基板51が配置されている側(光軸方向と交差する第1交差方向側)以外の位置に配置されていることが好ましい。回転駆動機構18をフレキシブル配線基板51が形成されていない側に配置できるので、回転駆動機構18とフレキシブル配線基板51との接触を抑制するために光学ユニット10を大きくする必要が無くなり、光学ユニット10を小型化できるためである。なお、本明細書における「回転」とは、360°回転することを要せず、回転方向に揺動する場合を含む意味である。
【0032】
なお、振れを補正する動作のための駆動源としては、回転駆動機構18のようなコイル32A及び32Bと、磁石24A及び24Bと、の各対により構成されるボイスコイルモーターに限定されない。他の駆動源としてステッピングモーターやピエゾ素子等を利用したものを使用することも可能である。
【0033】
<支持機構について>
支持機構20は、光学ユニット10の外側に向けて半球状の凸曲面を形成する板金20aと、光学ユニット10の内側に向けて半球状の凸曲面を形成する板金20bと、を有している。そして、板金20aは固定体16の矩形枠状の部材128の4隅のうちの対向する2か所に配置され、板金20bは矩形枠状の可動体14の4隅にうちの対向する2か所に配置される。なお、矩形枠状の部材128と矩形枠状の可動体14とは4隅の位置が揃うように配置され、板金20a及び板金20bは該4隅に1つずつ配置される。
【0034】
本実施例の支持機構20は、外側を向いた板金20aの半球状の凸曲面の内側に、ジンバル機構21の第1支持部用延設部27aに設けられた第1支持部19aが配置される。支持機構20は、このような構成で固定体16に対してジンバル機構21を支持している。また、内側を向いた板金20bの半球状の凸曲面の内側に、ジンバル機構21の第2支持部用延設部27bに設けられた第2支持部19bが配置される。支持機構20は、このような構成で可動体14に対してジンバル機構21を支持している。すなわち、本実施例の支持機構20は、光軸方向(Z軸方向)と交差する1または複数の方向(X軸方向及びY軸方向の少なくとも1方向)を回転軸方向として可動体14を固定体16に対して回転可能に支持可能な構成となっている。なお、本実施例の支持機構20は、ピッチングの軸方向を回転軸とする可動体14の回転及びヨーイングの軸方向を回転軸とする可動体14の回転を許容する構成になっているが、可動体14のローリング方向の回転も許容する構成としてもよい。
【0035】
<ジンバル機構>
ジンバル機構21は、金属製平板材料を折り曲げることによって形成されるバネ性を兼ね備えた機構である。具体的には、ジンバル機構21は、一例として被写体側に設けられるジンバルフレーム部25と、ジンバルフレーム部25の四方のコーナー部から光軸方向に90°折り曲げられて形成される第1支持部用延設部27aと、第2支持部用延設部27bと、を備えることによって構成されている。なお、第1支持部用延設部27aと第2支持部用延設部27bについては、必ずしもその全部が板状でなくてもよく、その一部のみを板状に形成してバネ性を発揮させるようにしてもよい。また、第1支持部用延設部27aと第2支持部用延設部27bの一方を板状以外の他の形状(例えばロッド形状等)にすることも可能である。
【0036】
<撮像素子>
図3及び図4に示すように、光学モジュール12は、被写体側とは反対側に撮像素子50を備えている。そして、図4で表されるように、撮像素子50の接続部50aには、フレキシブル配線基板51が接続されている。ここで、本実施例の撮像素子50の接続部50aは、延設部228側に形成されており、延設部228の壁部228a、壁部228b及び壁部228cで被写体側とは反対側以外の方向においてフレキシブル配線基板51をカバーする構成になっている。なお、フレキシブル配線基板51の接続部50aは、撮像素子50に設けられていなくてもよく、可動体14の撮像素子50以外の部分に設けられていてもよい。
【0037】
<フレキシブル配線基板>
図4に示すように、フレキシブル配線基板51は、可動体14に設けられた接続部50aに一端が接続されている。そして、上記のように、フレキシブル配線基板51は、可動体14に対して第1交差方向側に配置されている。また、フレキシブル配線基板51の他端は、可動体14に対して第1交差方向側に配置される位置決め部52により、光軸方向(Z軸方向)における位置が位置決めされている。なお、位置決め部52は壁部228aに対して隙間が形成されるように取り付けられた板状の部材であり、フレキシブル配線基板51の他端は該隙間に通されることでZ軸方向における位置が位置決めされる。
【0038】
そして、図4及び図5(a)などに示すように、本実施例のフレキシブル配線基板51は、Z軸方向から見て重なるように2回折り曲げられている。ここで、図5(a)に示すように、本実施例の光学ユニット10においては、Y軸方向に沿うピッチングの軸方向の固定体16に対する可動体14の回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲S内である。なお、接続部50aから位置決め部52までの範囲Sは、フレキシブル配線基板51が撓むことが可能な撓み範囲に相当する。また、位置決め部52のZ軸方向における位置は、正確には、位置決め部52によってフレキシブル配線基板51が位置決めされるZ軸方向における位置を意味する。
【0039】
本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51が光軸方向から見て重なるように折り曲げられていることでフレキシブル配線基板51を長くでき、フレキシブル配線基板51の変位に対する対応性を向上することでフレキシブル配線基板51にかかる負荷を低減できる構成になっている。さらに、可動体14の回転軸60の光軸方向における位置を接続部50aから位置決め部52までの範囲S内とすることで、可動体14の回転量(回転角度)に対するフレキシブル配線基板51の移動量を低減でき、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を低減できる構成になっている。このように、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を低減することで、フレキシブル配線基板51を損傷等させることなく可動体14を回転する該可動体14の回転量を大きくすることができる。なお、「回転軸60の光軸方向における位置」とは、回転軸60の回転中心(揺動中心)を意味する。例えば、「回転軸60の光軸方向における光軸との交点の位置」が該当する。
【0040】
ここで、「可動体14の回転軸60の光軸方向における位置を接続部50aから位置決め部52までの範囲S内とする」とは、可動体14の回転軸60の光軸方向における位置が位置決め部52の位置と同じ位置である場合も含む意味である。ただし、本実施例の光学ユニット10のように、回転軸の60光軸方向における位置は、位置決め部52と同じ位置ではなく異なる位置(位置決め部52よりも接続部50a側)であることが好ましい。光軸方向における位置関係が、接続部50a、回転軸60、位置決め部52の順となり、接続部50aから位置決め部52までの光軸方向における距離を長くできることから、フレキシブル配線基板51を長く構成でき、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を効果的に低減できるためである。
【0041】
また、図4などで示されるように、本実施例のフレキシブル配線基板51は、一端から他端に向かう延設方向に分岐している。このように、フレキシブル配線基板51は、分岐領域51a(図4参照)を有することが好ましい。フレキシブル配線基板51にかかる負荷を効果的に低減できるためである。なお、分岐領域51aの大きさに特に限定は無く、本実施例のフレキシブル配線基板51のようにフレキシブル配線基板51の一端から他端までの全ての領域で分岐していてもよいし、一部の領域のみで分岐していてもよい。さらに、分岐領域51aを複数有していてもよい。
【0042】
なお、本実施例のフレキシブル配線基板51のように、分岐領域51aは、延設方向から見てフレキシブル配線基板51が第1交差方向に沿って左右対称、すなわち、Y軸方向(ヨーイングの軸方向)の中央部を基準として対称となるように構成されていることがさらに好ましい。このような構成とすることで、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を特に効果的に低減できるためである。ただし、分岐領域51aの形状に特に限定は無く、2つに分岐する構成のほか3つ以上に分岐する構成としてもよい。
【0043】
なお、上記のように、位置決め部52は壁部228aに対して隙間が形成されるように取り付けられた板状の部材であり、フレキシブル配線基板51の他端は該隙間に通されることでZ軸方向における位置が位置決めされる。すなわち、位置決め部52は、壁部228aに取り付けられて固定されることで固定体16と一体的に形成されている。位置決め部52を固定体16と一体的に形成することでフレキシブル配線基板51を精度よく位置決めできる。なお「固定体16と一体的に形成されている」とは、一体成型されていることに限定されず、本実施例のように、固定体16に取り付けられて固定される場合も含む意味である。
【0044】
また、本実施例の位置決め部52は、上記のように、隙間に通されることでZ軸方向における位置のみが決められる構成であるため、フレキシブル配線基板51のX軸方向の移動(第1交差方向の移動)を許容して固定体16(壁部228a)に固定できる構成になっている。このように、フレキシブル配線基板51のX軸方向の移動を許容して固定体16に固定できる構成になっていることで、フレキシブル配線基板51に応力が掛からない状態で固定体16に固定できるためである。
【0045】
[実施例2](図5(b))
図5(b)は、実施例2の光学ユニット10の概略図であり、実施例1の光学ユニット10における図5(a)に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51の構成及び位置決め部52の形成位置以外は、実施例1の光学ユニット10と同様の構成である。
【0046】
本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数が1回である。なお、実施例1の光学ユニット10と同様、Y軸方向に沿うピッチングの軸方向の固定体16に対する可動体14の回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲S内である。
【0047】
実施例1の光学ユニット10や本実施例の光学ユニット10のように、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数は、1または2回であることが好ましい。フレキシブル配線基板51を成形する際の工数が増加しすぎることを抑制するためである。ただし、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数を増やした方がフレキシブル配線基板51にかかる負荷を効果的に低減できる傾向にある。このため、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数は、光学ユニット10の使用用途などに合わせて設定することが好ましい。
【0048】
[実施例3](図5(c))
図5(c)は、実施例3の光学ユニット10の概略図であり、実施例1の光学ユニット10における図5(a)に対応する図である。なお、上記実施例1及び実施例2と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51の構成以外は、実施例1の光学ユニット10と同様の構成である。
【0049】
本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数が4回である。なお、実施例1の光学ユニット10と同様、Y軸方向に沿うピッチングの軸方向の固定体16に対する可動体14の回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲S内である。
【0050】
実施例1の光学ユニット10や本実施例の光学ユニット10のように、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数は、偶数回であることが好ましい。フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数を偶数回とすることで、フレキシブル配線基板51の一端から他端まで向かう延設方向において、奇数回目の折り曲げ部分により第1交差方向において可動体14に近づく側に向かい、奇数回目の折り曲げ部分により第1交差方向において可動体14に近づく側に向かうこととなる。すなわち、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数を偶数回とすることで、フレキシブル配線基板51を可動体14から離れた位置に容易に配置できるとともに、フレキシブル配線基板51を可動体14から離れる方向に向かうように容易に配置でき、フレキシブル配線基板51と可動体14との接触を抑制できるためである。また、配線の自由度を高くすることもできる。
【0051】
[実施例4](図5(d))
図5(d)は、実施例4の光学ユニット10の概略図であり、実施例1の光学ユニット10における図5(a)に対応する図である。なお、上記実施例1から実施例3と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51の構成及び位置決め部52の形成位置以外は、実施例1の光学ユニット10と同様の構成である。
【0052】
本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数が3回である。なお、実施例1の光学ユニット10と同様、Y軸方向に沿うピッチングの軸方向の固定体16に対する可動体14の回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲S内である。
【0053】
[実施例5](図6(a))
図6(a)は、実施例5の光学ユニット10の概略図であり、実施例1の光学ユニット10における図5(a)に対応する図である。なお、上記実施例1から実施例4と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、固定体16の形状、フレキシブル配線基板51の構成及び位置決め部52の形成位置以外は、実施例1の光学ユニット10と同様の構成である。
【0054】
本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数が3回である。そして、固定体16は、可動体14の第1交差方向側に壁部228dを有しており、該壁部228dに位置決め部52が形成されており、該壁部228dに設けられた空間部53にフレキシブル配線基板51を通す構成となっている。なお、実施例1の光学ユニット10と同様、Y軸方向に沿うピッチングの軸方向の固定体16に対する可動体14の回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲S内である。
【0055】
[実施例6](図6(b))
図6(b)は、実施例6の光学ユニット10の概略図であり、実施例1の光学ユニット10における図5(a)に対応する図である。なお、上記実施例1から実施例5と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、固定体16の形状、フレキシブル配線基板51の構成及び位置決め部52の形成位置以外は、実施例1の光学ユニット10と同様の構成である。
【0056】
本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数が4回である。そして、固定体16は、可動体14の第1交差方向側に壁部228eを有しており、該壁部228eに位置決め部52が形成されている。なお、実施例1の光学ユニット10と同様、Y軸方向に沿うピッチングの軸方向の固定体16に対する可動体14の回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲S内である。
【0057】
本実施例の光学ユニット10のように、固定体16は、第1交差方向側において接続部50aから位置決め部52までの間に、第1交差方向と交差する壁部を設けていないことが好ましい。実施例5の光学ユニット10と比較すると明らかなように、接続部50aから位置決め部52まで延設されるフレキシブル配線基板51が固定体16(例えば壁部に形成された空間部53の内壁など)と干渉することを抑制できるためである。
【0058】
[実施例7](図7
図7は、実施例7の光学ユニット10の概略図である。なお、上記実施例1から実施例6と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
実施例1から実施例6までの光学ユニット10は、固定体16に対して可動体14を動かす機構としてジンバル機構21を備える構成の光学ユニットであった。一方、本実施例の光学ユニット10は、ジンバル機構21の代わりにピボット機構70を備える構成である。
【0059】
本実施例の光学ユニット10は、フレキシブル配線基板51の折り曲げ回数が2回である。そして、実施例1から実施例6の光学ユニット10と同様、固定体16に対する可動体14の回転軸60のZ軸方向における位置(ピボット機構70と可動体14との接点部分の位置)は、接続部50aから位置決め部52までの範囲S内である。
【0060】
<光軸方向における回転軸、接続部及び位置決め部の位置関係>
ここで、Z軸方向(光軸方向)における回転軸60の位置、接続部50aの位置、位置決め部52の好ましい位置関係について図8を用いて説明する。図8において、P1、P2、P3及びP4は接続部50aの位置を表し、Pa、Pb、Pc及びPdは位置決め部52の位置(位置決め位置)を表している。
【0061】
最初に、接続部50aの位置をP1とした場合について説明する。位置決め部52の位置がPc及びPdである場合、回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲内となり、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を低減できるので、好ましい。一方、位置決め部52の位置がPa及びPbである場合、回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲外となり、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を十分に低減できない場合がある。
【0062】
次に、接続部50aの位置をP2とした場合について説明する。位置決め部52の位置がPc及びPdである場合、回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲内となり、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を低減できるので、好ましい。一方、位置決め部52の位置がPa及びPbである場合、回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲外となり、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を十分に低減できない場合がある。
【0063】
次に、接続部50aの位置をP3とした場合について説明する。位置決め部52の位置がPa、Pb、Pc及びPdのいずれの場合でも、回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲内となり、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を低減できるので、好ましい。
【0064】
最後に、接続部50aの位置をP4とした場合について説明する。位置決め部52の位置がPa、Pb及びPcである場合、回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲内となり、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を低減できるので、好ましい。一方、位置決め部52の位置がPdである場合、回転軸60のZ軸方向における位置は、接続部50aから位置決め部52までの範囲外となり、フレキシブル配線基板51にかかる負荷を十分に低減できない場合がある。
【0065】
Z軸方向における回転軸60の位置、接続部50aの位置、位置決め部52の好ましい位置関係は上記のとおりであるが、光軸方向における位置決め部52の位置は、光軸方向における接続部50aの位置と異なることが特に好ましい。例えば、光軸方向における位置決め部52の位置と接続部50aの位置とを揃えるために、フレキシブル配線基板51を被写体側と被写体側とは反対側との両方に折り曲げるなどしなくてもよく、フレキシブル配線基板51を簡単に長く構成できるためである。
【0066】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。
また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0067】
例えば、フレキシブル配線基板51の折り曲げ部分に、該折り曲げ部分を保持する折り曲げ保持部が設けられていることが好ましい。例えば、折り曲げ保持部により、折り曲げ部分で180°フレキシブル配線基板51を折り曲げ、折り曲げられたフレキシブル配線基板51同士が接触しないように保持することで、フレキシブル配線基板51の配線領域を効果的に小型化できるとともに、フレキシブル配線基板51同士の接触による該フレキシブル配線基板51の損傷を抑制できる。
【0068】
また、撮像素子50は、上述の実施例の光学ユニット10よりも第1交差方向側、例えば、回転軸60を基準として第1交差方向側に配置されていてもよい。ここで、「回転軸60を基準として第1交差方向側」とは、X軸方向の撮像素子50の中心が回転軸60よりも第1交差方向側にあるという意味である。このような配置とすることで、固定体16の内部におけるフレキシブル配線基板51を短くできるとともに、固定体16を小型化でき、光学ユニット10の小型化が可能になるためである。
【符号の説明】
【0069】
10…光学ユニット、12…光学モジュール、14…可動体、16…固定体、
18…回転駆動機構、19a…第1支持部、19b…第2支持部、
20…支持機構、20a…板金、20b…板金、21…ジンバル機構、
22…ホルダ枠、24A…磁石、24B…磁石、25…ジンバルフレーム部、
27a…第1支持部用延設部、27b…第2支持部用延設部、28…固定枠、
28a…コイル取付け部、32A…コイル、32B…コイル、50…撮像素子、
50a…接続部、51…フレキシブル配線基板、51a…分岐領域、
52…位置決め部、53…空間部、60…可動体14の回転軸、70…ピボット機構、
128…矩形枠状の部材、228…延設部、228a…壁部、228b…壁部、
228c…壁部、228d…壁部、228e…壁部、L…光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8