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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/00 20200101AFI20230427BHJP
   B62M 25/08 20060101ALI20230427BHJP
   B62M 6/45 20100101ALI20230427BHJP
【FI】
B62J45/00
B62M25/08
B62M6/45
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018239461
(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公開番号】P2020100275
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 信吾
(72)【発明者】
【氏名】中島 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】西野 高史
(72)【発明者】
【氏名】小坂 憲太朗
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-058497(JP,A)
【文献】特開2018-069858(JP,A)
【文献】特開2016-165991(JP,A)
【文献】特開2017-030503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/00 - 99/00
B62M 1/00 - 29/02
B62K 1/00 - 27/16
B62H 1/00 - 7/00
B62L 1/00 - 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、
前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、を備え、
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットの少なくとも1つは、前記人力駆動車の内部空間に設けられ、
前記第1無線ユニットは、前記人力駆動車の操舵機構に設けられ、
前記操舵機構は、ハンドルバーと、前記ハンドルバーを支持するステムとを含み、
前記第1無線ユニットは、前記ステムに設けられる、無線通信システム。
【請求項2】
人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、
前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、を備え、
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車の内部空間を介して無線通信するように前記人力駆動車に設けられ、
前記第1無線ユニットは、前記人力駆動車の操舵機構に設けられ、
前記操舵機構は、ハンドルバーと、前記ハンドルバーを支持するステムとを含み、
前記第1無線ユニットは、前記ステムに設けられる、無線通信システム。
【請求項3】
前記第1無線ユニットは、前記操舵機構の内部空間に設けられる、請求項1または2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、
前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、を備え、
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車の内部空間に設けられ、
前記第1無線ユニットは、前記人力駆動車の操舵機構の内部空間に設けられ、
前記操舵機構は、ハンドルバーと、前記ハンドルバーを支持するステムとを含み、
前記第1無線ユニットは、前記ステムに設けられる、無線通信システム。
【請求項5】
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車の内部空間を介して無線通信するように前記人力駆動車に設けられる、請求項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車のフレームの内部空間に設けられる、請求項またはに記載の無線通信システム。
【請求項7】
人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、
前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、を備え、
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車の内部空間に設けられ、
前記第1無線ユニットは、前記人力駆動車の操舵機構の内部空間に設けられ、
前記操舵機構は、ハンドルバーと、前記ハンドルバーを支持するステムと、前記ステムに前輪支持装置を連結するための連結部材とを含み、
前記第1無線ユニットは、前記連結部材に設けられる、無線通信システム。
【請求項8】
記第2無線ユニットは、前記第2無線ユニットと前記第1無線ユニットとの距離が、前記第2無線ユニットと前記第2コンポーネントとの距離よりも短くなるように、前記人力駆動車のフレームに設けられる、請求項4または7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、
前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、を備え、
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットの少なくとも1つは、前記人力駆動車の内部空間に設けられ、
前記第1無線ユニットは、前記人力駆動車の操舵機構に設けられ、
前記操舵機構は、ハンドルバーと、前記ハンドルバーを支持するステムと、前記ステムに前輪支持装置を連結するための連結部材とを含み、
前記第1無線ユニットは、前記連結部材に設けられる、無線通信システム。
【請求項10】
人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、
前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、を備え、
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車の内部空間を介して無線通信するように前記人力駆動車に設けられ、
前記第1無線ユニットは、前記人力駆動車の操舵機構に設けられ、
前記操舵機構は、ハンドルバーと、前記ハンドルバーを支持するステムと、前記ステムに前輪支持装置を連結するための連結部材とを含み、
前記第1無線ユニットは、前記連結部材に設けられる、無線通信システム。
【請求項11】
前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車のフレームの内部空間に設けられる、請求項1、2、3、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項12】
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車のフレームの内部空間を介して無線通信するように前記人力駆動車に設けられる、請求項1から11のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項13】
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車のステアリングコラムの内部空間を介して無線通信する、請求項1から12のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記第1無線ユニットと前記ステアリングコラムとの距離は、前記第1無線ユニットと前記第1コンポーネントとの距離よりも短い、請求項13に記載の無線通信システム。
【請求項15】
前記ステアリングコラムは、コラム本体と、前記コラム本体の内部空間と前記人力駆動車の操舵機構の内部空間との間、および、前記コラム本体の内部空間と前記人力駆動車のフレームの内部空間との間の少なくとも1つを電磁波が伝搬する電磁波伝搬機構とを含む、請求項13または14に記載の無線通信システム。
【請求項16】
前記電磁波伝搬機構は、前記ステアリングコラムの回転中心軸心に対して非平行な方向において、前記コラム本体の内部空間と連通する少なくとも1つの開口を含む、請求項15に記載の無線通信システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの開口は、前記コラム本体の内部空間と前記操舵機構の内部空間とを連通させる第1開口と、前記コラム本体の内部空間と前記フレームの内部空間とを連通させる第2開口とを含む、請求項16に記載の無線通信システム。
【請求項18】
人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、
前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、
前記人力駆動車のステアリングコラムは、コラム本体と、前記コラム本体の内部空間と前記人力駆動車の操舵機構の内部空間との間、および、前記コラム本体の内部空間と前記人力駆動車のフレームの内部空間との間の少なくとも1つを電磁波が伝搬する電磁波伝搬機構とを含み、
前記電磁波伝搬機構は、樹脂製の部材を含み、
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車の前記ステアリングコラムの内部空間を介して無線通信する、無線通信システム。
【請求項19】
人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、
前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、
前記人力駆動車のステアリングコラムは、コラム本体と、前記コラム本体の内部空間と前記人力駆動車の操舵機構の内部空間との間、および、前記コラム本体の内部空間と前記人力駆動車のフレームの内部空間との間の少なくとも1つを電磁波が伝搬する電磁波伝搬機構とを含み、
前記電磁波伝搬機構は、前記ステアリングコラムの回転中心軸心に対して非平行な方向において、前記コラム本体の内部空間と連通する少なくとも1つの開口を含み、
前記少なくとも1つの開口は、前記コラム本体の内部空間と前記操舵機構の内部空間とを連通させる第1開口と、前記コラム本体の内部空間と前記フレームの内部空間とを連通させる第2開口とを含み、
前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車の前記ステアリングコラムの内部空間を介して無線通信する、無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人力駆動車において、操作装置が、電気ケーブルを介して電気的に被操作装置と通信するシステムが知られている。また、操作装置が、被操作装置と無線通信するシステムが知られている特許文献1には、変速操作装置が、変速装置と無線通信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2014/0114538号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車のシステムにおいて、外乱が通信に及ぼす影響を低減することが求められている。
本発明の目的は、外乱からの影響を低減することができる無線通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う無線通信システムは、人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、を備え、前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットの少なくとも1つは、前記人力駆動車の内部空間に設けられる。
上記第1側面の無線通信システムによれば、第1無線ユニットおよび第2無線ユニットの少なくとも1つが人力駆動車の内部空間に設けられるため、外乱からの影響を低減することができる。
【0006】
本発明の第2側面に従う無線通信システムは、人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、を備え、前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車の内部空間を介して無線通信するように前記人力駆動車に設けられる。
上記第2側面の無線通信システムによれば、前記人力駆動車の内部空間を介して無線通信するため、外乱からの影響を低減することができる。
【0007】
前記第1または第2側面に従う第3側面の無線通信システムにおいて、前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車のフレームに設けられる。
上記第3側面の無線通信システムによれば、外乱からの影響を低減することができる。
【0008】
前記第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面の無線通信システムにおいて、前記第1無線ユニットは、前記人力駆動車の操舵機構に設けられる。
上記第4側面の無線通信システムによれば、外乱からの影響を低減することができる。
【0009】
本発明の第5側面に従う無線通信システムは、人力駆動車に搭載される第1コンポーネントに電気的に接続される第1無線ユニットと、前記第1無線ユニットと無線通信するように、前記人力駆動車に搭載される第2コンポーネントに電気的に接続される第2無線ユニットと、を備え、前記第1無線ユニットは、前記人力駆動車の操舵機構に設けられ、前記第2無線ユニットは、前記第2無線ユニットと前記第1無線ユニットとの距離が、前記第2無線ユニットと前記第2コンポーネントとの距離よりも短くなるように、前記人力駆動車のフレームに設けられる。
上記第5側面の無線通信システムによれば、第2無線ユニットと第1無線ユニットとの距離が、第2無線ユニットと第2コンポーネントとの距離よりも短いため、外乱からの影響を低減することができる。
【0010】
前記第4または第5側面に従う第6側面の無線通信システムにおいて、前記操舵機構は、ハンドルバーと、前記ハンドルバーを支持するステムとを含み、前記第1無線ユニットは、前記ステムに設けられる。
上記第6側面の無線通信システムによれば、外乱からの影響を低減することができる。
【0011】
前記第4から第6側面のいずれか1つに従う第7側面の無線通信システムにおいて、前記第1無線ユニットは、前記操舵機構の内部空間に設けられる。
上記第7側面の無線通信システムによれば、第1無線ユニットが人力駆動車の外観に現れないため、外乱からの影響を低減することができる。
【0012】
前記第4または第5側面に従う第8側面の無線通信システムにおいて、前記操舵機構は、ハンドルバーと、前記ハンドルバーを支持するステムと、前記ステムに前輪支持装置を連結するための連結部材とを含み、前記第1無線ユニットは、前記連結部材に設けられる。
上記第8側面の無線通信システムによれば、外乱からの影響を低減することができる。
【0013】
前記第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の無線通信システムにおいて、前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車のフレームの内部空間に設けられる。
上記第9側面の無線通信システムによれば、第2無線ユニットが人力駆動車の外観に現れないため、外乱からの影響を低減することができる。
【0014】
前記第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の無線通信システムにおいて、前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車のフレームの内部空間を介して無線通信するように前記人力駆動車に設けられる。
上記第10側面の無線通信システムによれば、外乱からの影響を低減することができる。
【0015】
前記第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の無線通信システムにおいて、前記第1無線ユニットおよび前記第2無線ユニットは、前記人力駆動車のステアリングコラムの内部空間を介して無線通信する。
上記第11側面の無線通信システムによれば、外乱からの影響を低減することができる。
【0016】
前記第11側面に従う第12側面の無線通信システムにおいて、前記第1無線ユニットと前記ステアリングコラムとの距離は、前記第1無線ユニットと前記第1コンポーネントとの距離よりも短い。
上記第12側面の無線通信システムによれば、第1無線ユニットと第2無線ユニットとの距離が近いため、外乱からの影響を低減することができる。
【0017】
前記第11または第12側面に従う第13側面の無線通信システムにおいて、前記ステアリングコラムは、コラム本体と、前記コラム本体の内部空間と前記人力駆動車の操舵機構の内部空間との間、および、前記コラム本体の内部空間と前記人力駆動車のフレームの内部空間との間の少なくとも1つを電磁波が伝搬する電磁波伝搬機構とを含む。
上記第13側面の無線通信システムによれば、外乱からの影響を低減することができる。
【0018】
前記第13側面に従う第14側面の無線通信システムにおいて、前記電磁波伝搬機構は、前記ステアリングコラムの回転中心軸心に対して非平行な方向において、前記コラム本体の内部空間と連通する少なくとも1つの開口を含む。
上記第14側面の無線通信システムによれば、電磁波伝搬機構を簡素に構成できる。
【0019】
前記第14側面に従う第15側面の無線通信システムにおいて、前記少なくとも1つの開口は、前記コラム本体の内部空間と前記操舵機構の内部空間とを連通させる第1開口と、前記コラム本体の内部空間と前記フレームの内部空間とを連通させる第2開口とを含む。
上記第15側面の無線通信システムによれば、電磁波伝搬機構を簡素に構成できる。
【0020】
本発明の第16側面に従う接続装置は、人力駆動車に搭載される第1コンポーネントからの第1電気ケーブルが接続される第1接続部と、人力駆動車に搭載される第2コンポーネントからの第2電気ケーブルが接続される第2接続部と、前記人力駆動車のフレームに対する前記人力駆動車の操舵機構の回転に応じて、前記第1接続部が前記第2接続部に対して相対回転するように、前記第1接続部および前記第2接続部を支持する支持機構と、を備える。
上記第16側面の接続装置によれば、第1コンポーネントと第2コンポーネントとが電気的に接続されているため、外乱からの影響を低減することができ、かつ、操舵が電気ケーブルに及ぼす影響を低減することができる。
【0021】
前記第16側面に従う第17側面の接続装置において、前記第1コンポーネントは、操作装置および被操作装置の一方を含み、前記第2コンポーネントは、前記操作装置および前記被操作装置の他方を含む。
上記第17側面の接続装置によれば、外乱からの影響を低減することができ、かつ、操舵が電気ケーブルに及ぼす影響を低減することができる。
【0022】
前記第16または第17側面に従う第18側面の接続装置において、前記第1接続部には、人力駆動車に搭載される第3コンポーネントに接続される第1機械ケーブルが接続され、前記第2接続部には、人力駆動車に搭載される第4コンポーネントに接続される第2機械ケーブルが接続される。
上記第18側面の接続装置によれば、外乱からの影響を低減することができ、かつ、操舵が機械ケーブルおよび電気ケーブルに及ぼす影響を低減することができる。
【0023】
前記第18側面に従う第19側面の接続装置において、前記第1コンポーネントは、変速操作装置を含み、前記第2コンポーネントは、変速装置を含み、前記第3コンポーネントは、制動操作装置を含み、前記第4コンポーネントは、制動装置を含む。
上記第19側面の接続装置によれば、外乱からの影響を低減することができ、かつ、操舵が機械ケーブルおよび電気ケーブルに及ぼす影響を低減することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の無線通信システムによれば、外乱からの影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態の無線通信システムを含む人力駆動車の側面図。
図2図1のステアリングコラムおよびその周辺を示す部分断面図。
図3図1の無線通信システムと各種の要素との接続関係を示すブロック図。
図4】第2実施形態の接続装置を含む人力駆動車の側面図。
図5図4の接続装置の構成を示す斜視図。
図6】変形例の無線通信システムを含む人力駆動車において、ステアリングコラムおよびその周辺を示す部分断面図。
図7】変形例の無線通信システムを含む人力駆動車において、ステアリングコラムおよびその周辺を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1実施形態>
図1を参照して、無線通信システム10を含む人力駆動車Aについて説明する。
ここで、人力駆動車は、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。通常、人力駆動車には、小型軽車両が想定され、公道での運転に免許を要しない車両が想定される。図示される人力駆動車Aは、電気エネルギーを用いて人力駆動車Aの推進を補助する走行補助装置Eを含む自転車である。具体的には、図示される人力駆動車Aは、トレッキングバイクである。人力駆動車Aは、フレームA1、前輪支持装置A2、前輪WF、後輪WR、操舵機構H、および、ドライブトレインBをさらに含む。前輪支持装置A2は、フロントフォークA21およびステアリングコラムSC(図2参照)を含む。操舵機構Hは、ハンドルバーH1と、ハンドルバーH1を支持するステムH2とを含む。
【0027】
ドライブトレインBは、チェーンドライブタイプである。ドライブトレインBは、クランクアセンブリC、フロントスプロケットアセンブリD1、リアスプロケットアセンブリD2、および、チェーンD3を含む。クランクアセンブリCは、フレームA1に対して回転可能にボトムブラケットに支持されるクランク軸C1、クランク軸C1の両端部のそれぞれに設けられる一対のクランクアームC2、および、各クランクアームC2の先端に回転可能に取り付けられるペダルPDを含む。ドライブトレインBは、任意のタイプから選択でき、ベルトドライブタイプ、または、シャフトドライブタイプであってもよい。
【0028】
フロントスプロケットアセンブリD1は、クランク軸C1と一体に回転するように1つのクランクアームC2に設けられる。フロントスプロケットアセンブリD1は、複数のフロントスプロケットD11を含む。リアスプロケットアセンブリD2は、後輪WRのハブHRに設けられる。リアスプロケットアセンブリD2は、複数のリアスプロケットD21を含む。チェーンD3は、複数のフロントスプロケットD11の1つと、複数のリアスプロケットD21の1つとに巻き掛けられる。人力駆動車Aに搭乗する搭乗者によってペダルPDに加えられる人力駆動力は、フロントスプロケットアセンブリD1、チェーンD3、および、リアスプロケットアセンブリD2を介して後輪WRに伝達される。
【0029】
人力駆動車Aは、第1コンポーネントCO1および第2コンポーネントCO2をさらに含む。第1コンポーネントCO1は、搭乗者の操作が入力される操作装置OD、および、操作装置ODへの入力に応じて動作する被操作装置OTの一方を含む。一例では、第1コンポーネントCO1は、操作装置ODを含む。操作装置ODは、例えばハンドルバーH1に設けられる。第1コンポーネントCO1に含まれる操作装置ODは、変速操作装置SL、制動操作装置BL、変速操作装置SLと制動操作装置BLとが一体に設けられる変速/制動操作装置、サスペンション操作装置、アジャスタブルシートポスト操作装置、および、走行補助操作装置の少なくとも1つを含む。本実施形態では、第1コンポーネントCO1は、変速操作装置SLを含む。
【0030】
第2コンポーネントCO2は、操作装置ODおよび被操作装置OTの他方を含む。一例では、第2コンポーネントCO2は、被操作装置OTを含む。第2コンポーネントCO2に含まれる被操作装置OTは、変速装置T、制動装置BD、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、および、走行補助装置Eの少なくとも1つを含む。本実施形態では、第2コンポーネントCO2は、変速装置Tを含む。コンポーネントCO1、CO2は、電気的に動作するように構成される。一例では、コンポーネントCO1、CO2は、人力駆動車Aに搭載されるバッテリBTから供給される電力、または、個々のコンポーネントCO1、CO2に搭載される専用の電源から供給される電力等によって動作する。上述のコンポーネントCO1、CO2に含まれない操作装置ODおよび被操作装置OTは、機械的に動作するように構成されてもよい。
【0031】
変速装置Tは、外装変速機を含む。一例では、変速装置Tは、フロントディレーラTFおよびリアディレーラTRの少なくとも1つを含む。フロントディレーラTFは、フレームA1のフロントスプロケットアセンブリD1付近に設けられる。フロントディレーラTFによって、チェーンD3が巻き掛けられるフロントスプロケットD11が変更されることで人力駆動車Aの変速比が変更される。リアディレーラTRは、フレームA1のリアエンドA3に設けられる。リアディレーラTRによって、チェーンD3が巻き掛けられるリアスプロケットD21が変更されることで人力駆動車Aの変速比が変更される。一例では、変速操作装置SLの操作に応じて、変速装置Tが電気的に駆動される。変速装置Tは、外装変速機に代えて、内装変速機または無段変速機を含んでいてもよい。
【0032】
制動装置BDは、車輪の数に対応する制動装置BDを含む。本実施形態では、前輪WFに対応する制動装置BD、および、後輪WRに対応する制動装置BDが人力駆動車Aに設けられる。2つの制動装置BDは、互いに同様の構成を有していてもよい。制動装置BDは、例えば人力駆動車AのリムRを制動するリムブレーキ装置である。一例では、制動操作装置BLの操作に応じて、対応する制動装置BDが電気的に駆動される。制動装置BDは、人力駆動車Aに搭載されるディスクブレーキロータを制動するディスクブレーキ装置であってもよい。
【0033】
サスペンションSUは、フロントサスペンションSFおよびリアサスペンションの少なくとも1つを含む。フロントサスペンションSFは、前輪WFが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。リアサスペンションは、後輪WRが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。一例では、サスペンション操作装置の操作に応じて、対応するサスペンションSUが電気的に駆動される。具体的には、サスペンション操作装置の操作に応じて、対応するサスペンションSUの変位状態、トラベル量、減衰力、および、反発力の少なくとも1つが変更される。
【0034】
アジャスタブルシートポストASPは、フレームA1に対するサドルSDの高さが変更されるように動作する。一例では、アジャスタブルシートポスト操作装置の操作に応じて、アジャスタブルシートポストASPが電気的に駆動される。
【0035】
走行補助装置Eは、人力駆動車Aの推進力がアシストされるように動作する。走行補助装置Eは、例えばペダルPDに加えられる人力駆動力に応じて動作する。走行補助装置Eは、例えば電気モータE1を含む。一例では、走行補助操作装置の操作に応じて、走行補助装置Eが電気的に駆動される。
【0036】
無線通信システム10は、人力駆動車Aに搭載される第1コンポーネントCO1に電気的に接続される第1無線ユニット12と、第1無線ユニット12と無線通信するように、人力駆動車Aに搭載される第2コンポーネントCO2に電気的に接続される第2無線ユニット14とを備える。第1無線ユニット12は、各種の情報を送信または受信する機能を含む。一例では、第1無線ユニット12は、各種の情報を含む電磁波を送信する機能を含む。第1無線ユニット12は、例えば第1電気ケーブルCA1(図2参照)を介して第1コンポーネントCO1に電気的に接続される。第1無線ユニット12は、第1コンポーネントCO1から取得した各種の情報を第2無線ユニット14に送信する。第1無線ユニット12は、人力駆動車Aの操舵機構Hに設けられる。一例では、第1無線ユニット12は、ステムH2に設けられる。
【0037】
第2無線ユニット14は、各種の情報を送信または受信する機能を含む。一例では、第2無線ユニット14は、各種の情報を含む電磁波を受信する機能を含む。第2無線ユニット14は、例えば第2電気ケーブルCA2(図2参照)を介して第2コンポーネントCO2に電気的に接続される。第2無線ユニット14は、第1無線ユニット12から各種の情報を受信し、受信した情報を第2コンポーネントCO2に送信する。第2無線ユニット14は、人力駆動車AのフレームA1に設けられる。一例では、第2無線ユニット14は、第2無線ユニット14と第1無線ユニット12との距離が、第2無線ユニット14と第2コンポーネントCO2との距離よりも短くなるように、人力駆動車AのフレームA1に設けられる。ここで、第2無線ユニット14と第1無線ユニット12との距離、および、第2無線ユニット14と第2コンポーネントCO2との距離は、それぞれ人力駆動車Aを進行方向に対して右から見たときの投影面上の最短の距離として定義される。
【0038】
図2を参照して、無線通信システム10の具体的な構成について説明する。
第1無線ユニット12および第2無線ユニット14の少なくとも1つは、人力駆動車Aの内部空間Sに設けられる。本実施形態では、第1無線ユニット12および第2無線ユニット14の両方が人力駆動車Aの内部空間Sに設けられる。人力駆動車Aの内部空間Sは、操舵機構Hの内部空間S1、フレームA1の内部空間S2、および、ステアリングコラムSCの内部空間S3を含む。
【0039】
第1無線ユニット12は、操舵機構Hの内部空間S1に設けられる。一例では、第1無線ユニット12は、ステムH2の内部空間S11に設けられる。第1無線ユニット12とステアリングコラムSCとの距離は、第1無線ユニット12と第1コンポーネントCO1との距離よりも短い。ここで、第1無線ユニット12とステアリングコラムSCとの距離、および、第1無線ユニット12と第1コンポーネントCO1との距離は、それぞれ人力駆動車Aを進行方向に対して右から見たときの投影面上の最短の距離として定義される。本実施形態では、第1無線ユニット12は、第1無線ユニット12とステアリングコラムSCとの距離が第1無線ユニット12とハンドルバーH1との距離よりも短くなるように、ステムH2の内部空間S11に設けられる。
【0040】
第2無線ユニット14は、人力駆動車AのフレームA1の内部空間S2に設けられる。一例では、第2無線ユニット14は、人力駆動車AのダウンチューブA11の内部空間S21に設けられる。本実施形態では、第2無線ユニット14は、第2無線ユニット14と第1無線ユニット12との距離が、第2無線ユニット14と第2コンポーネントCO2との距離よりも短くなるように、ダウンチューブA11の内部空間S21に設けられる。
【0041】
第1無線ユニット12および第2無線ユニット14は、人力駆動車Aの内部空間Sを介して無線通信するように人力駆動車Aに設けられる。一例では、第1無線ユニット12および第2無線ユニット14は、人力駆動車AのフレームA1の内部空間S2を介して無線通信するように人力駆動車Aに設けられる。本実施形態では、第1無線ユニット12および第2無線ユニット14は、人力駆動車AのステアリングコラムSCの内部空間S3を介して無線通信する。
【0042】
操舵機構Hは、ステムH2に前輪支持装置A2を連結するための連結部材H3をさらに含む。連結部材H3は、トップキャップH31、ボルトH32、および、ナットH33を含む。トップキャップH31は、例えばステアリングコラムSCの上端に取り付け可能に構成される。一例では、トップキャップH31は、フレームA1との間にステムH2を挟み込むようにステアリングコラムSCに取り付けられる。ボルトH32は、例えばトップキャップH31と一体に設けられる。ナットH33は、例えばステアリングコラムSCに設けられる。一例では、ステアリングコラムSCがフレームA1のヘッドチューブA12に挿入され、ステムH2がステアリングコラムSCに取り付けられ、ボルトH32がナットH33に挿入されるようにトップキャップH31がステアリングコラムSCの上端に取り付けられることによって、操舵機構HがステアリングコラムSCに固定される。操舵機構Hは、連結部材H3を省略して構成されてもよい。
【0043】
ステアリングコラムSCは、コラム本体SC1と、コラム本体SC1の内部空間S31と人力駆動車Aの操舵機構Hの内部空間S1との間、および、コラム本体SC1の内部空間S31と人力駆動車AのフレームA1の内部空間S2との間の少なくとも1つを電磁波が伝搬する電磁波伝搬機構EPとを含む。本実施形態では、電磁波伝搬機構EPは、コラム本体SC1の内部空間S31と人力駆動車Aの操舵機構Hの内部空間S1との間、および、コラム本体SC1の内部空間S31と人力駆動車AのフレームA1の内部空間S2との間の両方を電磁波が伝搬するように構成される。電磁波伝搬機構EPは、電磁波の伝搬が可能な機構で構成されてもよく、電磁波の伝搬が可能な材料で構成されてもよい。電磁波の伝搬が可能な材料は、例えば樹脂である。
【0044】
電磁波伝搬機構EPは、例えば電磁波の伝搬が可能な機構で構成される。電磁波伝搬機構EPは、ステアリングコラムSCの回転中心軸心RAに対して非平行な方向において、コラム本体SC1の内部空間S31と連通する少なくとも1つの開口OPを含む。一例では、少なくとも1つの開口OPは、その開口方向とステアリングコラムSCの回転中心軸心RAとが投影面上で交差するように設けられる。少なくとも1つの開口OPは、コラム本体SC1の内部空間S31と操舵機構Hの内部空間S1とを連通させる第1開口OP1と、コラム本体SC1の内部空間S31とフレームA1の内部空間S2とを連通させる第2開口OP2とを含む。
【0045】
第1開口OP1は、例えばコラム本体SC1の内部空間S31とステムH2の内部空間S11とを連通させる。一例では、第1開口OP1は、コラム本体SC1に設けられる。具体的には、第1開口OP1は、コラム本体SC1の操舵機構Hとの接続部分に設けられる。第2開口OP2は、例えばコラム本体SC1の内部空間S31とダウンチューブA11の内部空間S21とを連通させる。一例では、第2開口OP2は、コラム本体SC1およびダウンチューブA11のそれぞれに設けられる。具体的には、第2開口OP2は、コラム本体SC1のダウンチューブA11との接続部分、および、ダウンチューブA11のコラム本体SC1との接続部分に設けられる。本実施形態では、第1無線ユニット12から送信される電磁波は、ステムH2の内部空間S11、第1開口OP1、コラム本体SC1の内部空間S31、第2開口OP2、および、ダウンチューブA11の内部空間S21を介して第2無線ユニット14に受信される。ダウンチューブA11とヘッドチューブA12との間が開放されるようにフレームA1が構成される場合、ダウンチューブA11に設けられる第2開口OP2を省略できる。
【0046】
図3に示されるように、人力駆動車Aは、制御装置20をさらに含む。制御装置20は、例えば走行補助装置EのハウジングE2内に収容される。制御装置20は、バッテリBTから供給される電力によって動作する。制御装置20は、第1コンポーネントCO1(操作装置OD)の操作等に応じて第2コンポーネントCO2(被操作装置OT)を制御する制御部22と、各種の情報を記憶する記憶部24とを含む。制御部22は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)である。制御部22は、例えば第1コンポーネントCO1の操作に関する情報を、第1無線ユニット12および第2無線ユニット14を介して取得し、第1コンポーネントCO1の操作に関する情報に基づいて第2コンポーネントCO2を制御する。記憶部24は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部24は、例えば制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。
【0047】
<第2実施形態>
図4および図5を参照して、第2実施形態の接続装置30について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0048】
図4を参照して、接続装置30を含む人力駆動車AAについて説明する。
図示される人力駆動車AAは、電気エネルギーを用いて人力駆動車AAの推進を補助する走行補助装置Eを含む自転車である。具体的には、図示される人力駆動車AAは、トレッキングバイクである。人力駆動車AAは、フレームA1、前輪支持装置A2、前輪WF、後輪WR、操舵機構H、ドライブトレインB、および、制御装置20をさらに含む。第2実施形態の操舵機構Hは、第1実施形態の操舵機構Hの形状と相違するが、第1実施形態の操舵機構Hの構成と実質的に同じである。接続装置30は、例えば人力駆動車AAにおいて、操舵機構HとフレームA1との間に設けられる。一例では、接続装置30は、人力駆動車AAのステアリングコラムSCに設けられる。
【0049】
人力駆動車AAは、第1コンポーネントCO1、第2コンポーネントCO2、第3コンポーネントCO3、および、第4コンポーネントCO4をさらに含む。第1コンポーネントCO1および第2コンポーネントCO2は、互いに関連付けられる。第1コンポーネントCO1は、操作装置ODおよび被操作装置OTの一方を含む。一例では、第1コンポーネントCO1は、操作装置ODを含む。第1コンポーネントCO1に含まれる操作装置ODは、変速操作装置SL、サスペンション操作装置、アジャスタブルシートポスト操作装置、および、走行補助操作装置の少なくとも1つを含む。本実施形態では、第1コンポーネントCO1は、変速操作装置SLを含む。
【0050】
第2コンポーネントCO2は、操作装置ODおよび被操作装置OTの他方を含む。一例では、第2コンポーネントCO2は、被操作装置OTを含む。第2コンポーネントCO2に含まれる被操作装置OTは、変速装置T、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、および、走行補助装置Eの少なくとも1つを含む。本実施形態では、第2コンポーネントCO2は、変速装置Tを含む。第1コンポーネントCO1および第2コンポーネントCO2は、例えば電気的に動作するように構成される。一例では、コンポーネントCO1、CO2は、人力駆動車AAに搭載されるバッテリBTから供給される電力、または、個々のコンポーネントCO1、CO2に搭載される専用の電源から供給される電力等によって動作する。上述のコンポーネントCO1、CO2に含まれない操作装置ODおよび被操作装置OTは、機械的に動作するように構成されてもよい。
【0051】
第3コンポーネントCO3および第4コンポーネントCO4は、互いに関連付けられる。第3コンポーネントCO3は、操作装置ODおよび被操作装置OTの一方を含む。一例では、第3コンポーネントCO3は、操作装置ODを含む。本実施形態では、第3コンポーネントCO3は、制動操作装置BLを含む。第4コンポーネントCO4は、操作装置ODおよび被操作装置OTの他方を含む。一例では、第4コンポーネントCO4は、被操作装置OTを含む。本実施形態では、第4コンポーネントCO4は、制動装置BDを含む。第3コンポーネントCO3および第4コンポーネントCO4は、例えば機械的に動作するように構成される。
【0052】
図5を参照して、接続装置30の具体的な構成について説明する。
接続装置30は、人力駆動車AAに搭載される第1コンポーネントCO1からの第1電気ケーブルCB1が接続される第1接続部32と、人力駆動車AAに搭載される第2コンポーネントCO2からの第2電気ケーブルCB2が接続される第2接続部34とを備える。第1電気ケーブルCB1は、電線EW1と、電線EW1を覆うアウターケースEO1とを含む。本実施形態では、第1電気ケーブルCB1は、第1電気ケーブルCB11および第1電気ケーブルCB12を含む。第1電気ケーブルCB11は、例えば第1接続部32と、リアディレーラTRを操作するための変速操作装置SLとを電気的に接続する。第1電気ケーブルCB12は、例えば第1接続部32と、フロントディレーラTFを操作するための変速操作装置SLとを電気的に接続する。第2電気ケーブルCB2は、電線EW2と、電線EW2を覆うアウターケースEO2とを含む。第2電気ケーブルCB2は、第2電気ケーブルCB21および第2電気ケーブルCB22を含む。複数の第2電気ケーブルCB21、CB22は、例えば第2接続部34と、制御装置20とを電気的に接続する。
【0053】
第1接続部32には、人力駆動車AAに搭載される第3コンポーネントCO3に接続される第1機械ケーブルCM1が接続される。第1機械ケーブルCM1は、例えばボーデンケーブルである。第1機械ケーブルCM1は、インナーワイヤIW1と、インナーワイヤIW1を覆うアウターケースIO1とを含む。第1機械ケーブルCM1は、第1機械ケーブルCM11および第1機械ケーブルCM12を含む。第1機械ケーブルCM11、CM12は、例えば第1接続部32と、人力駆動車AAの後輪WRを制動するための制動装置BDに対応する制動操作装置BLとを接続する。
【0054】
第2接続部34には、人力駆動車AAに搭載される第4コンポーネントCO4に接続される第2機械ケーブルCM2が接続される。第2機械ケーブルCM2は、例えばボーデンケーブルである。第2機械ケーブルCM2は、インナーワイヤIW2と、インナーワイヤIW2を覆うアウターケースIO2とを含む。第2機械ケーブルCM2は、第2機械ケーブルCM21および第2機械ケーブルCM22を含む。第2機械ケーブルCM21、CM22は、例えば第2接続部34と、人力駆動車AAの後輪WRに対応する制動装置BDとを接続する。人力駆動車AAの前輪WFに対応する制動操作装置BLからの機械ケーブルCM3は、例えば人力駆動車AAの内部空間Sを介して、人力駆動車AAの前輪WFに対応する制動装置BDに接続される(図4参照)。
【0055】
接続装置30は、人力駆動車AAのフレームA1に対する人力駆動車AAの操舵機構Hの回転に応じて、第1接続部32が第2接続部34に対して相対回転するように、第1接続部32および第2接続部34を支持する支持機構36をさらに備える。支持機構36は、例えばベアリングが内蔵される。支持機構36は、第1接続部32を支持する第1支持部36A、および、第2接続部34を支持する第2支持部36Bを含む。第1支持部36Aおよび第2支持部36Bは、相対回転するように互いに結合される。
【0056】
第1支持部36Aには、第1電気ケーブルCB1の電線EW1、および、第1機械ケーブルCM1のインナーワイヤIW1が接続される。第2支持部36Bには、第2電気ケーブルCB2の電線EW2、および、第2機械ケーブルCM2のインナーワイヤIW2が接続される。第1支持部36Aおよび第2支持部36Bは、第1電気ケーブルCB1の電線EW1と第2電気ケーブルCB2の電線EW2とが通電するように構成される。
【0057】
接続装置30は、人力駆動車AAのステアリングコラムSCを挿通可能な挿通孔30Aをさらに含む。挿通孔30Aは、第1接続部32、第2接続部34、および、支持機構36のそれぞれに設けられる。一例では、挿通孔30AにステアリングコラムSCが挿通され、第2接続部34がステアリングコラムSCに固定されることによって、接続装置30がステアリングコラムSCに取り付けられる(図4参照)。
【0058】
変速操作装置SLが操作されると、変速操作装置SLの操作に関する情報を含む信号が第1電気ケーブルCB1、接続装置30、および、第2電気ケーブルCB2を介して制御装置20に送信される。制御装置20は、変速操作装置SLの操作に関する情報に基づいて変速装置Tを制御する。人力駆動車AAの後輪WRに対応する制動操作装置BLが操作されると、支持機構36が第1接続部32に近づくように第1機械ケーブルCM1のインナーワイヤIW1が引っ張られ、第2機械ケーブルCM2のインナーワイヤIW2も同様に引っ張られる。第2機械ケーブルCM2のインナーワイヤIW2が引っ張られることによって、人力駆動車AAの後輪WRに対応する制動装置BDが動作する。
【0059】
人力駆動車AAに搭乗する搭乗者がハンドルバーH1を操舵すると、操舵機構Hが回転するとともに第1接続部32が第2接続部34に対して相対回転する。具体的には、第1接続部32および第1支持部36Aが第2支持部36Bおよび第2接続部34に対して一体的に相対回転する。この場合、第1電気ケーブルCB1が第2電気ケーブルCB2に対して相対回転し、第1機械ケーブルCM1が第2機械ケーブルCM2に対して相対回転する。
【0060】
<変形例>
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う無線通信システムおよび接続装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う無線通信システムおよび接続装置は、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
・第1無線ユニット12の配置は、任意に変更可能である。以下の第1例および第2例では、操舵機構Hは、ハンドルバーH1と、ハンドルバーH1を支持するステムH2と、ステムH2に前輪支持装置A2を連結するための連結部材H3とを含む。第1無線ユニット12は、連結部材H3に設けられる。第1例では、図6に示されるように、第1無線ユニット12は、トップキャップH31に設けられる。具体的には、第1無線ユニット12は、トップキャップH31の内面に設けられる。この場合、第1無線ユニット12は、ステアリングコラムSCの内部空間S3に配置される。第2例では、図7に示されるように、第1無線ユニット12は、ナットH33に設けられる。この場合、第1無線ユニット12は、ステアリングコラムSCの内部空間S3に配置される。第1例および第2例において、第1電気ケーブルCA1が人力駆動車Aの外部を介して第1コンポーネントCO1に接続される場合、電磁波伝搬機構EPは、第1開口OP1を省略して構成されてもよい。第3例では、第1無線ユニット12は、ステアリングコラムSCの内周面に設けられる。第4例では、第1無線ユニット12は、第1開口OP1に設けられる。第5例では、第1無線ユニット12は、ハンドルバーH1の内部空間に設けられる。
【0062】
・第2無線ユニット14の配置は、任意に変更可能である。第1例では、第2無線ユニット14は、ダウンチューブA11の第2開口OP2に設けられる。第2例では、第2無線ユニット14は、第2無線ユニット14とステアリングコラムSCとの距離は、第2無線ユニット14と第2コンポーネントCO2との距離よりも短くなるように、ダウンチューブA11の内部空間S21に設けられる。第3例では、第2無線ユニット14は、フレームA1のトップチューブA13の内部空間に設けられる。この場合、第2開口OP2は、コラム本体SC1のトップチューブA13との接続部分、および、トップチューブA13のコラム本体SC1との接続部分に設けられる。トップチューブA13とヘッドチューブA12との間が開放されるようにフレームA1が構成される場合、トップチューブA13に設けられる第2開口OP2を省略できる。
【0063】
・第1無線ユニット12とステアリングコラムSCとの距離と、第1無線ユニット12と第1コンポーネントCO1との距離との関係は、任意に変更可能である。第1例では、第1無線ユニット12とステアリングコラムSCとの距離は、第1無線ユニット12と第1コンポーネントCO1との距離と実質的に同じである。第2例では、第1無線ユニット12とステアリングコラムSCとの距離は、第1無線ユニット12と第1コンポーネントCO1との距離よりも長い。
【0064】
・第1無線ユニット12と第2無線ユニット14との関係は、任意に変更可能である。第1例では、第1無線ユニット12および第2無線ユニット14の少なくとも1つは、人力駆動車Aの外表面に設けられる。第2例では、第1無線ユニット12および第2無線ユニット14は、人力駆動車Aの外部を介して無線通信するように人力駆動車Aに設けられる。第3例では、第2無線ユニット14は、第2無線ユニット14と第1無線ユニット12との距離が、第2無線ユニット14と第2コンポーネントCO2との距離と実質的に同じになるように、人力駆動車AのフレームA1に設けられる。第4例では、第2無線ユニット14は、第2無線ユニット14と第1無線ユニット12との距離が、第2無線ユニット14と第2コンポーネントCO2との距離よりも長くなるように、人力駆動車AのフレームA1に設けられる。
【0065】
・人力駆動車A、AAの種類は、任意に変更可能である。第1例では、人力駆動車A、AAは、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、シティサイクル、カーゴバイク、または、リカンベントである。第2例では、人力駆動車A、AAは、キックスケータである。
【0066】
・本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0067】
10…無線通信システム、12…第1無線ユニット、14…第2無線ユニット、30…接続装置、32…第1接続部、34…第2接続部、36…支持機構、A…人力駆動車、AA…人力駆動車、A1…フレーム、A2…前輪支持装置、BD…制動装置、BL…制動操作装置、CB1…第1電気ケーブル、CB2…第2電気ケーブル、CM1…第1機械ケーブル、CM2…第2機械ケーブル、CO1…第1コンポーネント、CO2…第2コンポーネント、CO3…第3コンポーネント、CO4…第4コンポーネント、EP…電磁波伝搬機構、H…操舵機構、H1…ハンドルバー、H2…ステム、H3…連結部材、OD…操作装置、OP…開口、OP1…第1開口、OP2…第2開口、OT…被操作装置、RA…回転中心軸心、S…内部空間、S1…内部空間、S11…内部空間、S2…内部空間、S3…内部空間、S31…内部空間、SC…ステアリングコラム、SC1…コラム本体、SL…変速操作装置、T…変速装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7