(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】喫煙物品
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20200101AFI20230427BHJP
【FI】
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2018529930
(86)(22)【出願日】2016-12-09
(86)【国際出願番号】 IB2016057489
(87)【国際公開番号】W WO2017098464
(87)【国際公開日】2017-06-15
【審査請求日】2019-09-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-19
(32)【優先日】2015-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594112886
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アデメ,バラジャー
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】西村 泰英
【審判官】菅家 裕輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/084458(WO,A1)
【文献】特表2014-526275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 42/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火端と対向する吸い口端とを有する細長い喫煙物品であって、前記喫煙物品が、
吸い口端に配置された吸い口端部と、
点火端に配置された発熱部と、
円筒形ロッドを画定するように、少なくとも発熱部の周りに巻き付けられ吸い口端部に向かって延びる外側包装材料と、
発熱部内に配置され、点火端で少なくとも部分的に露出する発熱カートリッジであって、発熱カートリッジは対向する穿孔端部と、穿孔端部の間に長手方向に延びる管状部とを含むように構成され、穿孔端部の間の発熱カートリッジ内および長手方向に延びる管状部内の着火可能な燃料要素を収容するように構成された区画を画定し、着火可能な燃料要素は、その着火時に熱を放出することができる複数の
顆粒を有し、
顆粒は、区画内に収容され
ている、発熱カートリッジと、
外側包装材料内で、発熱部と吸い口端部との間に配置され、発熱カートリッジから受けた熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成部と、
を含み、
少なくとも1つの対向する穿孔端部が、内部に収容された着火可能な燃料要素を有する長手方向に延びる管状部と協働して、発熱カートリッジを形成するように構成された取り外し可能な端キャップを含む、細長い喫煙物品。
【請求項2】
発熱カートリッジが直円筒または溝付き円筒として構成され、長手方向に延びる管状部が、対向する穿孔端部の間に長手方向に延びる側壁を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
側壁および対向する穿孔端部の各々が、少なくとも1つの穿孔を画定する、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
対向する穿孔端部の間で側壁から内方に延びる1つ以上のバッフルを含む、請求項2に記載の物品。
【請求項5】
発熱カートリッジの周囲に巻き付けられ、点火端からエアロゾル生成部に向かって発熱カートリッジに沿って長手方向に延びる断熱要素を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
断熱要素が、ガラス繊維マット、断熱コーティング、断熱塗料、ガラススリーブまたはセラミックスリーブを含む、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
発熱カートリッジが、グラファイト、炭素繊維強化炭素、セラミック、繊維状耐火性複合材断熱材、アルミニウム、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素から構成される、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
発熱カートリッジが、長手方向に延びる管状部と穿孔端部のうち1つとを含む第1の部分と、第1の部分の長手方向に延びる管状部に対して同軸的に配置され第1の部分の長手方向に延びる管状部を取り囲むように構成され、穿孔端部の他方を形成してキャビティを画定するように構成された外側スリーブを含む第2の部分とを含み、外側スリーブは、第1の部分の長手方向に延びる管状部から半径方向に離間され、それらの間に環を画定するようにそれらと協働する、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
発熱カートリッジが直円筒または溝付き円筒として構成され、長手方向に延びる管状部は長手方向に延びる側壁、対向する穿孔端部を含み、長手方向に延びる管状部および対向する穿孔端部は発熱カートリッジ内のキャビティを画定し、中央仕切りは対向する穿孔端部の間のキャビティ内に配置され、側壁は中央仕切りおよび穿孔端部と協働して、キャビティ内に直列に配置された第1および第2の区画を画定し、第1の区画は着火可能な燃料要素を形成する複数の
顆粒を収容するように構成され、第2の区画はエアロゾル生成要素を収容するように構成され、エアロゾル生成部を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
エアロゾル生成部に配置されたエアロゾル生成カートリッジを含み、エアロゾル生成カートリッジは対向する穿孔端部と、穿孔端部の間にエアロゾル前駆物質要素とを含むように構成され、エアロゾル前駆物質要素は、その加熱時にエアロゾルを形成することができる、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
点火端と対向する吸い口端とを有する細長い喫煙物品を形成する方法であって、前記方法が、
外側包装材料が吸い口端に配置された吸い口端部に向かって延びるように、かつ円筒形ロッドを画定するように、点火端に配置された少なくとも発熱部の周りに外側包装材料を巻き付けるステップと、
発熱カートリッジが点火端で少なくとも部分的に露出するように、発熱部内に発熱カートリッジを配置するステップであって、発熱カートリッジは、対向する穿孔端部と、穿孔端部の間に長手方向に延びる管状部とを含むように構成され、穿孔端部の間の発熱カートリッジ内および長手方向に延びる管状部内の着火可能な燃料要素を収容するように構成された区画を画定し、着火可能な燃料要素は、その着火時に熱を放出することができる複数の
顆粒を有し、
顆粒は、区画内に収容され
ている、ステップと、
外側包装材料内で、発熱部と吸い口端部との間にエアロゾル生成部を配置するステップであって、エアロゾル生成部は、発熱カートリッジから受けた熱に応答してエアロゾルを生成するように構成される、ステップと、
少なくとも1つの対向する穿孔端部の着脱可能な端キャップと、内部に収容された着火可能な燃料要素を有する長手方向に延びる管状部とを係合させて、発熱カートリッジを形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
発熱カートリッジを配置するステップが、直円筒または溝付き円筒として構成された発熱カートリッジを配置するステップを含み、長手方向に延びる管状部が、対向する穿孔端部の間に長手方向に延びる側壁を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
発熱カートリッジを配置するステップが、側壁と、少なくとも1つの穿孔を画定する対向する穿孔端部の各々とを有する発熱カートリッジを配置するステップを含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上のバッフルと発熱カートリッジの側壁とを係合させるステップであって、1つ以上のバッフルが、対向する穿孔端部の間の側壁から内方に延びる、ステップを含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項15】
点火端からエアロゾル生成部に向かって、発熱カートリッジのまわりに及び発熱カートリッジに沿って長手方向に断熱要素を巻き付けるステップを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項16】
断熱要素を巻き付けるステップが、発熱カートリッジのまわりに及び発熱カートリッジに沿って長手方向に、ガラス繊維マット、断熱コーティング、断熱塗料、ガラススリーブまたはセラミックスリーブを含む断熱要素を巻き付けるステップを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
発熱カートリッジを配置するステップが、グラファイト、炭素繊維強化炭素、セラミック、繊維状耐火性複合材断熱材、アルミニウム、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素から構成された発熱カートリッジを発熱部内に配置するステップを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項18】
長手方向に延びる管状部と穿孔端部のうち1つとを含む第1の部分と、第1の部分の長手方向に延びる管状部に対して同軸的に配置され第1の部分の長手方向に延びる管状部を取り囲むように構成され穿孔端部の他方を形成してキャビティを画定するように構成された外側スリーブを含む第2の部分とを係合させるステップであって、外側スリーブを有する発熱カートリッジが、第1の部分の長手方向に延びる管状部から半径方向に離間され、それらの間に環を画定するようにそれらと協働する、ステップを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項19】
発熱カートリッジが直円筒または溝付き円筒として構成され、長手方向に延びる管状部は長手方向に延びる側壁、対向する穿孔端部を含み、長手方向に延びる管状部および対向する穿孔端部は発熱カートリッジ内のキャビティを画定し、中央仕切りは対向する穿孔端の間のキャビティ内に配置され、側壁は中央仕切りおよび穿孔端部と協働して、キャビティ内に直列に配置された第1および第2の区画を画定し、方法は、第1の区画内に着火可能な燃料要素を形成する複数の
顆粒を配置するステップと、第2の区画内にエアロゾル生成要素を配置して、エアロゾル生成部を形成するステップと、を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項20】
エアロゾル生成部を配置するステップが、対向する穿孔端部と、穿孔端部の間にエアロゾル前駆物質要素とを含むエアロゾル生成カートリッジをエアロゾル生成部内に配置するステップであって、エアロゾル前駆物質要素はその加熱時にエアロゾルを形成することができる、ステップを含む、請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タバコから作られたか、タバコに由来するか、そうでなければタバコを組み込んだ製品であって、ヒトの消費を意図した製品に関する。さらに詳細には、タバコを燃焼させることによって煙を発生するタバコ製品と比較して、不完全燃焼生成物および熱分解生成物の量がかなり減少したエアロゾルを生成するセグメント型喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
シガレットなどの人気のある喫煙物品は、実質的に円筒形のロッド状構造を有し、巻紙に取り囲まれた刻みタバコ(例えば、カットフィラー(cut filler)の形態をとる)などの喫煙可能材料の充填物、ロールまたは柱状物を含み、それによって、いわゆる「喫煙可能ロッド」、「タバコロッド」または「シガレットロッド」を形成する。通常、シガレットは、タバコロッドと端と端とを接した関係で整列させた円筒形のフィルタ要素を有する。好ましくは、フィルタ要素は、「プラグラップ」として知られる紙材料によって囲まれた可塑化酢酸セルローストウを含む。好ましくは、フィルタ要素は、「チッピング紙」として知られる外装包装材料を用いてタバコロッドの一端に取り付けられる。また、吸引される主流煙を周囲空気で希釈するために、チッピング材料およびプラグラップを穿孔することが望ましくなってきている。シガレットおよびその様々な構成要素の説明は、参照により本明細書に組み込まれるTobacco Production,Chemistry and Technology、Davisら(編集)(1999)に記載されている。従来のタイプのシガレットは、その一端に火を点け、タバコロッドを燃やすことによって、喫煙者により使用される。次いで、喫煙者は、シガレットの反対側の端部(例えば、フィルタ端または吸い口端)を吸引することによって、主流煙を口に入れる。長年にわたり、喫煙物品の構成要素、構造および性能を改善する努力が注がれている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるBorschkeらの米国特許第7,753,056号明細書に記載されている背景技術を参照されたい。
【0003】
炭素質燃料要素を使用する特定のタイプのシガレットは、R.J.Reynolds Tobacco Companyから「Premier」、「Eclipse」および「Revo」という商品名で市販されている。例えば、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco、R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)およびInhalation Toxicology、12:5、1~58頁(2000)に記載されているシガレットのタイプを参照されたい。さらに、日本では、同様のタイプのシガレットがJapan Tobacco Inc.から「Steam Hot One」という商品名で販売されている。
【0004】
近年、特許文献には、発熱およびエアロゾル生成のための炭素質燃料要素を組み込んだ様々なタイプの喫煙製品が記載されている。いくつかの特許文書は、タバコを燃やすことによって生成される主流煙と比較して比較的単純な化学組成を有するエアロゾルを送達する喫煙製品に関連する技術の歴史的見解を提供する。例えば、参照により本明細書に組み込まれるSensabaughらの米国特許第4,793,365号明細書、Clearmanらの米国特許第5,099,861号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Borschkeらの米国特許第7,836,897号明細書、Banerjeeらの米国特許第8,469,035号明細書、Sebastianらの米国特許第8,464,726号明細書、Tsurizumiらの米国特許第8,616,217号明細書、Crooksらの米国特許第8,678,013号明細書およびPogetらの米国特許第8,915,255号明細書、Stoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書、Shinozakiらの米国特許出願公開第2013/0133675号明細書およびAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、GladdenらのPCT国際公開第2012/0164077号明細書、RaetherらのPCT国際公開第2013/098380号明細書、ZuberらのPCT国際公開第2013/098405号明細書、ZuberらのPCT国際公開第2013/098410号明細書、WoodcockらのPCT国際公開第2013/104914号明細書、RoudierらのPCT国際公開第2013/120849号明細書、MironovのPCT国際公開第2013/120854号明細書、AzegamiらのPCT国際公開第2013/162028号明細書およびSaleemらのPCT国際公開第20132/1600112号明細書、Babaらの欧州特許第1808087号明細書、Tsuruizumiらの欧州特許出願公開第2550879号明細書ならびに2015年8月31日に出願されたBeesonらの米国特許出願番号第14/840178号に提案されている喫煙製品および関連技術のタイプを参照されたい。
【0005】
タバコを燃やした結果として生成されるかなりの量の不完全燃焼生成物および熱分解生成物を包含するエアロゾルを送達することなく、喫煙者に従来のシガレット喫煙の多くの楽しみを提供する能力を実証する喫煙物品を提供することが非常に望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第7,753,056号明細書
【文献】米国特許第4,793,365号明細書
【文献】米国特許第5,099,861号明細書
【文献】米国特許第7,647,932号明細書
【文献】米国特許第7,836,897号明細書
【文献】米国特許第8,469,035号明細書
【文献】米国特許第8,464,726号明細書
【文献】米国特許第8,616,217号明細書
【文献】米国特許第8,678,013号明細書
【文献】米国特許第8,915,255号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0042885号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0133675号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0157052号明細書
【文献】国際公開第2012/0164077号
【文献】国際公開第2013/098380号
【文献】国際公開第2013/098405号
【文献】国際公開第2013/098410号
【文献】国際公開第2013/104914号
【文献】国際公開第2013/120849号
【文献】国際公開第2013/120854号
【文献】国際公開第2013/162028号
【文献】欧州特許第1808087号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2550879号明細書
【非特許文献】
【0007】
【文献】Tobacco Production,Chemistry and Technology、Davisら(編集)(1999)
【文献】Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco、R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)
【文献】Inhalation Toxicology、12:5、1~58頁(2000)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述のおよび他の必要性は、一態様では、点火端および対向する吸い口端を有する細長い喫煙物品を提供する本開示の態様によって満たされる。このような喫煙物品は、吸い口端の周りに配置された吸い口端部と、点火端の周りに配置された発熱部とを含む。外側包装材料は、円筒形ロッドを画定するように、少なくとも発熱部の周りに巻き付けられ、吸い口端部に向かって延びる。エアロゾル生成部は外側包装材料内で発熱部と吸い口端部との間に配置され、ここでエアロゾル生成部は発熱部から受けた熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されている。発熱カートリッジは発熱部内に配置され、点火端で少なくとも部分的に露出しており、ここで発熱カートリッジは、燃料要素がその着火時に熱を放出することができるように、対向する穿孔端部と、端部の間に着火可能な燃料要素とを含むように構成されている。
【0009】
本開示の別の態様は、細長い喫煙物品を形成する方法を提供し、喫煙物品は、点火端および対向する吸い口端を有する。そのような方法は、外側包装材料が吸い口端の周りに配置された吸い口端部に向かって延びるように、かつ円筒形ロッドを画定するように、点火端の周りに配置された少なくとも発熱部の周りに外側包装材料を巻き付けるステップを含む。エアロゾル生成部は外側包装材料内で発熱部と吸い口端部との間に配置され、ここでエアロゾル生成部は発熱部から受けた熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されている。発熱カートリッジは、発熱カートリッジが点火端で少なくとも部分的に露出するように発熱部内に配置され、発熱カートリッジは、対向する穿孔端部と、端部の間に着火可能な燃料要素とを含むように構成され、燃料要素はその着火時に熱を放出することができる。
【0010】
本開示の態様は、点火端(すなわち、上流端)および対向する吸い口端部(すなわち、下流端)を有する全体的に細長いタイプの喫煙物品に関する。その喫煙物品は、点火端に配置された発熱部を含む。エアロゾル生成部は発熱部と吸い口端部との間に配置され、エアロゾル生成部は使用中に発熱部から伝達された熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されている。さらに、発熱部は、可燃性成分(例えば、可燃性炭素質材料の部分またはピースを含む燃料要素)が組み込まれたカートリッジの形態(例えば、気流がそれを通ることを可能にするための穿孔された領域を有する略円筒形の容器)を含むか、有してもよい。例えば、(例えば、カーボン、ガラスまたはセラミックなどの高度に熱伝導性でない材料から構成されている)封止された中空の円筒形カートリッジは、上流端および下流端の両方に、穿孔された領域または構成要素を有してもよい。そのカートリッジはまた、可燃性炭素質材料から構成される複数の部分またはピース(例えば、顆粒またはビーズ)を内部に収容してもよい。
【0011】
特定の態様では、本開示は、シガレットなどのロッド状構造を有する喫煙物品を提供する。喫煙物品は、点火端および吸い口端を含む。また、喫煙物品は、(i)発熱領域、部分またはセグメントおよび(ii)発熱セグメントの下流に配置されたエアロゾル生成領域、部分またはセグメントを含むエアロゾル生成システムを含む。発熱セグメントとエアロゾル生成セグメントは、互いに熱交換関係にあることが好ましい。発熱セグメントには、可燃性成分または燃料要素(例えば、炭素質材料から構成された複数の部分もしくはピース、顆粒またはビーズ)を収容するカートリッジまたは容器(例えば、空気を通過させるために大気の出入りを可能にするように構成された対向領域を有する(カーボン、ガラス、セラミックまたは他の好適な材料などの高度に熱伝導性でない材料から構成された略円筒形カートリッジ)の形式および構成で構成することができる比較的短い長手方向に延びる熱源が組み込まれる。エアロゾル生成セグメントは、最も好ましくは、基材材料(すなわち、エアロゾル前駆物質要素またはエアロゾル生成要素)が配置された基材領域を含む。非常に好ましい基材には、エアロゾル形成材料(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)のための担体として作用する加工タバコ、ならびにタバコに特徴的な風味成分の供給源が組み込まれる。特定の実施形態では、基材領域には、基材キャビティ内に配置されたタバコから形成されたペレットまたはビーズが組み込まれる。特定の他の実施形態では、基材領域には、再構成タバコ材料(例えば、細断されたキャストカットフィラータイプの材料)が組み込まれる。基材材料が配置されている基材キャビティまたは基材領域は、好ましくは、金属箔および紙の熱伝導積層体によって、喫煙物品の長手方向に延びる長さに沿って囲まれる。あるいは、基材は、発熱セグメントの構成に使用されるカートリッジと多くの点で類似したカートリッジまたは容器に組み込むことができる。典型的には、外側包装材料は、発熱部の少なくとも一部の周りに巻き付けられ、外側包装材料はまた、巻き付けられた円筒形ロッドを画定するように、エアロゾル生成領域の上で吸い口端部に向かって延びてもよい。フィルタ要素セグメントなどの吸い口端ピースが、喫煙物品の吸い口極端に配置されている。
【0012】
本開示の態様による喫煙物品によって生成されるエアロゾルは、エアロゾル生成セグメントに配置されたエアロゾル形成材料上の発熱セグメントの可燃性成分の着火/燃焼によって生成された熱の作用の結果として生成され、そのエアロゾルが吸い口端ピースを通して喫煙物品の喫煙者によって吸入される。このようなエアロゾルは、ヒトの吸入に適した形態の蒸気、気体、懸濁微粒子などのような空気含有成分を含んでもよく、視認できるかどうか、また煙状であると考えられる形態であるかどうかを問わない。最も好ましくは、エアロゾル成分は、(例えば、エアロゾル生成セグメントに配置されたエアロゾル形成材料を蒸発させるために)エアロゾル生成セグメント上の発熱セグメントによって生成された熱の作用の結果として生成される。その熱は、本質的に清浄な燃焼であると考えられる可燃性成分または燃料要素の燃焼によって生成されてもよい(例えば、好ましい可燃性成分は炭素質材料であり、本明細書に開示されたシガレットの使用に起因するエアロゾルは、タバコカットフィラーの燃焼の結果としてエアロゾルを生成するシガレットと比較して、低量または非常に低量の不完全燃焼生成物および熱分解生成物を有する)。特定の態様では、いくつかの風味豊かなエアロゾル成分はまた、何らかの形態のタバコを燃やすことにより、タバコを加熱することにより生じた一部のタバコを熱分解することにより、またはタバコを焦がすことにより(そうでなければタバコに何らかの形のくすぶりを起こさせることにより)、生成することができる。その結果、このように形成されたエアロゾルは、揮発成分、燃焼生成物(例えば、二酸化炭素および水)、ならびにいくつかの(最も好ましくは最小限であるが)不完全燃焼生成物および熱分解生成物を含有することができる。
【0013】
したがって、本開示は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0014】
実施形態1:点火端および対向する吸い口端を有する細長い喫煙物品であって、前記喫煙物品は、吸い口端の周りに配置された吸い口端部と、点火端の周りに配置された発熱部と、円筒形ロッドを画定するように少なくとも発熱部の周りに巻き付けられ吸い口端部に向かって延びる外側包装材料と、外側包装材料内で発熱部と吸い口端部との間に配置され、発熱部から受けた熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成部と、発熱部の内部に配置され、点火端で少なくとも部分的に露出する発熱カートリッジであって、発熱カートリッジは、対向する穿孔端部と、端部の間に着火可能な燃料要素とを含むように構成され、燃料要素はその着火時に熱を放出することができる、発熱カートリッジと、を含む、細長い喫煙物品。
【0015】
実施形態2:発熱カートリッジが、直円筒または溝付き円筒として構成され、長手方向に延びる側壁および対向する端部を有する、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0016】
実施形態3:側壁と対向する端の各々とが少なくとも1つの穿孔を規定する、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0017】
実施形態4:対向する端の間の側壁から内方に延びる1つ以上のバッフルを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0018】
実施形態5:発熱カートリッジの周りに巻き付けられ、点火端からエアロゾル生成部に向かって発熱カートリッジに沿って長手方向に延びる断熱要素を含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0019】
実施形態6:断熱要素が、ガラス繊維マット、断熱コーティング、断熱塗料、ガラススリーブまたはセラミックスリーブを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0020】
実施形態7:着火可能な燃料要素が、発熱カートリッジの内面、または発熱カートリッジ内に配置された物体に塗布されたコーティングを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0021】
実施形態8:発熱カートリッジが、グラファイト、炭素繊維強化炭素、セラミック、繊維状耐火性複合材断熱材、アルミニウム、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素から構成される、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0022】
実施形態9:発熱カートリッジが、燃料要素を収容するように構成された内側区画を画定する第1の部分と、第1の部分に対して同軸的に配置され第1の部分を取り囲むように構成された外側スリーブを含む第2の部分とを含み、外側スリーブは内側区画を画定する第1の部分から半径方向に離間され、それらの間に環を画定するようにそれらと協働する、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0023】
実施形態10:発熱カートリッジが、発熱カートリッジを形成するように、内部に収容された燃料要素を有するレセプタクルと協働するように構成された取り外し可能な端キャップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0024】
実施形態11:発熱カートリッジが、長手方向に延びる側壁と、対向する端部と、対向する端の間の側壁内に配置された中央仕切りと、を有する直円筒または溝付き円筒として構成され、側壁は中央仕切りおよび端部と協働して直列に配置された第1および第2の区画を画定し、第1の区画は燃料要素を収容するように構成され、第2の区画はエアロゾル生成要素を収容するように構成され、エアロゾル生成部を含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0025】
実施形態12:エアロゾル生成部に配置されたエアロゾル生成カートリッジを含み、エアロゾル生成カートリッジは対向する穿孔端部と、端部の間にエアロゾル前駆物質要素とを含むように構成され、エアロゾル前駆物質要素は、その加熱時にエアロゾルを形成することができる、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0026】
実施形態13:点火端と対向する吸い口端とを有する細長い喫煙物品を形成する方法であって、前記方法が、外側包装材料が吸い口端の周りに配置された吸い口端部に向かって延びるように、かつ円筒形ロッドを画定するように、点火端の周りに配置された少なくとも発熱部の周りに外側包装材料を巻き付けるステップと、外側包装材料内で発熱部と吸い口端部との間にエアロゾル生成部を配置するステップであって、エアロゾル生成部は発熱部から受けた熱に応答してエアロゾルを生成するように構成される、ステップと、発熱カートリッジが点火端で少なくとも部分的に露出するように、発熱カートリッジを発熱部内に配置するステップであって、発熱カートリッジは、対向する穿孔端部と、端部の間に着火可能な燃料要素とを含むように構成され、燃料要素はその着火時に熱を放出することができる、ステップとを含む、方法。
【0027】
実施態様14:発熱カートリッジを配置するステップが、直円筒または溝付き円筒として構成され、長手方向に延びる側壁および対向する端部を有する発熱カートリッジを発熱部内に配置するステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0028】
実施形態15:発熱カートリッジを配置するステップが、側壁と、少なくとも1つの穿孔を規定する対向する端の各々とを有する発熱カートリッジを発熱部内に配置するステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0029】
実施形態16:1つ以上のバッフルと発熱カートリッジの側壁とを係合させるステップであって、1つ以上のバッフルは、対向する端の間の側壁から内方に延びる、ステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0030】
実施形態17:点火端からエアロゾル生成部に向かって、発熱カートリッジのまわりに及び発熱カートリッジに沿って長手方向に断熱要素を巻き付けるステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0031】
実施形態18:断熱要素を巻き付けるステップが、発熱カートリッジのまわりに及び発熱カートリッジに沿って長手方向に、ガラス繊維マット、断熱コーティング、断熱塗料、ガラススリーブまたはセラミックスリーブを含む断熱要素を巻き付けるステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0032】
実施形態19:発熱カートリッジを配置するステップが、発熱カートリッジの内面、または発熱カートリッジ内に配置された物体に塗布されたコーティングを含む着火可能な燃料要素を有する発熱カートリッジを発熱部内に配置するステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の物品またはそれらの組合せ。
【0033】
実施形態20:発熱カートリッジを配置するステップが、グラファイト、炭素繊維強化炭素、セラミック、繊維状耐火性複合材断熱材、アルミニウム、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素から構成された発熱カートリッジを発熱部内に配置するステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0034】
実施形態21:発熱カートリッジを形成するように、燃料要素を収容するように構成された内側区画を画定する第1の部分と、第1の部分に対して同軸的に配置され第1の部分を取り囲むように構成された外側スリーブを含む第2の部分とを係合させるステップであって、発熱カートリッジは、内側区画を画定する第1の部分から半径方向に離間され、それらの間に環を画定するようにそれらと協働する外側スリーブを有する、ステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0035】
実施形態22:発熱カートリッジを形成するように、取り外し可能な端キャップと、内部に収容された燃料要素を有するレセプタクルとを係合させるステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0036】
実施形態23:発熱カートリッジが、長手方向に延びる側壁と、対向する端部と、対向する端の間の側壁内に配置された中央仕切りと、を有する直円筒または溝付き円筒として構成され、側壁は中央仕切りおよび端部と協働して直列に配置された第1および第2の区画を画定し、方法は、エアロゾル生成部を形成するために、第1の区画内に燃料要素を配置するステップと、第2の区画内にエアロゾル生成要素を配置するステップとを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0037】
実施形態24:エアロゾル生成部を配置するステップが、対向する穿孔端部と、端部の間にエアロゾル前駆物質要素とを含むエアロゾル生成カートリッジをエアロゾル生成部内に配置するステップであって、エアロゾル前駆物質要素はその加熱時にエアロゾルを形成することができる、ステップを含む、先行するもしくは後続のいずれかの実施形態の方法またはそれらの組合せ。
【0038】
本開示のこれらならびに他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に表す添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が明示的に結合されているか、そうでなければ本明細書の特定の実施形態の説明または特許請求の範囲で列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に述べられているか、請求項のうちいずれか1つ以上に列挙されている2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の前後関係が明らかに他のことを規定しない限り、その態様および実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が意図された通りに見え、組合せ可能であるように全体的に読み取られることを意図している。
【0039】
本開示は一般的な用語で説明しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本開示の様々な態様による代表的な略ロッド状喫煙物品の縦断面図を概略的に示す。
【
図2】本開示の様々な態様による代表的な略ロッド状喫煙物品の縦断面図を概略的に示す。
【
図3】本開示の様々な態様による代表的な略ロッド状喫煙物品の縦断面図を概略的に示す。
【
図4】本開示の様々な態様による、
図1から
図3、
図6および
図11のいずれかに示すような喫煙物品に実装することができる代表的な発熱および/またはエアロゾル生成カートリッジの縦断面図を概略的に示す。
【
図5】本開示の様々な態様による、
図1から
図3、
図6および
図11のいずれかに示すような喫煙物品に実装することができる代表的な発熱および/またはエアロゾル生成カートリッジの縦断面図を概略的に示す。
【
図6】本開示の様々な態様による代表的な略ロッド状喫煙物品の縦断面図を概略的に示す。
【
図7】本開示の様々な態様による、
図1から
図3、
図6および
図11のいずれかに示すような喫煙物品に実装することができる代表的な発熱および/またはエアロゾル生成カートリッジの縦断面図を概略的に示す。
【
図8】本開示の様々な態様による、
図1から
図3、
図6および
図11のいずれかに示すような喫煙物品に実装することができる代表的な発熱および/またはエアロゾル生成カートリッジの縦断面図を概略的に示す。
【
図9】本開示の様々な態様による、
図1から
図3、
図6および
図11のいずれかに示すような喫煙物品に実装することができる代表的な発熱および/またはエアロゾル生成カートリッジの縦断面図を概略的に示す。
【
図10】本開示の様々な態様による、
図1から
図3、
図6および
図11のいずれかに示すような喫煙物品に実装することができる代表的な発熱および/またはエアロゾル生成カートリッジの縦断面図を概略的に示す。
【
図11】本開示の様々な態様による代表的な略ロッド状喫煙物品の縦断面図を概略的に示す。
【
図12】本開示の様々な態様による、
図1から
図3、
図6および
図11のいずれかに示すような喫煙物品に実装することができる代表的な発熱および/またはエアロゾル生成カートリッジの縦断面図を概略的に示す。
【
図13】本開示の様々な態様による、
図1から
図3、
図6および
図11のいずれかに示すような喫煙物品に実装することができる代表的な発熱および/またはエアロゾル生成カートリッジの縦断面図を概略的に示す。
【
図14】本開示の一態様による細長い喫煙物品を形成する方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示は、これから、本開示のすべての態様ではなく一部が示されている添付の図面を参照して、以下でさらに完全に説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に述べられている態様に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が適用される法的要件を満たすように提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0042】
図1は、点火端14と吸い口端18とを有するシガレットの形態の代表的な喫煙物品10を示す。好ましくは、喫煙物品10は、従来のタイプのフィルタ付きシガレットの全体的なサイズ、形状および全体的外観を有する。点火端14には、長手方向に延びる発熱セグメント35が配置されている。発熱セグメント35は、長手方向に延びる略管状部39を有し、
発熱セグメント35は、発熱カートリッジ50を含んでもよく、そうでなければ発熱カートリッジ50として構成されていてもよい。このセグメント35は、さらに、喫煙物品10内に大気を通過させるための複数の小さな穿孔43を規定する最上流端または前面220を含む。このセグメントは、さらに、喫煙物品10の下流または吸い口端18に向かって大気を通過させるための複数の小さな穿孔45を規定する下流端または背面225を含む。いくつかの態様では、前面220および背面225と協働して、発熱セグメント35の長手方向に延びる略管状部39は、容器として作用し、それを通して大気を十分に通過させるように構成された開口細孔43、45を規定するカートリッジ50の一般的な形態(すなわち、いくつかの例では封止されたカートリッジ)を集合的に有してもよい。いくつかの態様では、管状部39は、必要または所望に応じて、1つ以上の細孔または穿孔を規定してもよい。
【0043】
カートリッジ50を形成するために使用される構成要素は変更可能である。カートリッジ構成要素(またはそれらの構成要素のうちのいくつか)は、特定の熱伝導特性を示すか、示すように協働することができる。カートリッジ50の少なくとも一部を構成するために使用される例示的な材料には、金属材料(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼など)などの熱伝導材料を挙げることができるが、これらの伝導性材料には、好ましくは、断熱材料を巻き付けたり、被覆したりすることができる。カートリッジ構成要素(またはそれらの構成要素のいくつか)は、あるいは、最も好ましくは、断熱材の特性または高度に熱伝導性でないと考えられる特性を示す材料から構成することができる。例示的な材料には、グラファイト、炭素繊維強化炭素、セラミック、繊維状耐火性複合材断熱材、ガラス、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素、および/またはセラミック被覆構造体(すなわち、セラミック被覆ガラスまたは金属)が挙げられる。他の態様では、カートリッジ構成要素は、断熱材料、例えば、断熱塗料、グラフェンまたはガラスもしくはセラミック粒子を有する高温塗料によって被覆されてもよい。典型的には、カートリッジ50は、通常の使用の状態の間、その一般的な形状および全体的な物理的特性を維持するように構成され、カートリッジ50は、通常の使用の状態の間、構造または初期の構造的特性の損失をもたらす著明な程度まで、燃焼、焼失または熱分解されないように構成されることが好ましい。
【0044】
カートリッジ50の全体的な形状は変更可能である。好ましくは、カートリッジ50は、略円筒形状である。このような態様では、カートリッジ50の長手方向に延びる管状部39の外面は、喫煙物品10の一般的なロッド状構造体のための構造を提供するのに協働するように作用する。さらに、長手方向に延びる部分の内面は、カートリッジの内側範囲を画定するように作用する。いくつかの例では、長手方向に延びる管状部39の外面は、カートリッジ50がそれに沿って長手方向に延びる溝付き構成を有するように適切に構成されてもよい。すなわち、様々な態様では、カートリッジ50は、長手方向に延びる側壁と、対向する端部とを有する直円筒または溝付き円筒として構成されてもよい。図示した実施形態では、管状部39の長手方向に延びる表面または側壁は、そこを通る大気の通過に対して実質的に不透過性であってよい。
【0045】
典型的には、円筒形カートリッジ50は、好適に適合された端キャップまたは他の好適な封止機構によって、長手方向に延びる管状部39の穿孔された上流端および下流端のそれぞれを覆うことによって提供される。最も好ましくは、端キャップは、空気が上流端キャップを通過し、管状部の内側範囲を通過し、下流端キャップから出ることができるように、大気に対して透過性である。このように、各端キャップは、網目状材料を使用して構成することができるか、一連の穿孔43、45を有するように構成して、空気を通過させることができる。その結果、それぞれの端キャップを用いて各端で封止された管状部の組合せにより、有効なレセプタクル、包囲体または容器として作用する円筒形状のカートリッジが提供される。いくつかの態様では、端キャップ、端壁、またはカートリッジ50の長手方向軸に対して横方向に延びる任意の他の構造は、カートリッジ50の残りの部分(すなわち、側壁)と同じ材料から構成されてもよい。しかしながら、他の例では、端キャップ、端壁、またはカートリッジ50の長手方向軸に対して横方向に延びる任意の他の構造が、熱伝導材料から構成されて、カートリッジ50を通る加熱された空気の通過を容易にし促進することが好ましい場合がある。したがって、このようなカートリッジ50は、熱伝導材料から形成された端キャップ、端壁、またはカートリッジ50の長手方向軸に対して横方向に延びる任意の他の構造から構成されてもよく、カートリッジ50の側壁または円筒体は、断熱性の特性を示す材料から形成されていてもよい。
【0046】
場合により、封止されたカートリッジ50の長手方向に延びる管状部39の長さ(または長さの一部)の外面が、断熱材58の特性を示す材料に取り囲まれるか、巻き付かれるか、覆われてもよい。すなわち、特定の態様では、断熱要素58が発熱カートリッジ50に沿って点火端14からエアロゾル生成部75に向かって長手方向に延びるように、断熱要素58が発熱カートリッジ50の周りに巻き付けられてもよい。いくつかの態様では、断熱要素58は、必要または所望に応じて、エアロゾル生成部の全長の一部または全長にわたって発熱セグメント35から長手方向に延びてもよい。このような断熱要素58は、例えば、ガラス繊維マット、断熱コーティング、断熱塗料、ガラススリーブまたはセラミックスリーブを含んでもよい。断熱材料のタイプの他の例、代表的な断熱組立体ならびに喫煙物品構成要素の断熱組立体を製造するための様式および方法は、参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Hancockらの米国特許第4,893,637号明細書、Barnesらの米国特許第4,938,238号明細書、Shannonらの米国特許第5,027,836号明細書、Lawsonらの米国特許第5,065,776号明細書、Whiteらの米国特許第5,105,838号明細書、Banerjeeらの米国特許第5,119,837号明細書、Clearmanらの米国特許第5,247,947号明細書、Banerjeeらの米国特許第5,303,720号明細書、Clearmanらの米国特許第5,345,955号明細書、Casey,IIIらの米国特許第5,396,911号明細書、Whiteの米国特許第5,546,965号明細書、Meiringらの米国特許第5,727,571号明細書、Wilkinsonらの米国特許第5,902,431号明細書、Cookらの米国特許第5,944,025号明細書、Thomasらの米国特許第8,424,538号明細書、Sebastianらの米国特許第8,464,726号明細書およびCrooksらの米国特許第8,678,013号明細書ならびに2015年8月31日に出願されたBeesonらの米国特許出願番号第14/840178号に記載されている。
【0047】
発熱セグメント35には、エアロゾル生成部75を介してエアロゾルを生成するのに使用するために、燃焼して熱を生成する可燃性成分63(すなわち、着火可能な燃料要素)が組み込まれていてもよい。いくつかの態様では、可燃性成分63は、カートリッジ50内に収容されるか、密閉される。他の態様では、可燃性成分63は、カートリッジ50上に被覆されるか、カートリッジ50の一部として形成されるか、そうでなければカートリッジ50と関連付けられてもよい。すなわち、いくつかの例では、着火可能な燃料要素/可燃性成分63は、発熱カートリッジ50の内面または発熱カートリッジ50内に配置された物体またはその部分もしくはピースに塗布されたコーティングを含んでもよい。
【0048】
可燃性成分63の形態は変更可能である。カートリッジ50内に収容された可燃性成分63は、単一部材として構成することができる。その代表的なワンピース可燃性成分63は、略円筒形の形状を有してもよく、好ましくは、熱源カートリッジ50によって画定された略円筒形の区画内に収容または配置され、その中で定位置に維持または固定されるように構成される。典型的には、ワンピース可燃性成分63は、その長手方向に延びる外面に、長手方向に延びる溝を有することができる。可燃性成分63はまた、それを通る長手方向に延びる空気通路を画定することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるClearmanらの米国特許第4,989,619号明細書およびBanerjeeらの米国特許第8,469,035号明細書ならびにConnerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書に記載されている代表的な押出し炭素質熱源の構成のタイプを参照されたい。
【0049】
あるいは、好ましくは、可燃性成分63は、少なくとも2つの部分またはピースから構成され、少なくとも2つの部分またはピースとして使用されてもよい。例えば、特定の好ましい態様では、可燃性成分63は、部分もしくはピース65の複数の形態または部分もしくはピース65の複数の集合体を有する。このような部分またはピースは、典型的には、サイズが比較的小さく、フレーク、球、円筒、チューブ、リング、立方体、シート状材料の細ピース、螺旋ストランド、長い紐状もしくはテープ状ストランド、大量の材料を粉砕することによって生成された不規則なピースなどを有することができる。これらの部分またはピースは、本質的に顆粒状であってもよい。特定の実施形態では、可燃性成分63のあらゆる部分またはピースは、同じ一般的なサイズおよび形状であってよい(例えば、カートリッジ50内のあらゆる部分またはピースが、本質的に同一サイズの球状ビーズから構成され得るか、あらゆる部分またはピースが、同等のサイズの顆粒の形態を有することができる)。特定の実施形態では、可燃性成分63の部分またはピースは、サイズおよび形状が異なっていてもよい(例えば、カートリッジ50内の部分またはピース65が、様々なサイズの球状ビーズから構成され得るか、部分またはピース65が、球状ビーズと顆粒との混合物の形態を有することができる)。好ましくは、可燃性成分63の部分およびピース65がカートリッジ50内に保持されるように、部分またはピース65は十分に大きいサイズであり、カートリッジ50の各端の穿孔43、45は十分に小さい。
【0050】
いくつかの例では、カートリッジ50は、限られた量の部分またはピースのみを含んでもよく、内部の空間のリマインダは空(空隙)のままであってよいか、(すなわち、カートリッジ50内の定位置にビーズ/顆粒を保持するために)フィラー材料で充填してもよい。いくつかの例では、カートリッジ50によって画定される区画を占める部分またはピース65によって画定される空隙は、例えば、燃焼に利用可能な可燃性成分63の部分またはピース65の表面積を増大させるように作用してもよく、および/またはこれらの部分またはピース65の着火を容易にしてもよい。いくつかの態様では、内部に部分またはピース65を収容しているカートリッジ50の区画は、約5%超の空隙(すなわち、細かい顆粒状の材料の場合)が残るように、いくつかの例では約10%超の空隙および他の例では最大約30%または40%の空隙(すなわち、比較的大きな部分またはピースの場合)が残るように、部分またはピースで充填されてもよい。区画内に含まれる部分またはピースの数は変更可能である。部分またはピースの量は、一般に25を超え、典型的には50を超え、好ましくは100を超えるが、部分またはピースの量は、典型的には1000を超えない。例えば、比較的大きな部分またはピースが、カートリッジ50の区画内に約100から約150の部分またはピースをもたらしてもよい。細かい顆粒状の材料の場合には、区画は約600から約800の部分またはピースを収容してもよい。いずれにせよ、当業者であれば、可燃性成分63のこのような部分またはピース65を収容するカートリッジ50が、その中の空隙の十分な連続性を有して、喫煙物品10の使用者によって与えられた吸引に応答してカートリッジ50を通って吸引される空気のための1つ以上の経路を提供することを理解するであろう。
【0051】
最も好ましくは、可燃性成分63は、清浄燃焼性可燃性材料から構成されているか、清浄燃焼性可燃性材料が組み込まれている。そのような材料は、典型的には、好適な炭素質材料を選択することによって提供することができる。このような可燃性炭素質材料は一般に炭素含量が高い。好ましい炭素質材料は、主に炭素から構成され、典型的には、乾燥重量基準で約60%超、一般に約70%超、多くの場合約80%超、さらに頻繁に約90%超の炭素含量を有する。可燃性成分63にはまた、可燃性炭素質材料以外の成分または要素を組み込むことができる(例えば、粉末タバコまたはタバコ抽出物などのタバコ成分、香味剤、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび炭酸ナトリウムなどの塩、熱安定性グラファイト繊維、酸化鉄粉末、ガラスフィラメント、粉末炭酸カルシウム、アルミナ顆粒、アンモニア塩などのアンモニア源および/またはグアーガム、アルギン酸アンモニウムおよびアルギン酸ナトリウムなどの結合剤)。
【0052】
「Premier」、「Eclipse」、「Revo」および「Steam Hot One」という商品名で市販されているシガレットに組み込まれているタイプの燃料要素配合物を使用して、好適な可燃性成分63を提供することができる。さらに、代表的なタイプの可燃性成分の成分および配合物は、参照により本明細書に組み込まれるRainerらの米国特許第4,219,031号明細書、Banerjeeらの米国特許第4,714,082号明細書、Clearmanらの米国特許第4,756,318号明細書、Robertsらの米国特許第4,819,655号明細書、Clearmanらの米国特許第4,881,556号明細書、Lawrenceらの米国特許第4,920,990号明細書、Clearmanらの米国特許第4,989,619号明細書、Robinsonらの米国特許第5,007,440号明細書、Farrierらの米国特許第5,020,548号明細書、Clearmanらの米国特許第5,027,837号明細書、Lehmanの米国特許第5,060,673号明細書、Banerjeeらの米国特許第5,067,499号明細書、Farrierらの米国特許第5,076,297号明細書、Clearmanらの米国特許第5,099,861号明細書、Banerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書、Whiteらの米国特許第5,129,409号明細書、Bestらの米国特許第5,148,821号明細書、Clearmanらの米国特許第5,156,170号明細書、Riggsらの米国特許第5,178,167号明細書、Shannonらの米国特許第5,211,684号明細書、Clearmanらの米国特許第5,247,947号明細書、Clearmanらの米国特許第5,345,955号明細書、Barnesらの米国特許第5,461,879号明細書、Barnesらの米国特許第5,469,871号明細書、Riggsの米国特許第5,551,451号明細書、Meiringらの米国特許第5,560,376号明細書、Meiringらの米国特許第5,706,834号明細書、Meiringらの米国特許第5,727,571号明細書、Borschkeらの米国特許第7,836,897号明細書、Banerjeeらの米国特許第8,119,555号明細書、Banerjeeらの米国特許第8,617,263号明細書およびCrooksの米国特許第8,678,013号明細書、Banerjeeらの米国特許出願公開第2005/0274390号明細書、Banerjeeらの米国特許出願公開第2007/0215168号明細書、Takeuchiらの米国特許出願公開第2009/0044818号明細書、Stoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書、Stoneらの米国特許出願公開第2013/0269720号明細書およびConnerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書ならびに2015年6月30日に出願されたNordskogらの米国特許出願番号第14/755,205号および2015年8月31日に出願されたBeesonらの米国特許出願番号第14/840178号に記載されている。
【0053】
場合により、可燃性成分63の部分またはピース65は、粘着性物質、例えば、シロップ、結合剤、接着剤材料などによって処理することができる。このように、凝集性または粘着性の可燃性成分63を提供するように様々な部分およびピース65を処理して、例えば、個々の部分もしくはピース65の移動の影響、またはカートリッジ50内などへのその挿入を妨げる可燃性成分63の変形もしくは分離を最小限に抑えることができる。したがって、可燃性成分63を含む部分またはピース65の一般的な物理的完全性を維持する様式または方法が提供される。
【0054】
他の態様では、可燃性成分63は、複数の不規則形状の顆粒状の部分またはピース65の形態を有してもよく、これらのピース65は、略円筒形の熱源カートリッジ50の中空の内部領域を実質的に充填するようなサイズおよび数である。これらのピース65の位置決めのランダムな性質は、これらのピース65の間に空隙または空間を生じ得る。典型的には、可燃性成分の顆粒は、清浄燃焼性炭素質材料から構成される。しかしながら、他の可燃性材料(例えば、タバコ材料の部分またはピース)も、炭素質材料と組み合わせて、少量の風味付けされた煙を提供することができる。場合により、可燃性顆粒は、様々な可燃性顆粒の物理的分離をもたらす不燃性材料(例えば、ガラスビーズ)と混合することができる。
【0055】
エアロゾル生成セグメント75は、発熱セグメント35の下流(すなわち、吸い口端18に向かって)に、それとの熱伝達関係で(例えば、熱伝導によって)配置される。特定の態様では、発熱セグメント35は、エアロゾル生成セグメント75と端と端とを接した直列関係で軸方向に整列している。好ましくは、これらのセグメントは、互いに物理的に接触している(すなわち、発熱セグメント35の下流端がエアロゾル生成セグメント75の上流端に接している)。好ましくは、これらのセグメント35、75の一般的な断面形状および寸法は、喫煙物品10の長手方向軸に対して横方向に見た場合に、本質的に互いに同一である。これらのセグメント35、75の物理的配置では、好ましくは、使用中に可燃性成分63が燃焼される時間全体にわたって、(例えば、伝導性および対流性の熱伝達を含む機構によって)発熱セグメント35から隣接するエアロゾル生成セグメント75へ熱が伝達される。
【0056】
エアロゾル生成セグメント75は、それ自体がエアロゾル形成剤またはエアロゾル形成物質であり、および/またはそうでなければエアロゾル形成剤または材料のための担体として作用する基材材料85を含む。例えば、エアロゾル生成セグメント75は、加工助剤、香味剤および/またはエアロゾル形成材料またはエアロゾル前駆物質(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)を有するか、組み込むか、担持する再構成タバコ材料を含むことができる。エアロゾル生成セグメント75の前述の構成要素は、紙とアルミニウム箔との積層シートによって提供されるような包装材料90内に配置され、それによって囲まれ得る。包装材料90は、喫煙物品10の点火端14から(例えば発熱セグメント35から)、エアロゾル生成セグメント75またはその構成要素への熱の伝達を容易にするように構成することができる。したがって、発熱セグメント35によって生成された熱は、エアロゾル生成セグメント75に供給され伝達され、基材材料85に関連するエアロゾル形成材料を揮発させ、その結果、エアロゾル形成または生成をもたらす。エアロゾル生成セグメント75の上流端および下流端の両方は、その中に収容された基材材料85が両方の長手方向端に露出するように開いている。このように、発熱セグメント35からの熱は、エアロゾル生成セグメント75に含まれた基材材料85と直接的に係合してもよい。
【0057】
場合により、発熱セグメント35およびエアロゾル生成セグメント75は、それらの間に緩衝領域またはスペーサセグメント76を有するか、画定することができる。すなわち、これらのセグメント35、75は、互いに対して長手方向に離間した関係で任意に配置することができる。このように、これらのセグメント35、75は、隣接する端と端とを接した関係で配置されるのではなく、空隙、または不燃性材料(例えば、金属、セラミック材料またはそれらの組合せなどの材料から製造された熱伝導性および通気性の材料)で部分的もしくは実質的に完全に充填された領域を形成するように構成することができる。例えば、緩衝領域76には、触媒材料、例えば、セリウムまたは銅イオンまたは酸化物および/またはセリウムおよび銅イオンの塩を組み込んだ材料を組み込むことができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第8,469,035号明細書およびBanerjeeらの米国特許第8,617,263号明細書ならびにBanerjeeらの米国特許出願公開第2007/0215168号明細書を参照されたい。存在する場合、代表的な緩衝領域は、喫煙物品10の長さに沿って約1mmから約10mmまで延びることができるが、その長さは、発熱セグメント35とエアロゾル生成セグメント75との間で約2mmから約5mmであることが多い。
【0058】
エアロゾル生成セグメント75の構成要素は変更可能である。このセグメント75には、使用中に喫煙物品10を通って吸入される空気中で気化、エアロゾル化または同伴され得る成分または要素を組み込む。最も好ましくは、これらの成分は、別個にまたは組み合わせて、感覚および感覚刺激作用(例えば、香り、風味、口当たり、視認できるエアロゾル感覚など)を提供する。吸い口端18を吸引中に喫煙者の口に吸引されるエアロゾル生成セグメント75の成分または要素の例には、水(例えば、水蒸気として)、視認できるエアロゾル形成材料(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)、様々な揮発性風味(例えば、バニリン、メントールなど)、タバコの揮発性成分(例えば、ニコチン)などが挙げられる。
【0059】
好ましいエアロゾル形成材料は、それに十分な熱を加えた際に、そうでなければ喫煙物品10の成分によってもたらされるエアロゾル形成条件の作用により、視認できるエアロゾルを生成する。非常に好ましいエアロゾル形成材料は、「煙状」であると考えられる視認できるエアロゾルを生成する。好ましいエアロゾル形成材料は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質と比較して、化学的に単純である。好ましい視認できるエアロゾル形成材料はポリオールであり、好ましいエアロゾル形成材料の例には、グリセリン、プロピレングリコールおよびそれらの混合物が挙げられる。所望に応じて、エアロゾル形成材料は、水などの他の液体材料と組み合わせることができる。例えば、エアロゾル形成材料配合物には、グリセリンと水との混合物またはプロピレングリコールと水との混合物を組み込むことができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるSensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書およびCrooksらの米国特許第8,678,013号明細書ならびにBiggsらのPCT国際公開第98/57556号明細書で参照されている様々なエアロゾル形成材料を参照されたい。
【0060】
エアロゾル生成セグメント75の基材材料85は変更可能である。好適な基材材料ならびに関連するエアロゾル形成材料およびそれらの基材材料によって担持された添加剤は、「Premier」、「Eclipse」、「Revo」および「Steam Hot One」という商品名で市販されているシガレットのタイプに組み込まれている。基材材料85は、何らかの形態のタバコを組み込むことができるか、主にタバコから構成され得るか、実質的にあらゆるタバコ材料によって提供され得る。例えば、いくつかの実施形態では、基材材料全体の少なくとも一部が、本質的に従来のフィラーの形態で(例えば、カットフィラーとして)使用される。しかしながら、好適な基材材料、およびエアロゾル形成材料(キャストシートおよび紙型再構成タバコ材料を含む)を組み込んだ基材配合物も、参照により本明細書に組み込まれるSensabaughらの米国特許第4,793,365号明細書、Whiteの米国特許第4,893,639号明細書、Clearmanらの米国特許第5,099,861号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書、Gentryらの米国特許第5,105,836号明細書、Clearmanらの米国特許第5,109,122号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Clearmanらの米国特許第5,203,355号明細書、Arzonicoらの米国特許第5,271,419号明細書、Lekwauwaらの米国特許第5,327,917号明細書、Casey,IIIらの米国特許第5,396,911号明細書、Youngらの米国特許第5,533,530号明細書、Clearmanの米国特許第5,588,446号明細書、Jakobらの米国特許第5,598,868号明細書、Youngらの米国特許第5,715,844号明細書、Beesonらの米国特許第6,378,528号明細書およびCrooksらの米国特許第8,678,013号明細書ならびにNestorらの米国特許出願公開第2005/0066986号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2012/0067360号明細書およびAdemeらの米国特許出願公開2015/0157052号明細書に記載されている。さらに、基材材料は、Connerらの米国特許第8,839,799号明細書に記載されているタイプの形態もしくは構成、Pryorらの米国特許第4,807,809号明細書に概説されているタイプの技術を使用した寄せ集めたウェブまたはシートとして、またはRakerの米国特許第5,025,814号明細書に概説されているタイプの技術を使用した複数の長手方向に延びるストランドに細断されたウェブまたはシートの形態を有することができ、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
発熱セグメント35およびエアロゾル生成セグメント75が喫煙物品10に沿って互いに対して定位置に維持される様式は、変更可能である。典型的には、これらのセグメント35、75は、これらのセグメント35、75の長手方向に延びる表面を覆う長手方向に延びる巻紙(paper wrap)93を使用して定位置に固定される。このように、これらのセグメント35、75を組み合わせることによって、エアロゾル生成システム92が提供される。
【0062】
エアロゾル生成セグメント75の下流に(すなわち、吸い口端18に向かって)タバコロールセグメント95が配置されてもよい。タバコロールセグメント95は、紙106によって長手方向に覆われたタバコカットフィラー101のピースから構成されてもよい。タバコロールセグメント95の上流端および下流端の両方は、その中に収容されたタバコカットフィラー101が両方の長手方向端に露出するように開いている。エアロゾル生成セグメント75は、タバコロールセグメント95と長手方向の端と端とを接した直列関係で軸方向に整列している。好ましくは、これらのセグメント75、95は、互いに物理的に接触している(すなわち、エアロゾル生成セグメント75の下流端がタバコロールセグメント95の上流端に接している)。これらのセグメント75.95の物理的配置では、好ましくは、エアロゾルがタバコロールセグメント95を通過する際に、エアロゾル生成セグメント75を出るエアロゾルが、タバコカットフィラー101によって供給されるタバコ風味によって風味付けされる。
【0063】
喫煙物品10内には、様々な組合せおよび種類の香味剤(喫煙物品10の主流エアロゾルの感覚および/または感覚刺激特性または性質を変える様々な材料を含む)を組み込むことができる。例えば、喫煙物品10の基材材料85および様々な他のタバコまたは他の成分(例えば、発熱セグメント35内に任意に配置される成分、ならびにタバコロールセグメント95内の成分)は、ケーシングおよび/またはトップドレッシング成分などのシガレットの製造のために従来使用されているタイプのタバコ添加剤によって処理することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるCrooksらの米国特許第8,678,013号明細書に記載された成分のタイプを参照されたい。
【0064】
喫煙物品10は、好ましくは、フィルタ要素セグメント135などの好適なマウスピースを含む。フィルタ要素セグメント135は、喫煙物品10の吸い口極端18に配置され、これらのセグメント95、135が長手方向の端と端とを接した直列関係で軸方向に整列し、互いに接触し、それらの間に障壁または空間がないように、タバコロール95の下流端に配置される。好ましくは、これらのセグメント95、135の一般的な断面形状および寸法は、喫煙物品10の長手方向軸に対して横方向に見た場合に、本質的に互いに同一である。フィルタ要素135は、外装プラグラップ材料142によって、その長手方向に延びる表面に沿って覆われたフィルタ材料140を含むことができる。一例では、フィルタ材料140は、可塑化酢酸セルローストウまたは他の好適なシガレットタイプのフィルタ材料を含む。フィルタ要素135の両端部は、好ましくは、その中に収容されたフィルタ材料140が両方の長手方向端に露出され、ユーザによって吸い口端18に与えられた吸引に応答してエアロゾルを通過させることができるように開いている。
【0065】
タバコロールセグメント95およびフィルタ要素セグメント135が喫煙物品10に沿って長手方向に互いに対して定位置に維持される様式は、変更可能である。典型的には、これらのセグメント95、135は、これらのセグメント95、135の長手方向に延びる表面を覆う長手方向に延びる巻紙またはオーバーラップ150を使用して定位置に固定される。このように、これらのセグメント95、135を組み合わせることによって、吸い口端セグメント152が提供される。
【0066】
エアロゾル生成システム92は、好ましくは、チッピング材料155を用いて吸い口端セグメント152に取り付けられる。好ましくは、エアロゾル生成システム92および吸い口端セグメント152の一般的な断面形状および寸法は、喫煙物品10の長手方向軸に対して横方向に見た場合に、本質的に互いに同一である。典型的には、これらのセグメント92、152は、吸い口端セグメント152の外側の長手方向に延びる表面およびエアロゾル生成システム92の隣接する下流側外側の長手方向に延びる表面を覆う長手方向に延びるチッピング材料155を使用することにより、定位置に固定される。このように、これらのセグメント92、152を組み合わせることにより、本開示の一態様による完全に組み立てられた4セグメントの喫煙物品10が提供される。
【0067】
喫煙物品10は、場合により、1つの穿孔または一連の穿孔160などの空気希釈設備を含むことができ、その各々は、チッピング材料155、吸い口端セグメントオーバーラップ150およびフィルタプラグラップ材料142を通ってフィルタ材料140まで延びてもよい。あるいは、様々な穿孔160は、
図1に示されているものよりも上流の領域のリングとして、喫煙物品10の周りに延びることができる。
【0068】
フィルタ要素セグメント135は、場合により、1つ以上の圧潰可能な風味カプセル200を有することができる(例えば、
図2参照)。破壊可能なカプセルを処理し、これらの破壊可能なカプセルを喫煙物品の構成要素および蒸気送達システムに組み込む多くの方法が提案されている。例えば、喫煙物品、破壊可能なカプセルを組み込んだ喫煙物品構成要素ならびにそれらの喫煙物品構成要素の製造に関連する装置および技術に使用するのに適した様々なタイプのカプセルが、各々が参照により本明細書に組み込まれるMacAdamらの米国特許第6,631,722号明細書、Thomasらの米国特許第7,479,098号明細書、Dealの米国特許第7,833,146号明細書、Dubeらの米国特許第7,984,719号明細書、Stokesらの米国特許第7,972,254号明細書、Ademeらの米国特許第8,186,359号明細書、Barnesらの米国特許第8,262,550号明細書、Nelsonらの米国特許第8,308,623号明細書、Garthaffnerらの米国特許第8,353,810号明細書、Garthaffnerらの米国特許第8,381,947号明細書、Karlesらの米国特許第8,459,272号明細書、Faggの米国特許第8,739,802号明細書、Dixonらの米国特許第8,905,243号明細書およびHenleyらの米国特許第9,055,768号明細書、Prestiaらの米国特許出願公開第2010/0184576号明細書、Ilievらの米国特許出願公開第2011/0053745号明細書、Carpenterらの米国特許出願公開第2011/0271968号明細書、Henleyらの、およびNovak IIIらの米国特許出願公開第2013/0085052号明細書ならびに2015年8月26日に出願されたAdemeの米国特許出願番号第14/835962号に提案されている。さらに、破壊可能なカプセルを組み込んだフィルタ要素を有する代表的なシガレット製品が、「Marlboro W-Burst 5」、「Kent iSwitch」、「Kool Boost」、「Camel Lights with Menthol Boost」、「Camel Crush」、「Camel Silver Menthol」、「Camel Filters Menthol」および「Camel Crush Bold」などの商品名で世界中で販売されている。
【0069】
例示的なタイプのカプセル、カプセル成分、カプセル構成およびフォーマット、カプセルサイズ、カプセル特性ならびにカプセル調製技術が、参照により本明細書に組み込まれるTakeiらの米国特許第5,223,185号明細書、Takeiの米国特許第5,387,093号明細書、Suzukiらの米国特許第5,882,680号明細書、Nakamuraらの米国特許第6,719,933号明細書、Maneの米国特許第7,754,239号明細書、Fonkweらの米国特許第6,949,256号明細書、Dubeらの米国特許第7,984,719号明細書、Zhangの米国特許第8,470,215号明細書およびDubeの米国特許第8,695,609号明細書、Schoenhardの米国特許出願公開第2004/0224020号明細書、Bednarzらの米国特許出願公開第2005/0196437号明細書、Scottらの米国特許出願公開第2005/0249676号明細書およびHartmannらの米国特許出願公開第2014/0053855号明細書ならびにKimのPCT国際公開第03/009711号明細書およびIwataniのPCT国際公開第2014/170947号明細書に記載されている。さらに、代表的なタイプのカプセルおよびカプセル構成要素の例が、Yosha!によって「Momints」として市販されている。Enterprises,Inc.、およびHershey Companyの「Ice Breakers Liquid Ice」ならびに代表的なタイプのカプセルおよびカプセル構成要素が、Cadbury Adams USAによって「Cinnaburst」という商品名で市販されているガムのタイプなどのチューインガムに組み込まれている。
【0070】
いくつかの態様では、喫煙物品10のフィルタ要素セグメント35は、例えば、酢酸セルロースチューブフィルタセグメントの形態の上流セグメントと、低効率の可塑化酢酸セルローストウセグメントの形態の下流セグメントとを含むマルチピースフィルタ要素を含んでもよい。しかしながら、当業者であれば、このようなマルチピースフィルタ要素が、多くの異なる様式で形成および構成され得ることを理解するであろう。
【0071】
喫煙物品10の構成に関連して、様々な既知の構成要素を使用することができる。これらの構成要素には、例えば、既知の包装材料、熱伝導材料、金属箔および箔積層体、タバコロール、吸い口端ピース、フィルタ要素、プラグラップ、チッピング材料ならびに接着剤が含まれる。さらに、喫煙物品には、広範囲の既知のタバコタイプ、タバコの形態およびそれらの混合物のいずれかを組み込むことができる。例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれるClearmanらの米国特許第5,183,062号明細書、Clearmanらの米国特許第5,203,355号明細書、Clearmanの米国特許第5,588,446号明細書、Faggらの米国特許第5,724,997号明細書、Martonの米国特許第6,849,085号明細書およびCrooksらの米国特許第8,678,013号明細書、Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書ならびに2015年8月31日に出願されたBeesonらの米国特許出願番号第14/840178号に記載され参照されている代表的なタイプの構成要素を参照されたい。チッピング材料の追加の例は、各々が参照により本明細書に組み込まれるDubeらの米国特許第7,789,089号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書、Joyceらの米国特許出願公開第2010/0108081号明細書、Normanらの米国特許出願公開第2010/0108084号明細書およびAdemeらの米国特許出願公開第2013/0167849号明細書ならびにDittrichらのPCT特許出願公開第2013/160671号明細書に記載されている。「Premier」、「Eclipse」、「Revo」および「Steam Hot One」という商品名で市販されている構造タイプのシガレットに使用されているタイプの材料も参照されたい。
【0072】
代表的なタイプの喫煙物品を組み立てるのに好適な様式および方法は、各々が参照により本明細書に組み込まれるBarnesらの米国特許第5,469,871号明細書およびCrooksらの米国特許第8,678,013号明細書およびStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2012/0067360号明細書、Amissらの米国特許出願公開第2014/0261470号明細書およびAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書に記載されている。
【0073】
組み立てられたロッド状喫煙物品10の寸法は、変更可能である。典型的には、代表的な喫煙物品の円周は、約22mmから約27mmの範囲であり、約24mmから約25mmの円周が好ましい。代表的な喫煙物品は、約80mmから約100mmの長さを有し、この喫煙物品に組み込まれる様々なセグメントの長さは変更可能である。例えば、代表的な喫煙物品には、約10mmから約30mm、多くの場合約15mmから約20mmの長さを有する発熱セグメント35、約10mmから約40mm、多くの場合約20mmから約25mmの長さを有するエアロゾル生成セグメント75、約20mmから約50mm、多くの場合約30mmから約40mmの長さを有するタバコロールセグメント95および約10mmから約30mm、多くの場合約15mmから約25mmの長さを有するフィルタ要素セグメント135を組み込むことができる。
【0074】
使用時には、喫煙者は喫煙物品10の吸い口端18を唇に置く。次いで、喫煙者は(例えば、マッチまたはシガレットライターを使用して)喫煙物品10の点火端14に点火する。すなわち、熱源カートリッジ50の点火端は、カートリッジ50に関連する可燃性成分63が燃焼し始めるのに十分な熱源にさらされる。いくつかの態様では、熱源カートリッジ50の点火端には、燃焼によって着火されるか、そうでなければ加熱された際に色を変える(すなわち、感熱性材料が被覆されるか、感熱性材料が組み込まれた)要素を組み込んでもよい。ユーザが吸い口端18を吸引することにより、上流の穿孔43を介して大気が発熱セグメント35に入る。吸入された空気が可燃性成分63の燃焼を支援するように作用し、さらにその結果、吸入された空気が加熱される。このように、加熱された空気が発熱セグメント35のカートリッジ50を通って吸引され、カートリッジ50の下流の穿孔45を出て、エアロゾル生成セグメント75に入る。続いて、エアロゾル生成セグメント75内の構成要素またはエアロゾル生成セグメント75に関連する構成要素に対する熱の作用により、タバコロールセグメント95内に吸引されて流れるエアロゾルが生成される。その後、風味付けされたエアロゾルは、タバコロールセグメント95を出て、フィルタ要素135を通り、最後に喫煙物品10の吸い口端領域18から喫煙者の口内に流れ込む。
【0075】
図2は、
図1を参照して前述した喫煙物品と多くの点で類似している代表的な喫煙物品10を示す。発熱セグメント35およびエアロゾル生成セグメント75が示されている。これらの各々は、
図1を参照して説明したものと多くの点で類似している。複数の部分またはピース65の形態を有してもよい可燃性成分63を有する熱源カートリッジ50が示されている。それらの部分またはピース65は、サイズおよび/または形状に関して互いに不規則であってよい。しかしながら、発熱セグメント35とフィルタ要素セグメント135との間に配置された2つの構成要素またはセグメント(すなわち、エアロゾル生成セグメント75およびタバコロールセグメント95)ではなく、単一の細長いエアロゾル生成セグメント75が配置されている。このように、発熱セグメント35内で燃焼する可燃性成分63によって生成された熱は、単一のエアロゾル生成セグメント75の構成要素を加熱してエアロゾルを生成するように作用する。これは吸入の際にフィルタ要素セグメント135を通って流れ、喫煙者の口に入る。
【0076】
図2に示すような組み立てられたロッド状喫煙物品10の寸法は、変更可能である。典型的には、代表的な喫煙物品の円周は、約22mmから約27mmの範囲であり、約24mmから約25mmの円周が好ましい。代表的な喫煙物品は、約80mmから約100mmの長さを有し、この喫煙物品に組み込まれる様々なセグメントの長さは変更可能である。例えば、
図2に示すような代表的な喫煙物品には、約10mmから約30mm、多くの場合約15mmから約20mmの長さを有する発熱セグメント35、約20mmから約60mm、多くの場合約30mmから約50mmの長さを有するエアロゾル生成セグメント75および約10mmから約30mm、多くの場合約15mmから約25mmの長さを有するフィルタ要素セグメント135を組み込むことができる。
【0077】
図3は、
図1を参照して前述した喫煙物品と多くの点で類似している代表的な喫煙物品10を示す。複数の部分またはピース65の形態を有してもよい可燃性成分63を有する円筒形カートリッジ50から構成された発熱セグメント35が示されている。代表的な可燃性成分63の各ピースは、略球形の形状を有してもよく、各ピースは、形状およびサイズがほぼ均一であってよい。これらの本質的に同一のピース65は、略円筒形カートリッジ50の中空の内部領域を実質的に充填するような大きさおよび数である。例えば、約30mmの長さおよび約7.5mmの直径を有する中空の内部領域を画定する代表的な略円筒形カートリッジ50は、約150mgから約650mgの可燃性材料の小さな球状のピースまたはビーズ(各小さなビーズは約1.3mmの直径を有する)を収容することができる。
【0078】
図3に示された喫煙物品10の実施形態では、特に
図4に示されているように、2ピース構造を有する発熱セグメント35内の代表的なタイプのカートリッジ50が示されている。カートリッジ50の上流端220は、カートリッジ50の点火極端14を画定し、長手方向に延びる外側側壁39が取り付けられているか一体成形された上流細孔43を規定する端壁221を含む。このように、この上流端220は、カップまたはシンブルの一般的な形状を有する。カートリッジ50の下流端225は、下流細孔45を規定するキャップ226の形態を有する。キャップ226は、2ピースカートリッジ50のカップ状セグメントの下流端225の内側に嵌合するように構成してもよい。キャップ226は、例えば、摩擦嵌合、高温耐性接着剤、溶接、好適に適合されたねじ嵌め、好適に適合されたピンおよび溝固定機構などによって、カップ状セグメントに対して定位置に固定することができる。このように、カートリッジ50を画定する2つのピース220、226は、カートリッジ50を形成するように組み立てられ、カートリッジ50は、その中に可燃性成分63を収容する目的で封止されると考えることができる。
図3および
図4に示す実施形態では、カートリッジ50の上流端220は、(例えば、点火端14を形成するためにカートリッジ50の前面または上流端壁に配置され、場合により、その最上流領域の周りのカートリッジ50の外側側壁または表面39(例えば、
図10、要素228を参照)に配置された)複数の小さな穿孔43を有して、吸引された空気が喫煙物品10の外部からカートリッジ50内へ通過することを可能にし、カートリッジ50の下流端225(例えば、キャップ226によって画定された下流表面)は、複数の小さな穿孔45を有して、加熱された空気がそのカートリッジ50から吸い口端18に向かって通過することを可能にする。
【0079】
図5に示すように、当業者であれば、管状部39および下流端キャップ226と協働して3ピースカートリッジ50を形成するように、カートリッジ50の上流端220を構成してもよいことを理解するであろう。すなわち、
図5は、「封止された」カートリッジ50を形成するために集合的に協働する各端に端キャップ221、226を有する管状部39として、カートリッジ50が形成されてもよいことを示している。
図5はまた、いくつかの例では、カートリッジ50が、その側壁または管状部39からカートリッジ50によって画定された区画内に延びる1つ以上のバッフル243を含んでもよいことを示している。このようなバッフル243(例えば、カートリッジ50を通る気流の全体的な移動経路に対して本質的に垂直に間隔を置いた部分的な壁)または他の構造(カートリッジ50を通る気流の幾分曲がりくねった移動経路を提供するための(例えば、気流の移動のための螺旋経路を画定する構造など)は、例えば、ユーザによって与えられる吸引に応答して空気が導かれるカートリッジ50の有効長さを増大させることができる。したがって、いくつかの例では、カートリッジの長さは、その意図された機能に関して同じまたは同様の有効性を維持しながら、減少してもよい。
【0080】
図3に示す態様によれば、エアロゾル生成セグメント75は、好ましくは略円筒形状のカートリッジ240の形態を有してもよい。カートリッジ240の長手方向に延びる部分245は、本質的に略管状である。このように、カートリッジ240の長手方向に延びる管状部245の外面は、喫煙物品10の一般的なロッド状構造を容易にする。さらに、長手方向に延びる管状部245の内面は、カートリッジ240の内側区画を画定する。長手方向に延びる部分245は、好ましくは、それを通る大気の通過に対して本質的に不透過性である。その結果、熱源カートリッジ50によって加熱され、熱源カートリッジ50の下流端225を通って出る大気が、エアロゾル生成セグメント75の一部であるカートリッジ240を通過することができる。典型的には、円筒形の基材カートリッジ240は、好適に適合された端キャップ252、255によって、長手方向に延びる管状部の上流端および下流端のいずれかまたは両方を覆うことによって提供される(例えば、要素221および226によって示される端キャップと、要素93によって示される長手方向に延びる管状部とを伴い、
図4および
図5の要素50として示され番号が付された例示的なカートリッジを参照されたい)。最も好ましくは、端キャップ252、255は大気に対して透過性であり、その結果、熱源カートリッジ50からの加熱された空気が上流端キャップ252を通過し、管状部245の内側区画を通過して、そこに配置された基材材料85を加熱し、下流端キャップ255から出る。このように、各端キャップ252、255は、網目状材料を使用して構成することができるか、穿孔または一連の穿孔261、263をそれぞれ有するように構成して、空気を通過させることができる。その結果、それぞれの端キャップ252、255を使用して各端で封止された管状部245を組み合わせることによって、エアロゾル形成材料の供給源を担持するか、収容するか、そうでなければ提供する基材85のための有効なレセプタクルまたは容器として作用する円筒形カートリッジ240が提供される。
【0081】
図3に示す実施形態では、基材または基材材料85は、タバコペレットの形態を有してもよい。本明細書で使用される場合、用語「タバコペレット」は、ビーズ、ペレット、または所望の形状に形成されるか、成形されるか、圧縮されるか、押出しされるか、そうでなければ形作られたタバコの他の個別の小さな単位を含むことを意味する。例えば、タバコペレットは、いわゆるマルメライジング処理(marumarizing process)を用いて形成することができる。タバコペレットは、滑らかで規則的な外形(例えば、球、円筒、卵形など)を有してもよく、および/または不規則な外形を有してもよい。一例では、各タバコペレットの直径は、約1mm未満から約2mmの範囲であってよい。タバコペレットは、本明細書で説明されるように、カートリッジ240によって画定された区画または基材キャビティを少なくとも部分的に充填してもよい。すなわち、基材、基材要素または基材材料85は、発熱セグメント35に隣接しかつその下流のエアロゾル生成セグメント75のカートリッジ240内の空間を占めるペレットまたは他の緩い物体の形態をとってもよい。一例では、カートリッジ240によって画定される基材キャビティの容積は、約500mm
3から約700mm
3の範囲であってよい(例えば、カートリッジ240によって画定される基材キャビティであって、キャビティの直径は約7.5から約7.8mmであり、キャビティの長さは約11から約15mmであり、キャビティは略円筒形状を有する)。一例では、基材キャビティ内のタバコペレットの質量は、約200mgから約500mgの範囲であってよい。例えば、タバコペレットを使用して、約100mg/cm
3から約400mg/cm
3の充填密度で、エアロゾル生成セグメント75のカートリッジ240の適切な部分(例えば、カートリッジ240内の円筒形領域であって、カートリッジ240は発熱セグメント35およびフィルタ要素セグメント135の端によって拘束されている)を充填することができる。
【0082】
図6は、
図1を参照して前述した喫煙物品と多くの点で類似している代表的な喫煙物品10を示す。複数の部分またはピース65の形態を有してもよい可燃性成分63を有する熱源カートリッジ50が示されている。代表的な可燃性成分63の各ピース65は、略円筒形の形状を有してもよい。円筒形ピース65は、略円筒形の熱源カートリッジ50によって画定された中空の内部区画を実質的に充填するような大きさおよび数である。いくつかの例では、円筒形ピース65の位置決めのランダムな性質は、これらのピース65の間に空隙または空間を生じる。例えば、中空の内側区画を画定する代表的な略円筒形カートリッジ50は、約30mmの長さおよび約7.5mmの直径を有してもよく、約150mgから約650mgの可燃性材料の小さな円筒形ピース(各小さな円筒形ピースは約1mmの長さおよび約1mmの直径を有する)を収容することができる。
【0083】
図6および
図7に示す実施形態では、2ピース構造を有する熱源カートリッジ50の代表的なタイプが示されている。カートリッジ50の上流端220は、喫煙物品10の点火極端14と、長手方向に延びる外側側壁または管状部39とを画定する。したがって、この上流端220は、カップまたはシンブルの一般的な形状を有する。カートリッジ50の下流端225は、2ピースカートリッジ50のカップ状セグメントの下流端に嵌合するキャップ227の形態を有してもよい。例えば、キャップ227は、摩擦嵌合、高温耐性接着剤、溶接、好適に適合されたねじ嵌め、好適に適合されたピンおよび溝固定機構などによって、定位置に固定することができる。このように、カートリッジ50を画定する2つのピース220、227は、カートリッジ50を形成するように組み立てられてもよく、カートリッジ50は、その中に可燃性成分63を収容する目的で封止されると考えることができる。図示した実施形態では、カートリッジ50の上流端220は、(例えば、カートリッジ50の前面または上流端に配置され、場合により、最上流領域の周りのカートリッジ50の側面または管状部に配置された(例えば、
図10、要素228を参照))穿孔または複数の小さな穿孔43を規定して、カートリッジ50内に吸引されて流れる空気が通過することを可能にしてもよい)。さらに、カートリッジ50の下流端または背面(例えば、キャップ227によって画定される背面)は、穿孔または複数の小さな穿孔45を規定して、吸引に応答して加熱された空気がカートリッジ50から出ることを可能にしてもよい。図示した実施形態では、穿孔43、45のサイズが十分に小さく、可燃性成分63の部分またはピース65が十分に大きいサイズであり、可燃性成分63の部分またはピース65が、カートリッジ50内に好適に収容されることが最も好ましい。さらに、エアロゾル生成セグメント75は、発熱セグメント35の構成に使用されるカートリッジ50と多くの点で類似しているカートリッジ240を具現化してもよい。
【0084】
図8に示すように、当業者であれば、管状部39および下流端キャップ227と協働して3ピースカートリッジ50を形成するように、カートリッジ50の上流端220を構成してもよいことを理解するであろう。すなわち、
図8は、「封止された」カートリッジ50を形成するために集合的に協働する各端に端キャップ222、227を有する管状部39として、カートリッジ50が形成されてもよいことを示している。上流端キャップおよび下流端キャップ222、227の各々は、管状部39のそれぞれの上流端および下流端に嵌合して、カートリッジ50を形成するように構成されてもよい。例えば、端キャップ222、227の各々は、摩擦嵌合、高温耐性接着剤、溶接、好適に適合されたねじ嵌め、好適に適合されたピンおよび溝固定機構などによって、管状部39により定位置に固定することができる。このように、カートリッジ50を画定する3つのピース39、222、227は、カートリッジ50を形成するように組み立てられてもよく、カートリッジ50は、その中に可燃性成分63を収容する目的で封止されると考えることができる。
図8はまた、いくつかの例では、カートリッジ50が、その側壁または管状部39からカートリッジ50によって画定された区画内に延びる1つ以上のバッフル243を含んでもよいことを示している。このようなバッフル243(例えば、カートリッジ50を通る気流の全体的な移動経路に対して本質的に垂直に間隔を置いた部分的な壁)または他の構造(カートリッジ50を通る気流の幾分曲がりくねった移動経路を提供するための(例えば、気流の移動のための螺旋経路を画定する構造など)は、例えば、ユーザによって与えられる吸引に応答して空気が導かれるカートリッジ50の有効長さを増大させることができる。
【0085】
図9および
図10は、本明細書に開示されたタイプの喫煙物品の様々な構成に具現化することができるカートリッジ50、240の他の例示的な態様および構成を示す。例えば、
図9は、3ピースカートリッジ50の1つの構成を示し、ここで端キャップ221の1つが管状部39の上流端220の内側に嵌合するように構成されてもよく、他方の端キャップ227が、管状部39の下流端225に嵌合するように構成される。キャップ221、227のいずれかは、例えば、摩擦嵌合、高温耐性接着剤、溶接、好適に適合されたねじ嵌め、好適に適合されたピンおよび溝固定機構などによって、管状本体39に対して定位置に固定することができる。
図10に示すカートリッジ50の実施形態は、
図9に示すカートリッジ構成と同様であるが、カートリッジ50の管状部39によって規定される1つ以上の細孔または穿孔228をさらに含む。特定の例では、細孔228は、カートリッジ50が発熱部またはセグメント35に含まれる場合に、点火極端14に向かって配置されてもよい。そのような場合、細孔または穿孔の数が増えると、カートリッジ50内の可燃性成分63の着火が容易になり得るだけでなく、例えば、吸引または吸引抵抗の低下に応じて、発熱カートリッジ50への空気流が増加する。他の例では、管状部材39によって規定された細孔228は、管状部材39の外面の周りに冷却空気流を提供することができ、これにより、例えば、喫煙物品10の使用中に巻紙またはオーバーラップ93の焦げ付きを低減するか、最小化するか、排除することができる。
【0086】
図11は、エアロゾル形成のために使用される構成要素を担持するために使用される基材材料85を収容するための熱源カートリッジ部50およびカートリッジ部240の両方を提供する細長い一体型二重カートリッジ300を有する別の代表的な喫煙物品10を示す。熱源カートリッジ部50(すなわち、可燃性成分63を収容する二重カートリッジ300の部分であって、可燃性成分63が例えば可燃性炭素質材料の複数の顆粒を含んでもよい部分)は、二重カートリッジ300の上流端の周りに(すなわち、点火端14に向かって)配置され、エアロゾル形成材料(例えば、粉砕されたタバコダストとグリセリンの混合物から形成された複数のビーズ)を提供または担持する基材材料85のための容器部240は、二重カートリッジ300の下流端(すなわち、フィルタ要素セグメント135に向かって)に配置されている。上流および下流カートリッジ部50、240の間には、カートリッジの構成要素を互いに物理的に分離する空気透過性の障壁310(例えば、網目)が配置される。すなわち、発熱カートリッジは、長手方向に延びる側壁39と、対向する端部304、305と、対向する端304、305の間の側壁39内に配置された中央仕切り310とを有する直円筒または溝付き円筒として構成されてもよく、側壁39は中央仕切り310および端部304、305と協働して直列に配置された第1および第2の区画50、240を画定し、第1の区画50は燃料要素/可燃性成分63を収容するように構成され、第2の区画240はエアロゾル生成要素85を収容する(したがって、エアロゾル生成部75を形成する)ように構成されている。障壁310は、加熱された空気がエアロゾル生成要素85と相互作用してエアロゾルを生成するために、1つ以上の細孔または穿孔311を規定して、上流カートリッジ部50から下流カートリッジ240へ加熱された空気が通過することを可能にしてもよい。カートリッジ300の最上流端304は、1つ以上の細孔または穿孔43を規定する穿孔キャップ320によって封止されて、二重カートリッジ300の部分50内に可燃性成分63またはその顆粒を維持してもよい。二重カートリッジ300の最下流端305は、1つ以上の細孔または穿孔45を規定する穿孔キャップ330によって封止されて、二重カートリッジ300の部分240内に基材材料85を維持してもよい。典型的には、このような二重カートリッジ300は、炭素(グラファイト)、ガラスまたはセラミックなどの断熱材料から構成された構成要素から構成される。場合によっては、アルミニウムまたはステンレス鋼などの熱伝導材料を使用してもよい。場合により、このような二重カートリッジ300の長さは、断熱材58(例えば、セラミック断熱材、ガラス繊維マットなどから構成される材料)が巻き付くか、取り囲むか、覆うか、被覆してもよい。
【0087】
図11に示す実施形態では、カートリッジ部50、240のいずれかまたは両方には、例えば、喫煙物品10の使用中に形成されるエアロゾルの改変に適した成分を放出するカプセルを組み込むことができる。例えば、喫煙物品10の使用中に受けた熱の作用を受けるとその内容物を放出するカプセルは、エアロゾル成分の供給源を提供し、および/またはエアロゾルの感覚特性を改変するように作用することができる。任意のフィルタ要素部分として好適な例示的なタイプのカプセルは、
図2を参照して前述した。
【0088】
当業者であれば、カートリッジ50、240が本明細書の開示に従って多くの異なる様式で構成され得ることを理解するであろう。例えば、
図12に示すように、カートリッジ50は、一般に、
図7に開示されたタイプのものであってよい。さらに詳細には、カートリッジ50の上流端220は、カートリッジ50の点火極端14を画定してもよく、長手方向に延びる外側側壁39が取り付けられているか一体成形された上流細孔43を規定する端壁314を含む。このように、上流端220はカップまたはシンブルの一般的な形状を有し、フランジ313は、点火端14の周りで外側側壁39の周囲に延びる。カートリッジ50の下流端225は、下流細孔45を規定するキャップ315の形態を有する。キャップ315は、カートリッジ50のカップ状セグメントの下流端225に嵌合するように構成してもよい。キャップ315は、例えば、摩擦嵌合、高温耐性接着剤、溶接、好適に適合されたねじ嵌め、好適に適合されたピンおよび溝固定機構などによって、カップ状セグメントに対して定位置に固定することができる。キャップ315は、カートリッジ50のカップ状セグメントの上に延びる部分の外側に、その周囲に延びるフランジ318をさらに含んでもよい。スリーブ部材316は、スリーブ部材316の一端316Aが点火端フランジ313と相互作用し、対向端316Bがキャップ315に関連するフランジ318の周りに延びるように、例えば管状本体39の外径よりも大きな内径を有することによって管状本体39をおおって設置されるように構成されてもよい。このように、キャップ315に関連するフランジ318は、スリーブ部材316を管状本体39と同軸に整列させるのに役立ち、それらの間に環状の円筒形空間317を画定する。例えば空気または他の好適な断熱材料によって占められている環状の円筒形空間317は、熱を半径方向に含有することができるため、例えば、巻紙またはオーバーラップ93の焦げ付きの危険性を低減するか、最小化するか、排除することができる。すなわち、いくつかの態様では、発熱カートリッジ50は、燃料要素/可燃性成分63を収容するように構成された内側区画を(集合的に)画定する第1の部分39、314と、第1の部分39に対して同軸的に配置され第1の部分39を取り囲むように構成された外側スリーブ316を(集合的に)含む第2の部分315、316とを含んでもよく、外側スリーブ316は内側区画を画定する第1の部分39から半径方向に離間され、それらの間に環317を画定するようにそれらと協働する。
図13は、
図12に示すカートリッジ50の代替の構成を示すが、ここでスリーブ部材316およびキャップ315は単一の一体部材として形成されている。
【0089】
図12はさらに、熱源カートリッジ50が多成分可燃性成分63を収容するように構成され得ることを示している。すなわち、いくつかの例では、可燃性成分63の1つの部分65は、単一ピースの形態を有する。可燃性成分63の他の部分66は、管状部39の内面に沿って配置されたチューブ、カップまたはコーティングの一般的な形態を有する。例えば、可燃性成分材料および/または着火助剤の液体または湿潤ペーストを管状部39の内面に被覆し、乾燥させるか、可燃性成分材料の形成されたチューブまたはカップを製造し、形成されたチューブ66の外面が管状部39の内面と接触するように管状部39内に配置することができる。
【0090】
例
代表的な喫煙物品10は、
図1に示すタイプのものであってよい。発熱セグメントは、円筒形状を有するカートリッジを含んでもよい。カートリッジは、大きな上流ピースが一般にカップの形態を有し、小さな下流ピースが上流ピースの開放端に嵌合する端キャップの形態を有する2ピースカートリッジであってよい。カートリッジのピースは、グラファイトから構成され、固体グラファイトブロックを機械加工することによって形成される。カートリッジは断熱性の熱特性を示す。
【0091】
カートリッジの大きな上流ピースは、約8mmの直径と、約11mmの長手方向に延びる長さとを有し、そのピースの側壁および端壁はそれぞれ約1mmの厚さを有する。大きなピースの最上流の面は、それを貫通して延びる一連の小さな円形の21本の通路を規定し、各通路は約0.5mmの直径を有する。それらの21本の通路は、規則的な3-5-5-5-3配置で間隔を置いて配置されている。大きなピースの長手方向に延びる面は、それを貫通して延びる一連の小さな円形の90本の通路を規定し、各通路は約0.5mmの直径を有する。それらの90本の通路は、等間隔に配置された10個の穿孔列に配置され、各列は、端壁の上流端から下流端まで直線状に延びる9個の等間隔の穿孔を有する。
【0092】
小さなピースまたは端キャップは、約8mmの下流直径および約6mmの上流直径を有する。小さなピースの長手方向に延びる長さの合計は約2mmである。小さなピースの下流面は、それを貫通して延びる一連の小さな円形の21本の通路を規定し、各通路は約0.5mmの直径を有する。それらの21本の通路は、規則的な3-5-5-5-3配置で間隔を置いて配置されている。端キャップの上流領域は、大きなピースの開放端に挿入され(摩擦嵌合によって定位置に保持され)、端キャップの下流領域は、大きなピースの最下流端を覆う。このように、132個の小さな穿孔を規定し、約12mmの全長を有する封止された円筒が提供される。
【0093】
このように提供された円筒の内側の中空領域は約0.28ccの容積を有する。この中空領域には、R.J.Reynolds Tobacco Companyによって市販されている「Revo」シガレット製品の燃料要素として使用される燃料要素材料から製造された約100から約200個の粉砕ピースが配置されており、これは可燃性成分として機能する。
【0094】
図14は、点火端および対向する吸い口端を有する細長い喫煙物品を形成する方法を概略的に示す。このような方法は、外側包装材料が吸い口端の周りに配置された吸い口端部に向かって延びるように、かつ円筒形ロッドを画定するように、点火端の周りに配置された少なくとも発熱部の周りに外側包装材料を巻き付けるステップを含んでもよい(ブロック400)。エアロゾル生成部は外側包装材料内で発熱部と吸い口端部との間に配置され、エアロゾル生成部は発熱部から受けた熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されている(ブロック410)。発熱カートリッジは、発熱カートリッジが点火端で少なくとも部分的に露出するように発熱部内に配置され、発熱カートリッジは、燃料要素がその着火時に熱を放出することができるように、対向する穿孔端部と、端部の間に着火可能な燃料要素とを含むように構成されている(ブロック420)。喫煙物品を形成するこのような方法の他の態様および/または工程は、他の点では本明細書で説明する喫煙物品の様々な実施形態および態様の開示に関連して他の方法で開示される。
【0095】
したがって、本開示の態様、特に発熱カートリッジを含む態様は、本明細書に開示された喫煙物品のタイプに一定の利益および改善を提供することができる。例えば、発熱カートリッジを含む態様は、そのような消費された部分がカートリッジ自体の中に収容されるため、その燃焼によって消費される可燃性成分の部分(すなわち灰)の「脱落」を防止することができる。さらに、カートリッジは、好ましくは燃焼によって消費されない構造を含むため、そのようなカートリッジを含む態様では、喫煙物品の使用中に発熱部がカートリッジを確実に保持し得る(すなわち、カートリッジが消費されないため、使用中に直径が減少し、喫煙物品から落下する危険性が高くなる可能性がある「従来の」可燃性成分よりも、喫煙物品内に確実に保持され得る)。さらに、発熱カートリッジを含む態様は、一度着火された可燃性成分によって放出され得るあらゆる火花を含むのに役立ち得る。
【0096】
言及された利益とそれに関連する利点を提供する際の本開示の態様間の可能な相互関係に照らして、本開示は、限定するものではないが、開示された態様の様々な組合せを表す実施形態を特に明示的に含む。したがって、本開示は、そのような特徴または要素が明示的に結合されているか、そうでなければ本明細書の特定の実施形態の説明で列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に説明された2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の前後関係が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が意図された通りに見え、すなわち組合せ可能であるように全体的に読み取られることを意図している。
【0097】
上述の説明および関連する図面に示された教示の利益を有するこれらの開示に関連する当業者には、本明細書に説明された開示の多くの改変および他の態様が思い浮かぶであろう。例えば、当業者であれば、本明細書に提示された請求項の範囲内に留まりながら、異なる実施形態のために本明細書に説明された特徴を互いにおよび/または現在知られているまたは将来開発される技術と組み合わせることができることを含め、本明細書に明示的に示されていない実施形態が本開示の範囲内で実施され得ることを理解するであろう。したがって、本開示は、開示された特定の態様に限定されるものではなく、均等物、改変および他の態様が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。