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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】案内システムおよび案内プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20230427BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019016815
(22)【出願日】2019-02-01
(65)【公開番号】P2020125910
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100117466
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 渉
(72)【発明者】
【氏名】岡部 英文
(72)【発明者】
【氏名】岩月 晃一
(72)【発明者】
【氏名】中村 元裕
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-178923(JP,A)
【文献】特開2002-225712(JP,A)
【文献】特開2007-81693(JP,A)
【文献】特開2010-210561(JP,A)
【文献】特開2009-196495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G08G 1/00 - 1/16
B61L 1/00 - 99/00
G09B 29/00 - 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地と目的地との間に存在する経由地への到着時刻と前記経由地からの出発時刻とを取得する経由情報取得部と、
前記到着時刻より第1期間だけ前の時刻を到着案内時刻として取得し、前記出発時刻より第2期間だけ前の時刻を出発案内時刻として取得する案内時刻取得部と、
前記到着案内時刻に前記経由地への到着を案内部において案内させ、前記出発案内時刻に前記経由地からの出発を前記案内部において案内させる案内制御部と、を備え、
前記案内制御部は、
前記到着案内時刻と前記出発案内時刻との差が閾値以下である場合、または、前記出発案内時刻が前記到着案内時刻よりも早い時刻である場合、前記経由地への到着と前記経由地からの出発とを結合して案内させる、
案内システム。
【請求項2】
前記第2期間は前記第1期間よりも長い、
請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
前記経由地への到着と前記経由地からの出発とを結合した案内は、
前記経由地への到着と前記経由地からの出発との同時案内、または、前記経由地への到着の案内に続けた前記経由地からの出発の案内である、
請求項1または請求項2に記載の案内システム。
【請求項4】
前記経由地は、
公共交通機関を利用して経由する地点である、
請求項1~請求項3のいずれかに記載の案内システム。
【請求項5】
前記第1期間と前記第2期間との少なくとも一方は、
前記経由地の前後における移動手段と、前記経由地との少なくともいずれかに応じて変化する、
請求項1~請求項4のいずれかに記載の案内システム。
【請求項6】
前記経由地への到着と前記経由地からの出発とを結合した案内は、
前記到着案内時刻において実施される、
請求項1~請求項5のいずれかに記載の案内システム。
【請求項7】
コンピュータを、
出発地と目的地との間に存在する経由地への到着時刻と前記経由地からの出発時刻とを取得する経由情報取得部、
前記到着時刻より第1期間だけ前の時刻を到着案内時刻として取得し、前記出発時刻より第2期間だけ前の時刻を出発案内時刻として取得する案内時刻取得部、
前記到着案内時刻に前記経由地への到着を案内部において案内させ、前記出発案内時刻に前記経由地からの出発を前記案内部において案内させる案内制御部、として機能させるプログラムであって、
前記案内制御部は、
前記到着案内時刻と前記出発案内時刻との差が閾値以下である場合、または、前記出発案内時刻が前記到着案内時刻よりも早い時刻である場合、前記経由地への到着と前記経由地からの出発とを結合して案内させる機能をコンピュータに実行させる、
案内プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内システムおよび案内プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、経路の途中で経由する地点に到着する前に到着案内を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、経路の途中に存在する駅などの特定の地点を通過する時刻を取得し、通過時刻の所定時間前になったことを検知し、特定地点に関する情報を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-178923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、案内すべき地点が近い場合にわかりづらい案内になる場合があった。例えば、列車である駅に到着する前には、到着が近いことが案内されると好ましい。また、ある駅から列車で出発する前には、出発が近いことが案内されると好ましい。このような案内の双方が行われる構成においてある駅で列車を乗り換える場合、当該駅への到着時刻と当該駅からの出発時刻が近い場合に、近いタイミングで別個の案内が行われると煩わしい。また、到着の案内の直後に出発の案内が行われると、到着に備えた行動をしている場合に出発の案内が行われるおそれがあり、案内が見過ごされる可能性がある。逆に、到着の案内の前に出発の案内が行われると非常にわかりづらい案内にある。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、到着と出発をわかりやすく案内する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、案内システムは、出発地と目的地との間に存在する経由地への到着時刻と経由地からの出発時刻とを取得する経由情報取得部と、到着時刻より第1期間だけ前の時刻を到着案内時刻として取得し、出発時刻より第2期間だけ前の時刻を出発案内時刻として取得する案内時刻取得部と、到着案内時刻に経由地への到着を案内部において案内させ、出発案内時刻に経由地からの出発を案内部において案内させる案内制御部と、を備え、案内制御部は、到着案内時刻と出発案内時刻との差が閾値以下である場合、または、出発案内時刻が到着案内時刻よりも早い時刻である場合、経由地への到着と経由地からの出発とを結合して案内させる。
【0006】
また、上記の目的を達成するため、案内プログラムは、コンピュータを、出発地と目的地との間に存在する経由地への到着時刻と経由地からの出発時刻とを取得する経由情報取得部、到着時刻より第1期間だけ前の時刻を到着案内時刻として取得し、出発時刻より第2期間だけ前の時刻を出発案内時刻として取得する案内時刻取得部、到着案内時刻に経由地への到着を案内部において案内させ、出発案内時刻に経由地からの出発を案内部において案内させる案内制御部、として機能させ、案内制御部は、到着案内時刻と出発案内時刻との差が閾値以下である場合、または、出発案内時刻が到着案内時刻よりも早い時刻である場合、経由地への到着と経由地からの出発とを結合して案内させる機能をコンピュータに実行させる。
【0007】
以上のように、案内システム、案内プログラムでは、到着案内時刻において到着案内を行い、出発案内時刻において出発案内を行う構成において、到着案内時刻と出発案内時刻とが近い時刻である場合、または、出発案内時刻の方が到着案内時刻よりも早い時刻である場合、到着の案内と出発の案内を結合させる。この構成によれば、両者が異なるタイミングで案内されることはなく、到着と出発をわかりやすく案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】案内システムを示すブロック図である。
図2】案内処理のフローチャートである。
図3図3A図3Cは案内データの例を示す図であり、図3D図3Gは時刻の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)案内システムの構成:
(2)案内処理:
(3)他の実施形態:
【0010】
(1)案内システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態である案内システム10の構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる案内システム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20と、記録媒体30と通信部40とを備えており、制御部20は、当該ROMや記録媒体30に記録されたプログラムを実行することができる。通信部40は、案内端末Sと無線通信を行うための装置である。すなわち、制御部20は、通信部40を制御することにより、任意のタイミングで案内端末Sと通信を行って、任意の情報を授受することができる。
【0011】
案内端末Sは、携帯可能なコンピュータ(例えばスマートフォン等)であり、図示しない制御部によって各種のアプリケーションプログラムを実行することができる。本実施形態において案内端末Sは、案内部210aを備えており、案内部210aがユーザインタフェースとして機能することによって経路案内が行われる。すなわち、案内端末Sは、案内システム10と協働するアプリケーションプログラムを実行可能であり、当該アプリケーションプログラムの実行により、案内端末Sは案内部210aを介して利用者の指示を受け付け、指示に応じた任意の情報を案内部210aに表示させる。利用者の指示が経路案内である場合、経路を示す情報が表示される。
【0012】
経路案内が行われる場合、案内端末Sの利用者は、案内部210aを利用して案内対象となる経路のパラメータ(出発地、目的地)を入力する。案内端末Sが経路のパラメータを受け付けると、案内端末Sは経路探索要求とともに案内システム10に送信する。案内システム10が経路探索要求を受け付けると、案内システム10は、出発地から目的地までの経路を探索し、当該経路を示す情報を生成する。そして、案内システム10は、通信部40を介して、経路を示す情報を案内端末Sに返信する。案内端末Sがこれらの情報を受け付けると、案内部210aに経路を表示する。むろん案内は音声によって行われてもよい。案内端末Sの利用者は、当該表示内容に基づいて出発地から目的地までの経路に沿って移動するように行動することができる。
【0013】
本実施形態において、経路はマルチモーダル経路である。すなわち、本実施形態においては、経路を構成する区間毎の移動手段が異なり得る。移動手段としては、車両、公共交通機関としての列車等が挙げられる。本実施形態において案内システム10は、移動手段が列車である場合に列車の乗降等を示す案内を案内端末Sに出力させる。以後においては、移動手段が列車である場合の構成について説明する。
【0014】
本実施形態において出発地と目的地との間には経由地が含まれ得る。すなわち、公共交通機関としての列車が利用される際に、列車の乗降の少なくとも一方が行われる駅が経由地となる。本実施形態において案内システム10は、経路に経由地が含まれる場合、経由地に関する案内を行うための案内データを生成し、当該案内データに基づいて案内端末Sに当該経由地についての案内を行わせる。本実施形態において案内データには、経由地としての駅、当該駅で乗るべき列車(路線番号や行き先等)、当該駅に到着する到着時刻、到着の案内をすべき到着案内時刻、当該駅からの出発時刻、出発の案内をすべき出発案内時刻等が含まれる。
【0015】
案内システム10においては、制御部20が案内プログラム21を実行することによって、経路に基づいて案内データを生成し、当該案内データに基づいて、到着案内時刻において案内端末Sに到着の案内を実行させる。また、制御部20は、当該案内データに基づいて、出発案内時刻において案内端末Sに出発の案内を実行させる。このために、案内プログラム21は、経由情報取得部21aと案内時刻取得部21bと案内制御部21cとを備えている。
【0016】
経由情報取得部21aは、出発地と目的地との間に存在する経由地への到着時刻と経由地からの出発時刻とを取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。本実施形態において制御部20は、経由情報取得部21aの機能により、経路を探索し、公共交通機関としての列車で移動する区間が経路に含まれる場合には、列車の乗降の少なくとも一方が行われる駅を経由地として取得する。そして、経由地への到着時刻と経由地からの出発時刻とを取得する。
【0017】
経路の探索は、記録媒体に記録された地図情報30aに基づいて実行される。地図情報30aは、経路の探索等に利用される情報であり、移動手段毎にノードとリンクによって定義された区間のネットワークを示している。すなわち、車両が走行する道路上にはノードが設定され、ノード同士の連結はリンクで示される。徒歩で移動する区間上にはノードが設定され、ノード同士の連結はリンクで示される。列車が移動する線路上にも駅等を示すノードが設定され、ノード同士の連結がリンクで示される。徒歩で移動する区間を示すリンクは車両が走行する道路上のノードや列車の駅を示すノードに連結されている場合がある。
【0018】
地図情報30aには、これらのノードの位置等を示すノードデータ,ノード間の区間の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータが含まれている。また、地図情報30aには、道路や駅、その周辺に存在する地物の位置等を示す地物データ等も含まれている。本実施形態においてリンクデータには、リンクが示す区間を走行する際のコストが対応づけられている。また、本実施形態において、駅を示す施設データには、列車等が各駅に到着し、各駅から出発する時刻を示す時刻表が対応づけられている。
【0019】
制御部20は、案内端末Sから出発地および目的地が送信されると、通信部40を介して当該出発地から目的地を取得し、地図情報30aを参照して出発地から目的地までの経路を探索する。探索は、種々のアルゴリズムで実施されてよく、例えば、ダイクストラ法やA*アルゴリズム、これらの改良型アルゴリズムなどを採用可能である。なお、移動手段が公共交通機関である場合には、各種の制約条件が課された状態で探索が行われてよい。例えば、列車による移動の場合、駅からの出発時刻と、駅への到着時刻は、地図情報30aが示す時刻表通りであるという制約条件等が課される。
【0020】
経路に公共交通機関を利用する区間が含まれる場合、経由地としての駅を含む経路が探索される。経路に経由地が含まれる場合、制御部20は、経由地への到着時刻と、経由地からの出発時刻とを取得する。すなわち、経由地への到着時刻は、時刻表に基づいて取得される。経由地が乗換駅である場合、経由地に向かう列車が特定された状態で探索が行われ、制御部20は、時刻表に基づいて当該列車が経由地としての乗換駅に到着する到着時刻を取得する。さらに、制御部20は、時刻表に基づいて乗り換え後の列車の出発時刻を取得する。経由地が乗車駅である場合、制御部20は、当該駅への到着時刻を例えば、乗車駅前の区間の経路長と区間毎の平均旅行時間とに基づいて取得する。経由地が列車での移動の最終地点となる駅である場合、制御部20は、当該駅に向かう列車の時刻表に基づいて最終地点となる駅への到着時刻を取得する。
【0021】
案内時刻取得部21bは、到着時刻より第1期間だけ前の時刻を到着案内時刻として取得し、出発時刻より第2期間だけ前の時刻を出発案内時刻として取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、本実施形態においては、到着時刻より前に到着の案内を行い、出発時刻よりも前に出発案内を行うことで、案内端末Sの利用者に到着や出発の準備を促し、また、到着や出発を忘れないようにさせる。
【0022】
本実施形態において、第1期間および第2期間は予め決められている。そこで、制御部20は、経由情報取得部21aの機能によって取得された到着時刻から第1期間だけ減じた時刻を到着案内時刻として取得する。また、制御部20は、経由情報取得部21aの機能によって取得された出発時刻から第2期間だけ減じた時刻を出発案内時刻として取得する。本実施形態においては、到着の準備は列車内で荷物をまとめるなどの行為であり、出発の準備は乗り換え先の列車に乗ることが可能なプラットフォームへの移動等を含む行為であるため、出発の準備の方が到着の準備よりも時間がかかると見なしている。
【0023】
そこで、本実施形態において第2期間は、第1期間よりも長い期間に設定されている。例えば、第2期間は10分、第1期間は2分のように設定可能である。図3Dは、経由地における時刻の関係を示す図である。図3Dにおいては、経路の一部を時間軸上で示しており、列車による移動期間を実線の矢印で示している。一点鎖線は、経由地(すなわち、駅)での滞在時間である。駅内で移動する必要があれば、一点鎖線の期間には徒歩での移動が含まれる。
【0024】
図3Dにおいて、一点鎖線が経由地での滞在時間であるため、一点鎖線において時間的に早い方の端点が到着時刻Taであり、時間的に遅い方の端点が出発時刻Tdである。図3Dにおいて第1期間はP1、第2期間はP2である。従って、到着時刻Taより第1期間P1だけ早い時刻が到着案内時刻Tagであり、出発時刻Tdより第1期間P1だけ早い時刻が出発案内時刻Tdgである。
【0025】
案内制御部21cは、到着案内時刻に経由地への到着を案内部において案内させ、出発案内時刻に経由地からの出発を案内部において案内させる機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、経由地への到着や経由地からの出発の準備を促すための案内データを生成する。案内データには案内タイミングを示す情報が含まれている。そこで、制御部20は、案内端末Sの移動を監視し、案内タイミングにおいて、案内端末Sに経由地への到着や経由地からの出発を案内させる。
【0026】
すなわち、制御部20は、経由情報取得部21aの機能によって取得された経路に基づいて、経路に沿って利用者を移動させるための案内内容を取得し、当該案内内容の案内を出力する案内タイミングを取得し、これらを示す案内データを生成する。具体的には、制御部20は、経路から経由地としての駅を特定し、当該駅への到着時刻、駅名を特定して、到着の案内における案内内容とする。そして、制御部20は、これらの情報に対して、案内時刻取得部21bの機能によって取得された到着案内時刻を対応づけることで到着の案内のための案内データを生成する。このような案内データによれば、案内内容が「列車の到着」である案内の案内タイミングが到着案内時刻であると特定される。
【0027】
さらに、制御部20は、経路から経由地としての駅を特定し、駅名、当該駅で乗るべき列車(路線番号や行き先等)、当該駅からの出発時刻を特定して、出発の案内における案内内容とする。そして、制御部20は、これらの情報に対して案内時刻取得部21bの機能によって取得された出発案内時刻を対応づけることで出発の案内のための案内データを生成する。このような案内データによれば案内内容が「列車の出発」である案内の案内タイミングが出発案内時刻であると特定される。
【0028】
案内内容は到着や出発を示す内容であればよく、種々の内容であって良い。図3Aは到着の案内内容を示す案内データの例を示す図である。図3Aに示す例においては、経由地のIDである01と、到着案内時刻である2018/12/11 10:10:00と、案内内容を示す案内テキストである「到着案内 10:12 A駅到着」とが案内データとされている構成が示されている。案内テキストは、到着する経由地の名称であるA駅や到着時刻である10:12を示しているが、むろん、この例に限定されず、他の情報が含まれていても良い。
【0029】
図3Bは出発の案内内容を示す案内データの例を示す図である。図3Bに示す例においては、経由地のIDである01と、出発案内時刻である2018/12/11 10:14:00と、案内内容を示す案内テキストである「出発案内 A駅 X番線 B線C行き 10:24発」とが案内データとされている構成が示されている。案内テキストは、出発する経由地の名称であるA駅や出発時刻である10:24を示すとともに、出発する際に乗るべき列車を、乗り場であるX番線、列車の種類であるB線、行き先であるC行きによって示しているが、むろん、この例に限定されず、他の情報が含まれていても良い。
【0030】
案内データが作成されると、制御部20は、通信部40を制御し、案内端末Sの移動を監視する。すなわち、案内端末SはGNSS信号等を利用した図示しない現在地取得部を備えており、経路に沿った移動が開始されると、現在地を示す情報を定期的に送信する。制御部20は、通信部40を介して当該現在地を示す情報を取得することで、案内端末Sの移動を監視する。そして、案内端末Sの現在地が経由地としての駅に向けて移動している過程で到着案内時刻になった場合、制御部20は、当該駅に対する到着を案内端末Sに案内させる。すなわち、制御部20は、当該駅に対する到着の案内を示す案内データを参照し、案内内容を示す情報を抽出し、通信部40を介して案内端末Sに対して送信する。案内端末Sは、送信された案内内容を案内部210a上に表示させる。この結果、案内端末Sは、到着案内時刻において、当該駅に対する到着の案内を行うことになる。
【0031】
案内端末Sの現在地が経由地としての駅から出発していない状態で出発案内時刻になった場合、制御部20は、当該駅からの出発を案内端末Sに案内させる。すなわち、制御部20は、当該駅からの出発の案内を示す案内データを参照し、案内内容を示す情報を抽出し、通信部40を介して案内端末Sに対して送信する。案内端末Sは、送信された案内内容を案内部210a上に表示させる。この結果、案内端末Sは、出発案内時刻において、当該駅からの出発の案内を行うことになる。
【0032】
本実施形態においては、以上の構成により、図3Dに示されるように、経由地への到着時刻Taより前の到着案内時刻Tagにおいて、図3Aに示される到着時刻Taの案内を案内端末Sに実行させることができる。また、図3Dに示されるように、経由地からの出発時刻Tdより前の出発案内時刻Tdgにおいて、図3Bに示されるように、経由地からの出発時刻Tdの案内を案内端末Sに実行させることができる。この結果、案内端末Sの利用者は、自身が指定した出発地から目的地まで経路に沿って移動することができる。経由地が含まれる場合、利用者は、当該経由地を経由して目的地まで移動することができる。
【0033】
本実施形態においては、以上のように、出発の準備の方が到着の準備よりも時間がかかると見なしており、第2期間は、第1期間よりも長い期間に設定されている。このため、経由地における到着時刻と出発時刻とが近い場合に、到着の案内と出発の案内とが別個に実施されると、わかりにくい案内になる場合があった。図3Eおよび図3Fは、経由地への到着時刻Taと経由地からの出発時刻Tdが近い場合の例を示している。図3Eにおいては、到着時刻Taと出発時刻Tdとが近いため、到着案内時刻Tagと出発案内時刻Tdgが非常に近くなっている。さらに、到着案内時刻Tagで到着の案内が行われた後、到着時刻Taで経由地に到着する前に出発案内時刻Tdgとなり、出発案内が行われる状況である。このようなタイミングで案内が行われると、利用者にとって煩わしく、到着の準備を行っていることに起因して出発の案内を見過ごしてしまうこともある。
【0034】
図3Fに示す例においては、到着時刻Taと出発時刻Tdとが近いため、出発案内時刻Tdgが到着案内時刻Tagよりも早い時刻になっている。このようなタイミングで案内が行われると、経由地における到着、出発という事象の順序と逆の順序で案内が行われることになる。このため、利用者にとって非常にわかりづらい案内となる。
【0035】
そこで、本実施形態においては、到着案内時刻と出発案内時刻との差が閾値以下である場合、または、出発案内時刻が到着案内時刻よりも早い時刻である場合、制御部20は、案内制御部21cの機能により、経由地への到着と経由地からの出発とを結合して案内させる。すなわち、制御部20は、出発案内時刻から到着案内時刻を減じ、得られた値が正であれば、閾値と比較する。そして、値が閾値より小さければ、案内を結合すべきと判定する。閾値は、到着案内時刻と出発案内時刻とが近すぎで案内がわかりづらくなるような間隔として予め決められていれば良く、例えば、到着案内時刻と到着時刻との差(例えば、2分)や当該差より大きい値(例えば、3分)等によって定義可能である。
【0036】
また、出発案内時刻から到着案内時刻を減じて得られた値が負であれば、制御部20は、案内を結合すべきと判定する。以上の判定により、図3E図3Fの場合に、制御部20は、案内を結合すべきと判定する。案内を結合すべき場合、本実施形態において制御部20は、経由地への到着と経由地からの出発とを同時に案内させる。具体的には、制御部20は、案内内容が「列車の到着および出発」であり、案内タイミングが到着案内時刻である案内データを生成する。なお、案内タイミングは到着案内時刻に限定されず、案内タイミングが出発案内時刻である構成等を採用してもよいが、案内タイミングが到着案内時刻であれば、通常通りに到着の準備を促し、かつ到着の後に出発の準備を行うように促すことができる。
【0037】
案内内容は到着および出発を示していれば良く、種々の内容であって良い。図3Cは到着および出発の案内内容を示す案内データの例を示す図である。図3Cに示す例においては、経由地のIDである01と、案内時刻(=到着案内時刻)である2018/12/11 10:10:00と、案内内容を示す案内テキストである「到着案内 10:12 A駅到着」および「出発案内 A駅 X番線 B線C行き 10:15発」が案内データである構成が示されている。
【0038】
案内テキストは、到着する経由地の名称であるA駅や到着時刻である10:12、出発する経由地の名称であるA駅や出発時刻である10:15を示すとともに、出発する際に乗るべき列車を、乗り場であるX番線、列車の種類であるB線、行き先であるC行きによって示しているが、むろん、この例に限定されず、他の情報が含まれていても良い。案内端末Sの現在地が経由地としての駅に向けて移動している過程で、結合された案内データの案内時刻(=到着案内時刻)になった場合、制御部20は、当該駅に対する到着および出発が結合された案内を案内端末Sに実行させる。すなわち、制御部20は、当該駅に対する到着および出発の案内を示す案内データを参照し、案内内容を示す情報を抽出し、通信部40を介して案内端末Sに対して送信する。案内端末Sは、送信された案内内容を案内部210a上に表示させる。
【0039】
この際、案内部210aにおいては、到着案内を示す案内テキストと出発案内を示す案内テキストの双方が表示される。従って、到着案内時刻において、到着と出発とが同時に案内される。なお、到着と出発は同時に案内されれば良いが、案内部210aにおける表示順序は事象の発生順序に即していると好ましい。すなわち、先に発生する到着が案内部210a上で上方に表示され、後に発生する出発が案内部210a上で下方に表示されることが好ましい。以上の構成によれば、案内端末Sの利用者は、到着の案内と同時に出発の案内を認識することができ、一方の案内や一方の事象への準備に起因して他方の案内を見過ごす可能性を低下させることができる。また、事象の発生順序と逆の順序で案内が行われることもない。従って、案内端末Sの利用者に対してわかりやすい案内を提供することができる。
【0040】
(2)案内処理:
次に上述の構成における案内処理を詳細に説明する。図2は、当該案内処理を示すフローチャートである。案内処理は、案内端末Sが実行した経路探索要求に応じて制御部20が経路を探索し、記録媒体30に記録(図示せず)した後に実行される。案内システム10は、複数の案内端末Sから経路探索要求を受け付けることができ、経路探索要求を行った各案内端末Sの経路について案内処理を行うことができる。
【0041】
1台以上の案内端末Sからの経路探索要求によって経路が探索されると、制御部20は、案内制御部21cの機能により、監視対象を確認する(ステップS100)。本実施形態において、監視対象は公共交通機関としての列車で移動する区間である。そこで、制御部20は、探索によって得られた経路のそれぞれを参照し、経路内に列車で移動する区間が含まれるか否か確認する。
【0042】
経路内に列車で移動する区間が含まれる場合、制御部20は、ステップS105において監視対象が存在すると判定する。経路内に列車で移動する区間が含まれない場合、制御部20は、ステップS100以降の処理を繰り返す。
【0043】
ステップS105において監視対象が存在すると判定された場合、制御部20は、経路のそれぞれについてステップS110以降の処理を実行する。すなわち、列車での移動を含む経路に沿って移動する案内端末SのそれぞれについてステップS110以降の処理を実行する。この処理は、案内端末Sのそれぞれを対象として並列に実行されるが、以後においては、特定の案内端末Sの経路について着目してステップS110以降の処理を説明する。なお、案内端末Sから新たな経路探索要求があった場合、ステップS100以降の処理が実施されてよい。
【0044】
ステップS110において、制御部20は、経由情報取得部21aの機能により、経由情報を取得する。すなわち、処理の対象となっている案内端末Sの経路に含まれる経由地を取得し、当該駅への到着時刻と当該駅からの出発時刻を取得する。経由地が複数である場合、制御部20は、それぞれの経由地について到着時刻と出発時刻とを取得する。
【0045】
次に、制御部20は、案内時刻取得部21bの機能により、処理対象の経由地の到着案内時刻、出発案内時刻を取得する(ステップS115)。すなわち、ステップS115~S140はループ処理になっており、経路に含まれる経由地のそれぞれを処理対象としたループ処理が行われる。このため、制御部20は、経路に含まれる経由地であって、ステップS115~S140のループ処理の処理対象となっていない経由地を処理対象として1箇所選択する。そして、制御部20は、処理対象の経由地についての到着時刻から第1期間を減じることで到着案内時刻を取得する。また、制御部20は、処理対象の経由地についての出発時刻から第2期間を減じることで出発案内時刻を取得する。
【0046】
次に、制御部20は、案内制御部21cの機能により、到着案内時刻と出発案内時刻との差が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、出発案内時刻から到着案内時刻を減じ、得られた値が正であり、閾値以下である場合に到着案内時刻と出発案内時刻との差が閾値以下であると判定する。
【0047】
ステップS120において、到着案内時刻と出発案内時刻との差が閾値以下であると判定された場合、制御部20は、案内制御部21cの機能により、結合した案内データを生成する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、処理対象の経由地について、到着と出発を同時に案内させるための案内データを生成する。具体的には、制御部20は、経路に基づいて到着および出発を同時に案内する際の案内内容を特定し、案内時刻として、ステップS115で取得された到着案内時刻を対応づける。この結果、図3Cに示すような案内データが生成される。
【0048】
一方、ステップS120において、到着案内時刻と出発案内時刻との差が閾値以下であると判定されない場合、制御部20は、案内制御部21cの機能により、出発案内時刻が到着案内時刻よりも早いか否か判定する(ステップS130)。ステップS130において、出発案内時刻が到着案内時刻よりも早いと判定された場合、制御部20は、ステップS125を実行し、結合した案内データを生成する。
【0049】
ステップS130において、出発案内時刻が到着案内時刻よりも早いと判定されない場合、制御部20は、経由情報取得部21aの機能により、到着と出発で別個の案内データを生成する(ステップS135)。すなわち、制御部20は、処理対象の経由地について、経由地への到着を案内させるための案内データと経由地からの出発を案内させるための案内データとのそれぞれを生成する。具体的には、制御部20は、経路に基づいて到着を案内する際の案内内容を特定し、ステップS115で取得された到着案内時刻を対応づける。この結果、図3Aに示すような案内データが生成される。また、制御部20は、経路に基づいて出発を案内する際の案内内容を特定し、ステップS115で取得された出発案内時刻を対応づける。この結果、図3Bに示すような案内データが生成される。
【0050】
次に、制御部20は、全経由地についてステップS115~S140の処理が終了したか否か判定する。すなわち、制御部20は、経路に含まれる経由地の全てを処理対象としてステップS115~S140の処理が行われた場合に、全経由地についてステップS115~S140の処理が終了したと判定する。ステップS140において、全経由地についてステップS115~S140の処理が終了したと判定されない場合、制御部20は、ステップS115以降の処理を繰り返す。
【0051】
ステップS140において、全経由地についてステップS115~S140の処理が終了したと判定された場合、制御部20は、案内制御部21cの機能により、案内端末Sの移動を監視する(ステップS145)。すなわち、制御部20は、通信部40を介して案内端末Sの現在地を取得し、地図情報30aに基づいて経路上での位置を特定する。次に、制御部20は、案内制御部21cの機能により、案内端末Sが向かっている経由地での案内タイミングになったか否かを判定する(ステップS150)。すなわち、制御部20は、案内端末Sの現在地に基づいて、案内端末Sが向かっている経由地を特定し、案内データに基づいて、現在時刻が当該経由地についての案内タイミングになったか否かを判定する。なお、経由地についての案内タイミングは、図3Aに示す到着案内時刻、図3Bに示す出発案内時刻、図3Cに示す案内時刻のいずれかである。
【0052】
ステップS150において、案内タイミングになったと判定されない場合、制御部20は、ステップS145以降の処理を繰り返す。一方、ステップS150において、案内タイミングになったと判定された場合、制御部20は、案内制御部21cの機能により、案内制御を実行する(ステップS155)。すなわち、制御部20は、ステップS150において案内タイミングになったと判定された案内データが示す案内内容(図3A図3Cであれば案内テキスト)を、案内端末Sに対して通信部40を介して送信する。
【0053】
この結果、ステップS150において案内タイミングであると判定されたタイミングが到着案内時刻であるなら、案内端末Sの案内部210aから到着の案内が出力される。ステップS150において案内タイミングであると判定されたタイミングが出発案内時刻であるなら、案内端末Sの案内部210aから出発の案内が出力される。ステップS150において案内タイミングであると判定されたタイミングが結合された案内の案内時刻であれば、案内端末Sの案内部210aから到着の案内と出発の案内が出力される。
【0054】
次に、制御部20は、案内制御部21cの機能により、案内が終了したか否か判定する(ステップS160)。すなわち、制御部20は、経路に含まれる経由地のそれぞれから生成された案内データの全てに基づいて案内が終了した場合に、案内が修了したと判定する。制御部20は、ステップS160において案内が終了したと判定されるまで、ステップS145以降の処理を繰り返す。
【0055】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、到着案内時刻と出発案内時刻が近い場合に到着案内と出発案内を結合する構成としては種々の実施形態を採用可能である。例えば、案内システムを構成する各手段は、上述の実施形態のように、1個の装置で実現されてもよいし、2個以上の装置に分かれて存在していても良い。後者としては、例えば、案内制御部21cの処理等が案内端末Sで実行される構成を採用可能である。むろん、図1に記載された制御部20以外の制御部が各手段の一部を実行する構成であってもよい。
【0056】
また、案内システム10を構成する各部(経由情報取得部21a、案内時刻取得部21b、案内制御部21c)の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。例えば、案内端末Sの移動の監視や案内タイミングであるか否かの判定等が案内端末Sで実行されてもよい。さらに、上述の実施形態の一部の構成が省略される構成や、処理が変動または省略される構成も想定し得る。例えば、経路を探索する機能が案内システム10に備えられておらず、外部の経路探索サーバに経路探索要求を行うことによって経路が探索されても良い。この場合、案内システム10は経路の情報を取得しても良いし、経由地を示す情報を取得しても良い。
【0057】
経由情報取得部は、出発地と目的地との間に存在する経由地への到着時刻と経由地からの出発時刻とを取得することができればよい。すなわち、出発地と目的地の間で特定の地点を経由する場合、当該地点が経由地となる。そして、経由情報取得部は、経由地に到着する時刻を到着時刻、経由地から出発する時刻を出発時刻として取得することができればよい。
【0058】
到着時刻と出発時刻は予め決められていれば良く、利用者が決めても良いし、経由地まで移動する際の状況に応じて決まっても良い。経由地まで移動する際の状況に応じて決まる時刻としては、車両を利用した場合における道路渋滞や列車を利用した場合における天候等による遅延等に応じて到着時刻や出発時刻が決定される構成が挙げられる。
【0059】
経由地は、出発地から目的地に向かう途中に立ち寄られる地点であれば良く、例えば、特定の移動手段での移動が一旦終了する地点が挙げられる。従って、経由地は、列車の乗り換えを行う地点に限定されない。例えば、車両での移動過程で訪問される地点であっても良いし、移動手段が変更される地点であっても良い。経由情報取得部は、少なくとも経由地への到着時刻と経由地からの出発時刻とを取得できれば良いが、むろん、経路を示す情報が取得され、当該情報に経由地に関する情報が含まれていても良い。
【0060】
案内時刻取得部は、到着時刻より第1期間だけ前の時刻を到着案内時刻として取得し、出発時刻より第2期間だけ前の時刻を出発案内時刻として取得することができればよい。すなわち、案内時刻取得部は、到着時刻および出発時刻のそれぞれを事前に案内するための到着案内時刻と出発案内時刻とを取得することができればよい。第1期間は、到着時刻よりも前に到着が案内されることによって到着に備えた行動を促すための期間として設定されていれば良く、固定の期間であっても良いし、可変の期間であっても良い。
【0061】
第2期間は案内時刻よりも前に出発が案内されることによって出発に間に合わせることが可能な期間として設定されていれば良く、固定の期間であっても良いし、可変の期間であっても良い。第1期間と第2期間との少なくとも一方が可変である場合、経由地の前後における移動手段と、経由地との少なくともいずれかに応じて変化する構成が採用されてもよい。すなわち、到着や出発のための準備は、移動手段毎に異なり得る。例えば、列車と車両とでは準備に要する時間が統計的に異なり得る。そこで、移動手段が異なる場合に第1期間や第2期間が変化するように構成されていても良い。また、列車において路線や列車の種類等が異なる場合に移動手段が異なると見なされても良い。すなわち、長距離移動路線と短距離移動路線とでは到着や出発の準備に要する時間が異なり得るため、これらの差異に応じて第1期間と第2期間とが変化しても良い。この構成によれば、移動手段毎に案内タイミングを最適化することができる。
【0062】
第1期間と、第2期間は独立に決定されて良いが、到着の際には各種移動手段から降りるのみで充分である場合が多く、出発の際には移動手段に乗るための場所(駅や駐車場等)に移動すべきであるため、第2期間が第1期間よりも長いことが好ましい。この構成によれば、到着と、出発のそれぞれに適したタイミングで案内を行うことができる。
【0063】
また、到着案内時刻は到着の案内が行われるタイミングを規定し、出発案内時刻は出発の案内が行われるタイミングを規定していれば良いため、タイミングが距離で規定されていたとしても、到着案内時刻、出発案内時刻が規定されていることと実質的に同義である。すなわち、経由地まで既定の距離の位置に達したタイミングが到着案内時刻であると規定されていても良いし、経由地まで既定の距離の位置に達したタイミングが出発案内時刻であると規定されていても良い。
【0064】
案内制御部は、到着案内時刻に経由地への到着を案内部において案内させ、出発案内時刻に経由地からの出発を案内部において案内させることができればよい。すなわち、案内制御部は、時刻をトリガにして案内を開始させることができ、案内部において到着の案内と出発の案内を出力させることができればよい。到着の案内と、出発の案内は、種々の態様であって良く、画像、音声、端末の振動など各種の態様で案内されてよい。また、案内の際に利用者に提供される情報としても、到着や出発を知らせる案内に加え、到着時刻や出発時刻が案内されても良いし、現在時刻と到着時刻との差分や現在時刻と出発時刻との差分が案内されても良い。
【0065】
案内制御部は、さらに、到着案内時刻と出発案内時刻との差が閾値以下である場合、または、出発案内時刻が到着案内時刻よりも早い時刻である場合、経由地への到着と経由地からの出発とを結合して案内させることができればよい。到着案内時刻と出発案内時刻との差を評価するための閾値は、差が当該閾値以下である場合に案内が煩わしく、また、一方の案内が見過ごされやすくなる期間に相当する値であれば良く、予め決められていれば良い。
【0066】
経由地への到着と経由地からの出発とを結合した案内は、到着時刻および出発時刻より早い時刻で行われれば良く、種々のタイミングで行われてよい。すなわち、到着案内時刻において実施される構成以外にも種々の構成が採用可能である。
【0067】
経由地への到着と経由地からの出発とを結合した案内は、種々の態様であって良い。すなわち、上述の実施形態のように、同一画面内で経由地への到着と経由地からの出発との双方についての情報を表示する同時案内に限定されない。例えば、経由地への到着の案内に続けて経由地からの出発の案内が行われてもよい。すなわち、到着の音声案内が実行されて一旦音声案内が終了し、その後、所定期間後に出発の音声案内が実行されるのではなく、連続して到着と出発の音声案内が行われることで案内が結合されても良い。
【0068】
さらに、到着案内時刻と出発案内時刻が近い場合に到着案内と出発案内を結合する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような手段を備えたサーバや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0069】
10…案内システム、20…制御部、21…案内プログラム、21a…経由情報取得部、21b…案内時刻取得部、21c…案内制御部、30…記録媒体、30a…地図情報、40…通信部、210a…案内部
図1
図2
図3