(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】計量キャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 41/26 20060101AFI20230427BHJP
B65D 41/28 20060101ALI20230427BHJP
G01F 19/00 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
B65D41/26
B65D41/28
G01F19/00 M
(21)【出願番号】P 2019055444
(22)【出願日】2019-03-22
【審査請求日】2021-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100081385
【氏名又は名称】塩川 修治
(72)【発明者】
【氏名】川口 裕次
(72)【発明者】
【氏名】森谷 始旦
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-026285(JP,A)
【文献】特開2017-039527(JP,A)
【文献】特開2008-201484(JP,A)
【文献】実開昭49-031743(JP,U)
【文献】実開昭64-053061(JP,U)
【文献】特開2018-034864(JP,A)
【文献】特開2017-132527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/26
B65D 41/28
G01F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に取り付けられる計量キャップであって、
筒状壁と底壁を有し、前記筒状壁の前記底壁と反対側の先端に開口があり、内容物を貯留可能な筒部を備え、
前記筒部の筒状壁は、
透明又は半透明であり、
前記筒部の筒状壁は、
厚みが周方向に変動して相対的に厚くなっている肉厚部分
と、
前記肉厚部分に対向する領域に厚みが相対的に薄い肉薄部分と、を有し、
前記肉厚部分に計量目盛りが付され
、
前記筒状壁を先端側から見て、前記筒状壁の内周面は円形状を有し、前記筒状壁の外周面は円形状を有し、前記内周面の円心と前記外周面の円心がずれることによって前記筒状壁の厚みが周方向に変動している、計量キャップ。
【請求項2】
容器本体の口部に対し計量キャップを脱着するための脱着機構を有する他の筒部を、さらに備えた、
請求項1に記載の計量キャップ。
【請求項3】
前記他の筒部は、前記筒部の筒状壁の外周を囲む他の筒状壁を有し、
前記筒部の筒状壁は、側面視で、前記他の筒状壁と重ならない露出部分を有し、当該露出部分に前記計量目盛りが付されている、
請求項2に記載の計量キャップ。
【請求項4】
前記計量目盛りは、文字の上が前記筒状壁の先端側に向くように前記筒状壁の内周面に付されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の計量キャップ。
【請求項5】
前記計量目盛りは、レーザーマーキングにより印字されたものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の計量キャップ。
【請求項6】
前記筒状壁は、光透過性の材質から構成されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の計量キャップ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の計量キャップと、容器本体と、を備えた、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量キャップ及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤、柔軟剤、漂白剤などの液体、粉体等の内容物を収容する容器は、容器本体の口部に取り付けられる計量キャップを備え、その計量キャップは、例えば内容物を貯留して計量する機能を備えている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された計量キャップ(オーバキャップ)は、頂壁と、側周壁と、側周壁の外周中間部に配置された取付筒とからなり、側周壁の内周面には、計量目盛りのラベルが付されている(特許文献1の
図3、段落0010、0011参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような計量キャップにおいて、ユーザーが側周壁の内周面をのぞき込んで計量目盛りを読むときに、外光が側周壁を外側から内側に向けて透過して、側周壁における計量目盛りの背景が明るくなることがある。計量目盛りの背景が明るくなると、計量目盛りが見えにくくなり、計量目盛りの視認性が低下する。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、上述のような計量キャップの計量目盛りの視認性を向上することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る計量キャップは、容器本体の口部に取り付けられる計量キャップであって、筒状壁と底壁を有し、筒状壁の底壁と反対側の先端に開口があり、内容物を貯留可能な筒部を備え、筒部の筒状壁は、厚みが周方向に変動して相対的に厚くなっている肉厚部分を有し、当該肉厚部分に計量目盛りが付されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、計量キャップの計量目盛りの視認性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態にかかる計量キャップを備えた容器の口部付近の構成を示す説明図である。
【
図2】開口を上にした状態の計量キャップの斜視図である。
【
図3】
図2の計量キャップのX-X断面の縦断面図である。
【
図4】計量キャップを先端側から見た場合の模式図である。
【
図5】計量キャップを本体容器の口部に取り付けた状態の容器の部分断面図である。
【
図6】肉厚部分の他の態様を説明するための模式図である。
【
図7】肉薄部分の他の態様を説明するための模式図である。
【
図8】他の態様の計量キャップを示す斜視図である。
【
図9】
図8の計量キャップのY-Y断面の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
<容器の全体構成>
図1は、本実施の形態にかかる計量キャップを備えた容器1の口部付近の構成を示す説明図である。
【0012】
図1に示すように容器1は、本体容器10と、本体容器10の口部10aに取り付け可能な計量キャップ11を備えている。本体容器10は、例えば樹脂製であり、液体や粉体などの内容物を貯留できる。内容物の液体の例としては、液体洗剤、液体柔軟剤、液体漂白剤などが挙げられる。本体容器10は、口部10aに本体キャップ20を備えている。本体キャップ20は、例えば円筒状の筒状壁30を有し、その筒状壁30の外周面には、計量キャップ11を螺合するためのネジ部31が設けられている。また、本体キャップ20は、筒状壁30の内側に、U字状の周壁部を有する注出部32を有している。注出部32は、先端に注出口33を備えている。注出部32は、筒状壁30よりも長く、筒状壁30よりも本体容器10の先端側に突出している。なお、本明細書では本体容器10の構成について、本体容器10の口部10aのある側(
図1の上側)を「先端側」とする。
【0013】
<計量キャップの構成>
図2は、後述の開口52を上にした状態の計量キャップ11の斜視図であり、
図3は、
図2の計量キャップ11のX-X断面の縦断面図である。計量キャップ11は、例えば
図1~
図3に示すように内筒部40と外筒部41を有している。計量キャップ11は、例えば樹脂製であり、光透過性を有している。なお、内筒部40は、本発明における「筒部」に相当し、外筒部41は、「他の筒部」に相当する。
【0014】
内筒部40は、円筒状の筒状壁50と、筒状壁50の一方の端部を閉鎖した底壁51を有している。筒状壁50の底壁51と反対側の先端は、液体を出し入れする開口52になっている。内筒部40は、開口52から入った内容物を貯留できる。なお、本明細書では計量キャップ11の構成について、計量キャップ11の底壁51側を「底側」とし、開口52側を「先端側」とする。
【0015】
筒状壁50の内周面60には、計量目盛り70が付されている。計量目盛り70は、筒状壁50の底側から先端側に向けて直線状に複数個付されている。本実施の形態では、「30」、「45」、「55」の3つの計量目盛り70が付されている。計量目盛り70は、「30」等の文字の上が筒状壁50の先端側に向くように付されている。なお、「筒状壁50の内周面60に計量目盛り70が付されている」ことには、内周面60の表面に計量目盛り70が付されている場合のみならず、筒状壁50の内周面60の表面付近の内部に計量目盛り70が付されている場合も含まれる。計量目盛り70の個数、位置、数値、模様、大きさ等はこれに限られない。
【0016】
計量目盛り70は、例えば筒状壁50の内周面60側からレーザーマーキングにより印字されたものである。レーザーマーキングは、予め計量キャップ11の材料に混合された発色剤にレーザー光を照射することにより印字するものである。なお、計量目盛り70は、筒状壁50の内周面60側で視認できるものであれば、筒状壁50の内周面60側から印字されなくても、外周面61側から印字されていてもよい。
【0017】
筒状壁50は、周方向に沿って厚みDが変動するように構成されている。すなわち、筒状壁50は、
図4に示すように厚みDが相対的に厚くなっている肉厚部分90を有している。例えば筒状壁50を先端側から見て、筒状壁50の内周面60と外周面61は、それぞれ円形状を有し、内周面60の円心P1と外周面61の円心P2がわずかにずれている。これにより、筒状壁50の厚みDが周方向に変動している。筒状壁50は、厚みDが最も薄い最肉薄部S1を起点に、時計回りの周方向に進むにつれて次第に厚くなり、180°進んだ点(最肉厚部S2)で最も大きくなり、そこからさらに時計回りに進むにつれて次第に薄くなり、最肉厚部S2から180°進んだ元の最肉薄部S1において最も薄くなるように構成されている。
【0018】
計量目盛り70は、筒状壁50の肉厚部分90に付されている。計量目盛り70が付された肉厚部分90の厚みDは、例えば0.4mm以上1.2mm以下、好ましくは0.5mm以上1.0mm以下、より好ましくは0.6mm以上0.8mm以下に設定されている。本実施の形態では、例えば筒状壁50において最肉厚部S2(計量目盛り70)と円心P1を通る基準線Bを中心とした周方向に90°の範囲(半円弧)が肉厚部分90である。
【0019】
筒状壁50は、肉厚部分90に対向する部分に肉薄部分91を有している。この計量目盛り70が付されていない肉薄部分91の厚みDは、例えば0.3mm以上0.9mm以下、好ましくは0.4mm以上0.8mm以下に設定されている。本実施の形態では、例えば筒状壁50において最肉薄部S1(計量目盛り70)と円心P1を通る基準線Bを中心とした周方向に90°の範囲(半円弧)が肉薄部分91である。肉薄部分91は、材質やその厚みにより、透明又は半透明になっている。
【0020】
図1~
図3に示すように外筒部41は、底側から先端側に延伸する略円筒状の他の筒状壁としての筒状壁100を有している。筒状壁100は、筒状壁50と同じ軸を有し、筒状壁50の外周を囲むように設けられている。側面視で(筒状壁50、100を径方向の外側から見て)、筒状壁100の底側の端部の位置と筒状壁50の底壁51の位置はほぼ一致している。筒状壁100の軸方向(先端方向)の長さは、筒状壁50よりも短く、筒状壁100は、側面視で筒状壁50の底側部分のみに重なるように配置されている。これにより、内筒部40の筒状壁50は、側面視で、外筒部41の筒状壁100と重ならない露出部分50aを有し、当該露出部分50aの内周面60に計量目盛り70の一部が付されている。
【0021】
外筒部41は、筒状壁100の内周面に、容器本体10の本体キャップ20に螺合するための着脱機構としてのネジ部101を有している。
図5には、外筒部41のネジ部101を容器本体10の本体キャップ20のネジ部31に螺合した状態の計量キャップ11を示す。
【0022】
外筒部41は、
図4に示すように先端側から見て円形状の内周面110と外周面111を有しており、外筒部41の内周面110及び外周面111の円心は、内筒部40の筒状壁50の内周面60の円心P1と一致している。
【0023】
そして、以上の構成の容器1を使用する際には、
図5に示したように計量キャップ11が、容器本体10の口部10aにある本体キャップ20に螺合されている状態から、ユーザーが計量キャップ11を回し
図1に示したように容器本体10から計量キャップ11を取り外す。次に例えば
図2及び
図3に示すように計量キャップ11の内筒部40の開口52が上に向けられた状態で、ユーザーが容器本体10の液体を内筒部40に注ぎ込む。このとき、例えば
図3に示すようにユーザーが内筒部40の筒状壁50の内周面60をのぞき込んで、或いは筒状壁50の肉薄部分91を通じて計量目盛り70を読み取る。
【0024】
本実施の形態によれば、内筒部40の筒状壁50の厚みDが周方向に変動し、筒状壁50が相対的に厚くなっている肉厚部分90を有し、当該肉厚部分90に計量目盛り70が付されているので、外光が内筒部40の内側に透過することが抑制される。この結果、ユーザーが内筒部40の内側をのぞき込んで計量目盛り70を読むとき、計量目盛り70の背景が暗くなり、計量目盛り70が見えやすくなる。よって、計量目盛り70の視認性を向上することができる。
【0025】
筒状壁50の内周面60が円形状を有し、筒状壁50に入れられた液体の量を正確に把握しやすいので、計量キャップ11の高い計量精度を維持することができる。
【0026】
筒状壁50を先端側から見て、筒状壁50の内周面60と外周面61はそれぞれ円形状を有し、内周面60の円心P1と外周面61の円心P2がずれることによって筒状壁50の厚みが周方向に変動している。この場合、筒状壁50の厚みDを周方向に変動させても、計量キャップ11の形状が複雑にならず、計量キャップ11を簡単かつ低コストで製造することができる。また、筒状壁50の肉厚部分90と肉薄部分91の両方を簡単に成形することができる。
【0027】
計量目盛り70が付されている肉厚部分90は、好ましくは、0.4mm以上1.2mm以下の厚みを有している。肉厚部分90がこの範囲にあることで、外光を確実に遮断することができる。この結果、計量目盛り70の視認性を確実に向上することができる。また、肉厚部分90が厚くなり過ぎず、製造コストを低減することができる。
【0028】
筒状壁50は、肉厚部分90に対向する領域に厚みが相対的に薄い肉薄部分91を有し、肉薄部分91は、透明又は半透明であるので、
図3に示したようにユーザーが、筒状壁50の外側から筒状壁50の肉薄部分91を通じて筒状壁50の内側の計量目盛り70を視認することができる。この結果、計量目盛り70の視認性をさらに向上することができる。
【0029】
肉薄部分91は、好ましくは、0.3mm以上、0.9mm以下の厚みを有している。肉薄部分91がこの範囲にあることで、ユーザーが、筒状壁50の外側から筒状壁50の肉薄部分91を通じてより確実に計量目盛り70を視認することができる。また、筒状壁50の強度を十分に確保することができる。
【0030】
計量キャップ11は、容器本体10の口部10aに対し計量キャップ11を脱着するための脱着機構を有する外筒部41を備え、内筒部40の筒状壁50は、側面視で、外筒部41の筒状壁100と重ならない露出部分50aを有し、当該露出部分50aに計量目盛り70が付されている。一般的に筒状壁50の露出部分50aでは、外側に外光を遮るものがなく透過しやすくなるが、本態様では、露出部分50aにおいて肉厚部分90が設けられ、その肉厚部分90に計量目盛り70が付されるので、計量目盛り70の視認性を効果的に向上することができる。
【0031】
計量目盛り70は、文字の上が筒状壁50の先端側に向くように付されている。これにより、計量キャップ11を容器本体10に取り付けている状態では、
図1に示すように計量目盛り70の文字が上下逆さになるが、計量目盛り70が筒状壁50の内周面60に付されているので、外観上見えにくくなり、計量キャップ11の意匠性を向上することができる。
【0032】
計量目盛り70は、レーザーマーキングにより印字されたものである。レーザーマーキングにより印字された計量目盛り70は、比較的色が薄く、印字部分に光が透過しやすい傾向にある。一方で、レーザーマーキングは、内筒部40の内周面60のような狭い場所に印字を行うことに優れている。よって、本実施の形態によれば、内筒部40の筒状壁50の内周面60に好適に計量目盛り70を印字しつつ、計量目盛り70の視認性を向上することができる。
【0033】
計量キャップ11は、光透過性の材質から構成されている。この場合、一般的に筒状壁50において外光が透過しやすくなるが、筒状壁50の計量目盛り70が付された部分を肉厚部分90とすることにより、より多くの外光を遮断することができるので、計量目盛り70の視認性を効果的に向上することができる。
【0034】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0035】
例えば上記実施の形態では、筒状壁50の内周面60の円心P1と外周面61の円心P2がずれることより筒状壁50の厚みDが周方向に変動していたが、筒状壁50の厚みDを周方向に変動させる構成はこれに限られない。例えば
図6に示すように筒状壁50の外周面61の一部が径方向の外側(円心P1から離れる方向)に突出することによって、肉厚部分90が構成されていてもよい。肉厚部分90は、筒状壁50の周方向に内角θ1を有する円弧状の範囲に形成されている。内角θ1は、60°以上、90°以下が好ましい。肉厚部分90は、計量目盛り70上を通る基準線Bを中心に左右対称に形成されている。
【0036】
また
図7に示すように筒状壁50の外周面61の一部が径方向の内側(円心P1に近づく方向)に凹むことによって、肉薄部分91が構成されていてもよい。肉薄部分91は、筒状壁50の周方向に内角θ2を有する円弧状の範囲に形成されている。内角θ2は、60°以上、90°以下が好ましい。肉厚部分91は、計量目盛り70上を通る基準線Bを中心に左右対称に形成されている。
【0037】
なお、筒状壁50の周方向の厚みDの変動は、内周面60が外側に突出したり、内側に凹んだりすることによって、肉厚部分90や肉薄部分91が構成されていてもよい。また、外周面61と内周面60の両方が凹凸することによって肉厚部分90や肉薄部分91が構成されていてもよい。なお、
図4、6、7のように、内周面に凹凸部が無いほうが、目盛り形成を容易にするため好ましい。
【0038】
以上の実施の形態において、計量目盛り70が付されている肉厚部分90の最大厚みと肉薄部分91の最小厚みとの差ΔDは、例えば0.1mm以上、0.7mm以下に設定されていてもよい。また、肉薄部分91は、透明又は半透明でなくてもよい。
【0039】
上記実施の形態における計量キャップ11は、他の構成を有するものであってもよい。例えば計量キャップ11の外筒部41は、側面視で内筒部40の底側に配置されていたが、内筒部40の先端側や中間付近に配置されていてもよい。外筒部41の先端方向の長さも、上記実施の形態のものに限られない。
【0040】
また、計量キャップ11は、外筒部41に代えて、
図8及び
図9に示すように他の筒部としての先端筒部120を備えていてもよい。先端筒部120は、内筒部40の開口52のある先端部に接続されている。先端筒部120は、円筒状の筒状壁130を有している。筒状壁130は、例えば内筒部40(筒状壁50)の先端部に接続され、先端側に向かうにつれて次第に縮径する縮径部130aと、縮径部130aの先端に接続され、先端側に向かって径が一定の同径部130bを有している。同径部130bの外周面には、容器本体10の口部10aに対し計量キャップ11を脱着するための脱着機構としてのネジ部131が設けられている。計量キャップ11のその他の構成は、上記実施の形態と同様であり、同じ符号を用いて説明を省略する。かかる例においても、ユーザーが内筒部40の内側をのぞき込んで計量目盛り70を読むとき、肉厚部分90により計量目盛り70の背景が暗くなり、計量目盛り70が見えやすくなるので、計量目盛り70の視認性を向上することができる。また、この例のように先端筒部120がある場合には、ユーザーが筒状壁130の先端の開口から計量目盛り70までの距離が遠くなるが、肉薄部分91を透明又は半透明にすることにより、ユーザーが筒状壁130の先端の開口から内筒部40の内側を覗き込まなくても、肉薄部分91を通じて計量目盛り70を視認することができるようになるメリットが大きい。
【0041】
また、計量目盛り70は、レーザーマーキングにより印字されたものであったが、ホットスタンプ、彫刻等の他の方法により印字されたものにも本発明は適用できる。また、計量目盛り70は、筒状壁50の外周面61に付されたものであってもよい。計量キャップ11の材質は光透過性があるものに限られない。
【0042】
容器1、容器本体10の構成も上記実施の形態のものに限られない。例えば上記実施の形態では、容器本体10の口部10aが本体キャップ20を有するものであったが、本体キャップ20を備えないものであってもよい。かかる場合、例えば容器本体10の口部10aの外周面に直接設けられたネジ部に計量キャップ11のネジ部が螺合されて、計量キャップ11が容器本体10に取り付けられる。また、容器本体10の口部10aに対し計量キャップ11を脱着するための脱着機構は、ネジ部のような螺合するものに限られず、互いに係合したり嵌合したりする公知の他の機構であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、計量キャップの計量目盛りの視認性を向上する際に有用である。
【符号の説明】
【0044】
1 容器
10 容器本体
10a 口部
11 計量キャップ
40 内筒部
41 外筒部
50 筒状壁
51 底壁
52 開口
60 内周面
61 外周面
70 計量目盛り
90 肉厚部分
91 肉薄部分
D 筒状壁の厚み