(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】住宅取得支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20230427BHJP
G06Q 50/16 20120101ALI20230427BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2019124344
(22)【出願日】2019-07-03
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】520095751
【氏名又は名称】株式会社Minoru
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】森 裕嗣
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-059166(JP,A)
【文献】特開2007-102400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/01
G06F 3/048
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末に接続される制御部を備え、
前記制御部は、
建物のテンプレートに関するデータである建物テンプレート管理データの一覧、内装のテンプレートに関するデータである内装テンプレート管理データの一覧、及び、オプションのテンプレートに関するデータであるオプションテンプレート管理データの一覧を、前記ユーザー端末のディスプレイに出力する設計支援部と、
顧客が入居を希望する地域である入居希望地域に応じて、各前記一覧の表示順をそれぞれ設定し、前記設計支援部に出力させる、表示順変更動作を行う地域別表示順設定部とを備える
ことを特徴とする住宅取得支援システム
【請求項2】
前記制御部は、
担当者端末に接続されるものであり、
前記ユーザー端末からの前記入居希望地域を含む申込情報を受け付ける申込管理部を備え、
前記地域別表示順設定部による前記表示順変更動作は、前記担当者端末に、各前記一覧の表示順を、それぞれ地域毎に並べ替えさせることを可能とし、前記設計支援部により、各前記一覧をそれぞれ前記ユーザー端末のディスプレイに出力する際に、前記担当者端末により地域毎に並べ替えられた各前記一覧の表示順のうち、前記申込管理部により受け付けた前記入居希望地域における表示順をそれぞれ設定し、前記設計支援部に出力させるものである
ことを特徴とする請求項1に記載の住宅取得支援システム
【請求項3】
前記制御部は、
表示順変更ボタンを前記ユーザー端末のディスプレイに出力する表示順変更ボタン設定部と、
前記表示順変更ボタンが選択された場合に、前記地域別表示順設定部に対し、前記表示順変更動作を行うように指令する地域別表示設定起動部とを備え、
前記地域別表示順設定部は、前記指令を受けた場合のみ前記表示順変更動作を行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の住宅取得支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅取得を支援するための住宅取得支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建設事業者が住宅建設を受注するためには、広告宣伝やモデルハウス等のプロモーション費用のコスト負担が大きいという課題があった。さらに、受注前費用(建設費、土地測量、工事原価算出、及び、設計費用)等も必要であり、成約した場合には工事原価への振り分け、失注した場合には販売管理費への振り分け等の手間もかかっていた。特に、集客した顧客が住宅ローンの利用を希望する場合、審査を受ける必要があり、顧客によってはローンの利用が困難なため、失注となる場合もある。
【0003】
そこで、下記特許文献1には、効率的に住宅取得の支援を行うための住宅取得支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、住宅建設に際して、地域毎に気候等によって顧客から求められる仕様は異なり、また一方、地域毎に工務店の得意な仕様/売り出したい仕様は異なる。しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、これらの要求を反映させた契約を推進することができない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、地域毎の特性に応じた住宅取得を推進することを可能とする住宅取得支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明に係る住宅取得支援システムは、
ユーザー端末に接続される制御部を備え、
前記制御部は、
建物のテンプレートに関するデータである建物テンプレート管理データの一覧、内装のテンプレートに関するデータである内装テンプレート管理データの一覧、及び、オプションのテンプレートに関するデータであるオプションテンプレート管理データの一覧を、前記ユーザー端末のディスプレイに出力する設計支援部と、
顧客が入居を希望する地域である入居希望地域に応じて、各前記一覧の表示順をそれぞれ設定し、前記設計支援部に出力させる、表示順変更動作を行う地域別表示順設定部とを備える
ことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するための第2の発明に係る住宅取得支援システムは、
上記第1の発明に係る住宅取得支援システムにおいて、
前記制御部は、
担当者端末に接続されるものであり、
前記ユーザー端末からの前記入居希望地域を含む申込情報を受け付ける申込管理部を備え、
前記地域別表示順設定部による前記表示順変更動作は、前記担当者端末に、各前記一覧の表示順を、それぞれ地域毎に並べ替えさせることを可能とし、前記設計支援部により、各前記一覧をそれぞれ前記ユーザー端末のディスプレイに出力する際に、前記担当者端末により地域毎に並べ替えられた各前記一覧の表示順のうち、前記申込管理部により受け付けた前記入居希望地域における表示順をそれぞれ設定し、前記設計支援部に出力させるものである
ことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するための第3の発明に係る住宅取得支援システムは、
上記第1又は2の発明に係る住宅取得支援システムにおいて、
前記制御部は、
表示順変更ボタンを前記ユーザー端末のディスプレイに出力する表示順変更ボタン設定部と、
前記表示順変更ボタンが選択された場合に、前記地域別表示順設定部に対し、前記表示順変更動作を行うように指令する地域別表示設定起動部とを備え、
前記地域別表示順設定部は、前記指令を受けた場合のみ前記表示順変更動作を行う
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る住宅取得支援システムによれば、地域毎の特性に応じた住宅取得を推進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例1に係る住宅取得支援システムの説明図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る住宅取得支援システムの画面の説明図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る住宅取得支援システムの処理手順の説明図であって、(a)は仮審査処理、(b)は入居者情報取得処理の説明図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る住宅取得支援システムの処理手順の説明図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る住宅取得支援システムの処理手順の説明図である。
【
図6】本発明の実施例2に係る住宅取得支援システムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る住宅取得支援システムでは、建設事業者における、住宅取得を希望する顧客からの効率的な受注を支援するサービスを提供する。当該サービスにおいては、顧客は自ら設計し、この設計に基づいて、建設事業者が建築した住宅に賃料(家賃)を支払いながら居住する。そして、所定期間経過後に、顧客は当該住宅を取得する契約を締結する。一方、建設事業者は、この賃料において、住宅取得費用(建築費用及び土地取得費用)を回収する場合を想定する。
【0013】
以下、本発明に係る住宅取得支援システムについて、実施例にて図面を用いて説明する。
【0014】
[実施例1]
図1には、管理サーバー20、及び、管理サーバー20と通信ネットワーク(インターネット等)を介して接続される、ユーザー端末10、担当者端末30、土地データベース40、建設会社端末50が示されている。
【0015】
ユーザー端末10は、住宅取得を希望する顧客(ユーザー)が用いるコンピューター端末である。担当者端末30は、顧客の住宅取得を支援する事業者の担当者が用いるコンピューター端末である。建設会社端末50は、建設事業者の担当者が用いるコンピューター端末である。
【0016】
このユーザー端末10、担当者端末30、及び、建設会社端末50は、ユーザーインターフェイス、すなわち、キーボードやポインティングデバイス等の各種指示を入力するための入力部、及び、情報処理結果を出力するための出力部を備えている。
【0017】
また、管理サーバー20は、本サービスを管理するコンピューターシステムである。この管理サーバー20は、制御部21、申込情報記憶部22、建築プラン記憶部23、テンプレート記憶部24、及び、地域別表示順記憶部25を備えている。
【0018】
制御部21は、CPU、RAM、及び、ROM等から構成され、ユーザー管理部210、申込管理部211、審査支援部212、設計支援部213、賃料計算部214、及び、地域別表示順設定部215を備えている。
【0019】
ユーザー管理部210は、ユーザー端末10からアクセスがあった場合のログイン認証処理を実行する。
【0020】
申込管理部211は、ユーザー端末10からの申込情報(顧客が入居を希望する地域である「入居希望地域」を含む)を管理する処理を実行する(受け付ける)。
【0021】
本実施例では、ユーザー端末10のディスプレイに各種画面を出力することにより、住宅取得を支援する。ユーザー端末10のディスプレイには、
図2に示すように、ログイン画面500~物件詳細画面505等の画面が出力される。
【0022】
ログイン画面500は、ユーザー認証を行うために、顧客IDやパスワードを入力するための画面である。トップ画面501は、ログインした顧客の概要を示すトップページである。入居者情報画面502は、入居者(顧客)に関する詳細情報を入力するための画面である。保証人情報画面503は、サービス利用のために必要な保証人に関する詳細情報を入力するための画面である。
【0023】
また、物件概要画面504は、建物(間取りと外観)を設定するための画面である。物件詳細画面505は、内装及びオプションを設定するための画面である。なお、この「オプション」とは、エアコン、浴室乾燥機、食洗器、駐車場の舗装、駐車場の屋根、キッチンの装備等を指している。
【0024】
審査支援部212は、住宅取得のための審査を支援する処理を実行する。顧客が本サービスを利用する場合、仮審査及び本審査が行われる。このため、審査支援部212は、仮審査における判断に用いられる条件に関するデータを保持している。さらに審査支援部212は、担当者端末30において行われる本審査を支援する処理を実行する。
【0025】
設計支援部213は、顧客の住宅設計を支援する処理を実行する。具体的には、ユーザー端末10において物件概要画面504が選択された場合、テンプレート記憶部24に記録された建物テンプレート管理データ241の一覧を、ユーザー端末10のディスプレイに出力する。また、ユーザー端末10において物件詳細画面505が選択された場合、テンプレート記憶部24に記録された内装テンプレート管理データ242aの一覧、及び、オプションテンプレート管理データ242bの一覧を、ユーザー端末10のディスプレイに出力する。
【0026】
地域別表示順設定部215は、入居希望地域に応じて、各上記一覧の表示順をそれぞれ設定し、設計支援部213に出力させる動作(実施例2では表示順変更動作と呼称)を行うものである。この点につき、以下詳述する。
【0027】
地域別表示順設定部215は、担当者端末30に、地域毎の、建物、内装及びオプションそれぞれの表示順について設定可能な画面を出力する。すなわち、担当者端末30に、テンプレート記憶部24に記録された建物テンプレート管理データ241の一覧、内装テンプレート管理データ242aの一覧、及び、オプションテンプレート管理データ242bの一覧の表示順を、それぞれ、地域毎に並べ替えさせることができる。
【0028】
また、顧客の住宅取得を支援する事業者の担当者が担当者端末30からこれらの設定を行うと、地域別表示順設定部215は、そのデータ(地域別表示順管理データ250)を地域別表示順記憶部25に記憶させる。
【0029】
そして、地域別表示順設定部215は、設計支援部213により、建物テンプレート管理データ241の一覧、内装テンプレート管理データ242aの一覧、及び、オプションテンプレート管理データ242bの一覧をそれぞれユーザー端末10のディスプレイに出力する際に、上述した申込管理部211により処理される入居希望地域、及び、地域別表示順記憶部25に記憶された地域別表示順管理データ250に基づき、これらの表示順を変更して、設計支援部213に出力させる。
【0030】
賃料計算部214は、顧客が住宅を取得するまでの賃貸期間における賃料を計算する処理を実行する。この賃料計算部214には、予め定められた賃貸期間(例えば20年)に関するデータを保持させておく。
【0031】
申込情報記憶部22には、ユーザー端末10から受け付けた申込に関する申込管理レコード220が記録される。この申込管理レコード220は、ユーザー端末10からの申込を受け付けた場合に記録される。申込管理レコード220は、申込ID、顧客ID、入居者情報、保証人情報、仮審査結果、本審査結果、建築プランID、賃料、及び、(保証金等の)状況に関するデータを含んで構成される。
【0032】
申込IDデータ領域には、各申込を特定するための識別子及びパスワードに関するデータが記録される。
【0033】
顧客IDデータ領域には、この申込を行った顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。この顧客IDを用いることにより、顧客データベース(図示略)を用いて、顧客の氏名や現住所、属性情報、連絡先、及び、ユーザー端末10のアドレス等を取得することができる。
【0034】
入居者情報データ領域には、この申込における住宅への入居者に関するデータが記録される。具体的には、氏名、年齢、性別、及び、入居を希望する地域等が記録される。
【0035】
保証人情報データ領域には、この申込における保証人に関するデータが記録される。具体的には、氏名、年齢、現住所、及び、属性情報等が記録される。
【0036】
仮審査結果データ領域には、申込時に行われた仮審査の結果を特定するフラグが記録される。
【0037】
本審査結果データ領域には、仮審査の後で行われた本審査の結果を特定するフラグが記録される。
【0038】
建築プランIDデータ領域には、顧客が設計(選択)した住宅の建築プラン(設計図面)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0039】
賃料データ領域には、顧客が住宅を取得するまでの賃貸期間における賃料に関するデータが記録される。
【0040】
状況データ領域には、この申込の進捗状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0041】
建築プラン記憶部23には、顧客(入居者)が設計した設計図面に関する建築プラン管理レコード230が記録される。この建築プラン管理レコード230は、ユーザー端末10において設計が行われた場合に記録される。建築プラン管理レコード230は、建築プランID、及び、図面に関するデータを含んで構成される。
【0042】
建築プランIDデータ領域には、顧客が設計した住宅の建築プラン(設計図面)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0043】
図面データ領域には、顧客が設計した住宅の設計図面に関するデータが記録される。この設計図面としては、建築確認申請に利用可能な図面を用いる。
【0044】
テンプレート記憶部24には、住宅の設計に用いるテンプレートに関するテンプレート管理データ240が記録される。テンプレート管理データ240には、建物テンプレート管理データ241、内装テンプレート管理データ242a、及び、オプションテンプレート管理データ242が含まれる。
【0045】
建物テンプレート管理データ241は、建物のテンプレート(外観及び間取り)に関するデータである。この建物テンプレート管理データ241は、建物候補ID、図面、及び、費用に関するデータを含んで構成される。
【0046】
建物候補IDデータ領域には、建物のテンプレートを特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0047】
図面データ領域には、建物のテンプレートの設計図面のデータが記録されている。本実施例では、建築確認申請に対応した建物テンプレートが記録されている。
【0048】
費用データ領域には、この建物テンプレートを用いて設計した住宅の取得費用に関するデータが記録される。
【0049】
内装テンプレート管理データ242aは、建物において変更可能な(また、建築確認申請に影響しない)内装のテンプレートに関するデータである。この内装テンプレート管理データ242aは、内装ID、図面、及び、費用に関するデータを含んで構成される。
【0050】
内装IDデータ領域には、内装のテンプレートを特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0051】
図面データ領域には、内装の設計図面に関するデータが記録されている。本実施例では、内装の図面が記録されている。
【0052】
費用データ領域には、内装を用いた場合の費用に関するデータが記録される。
【0053】
オプションテンプレート管理データ242bは、建物において変更可能な(また、建築確認申請に影響しない)オプションのテンプレートに関するデータである。このオプションテンプレート管理データ242は、オプションID、図面、及び、費用に関するデータを含んで構成される。
【0054】
オプションIDデータ領域には、オプションのテンプレートを特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0055】
図面データ領域には、このオプションの設計図面に関するデータが記録されている。本実施例では、オプションの図面が記録されている。
【0056】
費用データ領域には、オプションを用いた場合の費用に関するデータが記録される。
【0057】
地域別表示順記憶部25には、担当者端末30により設定された、地域毎の建物、内装及びオプションそれぞれの表示順である地域別表示順管理データ250が記録される。この地域別表示順管理データ250には、建物表示順管理データ251、内装表示順管理データ252a、及び、オプション表示順管理データ252bが含まれる。なお、これらのデータは、担当者端末30から入力されたものが地域別表示順設定部215を介して記録されたものである。
【0058】
建物表示順管理データは、地域毎の建物テンプレート管理データ241の一覧の表示順のデータである。内装表示順管理データ251aは、地域毎の内装テンプレート管理データ242aの一覧の表示順のデータである。オプション表示順管理データ251bは、地域毎のオプションテンプレート管理データ242bの一覧の表示順のデータである。
【0059】
さらに、管理サーバー20は、土地データベース40に接続されている。この土地データベース40には、住宅を建設可能な土地に関する土地管理レコードが記録されている。この土地管理レコードは、利用可能な土地が登録された場合に記録される。土地管理レコードは、土地ID、住所、面積、価格、及び、図面等に関するデータを含んで構成される。
【0060】
土地IDデータ領域には、この土地を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0061】
住所、面積、及び、価格の各データ領域には、この土地の住所、面積、価格に関するデータが、それぞれ記録される。
【0062】
図面データ領域には、この土地について建築確認申請に用いる図面に関するデータが記録される。
【0063】
次に、上記のように構成された管理サーバー20において、住宅取得を支援する場合の処理手順について、
図2~5を用いて説明する。
【0064】
〈仮審査処理〉
まず、
図3(a)を用いて、仮審査処理を説明する。
ここでは、管理サーバー20の制御部21は、ユーザー登録処理を実行する(ステップS1-1)。具体的には、住宅取得を希望する顧客は、ユーザー端末10を用いて、管理サーバー20にアクセスする。
【0065】
この場合、管理サーバー20の制御部21の申込管理部211は、ユーザー端末10に申込画面を出力する。この申込画面には、仮審査に必要な情報の入力欄が含まれる。この申込画面においては、申込者の簡単な概要のみの入力が可能となっている。そして顧客は、この申込画面の各入力欄に各種情報の入力を行う。
【0066】
次に、管理サーバー20の制御部21は、仮審査処理を実行する(ステップS1-2)。具体的には、制御部21の申込管理部211は、ユーザー端末10において申込画面に入力された各種情報を取得する。
【0067】
この場合、申込管理部211は、申込IDを付与した申込管理レコード220を申込情報記憶部22に記録する。
【0068】
次に、審査支援部212は、申込画面において入力された各種情報を用いて仮審査を行う。そして、審査支援部212は、仮審査結果を申込管理レコード220に記録する。
【0069】
ここで、各種情報が仮審査条件を満たしている場合には、審査支援部212は、顧客ID及びパスワードを付与して、申込管理レコード220に記録する。さらに、状況データ領域には、「本審査申込待ち」を記録する。
【0070】
次に、管理サーバー20の制御部21は、審査結果の通知処理を実行する(ステップS1-3)。具体的には、制御部21の審査支援部212は、ユーザー端末10に対して、仮審査の審査結果を通知する。仮審査を通過している場合には、この通知に、顧客ID及びパスワードを含める。
【0071】
仮審査通過の通知を受け取った顧客は、ユーザー端末10を用いて、管理サーバー20にアクセスする。
【0072】
〈入居者情報取得処理〉
次に、
図3(b)を用いて、入居者情報取得処理を説明する。
この場合、管理サーバー20の制御部21は、ログイン処理を実行する(ステップS2-1)。具体的には、制御部21のユーザー管理部210は、ログイン画面500をユーザー端末10に出力する。そして、ユーザー管理部210は、ログイン画面500に入力された顧客ID及びパスワードを取得し、申込情報記憶部22に登録されているかどうかを確認する。顧客ID及びパスワードが申込情報記憶部22に登録されていない場合、ユーザー管理部210は、ログインを拒否する。
【0073】
ログイン処理を完了した場合、管理サーバー20の制御部21は、ユーザー画面の出力処理を実行する(ステップS2-2)。具体的には、制御部21の申込管理部211は、ユーザー端末10にトップ画面501を出力する。このトップ画面501は、入居者情報画面502や保証人情報画面503に、相互にリンクされている。
【0074】
本審査を受ける場合、入居者情報画面502において、入居者(申込者)の詳細情報を入力する。この入居者情報画面502には、入居者の所得等、入居申込に必要な詳細項目(入居希望地域を含む)の入力欄が設けられている。さらに、所得証明等の公的書類のテンプレートが登録されている。また、保証人情報画面503においては、入居者の連帯保証人の詳細情報や緊急連絡先等を入力する。
【0075】
次に、管理サーバー20の制御部21は、本審査用情報の取得処理を実行する(ステップS2-3)。具体的には、ユーザー端末10に出力されたトップ画面501において「本審査申込」ボタンが選択された場合、制御部21の申込管理部211は、ユーザー端末10から、入居者情報画面502や保証人情報画面503に入力された各種情報(入居希望地域を含む)を取得する。
【0076】
この場合、申込管理部211は、取得した各種情報(入居希望地域を含む)を申込管理レコード220に記録する。さらに、申込管理部211は、状況データ領域には「本審査待ち」を記録する。
【0077】
〈本審査支援処理〉
次に、
図4を用いて、本審査支援処理を説明する。
まず、管理サーバー20の制御部21は、本審査依頼処理を実行する(ステップS3-1)。具体的には、制御部21の審査支援部212は、担当者端末30に対して本審査の依頼を行う。この依頼には、本審査対象の申込管理レコード220へのリンクを含める。本審査を行う担当者は、担当者端末30を用いて申込の本審査を行う。そして、担当者端末30に、申込IDに対して本審査の結果を入力する。
【0078】
次に、管理サーバー20の制御部21は、本審査結果の登録処理を実行する(ステップS3-2)。具体的には、担当者端末30から本審査の結果を取得した場合、制御部21の審査支援部212は、申込IDの申込管理レコード220に本審査結果を入力する。
【0079】
次に、管理サーバー20の制御部21は、審査結果通知処理を実行する(ステップS3-3)。具体的には、制御部21の申込管理部211は、ユーザー端末10に対して本審査の結果を通知する。
【0080】
〈設計支援処理〉
次に、
図5を用いて、設計支援処理を説明する。この設計支援処理では、入居者の住宅の設計を支援するとともに、設計された住宅の賃料を算出するシミュレーションを行う。
【0081】
まず、管理サーバー20の制御部21は、ステップS2-1と同様に、ログイン処理を実行する(ステップS4-1)。ログイン処理を完了した場合、ユーザー管理部210は、ユーザー端末10にトップ画面501を出力する。
【0082】
次に、管理サーバー20の制御部21は、建物、内装及びオプション選択処理を実行する(ステップS4-2)。具体的には、顧客がトップ画面501において物件概要画面504を選択する。
【0083】
この場合、制御部21の設計支援部213は、テンプレート記憶部24に記録された建物テンプレート管理データ241の一覧を、ユーザー端末10のディスプレイに出力する。そして、顧客がユーザー端末10において、一覧の中で所望の建物を選択する。
【0084】
設計支援部213は、建物テンプレート管理データ241を用いて、ユーザー端末10のディスプレイに、顧客が選択した建物の間取りや外観等を出力する。
【0085】
また、このとき、地域別表示順設定部215は、申込管理部211により処理される入居希望地域、及び、表示設定記憶部25に記録された建物表示順管理データ251に基づき、建物テンプレート管理データ241の一覧の表示順を、入居希望地域に従って変更する。設計支援部213は、このようにして表示順が設定された建物テンプレート管理データ241の一覧を、ユーザー端末10のディスプレイに出力することになる。
【0086】
さらに、ユーザー端末10により物件詳細画面505が選択された場合、設計支援部213は、テンプレート記憶部24に記録されたオプションテンプレート管理データ242の一覧を、ユーザー端末10のディスプレイに出力する。そして、ユーザー端末10において、一覧の中で所望の内装及びオプションが選択される。
【0087】
またこのとき、地域別表示順設定部215は、地域別表示設定記憶部25に記録された、内装表示順管理データ252a、及び、オプション表示順管理データ252bに基づき、内装テンプレート管理データ242aの一覧、及び、オプションテンプレート管理データ242bの一覧の表示順を、「入居希望地域」に従ってそれぞれ変更する。設計支援部213は、このようにして表示順が設定された内装テンプレート管理データ242aの一覧、及び、オプションテンプレート管理データ242bの一覧を、ユーザー端末10のディスプレイに出力することになる(なお、後述の実施例2では、この“ユーザー端末10により物件詳細画面505が選択された場合の”地域別表示順設定部215の動作を「表示順変更動作」と呼称している)。
【0088】
次に、管理サーバー20の制御部21は、シミュレーション処理を実行する(ステップS4-3)。具体的には、制御部21の賃料計算部214は、選択された建物テンプレート管理データ241や、選択されたオプションテンプレート管理データ242に記録された費用を取得する。
【0089】
この場合、土地データベース40に記録されている任意の土地費用を加算する。そして、賃料計算部214は、算出した費用、予め定められた賃貸期間に基づいて、賃料(家賃)を算出する。そして、賃料計算部214は、算出した賃料を、申込管理レコード220に記録するとともに、ユーザー端末10のディスプレイに出力する。
【0090】
次に、管理サーバー20の制御部21は、建築プランが完成したかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4-4)。具体的には、ユーザー端末10において、建物、内装及びオプションの選択完了が入力された場合に、制御部21の設計支援部213は、建築プラン完成と判定する。
【0091】
建築プランは未だ完成していないと判定した場合(ステップS4-4において「NO」の場合)、管理サーバー20の制御部21は、建物及びオプション選択処理(ステップS4-2)に戻る。
【0092】
一方、建築プランが完成したと判定した場合(ステップS4-4において「YES」の場合)、管理サーバー20の制御部21は、建築プランの登録処理を実行する(ステップS4-5)。具体的には、制御部21の設計支援部213は、ユーザー端末10において選択された建物やオプションに対して、建築プランIDを付与した建築プラン管理データを建築プラン記憶部23に登録する。
【0093】
この場合、選択された建物や内装及びオプションに基づいて生成された図面を、建築プランIDに関連付けて記録する。さらに、申込管理レコード220に建築プランIDを記録する。
【0094】
次に、管理サーバー20の制御部21は、建築プランの提供処理を実行する(ステップS4-6)。具体的には、制御部21の申込管理部211は、建設会社端末50に対して、建築プランが完成したことを通知する。この通知には、建築プランIDに関するデータを含める。
【0095】
そして、建築会社の担当者は、建設会社端末50を用いて、管理サーバー20にアクセスし、建築プランIDを指定する。この場合、申込管理部211は、指定された建築プランIDの建築プラン(図面)を、建築プラン記憶部23から取得し、建設会社端末50にダウンロードする。建設事業者の担当者は、ダウンロードした図面を用いて建築確認申請を行う。
【0096】
〈住宅の建築~住宅取得のための契約の手続き〉
次に、管理サーバー20の制御部21は、保証金の支払情報の取得処理を実行する(ステップS5-1)。具体的には、顧客が保証金を支払った場合には、担当者端末30を用いて、管理サーバー20に保証金支払情報を入力する。この場合、制御部21の申込管理部211は、申込情報記憶部22の申込管理レコード220の状況データ領域に、「保証金入金済」を記録する。
【0097】
次に、管理サーバー20の制御部21は、建設候補地の選定処理を実行する(ステップS5-2)。具体的には、制御部21の申込管理部211は、土地データベース40にアクセスする。次に、申込管理部211は、ユーザーが希望した地域において、建築プランの建物を建設可能な土地を検索する。
【0098】
そして、建設事業者は、建築プランに基づいて、建物の建設を開始する(ステップS5-3)。
【0099】
建物の建設完了後、建設事業者と顧客との間で、契約を行う(ステップS5-4)。具体的には、制御部21の申込管理部211は、住宅取得に必要な契約書類を担当者端末30に提供する。本実施例では、建設事業者と顧客との間で、賃貸期間(例えば20年)の20年定期賃貸借契約、賃貸期間終了後に住宅の譲渡を予約するための土地建物譲渡予約契約を行う。
【0100】
このようにして、本実施例では、管理サーバー20において、建物建設までの手続を実行するので、プロモーション費用や受注前費用等の建設コストを抑制することができる。
【0101】
また、本実施例では、管理サーバー20の制御部21は、仮審査処理(ステップS1-2)、審査結果の通知処理(ステップS1-3)を実行する。これにより、住宅取得可能な顧客を効率的に特定することができる。この場合、仮審査の結果に応じて、管理サーバー20の制御部21は、ログイン処理(ステップS2-1)、本審査用情報の取得処理(ステップS2-3)を実行する。これにより、本審査に必要な情報を効率的に取得することができる。
【0102】
さらに、本実施例では、管理サーバー20の制御部21は、建物、内装及びオプション選択処理(ステップS4-2)、シミュレーション処理(ステップS4-3)を実行する。これにより、顧客は、所望の建物を自分で設計することができる。さらに、この建物を取得するために必要な賃貸費用を把握することができる。
【0103】
さらに、本実施例では、建築プラン完成と判定した場合(ステップS4-4において「YES」の場合)、管理サーバー20の制御部21は、建築プランの登録処理(ステップS4-5)、建築プランの提供処理(ステップS4-6)を実行する。これにより、建設事業者は、効率的に建築を受注することができるとともに、建築確認申請のための図面作成の負担を軽減することができる。
【0104】
さらに、本実施例では、建物の完成後、顧客との間で、契約を行う(ステップS5-4)。具体的には、制御部21の申込管理部211は、住宅取得に必要な契約書類を担当者端末30に提供する。また、本実施例では、定期賃貸借契約、土地建物譲渡予約契約を行う。これにより、住宅ローンを利用しない場合においても、自分自身で設計した住宅を賃貸するとともに、賃貸期間経過後に住宅を取得することができる。
【0105】
そして、本実施例では、地域別表示順設定部215により、担当者端末30の入力に基づき、建物、内装及びオプションの一覧の表示順を、顧客が入居を希望する地域に合わせて変更することができる。すなわち、担当者端末30を操作する担当者は、当該地域の工務店が売りたい(あるいは得意な)間取りや材料、あるいは、当該地域毎の気候に応じて推奨したい間取りや材料等を考慮して、表示順を設定することができる。
【0106】
また、本実施例は、以下(1)~(3)のように変更してもよい。
(1)管理サーバー20の制御部21は、シミュレーション処理を実行する(ステップS4-3)。この場合、予め定められた賃貸期間に基づいて家賃を算出するものとしたが、ここで、賃貸期間を顧客の希望に応じて設定できるようにしてもよい。この場合、入居者情報画面502において希望賃貸期間を取得し、シミュレーション処理(ステップS4-3)において、この希望賃貸期間を用いる。
【0107】
(2)管理サーバー20の制御部21は、建物、内装及びオプション選択処理(ステップS4-2)に応じて、シミュレーション処理(ステップS4-3)を実行するものとしたが、これに代えて、建築プラン完成と判定した場合(ステップS4-4において「YES」の場合)に、シミュレーション処理(ステップS4-3)を実行するようにしてもよい。
【0108】
(3)管理サーバー20の制御部21は、建築プランの提供処理(ステップS4-6)を実行するものとしたが、ここで、建築プランに応じて、建設事業者を特定するようにしてもよい。この場合には、建物テンプレート管理データ241に、建築図面を提供した建設事業者に関する情報を登録しておく。そして、建築プランの提供処理(ステップS4-6)において、建築プランに用いられた建物テンプレート管理データ241に記録された建設事業者に通知する。
【0109】
[実施例2]
図6に示すように、本実施例は、実施例1の構成に加え、制御部(制御部21A)が表示順変更ボタン設定部216、及び、地域別表示設定起動部217を備えている。
【0110】
表示順変更ボタン設定部216は、ユーザー端末10において物件概要画面504が選択された場合、実施例1で説明した設計支援部213により表示される建物テンプレート管理データ241の一覧とともに、表示順変更ボタンをユーザー端末10のディスプレイに出力する。
【0111】
上記表示順変更ボタンは、ユーザー端末10のディスプレイ上において例えば「おすすめ順」等と表示され、顧客がユーザー端末10(のユーザーインターフェイス)により選択(クリック)することができるものである。
【0112】
地域別表示設定起動部217は、上記表示順変更ボタンが選択された場合に、地域別表示順設定部215に対し、実施例1にて説明した表示順変更動作を行うように指令する。なお、本実施例においては、地域別表示順設定部215は、地域別表示設定起動部217から当該指令を受けた場合のみ表示順変更動作を行うものとする。
【0113】
本実施例では、このようにして、顧客が表示順変更ボタンを選択した場合のみ、建物、内装及びオプションの表示順を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、住宅取得支援システムとして好適である。
【符号の説明】
【0115】
10 ユーザー端末
20 管理サーバー
21 制御部
210 ユーザー管理部
211 申込管理部
212 審査支援部
213 設計支援部
214 賃料計算部
215,315 表示設定部
216 表示順変更ボタン設定部
217 地域別表示設定起動部
22 申込情報記憶部
23 建築プラン記憶部
24 テンプレート記憶部
25 地域別表示順記憶部
30 担当者端末
40 土地データベース
50 建設会社端末