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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】家電機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20230427BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230427BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20230427BHJP
   G10L 15/28 20130101ALI20230427BHJP
【FI】
G06F3/16 520
G06F3/16 630
G06F3/16 690
G06F3/01 510
G10L15/00 200N
G10L15/28 230K
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019133092
(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公開番号】P2021018543
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(72)【発明者】
【氏名】丸谷 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】中川 達也
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 正史
(72)【発明者】
【氏名】金山 将也
(72)【発明者】
【氏名】神田 博紀
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0188485(US,A1)
【文献】特開2017-084177(JP,A)
【文献】特開2015-148648(JP,A)
【文献】特開2018-036397(JP,A)
【文献】特開2003-195891(JP,A)
【文献】特開2017-004231(JP,A)
【文献】特開2014-196847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G06F 3/01
G06F 13/00
G10L 15/00
G10L 15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の状況が検知された場合、外部機器の音声対話機能を起動させるための第1信号を前記外部機器またはサーバ装置に送信する制御部、
を備え、
前記外部機器は、ユーザがトリガワードを発話した場合と、前記第1信号であるまたは前記第1信号に基づいて生成された信号であるトリガ信号を受信した場合とで、それぞれ前記音声対話機能を起動させ、前記ユーザの発話が無い状態でも前記音声対話機能の起動状態を維持する待機時間を設定し、前記ユーザが前記トリガワードを発話した場合には、前記待機時間として第1所定時間を設定し、前記トリガ信号を受信した場合には、前記待機時間として前記第1所定時間よりも長い第2所定時間を設定し、
前記制御部は、前記所定の状況が検知された場合、前記待機時間として前記第2所定時間を設定させるための前記第1信号を前記外部機器または前記サーバ装置に送信する、
家電機器。
【請求項2】
前記第2所定時間は、前記第1所定時間の倍以上の時間である、
請求項1に記載の家電機器。
【請求項3】
前記第2所定時間は、5分以上の時間である、
請求項2に記載の家電機器。
【請求項4】
所定の状況が検知された場合、外部機器の音声対話機能を起動させるための第1信号を前記外部機器またはサーバ装置に送信する制御部、
を備え、
前記外部機器は、ユーザがトリガワードを発話した場合と、前記第1信号であるまたは前記第1信号に基づいて生成された信号であるトリガ信号を受信した場合とで、それぞれ前記音声対話機能を起動させ、前記ユーザの発話が無い状態でも前記音声対話機能の起動状態を維持する待機時間を設定し、
前記制御部は、前記第1信号を前記外部機器または前記サーバ装置に送信した後に前記ユーザの発話がない場合、前記待機時間が経過する前に、前記待機時間を延長するための追加信号を、少なくとも1回、前記外部機器または前記サーバ装置に送信する、
家電機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記所定の状況が検知され続ける場合、前記追加信号を繰り返し送信する、
請求項4に記載の家電機器。
【請求項6】
前記音声対話機能を起動させるための操作を受け付けるトリガ操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記トリガ操作部が操作された場合、前記第1信号を送信する、
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項7】
開口を有した筐体と、
前記開口を閉じる扉と、をさらに備え、
前記制御部は、前記開口に対して前記扉が開かれた場合、前記第1信号を送信する、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項8】
開口を有した筐体と、
前記開口を閉じる扉と、をさらに備え、
前記制御部は、前記開口に対して前記扉が閉じられた場合、前記第1信号を送信する、
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項9】
人感センサをさらに備え、
前記制御部は、前記人感センサにより人の存在が検知された場合、前記第1信号を送信する、
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項10】
電源操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記電源操作部が操作された場合、前記第1信号を送信する、
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項11】
前記制御部は、前記家電機器の操作受付部に対するユーザの操作と、前記家電機器とは別の端末機器に対するユーザの操作とのうち少なくとも一方に基づき、1つ以上の状況に関して前記第1信号を送信するか否かの設定を変更する、
請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項12】
前記制御部は、前記所定の状況が検知された場合、前記第1信号に加え、前記家電機器を制御するサーバ装置を特定するために用いることができる情報を送信する、
請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項13】
前記制御部は、前記所定の状況が検知された場合、前記第1信号に加え、前記家電機器の種別を特定するために用いることができる情報を送信する、
請求項1から請求項12のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項14】
前記制御部は、前記家電機器が第1特定状況にある場合、前記外部機器に対するユーザの発話と前記家電機器とを関連付けて処理させるための、または前記発話と前記家電機器とを関連付けて処理させる優先順位を高めるための第2信号を前記外部機器または前記サーバ装置に送信する、
請求項1から請求項13のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項15】
前記制御部は、前記家電機器が第2特定状況にある場合、前記外部機器に対するユーザの発話と前記家電機器とを関連付けさせないための、または前記発話と前記家電機器とを関連付けて処理させる優先順位を低くするための第3信号を前記外部機器または前記サーバ装置に送信する、
請求項1から請求項14のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、家電機器に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器が対話を開始するトリガとなる所定の事象の発生を検知する検知部と、該検知部が上記事象の発生を検知すると、所定の開始条件を満たすかを判定する判定部とを備えた家電機器が提案されている。
【0003】
ところで、家電機器とは独立して配置される音声対話装置を利用して家電機器を操作する場合を想定すると、音声対話装置を起動させるためのトリガワードや操作対象の家電機器を特定するためのワードを発話する必要があり、ユーザの利便性に改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-84177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの利便性の向上を図ることができる家電機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の家電機器は、制御部を持つ。前記制御部は、所定の状況が検知された場合、外部機器の音声対話機能を起動させるための第1信号を前記外部機器またはサーバ装置に送信する。前記外部機器は、ユーザがトリガワードを発話した場合と、前記第1信号であるまたは前記第1信号に基づいて生成された信号であるトリガ信号を受信した場合とで、それぞれ前記音声対話機能を起動させ、前記ユーザの発話が無い状態でも前記音声対話機能の起動状態を維持する待機時間を設定し、前記ユーザが前記トリガワードを発話した場合には、前記待機時間として第1所定時間を設定し、前記トリガ信号を受信した場合には、前記待機時間として前記第1所定時間よりも長い第2所定時間を設定し、前記制御部は、前記所定の状況が検知された場合、前記待機時間として前記第2所定時間を設定させるための前記第1信号を前記外部機器または前記サーバ装置に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の情報処理システムの全体構成を示す図。
図2】第1の実施形態のスマートスピーカの機能構成を示すブロック図。
図3】第1の実施形態の家電機器のいくつかの例を示す斜視図。
図4】第1の実施形態の家電機器の機能構成を示すブロック図。
図5】第1の実施形態の表示画面の内容の一例を示す図。
図6】第1の実施形態の音声対話サーバ装置の機能構成を示すブロック図。
図7】第1の実施形態の音声操作管理DBの内容の一例を示す図。
図8】第1の実施形態の機器制御サーバ装置の機能構成を示すブロック図。
図9】第1の実施形態の制御の全体フローの一例を示すシーケンス図。
図10】第1の実施形態の発話対象の判定に関する処理の流れを示すフローチャート。
図11】第1の実施形態の判定ルールの一例を示す図。
図12】第2の実施形態の情報処理システムの全体構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の家電機器および情報処理システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0009】
本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。本明細書で「YYをさせるための」または「YYをさせるために」とは、YYをさせることを主目的とする場合に限定されず、主目的の実現とともに、または主目的の実現の前または後に、YYが副次的に実現される場合も含む。「YY」は、例えば任意の動作である。また本明細書では、「データベース」を「DB」と表記する。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、家電機器100とは独立して配置されるスマートスピーカ200が音声対話機能を有する例である。また第1の実施形態は、後述するトリガ信号が家電機器100からスマートスピーカ200に送信される例である。
【0011】
[1.全体構成]
図1は、第1の実施形態の情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、例えば、1つ以上(例えば複数)の家電機器100、スマートスピーカ200、家庭内のルータ300、音声対話用のサーバ装置400(以下、「音声対話サーバ装置400」と称する)、家電機器制御用のサーバ装置500(以下、「機器制御サーバ装置500」と称する)、および端末機器600を含む。本実施形態では、それぞれ後述するスマートスピーカ200の制御部250と、音声対話サーバ装置400の情報処理部430と、機器制御サーバ装置500の情報処理部530とにより、情報処理システム1の情報処理部が実現されている。なお後述するネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、電話回線、無線基地局などのうち1つ以上を含む。
【0012】
家電機器100は、ユーザの家庭に配置されている。家電機器100は、ルータ300を介してネットワークNWと接続され、音声対話サーバ装置400および機器制御サーバ装置500と通信可能である。また、家電機器100は、ルータ300を介してまたは直接に、スマートスピーカ200と通信可能である。さらに、家電機器100は、ルータ300を介して、またはルータ300およびネットワークNWを介して、端末機器600と通信可能である。本実施形態では、家電機器100として、冷蔵庫100A、オーブンレンジ100B、および洗濯機100Cが配置された例を取り上げている。ただし、家電機器100は、上記例に限定されず、掃除機や炊飯器、またはテレビジョン受像機など他の家電機器でもよい。以下では、家電機器100の種類を問わない場合は、単に「家電機器100」と称する。
【0013】
スマートスピーカ200は、「音声対話装置」の一例である。また、スマートスピーカ200は、家電機器100から見た「外部機器」の一例でもある。スマートスピーカ200は、ユーザの家庭に配置されている。スマートスピーカ200は、例えば、ルータ300を介してネットワークNWと接続され、音声対話サーバ装置400および機器制御サーバ装置500と通信可能である。スマートスピーカ200は、例えば、キッチンに1つ配置されるなど、複数の家電機器100に対して1つ配置される。本実施形態では、スマートスピーカ200は、汎用的なスマートスピーカであり、家電機器100の操作以外にも、天気や時刻などの質問に対する回答や、音楽のストリーミングなどにも対応可能である。ただし、本明細書でいう「音声対話装置」および「外部機器」は、家電機器100を操作するため専用の音声対話装置であってもよい。
【0014】
ルータ300は、ユーザの家庭に配置されている。ルータ300は、例えば無線ルータであるが、これに限らない。言い換えると、家電機器100とスマートスピーカ200とのうち少なくとも一方は、有線(例えば電力線)を介してルータ300と接続されることで、ルータ300と通信可能であってもよい。
【0015】
音声対話サーバ装置400は、例えば、ネットワークNWに接続されたクラウドサーバである。音声対話サーバ装置400は、スマートスピーカ200に対するユーザの発話内容を分析し、スマートスピーカ200を通じた音声による回答や、ユーザの発話内容に応じた家電機器100に対する制御指示を機器制御サーバ装置500に通知することなどを行う。音声対話サーバ装置400は、例えば、スマートスピーカ200の製造元または販売元がサービスを提供するサーバ装置である。なお、音声対話サーバ装置400の後述する機能の一部または全部は、スマートスピーカ200に設けられてもよい。
【0016】
機器制御サーバ装置500は、例えば、ネットワークNWに接続されたクラウドサーバである。機器制御サーバ装置500は、家電機器100に対する制御指示を音声対話サーバ装置400から通知された場合、通知された制御指示に基づき家電機器100を制御する。機器制御サーバ装置500は、例えば、家電機器100の製造元または販売元がサービスを提供するサーバ装置である。機器制御サーバ装置500は、家電機器100の製造元または販売元ごとに複数存在する場合がある。なお、音声対話サーバ装置400と、機器制御サーバ装置500とは、別々の装置である必要は無く、1つの装置によって実現されてもよい。
【0017】
端末機器600は、例えば、ユーザが所有する携帯端末機器であり、スマートフォンやタブレット端末機器などである。例えば、端末機器600には、家電機器100の設定や遠隔操作を行うためのアプリケーションプログラムがインストールされている。ただし、端末機器600は、パーソナルコンピュータや、入力機能を有したテレビジョン受像機などでもよい。
【0018】
以下、家電機器100、スマートスピーカ200、音声対話サーバ装置400、および機器制御サーバ装置500について詳しく説明する。ここでは説明の便宜上、スマートスピーカ200、家電機器100、音声対話サーバ装置400、機器制御サーバ装置500の順で説明する。
【0019】
[2.スマートスピーカ]
まず、スマートスピーカ200について説明する。
図2は、スマートスピーカ200の機能構成を示すブロック図である。スマートスピーカ200は、例えば、マイク210、スピーカ220、無線通信モジュール230、記憶部240、および制御部(情報処理部)250を有する。
【0020】
マイク210は、スマートスピーカ200に対して発話されたユーザの音声を取得する。スピーカ220は、スマートスピーカ200の外部に向けて音声を出力する。無線通信モジュール230は、高周波回路およびアンテナなどを含み、例えばルータ300と無線通信可能である。
【0021】
記憶部240は、音声DB241を格納している。音声DB241は、例えば、簡易音声認識DB241aを含む。簡易音声認識DB241aには、例えば、スマートスピーカ200を起動させる音声コマンドであるトリガワード(例えば「ハロー、〇〇」など予め規定されたユーザが発話するワード)が登録されている。
【0022】
制御部250は、スマートスピーカ200の全体を制御する。制御部250は、例えば、音声受信部251、起動判定部252、待機時間設定部253、データ送受信部254、および音声出力部255を有する。なおこれら機能部の一部(例えば、起動判定部252および待機時間設定部253)は、スマートスピーカ200の出荷時に搭載されている必要はなく、例えば、追加のアプリケーションプログラムがスマートスピーカ200にインストールされることで実現されてもよい。
【0023】
音声受信部251は、マイク210に対して入力されたユーザの発話を、音声データとして受信する。
【0024】
起動判定部252は、スマートスピーカ200の音声対話機能の起動の要否を判定する。「起動」とは、例えば、消費電力が所定以下に抑えられた休止状態(トリガワード以外のユーザの発話には反応しない状態)から、トリガワード以外のユーザの発話にも反応可能(対話可能)な待機状態(音声コマンドを受信可能な状態)に変化することを意味する。「待機状態」は、「起動状態」と称されてもよい。起動判定部252は、例えば、音声受信部251により受信された音声データに、簡易音声認識DB241aに登録されているトリガワードが含まれる場合、起動が必要と判定し、音声対話機能を起動させる。また本実施形態では、起動判定部252は、データ送受信部254によって後述するトリガ信号が受信された場合、起動が必要と判定し、音声対話機能を起動させる。
【0025】
待機時間設定部253は、起動判定部252により音声対話機能の起動が必要と判定され、音声対話機能が起動させられる場合、上記待機状態を維持させる待機時間(タイムアウトまでの時間)を設定する。
【0026】
ここで、待機時間設定部253は、トリガワードに基づいて音声対話機能を起動させる場合と、トリガ信号に基づいて音声対話機能を起動させる場合とで、上記待機時間を異ならせてもよい。例えば、待機時間設定部253は、トリガワードに基づいて音声対話機能を起動させる場合、ユーザの発話がない場合であっても第1所定時間(例えば10秒間)に亘り、上記待機時間を維持させる。一方で、待機時間設定部253は、トリガ信号に基づいて音声対話機能を起動させる場合、ユーザの発話がない場合であっても、上記第1所定時間よりも長い第2所定時間(例えば10秒から30秒程度でもよく、10分から30分程度でもよい)に亘り、上記待機時間を維持させてもよい。第2所定時間の長さは、例えば第1所定時間の長さの倍以上である。
【0027】
例えば、第2所定時間が5分未満(さらに言えば、例えば10秒から30秒程度)に設定される場合、トリガ信号が送信されたタイミングではユーザが家電機器100に対する作業(例えば、家電機器100の内部に対する物の出し入れ)を行っており、ユーザの発話がすぐにない場合であっても、それら作業の間や作業の後に発話されるユーザの指示を受け取り損ねる可能性を小さくすることができる。
【0028】
例えば、第2所定時間が5分以上(さらに言えば、10分から30分程度)に設定される場合、トリガ信号が送信されたタイミングではユーザが家電機器100または家電機器100の設置場所に関連する作業(例えば、調理や調理後の片付け、洗濯の準備、部屋の掃除などの家事)を行っており、ユーザの発話がすぐにない場合であっても、スマートスピーカ200を使用する場合にその都度呼び掛けなくても済む(例えば、調理中にその都度呼び掛けなくても調理の手順を聞くことができる)ようになる。
【0029】
例えば、待機時間設定部253は、上述した後者の長時間待機の機能(ユーザが家電機器100または家電機器100の設置場所に関連する作業を行っている間はスマートスピーカ200の起動状態を維持させる機能、例えば10分から30分程度の長時間に亘りスマートスピーカ200の起動状態を維持させる機能)をONにする設定機能を有してもよい。以下では、この機能を「長時間待機機能」と称する。
【0030】
例えば、待機時間設定部253は、ユーザの発話による所定の音声コマンドに基づいて、上述の長時間待機機能のON/OFFを切り替えてもよい。待機時間設定部253は、長時間待機機能がOFFである場合、第1所定時間(例えば10秒間)または上述した短い第2所定時間(例えば5分未満)の間、ユーザの発話がないとスマートスピーカ200の起動状態を終了する。一方で、待機時間設定部253は、トリガワード(または家電機器100からのトリガ信号)に基づいて通常通り待機状態となった後、長時間待機機能をONにする音声コマンドを受け付けた場合、長時間待機の状態となる。その後、ユーザの発話がないと、スマートスピーカ200は、所定の長時間待機の時間(例えば10分から30分程度)の経過をもってスマートスピーカ200の起動状態を終了する。あるいは、スマートスピーカ200は、長時間待機の機能をOFFにする音声コマンドを受け付けた場合、スマートスピーカ200の起動状態を終了してもよい。
【0031】
データ送受信部254は、無線通信モジュール230を制御することで、家電機器100や音声対話サーバ装置400などとの間で信号およびデータを送受信する。例えば、データ送受信部254は、音声受信部251により取得されたトリガワード以外の音声データを、音声対話サーバ装置400に送信する。また、データ送受信部254は、音声対話サーバ装置400により準備された回答用の音声データを、音声対話サーバ装置400から受信する。データ送受信部254は、受信した回答用の音声データを、音声出力部255に出力する。
【0032】
さらに本実施形態では、データ送受信部254は、所定の信号(後述するトリガ信号や補助信号など)を家電機器100から受信する。また、データ送受信部254は、上記所定の信号の受信に伴って、上記所定の信号の送信元である家電機器100を特定するために用いることができる情報(識別情報)をその家電機器100から受信する。本明細書で言う「識別情報」は、家電機器100のID番号(例えばシリアルナンバー)を示す情報に限定されず、家電機器100の通信アドレス(例えばIPアドレス)を示す情報などでもよく、家電機器100を別の家電機器100と区別可能な情報であればよい。以下では、上記識別情報としてデータ送受信部254が家電機器100の通信アドレスを取得する場合を例に説明する。データ送受信部254は、上記所定の信号を受信したことを示す情報と、上記所定の信号を受信した時刻を示す情報と、上記所定の信号を送信した家電機器100の識別情報とを対応付けて音声対話サーバ装置400に送信する。
【0033】
音声出力部255は、音声対話サーバ装置400から送信されてデータ送受信部254により受信された音声データを、スピーカ220を通じて音声として外部に出力する。
【0034】
[3.家電機器]
次に、家電機器100について説明する。
図3は、家電機器100のいくつかの例を示す斜視図である。家電機器100は、例えば、筐体101と、扉102とを備えている。筐体101は、筐体101の内部空間に物を出し入れするための開口101aを有する。扉102は、筐体101の開口101aを開閉可能に閉じる。
【0035】
図4は、家電機器100の機能構成を示すブロック図である。家電機器100は、例えば、扉開閉検知センサ110、人感センサ120、トリガ専用操作部130、電源操作部140、表示・操作部150、無線通信モジュール160、アクチュエータ170、および制御部180を有する。なお、家電機器100は、これら構成の一部を有しなくてもよい。
【0036】
扉開閉検知センサ110は、筐体101の開口101aに対する扉102の開閉を検出する。扉開閉検知センサ110は、例えば筐体101と扉102との間に設けられ、扉102の開閉時にON/OFF状態が切り替わる扉開閉スイッチである。ただし、扉開閉検知センサ110は、扉102の開閉を検出可能な別のセンサ(例えばカメラ)でもよい。人感センサ120は、家電機器100の周囲(例えば家電機器100の正面)における人の存在を検知する。
【0037】
トリガ専用操作部130は、後述するトリガ信号を送信させたい場合に、ユーザによって操作される専用の操作部である。すなわち、トリガ専用操作部130は、スマートスピーカ200の音声対話機能を起動させるための操作を受け付ける操作部である。トリガ専用操作部130は、例えばトリガ信号を送信させるため専用のボタンまたはスイッチを含む。トリガ専用操作部130は、「トリガ操作部」の一例である。ただし、本明細書でいう「トリガ操作部」は、専用の操作部に限定されず、他の機能と兼用の操作部でもよい。
【0038】
電源操作部140は、家電機器100の電源をOFF状態からON状態にする、またはON状態からOFF状態にする場合に、ユーザによって操作される操作部である。電源操作部140は、電源のON状態とOFF状態を切り替えるボタンまたはスイッチを含む。
【0039】
表示・操作部150は、例えば、表示装置と、タッチ入力式の操作部とを含む。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどであり、画像や映像が表示される表示画面を含む。操作部は、表示装置の表示画面と重ねて配置されたタッチセンサを含む。表示・操作部150は、例えば、家電機器100の動作開始や動作モードの変更を行うためのユーザの操作を受け付ける。
【0040】
本実施形態では、トリガ専用操作部130、電源操作部140、および表示・操作部150により、ユーザの操作を受け付ける操作受付部Rの一例が構成されている。ただし、操作受付部Rは、トリガ専用操作部130、電源操作部140、および表示・操作部150に代えて、または加えて、家電機器100の動作開始や動作モードの変更を行うためのユーザの操作を受け付ける一般的なボタンやスイッチなどを有してもよい。
【0041】
無線通信モジュール160は、高周波回路およびアンテナなどを含み、例えばルータ300と無線通信可能である。
【0042】
アクチュエータ170は、家電機器100を動作させるための駆動部である。例えば、家電機器100が冷蔵庫である場合、アクチュエータ170は、冷媒を圧縮する圧縮器や、冷蔵庫内で冷気を循環させる送風機などである。家電機器100がオーブンレンジである場合、アクチュエータ170は、マイクロ波発生器などである。家電機器100が洗濯機である場合、アクチュエータ170は、洗濯槽を回転させるモータなどである。
【0043】
制御部180は、家電機器100の全体を制御する。制御部180は、例えば、トリガ信号生成部181、トリガモード設定部182、補助信号生成部183、機器制御部184、およびデータ送受信部185を有する。
【0044】
トリガ信号生成部181は、所定の状況が検知された場合、スマートスピーカ200の音声対話機能を起動させるためのトリガ信号を生成する。トリガ信号は、「第1信号」の一例である。「所定の状況」とは、トリガ信号を送信する状況として家電機器100に予め設定されている状況である。「所定の状況」は、例えば、トリガ操作部130が操作された場合、電源操作部140が操作された場合、筐体101の開口101aに対して扉102が開かれた場合、筐体101の開口101aに対して扉102が閉じられた場合、および家電機器100の近くに人の存在が検知された場合のうち任意の1つ以上である。「所定の状況が検知された場合」とは、例えば、トリガ操作部130が操作されたことがトリガ操作部130により検知された場合、電源操作部140が操作(例えば、家電機器100の電源をOFF状態からON状態にする操作)されたことが電源操作部140により検知された場合、筐体101の開口101aに対して扉102が開かれたことが扉開閉検知センサ110により検知された場合、筐体101の開口101aに対して扉102が閉じられたことが扉開閉検知センサ110により検知された場合、および人感センサ120により人の存在が検知された場合のうちの任意の1つ以上である。
【0045】
例えば、トリガ信号生成部181は、トリガ操作部130が操作された場合と、電源操作部140が操作された場合と、筐体101の開口101aに対して扉102が開かれた場合と、筐体101の開口101aに対して扉102が閉じられた場合と、人感センサ120により人の存在が検知された場合とで、異なるトリガ信号を生成してもよい。このような構成によれば、後述する音声対話サーバ装置400において、トリガ信号を送信した複数の家電機器100のなかからユーザの発話対象である家電機器100を判定する必要がある場合に、家電機器100の状況に応じた優先付けを行うことができる。例えば、音声対話サーバ装置400は、人感センサ120により人の存在が検知されることでトリガ信号が送信された家電機器100よりも、筐体101の開口101aに対して扉102が開かれた(または閉じられた)ことでトリガ信号が送信された家電機器100の優先順位を高くすることができ、トリガ操作部130が操作されることでトリガ信号が送信された家電機器100の優先順位をさらに高くすることができる。また、電源操作部140や扉開閉検知センサ100などトリガ操作部としての機能も兼用する各種操作部やセンサの種類に応じて、スマートスピーカ200が起動状態(音声受付状態)を維持する待機時間を異ならせるように、異なる種類のトリガ操作部に対して異なるトリガ信号を割り当てるようにしてもよい。すなわち、異なる種類のトリガ操作部が操作された場合、互いに異なるトリガ信号が送信されてもよい。
【0046】
ところで、スマートスピーカ200によっては、待機状態(起動状態)を維持する待機時間が固定的である場合がある。すなわち、スマートスピーカ200が上述したような待機時間設定部253を有さず、トリガワードに基づいて音声対話機能を起動させる場合と、トリガ信号に基づいて音声対話機能を起動させる場合とで、同じ所定時間(第1所定時間、例えば5分間)の待機時間が設定される場合がある。
【0047】
本実施形態では、待機時間が固定的なスマートスピーカ200に対応するトリガ信号生成部181は、上記所定の状況が検知された場合、ユーザの発話が無い場合であってもスマートスピーカ200の音声対話機能の待機状態を上記第1所定時間よりも長い第2所定時間に亘り維持させるための追加信号を生成してもよい。追加信号は、上記トリガ信号と同じ信号でもよく、別の信号でもよい。この場合、後述するデータ送受信部185は、スマートスピーカ200にトリガ信号を送信してから第1所定時間が経過する前にスマートスピーカ200に上記追加信号を送信すること、またはそのような追加信号を繰り返し送信することで、スマートスピーカ200の待機時間を第2所定時間まで延長させてもよい。このような構成によれば、スマートスピーカ200が特別な構成を有しなくても、トリガワードに基づいて音声対話機能を起動させる場合と、トリガ信号に基づいて音声対話機能を起動させる場合とで待機時間を異ならせることができる。
【0048】
一例では、トリガ信号生成部181は、家電機器100の扉102が開閉された場合やトリガ専用操作部130が操作された場合、または電源操作部140が操作された場合に、トリガ信号を生成して、データ送受信部185によりスマートスピーカ200に送信させる。その後、トリガ信号生成部181は、人感センサ120により人の存在が検知され続ける限り(例えばキッチンに人がいることが検知され続ける限り)、所定の周期で追加信号を生成し、データ送受信部185によりスマートスピーカ200に送信させてもよい。このような構成によれば、家電機器100を操作した後にユーザが近くにいる間に亘りスマートスピーカ200の待機状態を維持できる一方で、家電機器100とは無関係にユーザが近くを通る場合にスマートスピーカ200を起動させることを抑制することができる。
【0049】
トリガモード設定部182は、家電機器100の操作受付部Rに対するユーザの操作と、端末機器600に対するユーザの操作とのうち少なくとも一方に基づき、1つ以上の状況に関してトリガ信号を送信するか否かの設定を変更する。
【0050】
図5は、表示・操作部150または端末機器600に表示される表示画面151の内容の一例を示す図である。例えば、表示画面151には、家電機器100が検知可能な1つ以上の状況に関して、トリガ信号を送信するか否かの変更を受け付ける画面が表示される。トリガモード設定部182は、表示画面151に対するユーザの操作に基づき、1つ以上の状況に関してトリガ信号を送信するか否かの設定を変更する。
【0051】
図4に戻り、家電機器100の残りの構成について説明する。補助信号生成部183は、後述する音声対話サーバ装置400における「ユーザの発話」と「発話対象の家電機器」との関連付けを補助する信号を生成する。例えば、補助信号生成部183は、自家電機器100が第1特定状況にある場合、スマートスピーカ200に対するユーザの発話と自家電機器100とを関連付けて処理させるための、または上記発話と自家電機器100とを関連付けて処理させる優先順位を高めるための第1補助信号を生成する。第1特定状況は、ユーザの発話と自家電機器100とが優先して関連付けられるべき状況である。第1補助信号は、「第2信号」の一例である。これらの具体例については後述する。
【0052】
また、補助信号生成部183は、自家電機器100が第2特定状況にある場合、スマートスピーカ200に対するユーザの発話と自家電機器100とを関連付けさせないための、または上記発話と自家電機器100とを関連付けて処理させる優先順位を低くするための第2補助信号を生成する。第2特定状況は、ユーザの発話と自家電機器100とが優先して関連付けられるべきでない状況である。第2補助信号は、「第3信号」の一例である。これらの具体例については後述する。以下では、第1補助信号と第2補助信号とを互いに区別しない場合は、単に「補助信号」と称する。
【0053】
機器制御部184は、操作受付部Rにより受け付けられたユーザの操作、および機器制御サーバ装置500から受信する制御コマンドに基づき、家電機器100を制御する。例えば、機器制御部184は、操作受付部Rにより受け付けられたユーザの操作、および機器制御サーバ装置500から受信する制御コマンドに基づき、アクチュエータ170を駆動する。
【0054】
データ送受信部185は、無線通信モジュール160を制御することで、スマートスピーカ200や機器制御サーバ装置500などとの間で信号およびデータを送受信する。例えば、データ送受信部185は、家電機器100を制御するための制御コマンドを機器制御サーバ装置500から受信する。また、データ送受信部185は、トリガ信号生成部181によりトリガ信号や追加信号が生成された場合、生成されたトリガ信号や追加信号をスマートスピーカ200に送信する。データ送受信部185は、補助信号生成部183により補助信号が生成された場合、生成された補助信号をスマートスピーカ200に送信する。
【0055】
データ送受信部185は、上記所定の状況が検知された場合、トリガ信号に加え、家電機器100を制御する機器制御サーバ装置500を特定するために用いることができる識別情報を送信する。別の観点で見ると、データ送受信部185は、上記所定の状況が検知された場合、トリガ信号に加え、家電機器100の種別を特定するために用いることができる識別情報を送信する。またデータ送受信部185は、追加信号や補助信号を送信する場合、追加信号や補助信号に加えて、上記識別情報を送信する。
【0056】
上述したように、識別情報は、家電機器100のID番号を示す情報に限らず、家電機器100の通信アドレスなどを示す情報でもよい。例えば、識別情報が家電機器100の通信アドレスである場合、音声対話サーバ装置400は、後述する音声操作管理DB422を参照することで、家電機器100を制御する機器制御サーバ装置500および家電機器100の種別を特定可能である。なお本明細書で「信号に加え、識別情報を送信する」とは、信号と同時に識別情報が送信される場合に限定されず、信号の送信前や信号の送信後に識別情報が送信される場合も含む。
【0057】
また、家電機器100は、トリガ信号および識別情報をスマートスピーカ200に送信することに代えて、トリガ信号および識別情報を音声対話サーバ装置400または機器制御サーバ装置500に送信してもよい。この場合、音声対話サーバ装置400または機器制御サーバ装置500は、家電機器100から受信したトリガ信号をスマートスピーカ200に送信(例えば転送)してもよい。
【0058】
また、家電機器100は、スマートスピーカ200の音声対話機能を起動させるトリガ信号そのものを送信することに代えて、上記所定の状況が検知された場合、トリガ信号に準ずる信号(以下、説明の便宜上「サブトリガ信号」と称する)を音声対話サーバ装置400または機器制御サーバ装置500に送信してもよい。サブトリガ信号は、上記所定の状況が発生したことを示す信号である。この場合、音声対話サーバ装置400または機器制御サーバ装置500は、家電機器100から受け取るサブトリガ信号に基づきスマートスピーカ200の音声対話機能を起動させるトリガ信号を生成し、生成したトリガ信号をスマートスピーカ200に送信してもよい。サブトリガ信号は、「第1信号」の別の一例である。また以下の説明における「トリガ信号」は、「サブトリガ信号」と読み替えられてもよい。
【0059】
これらは、上述した追加信号や補助信号についても同様である。なお本明細書で「信号が家電機器100から音声対話サーバ装置400に送信される」とは、信号が家電機器100から音声対話サーバ装置400に直接送信される場合に限定されず、信号が家電機器100から機器制御サーバ装置500を経由して音声対話サーバ装置400に送信される場合なども含む。
【0060】
[4.音声対話サーバ装置]
次に、音声対話サーバ装置400について説明する。
図6は、音声対話サーバ装置400の機能構成を示すブロック図である。音声対話サーバ装置400は、例えば、通信モジュール410、記憶部420、および情報処理部430を有する。
【0061】
通信モジュール410は、高周波回路などを含む。通信モジュール410は、ネットワークNWおよびルータ300を介してスマートスピーカ200と通信可能である。また、通信モジュール410は、ネットワークNWを介して機器制御サーバ装置500と通信可能である。
【0062】
記憶部420は、音声DB421と、音声操作管理DB422とを格納している。音声DB421は、例えば、音声認識DB421aと、発話DB421bとを含む。音声認識DB421aには、スマートスピーカ200に対するユーザの発話を分析するために用いられる辞書や物事の関係性を規定した情報などが登録されている。発話DB421bには、スマートスピーカ200から出力される回答を生成するための音声データ(発話データ)が登録されている。
【0063】
図7は、音声操作管理DB422の内容の一例を示す図である。音声操作管理DB422には、家電機器100から送信される識別情報(例えば通信アドレス)に基づき、家電機器100を特定するための情報が登録されている。例えば、音声操作管理DB422では、家電機器100の識別情報(例えば通信アドレス)と、家電機器100を識別可能な家電機器IDと、その家電機器100のユーザを識別可能なユーザIDと、その家電機器100に対応する機器制御サーバ装置500のIDと、家電機器100の種別とが対応付けられている。
【0064】
図6に戻り、音声対話サーバ装置400の残りの構成について説明する。情報処理部430は、例えば、音声処理部431、発話対象判定部432、制御内容特定部433、制御指示生成部434、応答生成部435、およびデータ送受信部436を有する。
【0065】
音声処理部431は、スマートスピーカ200により取得されたユーザの発話の音声データを分析する。例えば、音声処理部431は、音声認識処理を行うことで音声データをテキスト化する。また、音声処理部431は、テキスト化された音声データに対して自然言語処理を行うことで意味解釈(一次の意味解釈)を行う。これらの処理が行われたユーザの発話データは、発話対象判定部432および制御内容特定部433に出力される。
【0066】
発話対象判定部432は、複数の家電機器100からトリガ信号が送信された場合、トリガ信号を送信した複数の家電機器100のなかからユーザの発話対象である家電機器100を判定する。例えば、発話対象判定部432は、家電機器100から送信されたトリガ信号および識別情報、音声処理部431で意味解釈が行われたユーザの発話内容、音声操作管理DB422に登録されている内容(各家電機器100の種別など)、および家電機器100からの補助信号の有無などに基づき、ユーザの発話対象である家電機器100を判定する。なお、発話対象判定部432の処理は、詳しく後述する。
【0067】
制御内容特定部433は、音声処理部431で意味解釈が行われたユーザの発話内容と、発話対象判定部432により判定された(特定された)発話対象の家電機器100の種別とに基づき、ユーザの発話内容に対してより深い意味解釈(二次の意味解釈)を行い、家電機器100に対する制御内容を特定する。言い換えると、制御内容特定部433は、家電機器100の種別に基づいてユーザの発話内容を解析する。「家電機器100の種別に基づきユーザの発話内容を解釈する」ことは、「ユーザの発話と、識別情報に基づいて特定された家電機器とを関連付けて行う所定の処理」の一例である。
【0068】
例えば、家電機器100が冷蔵庫の場合、家電機器100に対する制御内容は、「急速冷凍」や「急速製氷」、「解凍」などである。家電機器100がオーブンレンジの場合、家電機器100に対する制御内容は、「〇〇分加熱」や「解凍」などである。家電機器100が洗濯機の場合、家電機器100に対する制御内容は、「水量普通」や「ドライコース」などである。制御内容特定部433は、特定された制御内容を応答生成部435および制御指示生成部434に出力する。
【0069】
制御指示生成部434は、制御内容特定部433により特定された制御内容に応じた家電機器100に対する制御指示を生成する。
【0070】
応答生成部435は、制御内容特定部433により意味解釈されたユーザの発話内容に対して回答すべき内容がある場合や、その他ユーザに報知すべき内容がある場合、発話DB421bを参照し、スマートスピーカ200から出力させる音声データを生成する。ユーザの発話内容に対して回答すべき内容は、例えば、「冷蔵庫に急速製氷を指示しました」などである。報知すべき内容は、例えば、「あと〇〇分で氷ができます」などである。
【0071】
また応答生成部435は、トリガ信号を送信した家電機器100(識別情報に基づいて特定された家電機器100)に関してユーザに報知すると好ましい情報が機器制御サーバ装置500から音声対話サーバ装置400に送信された場合、その情報に基づき、スマートスピーカ200から出力させる音声データを生成する。ユーザに報知すると好ましい情報は、トリガ信号を送信した家電機器100に関連した情報であり、例えば、家電機器100が冷蔵庫の場合は、在庫情報やレシピ情報であり、家電機器100が洗濯機の場合は、直近1週間の花粉情報などである。
【0072】
データ送受信部436は、通信モジュール410を制御することで、スマートスピーカ200や機器制御サーバ装置500などとの間で信号およびデータを送受信する。データ送受信部436は、スマートスピーカ200からユーザの発話の音声データを受信する。データ送受信部436は、受信した音声データを音声処理部431に出力する。またデータ送受信部436は、所定の信号(トリガ信号や補助信号など)を受信したことを示す情報と、上記所定の信号を受信した時刻を示す情報と、上記所定の信号を送信した家電機器100の識別情報とをスマートスピーカ200から受信する。
【0073】
また、データ送受信部436は、家電機器100に対する制御指令を制御指示生成部434から受け取る。データ送受信部436は、音声操作管理DB422を参照し、ユーザの発話対象の家電機器100に対応した機器制御サーバ装置500を特定する。そしてデータ送受信部436は、特定された機器制御サーバ装置500に、制御指示生成部434から受け取る制御指令を送信する。「ユーザの発話対象の家電機器100に対応した機器制御サーバ装置500を特定し、特定された機器制御サーバ装置500に制御指令を送信することは、「ユーザの発話と、識別情報に基づいて特定された家電機器とを関連付けて行う所定の処理」の別の一例である。
【0074】
また、データ送受信部436は、スマートスピーカ200により出力させる音声データを応答生成部435から受け取る。データ送受信部436は、応答生成部435から受け取る音声データをスマートスピーカ200に送信する。
【0075】
[5.機器制御サーバ装置]
次に、機器制御サーバ装置500について説明する。
図8は、機器制御サーバ装置500の機能構成を示すブロック図である。機器制御サーバ装置500は、例えば、通信モジュール510、記憶部520、および情報処理部530を有する。
【0076】
通信モジュール510は、高周波回路などを含む。通信モジュール510は、ネットワークNWおよびルータ300を介して家電機器100と通信可能である。通信モジュール510は、ネットワークNWを介して音声対話サーバ装置400と通信可能である。
【0077】
記憶部520は、制御コマンドDB521と、情報管理DB522とを格納している。制御コマンドDB521には、家電機器100を動作させるための各種制コマンドが記憶されている。情報管理DB522には、家電機器100に関連した情報が記憶されている。例えば、家電機器100が冷蔵庫の場合、情報管理DB522には、冷蔵庫内の食材の在庫情報(在庫の有無や入庫日、消費期限など)が記憶されている。例えば、家電機器100が洗濯機の場合、直近1週間程度の間の花粉量などが記憶されている。
【0078】
情報処理部530は、例えば、制御コマンド生成部531、情報収集部532、情報選択部533、およびデータ送受信部534を有する。
【0079】
制御コマンド生成部531は、音声対話サーバ装置400から受信した制御指示に基づき、家電機器100に応じた制御コマンドを生成する。
【0080】
情報収集部532は、情報管理DB522に記憶させる家電機器100に関連した情報を収集する。例えば、情報収集部532は、ユーザの端末機器600に入力された情報(例えば冷蔵庫の在庫情報)や、ネットワークNWに接続された各種ウェブサイトで提供される情報を収集する。収集された情報は、情報管理DB522に記憶される。
【0081】
情報選択部533は、情報管理DB522に登録されている情報のなかから、スマートスピーカ200からユーザに報知されると好ましい情報を選択する。
【0082】
データ送受信部534は、通信モジュール510を制御することで、家電機器100や音声対話サーバ装置400との間で信号およびデータを送受信する。データ送受信部534は、家電機器100に対する制御指示を音声対話サーバ装置400から受信した場合、受信した制御指示を、制御コマンド生成部531に出力する。データ送受信部534は、制御コマンド生成部531により生成された制御コマンドを、家電機器100に送信する。また、データ送受信部534は、情報選択部533により選択された情報を、音声対話サーバ装置400に送信する。
【0083】
[6.制御の全体フロー]
次に、制御の全体フローについて説明する。
図9は、情報処理システム1の制御の全体フローの一例を示すシーケンス図である。まず、家電機器100のトリガ信号生成部181は、所定の状況の発生の有無を監視する。そして、トリガ信号生成部181は、所定の状況が発生した場合、扉開閉検知センサ110の検知結果や操作受付部Rに対する操作などに基づき、所定の状況が発生したことを検知する(S101)。
【0084】
次に、家電機器100のトリガ信号生成部181は、所定の状況が発生したことが検知された場合、トリガ信号を生成する。家電機器100のデータ送受信部185は、生成されたトリガ信号および家電機器100の識別情報をスマートスピーカ200に送信する(S102)。スマートスピーカ200の起動判定部252は、家電機器100からトリガ信号を受信した場合、スマートスピーカ200の音声対話機能を起動させ、スマートスピーカ200を待機状態とする(S103)。また、スマートスピーカ200のデータ送受信部254は、家電機器100からトリガ信号を受信したことを示す情報およびトリガ信号を送信した家電機器100の識別情報などを、音声対話サーバ装置400に送信する。
【0085】
次に、スマートスピーカ200の音声受信部251は、マイク210に対するユーザの発話の有無を判定する(S104)。音声受信部251は、マイク210に対してユーザの発話がない場合(S104:NO)、スマートスピーカ200が待機状態を維持する所定時間(待機時間)の経過の有無を判定する(S105)。
【0086】
音声受信部251は、上記所定時間が経過した場合(S105:YES)、タイムアウトすることで音声対話機能を終了する(S106)。一方で、音声受信部251は、上記所定時間が経過していない場合(S105:NO)、ステップS103の処理に戻る。
【0087】
音声受信部251は、マイク210に対してユーザの発話がある場合(S104:YES)、マイク210に入力されたユーザの発話を音声データとして受信する。データ送受信部254は、音声受信部251により受信された音声データを、音声対話サーバ装置400に送信する(S107)。
【0088】
音声対話サーバ装置400の音声処理部431は、音声認識DB421などを参照し、ユーザの発話の音声データを分析する(S108)。音声対話サーバ装置400の制御内容特定部433は、音声処理部431などにより分析された音声データに基づき、家電機器100に対してユーザが意図した制御内容を特定する(S109)。
【0089】
音声対話サーバ装置400の制御指示生成部434は、制御内容特定部433により特定された制御内容に基づき、家電機器100に対する制御指示を生成する。音声対話サーバ装置400のデータ送受信部436は、制御指示生成部434により生成された制御指示を、機器制御サーバ装置500に送信する(S110)。
【0090】
機器制御サーバ装置500の制御コマンド生成部531は、音声対話サーバ装置400から受信した制御指示に基づき、家電機器100に対する制御コマンドを生成する(S111)。機器制御サーバ装置500のデータ送受信部534は、生成した制御コマンドを、家電機器100に送信する(S112)。
【0091】
家電機器100のデータ送受信部185は、受信した制御コマンドに対する制御応答を機器制御サーバ装置500に送信する(S113)。制御応答は、例えば、制御コマンドが家電機器100に正常に通知されたか否かを示すものである。家電機器100の機器制御部184は、受信した制御コマンドに基づき家電機器100を制御する(S114)。
【0092】
機器制御サーバ装置500のデータ送受信部534は、家電機器100から受信した制御応答を、音声対話サーバ装置400に送信する(S115)。音声対話サーバ装置400の応答生成部435は、機器制御サーバ装置500から受信した制御応答に基づき、スマートスピーカ200により出力する音声データを生成する(S116)。音声対話サーバ装置400のデータ送受信部436は、生成した音声データをスマートスピーカ200に送信する(S117)。スマートスピーカ200の音声出力部255は、音声対話サーバ装置400から受信した音声データに基づき、制御応答に対応した音声をスピーカ220から出力する(S118)。なお、S113、S115~S118の処理は、家電機器100の制御が完了したタイミングで行われてもよい。
【0093】
[7.発話対象の判定処理]
[7.1 基本処理]
次に、音声対話サーバ装置400の発話対象の判定に関する処理について説明する。
図10は、発話対象の判定に関する処理の流れを示すフローチャートである。まず、音声対話サーバ装置400の音声受信部251は、スマートスピーカ200に対して発話されたユーザの音声データを取得する(S201)。
【0094】
音声対話サーバ装置400の発話対象判定部432は、音声受信部251により音声データが取得された場合、同じ待機時間中において音声受信部251により音声データが取得される前に複数の家電機器100からトリガ信号が受信されているか否かを判定する(S202)。
【0095】
発話対象判定部432は、1つの家電機器100のみからトリガ信号が受信されている場合(S202:NO)、その家電機器100がユーザの発話対象であると判定する。この場合、音声対話サーバ装置400の情報処理部430は、当該1つの家電機器100とユーザの発話とを関連付けて所定の処理を行う。「所定の処理」は、例えば、家電機器100の識別情報と音声操作管理DB422とに基づき家電機器100の種別を特定し、特定された家電機器100の種別に基づきユーザの発話内容の意味解釈を行う第1処理と、家電機器100の識別情報と音声操作管理DB422とに基づき家電機器100に対応する機器制御サーバ装置500を特定し、特定された機器制御サーバ装置500にユーザの発話内容に基づく制御指示を送信する第2処理とを含む。ただし、本明細書でいう「所定の処理」は、上記第1処理と第2処理とのうち少なくとも一方でもよいし、上記第1処理および第2処理とは異なる別の処理でもよい。なお、発話対象判定部432は、1つの家電機器100のみからトリガ信号が受信されている場合であっても、後述する親和性の判定を行い、親和性が基準未満である場合は、ユーザの発話が家電機器100の制御と無関係なものと判定し、特段の処理は行わなくてもよい。
【0096】
一方で、制御内容特定部433は、複数の家電機器100からトリガ信号が受信されている場合(S202:YES)、複数の家電機器100のなかでどの家電機器100が発話対象であるかを判定する。本実施形態では、制御内容特定部433は、トリガ信号を受信した時刻が後の家電機器100ほど、発話との関連付けに対する高い優先度を与える。このため、制御内容特定部433は、まず、複数の家電機器100のなかで最後にトリガ信号を送信した家電機器100とユーザの発話内容との親和性が基準以上(閾値以上)であるか否かを判定する(S204)。なお「親和性が基準以上(または親和性が基準未満)」とは、親和性を示す値が基準以上(または親和性を示す値が基準未満)であることを意味する。「親和性を示す値」とは、例えば、「家電機器の種類と発話の内容との親和性に応じて予め設定された値」または「家電機器になされる操作の種類と発話の内容との親和性に応じて予め設定された値」などである。
【0097】
ここで、例えば「冷やす」や「冷却」といった発話内容は、冷蔵庫100Aの基本動作と一致する内容であるため、冷蔵庫100Aとの親和性は基準以上と判定される。一方で、「冷やす」や「冷却」といった内容は、オーブンレンジ100Bや洗濯機100Cの基本動作とは一致しないため、オーブンレンジ100Bや洗濯機100Cとの親和性は基準未満と判定される。逆に「温めて」や「トースト」、「500W」といった発話内容は、オーブンレンジ100Bの基本動作と一致する内容であるため、オーブンレンジ100Bとの親和性は基準以上と判定される。一方で、「温めて」や「トースト」、「500W」といった発話内容は、冷蔵庫100Aや洗濯機100Cの基本動作とは一致しないため、冷蔵庫100Aや洗濯機100Cとの親和性は基準未満と判定される。
【0098】
発話対象判定部432は、家電機器100とユーザの発話内容との親和性が基準以上である場合(S204:YES)、その家電機器100がユーザの発話対象であると判定する。この場合、音声対話サーバ装置400の情報処理部430は、ユーザの発話対象と判定された家電機器100とユーザの発話とを関連付けて上記所定の処理を行う(S205)。
【0099】
一方で、発話対象判定部432は、親和性が基準未満であると判定された場合(S204:NO)、次に、複数の家電機器100のなかで1つ前にトリガ信号を送信した家電機器100とユーザの発話内容との親和性が基準以上であるか否かを判定する(S206)。そして、発話対象判定部432は、家電機器100とユーザの発話内容との親和性が基準以上である場合(S206:YES)、その家電機器100がユーザの発話対象であると判定する。この場合、音声対話サーバ装置400の情報処理部430は、ユーザの発話対象と判定された家電機器100とユーザの発話とを関連付けて上記所定の処理を行う(S207)。
【0100】
発話対象判定部432は、N台(Nは1以上の整数)の家電機器100からトリガ信号が受信されている場合、N台の家電機器100に対して上記判定処理を繰り返す(S208)。そして、発話対象判定部432は、家電機器100とユーザの発話内容との親和性が基準以上である場合(S208:YES)、その家電機器100がユーザの発話対象であると判定する。この場合、音声対話サーバ装置400の情報処理部430は、ユーザの発話対象と判定された家電機器100とユーザの発話とを関連付けて上記所定の処理を行う(S209)。
【0101】
その後、応答生成部435は、家電機器100の種別に基づいて意味解釈を行うことで特定された家電機器100に対する制御内容に基づき、特定された制御内容(実行予定の制御内容)をユーザに報知する音声データを生成する(S210)。そして、データ送受信部436は、応答生成部435により生成された音声データをスマートスピーカ200に送信し、特定された制御内容をスマートスピーカ200により報知させる。これにより、例えば「電子レンジで温めを開始します」という音声がスマートスピーカ200から出力される。このような報知を行うことで、音声対話サーバ装置400での推定が誤っても、ユーザの意図に反した制御を回避しやすくなる。
【0102】
なお上記に代えて、応答生成部435は、特定された制御内容で問題がないかをユーザに確認するための音声データを生成してもよい。データ送受信部436は、応答生成部435により生成された音声データをスマートスピーカ200に送信し、特定された制御内容で問題がないかユーザに確認するための音声をスマートスピーカ200により出力させる。これにより、例えば「電子レンジで温めを開始しますか?」という音声がスマートスピーカ200から出力される。このような報知を行うことで、音声対話サーバ装置400での推定が誤っても、ユーザの意図に反した制御を回避しやすくなる。
【0103】
一方で、N台の家電機器100に対して上記判定処理を繰り返してもユーザの発話内容との親和性が基準以上の家電機器100が発見されない場合(S208:NO)、発話対象判定部432は、ユーザの発話が家電機器100の制御と無関係なものと判定し、特段の処理は行わない。これにより、家電機器100とは無関係な内容がユーザによって発話された場合に、ユーザが意図しない処理を行うことを避けることができる。
【0104】
[7.2 別の処理]
次に、いくつかの別の処理について説明する。これら処理は、上記基本処理と組み合わされて実行されてもよいし、上記基本処理の代わりに実行されてもよい。
【0105】
[7.2.1 処理1]
発話対象判定部432は、例えば、原則としてトリガ信号を後に送信した家電機器100ほど、ユーザの発話と関連付ける優先順位を高くする。ここで、スマートスピーカ200が家電機器100から上記第1補助信号(優先順位を高くするための信号)を受信した場合、第1補助信号を送信した家電機器100の優先順位を高める処理を行う。例えば、発話対象判定部432は、複数の家電機器100からトリガ信号が受信されている状態において、第1補助信号を送信した家電機器100から優先して上記親和性を判定する。また、発話対象判定部432は、親和性の判定を行うことなく、最も後に第1補助信号を送信した家電機器100と、ユーザの発話とを関連付けて上記所定の処理を行ってもよい。
【0106】
具体的な一例を説明する。例えば、オーブンレンジ100Bは、扉102が開閉された場合にトリガ信号を送信し、操作受付部Rのモード選択ボタン(オーブンモードやレンジモードなどを選択するためのボタン)が押されたが、その後の所定時間内に操作受付部Rの加熱開始ボタンが押されない場合(第1特定状況の一例)、第1補助信号を送信するものとする。ある場面で、オーブンレンジ100Bの扉102が開閉され、オーブンレンジ100Bのモード選択ボタンが押されたが、その後、加熱開始ボタンが押されないまま、冷蔵庫100Aの扉102が開閉されて冷蔵庫100Aからトリガ信号が送信され、その後、ユーザの発話があったとする。この場合、最後にトリガ信号を送信した家電機器100は冷蔵庫100Aであるが、発話対象判定部432は、第1補助信号を送信したオーブンレンジ100Bとユーザの発話とを関連付けを、冷蔵庫100Aとユーザの発話との関連付けよりも優先する。
【0107】
このような構成によれば、例えば、オーブンレンジ100Bの動作モードを選択したものの、加熱時間が分からず、冷蔵庫100Aに収納された食品のパッケージの表記を確認して、発話により加熱の時間を指定する場合などでも、家電機器100とユーザの発話とを適切に関連付けすることができる。第1特定状態は、例えば、家電機器100を動作させるユーザの意図が推定されるが、家電機器100の動作がまだ開始されていない状態である。「モード選択ボタンが押される」ことは、家電機器100を動作させるユーザの意図が推定させる事象の一例である。
【0108】
[7.2.2 処理2]
発話対象判定部432は、例えば、原則としてトリガ信号を後に送信した家電機器100ほど、ユーザの発話内容と関連付ける優先順位を高くする。ここで、スマートスピーカ200が家電機器100から上記第2補助信号(優先順位を低くするための信号)を受信した場合、第2補助信号を送信した家電機器100の優先順位を低下させる処理を行う。例えば、発話対象判定部432は、複数の家電機器100からトリガ信号が受信されている状態において、第2補助信号を送信した家電機器100を後回しにして上記親和性を判定する。また、発話対象判定部432は、第2補助信号を送信した家電機器100を親和性の判定対象から除外してもよい。
【0109】
具体的な一例を紹介する。例えば、オーブンレンジ100Bは、扉102が開閉された場合にトリガ信号を送信し、操作受付部Rの加熱開始ボタンが押された場合(第2特定状況の一例)、第2補助信号を送信するものとする。ある場面で、冷蔵庫100Aの扉102が開閉されて冷蔵庫100Aからトリガ信号が送信され、その後、オーブンレンジ100Bの扉102が開閉されてオーブンレンジ100Bからトリガ信号が送信され、その後、オーブンレンジ100Bの加熱開始ボタンが押されて第2補助信号が送信されたとする。この場合、最後にトリガ信号を送信した家電機器100はオーブンレンジ100Bであるが、発話対象判定部432は、第2補助信号を送信したオーブンレンジ100Bの優先順位を低下させ、先に冷蔵庫100Aとユーザの発話内容の親和性を判定する。
【0110】
このような構成によれば、例えば、冷蔵庫100Aに対する発話による操作が後回しにされた場合などでも、家電機器100とユーザの発話とを適切に関連付けすることができる。第2特定状態は、例えば、ユーザの意図に従って家電機器100の動作がすでに開始された状態である。「加熱開始ボタン」は、ユーザの意図に従って家電機器100の動作を開始させる操作部の一例である。
【0111】
[7.2.3 処理3]
図11は、発話対象判定部432の判定ルールの内容の一例を示す図である。図11には、複数の家電機器100のいずれに対しても親和性が基準以上の言葉が発話に含まれる場合を示している。このような場合、発話対象判定部は、以下に示す(A)~(E)のうちいずれか1つ以上の判定ルールに従い発話対象の判定を行う。
【0112】
(A)発話対象判定部432は、「あとおねがい」、「あとよろしく」など、具体的な内容はなく開始だけを指示する発話である場合、原則として、直前に(最も後に)トリガ信号を送信した家電機器100を優先して、家電機器100とユーザの発話との関連付けを行う。
【0113】
(B)発話対象判定部432は、「あとおねがい」、「あとよろしく」など、具体的な内容はなく開始だけを指示する発話である場合であっても、基本機能が常時働く家電機器100(例えば冷蔵庫100A)よりも、操作された場合のみ基本機能が働く家電機器100(例えばオーブンレンジ100B)を優先して、家電機器100とユーザの発話との関連付けを行う。例えば、オーブンレンジ100Bが開閉された後、冷蔵庫100Aが開閉された場合でも、オーブンレンジ100Bを優先して家電機器100と発話との関連付けを行う。
【0114】
(C)発話対象判定部432は、「せつでんもーど」のような節電や省エネだけを指示する発話である場合、直前に(最も後に)トリガ信号を送信した家電機器100を優先して、家電機器100とユーザの発話との関連付けを行う。
【0115】
(D)発話対象判定部432は、「ひやしておいて」、「きゅうれい」のような、家電機器100(例えば冷蔵庫100A)におけるどの空間(例えば、冷蔵室、冷凍室、製氷室)に対する指示であるか不明な場合は、直前に操作(開閉)された空間とユーザの発話との関連付けを行う。
【0116】
(E)発話対象判定部432は、「いそいで」のような、通常よりも急ぐことだけを指示する発話である場合、直前に(最も後に)トリガ信号を送信した家電機器100を優先して、家電機器100とユーザの発話との関連付けを行う。
【0117】
[7.2.4 処理4]
例えば、家電機器100は、筐体101の空間(例えば、冷蔵庫100Aの貯蔵室、オーブンレンジ100Bの加熱室、洗濯機100Cの洗濯槽の内部)内の物の有無を検出可能なセンサを備える。そして、家電機器100のトリガ信号生成部181は、筐体101の空間内に物が存在しない(空である)ことがセンサにより検出された場合、筐体101内の空間の中身が存在しないことを示す情報を、スマートスピーカ200を介して音声対話サーバ装置400に出力してもよい。音声対話サーバ装置400の発話対象判定部432は、筐体101内の空間の中身が存在しないことを示す情報が受信された場合、その情報を送信した家電機器100とユーザの発話との関連付けの優先順位を低下させる。
【0118】
また、家電機器100のトリガ信号生成部181は、筐体101の空間内に物が存在しない(空である)状態から空間に物が投入されたことがセンサにより検出された場合、筐体101の空間内に物が新しく投入されたことを示す情報を、スマートスピーカ200を介して音声対話サーバ装置400に出力してもよい。音声対話サーバ装置400の発話対象判定部432は、筐体101の空間内に新しく物が投入されたことを示す情報が受信された場合、その情報を送信した家電機器100とユーザの発話との関連付けの優先順位を高めてもよい。
【0119】
[7.2.5 処理5]
音声対話サーバ装置400の発話対象判定部432は、トリガ信号が送信されたタイミングと、ユーザの発話のタイミングが所定時間内である場合(例えば、ユーザの発話のタイミングの直前にトリガ信号が送信された場合)、そのトリガ信号を送信した家電機器100とユーザの発話とを関連付けてもよい。
【0120】
[8.利点]
比較例として、スマートスピーカ200の音声対話機能を起動させるのにトリガワードの発話が必要である場合を考える。この場合、ユーザは、トリガワードを覚えておく必要があり、またスマートスピーカ200の音声対話機能を起動させるために毎回トリガワードを発する必要がある。
【0121】
一方で、本実施形態では、家電機器100の制御部180は、所定の状況が検知された場合、スマートスピーカ200の音声対話機能を起動させるためのトリガ信号をスマートスピーカ200に送信する。このような構成によれば、トリガワードを覚えておく必要もなく、トリガワードを発する必要もなくなる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0122】
本実施形態では、家電機器100の制御部は、トリガ専用操作部130が操作された場合、トリガ信号を送信する。このような構成によれば、ユーザが任意のタイミングでトリガ信号を送信することができる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。例えば、スマートスピーカ200がキッチンに置かれている場合を想定する。ユーザは、食事の準備をするために、家事を行っている。ユーザは、冷蔵庫100Aの中を確認して何を作ろうか考えるときに、冷蔵庫100Aにあるトリガ専用操作部130を操作し、冷蔵庫100Aの扉102を開ける。そこで、冷蔵庫100Aに入っていた牛肉をみて、「牛肉を使ったレシピ教えて」と発話すると、スマートスピーカ200が音声対話サーバ装置400に問い合わせて、牛肉を使ったレシピを提案してくれる。このように使用することで、家事をしながら手間なく音声操作をすることができる。
【0123】
本実施形態では、家電機器100の制御部180は、筐体101の開口101aに対して扉102が開かれた場合、トリガ信号を送信する。このような構成によれば、家電機器100の内部に物を入れるときにトリガワードを発することなくスマートスピーカ200の音声対話機能を起動させることができる。一例としては、冷蔵庫100Aの扉102を開けたタイミングで音声対話機能が起動すると、ユーザは、冷蔵庫100Aの内部を確認しながら、スマートスピーカ200との音声対話により冷蔵庫100Aの在庫状態の登録などを行うことができる。
【0124】
本実施形態では、家電機器100の制御部180は、筐体101の開口101aに対して扉102が閉められた場合、トリガ信号を送信する。このような構成によれば、家電機器100の内部に対する作業を完了した後にトリガワードを発することなくスマートスピーカ200の音声対話機能を起動させることができる。一例としては、冷蔵庫100Aの扉102を閉めたタイミングで音声対話機能が起動すると、ユーザは、スマートスピーカ200との音声対話により冷蔵庫100Aの急速冷凍の指示などを行うことができる。例えば、洗面所にスマートスピーカ200が設置された場合を想定する。洗濯機100Cの電源を入れ、洗濯物を洗濯槽に入れ扉102を閉める。このときに、洗濯機100Cからスマートスピーカ200にトリガ信号が送信される。ここで「毛布を洗う」と発話すると、スマートスピーカ200は、音声対話サーバ装置400(または機器制御サーバ装置500)に問い合わせて、洗濯機100Cに毛布洗いモードの制御コマンドを送信する。
【0125】
本実施形態では、家電機器100の制御部180は、人感センサ120により人の存在が検知された場合、トリガ信号を送信する。このような構成によれば、ユーザは、家電機器100に近付くだけで、手間なく、スマートスピーカ200との音声対話により家電機器100を制御することができる。例えば、スマートスピーカ200がキッチンに置かれている場合を想定する。冷蔵庫100Aには人感センサ120が搭載されている。ユーザがキッチンの冷蔵庫100Aの前にきたことが検知された場合、冷蔵庫100Aはスマートスピーカ200にトリガ信号を送信する。ユーザが「おすすめのレシピ教えて」と発話すると、スマートスピーカ200は、音声対話サーバ装置400に問い合わせて、おすすめレシピを提案してくれる。
【0126】
本実施形態では、家電機器100の制御部180は、電源操作部140が操作された場合(例えば、電源をON状態にする操作がされた場合)、トリガ信号を送信する。このような構成によれば、電源ON後のモード設定などを、手間なく、スマートスピーカ200との音声対話により行うことができる。例えば、洗濯機100Cやオーブンレンジ100Bなど、通常は電源がOFF状態となっている家電機器100がある。このような家電機器100においては洗濯機100Cの電源操作部140を操作された場合や、オーブンレンジ100Bの扉102が開いて電源がオン状態にされた場合に、家電機器100はスマートスピーカ200にトリガ信号を送信する。ここでユーザが洗濯モードやレシピなどを発話することで、手軽に音声操作を行うことができる。また、家電機器100の制御部180は、電源がON状態からOFF状態にされた場合にトリガ信号を送信してもよい。このような構成によれば、家電機器100の動作の予約の設定などをし忘れた場合でも、家電機器100の電源が切れた状態で、音声対話により行うことができる。
【0127】
ここで、ユーザによっては操作の仕方や癖などにより、音声対話機能を起動させたい行為と、音声対話機能を起動させたくない行為があることが想定される。そこで本実施形態では、家電機器100の制御部180は、家電機器100の操作受付部Rに対するユーザの操作と、家電機器100とは端末機器600に対するユーザの操作とのうち少なくとも一方に基づき、1つ以上の状況に関してトリガ信号を送信するか否かの設定を変更する。このような構成によれば、ユーザの使い勝手によりトリガ信号を送信する操作や状況を任意に設定することができる。さらに、家電機器100とは別の端末機器600に対するユーザの操作によって設定が可能であると、家電機器100に表示画面を含むユーザインターフェースがない場合であっても、上記設定を行うことができる。
【0128】
本実施形態では、家電機器100の制御部180は、所定の状況が検知された場合、トリガ信号に加え、家電機器100を制御する機器制御サーバ装置500を特定するために用いられる情報を送信する。このような構成によれば、ユーザは、家電機器100を特定するためのワードを発することなく、音声により家電機器100を操作することができる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0129】
本実施形態では、スマートスピーカ200の情報処理部250は、家電機器100からトリガ信号が送信された場合、家電機器100とは独立して配置されるスマートスピーカ200の音声対話機能を起動させる。このような構成によれば、予め定められたトリガワードを発話することなく、スマートスピーカ200の音声対話機能を起動させることができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0130】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザの家屋に配置される1台の家電機器100(以下、音声対話家電機器100V)が音声対話機能を有する例である。また第2の実施形態は、後述するトリガ信号が家電機器100から音声対話家電機器100Vに送信される例である。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0131】
図12は、第2の実施形態の情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、例えば、1つ以上(例えば複数)の家電機器100、音声対話家電機器100V、家庭内のルータ300、音声対話サーバ装置400、機器制御サーバ装置500、および端末機器600を含む。なお、音声対話サーバ装置400および機器制御サーバ装置500は、1台のサーバ装置によって構成されてもよい。
【0132】
音声対話家電機器100Vは、家電機器100から見た「外部機器」の一例である。音声対話家電機器100Vは、通常の家電機器100と同じ機能(例えば、冷蔵庫の機能、オーブンレンジの機能、または洗濯機の機能)に加え、音声対話装置200を有する。音声対話装置200は、例えば、第1の実施形態のスマートスピーカ200と同様の機能を有してもよく、家電機器100を操作するため専用の音声対話装置であってもよい。
【0133】
以上、第1および第2の実施形態について説明したが、実施形態は上記例に限定されない。例えば、第1および第2の実施形態では、家電機器100に対する制御コマンドは、機器制御サーバ装置500から家電機器100に送信されているが、これに限定されない。家電機器100に対する制御コマンドは、機器制御サーバ装置500(または音声対話サーバ装置400)からスマートスピーカ200または音声対話家電装置200に送られ、スマートスピーカ200または音声対話家電装置200から家電機器100に送られてもよい。本明細書中の「第1」、「第2」などの序数は、説明の便宜上のものであり、適宜付け直されてよい。
【0134】
スマートスピーカ200の記憶部240、音声対話サーバ装置400の記憶部420、および機器制御サーバ装置500の記憶部520は、例えば、半導体メモリチップや、SSD(Solid State Drive)、またはHDD(Hard Disk Drive)などのうち1つ以上により構成されている。
【0135】
家電機器100の制御部180、スマートスピーカ200の制御部250、音声対話サーバ装置400の情報処理部430、および機器制御サーバ装置500の情報処理部530は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ただし、制御部180、制御部250、情報処理部430、および情報処理部530の各々の全部または一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0136】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、家電機器は、外部機器の音声対話機能を起動させるための第1信号を前記外部機器またはサーバ装置に送信する制御部を持つことにより、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
<付記>
以下にいくつかの家電機器および情報処理システムを付記する。
(1)所定の状況が検知された場合、外部機器の音声対話機能を起動させるための第1信号を前記外部機器またはサーバ装置に送信する制御部、
を備えた家電機器。
(2)前記音声対話機能を起動させるための操作を受け付けるトリガ操作部をさらに備え、 前記制御部は、前記トリガ操作部が操作された場合、前記第1信号を送信する、
(1)に記載の家電機器。
(3)開口を有した筐体と、
前記開口を閉じる扉と、をさらに備え、
前記制御部は、前記開口に対して前記扉が開かれた場合、前記第1信号を送信する、
(1)または(2)に記載の家電機器。
(4)開口を有した筐体と、
前記開口を閉じる扉と、をさらに備え、
前記制御部は、前記開口に対して前記扉が閉じられた場合、前記第1信号を送信する、
(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の家電機器。
(5)人感センサをさらに備え、
前記制御部は、前記人感センサにより人の存在が検知された場合、前記第1信号を送信する、
(1)から(4)のうちいずれか1項に記載の家電機器
(6)電源操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記電源操作部が操作された場合、前記第1信号を送信する、
(1)から(5)のうちいずれか1項に記載の家電機器。
(7)前記制御部は、前記家電機器の操作受付部に対するユーザの操作と、前記家電機器とは別の端末機器に対するユーザの操作とのうち少なくとも一方に基づき、1つ以上の状況に関して前記第1信号を送信するか否かの設定を変更する、
(1)から(6)のうちいずれか1項に記載の家電機器。
(8)前記制御部は、前記所定の状況が検知された場合、前記第1信号に加え、前記家電機器を制御するサーバ装置を特定するために用いることができる情報を送信する、
(1)から(7)のうちいずれか1項に記載の家電機器。
(9)前記制御部は、前記所定の状況が検知された場合、前記第1信号に加え、前記家電機器の種別を特定するために用いることができる情報を送信する、
(1)から(8)のうちいずれか1項に記載の家電機器。
(10)前記制御部は、前記家電機器が第1特定状況にある場合、前記外部機器に対するユーザの発話と前記家電機器とを関連付けて処理させるための、または前記発話と前記家電機器とを関連付けて処理させる優先順位を高めるための第2信号を前記外部機器または前記サーバ装置に送信する、
(1)から(9)のうちいずれか1項に記載の家電機器。
(11)前記制御部は、前記家電機器が第2特定状況にある場合、前記外部機器に対するユーザの発話と前記家電機器とを関連付けさせないための、または前記発話と前記家電機器とを関連付けて処理させる優先順位を低くするための第3信号を前記外部機器または前記サーバ装置に送信する、
(1)から(10)のうちいずれか1項に記載の家電機器。
(12)前記外部機器は、ユーザが発話したトリガワードに基づいて前記音声対話機能を起動させた場合、第1所定時間に亘りユーザの発話が無い場合に前記音声対話機能を終了し、
前記制御部は、前記所定の状況が検知された場合、ユーザの発話が無い場合であっても前記音声対話機能の起動状態を前記第1所定時間よりも長い第2所定時間に亘り維持させるための追加信号を前記外部機器または前記サーバ装置に送信する、
(1)から(11)のうちいずれか1項に記載の家電機器。
(13)家電機器から第1信号が送信された場合、前記家電機器とは独立して配置される機器の音声対話機能を起動させる情報処理部、
を備えた情報処理システム。
(14)前記情報処理部は、前記第1信号と、前記家電機器を特定するために用いることができる識別情報とを受信した場合、前記音声対話機能に対するユーザの発話と、前記識別情報に基づいて特定された前記家電機器とを関連付けて所定の処理を行う、
(13)に記載の情報処理システム。
(15)前記情報処理部は、複数の家電機器から前記第1信号を受信した後に前記音声対話機能に対するユーザの発話があった場合、前記複数の家電機器のなかで最後に前記第1信号を送信した家電機器と前記発話とを関連付けて前記所定の処理を行う、
(14)に記載の情報処理システム。
(16)前記所定の処理は、前記家電機器の種別に基づいて前記発話の内容を解析することを含む、
(14)または(15)に記載の情報処理システム。
(17)前記情報処理部は、複数の家電機器から前記第1信号を受信した後に前記音声対話機能に対するユーザの発話があった場合、前記複数の家電機器のなかで最後に前記第1信号を送信した家電機器と前記発話の内容との親和性が基準以上であるか否かを判定し、前記親和性が基準以上である場合、最後に前記第1信号を送信した前記家電機器と前記発話の内容とを関連付けて所定の処理を行う、
(13)13から(16)のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(18)前記情報処理部は、前記複数の家電機器のなかで最後に前記第1信号を送信した家電機器と前記発話の内容との親和性が前記基準未満である場合、前記複数の家電機器のなかで1つ前に前記第1信号を送信した家電機器と前記発話の内容との親和性を判定する、
(17)に記載の情報処理システム。
(19)前記情報処理部は、前記第1信号と、前記家電機器を特定するために用いることができる識別情報とを受信した場合、前記識別情報に基づいて特定された前記家電機器に関する情報を前記音声対話機能により報知させる、
(13)から(18)のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0138】
1…情報処理システム、100…家電機器、100V…音声対話家電機器(外部機器)、101…筐体、101a…開口、102…扉、110…扉開閉検知センサ、120…人感センサ、130…トリガ専用操作部、140…電源操作部、150…表示・操作部、R…入力受付部、180…制御部、200…スマートスピーカ(外部機器)、250…制御部(情報処理部)、400…音声対話用のサーバ装置、430…情報処理部、500…家電機器制御用のサーバ装置、530…情報処理部。
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