IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイティー インターナショナル エス.エイ.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】喫煙装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20230427BHJP
   A24F 15/01 20200101ALI20230427BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F15/01
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020535522
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2018097081
(87)【国際公開番号】W WO2019129852
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】17211199.9
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】100169100
【弁理士】
【氏名又は名称】辰川 肇
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ガルシア,エドゥアルド ホセ
【審査官】松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-014332(JP,A)
【文献】特表2015-523077(JP,A)
【文献】国際公開第2017/194762(WO,A1)
【文献】特表2014-500017(JP,A)
【文献】国際公開第2017/203515(WO,A1)
【文献】実公昭46-035912(JP,Y1)
【文献】特表2010-517586(JP,A)
【文献】実開昭51-008388(JP,U)
【文献】米国特許第04484590(US,A)
【文献】米国特許第04524782(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/00-17/00
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ消費品を燃焼させずに特定の温度まで前記タバコ消費品を加熱するための加熱室と、前記タバコ消費品を収容するための収容部分とを備える喫煙装置であって、前記収容部分が再封止可能であり、前記収容部分が、前記収容部分を少なくとも第1の収容部分と第2の収容部分とに分割するように動作可能な仕切り板を備え、前記第1の収容部分及び前記第2の収容部分の少なくとも一方が、再封止可能な蓋体を備える、喫煙装置。
【請求項2】
流量センサを更に備え、前記加熱室の加熱器は、ユーザによる吸入により作動される前記流量センサによって作動される、請求項1に記載の喫煙装置。
【請求項3】
記第1の収容部分及び前記第2の収容部分の双方が、再封止可能な蓋体を備える、請求項1又は2に記載の喫煙装置。
【請求項4】
前記収容部分が再封止可能、且つ細長く、前記仕切り板が前記収容部分の長手方向に移動可能である、請求項1~3のいずれか1項に記載の喫煙装置。
【請求項5】
タバコ消費品を加熱するための加熱室と、前記タバコ消費品を収容するための収容部分とを備える喫煙装置であって、前記収容部分が、再封止可能、且つ細長く、且つ、前記収容部分を少なくとも第1の収容部分と第2の収容部分とに分割するように動作可能な仕切り板を備え、前記仕切り板が、少なくとも前記第1の収容部分及び前記第2の収容部分の容積を変化させるように前記収容部分の長手方向に移動可能である喫煙装置。
【請求項6】
タバコ消費品を加熱するための加熱室と、前記タバコ消費品を収容するための収容部分とを備える喫煙装置であって、前記収容部分が、前記収容部分を少なくとも第1の収容部分と第2の収容部分とに分割するように動作可能な仕切り板を備え、少なくとも前記第1の収容部分及び前記第2の収容部分の両方が、再封止可能な蓋体を備え、少なくとも前記第1の収容部分の前記再封止可能な蓋体が、前記喫煙装置の第1の端部又は第1の端部側にあり、且つ前記第2の収容部分の前記再封止可能な蓋体が、前記喫煙装置の第2の端部又は第2の端部側にある喫煙装置。
【請求項7】
前記再封止可能な蓋体が、開放位置と閉鎖位置とを有するように前記収容部分に回動可能に接続される、請求項2~6のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項8】
前記再封止可能な蓋体に関連するシールであって、前記再封止可能な蓋体閉鎖位置にあるときに前記収容部分を封止するように動作可能な前記シールを備える、請求項2~7のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項9】
前記加熱室が、開口部と、前記開口部に関連する蓋体とを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項10】
前記加熱室の前記開口部が、前記収容部分の前記再封止可能な蓋体又は前記第1の収容部分の前記再封止可能な蓋体と同じ、前記喫煙装置の端部又は端部側に位置する、請求項9に記載の喫煙装置。
【請求項11】
前記収容部分が、前記喫煙装置から取り外し可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項12】
前記収容部分の容量が、前記加熱室の容量と同じであるか又は前記容量よりも大きい、請求項1~11のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項13】
前記喫煙装置が、使用時に前記収容部分から前記加熱室に前記タバコ消費品を移送するための移送機構を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項14】
前記移送機構が、使用時に、前記喫煙装置に関連する所定のパラメータが測定された時点で前記収容部分から前記加熱室に前記タバコ消費品を移送する、請求項13に記載の喫煙装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の喫煙装置と、前記収容部分内のタバコ消費品とを含む喫煙キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喫煙装置に関する。特に、本発明は、タバコ消費品を加熱して吸入可能な蒸気を放出するための喫煙装置に関し、喫煙装置は、追加のタバコ消費品のための収容部分を提供する。
【背景技術】
【0002】
液体から蒸気を発生させる電子タバコなどの喫煙装置は、比較的よく知られており、徐々に人気が高まっている。別のタイプの喫煙装置は、タバコ消費品が蒸気を放出するように加熱されるが、材料が燃焼するレベルまでは加熱温度を上昇させない、制御温度での加熱を利用する。そのような喫煙装置には、タバコ消費品の燃焼を必要とせずに吸入可能な蒸気を発生させるという利点がある。これらの既知の喫煙装置では、使用者を満足させるために喫煙行為を調整できるように、常に特定量のタバコ消費品のみが加熱される。
【0003】
喫煙装置は一般に、1日を通して複数の時間間隔で使用者によって利用される。それゆえ、喫煙装置は、装置の効果的な動作を可能にするために十分なタバコ消費品を使用者に提供するのに好適でなければならない。特に、使用者は、タバコ消費品を切らしたくない。既知の喫煙装置の多くは、限られた量のタバコ消費品しか収納できず、使用者が、喫煙装置に補充するために、追加のタバコ消費品又はその容器(カプセルなど)を別に持ち運ぶ必要がある場合がある。そのようなタバコ消費品及びその容器は、一般に、再使用可能ではなく、1つの例では喫煙装置と共に使用されるのにのみ好適である。それゆえ、タバコ消費品を燃焼させずに加熱するように構成された喫煙装置であって、追加的に、使用者が喫煙装置に補充するための追加のタバコ消費品の収容を可能にする喫煙装置が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の態様の目的は、上述又は他の問題の解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、タバコ消費品を加熱するための加熱室と、タバコ消費品を収容するための収容部分とを備える喫煙装置であって、収容部分が再封止可能である、喫煙装置が提供される。
【0006】
本発明による喫煙装置は、有利には、使用者が喫煙装置に補充するための追加のタバコ消費品の収容を可能にすることに加えて、タバコ消費品を燃焼させずに加熱するように構成される。したがって、使用者は、追加のタバコ消費品又はその容器(カプセルなど)を別に持ち運ぶ必要なしに、装置で使用されるタバコ消費品を補充することができる。収容部分の再封止性は、収容部分が再使用可能であることを可能にし、且つ更に、装置を用いて収容された追加のタバコ消費品の品質の維持を可能にする。
【0007】
喫煙装置は細長くてもよい。喫煙装置は、その長さに沿って長手方向軸線を有する、長手方向を含み得る。喫煙装置は、第1の端部と第2の端部とを有し得る。喫煙装置は、第2の端部又は第2の端部側に位置する吸入用マウスピースを有し得る。喫煙装置は、任意の好適な寸法を有し得る。
【0008】
好ましくは、喫煙装置は、使用者の手のひらに収まるように構成される。喫煙装置の収容部分は細長くてもよい。収容部分は、その長さに沿って長手方向軸線を有する、長手方向を含み得る。喫煙装置の収容部分は、喫煙装置の端部又は端部側に、好ましくは装置の第1の端部又は第1の端部側に位置する再封止可能な蓋体を備え得る。再封止可能な蓋体は、開放位置と閉鎖位置とを有し得る。再封止可能な蓋体は、収容部分から取り外し可能であってもよい。代替的に、再封止可能な蓋体は、収容部分に接続されてもよい。再封止可能な蓋体は、開放位置と閉鎖位置とを有するように収容部分に回動可能に接続されてもよい。本明細書で使用される「回動可能に接続される」という用語は、再封止可能な蓋体が枢支点によって収容部分に接続されることを意味する。当業者であれば、再封止可能な蓋体が開放位置と閉鎖位置との間で枢支点を中心に回動し得ることが理解されるであろう。例えば、ヒンジ付き蓋などの、再封止可能な蓋体は、開放位置と閉鎖位置との間で枢支点を中心に装置の長手方向に回動してもよく、又は開放位置と閉鎖位置との間で枢支点から横方向に回動してもよい。再封止可能な蓋体は、開放位置と閉鎖位置とを有するように収容部分に摺動可能に接続されてもよい。本明細書で使用される「摺動可能に接続される」という用語は、再封止可能な蓋体が係合部分に沿って開放位置と閉鎖位置との間で摺動し得るように再封止可能な蓋体が係合部分を介して収容部分に接続されることを意味する。更に、収容部分から取り外し可能である再封止可能な蓋体は、実際には、再封止可能な蓋体が喫煙装置の収容部分から完全に外れるのを防止するための材料のコード、紐又は細片などの連結部分を介して、喫煙装置に接続されたままであり得ることが認識されるであろう。再封止可能な蓋体の開放位置は、使用者が収容部分及びその内容物にアクセスできるときの再封止可能な蓋体の位置を指すように意図されており、且つ再封止可能な蓋体の閉鎖位置は、収容部分が封止されたときの再封止可能な蓋体の位置を指すように意図されている。好適な再封止可能な蓋体の例としては、止め具、栓、ねじキャップを含むキャップなどの、取り外し可能な蓋体、すなわち、ヒンジ付き蓋及び横方向に回動する蓋又はパネルなどの回動可能な蓋体、並びに摺動蓋又は摺動パネルなどの摺動可能な蓋体が挙げられる。好ましくは、取り外し可能な蓋体は、ヒンジ付き蓋である。再封止可能な蓋体は、再封止可能な蓋体が閉鎖位置にあるときに収容部分を封止するように動作可能な、再封止可能な蓋体に関連するシールを更に備え得る。シールは、任意の好適な材料から形成されてもよい。シールに好適な材料の例としては、ゴム、プラスチック、金属、及びこれらの組み合わせなどの弾性材料が挙げられる。収容部分の再封止可能な蓋体は、収容部分に収容されたタバコ消費品の品質を維持する一方で、タバコ消費品を取り除く又は補充するために使用者が喫煙装置の収容部分にアクセスすることを可能にする。したがって、タバコ消費品を収容部分に気密に収容できることが当業者に理解されるであろう。本明細書で使用される「気密」という用語は、22℃の室温及び60%の室内相対湿度に180日間さらされた後の、収容部分内のタバコ消費品の水分レベルの変化が元の値の20%未満、例えば10%未満、好ましくは5%未満であることを意味する。
【0009】
喫煙装置の収容部分は、収容部分を少なくとも第1の収容部分と第2の収容部分とに分割するように動作可能な仕切り板を備え得、第1の収容部分及び第2の収容部分の少なくとも一方が、再封止可能な蓋体を備える。少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分の両方は、再封止可能な蓋体を備え得る。少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分の両方が再封止可能な蓋体を備える場合、少なくとも第1の収容部分の再封止可能な蓋体は、喫煙装置の第1の端部又は第1の端部側にあってもよく、且つ第2の収容部分の再封止可能な蓋体は、喫煙装置の第2の端部又は第2の端部側にあってもよい。少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分の再封止可能な蓋体は各々、収容部分の再封止可能な蓋体に関して上記で説明したように、開放位置と閉鎖位置とを有し得る。少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分の再封止可能な蓋体は各々、収容部分の再封止可能な蓋体に関して上記で説明したように、再封止可能な蓋体に関連するシールを更に備え得る。少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分は、タバコ消費品についての異なる収容選択肢を使用者に与える。例えば、使用者は、少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分のいずれかに様々な異なるタバコ消費品を収容してもよく、又は第1の収容部分又は第2の収容部分を使用して使用済みのタバコ消費品を収容し、その一方で、他の収容部分に未使用のタバコ消費品を収容してもよい。収容部分は、少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分の各々が他方と同じ容積を有し、したがって、同じ容量のタバコ消費品を受け入れるように動作可能であるように、仕切り板によって分割されてもよい。代替的に、少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分は、タバコ消費品に対して異なる容積及び異なる容量を有するように分割されてもよい。収容部分の仕切り板は、任意の好適な材料から形成されてもよい。収容部分の仕切り板は、少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分の容積を変化させるように移動可能であってもよい。収容部分の仕切り板は、使用者が仕切り板を移動させることを可能にするように喫煙装置の外側からアクセスできるハンドルを備え得る。収容部分が細長い場合に、仕切り板は、少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分の容積を変化させるように収容部分の長手方向に移動可能である。仕切り板は、収容部分の長手方向に略直交してもよい。移動可能である仕切り板によって、喫煙装置の使用者が、少なくとも第1の収容部分及び第2の収容部分の容積、したがって、収容容量を調整することが可能となる。
【0010】
喫煙装置の加熱室は、開口部と、開口部に関連する蓋体とを備え得る。開口部及び開口部に関連する蓋体によって空気が加熱室内を流れることが可能となり得ること、又は代替的に、空気が加熱室内を流れることを可能にして、蒸気の生成と、使用者が吸入したときにマウスピースに向かう蒸気の移動とを容易にする他の開口部を加熱室が追加的に備え得ることが当業者に理解されるであろう。加熱室の開口部に関連する蓋体は、開放位置と閉鎖位置とを有し得る。喫煙装置の使用中に蓋体が閉鎖位置にあるときに加熱室の開口部に関連する蓋体によって空気が加熱室内を流れることが可能となり得ることが認識されるであろう。加熱室の蓋体の開放位置は、使用者が加熱室及びその内容物にアクセスできるときの蓋体の位置を指すように意図されており、且つ加熱室の蓋体の閉鎖位置は、使用者が加熱室及びその内容物にもはやアクセスできないときの蓋体の位置を指すように意図されている。加熱室の蓋体が開放位置にあるときに使用者が加熱室及びその内容物にアクセスでき、且つ収容部分の再封止可能な蓋体が閉鎖位置にあるときに喫煙装置の収容部分が封止されることが認識されるであろう。加熱室の蓋体は、喫煙装置から取り外し可能であってもよい。代替的に、加熱室の蓋体は喫煙装置に接続されてもよい。好適な蓋体の例としては、止め具、栓、ねじキャップを含むキャップなどの、取り外し可能な蓋体、すなわち、ヒンジ付き蓋及び横方向に回動する蓋又はパネルなどの回動可能な蓋体、並びに摺動蓋又は摺動パネルなどの摺動可能な蓋体が挙げられる。好ましくは、取り外し可能な蓋体は、ヒンジ付き蓋である。加熱室の蓋体は、取り外し可能であってもよい。加熱室の蓋体が再封止可能である場合に、加熱室の蓋体の閉鎖位置は、加熱室が封止されたときの蓋体の位置を指すように意図されていることが認識されるであろう。加熱室の蓋体が再封止可能である場合に、蓋体は、喫煙装置の収容部分の再封止可能な蓋体に関して上記で説明した通りであってもよい。加熱室の蓋体が耐熱性であることが認識されるであろう。加熱室の開口部及び開口部に関連する蓋体は、使用者が加熱室にタバコ消費品を充填することを可能にし、且つタバコ消費品が喫煙装置の加熱室から落下するのを防止する。開口部及び開口部に関連する蓋体は、装置の第1の端部又は第1の端部側に位置決めされてもよい。開口部及び開口部に関連する蓋体は、収容部分の再封止可能な蓋体と同じ、装置の端部又は端部側に位置決めされてもよい。収容部分が少なくとも第1の収容部分と第2の収容部分とに分割される場合に、開口部及び開口部に関連する蓋体は、第1の収容部分の再封止可能な蓋体と同じ、装置の端部又は端部側に位置決めされてもよい。したがって、使用者は、喫煙装置の収容部分から加熱室にタバコ消費品を容易に移送することができる。
【0011】
喫煙装置の収容部分は、喫煙装置から取り外し可能であってもよい。したがって、収容部分及び喫煙装置は、収容部分の着脱を容易にするための接続機構を備え得る。好適な接続機構の例としては、磁石、掛止具、締め具、及びフック留め具などの、固定具が挙げられる。
【0012】
収容部分の容量は、喫煙装置の加熱室の容量よりも小さくても、その容量と同じでも、又はその容量よりも大きくてもよい。好ましくは、収容部分の容量は、使用者が収容部分にタバコ消費品を補充する必要なしに装置を一日中使用できるような容量である。本明細書で使用される「容量」という用語は、収容部分の容積を満たし得るタバコ消費品の最大量を意味する。好ましくは、収容部分の容量は、喫煙装置の加熱室の容量と同じであるか又はその容量よりも大きく、最も好ましくは、加熱室の容量よりも大きい。
【0013】
使用者は、収容部分の再封止可能な蓋体及び加熱室の開口部を通して喫煙装置の収容部分から加熱室にタバコ消費品を移送してもよい。したがって、使用者は、個人の好みに応じて、加熱室内に導入されるタバコ消費品の量を制御することができる。喫煙装置は更に、収容部分から加熱室へのタバコ消費品の移送がいつ必要となるかについての表示を使用者に与えてもよい。そのような表示の例としては、一定の又は点滅するLED光などの視覚的表示、及び喫煙装置の振動又は脈動などの物理的表示が挙げられる。代替的に、喫煙装置は、使用時に喫煙装置の収容部分から加熱室にタバコ消費品を移送するための移送機構を備え得る。移送機構の例としては、タバコ消費品の一部分、すなわち、加熱室の容量に相当する部分を収容部分から加熱室に移送する、平板パネルなどの可動部品の機械的ネットワークが挙げられる。可動部品の機械的ネットワークなどの、移送機構は、ボタン又はスイッチなどのトリガを用いて装置の使用者が起動させてもよい。移送機構を備える喫煙装置が更に、収容部分から加熱室へのタバコ消費品の移送がいつ必要となるかについての表示を使用者に与え得ることが認識されるであろう。そのような表示の例としては、一定の又は点滅するLED光などの視覚的表示、及び喫煙装置の振動又は脈動などの物理的表示が挙げられる。代替的に、移送機構は、使用時に、喫煙装置に関連する所定のパラメータが測定された時点で収容部分から加熱室にタバコ消費品を移送してもよい。そのような所定のパラメータの例としては、所定の加熱時間、使用者によって行われた所定の吸入(吸煙)回数、及び前回の補充からの所定時間が挙げられる。例えば、移送機構は、5~7分間の加熱後、例えば、5.5~6.5分間の加熱後、好ましくは6分間の加熱後に、使用者によって行われた8~12回の吸入(吸煙)後、例えば、使用者によって行われた9~11回の吸入(吸煙)後、好ましくは使用者によって行われた10回の吸入(吸煙)後に、前回の補充から0.5時間~2時間以内、例えば、前回の補充から0.5時間~1.5時間以内、好ましくは前回の補充から1時間以内に、又は前回の補充から2~4日以内、例えば、前回の補充から2.5~3.5日以内、好ましくは前回の補充から3日以内に、収容部分から加熱室にタバコ消費品を移送してもよい。
【0014】
喫煙装置で使用されるタバコ消費品は、任意の好適な形態で提供され得る。タバコ消費品の好適な形態の例としては、カプセル、スティック、タバコタブレット、非含有タバコ、再構成タバコシート、及び発泡タバコなどの形態が挙げられる。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による喫煙装置と、収容部分内のタバコ消費品とを含む喫煙キットが提供される。
【0016】
本明細書に包含される全ての特徴は、上記の態様のいずれかと任意の組み合わせで組み合わされてもよい。
【0017】
本発明をより良く理解し、且つ本発明の実施形態が実際にどのように実行され得るかを示すために、ここで添付の図面を例として参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の第1の態様の実施形態による喫煙装置の断面図を示す。
図2図2は、収容部分内に仕切り板を有する、本発明の第1の態様の実施形態による喫煙装置の断面図を示す。
図3図3は、収容部分内の仕切り板と、喫煙装置から取り外し可能な収容部分とを有する、本発明の第1の態様の実施形態による喫煙装置の断面図を示す。
図4図4は、移送機構による喫煙装置の収容部分から加熱室へのタバコ消費品の移送における異なる段階を描いた、本発明の第1の態様の実施形態による喫煙装置の多数の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すると、加熱室104と収容部分106とを有する、本発明の第1の態様の実施形態による喫煙装置102が提供される。喫煙装置102は、細長く、且つその長さに沿って長手方向軸線を有する、長手方向を有する。喫煙装置102は、第1の端部108と第2の端部110とを有する。収容部分106は、細長く、且つその長さに沿って長手方向軸線を有する、長手方向を有する。収容部分106は、再封止可能な蓋体112を喫煙装置102の第1の端部108に有する。図1の再封止可能な蓋体112は、ヒンジ付き蓋である。再封止可能な蓋体112は、弾性ゴム材料のシール(図示せず)を有する。図1では、再封止可能な蓋体112は、閉鎖位置にあり、収容部分106を気密に封止する。収容部分106の容量は、加熱室104の容量よりも大きい。
【0020】
喫煙装置102の加熱室104は、開口部114と、開口部114に関連する蓋体116とを有する。開口部114及び開口部114に関連する蓋体116は、喫煙装置102の第1の端部108に位置する。開口部114及び開口部114に関連する蓋体116は、収容部分106の再封止可能な蓋体112と同じ、喫煙装置102の端部108にある。開口部114に関連する蓋体116は、ヒンジ付き蓋である。図1では、蓋体116は閉鎖位置にある。
【0021】
喫煙装置102は、喫煙装置102の第2の端部110に位置決めされて蒸気通路120を介して加熱室104に接続されたマウスピース118を備える。使用時に、使用者は、マウスピース118を通して吸入して、加熱器(図示せず)を起動させ、室104内で発生した蒸気を、吸入用マウスピース118を通して吸引する。
【0022】
喫煙装置102は、加熱室104に関連する加熱器(図示せず)であって、室104内に保持されたタバコ消費品を加熱するように構成された加熱器を有する。加熱器は、好ましくは、蒸気を放出するのに十分な温度まで加熱室104内のタバコ消費品を加熱するが、タバコ消費品が燃焼する温度を超えるのが抑制されるように構成される。図1では、加熱室104は、蒸気通路120と境界を接する側以外の全ての側で室104を実質的に取り囲む、加熱板(図示せず)で形成される。この配置は、室104の表面積の大部分の加熱を可能にして、一定の均一加熱を容易にし、ひいては、室104内に収納されたタバコ消費品を燃焼させずに特定の温度まで加熱するのに必要な制御された温度を室104内で維持するのを補助する。代替の加熱方法を使用して室104が加熱され得る、例えば、所要の均一加熱をもたらすように加熱される導電性シェルから室104が形成され得ることが認識されるであろう。図1では、加熱器(図示せず)は、装置102の別の部分内に配置されたバッテリ122によって給電される電気加熱器である。加熱器は、使用者が加熱ボタン(図示せず)を実行することによって、又は使用者による喫煙装置102のマウスピース118での吸入により作動させる流量センサなどの、他のトリガ機構によって作動させてもよい。加熱器を作動させたときに、加熱板(図示せず)の温度は、タバコ消費品が燃焼せずに蒸気を放出するレベルまで室104内のタバコ消費品を加熱するのに十分なレベルまで上昇する。マウスピース118での吸入時に、外気が空気入口124と空気入口通路126と蓋体116とを通って装置102に流入し加熱室104に流れ込む。喫煙装置102の全体構成に応じて異なる構成の多数の空気入口124及び空気通路126が存在し得ることが、当業者に認識されるであろう。更に、空気は喫煙装置102に引き込まれ、蓋体116を通って加熱室104に直接流れ込み、加熱室104内を流れ得るので、空気入口及び空気入口通路が喫煙装置102の任意選択の特徴であることが当業者に認識されるであろう。外気は、加熱室104内のタバコ消費品から発生した蒸気と混ざり、この混合物が、使用者によるマウスピース118を通しての吸引のために蒸気通路120に沿って室104の外に移動する。それゆえ、マウスピース118を通って装置102から流出した蒸気は、空気入口124を通して装置102内に導入された外気と混合された、タバコ消費品を加熱する際の蒸気発生器との組み合わせである。
【0023】
図1では、喫煙装置102のバッテリ122は、喫煙装置102の第1の端部108に位置する充電ポート128を通じて再充電可能である。充電ポート128が喫煙装置102の外側の他の位置に位置し得ることが認識されるであろう。制御回路130によって、喫煙装置102の全体制御が容易になる。装置102の全体制御を容易にするために制御回路が任意の好適な構成で装置内に位置決めされ得ることが認識されるであろう。
【0024】
図2は、収容部分106を第1の収容部分105と第2の収容部分107とに分割する仕切り板101を有する、本発明の第1の態様の実施形態による喫煙装置202を図示している。図2の喫煙装置202は、図1の装置102に対して改造されている。図2に示すように、第1の収容部分105及び第2の収容部分107は、同じ容積、したがって、同じ収容容量を有し得る。しかしながら、仕切り板101が収容部分106の長手方向に沿って異なる位置に配置された場合に、第1の収容部分105及び第2の収容部分107の容積、したがって、収容容量が異なり得ることが、当業者に認識されるであろう。仕切り板101は、第1の収容部分105及び第2の収容部分107の容積を変化させるように収容部分106の長手方向に移動可能である。仕切り板101は、使用者が仕切り板103を収容部分106の長手方向に容易に移動させることを可能にするように喫煙装置202の外側からアクセスできるハンドル103を有する。
【0025】
第1の収容部分105は、再封止可能な蓋体111を喫煙装置202の第1の端部108に有し、且つ第2の収容部分107は、再封止可能な蓋体113を装置202の第2の端部110に有する。再封止可能な蓋体111及び113は、ヒンジ付き蓋である。再封止可能な蓋体111及び113は、弾性ゴム材料のシール(図示せず)を有する。図2では、再封止可能な蓋体111及び113は各々、閉鎖位置にあり、第1の収容部分105及び第2の収容部分107をそれぞれ気密に封止する。第1の収容部分105の再封止可能な蓋体111は、加熱室104の開口部114及び開口部114に関連する蓋体116と同じ、喫煙装置202の端部108にある。
【0026】
図2の喫煙装置の動作は図1に関して上記で説明した通りであることが認識されるであろう。更に、図2の参照符号が図1の参照符号と同じ場合、それらの参照符号は喫煙装置の同じ特徴を指すことが認識されるであろう。
【0027】
図3を参照すると、取り外し可能な収容部分106’を有する、本発明の第1の態様の実施形態による喫煙装置302が提供される。図3の喫煙装置302は、図1及び図2の喫煙装置102及び202から改造されている。取り外し可能な収容部分106’が、取り外された位置に示されており、接続機構109によって、改良された喫煙装置302’に対して取り外し可能で且つ再び取り付け可能である。図3では、接続機構は1対の磁石であり、取り外し可能な収容部分106’及び改良された喫煙装置302’の各々が磁石を備える。接続機構109はまた、掛止具、締め具、及びフック留め具などの、他の固定具であり得ることが認識されるであろう。
【0028】
図3の喫煙装置の動作は図1及び図2に関して上記で説明した通りであることが認識されるであろう。更に、図3の参照符号が図1及び図2で使用した参照符号と同じ場合、それらの参照符号は喫煙装置の同じ特徴を指すことが認識されるであろう。
【0029】
図1図3では、収容部分106の再封止可能な蓋体112、第1の収容部分105の再封止可能な蓋体111又は第2の収容部分107の再封止可能な蓋体113、並びに加熱室104の開口部114及び開口部114に関連する蓋体116を使用して、タバコ消費品が使用者によって図1の収容部分106並びに図2及び図3の第1の収容部分及び第2の収容部分のいずれかから加熱室104に移送され得ることが認識されるであろう。
【0030】
代替的に、タバコ消費品は、使用時に喫煙装置の収容部分から加熱室にタバコ消費品を移送するための移送機構を備え得る。図4は、収容部分106から加熱室104へのタバコ消費品の移送を容易にする移送機構を有する、本発明の第1の態様の実施形態による喫煙装置402を描いている。図4は、タバコ消費品の移送の異なる段階I~IXにおける喫煙装置402を示している。図4の喫煙装置402は、図1図3の喫煙装置102、202、302に対して改造されており、これらの喫煙装置102、202、302の簡易版を描いている。タバコ消費品の移送に関して図4を解釈し理解し易くするために、図4には、喫煙装置402の特徴、例えば、電気回路、蒸気通路、バッテリ、再封止可能な蓋体、加熱室の開口部、及び空気入口は示されていない。これらの特徴及び実際には図1図3に関して述べた特徴の全てが、図4に描かれている喫煙装置に存在し得ることが認識されるであろう。
【0031】
喫煙装置の収容部分から加熱室にタバコ消費品を移送するために様々な異なる移送機構が用いられ得ることが認識されるであろう。図4では、移送機構は可動部品の機械的ネットワークであり、可動部品は平板パネルである。図4の段階Iに描かれているように、可動部品の機械的仕組みは、使用者がトリガを押すことによって作動させる。図4では、このトリガはボタン132である。可動部品の機械的仕組みを起動させたときに、段階IIに示すように、パネルa及びパネルbは喫煙装置402内で位置を変える。パネルaは装置402内を垂直上方に摺動し、且つパネルbは装置402を横方向に横切って摺動する。パネルaの移動によって外部への開口部が加熱室104に形成され、且つパネルbの移動によって、収容部分内のタバコ消費品の一部分であって、加熱室の容量に相当する部分が区切られる。段階IIIでは、パネルaによって加熱室104に形成された開口部を通して加熱室104内の使用済みタバコ消費品が取り出されて、室104が空にされる。室104を空にすることは、装置402を横方向に横切って、収容部分と加熱室とを分離するパネルcの位置からパネルaによって加熱室104に形成された開口部に向かって移動する、パネルcによって容易になる。次いで、段階IVに示すように、パネルaは、加熱室104が開口部を有さず且つ外部に開放されないように垂直下方に摺動して元の位置に戻る。パネルcもまた、装置を横方向に横切って元の位置に戻り、収容部分と加熱室との分離をもたらす。その後、段階Vでは、同じパネルcが垂直上方に摺動して、喫煙装置402の収容部分106から加熱室104へのタバコ消費品の移送を可能にする。パネルcの元の位置では、パネルcは、収容部分の再封止可能な蓋体が閉鎖位置にあり且つ更に再封止可能であるときに収容部分を封止するので、パネルcが元の位置に戻った時点で、パネルは、収容部分の再封止可能な蓋体が閉鎖位置にあるときに収容部分を封止することが認識されるであろう。段階VIには、収容部分106から加熱室104へのタバコ消費品の移送が示されており、この段階VIでは、パネルdが、装置を横方向に横切って加熱室104に向かって移動して、タバコ消費品の一部分であって、加熱室104の容量に相当する部分を装置402の収容部分106から加熱室104へ押圧する。元の位置では、パネルdが、喫煙装置の第1の端部側に位置する収容部分の再封止可能な蓋体として機能し得ることが認識されるであろう。段階VIIは、パネルdとパネルcの両方がそれらの元の位置に戻り、パネルdが装置402を横切って横方向に移動し、且つパネルcが垂直下方に摺動して、喫煙装置402の収容部分106と加熱室104との分離が再びもたらされることを示している。段階VIIIでは、パネルbが装置402を横切る横方向の移動によって喫煙装置402内の元の位置に戻ることが分かる。図4にばねとして示す、付勢機構134が、収容部分内のタバコ消費品に圧力を及ぼし続けることが認識されるであろう。パネルbが元の位置に移動した時点で、付勢機構134は、タバコ消費品を収容部分106の容積の非占有部分へ押し出す。喫煙装置内で同じ機能を達成するために他の付勢機構も使用され得ることが更に認識されるであろう。代替的な付勢機構の例としては、収容部分内のタバコ消費品に圧力を及ぼすための押圧板を備えるシステムが挙げられ、押圧板は、案内部と、モータによって駆動されるねじ棒とに結合される。図4の段階IXは、喫煙装置402の部品の機械的ネットワークを喫煙装置402の元の構成で示している。
【0032】
図4の喫煙装置の動作は図1図3に関して上記で説明した通りであることが認識されるであろう。更に、図4の参照符号が図1図3で使用した参照符号と同じ場合、それらの参照符号は喫煙装置の同じ特徴を指すことが認識されるであろう。
【0033】
本出願との関連で本明細書と同時に又は本明細書に先行して提出され、また本明細書と共に公開されて公衆の閲覧に付される全ての論文及び文献に注意が向けられ、そのような全ての論文及び文献の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0034】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示した特徴の全て、並びに/或いはそのように開示した任意の方法又は工程のステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除く、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。
【0035】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示した各特徴は、明示的に別段の定めのない限り、同一、同等又は類似の目的を果たす代替的な特徴に置き換えられてもよい。したがって、明示的に別段の定めのない限り、開示した各特徴は、一般的な一連の同等又は類似の特徴のほんの一例に過ぎない。
【0036】
本発明は、前述の実施形態の細部に限定されるものではない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示した特徴のうちの任意の新規な1つ又は任意の新規な組み合わせ、或いはそのように開示した任意の方法又は工程のステップのうちの任意の新規な1つ又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】