(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】ドローンのためのステーショニング及び自動管理ベース
(51)【国際特許分類】
B64U 70/97 20230101AFI20230427BHJP
B64U 70/99 20230101ALI20230427BHJP
B64C 25/32 20060101ALI20230427BHJP
B64C 27/04 20060101ALI20230427BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20230427BHJP
B64F 1/12 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
B64U70/97
B64U70/99
B64C25/32
B64C27/04
B64C39/02
B64F1/12
(21)【出願番号】P 2020563525
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 IB2019053817
(87)【国際公開番号】W WO2019215658
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】102018000005252
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520430804
【氏名又は名称】ドロヌス ソシエタ ペル アツィオーニ
(73)【特許権者】
【識別番号】520430815
【氏名又は名称】バレリーニ,マルコ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バレリーニ,マルコ
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0347192(US,A1)
【文献】国際公開第2015/195202(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0292430(US,A1)
【文献】米国特許第5799900(US,A)
【文献】特開2016-064768(JP,A)
【文献】米国特許第9957045(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0021923(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0256763(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/12
B64C 25/32
B64C 27/04
B64C 39/02
B64U 70/97 - 70/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機のための着陸及び離陸ベースであって、
開口部が提供され、本体内部にステーショニング領域を画定する連続内部壁を備える本体と、
前記航空機の取り付け部分を係合するように、及び、前記航空機の被制御フッキング及び/又はリリースを可能にするように、構成され、2本のグリップアームが提供された保持手段と、を備え、
前記連続内部壁は、前記保持手段に向かって収束する切頂円錐形状を有し、
前記開口部は、より大きなベース表面に配置され、
前記ベースの全体構成は、使用中、前記保持手段が、前記航空機がフックされ前記ステーショニング領域内部に少なくとも部分的に収容されているグリップ状態、及び、前記航空機がリリースされ離陸中に前記開口部を介して自由に落下できるリリース状態、であることを想定できるようになって
おり、
前記本体は、前記航空機が前記ステーショニング領域の内部にあるときに、前記ステーショニング領域にアクセスできるように成型された第2の開口部を有する、着陸及び離陸ベース。
【請求項2】
前記航空機の操縦手順のために基準面に関して吊り下げ位置で前記本体を固定するように構成された支持手段を更に備える、請求項1に記載の着陸及び離陸ベース。
【請求項3】
前記本体に関して前記航空機の相対位置を決定するように構成された位置決め手段を更に備える、請求項1又は2に記載の着陸及び離陸ベース。
【請求項4】
前記位置決め手段は、前記ステーショニング領域に対向する前記本体のチャンバに収容される、請求項
3に記載の着陸及び離陸ベース。
【請求項5】
前記位置決め手段は、所定の着陸及び/又は離陸軌道に応じて前記航空機の着陸及び/又は離陸軌道と通信し、これを修正するように構成された制御ユニットを備える、請求項3又は4に記載の着陸及び離陸ベース。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記航空機の位置パラメータに関連付け可能な光信号及び/又は無線信号の受信器及び/又は発信器を備える、請求項5に記載の着陸及び離陸ベース。
【請求項7】
前記2本のグリップアームのうちの少なくとも1本を前記グリップ状態で維持し、前記2本のグリップアームのうちの少なくとも1本上での前記航空機の推進運動中に、前記保持手段の一時開口を可能にするように構成された戻り手段を更に備える、請求項1から6の何れか一項に記載の着陸及び離陸ベース。
【請求項8】
前記保持手段は、作動手段によって開口するように駆動される、請求項1から7の何れか一項に記載の着陸及び離陸ベース。
【請求項9】
前記保持手段は、前記グリップ状態において、前記航空機のそれ自体を中心とする回転を少なくとも可能にするように構成される、請求項1から8の何れか一項に記載の着陸及び離陸ベース。
【請求項10】
請求項1から
9の何れか一項に記載の前記航空機の着陸及び/又は離陸ベースと協働するのに適した無人航空機であって、
少なくとも1つのらせんが提供された回転翼手段に接続されたフレーム本体を備え、
前記航空機の前記保持手段への接近運動中、前記保持手段に関して係合頂点要素の自己センタリングを実装することによって、前記ベースの前記連続内部壁と干渉するように成型された、前記係合頂点要素を備える取り付け部分が前記フレーム本体から突出し、また、
前記取り付け部分は、前記ベース上での前記航空機のグリップ状態において、前記回転翼手段は結果としてステーショニング領域の外側に位置決めされるような延長部を有する、無人航空機。
【請求項11】
前記航空機の位置パラメータに関連付けられた信号を送信及び/又は受信するように構成され、かつ、前記信号に従って前記航空機の前記軌道を修正するように構成された制御モジュールを備える、請求項
10に記載の無人航空機。
【請求項12】
前記頂点要素は、ベース上でフック状態にあるとき前記航空機自体を中心とする前記航空機の回転を可能にするように、周辺縁部を形成するように成型される、請求項
10又は11に記載の無人航空機。
【請求項13】
前記制御モジュールは、少なくとも部分的に前記頂点部分に配置される、請求項1
1に記載の無人航空機。
【請求項14】
前記フレーム本体の外側から交換可能な供給手段を備える、請求項
10から13の何れか一項に記載の無人航空機。
【請求項15】
請求項1から
9の何れか一項に記載の着陸及び離陸ベースと、
請求項
10から14の何れか一項に記載の無人航空機と、
を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機の分野に関する。
【0002】
より具体的に言えば、本発明は、無人航空機の着陸及び離陸並びに自動管理のためのステーショニングベースに関する。
【背景技術】
【0003】
参照技術分野において、一般にドローンと呼ばれる、特にプロペラ駆動を提供するタイプのいわゆる無人航空機の着陸及び離陸操縦は、ステーショニングベースを使用することができる。
【0004】
ベースは航空機専用の着陸地点の機能を果たし、それを通して、例えば構成要素の保守、設定、交換などのアクティビティ、及び他の類似のアクティビティを実行するために手動のアクセスを再取得することが可能である。
【0005】
ベースによって検出された平面を基準面と判断することによって、知られているように、着陸を行うためのドローン軌道(垂直離陸におけるVTOL)は、基準面に対して上から下への動きと共にベース上に到達してベースに乗り、またその逆に、離陸軌道は、らせん構造の推進力のおかげで、ドローンが実際にベース自体から持ち上がるような、下から上への動きを含む。
【0006】
特に模型飛行機の分野を参照すると、前述のベースは一般にサイズが小さく、ベースをセンタリングするために必要な動きの精度のための非常に大きな困難、及び、ドローンによって又は風によって誘発される気流の存在に起因した、例えば、ドローンのらせん構造自体によってベース上に生成される渦に起因した複雑さを有する、自動着陸操縦を有し、ベースへの進入復行である、かなりの割合の障害を伴う操縦を含む。
【0007】
例えば、ベースへの着陸段階中の下降操縦を考えれば、このようにドローンを、空気力学的失速の状態、及びその後、着陸又は上昇段階に関してより不安定な飛行の状態に近づけることによって、揚力は、らせん翼の外形の迎え角を減少、及び逆に増加させる。すなわちこの現象又は風の存在が、ペイロード及びバッテリのフッキング及び変更/交換手順を考えれば、ベースに関してドローンをセンタリングすることの困難さから適切に切り離して操縦を完了させるためにベースのサイズをかなり大きくすることによって、着陸段階においてより大きな割合のエラーを含む可能性がある。欧州特許第2974958号は、無人航空機を格納及び再装填するための球形ケースが提供された装置を開示する。米国特許第2012/292430号は、無人機と、無人機を発射及び回収するためのベースと、を備えるシステムを開示し、ベースはドッキングステーションを備え、ベースを介して無人機を誘導するための誘導手段として、間隔を空けた変形可能チューブが装備される。国際出願第2015/195202号は、半球形本体と、無人航空機を保持及び発射するための磁気保持手段と、を伴うステーショニングベースを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
次いで、本発明の目的は前述の問題を克服することであり、これは、請求項1に定義されたような着陸及び離陸ベースを介して取得される。
【0009】
特に本発明の目的は、無人航空機のための、有利には、また更には無人航空機をカバー/保護するように構成された、着陸及び離陸ベースを示すことであり、ベースは構造的には単純であり、正常な「着陸」及び締結、並びに、静止/固定ステーション上での離陸段階及び上記すべての着陸段階中の航空機の操縦性を向上させるために有効である。
【0010】
本発明の追加の特徴は、対応する従属項に定義されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、無人航空機のための吊り下げ式着陸及び離陸ベースに関する。ベースは、本体内部の航空機のためのステーショニング領域を画定する、連続内部壁及び開口部が提供された本体を備える。ベースは更に、航空機の被制御フッキング及び/又はリリースを可能にすることによって、航空機の取り付け部分を係合するように構成された2本のグリップアームが提供された保持手段を備える。より詳細には、連続内部壁は保持手段に向かって収束する切頂円錐形を有し、開口部はより大きなベース表面に配置される。ベースの全体構成は、アセンブル状態で、保持手段が、航空機がフックされステーショニング領域内部に少なくとも部分的に収容されているグリップ状態、及び、航空機がリリースされ離陸中に本体の開口部を介して自由に落下できるリリース状態、であることを想定できるようになっている。
【0012】
こうしたソリューションによって、従来の着陸軌道を逆転させ、すなわち航空機が基準面に関して上昇位置にあるベースに向かって上昇し、保持機構を介してベース上に係合する軌道とすることができる。このようにして、航空機、特にそのプロペラのらせん翼は、航空機が空気力学的失速の状態にある際のリスクを低減させ、その後、その安定性及び制御を向上させることによって、上昇中に漸進的に減少する迎え角を有するため、「着陸」の信頼性に関して著しい利点が得られる。
【0013】
更に、前述のベースの構成は、ベース上の航空機のらせん翼によって生成される気流がらせん翼と干渉しないため、気流の悪影響を低減させる。このようにして、より良い安定性、及び、その後ベースをセンタリングするために航空機を移動させる際の精度が得られる。
【0014】
追加の有利な態様に従い、本発明は、ベースの形状と航空機の取り付け部分との間で機械的に実行される、ベース内でのドローンの誘導及びセンタリングを可能にする。実際に、取り付け部分とベースの内部壁との間の接触中に発生する力は、特に上昇中の着陸段階において自己安定型の動きを提供することによって、好ましくは実質的にベースの円錐形又は切頂円錐形状の中央領域に向かう動きに、航空機を誘導する。航空機の取り付け部分、好ましくは、そのフレーム本体から突出する部分として実装される部分の、ベースの内部壁との接触によって、運動力学の安定性が具体的に保証される。このようにして、航空機をベースの外側に向かう動きに誘導する逆の効果を取得することによって、航空機の更なる及び異なる構成要素、例えば航空機のらせん構造又は可能な突出部などが、ベースと接触するのを防止する。
【0015】
こうしたソリューションが提供するいくつかの利点の中に、従来よりもサイズが制限されたベースを実装し、同時にセンタリングの際により大きな効果を保証する可能性さえもある。
【0016】
本発明の他の利点は、その特徴及び使用モードと共に、結果として、限定するためではなく例として示された本発明の好ましい実施形態の下記の詳細な説明から明らかとなろう。
【0017】
同封の図面に示される図を、下記で参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】好ましい実施形態に従った、無人航空機のための離陸及び着陸ベースの使用状態及びアセンブル状態を示す全体図である。
【
図2】
図1のベース、及び、ベースに接近するか又はベースから離れる段階における航空機、を示す側断面図である。
【
図3】
図1のベース、及び、航空機の軌道をセンタリングするための動作段階中の
図2の航空機、を示す側断面図である。
【
図4】航空機のグリップ状態における、
図1のベース及び
図2の航空機を示す側断面図である。
【
図5】航空機の離陸状態における、
図1のベース及び
図2の航空機を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
下記で、前述の図面を参照しながら本発明を説明する。
【0020】
第1の
図1を参照すると、アセンブル状態及び使用状態における、本発明の好ましい実施形態に従った無人航空機2のための着陸及び離陸ベース1が示される。ベースは結果として、下記でより詳細に示すように、着陸及び離陸段階において正しい接近及びセンタリングを可能にする、航空機のためのセンタリングベースのように更に構成される。
【0021】
「ベース」という用語の下で、デバイスは、航空機を支持する要素である、航空機の一時的又は永続的なステーショニング及び/又はカバーを可能にするために、航空機と協働する傾向があるものと識別されるべきであることを意味する。
【0022】
ベース1の構成は、ステーショニングが、例えば下記で考察する、バッテリの交換及び/又は再充電、航空機自体の「ペイロード」として定義されるセンサの変更などの、ベース1の着陸及び離陸の段階に対する、航空機2の又は航空機2上の追加の動作状態を含むことができるようなものである。
【0023】
更に本発明のコンテキストを考察すると、「無人航空機」という表現はドローンという用語、及びこれに起因するすべてのタイプの車両、中でも模型飛行機と等価である。すなわち本発明は、多様な分野で適用可能であり、ビデオ監視、工場及び構造物の自動検査、関係サイトの安全性、エンターテインメント、又は類似のコンテキストなどの、コンテキストでの使用が好ましい。
【0024】
更に、例示の実施形態では、提示される航空機2のタイプは特に4本の回転翼を伴うらせんタイプであるが、本発明に従ったベース1は、推進力がらせんタイプとは異なるが、概して単一回転翼又は複数回転翼を伴う航空機で使用するのに適している。
【0025】
図2を見るとわかるように、ベースは、連続内部壁10aが提供された本体10と、本体内部に航空機2のためのステーショニング領域12を画定する開口部11とを備える。
【0026】
例示された実施形態において、ベース1は、好ましくは、航空機2の操縦手順のために基準面に関して吊り下げ位置で、本体10を壁又は固定構造に固定するように構成された、支持手段13を備える。
【0027】
例えば
図1の基準Pで指定された地面などの、ベース1の動作力学を示すための基準面を考慮することによって、「着陸」という用語の下では、ベース1の特定の構成が、航空機が軌道Tに関して接近し、下から上に向けて、すなわち基準面Pから遠くへ移動して着陸することを可能にする、特定の操縦が意図される。これとは逆に、また
図5を参照すると、「離陸」という用語の下では、航空機2の上から下に向けての、すなわち(
図5には示されていないが、例えば地面などの)基準面に接近する、軌道Tを用いたベース1からの脱離及び被制御下降を可能にする、特定の操縦が意図される。
【0028】
前述のように、支持手段13を提供することによって、有利には、例えば
図1に示されたような壁ブラケットを介したベース1の吊り下げが可能になる。支持手段は、異なるタイプ(例えば、静止及び移動、すなわち車両の両方、ボート又は車両)とすることが可能であること、及び基準面Pは地面ではなく、すなわち踏板など、すなわち水域の表面又は海面とすることが可能であることが意図される。更に、同じ本体10は、結果として基準面Pに関してベース1の吊り下げのための支持構造となるように形成可能である。最終的に図示されていないケースでは、こうした支持構造は、例えば基準面P上に基礎を置く(更には伸縮式の)要素を伴う台座タイプの構成を有し、ベース1を吊り下げ位置に維持することが可能である。
【0029】
図2を参照すると、ベース1は更に、例示の機械的手段において、航空機2の取り付け部分21を係合し、航空機2の被制御フッキング及び/又はリリースを可能にするように構成されているが、磁気及び/又は空気圧式とすることが可能である、保持手段14を備え、しかしながらシステムは、電気又は被制御アクチュエータの支援なしに締結することが可能である。
【0030】
こうした取り付け部分21は、有利には、本体10の連続内部壁、及び好ましくは平滑な壁10aとの接触のおかげで、航空機2をベース内部の中央領域に向けて依然として誘導可能にすることによって、航空機2の上昇(又は着陸段階)中の誘導さえも可能である。こうした態様は、下記でより詳細に説明する。
【0031】
次いで、ベース1の構成は、使用中、保持手段14が、航空機2がフックされ、少なくとも部分的にステーショニング領域12内部に収容されるグリップ状態、及び、航空機2がリリースされ、離陸時に開口部11を介してベース1から遠くへ自由に移動できるリリース状態であることを、想定できるようになっていることは明白である。
【0032】
本発明に従ったベース1は、従来の着陸軌道Tの方向を逆転させることが可能であり、すなわち、航空機2が基準面Pに関して上昇位置にあるベース1に向かって上昇し、保持機構を介してベース1に係合する軌道であることを理解されよう。このようにして、ドローン2は、好ましくは参照番号22で指定されたそのモータのらせん翼に関連して、ドローン2が空気力学的失速の状態にある際のリスクを低減させ、その後、その安定性及び制御を向上させることによって、上昇段階において減少する迎え角を有するため、「着陸」の成功に関して著しい利点が得られる。
【0033】
更に、ベース1上のらせん翼22によって生成される気流は、結果として基準面Pに向けて誘導され、その上方の吊り下げ式ベース1とは干渉しないため、気流の悪影響は劇的に低減される。このようにして、ベース1をセンタリングするために航空機2を移動させる際に、より良い精度が得られ、したがって従来よりもサイズが制限されたベースの実装が可能となる。
【0034】
好ましくは、本体10は切頂円錐形又は実質的に切頂円錐形状を有し、航空機2がステーショニング領域12に収容又は離脱するために通過する開口部11は、切頂円錐のより大きなベース面にある。より一般的に言えば、好ましくは、本体10の形状は少なくとも開口部11から遠い位置に最小直径を伴う部分を備える。
【0035】
図3を見ればわかるように、このようにして本体10の内部壁10aは、好ましくは保持手段14に向かって収束し、少なくともベース1上への着陸のための段階において、係合部分21の1つの頂点要素21aを介して、航空機2のための誘導及びセンタリング機能を果たす。
【0036】
こうした形状は、位置決め補助システムを配置する必要なしに精密な着陸を保証することによって、航空機位置の自己センタリング機構の機能を果たす。
【0037】
ベースの本体内部の航空機の入口開口部11は、たとえ開口部11の半径に等しいセンタリングエラーを伴っても着陸上昇の開始を可能にするように十分に拡張されており、内部壁10aは航空機の格納及びカバー表面をも表す。すなわち内部壁は、誘導面の機能と、連続的であり好ましくは平滑な壁である場合、収容及びカバー面の機能と、の両方を果たす。
【0038】
特に、本発明に従ったベース1は、自己センタリング着陸軌道T、すなわち、締結システムに関してセンタリング外れ位置にある場合であっても、強制的に必要な場合、例えば内部壁10a近くをかすめることによって、保持手段14に到達することによって、航空機2がベース1に向かって上昇する軌道が、好ましくはセンタリング位置、及び本体10の最小半径を伴うセクションに配置された、航空機と係合できるようにすることを理解されよう。
【0039】
たとえ切頂円錐形状を伴う本体10の提供と組み合わせて提供される変形実施形態においても、ベース1は、本体10の内部壁10aのうちの1つと一緒の場合、航空機2によって保持手段14をセンタリングするための動作を可能にする、位置決め手段15を含むことができる。
【0040】
特に、位置決め手段15は、本体10に関して航空機2の相対位置(例えば、垂直軸に関した回転)を決定するように構成され、図示された実施形態では、ステーショニング領域12に対向するチャンバ16内に収容される。
【0041】
有利には、位置決め手段15は、所定の着陸及び/又は離陸軌道に応じて、航空機2の着陸及び/又は離陸軌道Tと通信し、これを修正するように構成された、制御ユニット15aを備える。
【0042】
位置決め手段15は、自動的に又はオペレータによって手動で遠隔制御可能である。
図2の例を参照すると、好ましくは、制御ユニット15aは、航空機の位置パラメータに関連付け可能な、光信号及び/又は無線信号の受信器及び/又は発信器15bを備える。例えば制御ユニット15aは、素描線Aで指定された、及び、画像処理アルゴリズム又はその他などの位置特定アルゴリズムを介して、動作フィールド内の航空機2を検出するチャンバを備え、所定の位置に関した誤差を計算すること、及び、保持手段14に向かった上昇中に軌道Tの補正動作を航空機2に通信すること、によってチャンバに関した航空機2の相対的偏移を決定する。
【0043】
好ましくは、保持手段14は少なくとも部分的にチャンバ16内に配置され、ベース1の好ましい実施形態において、中央本体10の開口部11が配置される位置とは反対の位置、好ましくは、本体10が切頂円錐形状を有する場合、ベースの小さい側に配置される。
【0044】
実施形態において、チャンバ16は、選択されたタイプの航空機2の取り付け部分21を確実に収容するように、特定の方法でサイズを決定することが可能な形状を有する。
【0045】
保持手段14は、好ましくは、少なくともアームが、好ましくは2本のアームが提供され、各々が参照番号14aで指定された、プライヤ状のグリップシステムを備える。この場合、好ましい実施形態によれば、保持手段14は図示されていない戻り手段に関連付けられ、少なくとも1本のアーム14aをグリップ状態で維持し、保持手段14上の航空機2の推進運動中にグリップシステムの一時開口を可能にするように構成される。実際に、好ましい実施形態において、ベース内の航空機のグリップは電子又は被制御システムの支援なしに保証され、すなわち航空機は、着陸段階中に上方への推進運動のみによってしっかりとフッキングすることができる。
【0046】
戻り手段は可逆的弾性要素とすることができ、グリップシステムのアーム14aは、航空機2がステーショニング領域12内の入口方向に一致する推進方向に従って端部140を押し付けたときにのみ、保持手段14の開口を容易にするような招き外形を伴う、端部140を含むことができる。
【0047】
代替として又は直前で述べた内容と組み合わせて、保持手段14は、好ましくは、図には見られない作動手段によって開口するように駆動される。
【0048】
図4及び
図5は、それぞれ、航空機2上の保持手段14のグリップ状態及びリリース状態を示し、本発明に従ったベース1は、航空機の安定したステーショニング及び航空機の被制御リリースを可能にすることを理解されよう。
【0049】
前述のように、保持手段14は、好ましくは少なくとも1つのらせん22が提供された回転翼手段23に接続されたフレーム本体20を備える、ドローン2の取り付け部分21と干渉することによって協働する。有利には、取り付け部分21はキノコ状に展開し、例えば例に示されるようなドーム状の外形を伴い、周辺縁部21bを形成するように成型された係合頂点要素21aを備える。
【0050】
好ましくは、取り付け部分21は、ベース1上での航空機のグリップ状態において、回転翼手段23は結果としてステーショニング領域12の外側に位置決めされるような、全延長部を有する。
【0051】
下記で詳細に説明するように、好ましくは、係合頂点要素21aは、制御ユニット15aに関連付けられた検出手段15b(それぞれ、光源の発信器及び/又は受信器)を介して、航空機をより適切に識別するために、その内部に光源(又はその逆に、これを検出できるデバイス)を収容する。
【0052】
有利には、保持手段14は、グリップ状態において少なくとも航空機2自体の上での回転を可能にするように構成される。
【0053】
好ましくは、グリップシステムのアームの端部140は、ベース1上でフック状態にあるとき、実際に航空機2自体の上での回転を可能にするように周辺縁部21bを係合する。変形実施形態において、保持手段14は、対応する磁気又は磁化可能要素、すなわち、航空機2の取り付け部分21に提供される空気圧式要素と協働する、磁気又は空気圧式要素を含むことができる。
【0054】
このようにして、ベース1は前述のように航空機2の更なる操作性を保証する。
【0055】
実際に、例えば(図示されていない)本体上に、好ましくは本体10の側壁に取得されるドアなどの第2の開口部を提供することによって、航空機2が保持手段14によってフックされるとき、ステーショニング領域12内部にアクセスすることが可能である。航空機2はそれ自体を中心に、特にその対称垂直軸を中心に回転可能であるため、航空機2は、例えば欠陥部又は第2の開口部においてバッテリを供給する領域を適切に顕在化させることによって、修理及び/又は保守及び/又は交換の手順を可能にするように位置決めすることができる。
【0056】
好ましくはバッテリは、例えば磁気、電気、及び/又は機械タイプの自動フッキングシステムを用いて航空機2に接続される。バッテリの交換は、一方の端部においてバッテリ自体へのフッキングのためのシステムを担持する、ベース1の本体10の外側に配置された多関節アームを介して実施可能である。多関節アームは第2の開口部を介して航空機2にアクセスし、航空機のバッテリに到達し、これをベース1の外側に運ぶことによって抜き出す。その後多関節アームは、抜き出しの動きと正反射の動きによって、飛行順に航空機2を復元することによって、新しいバッテリを挿入することになる。
【0057】
こうした手順は、オペレータによって手動で、或いは自動的に実行可能であり、ベース1は、可能な最短時間で新規飛行の準備ができるようにするために、航空機2のバッテリを再充電統合システムに接続する、自動化接続手段を提供することも可能である。
【0058】
航空機は、好ましくは、航空機2の位置パラメータに関連付けられた信号を送信及び/又は受信するように構成され、また信号に従ってその軌道Tを修正するように構成された、制御モジュール24を備える。変形実施形態において、制御モジュール24は、ベース1の制御ユニット15aと協働する、例えば赤外線スペクトル上での動作LEDを伴うタイプの光源を少なくとも備え、光源は好ましくは少なくとも部分的に取り付け部分21に、又はより好ましくは係合頂点要素21aに配置される。
【0059】
以上、本発明をその好ましい実施形態を参照しながら説明してきた。本明細書において例として説明する好ましい実施形態において実装される技術的ソリューションは各々、有利には、同じ発明の主要部に属する他の実施形態を作成するために、それらの間で異なるように組み合わせることが可能であるが、それらすべては下記で報告する特許請求の範囲の保護範囲内にあることが意図される。