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特許7269980ユーザグループ化方法、装置、コンピュータデバイス、媒体およびコンピュータプログラム
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  • 特許-ユーザグループ化方法、装置、コンピュータデバイス、媒体およびコンピュータプログラム 図1
  • 特許-ユーザグループ化方法、装置、コンピュータデバイス、媒体およびコンピュータプログラム 図2
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  • 特許-ユーザグループ化方法、装置、コンピュータデバイス、媒体およびコンピュータプログラム 図4
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  • 特許-ユーザグループ化方法、装置、コンピュータデバイス、媒体およびコンピュータプログラム 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】ユーザグループ化方法、装置、コンピュータデバイス、媒体およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06N 5/022 20230101AFI20230427BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20230427BHJP
【FI】
G06N5/022
G06Q10/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021055973
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2021103585
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】202010616220.2
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 斐 喬
(72)【発明者】
【氏名】林 江 紅
【審査官】児玉 崇晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-189597(JP,A)
【文献】特開2013-131170(JP,A)
【文献】特開2018-180104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 5/022
G06Q 10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間フィルタリング条件とイベントフィルタリング条件を含む所定ユーザグループのグループ化条件を取得することと、
前記時間フィルタリング条件に基づいて、ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定することと、
前記各ユーザ行為データと、前記少なくとも1つの目標時間帯の各目標時間帯に基づいて、前記各ユーザ行為データの前記各目標時間帯に関する関連データを特定することで、前記関連データから関連テーブルを構成することと、
測定待ち時間と前記イベントフィルタリング条件に基づいて、前記関連テーブルから、前記測定待ち時間に対する目標関連データをフィルタリングすることで、前記目標関連データに基づき前記所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定することと、を含み、
前記時間フィルタリング条件は、注目するイベント発生時間と前記測定待ち時間との間の関係を表すためのものである
ことを特徴とするユーザグループ化方法。
【請求項2】
前記時間フィルタリング条件は、前の第1の数分の所定時間帯を示すためのものであり、前記各ユーザ行為データはイベント発生時間の第1の時間情報を含み、
前記ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定することは、前記各ユーザ行為データのイベント発生時間の直後の第1の数分の所定時間帯における各所定時間帯を、1つの目標時間帯とする
ことを特徴とする請求項1に記載のユーザグループ化方法。
【請求項3】
前記時間フィルタリング条件は、後の第2の数分の所定時間帯を示すためのものであり、前記各ユーザ行為データはイベント発生時間の第1の時間情報を含み、
前記ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定することは、前記各ユーザ行為データのイベント発生時間の直前の第2の数分の所定時間帯における各所定時間帯を、1つの目標時間帯とする
ことを特徴とする請求項1に記載のユーザグループ化方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの目標時間帯を特定した後、前記少なくとも1つの目標時間帯から有効時間窓口内にある目標時間帯をフィルタリングすることと、
フィルタリングされた目標時間帯を、更新された少なくとも1つの目標時間帯とすることとを、さらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のユーザグループ化方法。
【請求項5】
前記関連データは、前記各ユーザ行為データと、前記各目標時間帯を表すための第2の時間情報とを含み、
前記各ユーザ行為データは、ユーザ識別情報とイベント記述情報とを含み、
前記関連テーブルから前記測定待ち時間に対する目標関連データをフィルタリングすることは、前記関連テーブルから、目標時間帯が前記測定待ち時間帯に属し且つイベント記述情報が前記イベントフィルタリング条件を満たす目標関連データをフィルタリングすることを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のユーザグループ化方法。
【請求項6】
前記イベントフィルタリング条件は、所定商品に対する所定行為の発生回数が所定数値以上であることを示すためのものであり、
前記関連テーブルから、目標時間帯が前記測定待ち時間帯に属し且つイベント記述情報が前記イベントフィルタリング条件を満たす目標関連データをフィルタリングすることは、
回数パラメータを初期値0にリセットすることと、
前記関連テーブルから、前記ユーザ識別情報が第1の数値に等しく且つ前記第2の時間情報が第2の数値に等しい関連データを検索することと、
検索された各関連データに対して、前記各関連データにおけるイベント記述情報が所定商品に対する所定行為を示していると判定した場合、前記回数パラメータの数値を1だけインクリメントすることと、
検索が終了すると、前記回数パラメータの数値が所定数値以上であるか否かを判定することと、
そうであれば、前記関連データを目標関連データとして特定することと、を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のユーザグループ化方法。
【請求項7】
前記イベントフィルタリング条件は、第1の所定商品に対する第1の所定行為の発生回数が第1の所定数値以上であり、かつ第2の所定商品に対する第2の所定行為の発生回数が第2の所定数値以上であることを示すためのものであり、
前記関連テーブルから、目標時間帯が前記測定待ち時間帯に属し且つイベント記述情報が前記イベントフィルタリング条件を満たす目標関連データをフィルタリングすることは、
第1の回数パラメータおよび第2の回数パラメータをそれぞれ初期値0にリセットすることと、
前記関連テーブルから、前記ユーザ識別情報が第1の数値に等しく且つ前記第2の時間情報が第2の数値に等しい関連データを検索することと、
検索された各関連データに対して、前記各関連データにおけるイベント記述情報が前記第1の所定商品に対する前記第1の所定行為を示すと判定した場合、前記第1の回数パラメータの数値を1だけインクリメントし、前記各関連データにおけるイベント記述情報が前記第2の所定商品に対する前記第2の所定行為を示すと判定した場合、前記第2の回数パラメータの数値を1だけインクリメントすることと、
検索が終了すると、前記第1の回数パラメータの数値が前記第1の所定数値以上であり、且つ前記第2の回数パラメータの数値が前記第2の所定数値以上であるか否かを判定することと、
そうであれば、前記各関連データを目標関連データとして特定することと、を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のユーザグループ化方法。
【請求項8】
前記目標関連データに基づき前記所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定することは、
前記目標関連データの前記ユーザ識別情報に基づき、前記測定待ち時間帯に対する前記所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定することを、を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のユーザグループ化方法。
【請求項9】
前記各ユーザ行為データの前記各目標時間帯に関する関連データを特定することは、
前記各ユーザ行為データと、前記各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯とに対してデカルト積を求めることで、前記各ユーザ行為データの前記各目標時間に関する関連データを取得すること、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のユーザグループ化方法。
【請求項10】
時間フィルタリング条件とイベントフィルタリング条件とを含む所定ユーザグループのグループ化条件を取得する取得モジュールと、
前記時間フィルタリング条件に基づいて、ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定する第1の特定モジュールと、
前記各ユーザ行為データと、前記少なくとも1つの目標時間帯の各目標時間帯に基づいて、前記各ユーザ行為データの前記各目標時間帯に関する関連データを特定することで、前記関連データから関連テーブルを構成する第2の特定モジュールと、
測定待ち時間と前記イベントフィルタリング条件に基づいて、前記関連テーブルから、前記測定待ち時間に対する目標関連データをフィルタリングすることで、前記目標関連データに基づき前記所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定するグループ化モジュールと、を含み、
前記時間フィルタリング条件は、注目するイベント発生時間と前記測定待ち時間との間の関係を表すためのものである
ことを特徴とするユーザグループ化装置。
【請求項11】
コンピュータ命令が記憶されるメモリと、
少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記プロセッサが前記コンピュータ命令を実行する場合、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実現する
ことを特徴とするコンピュータデバイス。
【請求項12】
コンピュータ命令が記憶され、
前記コンピュータ命令がプロセッサにより実行される場合、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実現する
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
実行される際に、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実現するコンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人工知能分野に関し、特に、ビッグデータ分野におけるデータマイニング技術に関する。より具体的には、本開示は、ユーザグループ化方法、装置、コンピュータデバイス、媒体およびコンピュータプログラムを提供する。
【背景技術】
【0002】
ユーザグループ化とは、ユーザを業務場面のニーズに応じてフィルタリングし、所定のグループ化条件を満たす目標ユーザグループをフィルタリングする過程である。ユーザグループ化結果は、ウェブサイトまたはアプリケーション(application)のユーザグループに関わるユーザ行為分析プロセスに利用可能である。通常、ユーザデータに基づいてユーザグループ化を行い、ユーザデータはユーザ属性データ及びユーザ行為データを含むことが可能である。ユーザ行為データに基づくユーザグループ化方案において、従来技術は、所定時間帯ごとに、ユーザ行為データベースに対する検索及び記憶というロジックを定例的に一回行い、多くの計算リソース及び記憶空間を多く占用し、柔軟性がよくない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
上記の事情に鑑みて、本開示は、ユーザグループ化方法、装置、コンピュータデバイス、媒体およびコンピュータプログラムを提供している。
【0004】
本開示の一方面は、ユーザグループ化方法を提供しており、当該方法は、時間フィルタリング条件とイベントフィルタリング条件を含む所定ユーザグループのグループ化条件を取得することと、時間フィルタリング条件に基づいて、ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定することと、各ユーザ行為データと、少なくとも1つの目標時間帯の各目標時間帯に基づいて、各ユーザ行為データの各目標時間帯に関する関連データを特定することで、関連データから関連テーブルを構成することと、測定待ち時間とイベントフィルタリング条件に基づいて、関連テーブルから、測定待ち時間に対する目標関連データをフィルタリングすることで、目標関連データに基づき所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定することと、を含む。
【0005】
本開示の他面は、ユーザグループ化装置を提供しており、取得モジュールと、第1の特定モジュールと、第2の特定モジュールと、グループ化モジュールとを含む。取得モジュールは、時間フィルタリング条件とイベントフィルタリング条件とを含む所定ユーザグループのグループ化条件を取得する。第1の特定モジュールは、時間フィルタリング条件に基づいて、ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定する。第2の特定モジュールは、各ユーザ行為データと、少なくとも1つの目標時間帯の各目標時間帯に基づいて、各ユーザ行為データの各目標時間帯に関する関連データを特定することで、関連データから関連テーブルを構成する。グループ化モジュールは、測定待ち時間とイベントフィルタリング条件に基づいて、関連テーブルから、測定待ち時間に対する目標関連データをフィルタリングすることで、目標関連データに基づき所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定する。
【0006】
本開示の他面は、コンピュータデバイスを提供しており、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されプロセッサによって運行されるコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサが前記プログラムを実行する場合、上記方法を実現する。
【0007】
本開示の他面は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供しており、コンピュータ実行可能な命令が記憶され、前記命令が実行される場合、上記方法を実現する。
【0008】
本開示の他面は、コンピュータプログラムを提供しており、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ実行可能な命令を含み、前記命令が実行される場合、上記方法を実現する。
【0009】
本開示の実施例によるユーザグループ化方法は、各ユーザ行為データの生成後に、グループ化条件における時間フィルタリング条件に従って、当該ユーザ行為データから当該ユーザ行為データに対応する全ての可能な目標時間帯を推算する。各ユーザ行為データと目標時間帯との関連関係に基づき関連テープルを構築し、関連テーブルにおける各関連データは、1つのユーザ行為データと当該ユーザ行為データの1つの目標時間帯との関連関係が上記時間フィルタリング条件を満たすことを表しており、これにより、関連テーブルが上記時間フィルタリング条件を満たす既存の全ての関連データを含むことができる。そして、関連テーブルにおける測定待ち時間及びイベントフィルタリング条件を満たす目標関連データに基づいて、所定ユーザグループの目標ユーザを特定する。上記プロセスは、新しいユーザ行為データが生成されるたびに、当該新しいユーザ行為データに対して実行可能であり、関連技術における目標時間帯の観点から各所定時間帯毎にユーザ行為データベース全体の検索および記憶を行う技術案と比較すれば、本願は、計算リソースおよび記憶スペースを効果的に節約することができる。
【0010】
本開示の実施例に対する図面に基づく説明によって、本開示の上記および他の目的、特徴や利点はより明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の実施例による、ユーザグループ化方法及び装置を適用する例示的なシステムアーキテクチャを概略的に示す。
図2図2は、本開示の実施例によるユーザグループ化方法のフローチャートを概略的に示す。
図3図3は、本開示の別の実施例による、ユーザグループ化方法の例示的なフローチャートを概略的に示す。
図4図4は、本開示の実施例によるユーザグループ化手順の例示的な概略図を概略的に示す。
図5図5は、本開示の実施例によるユーザグループ化装置のブロック図を概略的に示す。
図6図6は本開示の実施例によるコンピュータデバイスのブロック図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。しかしながら、これらの説明は例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものではないことが理解される。以下の詳細な説明では、説明を容易にするために、本開示の実施例の完全な理解のために、多数の具体的な細部が記載される。しかしながら、これらの具体的な細部がなくても1つまたは複数の実施例が実施可能であることは明らかである。また、以下の説明において、本開示の概念を不必要に混乱させないように、公知構造及び技術に対する説明は省略されている。
【0013】
ここで使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定することを意図しない。本明細書で使用される「備える」、「含む」などの用語は、前記特徴、ステップ、操作、および/または素子の存在を示しているが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、または素子の存在または追加を除外しない。
【0014】
ここで使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、別途定義されない限り、当業者によって一般的に理解される意味を有する。ここで使用される用語は、本明細書の文脈と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想的または過度に形式的に解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0015】
「A、B及びC等の少なくとも1つ」のような表現を使用する場合、一般的には、当業者によって通常に理解される意味に解釈されるべきである(例えば、「A、B及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aを単独で有するシステム、Bを単独で有するシステム、Cを単独で有するシステム、A及びBを有するシステム、A及びCを有するシステム、B及びCを有するシステム、及び/またはA、B、Cを有するシステム等を含むが、これらに限定されない)。
【0016】
本開示の実施例は、ユーザグループ化方法、装置、コンピュータデバイス、および媒体を提供している。当該ユーザグループ化方法は、取得プロセスと、第1の特定プロセスと、第2の特定プロセスと、グループ化プロセスと、を含む。取得プロセスにおいて、時間フィルタリング条件とイベントフィルタリング条件とを含む所定ユーザグループのグループ化条件を取得する。そして、第1の特定プロセスを行い、時間フィルタリング条件に基づいて、ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定する。次に、第2の特定プロセスを行い、各ユーザ行為データに対して、当該ユーザ行為データと、当該ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯の各目標時間帯に基づいて、当該各ユーザ行為データの各目標時間帯に関する関連データを特定することで、関連データから関連テーブルを構成する。さらに、グループ化プロセスを行い、測定待ち時間とイベントフィルタリング条件に基づいて、関連テーブルから、測定待ち時間に対する目標関連データをフィルタリングすることで、目標関連データに基づき所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定する。
【0017】
ユーザグループ化とは、ユーザを業務場面のニーズに応じてフィルタリングし、所定のグループ化条件を満たす目標ユーザグループをフィルタリングする過程である。ユーザグループ化結果は、ウェブサイトまたはアプリケーションのユーザグループに関わるユーザ行為分析プロセスに利用可能である。通常、ユーザデータに基づいてユーザグループ化を行い、ユーザデータはユーザ属性データ及びユーザ行為データを含むことが可能である。ユーザ行為データがユーザの動的行為特徴を反映可能であるため、ユーザ行為データに基づくユーザグループ化方案は、リアルタイム性が良く、正確度が高いユーザグループ化結果を取得することができる。
【0018】
図1は、本開示の実施例による、ユーザグループ化方法及び装置を適用可能な例示的なシステムアーキテクチャ100を概略的に示す。図1は、当業者が本開示の技術内容を理解しやすくなるように、本開示の実施例を適用可能なシステムアーキテクチャの例示に過ぎず、本開示の実施例が他の装置、システム、環境又は場面に利用できないことを意味するものではないことに留意されたい。
【0019】
図1に示すように、本実施例によるシステムアーキテクチャ100は、複数の端末装置110、ネットワーク120、及びサーバ130を含むことが可能である。ここで、端末装置110は、例えば、デスクトップ型コンピュータ、携帯型コンピュータ、スマートフォン、タブレット型コンピュータなどの各種類の端末装置であってよく、ここでは限定しない。サーバ130は、例えば、サーバやサーバ群などの一定の計算能力を有する様々な電子デバイスであってよく、ここでは限定しない。
【0020】
端末装置110におけるユーザの操作行為(電子商取引プラットフォームを例とすると、操作行為は、例えば、ログイン行為、ページアクセス行為、商品閲覧行為、商品購入行為、お気に入り商品登録行為などを含む)に応答して、サーバ130は、その操作行為に対するユーザ行為データを行為個別の粒度毎にユーザ行為データベース131に格納することができる。ユーザ行為データベース131は、リレーショナルデータベースであってもよい。ユーザ行為データが多い場合、ユーザ行為データベース131は、大規模な分散データリポジトリを採用してもよい。例示的には、ユーザ行為データベース131は、1つまたは複数のユーザ行為データを含み、ユーザ行為データは、ユーザ識別情報、イベント記述情報、およびイベント発生時間(例えば、発生日および発生時刻を含む)を示す第1の時間情報を含んでもよい。例えば表1に示すようになる。
【0021】
【表1】
【0022】
上述のユーザ行為データベース131におけるユーザ行為データに基づいて、サーバ130は、検索エンジン132を利用して、ユーザ行為データベース131に対してユーザグループ化操作を行い、1つまたは複数のユーザグループを特定することができる。
【0023】
1つの処理方式では、ユーザグループ化を行う際に、観察窓口における各所定の時間帯の観点から、各所定の時間帯に対して、ユーザ行為データベースに対して行き渡り検索を行うことで、測定待ち時間との関係がグループ化条件を満たすユーザ行為データを見つけて記憶する。ただし、観察窓口は、グループ化結果を特定した後、これからグループ化結果に基づいてユーザ行為の分析を行う際に注目する時間帯を表す。観察窓口は、1つまたは複数の所定の時間帯を含み、所定の時間帯は実際のニーズに応じて設定されてもよく、例えば1日、1時間、1週間等であってもよい。グループ化条件は、所定のユーザグループが満たすべき特徴情報を表す。
【0024】
例えば、1日を所定時間帯とする。グループ化条件は、「過去の3日内、商品Aの購入回数が2回以上である」と設定される。観察窓口を、2019年1月10日から2019年1月12日までにする。この処理方式によれば、観察窓口における第1番目の所定時間帯である2019年1月10日に対して、ユーザ識別情報をインデックスとして、イベント発生日が2019年1月7日、2019年1月8日、および2019年1月9日のいずれかであり、かつ、イベント記述情報が上記「商品Aの購入回数が2回以上」を満たすユーザ識別情報をユーザ行為データベースから検索して記憶する必要がある。次に、観察窓口における第2番目の所定時間帯である2019年1月11日に対して、ユーザ識別情報をインデックスとして、イベント発生日が2019年1月8日、2019年1月9日、および2019年1月10日のいずれかであり、かつ、イベント記述情報が上記「商品Aの購入回数が2回以上である」を満たすユーザ識別情報をユーザ行為データベースから検索して記憶する必要がある。次に、観察窓口の第3番目の所定時間帯である2019年1月12日に対して、ユーザ識別情報をインデックスとして、イベント発生日が2019年1月9日、2019年1月10日、および2019年1月11日のいずれかであり、かつ、イベント記述情報が上記「商品Aの購入回数が2回以上である」を満たすユーザ識別情報をユーザ行為データベースから検索して記憶する必要がある。
【0025】
上記の処理方式は、所定時間帯ごとにユーザ行為データベースに対する検索及び記憶というロジックを定例的に一回行う必要があり、多くの計算リソース及び記憶スペースを占用し、柔軟性がよくない。
【0026】
本開示の実施例によれば、ユーザグループ化方法が提供されている。以下、図面によってこの方法を例示的に説明する。以下の方法における各操作の番号は、説明の便宜上、同操作の示しに過ぎず、各操作の実行順序を示すものと見なされるわけではない。特に明記しない限り、同方法は、示された順序に完全に従い実行される必要はない。
【0027】
図2は、本開示の実施例によるユーザグループ化方法のフローチャートを概略的に示しており、当該ユーザグループ化方法は、例えば図1に示すサーバ側で実行可能である。
【0028】
図2に示すように、当該方法は、操作S201~操作S204を含んでもよい。
操作S201において、所定ユーザグループのグループ化条件を取得する。
【0029】
例示的には、所定ユーザグループのグループ化条件は、所定ユーザグループが満たすべき特徴情報を示すためのものである。このグループ化条件に基づいてユーザグループ化が行われ、得られた目標ユーザは、所定ユーザグループに属する。グループ化条件は、時間フィルタリング条件、イベントフィルタリング条件が含まれる。例えば、グループ化条件が「過去の3日内、商品Aの購入回数が2回以上」である場合、当該グループ化条件の時間フィルタリング条件により、過去の3日内が指定され、当該グループ化条件のイベントフィルタリング条件により、商品Aの購入回数が2回以上であることが指定される。ここで、時間フィルタリング条件は、注目するイベント発生時間と測定待ち時間との間の関係を表すためのものであり、イベントフィルタリング条件は、注目するイベントの具体的な情報を記述するためのものである。実際のニーズに応じて、該当するグループ化条件を構成するように時間フィルタリング条件とイベントフィルタリング条件とをそれぞれ設定することができる。時間フィルタリング条件とイベントフィルタリング条件は様々なデータ形式で表現されてよく、例えば、キー値ペア(key-value)の形式で表現される。
【0030】
例えば、サーバは、バックグラウンド端末と通信可能であり、バックグラウンド端末は、条件配置インターフェースを提供可能であり、当該条件配置インターフェースは、条件配置入口を含んでもよい。バックグラウンドユーザは、当該条件配置入口を介してグループ化条件を配置し、条件配置命令をトリガすることができる。バックグラウンド端末は、当該条件配置命令に基づいてグループ化条件を特定してサーバに送信し、サーバに所定ユーザグループのグループ化条件を取得させる。
【0031】
操作S202において、時間フィルタリング条件に基づいて、ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定する。
【0032】
例示的には、ユーザ行為データベースは、例えば、上記の表1に示されるように、ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データは、1回のユーザ操作行為の関連情報を表すためのものである。本開示の実施例によれば、各ユーザ行為データの観点から、時間フィルタリング条件に基づいて各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定する。
【0033】
例えば、一つのユーザ行為データDについて、本操作S202は、時間フィルタリング条件によって表す注目するイベント発生時間と測定待ち時間との間の関係に従って、当該ユーザ行為データDのイベント発生時間を注目するイベント発生時間とし、当該イベント発生時間から全ての可能な測定待ち時間を、当該ユーザ行為データDの少なくとも1つの目標時間帯として推定する。例えば、ユーザ行為データDの目標時間帯がT,T,Tを含むことは、T,T,Tの少なくとも1つを測定待ち時間としてユーザグループ化を行う場合、いずれも当該ユーザ行為データDを注目する必要があることを意味する。一方、T、T、T以外の他の時間を測定待ち時間としてユーザグループ化を行う場合には、当該ユーザ行為データDに着目する必要がない。ユーザ行為データベースにおける他の各ユーザ行為データごとにそれぞれの目標時間帯を特定するプロセスは同様なので、ここで説明を省略する。
【0034】
操作S203において、各ユーザ行為データに対して、当該ユーザ行為データと、当該ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯の各目標時間帯とに基づいて、当該ユーザ行為データの各目標時間帯に関する関連データを特定することで、関連データから関連テーブルを構成する。
【0035】
以上の例を踏まえると、ユーザ行為データDに対して、当該ユーザ行為データDと目標時間帯Tとに基づいて、ユーザ行為データDの目標時間帯Tに関する1つの関連データ(D,T)を特定することができる。同様に、ユーザ行為データDの目標時間帯Tに関する1つの関連性データ(D,T)と、ユーザ行為データDの目標時間帯Tに関する1つの関連性データ(D,T)を特定することができる。他の各ユーザ行為データに対して1つまたは複数の関連データを特定するプロセスは同様である。単一の関連データを粒度として、各ユーザ行為データの関連データから関連テーブルを構成することができる。例示的には、1つの関連データを特定した後、関連テーブルがまだ作成されていない場合、まず、関連テーブルを作成し、当該関連データを関連テーブルに追加する。関連テーブルがすでに存在している場合には、当該関連データをそのまま関連テーブルに追加する。
【0036】
操作S204では、測定待ち時間とイベントフィルタリング条件とに基づいて、関連テーブルから測定待ち時間に対する目標関連データをフィルタリングすることで、目標関連データに基づき所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定する。
【0037】
本開示の実施例によると、同じグループ化条件を用いてユーザグループ化を行う場合、ユーザ行為データの変化特性によって、測定待ち時間が異なり、得られるグループ化結果が異なる。この操作S204では、目標時間が測定待ち時間に属し、且つイベントフィルタリング条件を満たす関連データを、関連テーブルから目標関連データとしてフィルタリングすることができる。例示的には、目標関連データのユーザ識別に基づいて、測定待ち時間に対する予定ユーザグループに属する目標ユーザを特定することができる。
【0038】
本開示の実施例によるユーザグループ化方法として、各ユーザ行為データが生成した後に、グループ化条件における時間フィルタリング条件に従って当該ユーザ行為データから当該ユーザ行為データに対応する全ての可能な目標時間帯を推算することは、当業者であれば理解される。そして、各ユーザ行為データと目標時間帯との関連関係に基づき関連テープルを構築し、関連テーブルにおける各関連データは、1つのユーザ行為データと当該ユーザ行為データの1つの目標時間帯との関連関係が前記時間フィルタリング条件を満たすことを表しており、これにより、関連テーブルが前記時間フィルタリング条件を満たすすべての既存の関連データを含むことができる。そして、関連テーブルにおける測定待ち時間及びイベントフィルタリング条件を満たす目標関連データに基づいて、予定ユーザグループの目標ユーザを特定する。上記のプロセスは、新しいユーザ行為データが生成されるたびに、当該新しいユーザ行為データに対して実行可能であり、関連技術における目標時間帯の観点から各所定時間帯毎にユーザ行為データベース全体の検索および記憶を行う技術案と比較すれば、本願は、計算リソースおよび記憶スペースを効果的に節約することができる。
【0039】
以下、図3を参照して、本開示の実施例によるユーザグループ化方法を例示的に説明する。
【0040】
図3は、本開示の別の実施例による、ユーザグループ化方法の例示的なフローチャートを概略的に示し、当該ユーザグループ化方法は、例えば図1に示すサーバ側で実行され得る。
【0041】
図3に示すように、この方法は、操作S301~操作S306を含んでもよい。
操作S301において、所定ユーザグループのグループ化条件を取得する。上述したように、グループ化条件は、時間フィルタリング条件とイベントフィルタリング条件とを含んでも良い。グループ化条件が変化していない場合、S301の処理は1回だけ実行されてもよい。グループ化条件が変化した場合、操作S301が1回実行される。
【0042】
操作S302において、ユーザ行為データDを取得する。例示的には、この操作S302は、端末装置からのユーザ行為データを取得したり、端末装置からのアップロード情報に基づきユーザ行為データを生成したりしてもよい。ユーザ行為データを取得した後、ユーザ行為データベースに記憶する一方、操作S303を引き続き実行する。本実施例は、ユーザ行為データDを例として説明するが、他の各ユーザ行為データに対して、いずれも次のような操作を行ってもよい。
【0043】
操作S303において、時間フィルタリング条件に基づいてユーザ行為データDの少なくとも1つの目標時間帯を特定する。
【0044】
例えば、ユーザ行為データDは、表2のように表される。ユーザ行為データDは、イベント発生時間(例えば、発生日及び発生時刻を含む)を示す第1の時間情報を含んでもよい。本例では、第1の時間情報は、ユーザ行為データDのイベント発生時間が2019年1月8日11時11分11秒であることを表す。
【0045】
【表2】
【0046】
本開示の一実施例において、時間フィルタリング条件は、前の第1の数分の第1の所定時間帯を示すためのものである。この場合、上記の操作S303において、ユーザ行為データDの少なくとも1つの目標時間帯を特定するプロセスは、ユーザ行為データDのイベント発生時間の直後の第1の数分の所定時間帯における各所定時間帯を、1つの目標時間帯とする。
【0047】
図4は、本開示の実施例によるユーザグループ化手順の例示的な概略図を概略的に示す。図4に示すように、例えば、グループ化条件401の時間フィルタリング条件は、前の3つの所定時間帯を示すものであり、[-3,-1]と表すことができる。1日を所定時間帯とすると、2019年1月8日の直後の3つの所定時間帯としての2019年1月9日(2019年1月8日+1日)、2019年1月10日(2019年1月8日+2日)、および2019年1月11日(2019年1月8日+3日)は、それぞれユーザ行為データD402の3つの目標時間帯403として特定され、{T、T、およびT}として表される。この時間フィルタリング条件において、ユーザ行為データD402はこれら3つの目標時間帯403のユーザグループ化結果に影響を与えることが示されている。本開示の実施例によれば、時間情報は、いずれもタイムスタンプの形態で表現される。
【0048】
本開示の別の実施例では、時間フィルタリング条件は、後の第2の数分の所定時間帯を示すためのものである。上記の操作S303において、ユーザ行為データDの少なくとも1つの目標時間帯を特定する過程は、ユーザ行為データDの発生時間の直前の第2の数分の所定時間帯における各所定時間帯を1つの目標時間帯とすることを含んでもよい。
【0049】
例えば、グループ化条件の時間フィルタリング条件は、後の2つの所定時間帯を示すものであり、[+1,+2]と表すことができる。1日を所定時間帯とすると、2019年1月8日の直前の2つの所定時間帯としての2019年1月7日(2019年1月8日-1日)および2019年1月6日(2019年1月8日-2日)は、それぞれユーザ行為データDの2つの目標時間帯として特定される。この時間フィルタリング条件において、ユーザ行為データDはこの2つの目標時間帯のユーザグループ化結果に影響を与えることを示している。本開示の実施例によるユーザグループ化方法によれば、目標時間帯が未来の時間帯の場合でも、目標時間帯が過去の時間帯の場合でも適用可能であり、グループ化条件の設定に応じて適切に調整可能であり、高い柔軟性を有することが理解される。
【0050】
操作S304において、ユーザ行為データDの少なくとも1つの目標時間帯から有効時間窓口内にある目標時間帯をフィルタリングし、フィルタリングした目標時間帯を更新された少なくとも1つの目標時間帯とする。
【0051】
操作S305において、ユーザ行為データDと、このユーザ行為データDの更新された少なくとも1つの目標時間帯うちの各目標時間帯とに基づいて、関連テーブルを更新する。上記の操作S302~操作S305を繰り返し実行し、関連テーブルを更新していく。
【0052】
例示的には、有効時間窓口は、上記の観察窓口であってもよい。例えば、観察窓口は、2019年1月10日から2019年1月12日までであり、観察窓口外にある目標日は意味がない。したがって、ユーザ行為データDの3つの目標時間帯{T,T,T}(T=2019年1月9日、T=2019年1月10日、T=2019年1月11日)が特定された後、上記3つの目標時間帯のうち観察窓口外にある目標時間帯(つまり、2019年1月9日)を除外することで、更新された2つの目標時間帯{T,T}が得られる。
【0053】
図4に示すように、ユーザ行為データD402と更新された目標時間帯T403から1つの関連データ(D,T)を構成し、ユーザ行為データD402と更新された目標時間帯T403とは、1つの関連データ(D,T)を構成する。関連データに基づいて関連テーブル404を更新することができる。例えば、関連テーブルの一部は表3に示される。
【0054】
【表3】
【0055】
表3から分かるように、1つのユーザ行為データの1つの目標時間帯に関する関連データは、当該ユーザ行為データと、当該目標時間帯を表す第2の時間情報とを含む。表1~表3から分かるように、各ユーザ行為データは、ユーザ識別情報及びイベント記述情報を更に含むことができる。上記の操作S302~操作S305にて取得した各ユーザ行為データに基づき関連テーブルを更新するプロセスにおいて、毎回で1つのユーザ行為データに対して行うため、データ計算量が少ないことがわかる。計算の粒度は、単一のユーザ行為データであるため、計算の柔軟性が高い。また、時間フィルタリング条件や有効時間窓口の制約により、各ユーザ行為データにより得られる関連データは限られているため、記憶スペースの占有も少ない。
【0056】
本開示の実施例によれば、ユーザ行為データDの各目標時間帯に関する関連データを特定する上記プロセスは、当該ユーザ行為データDと、当該ユーザ行為データDの少なくとも1つの目標時間帯{T、T}とに対してデカルト積(Cartesian product)を求めることで、当該ユーザ行為データの各目標時間に関する関連データ{(D、T)、(D、T)}を取得することを含んでも良い。本実施例は、デカルト積の原理に基づいて、関連データを順序対として計算し、各ユーザ行為データに対応する関連データを迅速かつ漏れなく特定することができる。
【0057】
続いて、図3を参照すると、操作S306において、測定待ち時間及びグループ化条件におけるイベントフィルタリング条件に基づき、関連テーブルから測定待ち時間に対する目標関連データをフィルタリングし、目標関連データに基づいて所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定する。
【0058】
本開示の実施例によれば、図4を引き続き参照すると、上記操作S306にて関連テーブルから目標関連データをフィルタリングするプロセスは、関連テーブル404から、目標時間帯が測定待ち時間帯に属し且つイベント記述情報がイベントフィルタリング条件を満たす目標関連データ405をフィルタリングすることを含んでも良い。目標関連データ405をユーザ識別情報に従いグループ化することにより、目標関連データ1、目標関連データ2、……、目標関連データnが得られ、nは2以上の整数である。さらに、各グループの目標関連データ405のユーザ識別情報に基づいて、所定ユーザグループ406に属する目標ユーザを特定する。
【0059】
本開示の実施例によれば、目標時間帯が測定待ち時間帯に属し且つイベント記述情報がイベントフィルタリング条件を満たす目標関連データを関連テーブルからフィルタリングするプロセスは、関連テーブルにおいて、ユーザ識別情報と第2の時間情報とをインデックスとして、ユーザ識別情報が同一であり且つ第2の時間情報が同一である関連データを集計することを含んでもよい。集計された1つの関連データの第2の時間情報とイベント記述情報とがそれぞれ測定待ち時間とイベントフィルタリング条件を満たす場合に、当該関連データを目標関連データとして特定し、当該関連データのユーザ識別情報に基づいて、所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定する。
【0060】
例示的には、イベントフィルタリング条件は、所定商品に対する所定行為の発生回数が所定数値以上であることを示す。この場合、まず、回数パラメータMを予め設置し、回数パラメータを初期値M=0にリセットする。そして、ユーザ識別情報が第1の数値に等しく且つ第2の時間情報が第2の数値に等しい関連データを、関連テーブルから検索する。関連テーブルから検索された各関連データに対して、当該関連データにおけるイベント記述情報が所定商品に対する所定行為を示していると判定された場合には、回数パラメータMの数値を1だけインクリメントする。関連テーブルに対する検索が終了すると、Mの数値は、検索された関連データのイベント記述情報の集計結果を表す。このとき、回数パラメータMの数値が所定数値以上であるか否かを判定する。そうであれば、当該関連データを目標関連データとして特定する。
【0061】
一例では、所定商品は商品Aであり、所定行為は購入行為であり、所定数値は2である。第1の数値は、ユーザ行為データDのユーザ識別情報「10001」であり、第2の数値は、測定待ち時間のタイムスタンプ指示数値であり、測定待ち時間は、2019年1月10日とされている。関連テーブルから検索された各関連データに対して、当該関連データのイベント記述情報が商品Aに対する購入行為を示すと判定された場合には、Mの数値を1だけインクリメントする。関連テーブルに対する検索が終了すると、Mの数値が2以上であるか否かを判定する。そうであれば、検索された関連データが全て測定待ち時間の2019年1月10日に対する目標関連データであると判定し、即ち、ユーザ識別情報「10001」が示すユーザは、所定ユーザグループに属する目標ユーザであると判定する。そうでなければ、検索された関連データが何れも測定待ち時間の2019年1月10日における目標関連データではないと判定する。次に、関連テーブルにおけるすべてのユーザ識別情報の数値を行き渡るまで、上記第1の数値を入れ替えて上記プロセスを繰り返す。
【0062】
別の一例において、グループ化条件の設定により、イベント操作行為を組み合わせるユーザグループをフィルタリングすることもできる。イベントフィルタリング条件は、第1の所定商品に対する第1の所定行為の発生回数が第1の所定数値以上であり、かつ第2の所定商品に対する第2の所定行為の発生回数が第2の所定数値以上であることを示すものである。例えば、第1の所定商品は商品Aであり、第1の所定行為は購入行為であり、第1の所定数値は3である。第2の所定商品は商品Bであり、第2の所定行為は閲覧行為であり、第2の所定数値は2である。目標時間帯が測定待ち時間帯に属し、且つイベント記述情報がイベントのフィルタリング条件を満たす目標関連データを関連テーブルからフィルタリングする上記プロセスは、第1の回数パラメータMおよび第2の回数パラメータNを予め設置することを含んでもよい。第1の回数パラメータMおよび第2の回数パラメータNをそれぞれ初期値0にリセットする。ユーザ識別情報が第1の数値(例えば、「10001」)に等しく、且つ第2の時間情報が第2の数値(例えば、2019年1月10日)に等しい関連データを、関連テーブルから検索する。検索された各関連データに対して、その関連データにおけるイベント記述情報が第1の所定商品に対する第1の所定行為を示すと判定した場合、第1の回数パラメータMの数値を1だけインクリメントする。当該関連データのイベント記述情報が第2の所定商品に対する第2の所定行為を示すと判定した場合、第2の回数パラメータNの数値を1だけインクリメントする。関連テーブルに対する検索が終了すると、第1の回数パラメータMの数値が3以上であり、且つ第2の回数パラメータNの数値が2以上であるか否かを判定する。M≧3且つN≧2であることを満たす場合、検索された関連データが、いずれも測定待ち時間である2019年1月10日に対する目標関連データであると判定し、即ち、ユーザ識別情報「10001」が示すユーザが、所定ユーザグループに属する目標ユーザであると判定する。そうでなければ、検索された関連データが何れも測定待ち時間である2019年1月10日における目標関連データではないと判定する。そして、関連テーブルにおけるすべてのユーザ識別情報の数値を行き渡るまで、上記の第1の数値を入れ替えて上記プロセスを繰り返する。グループ化条件に複数のイベントフィルタ条件が含まれる場合、事前の関連テーブルの構築プロセスに影響を与えず、格納空間の占有量を増大させないことが理解される。
【0063】
本開示の実施例によれば、所定ユーザグループのグループ化条件に複数のサブグループ化条件が含まれる場合、上記各実施例に基づいて、複数のサブグループ化条件に対する複数の関連テーブルを構築し、複数の関連テーブルがサブグループ化条件に満たす目標ユーザ集合を特定することができる。複数の目標ユーザ集合の交差を、所定ユーザグループに属する目標ユーザとして特定する。
【0064】
図5は、本開示の実施例による、ユーザグループ化装置のブロック図を概略的に示す。
図5に示すように、ユーザグループ化装置500は、取得モジュール510、第1の特定モジュール520、第2の特定モジュール530及びグループ化モジュール540を含んでもよい。
【0065】
取得モジュール510は、所定ユーザグループのグループ化条件を取得するためのものであり、グループ化条件は、時間フィルタリング条件及びイベントフィルタリング条件を含む。
【0066】
第1の特定モジュール520は、時間フィルタリング条件に基づいて、ユーザ行為データベースにおける各ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯を特定するためのものである。
【0067】
第2の特定モジュール530は、各ユーザ行為データに対して、当該ユーザ行為データと当該ユーザ行為データの少なくとも1つの目標時間帯における各目標時間帯に基づいて、当該ユーザ行為データの各目標時間帯に関する関連データを特定し、関連データから関連テーブルを構築する。
【0068】
グループ化モジュール540は、測定待ち時間及びイベントフィルタリング条件に基づいて、関連表から測定待ち時間に対する目標関連データをフィルタリングし、目標関連データに基づいて所定ユーザグループに属する目標ユーザを特定する。
【0069】
なお、装置部分の実施例における各モジュール/ユニット/サブユニット等の実施形態、解決した技術課題、実現した機能、及び達成した技術効果は、それぞれ、方法部分の実施例における各対応ステップの実施形態、解決した技術課題、実現した機能、及び達成した技術効果と同一又は類似であり、ここで説明を省略する。
【0070】
本開示の実施例に係るモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちの複数個、またはそのうちの任意の複数の少なくとも部分的機能は、1つのモジュールに実現されることができる。本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちのいずれか1つまたは複数は、複数のモジュールに分割して実現されることができる。本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちのいずれか1つまたは複数は、少なくとも部分的に、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、システムオンチップ、基板上システム、パッケージ上システム、特定用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェア回路として実現されてもよく、または回路を集積またはパッケージ化する他の合理的な任意方式のハードウェアもしくはファームウェアによって実現されてもよく、さらに、ソフトウェア、ハードウェア、およびファームウェアという3つの実現方式のいずれか1つまたは幾つの適切な組み合わせで実現されても良い。あるいは、本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちの1つまたは複数は、少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されてもよく、当該コンピュータプログラムモジュールが実行されると相応的な機能が実現される。
【0071】
例えば、取得モジュール510、第1の特定モジュール520、第2の特定モジュール530、及びグループ化モジュール540のうちの任意の複数を1つのモジュールに合併して実現してもよく、又はその中のいずれか1つのモジュールを複数のモジュールに分割してもよい。あるいは、これらのモジュールのうちの1つまたは複数のモジュールの機能の少なくとも一部は、他のモジュールの機能の少なくとも一部と組み合わされて、1つのモジュールで実現されても良い。本開示の実施例によれば、取得モジュール510、第1の特定モジュール520、第2の特定モジュール530、及びグループ化モジュール540のうちの少なくとも1つは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、システムオンチップ、基板上システム、パッケージ上システム、特定用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェア回路として、少なくとも部分的に実現されてもよく、または、回路を集積もしくはパッケージ化する任意の他の合理的な方式などのハードウェアもしくはファームウェアによって実現されてもよく、さらに、ソフトウェア、ハードウェア、およびファームウェアという3つの実現方式のいずれか1つまたは幾つの適切な組み合わせで実現されても良い。あるいは、取得モジュール510、第1の特定モジュール520、第2の特定モジュール530、及びグループ化モジュール540のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されてもよく、コンピュータプログラムモジュールが実行されると相応的な機能が実現される。
【0072】
図6は、本開示の実施例による、上記方法の実現に適するコンピュータデバイスのブロック図を概略的に示す。図6に示すコンピュータデバイスは一例に過ぎず、本開示の実施例の機能及び使用範囲を制限しない。
【0073】
図6に示されるように、本開示の実施例によるコンピュータデバイス600は、リードオンリーメモリ(ROM)602に記憶されたプログラム、又は記憶部608からランダムアクセスメモリ(RAM)603にロードされたプログラムに従って、様々な適切な動作及び処理を実行することができるプロセッサ601を含む。プロセッサ601は、例えば、汎用マイクロプロセッサ(例えば、CPU)、命令セットプロセッサ、および/または関連チップセット、および/または特定用途向けマイクロプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))などを含んでも良い。プロセッサ601は、キャッシュ用途のためのオンボードメモリも含んでも良い。プロセッサ601は、本開示の実施例による方法フローの異なる動作を実行するための単一の処理ユニット又は複数の処理ユニットを含んでもよい。
【0074】
RAM603には、デバイス600の動作に必要な各種プログラムやデータが記憶される。プロセッサ601、ROM602、及びRAM603は、バス604を介して互いに接続されている。プロセッサ601は、ROM602及び/又はRAM603におけるプログラムを実行することにより、本開示の実施例による方法フローの様々な動作を実行する。なお、前記プログラムは、ROM602およびRAM603以外の1つまたは複数のメモリに記憶されていてもよい。プロセッサ601は、1つまたは複数のメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、本開示の実施例による方法フローの様々な動作を実行することもできる。
【0075】
本開示の実施例によれば、デバイス600は、バス604に接続された入出力(I/O)インタフェース605も含んでも良い。デバイス600は、I/Oインタフェース605に接続された、キーボード、マウス等を含む入力部606と、例えば陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等及びスピーカなどを含む出力部607と、ハードディスク等を含む記憶部608と、例えばLANカード、モデム等のネットワークインタフェースカードを含む通信部609との1つまたは複数を有していてもよい。通信部609は、インターネットなどのネットワークを介して通信処理を行う。ドライブ610は、必要に応じてI/Oインタフェース605に接続される。例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア611は、必要に応じて、ドライブ610に装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部608にインストールされる。
【0076】
本開示の実施例によれば、本開示の実施例に係る方法フローは、コンピュータプログラムとして実現されてもよい。例えば、本開示の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録されたコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を含み、当該コンピュータプログラムは、フローチャートに示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例では、当該コンピュータプログラムが通信部609を介してネットワークからダウンロードされインストールされ、および/またはリムーバブルメディア611からインストールされてもよい。このコンピュータプログラムがプロセッサ601によって実行されると、本開示の実施例のシステムに定義された上記機能を実行する。本開示の実施例によれば、上記システム、デバイス、装置、モジュール、ユニットなどは、コンピュータプログラムモジュールによって実現されることができる。
【0077】
本開示は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供しており、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記実施例に記載されたデバイス/装置/システムに含まれるものであってもよく、デバイス/装置/システムに組み込まれずに独立で存在するものであってもよい。上記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、一つまたは複数のプログラムが記録されており、上記一つまたは複数のプログラムが実行されると、本開示の実施例による方法を実現する。
【0078】
本開示の実施例によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよく、例えば、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、携帯型コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上記の任意の適切な組み合わせを含んでも良いが、これらに限定されない。本開示において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラムを含みまたは記憶する有形媒体であってもよく、当該プログラムは、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用されまたは結合されて使用されてもよい。例えば、本開示の実施例によれば、コンピュータ読取可能記録媒体は、上記ROM602及び/又はRAM603、および/またはROM602及びRAM603以外の1つまたは複数のメモリを含んでも良い。
【0079】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施例によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の実現可能なアーキテクチャ、機能、および操作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、1つのモジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができる。上記モジュール、セグメント、又はコードの一部は、所定の論理機能を実現する実行可能な命令を1つまたは複数含む。注意すべきのは、入れ替えとしての実現において、ブロックに記載される機能が、図面に記載される順序とは異なる順序で生じ得ることにも可能である。例えば、連続して示される2つのブロックは、機能に応じて、実際には、ほぼ並列に実行されてもよく、逆順で実行されてもよい。ブロック図またはフローチャート図の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図のブロックの組合せは、所定の機能または操作を実行するハードウェアに基づく専用システムで実現されてもよく、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せで実現されてもよいことにも留意されたい。
【0080】
当業者は、本開示の各実施例および/または特許請求の範囲に記載された特徴が、たとえこのような組み合わせまたは結合が本開示に明示的に記載されていなくても、様々な組み合わせまたは結合を行ってもよいことが理解される。特に、本開示の様々な実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴は、本開示の精神及び教示から逸脱しない限り、様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができる。これらの組み合わせおよび/または結合はいずれも本開示の範囲に含まれる。
【0081】
以上、本開示の実施例について説明した。しかしながら、これらの実施例は、説明のみを目的とし、本開示の範囲を限定するものではない。以上、各実施例について個別に説明したが、各実施例における各手段を適宜組み合わせて用いることができないと言えない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその同等物によって限定される。本開示の範囲から逸脱することない限り、当業者は、様々な入れ替えや修正を行うことができ、これらの入れ替えや修正はいずれも本開示の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6