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特許7269998電動乗り物システムおよび乗り物を駆動するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】電動乗り物システムおよび乗り物を駆動するための方法
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/40 20100101AFI20230427BHJP
   B62M 7/12 20060101ALI20230427BHJP
   B62J 45/20 20200101ALI20230427BHJP
   B62J 45/41 20200101ALI20230427BHJP
【FI】
B62M6/40
B62M7/12
B62J45/20
B62J45/41
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021117333
(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公開番号】P2022019669
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】63/052,657
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/371,933
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594046167
【氏名又は名称】巨大機械工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】▲ファン▼ 進來
(72)【発明者】
【氏名】許 孝文
(72)【発明者】
【氏名】許 勝賀
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-098227(JP,A)
【文献】特開2014-064423(JP,A)
【文献】特開2013-216176(JP,A)
【文献】特開2011-235883(JP,A)
【文献】特開2012-197038(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0144928(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0370593(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/40
B62M 7/12
B62J 45/20
B62J 45/41
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動乗り物であって、
フレームと、
前記フレームに結合された少なくとも1つの前輪と、
前記フレームに結合された少なくとも1つの後輪と、
前記フレームに結合され、ペダリングを介してユーザが前記電動乗り物と関与するように構成された1つまたは複数のペダルと、
前記1つまたは複数のペダルに結合され、逆起電力信号を生成するように構成された発電機と、
前記発電機に結合され、前記逆起電力信号に関連するペダリングコマンド信号を出力するように構成された整流回路と、
前記整流回路に結合され、前記ペダリングコマンド信号に応答して1つまたは複数の駆動信号を出力するように構成されたコントローラと、
前記少なくとも1つの前輪または前記少なくとも1つの後輪のうちの1つに結合され、前記少なくとも1つの前輪または前記少なくとも1つの後輪のうちの前記1つを駆動するように構成された第1のモータと、
前記第1のモータと結合された第1のドライバであって、前記1つまたは複数の駆動信号に応答して前記第1のモータへの前記第1のドライバの電力出力を調整するように構成された第1のドライバと、
を備える、電動乗り物。
【請求項2】
前記少なくとも1つの前輪または前記少なくとも1つの後輪のうちの他の1つに結合され、前記少なくとも1つの前輪または前記少なくとも1つの後輪のうちの前記他の1つを駆動するように構成された第2のモータと、
前記第2のモータと結合された第2のドライバであって、前記1つまたは複数の駆動信号に応答して前記第2のモータへの前記第2のドライバの電力出力を調整するように構成された第2のドライバと、
をさらに備える、請求項1に記載の電動乗り物。
【請求項3】
前記フレームに結合されたハンドルバーをさらに備え、前記ハンドルバーがブレーキ制御を含み、前記コントローラが、前記ブレーキ制御からのブレーキ信号に応答して前記1つまたは複数の駆動信号を出力するようにさらに構成されている、請求項1または2に記載の電動乗り物。
【請求項4】
前記フレームに結合されたハンドルバーをさらに備え、前記ハンドルバーがシフターを含み、前記コントローラが、前記シフターからのシフト信号に応答して前記1つまたは複数の駆動信号を出力するようにさらに構成されている、
請求項1または2に記載の電動乗り物。
【請求項5】
前記第1のモータが、前記第1のモータの回転角を検出してホールセンサ信号を前記コントローラに出力するように構成されたホールセンサを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の電動乗り物。
【請求項6】
前記コントローラに結合された1つまたは複数のセンサをさらに備え、前記コントローラが、前記1つまたは複数のセンサによって検出された走行データに応答して前記1つまたは複数の駆動信号を出力するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電動乗り物。
【請求項7】
前記走行データは、空気抵抗、風抵抗、ユーザの体重、電動乗り物の重量、現在の傾斜または勾配、前記1つまたは複数のペダル上の前記ユーザの足の位置、ペダリングレート、実効ペダリングパワー、自転車の速度、バッテリーレベルまたはバッテリーヘルスレベル、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項6に記載の電動乗り物。
【請求項8】
前記コントローラに結合された第1の電源ユニットをさらに備え、前記第1の電源ユニットは、
前記発電機と、前記整流回路と、第1の電力貯蔵装置と、を備え、
前記第1の電力貯蔵装置は、前記コントローラに結合され、前記コントローラに出力電流を提供するように構成された、請求項1~7のいずれか一項に記載の電動乗り物。
【請求項9】
前記第1のドライバに結合され、前記第1のドライバにもう1つの出力電流を提供するように構成された第2の電源ユニットをさらに備える、請求項8に記載の電動乗り物。
【請求項10】
前記コントローラからの抵抗コマンド信号に応答して複数のペダリング抵抗レベルを提供するように構成された可変抵抗制御ユニットをさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の電動乗り物。
【請求項11】
乗り物を駆動するための方法であって、
前記乗り物の1つまたは複数のセンサによって、ライダー、ライダーの動き、またはライダーのサイクリングに影響を与える1つもしくは複数の環境要因、の情報を含むデータを検知するステップと、
プロセッサによって、前記1つまたは複数のセンサからの前記データ、前記乗り物のドライブモジュールからのデータ、または乗り物のメモリデバイスもしくは外部データベースからのデータを受信するステップと、
前記プロセッサによって、前記受信したデータの1つまたは複数に基づいて1つまたは複数の計算を実行し、前記乗り物の1つまたは複数のペダルに結合された発電機によって生成された逆起電力信号に関連するペダリングコマンド信号に従い、それに応じて駆動信号を1つまたは複数のドライバに出力するステップと、
前記プロセッサからの前記駆動信号に基づいて、前記1つまたは複数のドライバによって、1つまたは複数のモータを駆動するステップと、
前記1つまたは複数のドライバの駆動に応答して、前記1つまたは複数のモータによって、少なくとも1つの後輪または少なくとも1つの前輪を、前記駆動信号に対応する制御された角速度で回転させるステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記1つまたは複数のドライバを介し、前記逆起電力信号に関連する前記ペダリングコマンド信号、及び前記1つまたは複数のモータによって出力された充電電流に応じて前記1つまたは複数のモータに駆動電流を出力する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記駆動信号を出力するステップは、
ブレーキ制御からのブレーキ信号に応じて前記駆動信号を出力する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記駆動信号を出力するステップは、
シフターからのシフト信号に応じて前記駆動信号を出力する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記乗り物のペダリング抵抗レベルを調整するために、抵抗コマンド信号を可変抵抗制御ユニットへ出力するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
乗り物を駆動するための方法を開始するために前記乗り物のプロセッサによって実行可能な命令のセットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
1つまたは複数のセンサからのデータ、前記乗り物のドライブモジュールからのデータ、または前記乗り物のメモリデバイスもしくは外部データベースからのデータを受信するステップであって、前記データは、ライダー、ライダーの動き、またはライダーのサイクリングに影響を与える1つもしくは複数の環境要因、の情報を含んでいる、ステップと、
前記受信したデータの1つまたは複数に基づいて1つまたは複数の計算を実行し、前記乗り物の1つまたは複数のペダルに結合された発電機によって生成された逆起電力信号に関連するペダリングコマンド信号に従い、それに応じて駆動信号を1つまたは複数のドライバに出力するステップと、
前記プロセッサからの前記駆動信号に基づいて1つまたは複数のモータを駆動するステップであって、前記乗り物の少なくとも1つの後輪または少なくとも1つの前輪が、前記1つまたは複数のドライバの駆動に応答して、前記1つまたは複数のモータによって、前記駆動信号に対応する制御された角速度で回転される、ステップと、
を含む、
非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記命令のセットは、前記プロセッサによって実行可能であり、
前記1つまたは複数のドライバを介し、前記逆起電力信号に関連する前記ペダリングコマンド信号、及び前記1つまたは複数のモータによって出力された充電電流に応じて前記1つまたは複数のモータに駆動電流を出力する、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記命令のセットは、前記駆動信号を出力するために前記プロセッサによって実行可能であり、
前記駆動信号をブレーキ制御からのブレーキ信号に応じて出力する、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記命令のセットは、前記駆動信号を出力するために前記プロセッサによって実行可能であり、
前記駆動信号をシフターからのシフト信号に応じて出力する、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記命令のセットは、前記プロセッサによって、さらに、
前記乗り物のペダリング抵抗レベルを調整するために、抵抗コマンド信号を可変抵抗制御ユニットに出力することを行うために実行可能である、請求項19に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動乗り物、より具体的には、電動自転車および電動自転車を駆動または制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイクリングは、輸送、旅行、レジャー、運動、スポーツ、および競技会など、その様々な役割のために常に人気があった。サイクリングは、利用者、アマチュアライダー、熱烈なライダー、プロのライダーやアスリートなど、幅広い人々を魅了している。たとえば、自転車は多くの都市や地域で輸送とレジャー旅行の両方に広く使用されている。近年、自転車シェアリングおよび関連サービスが普及しており、持続可能で健康的な交通手段やサービスを提供するために、多くのインセンティブ、プログラム、サービスが組織化されている。
【0003】
ほとんどの自転車は、チェーンを使用して後輪を駆動し、ケーブルを使用してさまざまな自転車構成要素を操作または駆動する。シフティング、ブレーキング、ショック、シート調整などの機能は、機械的に駆動または制御されることが多い。同時に、電気的構成要素を配備することに利点がある。部分的または完全な電気構成要素の代替使用は、1つまたは複数の利点をもたらし、それは、設計の選択肢の拡大、設計の柔軟性の拡大、デバイスのユーザフレンドリー化、有線、無線、またはリモート操作の有効化、運用、応答性の向上、信頼性の向上、全体コストまたは修理コストの削減、ライディングまたは競技の柔軟性の提供、ユーザのニーズ、消費者の期待、または市場の需要への対応などの1つまたは複数の考察事項によって推進され得る。たとえば、電気モータを動力源とする自転車は、走行距離、走行時間、走行困難などを延ばし、さまざまな身体レベルまたはスキルレベルのライダーのサイクリング体験を向上させ、および/または市場の需要または魅力を拡大することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ほとんどの自転車は、チェーンを使用して後輪を駆動し、ケーブルを使用してさまざまな自転車構成要素を操作または駆動する。シフティング、ブレーキング、ショック、シート調整などの機能は、機械的に駆動または制御されることが多く、柔軟性に欠ける。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態によれば、電動乗り物が提供される。この電動乗り物は、フレーム、少なくとも1つの前輪、少なくとも1つの後輪、1つまたは複数のペダル、コントローラ、第1のモータ、および第1のドライバを含む。少なくとも1つの前輪がフレームに結合されている。少なくとも1つの後輪がフレームに結合されている。1つまたは複数のペダルがフレームに結合され、ユーザがペダリングを介して電動乗り物を操作できるように構成されている。コントローラが、1つまたは複数のペダルのペダリング動作に応答して1つまたは複数の駆動信号を出力するように構成されている。第1のモータが、少なくとも1つの前輪または少なくとも1つの後輪のうちの1つに結合され、少なくとも1つの前輪または少なくとも1つの後輪のうちの1つを駆動するように構成されている。第1のドライバが、第1のモータと結合され、1つまたは複数の駆動信号に応答して、第1のモータへの第1のドライバの電力出力を調整するように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、乗り物を駆動するための方法が提供される。この方法には、
乗り物の1つまたは複数のセンサによって、ライダーの情報、ライダーの動き、またはライダーのサイクリングに影響を与える1つまたは複数の環境要因などのデータを検知するステップと、プロセッサによって、1つまたは複数のセンサからのデータ、乗り物の駆動モジュールからのデータ、または乗り物のメモリデバイスまたは外部データベースからのデータを受信するステップと、プロセッサによって、受信したデータの1つまたは複数に基づいて、1つまたは複数の計算を実行し、それに応じて駆動信号を1つまたは複数のドライバに出力するステップと、1つまたは複数のドライバによって、プロセッサからの駆動信号に基づいて、1つまたは複数のモータを駆動するステップと、1つまたは複数のドライバの駆動に応答して、1つまたは複数のモータによって、少なくとも1つの後輪または少なくとも1つの前輪を、駆動信号に対応する制御された角速度で回転させるステップと、を含む。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。この非一時的なコンピュータ可読媒体は、乗り物を運転するための方法を開始するために乗り物のプロセッサによって実行可能な一連の命令を格納する。この方法は、乗り物の1つまたは複数のセンサによって、ライダー、ライダーの動き、またはライダーのサイクリングに影響を与える1つまたは複数の環境要因の情報などのデータを検知するステップと、プロセッサによって、1つまたは複数のセンサからのデータ、乗り物のドライブモジュールからのデータ、または乗り物のメモリデバイスまたは外部データベースからのデータを受信するステップと、受信したデータの1つまたは複数に基づいてプロセッサによって1つまたは複数の計算を実行し、それに応じて駆動信号を1つまたは複数のドライバに出力するステップと、プロセッサからの駆動信号に基づいて、1つまたは複数のドライバによって、1つまたは複数のモータを駆動するステップと、1つまたは複数のドライバの駆動に応答して、駆動信号に対応する制御された角速度で、1つまたは複数のモータによって、少なくとも1つの後輪または少なくとも1つの前輪を回転させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
したがって、電動乗り物は、最適化された走行効率、機械的効率、および/または生体力学的効率をもたらすことができる。
【0009】
上記の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、本発明を請求の範囲に記載の範囲に限定するものではないことを理解されたい。
【0010】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、いくつかの例示的な実施形態を示し、対応する説明とともに、本発明による開示の実施形態および関連する原理を説明するための例を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な電動乗り物を示す斜視図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による、電動乗り物の例示的な構成要素または機能ブロックを示すブロック図である。
図3】本発明の他のいくつかの実施形態による、電動乗り物の例示的な構成要素または機能ブロックを示すブロック図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態による、別の例示的な電動乗り物を示す斜視図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態による、図4に示す電動乗り物のハブモータの制御を示すブロック図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態による、図4に示す電動乗り物のハブモータの制御を示すブロック図である。
図7】本発明のいくつかの実施形態による、電動乗り物を駆動するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、添付の図面に示され、本明細書に開示されている例示的な実施形態を詳細に参照する。例示的な実施形態の以下の説明に記載されている実施形態は、本発明に関連する態様に一致するシステムおよび方法の例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0013】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による電動乗り物100を示す斜視図である。図1に示されるように、電動乗り物100は、電動自転車であり得るが、本発明は、自転車に限定されず、他のタイプの乗り物、例えば単輪、三輪、四輪、またはそれより多数の車輪を含む乗り物など、に同様に適用することができる。いくつかの実施形態では、電動乗り物100は、アクチュエートモジュール110、アクチュエートモジュール110に通信可能に結合されたドライブモジュール120、少なくとも1つの後輪130、少なくとも1つの前輪140、ハンドルバー150または方向制御のための装置、電動乗り物100を停止するための1つまたは複数のフロントブレーキ160、ボトムブラケットまたはサポート170、クランクアーム180、およびペダリングのためのペダル190を含む。いくつかの実施形態では、ペダル190は、一方向または両方向に踏むことができる。図1は、電動自転車を示しており、乗り物は、様々なバリエーション、構造、および乗車位置などで実装することができる。例えば、乗り物は、単サイクル、三輪サイクル、四輪サイクル、横臥サイクルなどとして実装することができる。図示の構成要素は、必要に応じて調整、拡大、または削除することができる。
【0014】
アクチュエートモジュール110は、1つまたは複数の内部または外部センサを使用して、ライダーのペダリングを検出し、他の関連する走行状態情報を取得し、それに応じて、1つまたは複数の駆動信号をドライブモジュール120に送信することができる。駆動信号に応答して、ドライブモジュール120は、電動乗り物100の動きを駆動するモータを制御することができる。駆動力は、前方向または後方向であり得、後輪130、前輪140、またはその両方に加えられ得る。ドライブモジュール120の一例として、1つまたは複数のハブモータを、ハブモータ内のギアリングまたはギアの有無にかかわらず、1つまたは複数のホイールと結合することができ、電動乗り物100に可変速度制御を提供するように構成することができる。図1に示される実施形態を含むいくつかの実施形態では、電動乗り物100は、アクチュエートモジュール110といずれかのホイールとの間に機械的駆動または伝達構成要素なしで実施することができる。言い換えれば、チェーンリング、チェーン、ギア、シフト装置などの1つまたは複数の駆動輪に動力を伝達するための機械的構成要素を除去することができる。機械的な駆動/シフト装置のない設計は、軽量化、メンテナンスの削減、低コスト、設計の柔軟性、外観またはスタイルの改善、汎用性など、1つまたは複数の利点を提供することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、ドライブモジュール120はまた、前輪140に、または後輪130と前輪140の両方に配置され、前輪140に結合されたモータまたはハブモータ、または後輪130と前輪140の両方にそれぞれ結合された2つの別個のモータを制御することができる。いくつかの実施形態では、ドライブモジュール120は、有線または無線通信を介してアクチュエートモジュール110に通信可能に結合することができる。無線通信の例には、ANT /ANT+、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、およびUWB(Ultra-Wide Band)が含まれる。
【0016】
図2および図3は、本発明のいくつかの実施形態による、電動乗り物100の構成要素または機能ブロックを示すブロック図である。図2に示されるように、いくつかの実施形態では、アクチュエートモジュール110は、信号伝送回路111、1つまたは複数のセンサ112、メモリデバイス113、プロセッサ114、可変抵抗制御ユニット115、および/または、信号伝送回路111、センサ112、メモリデバイス113、プロセッサ114、および/または可変抵抗制御ユニット115への動作電力を供給するように構成された電源ユニット116を含み得る。図3に示されるように、いくつかの実施形態では、アクチュエートモジュール110は、ボトムブラケット170内またはその近くに配置することができる。代わりに、いくつかの実施形態では、 アクチュエートモジュール110内の構成要素(例えば、1つまたは複数の信号伝送回路111,センサ112、メモリデバイス113、プロセッサ114、可変抵抗制御ユニット115、および電源ユニット116)の全てまたは一部は、ボトムブラケット170内またはその近くに配置することができるが、本発明はそれに限定されない。ドライブモジュール120は、1つまたは複数のドライバ122、ドライバ122と結合された1つまたは複数の対応するモータ124、有線または無線信号を介して対応する信号伝送回路111と通信する信号伝送回路126、およびドライバ122、モータ124、および/または信号伝送回路126に動作電力を供給するように構成された電源ユニット128を含み得る。
【0017】
メモリデバイス113は、本発明の実施形態による動作を実行するためにプロセッサ114によって実行されるソフトウェア命令を格納することができる。例えば、プロセッサ114は、ユーザが乗り物のペダルを踏むと、メモリデバイス113に記憶された一組の命令を実行して、乗り物(例えば、図1および図2図3の電動乗り物100)を駆動する方法を乗り物に実行させるように構成することができ、この点については、以下で詳しく説明される。本明細書に記載の例は例示的なものであり、信号伝送回路111、センサ112、メモリデバイス113、プロセッサ114、および/または可変抵抗制御ユニット115の間の通信を確立する他の手段を使用することもできることを認識されたい。たとえば、ネットワーク環境において、有線か無線かに関係なく、プログラム可能なコード、アプリケーションプログラム、ソフトウェア命令、およびデータベースの一部をリモートコンピューターまたはクラウドサーバーに保存することもできる。命令を実行することにより、プロセッサ114は、センサ112からのデータに基づいて様々な処理または計算を実行することができる。
【0018】
電動乗り物100の動作中に、ライダーがペダルを踏むと、プロセッサ114は、ライダーに関する情報、ライダーの動き、および/またはライダーのサイクリングに影響を与える他の環境要因に関連するデータを受信することができる。例えば、センサ112は、空気抵抗/風抵抗、ライダーおよび/または自転車の重量、現在の傾斜または勾配、ペダル190上のライダーの足の位置、ケイデンス(またはペダリングレート)、ペダリングパワー(または有効ペダリングパワー)、自転車の速度、またはその他の適切なデータのうちの1つまたは複数を検知するように構成された対応するセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、センサ112は、風抵抗センサ、近接センサ(例えば、赤外センサ)、重量センサ、圧力センサ、ケイデンスセンサ、速度センサ、パワーセンサ(例えば、パワーメーター)、画像センサ、位置センサ、モーションセンサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU))、またはアクチュエートモジュール110の物理的および/または電気的特性を検出するための他のセンサ、等のうちの1つまたは複数を含むことができる。センサ112は、電動乗り物100の個別の場所に組み込むか、取り付けることができ、または必要に応じて、電動乗り物100に乗るライダーに取り付けることができる。例えば、モーションセンサは、ライダー装着型IMUとすることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、プロセッサ114は、ドライブモジュール120から、または有線または無線通信を介して外部センサまたはデータベースから、信号伝送回路111を介して関連情報に関連するデータを受信することができる。例えば、プロセッサ114は、無線通信を介してGISデータベースから地理情報システム(GIS)データを受信することができる。さらに、プロセッサ114は、信号伝送回路111および126を介して、モータ124の回転速度またはドライブモジュール120で検知された自転車速度を受信することができる。さらに、プロセッサ114は、メモリデバイス113に格納されたデータを検索することもできる。例えば、メモリデバイス113は、過去のセンサデータ、GISデータ、または他のライダーの個人情報、例えばライダーの体重または個別のライディングの好みなど、を格納することができる。
【0020】
上記の受信データによれば、プロセッサ114は、ライダーの現在のサイクリング状態、および風速および現在の傾斜または勾配などの環境要因に基づいて、電動乗り物100を制御または駆動することができる。したがって、プロセッサ114は、信号伝送回路111および126を介して、対応する駆動信号をドライブモジュール120内のドライバ122に送信して、それに応じてモータ124の回転を加速、減速、または終了させる駆動コマンドを提供することができる。電動乗り物100の制御または駆動は、ソフトウェアで、アルゴリズムで、機械学習で、またはそれらの任意の組み合わせで行うことができる。制御戦略は、異なるライダー、異なるライディング習慣、異なるライディングルートまたは通勤ルート、ペダリングパワーおよび/または速度、バッテリー残量、走行および気象条件などによって変化し得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、可変抵抗制御ユニット115が、有線または無線通信手段を介してプロセッサ114に通信可能に接続され、プロセッサ114の動作によって制御される。可変抵抗制御ユニット115は、電動乗り物の支持構造またはフレームのボトムブラケット170または別の部分と係合または装着することができる。可変抵抗制御ユニット115は、プロセッサ114から受信した1つまたは複数のコマンド信号に基づいて、ペダリングに可変の実効転がり抵抗を提供することができる。したがって、ライダーがペダリングしているとき、可変抵抗制御ユニット115は、ペダリングフィードバックを提供することができ、さまざまなライディング体験をシミュレートまたは実行するように適応フィードバックを調整または制御することができる。
【0022】
例えば、可変抵抗制御ユニット115は、内部磁気固定部材および外部磁気固定部材と、内部磁気固定部材と外部磁気固定部材との間の半硬質磁性回転部材と、導電性コイルを有するヒステリシス抵抗発生モジュールを含み得る。導電性コイルは、プロセッサ114からのコマンド信号および電源ユニット116からの電力を受け取り、内部磁気固定部材および外部磁気固定部材が発生する反対磁気を検知する。したがって、半硬質磁性回転部材は、ヒステリシス効果に応答して、回転時にヒステリシス抵抗を発生させる。
【0023】
いくつかの実施形態では、電源ユニット116は、発電機(例えば、オルタネータ)、該発電機と結合された整流/調整回路(例えば、整流器、DCフィルタ、DC/DCコンバータ、パルス幅変調(PWM)コントローラ、などを含む回路)、および該整流/調整回路と結合された電力貯蔵装置(例えば、バッテリー)を含み得る。
【0024】
ライダーがペダルを踏むと、回転軸に結合された発電機の回転子部が駆動され、それに応じて回転して、その運動により交流電流(AC)を生成する。整流/調整回路は、生成されたAC電力を整流および調整し、整流および調整された電力を電力貯蔵装置に送る。電力貯蔵装置は、アクチュエートモジュール110内の電気構成要素に必要な電力を供給することができる。例えば、電力貯蔵装置は、反対磁気を生成するために可変抵抗制御ユニット115に電力を供給することができる。これにより、ライダーのペダリングで発生した動力を電力に変換して蓄え、自給自足を達成することができる。
【0025】
あるいは、いくつかの実施形態では、電源ユニット116は、自己給電機構を含み得る。例えば、ダイナモまたは他の発電機構は、電動乗り物100のボトムブラケット170および/またはボトムブラケット170内またはその近くに設置されるペダル190と結合することができる。ライダーがペダルを踏むと、ボトムブラケット170およびクランクアーム180の両方における回転運動またはペダリングパワーによって電気が発生され、発生された電気は、アクチュエートモジュール110の電気的構成要素に必要な電力を供給するために、または電源ユニット116のバッテリーに蓄えるために使用することができる。いくつかの実施形態では、電源ユニット116はまた、アクチュエートモジュール110内の異なる電気的構成要素のための電力要件を満たすために、異なる電圧、電流、または他のレベルの電力を出力するように、DC/DCコンバータおよびPWMコントローラなどの1つまたは複数の電力変換回路を含むことができる。
【0026】
ドライブモジュール120では、受信駆動信号に応答して、ドライバ122が、電動乗り物100の前進移動のための対応する駆動コマンドに基づいてモータ124を駆動し、それに応じてモータ124の回転を加速、減速、または終了させるように構成することができる。このメカニズムにより、電動乗り物100は電動乗り物100を操作するための直感的な方法を提供し、その感覚は機械的動力伝達構成要素を備えた自転車のサイクリングのライディング経験と一致する。すなわち、サイクリストがペダル速度を下げ始めると、それに応じてモータ124の回転速度が低下して自転車速度が低下し、サイクリストがペダル速度を上げ始めると、モータ124の回転速度がそれに応じて増加して自転車の速度が増加し、そしてサイクリストがペダリングを停止すると、モータ124の回転速度がゼロになるまで徐々に低下し、自転車が停止するまで自転車の速度が減少し得る。いくつかの他の実施形態では、モータ124の回転への電力も、サイクリストがペダリングを停止したときに遮断され得る。
【0027】
さらに、モータ124および/または対応するセンサ、例えばモータ124またはドライブモジュール120のホイール領域に配置されたホールセンサがモータの回転速度または電動乗り物100の検知自転車速度を信号伝送回路111および126を介してプロセッサ114へフィードバックすることができる。したがって、プロセッサ114は、それに応じてフィードバック制御を実行して、モータ124の回転速度および自転車速度を調整することができる。
【0028】
同様に、いくつかの実施形態では、電源ユニット128は自己給電機構も含み得る。例えば、ダイナモまたは他の発電機構を前輪140に設置することができる。前輪140が回転すると、電気を発生し、ドライブモジュール120の電気構成要素に必要な電力を供給するために使用するか、または電源ユニット128のバッテリーに蓄えることができる。いくつかの実施形態では、電源ユニット128はまた、異なる電気構成要素の電力要件を満たすために、異なる電圧レベルの電力を出力するための1つまたは複数の電力変換回路を含むこともできる。
【0029】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による電動乗り物400を示す斜視図である。図4に示すように、電動乗り物400は電動自転車であり得るが、本発明はそれに限定されない。いくつかの実施形態では、電動乗り物400は、フレーム410、ハンドルバー420、シート430、電子スロットル(「eスロットル」)制御モジュール440、フレームに結合された少なくとも1つの前輪450、フレームに結合された少なくとも1つの後輪460、クランクアームを介してフレームに結合されたペダル470、前輪450に結合された前輪ハブモータ480、および後輪460に結合された後輪ハブモータ490を含む。
【0030】
図4に示されるように、いくつかの実施形態では、フレーム410は、ヘッドチューブ部分、トップチューブ部分、ダウンチューブ部分、シートチューブ部分、シートステー部分、チェーンステー部分、およびフォークを含み得るが、本発明は、これに限定されない。様々な実施形態において、電動乗り物400のフレーム410は、異なる設計を有し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、前輪ハブモータ480および後輪ハブモータ490は、36Vの動作電圧および250Wの定格出力電力および500Wの最大出力電力を有する直接駆動ハブモータによって実装することができる。さらに、前輪ハブモータ480および後輪ハブモータ490の定格出力速度は200RPMで、11.95Nmの定格トルクとすることができる。2.096メートルのタイヤ円周を有する700×23cタイヤ(直径約700mm、タイヤ幅約23mm)の場合、前輪ハブモータ480と後輪ハブモータ490は、国または地域の規制および自転車の分類に従って、約25キロメートル/時間(KPH)の最大自転車速度、または20または28mph、またはその他の速度を提供することができる。上記で提示した動作電圧、定格電力、および他のパラメータは、単なる例示であり、本発明を制限することを意図するものではないことを理解されたい。様々な実施形態において、異なるタイプまたはモデルのハブモータまたはハブまたは他の駆動設計をユーザのニーズ、設計上の考慮事項、および他のファクタに基づいて採用することができる。
【0032】
図4に示すように、ハンドルバー420が、フレーム410のヘッドチューブ部分に結合される。シート430が、フレーム410のシートチューブ部分に結合される。Eスロットル制御モジュール440が、フレーム410のシートチューブ部分とチェーンステーとダウンチューブ部分とにつながるボトムブラケットシェル結合される。ペダル470が、対応するクランクアームを介して電子スロットル制御モジュール440およびフレーム410に結合され、ユーザがペダリングを介して電動乗り物400と連携するように構成されている。前輪450は、フレーム410のフォークによって支持される。後輪460は、フレーム410のシートステー部分およびチェーンステー部分によって支持される。いくつかの実施形態では、電動乗り物400は、チェーンレス電動自転車である。前輪450および後輪460は、それぞれ、ライダーのペダリングに応答する対応する電子制御信号および/またはハンドルバー420に取り付けられた電子シフター(「eシフタ」)および電子ブレーキ(eブレーキ」)に関連する制御信号に従って、前輪ハブモータ480および後輪ハブモータ490によって駆動される。言い換えれば、ハブモータ480および490の回転速度およびバイク速度は、ライダーのペダリングおよびライダーにより実行されるブレーキまたはシフト操作に応答して適切な電気コマンド信号によって制御することができる。
【0033】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による、図4に示す電動自動車400のハブモータ480および490の制御を示すブロック図である。図5に示されるように、eスロットル制御モジュール440は、可変抵抗制御ユニット115および電源ユニット116(それらの例は図2および図3に示されている)、およびモータコントローラ448を含み得る。いくつかの実施形態ではモータコントローラ448は、図2に示されるメモリデバイス113およびプロセッサ114によって実装し得る。図2に示される実施形態と同様に、メモリデバイス113は、開示の実施形態による動作を実行するためにプロセッサ114によって実行されるソフトウェア命令を格納することができる。例えば、プロセッサ114は、メモリデバイス113に記憶された一組の命令を実行し、ユーザが乗り物のペダルを踏むと対応するドライバ122aおよび122bに駆動信号を出力することによって、乗り物(例えば、図4の電動自動車400)を駆動する方法を乗り物に実行させるように構成することができ、これについては、以下で詳細に説明する。
【0034】
特に、図5に示されるように、電源ユニット116は、発電機442(例えば、DCモータ、発電機、またはオルタネータ)、発電機442に結合された整流/調整回路444(例えば、整流器、DCフィルタ、DC/DCコンバータ、パルス幅変調(PWM)コントローラなどを含む回路)、および整流/調整回路444と結合された電力貯蔵装置446(例えば、バッテリ)を含み得る。例えば、発電機442は、500Wの定格出力電力を有する発電機とし得る。電力貯蔵装置446は、36Vの出力電圧および10Ahの定格容量を有する1つまたは複数のリチウム電池パックを含み得るが、本開示はそれに限定されない。ユーザがペダル470をペダリングしているとき、ペダリングによって生成された動力は、発電機442によって機械的エネルギーから電気的エネルギーに変換され得る。したがって、発電機442は、対応する逆起電力信号Emfを整流/調整回路444へ発生するように構成される。
【0035】
整流/調整回路444によって実行された信号処理の後、逆起電力信号Emfに関連付けられたペダリングコマンド信号CS1が、電源ユニット116に結合されたモータコントローラ448に出力される。いくつかの実施形態では、モータコントローラ448はさらに充電制御回路を含んでいる。ペダリング速度が逆起電力信号Emfを誘導し、充電電流I1を生成するのに十分である場合、充電電流I1は、整流/調整回路444によって整流される。それに応じて、モータコントローラ448内の充電制御回路を介して、充電電流Icが電力貯蔵装置446を充電するためにモータコントローラ448から提供される。
【0036】
ペダリングコマンド信号CS1を受信した後、モータコントローラ448は、ペダル470のペダリング動作に応答して、1つまたは複数の駆動信号DS1、DS2を、それぞれ前輪ハブモータ480および後輪ハブモータ490に結合された対応するドライバ122aおよび122bに出力するように構成される。特に、モータコントローラ448は、適切な駆動信号DS1およびDS2を生成するために、閉ループトルク制御回路および/または閉ループ速度制御回路などの1つまたは複数のモータ制御回路を含み得る。ドライバ122aおよび122bは、駆動信号DS1およびDS2を受信し、駆動信号DS1およびDS2に応答して適切な駆動電流Id1、Id2を前輪ハブモータ480および後輪に出力して回転速度を制御するする。したがって、前輪ハブモータ480および後輪ハブモータ490は、それぞれ、駆動電流Id1、Id2に従って前輪450および後輪460を駆動するように構成されている。言い換えれば、ドライバ122aおよび122bは、駆動信号DS1およびDS2に応答して、ハブモータ480および490へのそれらの電力出力をそれぞれ調整するように構成される。いくつかの実施形態では、ハブモータ480および490を駆動するために必要な電力はまた、電力貯蔵装置446によりモータコントローラ448に提供される出力電流Ioによって供給される。
【0037】
図5に示されるように、いくつかの実施形態では、ハブモータ480および490はそれぞれ、ハブモータ480および490の回転角度、例えば0~360度など、を検出するように構成されたホールセンサ482および492を含み、検知された情報はさらなる制御、監視、較正、またはその他の目的のために使用され得る。ホールセンサ482および492からのホールセンサ信号HS1およびHS2は、適切なモータ制御を実行するためにモータコントローラ448に送信される。いくつかの実施形態では、ホールセンサ482および492は、ホールセンサ信号HS1およびHS2信号を送信するために、ANT/ANT+、ブルートゥース、ZigBee、Wi?Fi、および/または超広帯域(UWB)などの有線または無線通信を介してモータコントローラ448に通信可能に結合され得る。さらに、下り坂の走行中、ハブモータ480および490は、発電機として使用し、モータコントローラ448へ充電電流I2およびI3を発生することができる。したがって、モータコントローラ448から、モータコントローラ448内の充電制御回路を介して、電力貯蔵装置446を充電する充電電流Icを供給することができる。
【0038】
例えば、上り坂の走行中、電動乗り物400のハブモータ480および490は駆動モードで動作し、モータとして機能し、傾斜または勾配に応じて、勾配による抵抗および力に打ち勝つために十分なトルクを提供する必要がある。自転車の速度は、電子スロットル制御モジュール440内でペダリングコマンド信号CS1がライダーのペダリングに応答して発生されるとき、ケイデンスおよび現在の傾斜または勾配に基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、駆動電流Id1およびId2を、上り坂の走行中に検出される現在の傾斜または勾配に従って動的に調整し、ハブモータ480および490によって提供されるトルクを増減して、一定の自転車速度を達成するか、または自転車速度を傾斜や勾配に関係なく所定の範囲内に制御することができる。
【0039】
一方、下り坂の走行中は、通常、ペダリングは必要ない。電動乗り物400のハブモータ480および490は、発電機モードで動作し、発電機として機能することができる。駆動電流Id1とId2は、発電機の抵抗力および関連する出力電力を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、駆動電流Id1およびId2を、下り坂の走行中に傾斜または勾配に従って動的に調整し、その結果、ハブモータ480および490の抵抗力を変化させて、安定したまたは制御された自転車速度を達成するか、または自転車速度を勾配や勾配に関係なく、所定の範囲内に制御することができる。下り坂走行中にライダーがペダルを漕ぐと、ハブモータ480および490も駆動モードに戻され、生成されるペダリングコマンド信号CS1に応答してモータとして機能することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、ハンドルバー420は、ブレーキ制御、例えば、電子ブレーキ(eブレーキ)422およびシフター、例えば、電子シフター(eシフター)424を含む。eブレーキ422もモータコントローラ448に電気的に結合され、ユーザがハンドルバー420のブレーキレバーを引くとブレーキ信号CS2を発生するように構成される。いくつかの実施形態では、ブレーキ信号CS2は、ユーザの操作に応答して所望のブレーキ力の量に関連付けられる。eブレーキ422からブレーキ信号CS2を受信した後、モータコントローラ448は、出力される駆動信号DS1およびDS2をそれに応じて調整して、駆動電流Id1、Id2を低減し、したがって自転車の速度を低減するか、または例えば徐々に減速して自転車を停止するように構成される。たとえば、最大ブレーキトルク(60rpmのペダリングケイデンスでの)は約32.5Nmとすることができる。
【0041】
eブレーキ422と同様に、eシフター424もまた、モータコントローラ448に電気的に結合される。Eシフター424は、ユーザがシフターをトリガーすると、対応するシフト信号CS3を発生するように構成され、このシフター424はハンドルバー420を囲むクリックストップを備えたホイール、ハンドルバー420に配置されたシフトレバー、サムシフター等とすることができる。したがって、eシフター424からのシフト信号CS3を受信した後、モータコントローラ448は、出力駆動信号DS1およびDS2を適宜調整して駆動電流Id1、Id2を調整し、ペダリング中の自転車の速度を変更するように構成される。したがって、自転車の速度に対するペダリング力の比率は、ユーザの好みに基づいて調整する、または異なるサイクリングシーンのニーズに合わせて調整することができる。いくつかの実施形態では、eブレーキ422およびeシフター424は、ブレーキ信号CS2およびシフト信号CS3をそれぞれ送信するために、ANT/ANT+、ブルートゥース、ZigBee、Wi-Fi、および/または超広帯域(UWB)などの有線または無線通信を介してモータコントローラ448に通信可能に結合することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、モータコントローラ448はまた、現在の傾斜または勾配に従って自動シフトを実行することができる。例えば、ライダーが下り坂または上り坂を走行している場合、自動シフトを実現するためのシフト基準として、自転車の速度、トルク、ペダリングケイデンスなどの変数を使用することができる。上で説明したように、モータコントローラ448は、現在の傾斜または勾配に従って速度調整を実行することができ、その結果、自転車の速度は、下り坂(または上り坂)の走行中に一定値または所定の範囲内に制御される。あるいは、モータコントローラ448は、モータコントローラ448に結合されたセンサ112によって検出された走行データに応答して駆動信号DS1、DS2を出力するように構成することもできる。上記のように、いくつかの実施形態では、モータコントローラ448はまた、GISデータベースからのGISデータまたは外部データベースからのその他の外部データをワイヤレス通信経由で受信し、それに応じて駆動信号DS1、DS2を出力することもできる。ライディングデータは、空気抵抗/風抵抗、ライダーおよび/または自転車の重量、現在の傾斜または勾配、ペダル上のライダーの足の位置、ケイデンス(またはペダリングレート)、ペダリング力(または有効ペダリングパワー)、自転車の速度、現在のバッテリーレベルまたはバッテリーヘルスレベル、その他の適切なデータ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0043】
さらに、いくつかの実施形態では、モータコントローラ448はさらに、対応する抵抗コマンド信号RSを可変抵抗制御ユニット115に出力して、可変抵抗制御ユニット115によって提供されるペダリング抵抗力を増加または減少させるように構成することができる。可変抵抗制御ユニット115は、対応する抵抗コマンド信号RSに応答して、複数のペダリング抵抗レベル(例えば、0Nmから34Nm)を提供するように構成することができる。したがって、可変抵抗制御ユニット115は、適応フィードバックを提供し、異なる電子シフト構成に応答してライディング体験をシミュレートすることができるが、本開示はそれに限定されない。いくつかの他の実施形態では、ペダリング抵抗力は、異なる電子シフト構成の下で同じままとすることができる。また、ペダリング抵抗力は、センサ112によって検出されたライディングデータ、例えば、現在の傾斜または勾配、ケイデンス(またはペダリング速度)、ペダリング力(または有効ペダリングパワー)、自転車の速度、またはその他の適切なデータ、に基づいて調整することができる。モータコントローラ448は、受信したライディングデータおよび/またはユーザの個人的な好みに従って適切なペダリング抵抗を計算するように構成することができる。同様に、抵抗コマンド信号RSも、有線または無線通信を介して、モータコントローラ448から可変抵抗制御ユニット115に送信することができる。
【0044】
例えば、ユーザは、第1のライディングモード(例えば、シミュレーションモード)を選択して、ユーザが特定のペダリング抵抗を経験できるようにすることができ、これによりユーザは従来の自転車(機械式トランスミッションを含むものまたはモータパワーを含まないもの)のライディングまたはペダリング時に遭遇する力またはそれと同類の力をシミュレートすることができる。この抵抗は、例えば現在のギア、現在の傾斜または勾配、風、およびその他の考慮事項に基づいて変更することもできる。ユーザはまた、第1のライディングモードとは異なる第2のライディングモード(例えば、自動調整モード)を選択またはそのモードに切り替えて、ペダリング抵抗および/または自転車の速度が異なる状況下において同じままになる(または従来の自転車でのサイクリングと比較して小さい変化になる)ようにすることもできる。例えば、いくつかの実施形態では、ハブモータ480および490は、現在の傾斜または勾配および/またはペダリングパワーに関係なく、一定速度または所定の速度範囲内で動作するように制御することもできる。
【0045】
言い換えれば、ユーザがペダリングしている限り、自転車は、電力貯蔵装置446に蓄えられた電気によって駆動され、速度は、モータコントローラ448によって制御され得る。様々な実施形態において、速度は、選択されライディングモードまたはユーザの好みに基づいてカスタマイズされた設定に応じて、センサ112によって検出された1つまたは複数のペダリング速度、1つまたは複数のライディングデータ(例えば、現在の傾斜または勾配、現在のバッテリーレベルなど)、eシフター424によって設定されたシフトレベル、eブレーキ422によって選択されたブレーキレベル、またはそれらの任意の組み合わせによって、決定され得る。
【0046】
いくつかのライディングモードでは、シフトレベルは、センサ112によって検知されたデータまたはGISデータベースからのGISデータに基づいて、モータコントローラ448によって自動的に調整され得る。例えば、センサ112は、電力センサ、ケイデンスセンサ、位置センサ、速度センサ、運動センサ、筋電図センサ、心拍数センサ、圧力センサ、呼吸センサ、慣性測定ユニットセンサ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、ライダーの酸素摂取量、心拍数などの1つまたは複数の生理学的パラメータをサイクリング中に対応するセンサ112によって監視することができる。上述した生理学的パラメータの1つ以上が所与の範囲を超えるか下回るとき、モータコントローラ448は、それに応じてシフトレベルを切り替え、生理学的パラメータが所与の時間内に正常状態に回復するかどうかを監視することができる。例えば、検出された心拍数(または酸素摂取量)が安全値を超える場合、モータコントローラ448は、抵抗コマンド信号RSを可変抵抗制御ユニット115に送信してシフトレベルを調整し、フィードバック力をライダーにかかるペダリング抵抗が低減するように変更することができる。したがって、ライダーは休むことができ、それによって以前の労作から回復することができる。
【0047】
いくつかの他の実施形態では、センサ112は、シート430の上またはその近くに配置され、ライダーの体重を検出するように構成された圧力センサを含み得る。いくつかの他の実施形態では、センサ112は、圧力センサまたはタイヤ圧力センサなどの他のタイプのセンサをさらに含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、電動自転車400の少なくとも1つのタイヤの内部に配置された1つまたは複数のタイヤ空気圧センサは、タイヤ空気圧を測定し、時折またはリアルタイムのデータを提供するように構成することができる。したがって、モータコントローラ448は、駆動電流Id1、Id2の振幅を調整し、ライダーに適した電力出力またはトルクを提供するために、ライダーの体重またはタイヤ空気圧に基づいて対応する駆動信号DS1、DS2を出力することができる。
【0048】
いくつかの他の実施形態では、モータコントローラ448はまた、電動乗り物400を駆動するために、GISデータベースから得られる、または他の外部データに基づくリアルタイムの地理的または他の情報(例えば、道路のリアルタイムの上り坂または下り坂傾斜または勾配)を用いて自動的にまたはユーザ設定または好みに基づいて、シフトモードまたはライディングモードを調整することもできる。あるいは、モータコントローラ448およびモータコントローラ448内のプロセッサ114は、電動乗り物400のセンサ112、電動乗り物400に無線で接続されたリモートまたはクラウドデータベース、またはそれらの任意の組み合わせから得られるサイクリング状態および環境要因(例えば、気象条件および/または現在の傾斜または勾配)に基づいて電動乗り物400を制御または駆動することができる。
【0049】
いくつかの他の実施形態では、モータコントローラ448はまた、走行状態を監視し、現在の傾斜または勾配、自転車の速度、ペダリングケイデンス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数のパラメータが安全値を超えた場合、それに応じてブレーキレベルを調整するか、または出力駆動信号DS1,DS2を調整することによって、eブレーキ422のトリガーなしで(例えば、ブレーキレバーによらずに)プリブレーキ操作を自動的に実行するように構成することもできる。モータコントローラ448はまた、無線通信を介して、サイクリングコンピュータ、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、または他の任意の適切な電子デバイスに警告指示を送信することによって、ブレーキをかけて自転車を減速するようにライダーに気付かせるか通知するように構成することもできる。
【0050】
図6は、本発明の他のいくつかの実施形態による、図4に示される電動乗り物400のハブモータ480および490の制御を示すブロック図である。図5の実施形態と比較して、電動乗り物400は、電源ユニット128aおよび128bを含み得る。いくつかの実施形態では、電源ユニット128aおよび128bは、それぞれ、ハブモータ480および490と結合された整流/調整回路(例えば、整流器、DCフィルタ、DC / DCコンバータ、パルス幅変調(PWM)コントローラなどを含む回路)、および整流/調整回路と結合された電力貯蔵装置(例えば、バッテリー)を含む。ドライバ122a、電源ユニット128a、およびハブモータ480は、全体で、前輪450を駆動するためのドライブモジュール610を形成する。一方、ドライバ122b、電源ユニット128b、およびハブモータ490は、全体で、後輪460を駆動するための別のドライブモジュール620を形成する。
【0051】
いくつかの実施形態では、前輪450または後輪460のうちの一方のみが電気的に制御され、駆動されることを理解されたい。あるいは、いくつかの実施形態では、電動乗り物400は、ドライブモジュール610または620のうちの1つのみを含んでもよい。
【0052】
図6に示されるように、下り坂の走行中に、ハブモータ480(発電機として使用される)によって発生される充電電流I2が電源ユニット128aにフィードバックされて、電源ユニット128a内の電力貯蔵装置を充電することができる。したがって、電源ユニット128aを使用して、ドライブモジュール610内の構成要素が必要とする電力を供給することができ、その結果、ドライバ122aは、駆動電流Id1を出力して、ハブモータ480を適切に駆動することができる。同様に、下り坂の走行中ハブモータ490によって発生される充電電流I3も、電源ユニット128bにフィードバックされ、電源ユニット128b内の電力貯蔵装置を充電して、ドライブモジュール620内の構成要素が必要とする電力を供給することができ、よって、ドライバ122bは、駆動電流Id2を出力して、ハブモータ490を適切に駆動することができる。
【0053】
一方、発電機442によって生成された出力電流I1は、モータコントローラ448を含むe-スロットル制御モジュール440内の構成要素が必要とする電力を供給するために、電力供給ユニット116内の電力貯蔵装置446に帰還され、それを充電することができるため、モータコントローラ448は、受信したコマンド信号CS1、CS2、CS3、ホールセンサ信号HS1、HS2、センサ112からのデータ、GISデータまたは外部データ、あるいはそれらの任意の組み合わせに応答して、駆動信号DS1およびDS2、および/または抵抗コマンド信号RSを出力する動作を実行することができる。図6に示される実施形態では、駆動信号DS1およびDS2は、有線または無線通信を介して対応するドライブモジュール610および620に送信され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、図5および図6に示される電子スロットル制御モジュール440、ドライブモジュール610および620内の構成要素は、電動乗り物400の適切な部分内に配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、可変抵抗制御ユニット115、整流/調整回路444、電力貯蔵装置446、モータコントローラ448、および/またはドライバ122a、122bは、フレーム410のダウンチューブ部分またはシートチューブ部分内に配置することができるが、本開示はそれに限定されない。
【0055】
いくつかの実施形態では、前輪450を駆動するためのドライブモジュール610内の構成要素は、前輪450内または前輪450に隣接して配置され得る。例えば、ドライバ122aおよび電源ユニット128aは、前輪450のハブまたはホイール部分内、またはフレーム410のフォークおよびヘッドチューブの空間内に配置され得る。同様に、後輪460を駆動するためのドライブモジュール620内の構成要素は、後輪460内または後輪460に隣接して配置され得る。例えば、ドライバ122bおよび電源ユニット128bは、後輪460のハブまたはホイール部分内、またはフレーム410のシートステー部分またはチェーンステー部分の空間内に配置され得る。ペダル470の周りのeスロットル制御モジュール440と、前輪450および後輪460の近くのドライブモジュール610および620との間の通信は、各モジュール内の対応する信号送信回路(例えば、図2および図3に示される信号送信回路111および126)を介して上記の様々な無線通信によって達成することができる。
【0056】
図7を参照すると、この図は本発明のいくつかの実施形態による、乗り物を駆動するための例示的な方法700のフローチャートである。方法700は、電動自転車(例えば、図1の電動乗り物100または図4の電動乗り物400)によって実行することができるが、本発明はそれに限定されない。いくつかの実施形態では、プロセッサ114は、メモリデバイス113に格納された命令を実行して、電動乗り物100または400に方法700のステップを実行させるように構成することができる。方法700は、ステップ710~750を含む。
【0057】
ステップ710において、センサ112が、対応するデータをそれぞれ検知してプロセッサ114に提供し、そのデータは、ライダー、ライダーの動き、および/または他の環境要因に関する情報を含む。
【0058】
ステップ720において、プロセッサ114が、センサ112からのデータ、ドライブモジュール120からのデータ、および/またはメモリデバイス113または外部データベースからのデータを受信する。受信したデータには、自転車、ライダーの生理学的パラメータ、ライダーの動き、および/またはライダーのサイクリングに影響を与えるその他の環境要因に関連する情報が含まれ得る。
【0059】
ステップ730において、プロセッサ114が、受信したデータの1つまたは複数に基づいて1つまたは複数の計算を実行し、それに応じて、駆動信号をドライバ(例えば、ドライバ122、122a、および/または122b)に出力する。例えば、いくつかの実施形態では、駆動信号は、乗り物の1つまたは複数のペダル(例えば、図5~6のペダル470)に結合された発電機(例えば、図5~6の発電機442)により発生される逆起電力信号(例えば、図5~6の信号Emf)に関連するペダリングコマンド信号(例えば、図5~6の信号CS1)に従って出力される。
【0060】
いくつかの実施形態では、駆動信号は、ブレーキ制御(例えば、図5図6のeブレーキ422)からのブレーキ信号(例えば、図5~6の信号CS2)に従ってさらに出力される。いくつかの実施形態では、駆動信号は、シフター(例えば、図5図6のeブレーキ422)からのシフト信号(例えば、図5図6の信号CS3)に従ってさらに出力される。
【0061】
いくつかの実施形態では、ステップ730において、駆動信号に加えて、プロセッサ114がまた、1つまたは複数の計算を実行し、抵抗コマンド信号(例えば、図5図6の信号RS)を可変抵抗制御ユニットに出力する。(例えば、図5図6の可変抵抗制御ユニット115)は、乗り物のペダリング抵抗レベルを調整する。例えば、抵抗コマンド信号は、シフターからのシフト信号に関連するものとしても、または現在の勾配または勾配に関連するものとしてもよい。
【0062】
ステップ740において、ドライバ(例えば、ドライバ122、122a、または122b)が、プロセッサ114からの駆動信号に基づいて、モータ(例えば、モータ124、ハブモータ480および/または490)を駆動する。
【0063】
ステップ750において、ドライバの駆動に応答して、モータが、後輪(例えば、図1の後輪130または図4の後輪460)および/または前輪(例えば、図1の前輪140または図4の前輪450)を駆動信号に対応する制御された角速度で駆動する。
【0064】
上記の実施形態に記載の乗り物(例えば、図1図3の電動乗り物100または図4図6の電動乗り物400)を駆動するための方法700を適用することによって、アクチュエートモジュール110(または電子スロットル制御モジュール440)は、様々な内部または外部センサから得られる統合データ、電動乗り物100または400内のメモリデバイス113または他の記憶デバイスからのデータ、および/またはワイヤレス通信を介してアクセス可能なクラウドデータベースからのデータに基づいて、ドライブモジュール120(またはドライブモジュール610、620)の動作を調節および調整することができる。したがって、電動乗り物100または400は、最適化されたライディング効率、機械的効率、および/または生体力学的効率を提供することができる。
【0065】
さらに、電動乗り物100または400はまた、カスタマイズされた調整を提供することによって、ライダーの快適さを改善することができる。さらに、いくつかの実施形態では、機械的力を伝達するためのいくつかの構成要素(例えば、チェーン、フリーホイール、ディレイラーなど)を電動乗り物100または400から除去することができ、自転車の設計に多くの自由度および柔軟性を提供することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、電動乗り物100および400は、チェーンレス電動自転車とし得る。
【0066】
本明細書に記載の様々な例示的な実施形態は、プログラムコードなどのコンピュータ実行可能命令を含む一時的または非一時的なコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品によって一態様で実施され得る方法のステップまたはプロセスの一般的な文脈で説明されている。非一時的媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、または他の任意の磁気データ記憶媒体、CD-ROM、他の任意の光学データ記憶媒体、孔パターンを持つ物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROMまたはその他のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ、その他のメモリチップまたはカートリッジ、およびそれらのネットワークバージョンが含まれる。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実施したりするルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。コンピュータ実行可能命令、関連するデータ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書に開示した方法のステップを実行するプログラムコードの例を示す。コンピュータ可読媒体は、上記の乗り物を運転するための方法を開始するために、乗り物の1つまたは複数のプロセッサによって実行可能な一連の命令を格納することができる。そのような実行可能命令または関連するデータ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップまたはプロセスで説明した機能を実施するための対応するアクトの例を示す。
【0067】
本明細書で使用される場合、「または」という用語は、実行不可能な場合を除いて、すべての可能な組み合わせを包含する。例えば、デバイス、構造、またはモジュールがAまたはBを含み得ると述べられている場合、特に明記しない限り、または実行不可能でない限り、デバイス、構造、またはモジュールは、A、またはB、またはAとBを含み得る。第2の例は、デバイス、構造、またはモジュールがA、B、またはCを含み得ると述べられている場合、特に明記しない限り、または実行不可能でない限り、それはA、またはB、またはC、またはAとB、またはAとC、またはBとC、またはAとBとCを含み得る。
【0068】
上記の実施形態は、さらに次項で表現することができる。
1.電動乗り物であり、
フレームと、
前記フレームに結合された少なくとも1つの前輪と、
前記フレームに結合された少なくとも1つの後輪と、
前記フレームに結合され、ペダリングを介してユーザが前記電動乗り物と関与するように構成された1つまたは複数のペダルと、
前記1つまたは複数のペダルのペダリング動作に応答して1つまたは複数の駆動信号を出力するように構成されたコントローラと、
前記少なくとも1つの前輪または前記少なくとも1つの後輪のうちの1つに結合され、前記少なくとも1つの前輪または前記少なくとも1つの後輪のうちの前記1つを駆動するように構成された第1のモータと、
前記第1のモータと結合された第1のドライバであって、前記第1の駆動信号に応答して前記第1のモータへの第1のドライバの電力出力を調整するように構成された第1のドライバと、
を備える。
2.項1の電動乗り物は、さらに、
前記少なくとも1つの前輪または前記少なくとも1つの後輪のうちの他の1つに結合され、前記少なくとも1つの前輪または前記少なくとも1つの後輪のうちの前記他の1つを駆動するように構成された第2のモータと、
前記第2のモータと結合された第2のドライバであって、前記1つまたは複数の駆動信号に応答して前記第2のモータへの第2のドライバの電力出力を調整するように構成された第2のドライバと、
を備える。
3.項1または項2の電動乗り物は、さらに、
前記フレームに結合されたハンドルバーを備え、前記ハンドルバーがブレーキ制御を含み、前記コントローラが、前記ブレーキ制御からのブレーキ信号に応答して前記1つまたは複数の駆動信号を出力するようにさらに構成されている。
4.項1~3のいずれかの電動乗り物は、さらに、
前記フレームに結合されたハンドルバーを備え、前記ハンドルバーがシフターを含み、前記コントローラが、前記シフターからのシフト信号に応答して前記1つまたは複数の駆動信号を出力するように構成されている。
5.項1~4のいずれかの電動乗り物は、
前記第1のモータが、前記第1のモータの回転角を検出してホールセンサ信号を前記コントローラに出力するように構成されたホールセンサを備える。
6.項1~4のいずれかの電動乗り物は、さらに、
前記コントローラに結合された1つまたは複数のセンサをさらに備え、前記コントローラが、前記1つまたは複数のセンサによって検出された走行データに応答して前記1つまたは複数の駆動信号を出力するように構成されている。
7.項6の電動乗り物は、前記走行データが、空気抵抗、風抵抗、ユーザの体重、電動乗り物の重量、現在の傾斜または勾配、前記1つまたは複数のペダル上のユーザの足の位置、ペダリングレート、実効ペダリングパワー、自転車の速度、バッテリーレベルまたはバッテリーヘルスレベル、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
8.項1~7のいずれかの電動乗り物は、さらに、
前記コントローラに結合された第1の電源ユニットを備え、前記第1の電源ユニットは、
前記1つまたは複数のペダルに結合され、逆起電力信号を生成するように構成された発電機と、
前記発電機に結合され、前記逆起電力信号に関連するペダリングコマンド信号を前記コントローラに出力するように構成された整流回路と、
前記コントローラに結合され、前記コントローラに出力電流を提供するように構成された第1の電力貯蔵装置と、
を備える。
9.項8の電動乗り物は、さらに、
前記第1のドライバに結合され、前記第1のドライバに出力電流を提供するように構成された第2の電源ユニットを備える。
10.項1~9のいずれかの電動乗り物は、さらに、
前記コントローラからの抵抗コマンド信号に応答して複数のペダリング抵抗レベルを提供するように構成された可変抵抗制御ユニットを備える。
11.乗り物を駆動するための方法であり、
前記乗り物の1つまたは複数のセンサによって、ライダー、ライダーの動き、またはライダーのサイクリングに影響を与える1つまたは複数の環境要因の情報を含むデータを検知するステップ、
プロセッサによって、前記1つまたは複数のセンサからのデータ、前記乗り物のドライブモジュールからのデータ、または前記乗り物のメモリデバイスまたは外部データベースからのデータを受信するステップ、
前記プロセッサによって、前記受信したデータの1つまたは複数に基づいて1つまたは複数の計算を実行し、それに応じて駆動信号を1つまたは複数のドライバに出力するステップ、
前記プロセッサからの駆動信号に基づいて、前記1つまたは複数のドライバによって、1つまたは複数のモータを駆動するステップ、および
前記1つまたは複数のドライバの駆動に応答して、前記1つまたは複数のモータによって、少なくとも1つの後輪または少なくとも1つの前輪を、前記駆動信号に対応する制御された角速度で回転させるステップ、
を含む。
12.項11の方法において、前記駆動信号を出力するステップは、
前記乗り物の1つまたは複数のペダルに結合された発電機によって生成された逆起電力信号に関連するペダリングコマンド信号に応じて前記駆動信号を出力する。
13.項11または項12の方法において、前記駆動信号を出力ステップは、
ブレーキ制御からのブレーキ信号に応じて前記駆動信号を出力する。
14.項11~13のいずれかの方法において、前記駆動信号を出力するステップは、
シフターからのシフト信号に応じて前記駆動信号を出力する。
15.項14の方法は、さらに、
前記乗り物のペダリング抵抗レベルを調整するために、抵抗コマンド信号を可変抵抗制御ユニットに出力するステップを含む。
16.乗り物を駆動する方法を開始するために乗り物のプロセッサにより実行可能な命令のセットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であり、前記方法は、
1つまたは複数のセンサからのデータ、前記乗り物のドライブモジュールからのデータ、または前記乗り物のメモリデバイスまたは外部データベースからのデータを受信するステップで、前記データは、ライダー、ライダーの動き、またはライダーのサイクリングに影響を与える1つまたは複数の環境要因を含んでいる、ステップと、
前記受信したデータの1つまたは複数に基づいて1つまたは複数の計算を実行し、それに応じて駆動信号を1つまたは複数のドライバに出力するステップと、
前記プロセッサからの前記駆動信号に基づいて1つまたは複数のモータを駆動するステップで、前記乗り物の少なくとも1つの後輪または少なくとも1つの前輪が、前記1つまたは複数のドライバの駆動に応答して、前記1つまたは複数のモータによって、前記駆動信号に対応する制御された角速度で回転される、ステップと、
を含む。
17.項16の非一時的なコンピュータ可読媒体において、前記命令のセットは、前記駆動信号を出力するために前記プロセッサによって実行可能であり、
前記乗り物の1つまたは複数のペダルに結合された発電機によって生成される逆起電力信号に関連するペダリングコマンド信号に応じて前記駆動信号を出力する。
18.項16または項17の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記命令のセットは、前記駆動信号を出力するために前記プロセッサによって実行可能であり、
ブレーキ制御からのブレーキ信号に応じて前記駆動信号を出力する。
19.項16~18のいずれかに記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記命令のセットは、前記駆動信号を出力するために前記プロセッサによって実行可能であり、
シフターからのシフト信号に応じて前記駆動信号を出力する。
20.項19の非一時的なコンピュータ可動媒体において、
前記命令のセットは、前記プロセッサによって、さらに、
前記乗り物のペダリング抵抗レベルを調整するために抵抗コマンド信号を可変抵抗制御ユニットに出力することをさらに行うために実行可能である。
【0069】
図面および明細書において、例示的な実施形態を開示した。開示のシステムおよび関連する方法に様々な修正および変更を行うことができることは当業者に明らかであろう。開示のシステムおよび関連する方法の仕様および実施を考慮することにより他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。明細書および実施例は例示としてのみ考慮されることが意図されており、本発明の真の範囲は以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物によって示される。
【符号の説明】
【0070】
100:電動乗り物
110:アクチュエートモジュール
111:信号伝送回路
112:センサ
113:メモリデバイス
114:プロセッサ
115:可変抵抗制御ユニット
116:電源ユニット
120:ドライブモジュール
122、122a、122b:ドライバ
124:モータ
126:信号伝送回路
128、128a、128b:電源ユニット
130:後輪
140:前輪
150:ハンドルバー
160:フロントブレーキ
170:ボトムブラケットまたはサポート
180:クランクアーム
190:ペダル
400:電動乗り物
410:フレーム
420:ハンドルバー
422:電子ブレーキ
424:電子シフター
430:シート
440:e-スロットルコントロールモジュール
442:発電機
444:整流/調整回路
446:電力貯蔵装置
448:モータコントローラ
450:前輪
460:後輪
470:ペダル
480、490:ハブモータ
482、492:ホールセンサ
610、620:ドライブモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7