(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームプログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230427BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20230427BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20230427BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/30
A63F13/45
A63F13/69 510
(21)【出願番号】P 2021126462
(22)【出願日】2021-08-02
【審査請求日】2021-09-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2020年9月7日、出願人株式会社プラチナエッグが運営するウェブサイトにて、発明者浅山和花奈及び竹村也哉が発明したゲームプログラムについて公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】521340090
【氏名又は名称】株式会社プラチナエッグ
(74)【代理人】
【識別番号】100160912
【氏名又は名称】大谷 寛
(72)【発明者】
【氏名】浅山和花奈
(72)【発明者】
【氏名】竹村也哉
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-153252(JP,A)
【文献】特開2016-029957(JP,A)
【文献】特開2020-000767(JP,A)
【文献】特開2016-049129(JP,A)
【文献】Bros,マインクラフト MINECRAFT,電撃PlayStation 第21巻 第17号 ,株式会社KADOKAWA,第21巻
【文献】マインクラフト MINECRAFT PLAYSTATION VITA EDITION,デンゲキバズーカ!! 第2巻 第7号 DENGEKI BAZOOKA!!,株式会社KADOKAWA,2015年05月21日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してサーバにアクセス可能な複数のユーザ端末で実行可能なゲームを提供するゲームシステムにおいて、
ユーザが前記ユーザ端末を介してオーナーとしてゲーム内で所有する仮想上の所有物上
で発生する
イベントであって他のユーザが前記ユーザ端末を介してプレイヤとして参加する前記ゲーム内のイベントを作成するイベント作成部と、
該イベント作成部で作成した前記イベントに参加した前記プレイヤが、該プレイヤが保有していたゲーム内で使用可能なゲーム内通貨を用いて前記イベントで予め設定された条件を達成した場合に前記オーナーに仮想通貨と交換可能な権利を付与する
とともに前記プレイヤが前記イベントで予め設定された前記条件を達成した場合に前記イベントに参加した前記プレイヤに賞金を分配するイベント処理部と、
前記プレイヤから前記ゲームに対するドネーションを受け付け、受け付けた前記ドネーションを前記賞金に配布するドネーション処理部と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記イベントは、
前記所有
物の前記オーナーによって前記ユーザ端末を介して作成されるイベントを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記イベントは、
前記所有
物に配置されるキャラクタと対戦する対戦型イベントである、ことを特徴とする請求項1
または2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ドネーション処理部は、
受け付けた前記ドネーションに基づいて前記ゲーム内で使用可能なアイテムに関する特典を前記プレイヤに無作為で付与する、ことを特徴とする請求項
1~3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
ネットワークを介してサーバにアクセス可能な複数のユーザ端末で実行可能なゲームを実行させるゲームプログラムにおいて、
前記サーバを、
ユーザが前記ユーザ端末を介してオーナーとしてゲーム内で所有する仮想上の所有物上
で発生する
イベントであって他のユーザが前記ユーザ端末を介してプレイヤとして参加する前記ゲーム内のイベントを作成するイベント作成
部、
該イベント作成部で作成した前記イベントに参加した前記プレイヤが、該プレイヤが保有していたゲーム内で使用可能なゲーム内通貨を用いて前記イベントで予め設定された条件を達成した場合に前記オーナーに仮想通貨と交換可能な権利を付与する
とともに前記プレイヤが前記イベントで予め設定された前記条件を達成した場合に前記イベントに参加した前記プレイヤに賞金を分配するイベント処理
部、
前記プレイヤから前記ゲームに対するドネーションを受け付け、受け付けた前記ドネーションを前記賞金に配布するドネーション処理部、
として機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
ネットワークを介してサーバにアクセス可能な複数のユーザ端末でゲームを実行する情報処理方法において、
前記サーバが、
ユーザが前記ユーザ端末を介してオーナーとしてゲーム内で所有する仮想上の所有物上
で発生する
イベントであって他のユーザが前記ユーザ端末を介してプレイヤとして参加する前記ゲーム内のイベントを作成し、
作成した前記イベントに参加した前記プレイヤが、該プレイヤが保有していたゲーム内で使用可能なゲーム内通貨を用いて前記イベントで予め設定された条件を達成した場合に前記オーナーに仮想通貨と交換可能な権利を付与する
とともに前記プレイヤが前記イベントで予め設定された前記条件を達成した場合に前記イベントに参加した前記プレイヤに賞金を分配し、
前記プレイヤから前記ゲームに対するドネーションを受け付け、受け付けた前記ドネーションを前記賞金に配布する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲームプログラム及び情報処理方法、特に、ネットワークを介してサーバにアクセス可能な複数のユーザ端末で実行可能なゲームを提供するゲームシステム、ゲームプログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介してサーバにアクセス可能なスマートフォンやゲーム端末等のプレイヤ端末で実行可能なゲームが提供されている。この種のゲームでは、予め設定された条件や基準等をクリアすることによって、仮想通貨を取得することができるものが存在している。
【0003】
特許文献1には、ゲーム内の仮想空間として生成されるカジノエリアにおいて、カジノゲームで勝利した場合に仮想通貨を取得することができ、取得した仮想通貨を用いてゲーム内で使用可能な任意のアイテムと交換することができるゲームシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、任意の条件等をクリアすることによって仮想通貨を取得することができる上記の特許文献1のゲームシステムのように、ゲームに参加するユーザの中には、多くの仮想通貨を効率的に取得したいという意思に基づいてゲームに参加するユーザが存在する。
【0006】
その一方で、仮想通貨の取得以上に、例えば他のユーザとの交流によってゲーム自体を楽しみたいというゲーム性を求めてゲームに参加するユーザも存在するし、あるいはそのいずれをも求めてゲームに参加するユーザも存在するという実情がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、仮想通貨の取得及びゲーム性のいずれについての興趣をも向上させることができるゲームシステム、ゲームプログラム及び情報処理方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するための本発明に係るゲームシステムは、ネットワークを介してサーバにアクセス可能な複数のユーザ端末で実行可能なゲームを提供するゲームシステムにおいて、ユーザがユーザ端末を介してオーナーとしてゲーム内で所有する仮想上の所有物上で土地において発生するとともにユーザがユーザ端末を介してプレイヤとして参加するゲーム内のイベントを作成するイベント作成部と、イベント作成部で作成したイベントに参加したプレイヤが、プレイヤが保有していたゲーム内で使用可能なゲーム内通貨を用いてイベントで予め設定された条件を達成した場合にオーナーに仮想通貨と交換可能な権利を付与するイベント処理部と、を備えることを特徴としている。
【0009】
これによれば、仮想上の所有物土地のオーナーとしてゲームに関与するユーザがイベント作成部で作成したイベントにユーザがプレイヤとして参加して、プレイヤがゲーム内通貨を使用してイベントで予め設定された条件を達成すると、オーナーには仮想通貨と交換可能な権利が付与されることから、ゲームを通した仮想通貨の取得に対する興趣が向上する。
【0010】
一方、プレイヤは、オーナーがイベント作成部で作成したイベントに参加することによって、他のユーザが作成したイベントに興じることができることから、ゲーム性についての興趣が向上する。
【0011】
したがって、仮想通貨の取得及びゲーム性のいずれについてのユーザの興趣を向上させることができる。
【0012】
このゲームシステムのイベント処理部は、プレイヤがイベントで予め設定された条件を達成した場合にイベントに参加したプレイヤに賞金を分配することを特徴としている。
【0013】
さらに、イベントは、所有物土地のオーナーによってユーザ端末を介して作成されるイベントを含むことを特徴とするものであってもよいし、所有物土地に配置されるキャラクタと対戦する対戦型イベントであることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
ゲームシステムは、プレイヤからゲームに対するドネーションを受け付け、受け付けたドネーションを賞金に配布するドネーション処理部を備えることを特徴としている。
【0015】
さらに、ドネーション処理部は、受け付けたドネーションに基づいてゲーム内で使用可能なアイテムに関する特典をプレイヤに無作為で付与することを特徴としている。
【0016】
上記課題を達成するための本発明に係るゲームプログラムは、ネットワークを介してサーバにアクセス可能な複数のユーザ端末で実行可能なゲームを実行させるゲームプログラムにおいて、サーバを、ユーザがユーザ端末を介してオーナーとしてゲーム内で所有する仮想上の所有物上で土地において発生するとともにユーザがユーザ端末を介してプレイヤとして参加するゲーム内のイベントを作成するイベント作成部と、イベント作成部で作成したイベントに参加したプレイヤが、プレイヤが保有していたゲーム内で使用可能なゲーム内通貨を用いてイベントで予め設定された条件を達成した場合にオーナーに仮想通貨と交換可能な権利を付与するイベント処理部として機能させることを特徴としている。
【0017】
上記課題を達成するための本発明に係る情報処理方法は、ネットワークを介してサーバにアクセス可能な複数のユーザ端末でゲームを実行する情報処理方法において、サーバが、ユーザがユーザ端末を介してオーナーとしてゲーム内で所有する仮想上の所有物上で土地において発生するとともにユーザがユーザ端末を介してプレイヤとして参加するゲーム内のイベントを作成し、イベント作成部で作成したイベントに参加したプレイヤが、プレイヤが保有していたゲーム内で使用可能なゲーム内通貨を用いてイベントで予め設定された条件を達成した場合にオーナーに仮想通貨と交換可能な権利を付与することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、仮想通貨の取得及びゲーム性のいずれについてのユーザの興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態に係るゲームシステムの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図2】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムのサーバの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図3】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムのサーバのストレージの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図4】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムで処理されるゲーム情報の構成の概略を説明するブロック図である。
【
図5】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムで処理されるゲーム情報に含まれるゲームデータの概略を説明する図である。
【
図6】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムの情報処理プログラムのゲーム処理部の処理の概略を説明する図である。
【
図7】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムの情報処理プログラムのイベント作成部の処理の概略を説明するフローチャートである。
【
図8】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムでイベントを実行した際に、ユーザ端末に表示されるイベントの画面インターフェースの一例を示す図である。
【
図9】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムの情報処理プログラムのイベント処理部の処理の概略を説明するフローチャートである。
【
図10】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムの情報処理プログラムのドネーション処理部の処理の概略を説明するブロック図である。
【
図11】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムのユーザ端末の構成の概略を説明するブロック図である。
【
図12】同じく、本実施の形態に係るゲームシステムの処理の概略を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、
図1~
図12に基づいて、本発明の実施の形態に係るゲームシステムについて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係るゲームシステムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ゲームシステム10は、サーバ20及び複数のユーザ端末30a~30nを主要構成として備え、これらがインターネット網等のネットワーク100を介して互いにアクセス可能に接続される。
【0022】
サーバ20は、本実施の形態では、ゲームシステム10でゲームを提供する事業者1に配備され、ユーザ端末30a~30nは、事業者1が提供するゲームを利用する複数のユーザ2a~2nに保有される。
【0023】
ゲームシステム10で事業者1が提供するゲームは、画像、動画、音声等のオブジェクトの生成を主な目的とするゲームであって、例えば、対戦ゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、野球ゲーム、サッカーゲーム、その他スポーツゲーム、クイズゲーム、ピンボールゲーム、カードゲーム、リズムゲーム、RPG(ロールプレイングゲーム)、位置情報ゲーム、ボードゲーム、アドベンチャーゲーム、カジノゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、レーシングゲーム等であってよい。
【0024】
なお、本実施の形態では、事業者1が提供するゲームが、ロールプレイング型のゲームである場合を想定して説明する。
【0025】
この場合、ユーザ2a~2nは、後述するゲーム内の仮想領域上の仮想的な所有物である仮想上の土地を所有するオーナーOである場合がある一方、ゲームに興じるプレイヤPでもある場合があり、あるいはオーナーO及びプレイヤPのいずれにも該当する場合がある。
【0026】
次に、本実施の形態のゲームシステム10の各部の具体的な構成について説明する。
【0027】
サーバ20は、本実施の形態では、デスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0028】
図2は、サーバ20の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、送受信部24、及び入出力部25を備え、これらが互いにバス26を介して電気的に接続される。
【0029】
プロセッサ21は、サーバ20の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0030】
このプロセッサ21は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ23に格納されてメモリ22に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0031】
メモリ22は、本実施の形態では、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置で実装される。
【0032】
このメモリ22は、プロセッサ21の作業領域として使用される一方、サーバ20の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0033】
ストレージ23は、プログラムや各種の処理に用いられる情報等が格納されている。このストレージ23の構成については、後述する。
【0034】
送受信部24は、サーバ20をネットワーク100に接続する。この送受信部24は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0035】
入出力部25は、キーボードやマウス、あるいはディスプレイ等の入出力機器が接続されるインターフェースである。
【0036】
バス26は、接続したプロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、送受信部24及び入出力部25の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0037】
図3は、ストレージ23の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ストレージ23は、本実施の形態では、データベース40及びゲームプログラムである情報処理プログラム41を備える。
【0038】
データベース40は、ストレージ23の提供する記憶領域として実現され、本実施の形態では、ゲーム情報D1が格納される。
【0039】
図4は、ゲーム情報D1の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ゲーム情報D1は、ゲームデータd1a、イベントデータd1b、オーナーデータd1c及びプレイヤデータd1dを備える。
【0040】
ゲームデータd1aは、本実施の形態では、ゲームに登場するキャラクタやアイテムあるいはゲーム内通貨、ゲームの舞台環境や背景画像等、ゲームの種類に応じたゲームの設定に関するデータによって構成され、例えば、対戦ゲームである場合は、ステージのIDに関連づけられたステージ名等が含まれる。
【0041】
ゲームデータd1aを構成するキャラクタは、本実施の形態では、ユーザ2a~2nがユーザ端末30a~30nを介して操作することによってゲーム内で行動するキャラクタ、ユーザ2a~2nの仲間となるキャラクタ、あるいはユーザ2a~2nと対戦する敵のキャラクタ等が含まれる。
【0042】
図5は、ゲームデータd1aを構成するアイテム及びゲーム内通貨であるダイヤの概略を説明する図である。図示のように、アイテムIは、本実施の形態では、剣、盾あるいは杖等の武器やツール等によって構成され、ゲーム内のショップで購入したり、イベントのクリアによって付与されたりすることによって、プレイヤPに保有される。
【0043】
ダイヤSは、本実施の形態では、ゲーム内のショップでアイテムIを購入したり、イベントをクリアする際に使用されたりする等といった、ゲーム内で使用可能なゲーム内通貨であって、例えばイベントのクリアによって付与されてプレイヤPに保有される。
【0044】
イベントデータd1bは、プレイヤPが実行するトライアル(例えば敵のキャラクタとの対戦等)が設定された任意のイベントを生成するデータであって、本実施の形態では、ユーザ端末30a~30nを介してオーナーOによって各種のデータが入力されてイベントが作成される場合がある。
【0045】
イベントデータd1bとしてオーナーOによって入力されるデータとしては、例えばイベントの開催日、開催時刻、開催場所、イベントに登場させるキャラクタあるいはイベントをクリアしたプレイヤPに分配される賞金額等が想定される。
【0046】
イベントデータd1bに基づいて作成されたイベントをイベントに参加したプレイヤPがクリアすると、例えば、イベントに設定された賞金が分配されたり、上記のアイテムIやダイヤSが付与されたりする場合がある。
【0047】
なお、本実施の形態では、イベントでプレイヤPに分配される賞金は、仮想通貨と交換可能な権利である。
【0048】
オーナーデータd1cは、本実施の形態では、ゲーム内におけるオーナーOの名前、オーナーOが所有するゲーム内の仮想領域上の仮想的な土地に関するデータ等によって構成される。
【0049】
ゲーム内の仮想領域上の仮想的な土地に関するデータは、本実施の形態では、例えば、土地のアドレス、面積、土地に予め配置される後述するモンスターと関連づけられたID等によって構成される。
【0050】
プレイヤデータd1dは、本実施の形態では、ゲーム内におけるプレイヤPの名前、プレイヤPが使用するキャラクタに関するデータ、プレイステージに関するデータ等によって構成される。
【0051】
プレイヤPが使用するキャラクタに関するデータは、本実施の形態では、キャラクタの属性に関する属性データであって、例えば、キャラクタのIDに関連づけられたレベル、攻撃力、防御力及び体力等の各種のパラメータの値が含まれる。
【0052】
図3で示す情報処理プログラム41は、本実施の形態では、サーバ20を、ゲーム処理部41a、イベント作成部41b、イベント処理部41c及びドネーション処理部41dとして機能させるプログラムである。
【0053】
ゲーム処理部41aは、本実施の形態では、ゲームの進行やキャラクタの制御といったゲームの基本的な処理を実行するものであって、ユーザ端末30a~30nを介したプレイヤPの操作に基づいて、ゲームに関する各種の処理を実行する。
【0054】
図6は、ゲーム処理部41aの処理の概略を説明する図である。図示のように、ゲーム処理部41aは、本実施の形態では、地球に見立てられた仮想領域Rにおいて、例えばオーナーO1、オーナーO2及びオーナーO3が仮想的な土地X、土地Y及び土地Zをそれぞれ所有するという舞台環境での各種の処理を実行する。
【0055】
ゲーム処理部41aは、本実施の形態では、土地XにはモンスターM1を配置し、土地YにはモンスターM2を配置し、さらに土地ZにはモンスターM3及びモンスターM4を配置する。
【0056】
ゲーム処理部41aは、オーナーO1、オーナーO2及びオーナーO3が作成した、オーナーO1、オーナーO2及びオーナーO3のそれぞれが所有する土地X、土地Y及び土地Zに配置されるモンスターM1~M4と対戦をして勝利したプレイヤPに賞金を分配するイベントを実行する。
【0057】
さらに、ゲーム処理部41aは、本実施の形態では、イベントの実行に呼応してイベントに参加する複数のプレイヤPがイベントにおいてモンスターM1~M4と対戦を行う際の処理を実行する。
【0058】
その他、ゲーム処理部41aは、ゲームの基本的な各種の処理を実行する。
【0059】
図3で示すイベント作成部41bは、本実施の形態では、オーナーOが所有する仮想状の土地で発生するイベントであってプレイヤPが参加するゲーム内のイベントを作成するものである。
【0060】
図7は、イベント作成部41bの処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、イベント作成部41bは、ステップS1において、ユーザ端末30a~30nを介したオーナーOからのイベントデータd1bの入力を受け付ける。
【0061】
本実施の形態では、イベントの開催日、開催時刻、開催場所(土地に関するデータ)、例えばイベントに登場させるモンスターのID番号及びイベントをクリアしたプレイヤPに分配される賞金額等をイベントデータd1bとして受け付ける。
【0062】
このとき、本実施の形態では、土地に予め配置されるモンスターに代えて、あるいは土地に予め配置されるモンスターとともに、ゲーム内のショップで購入した特殊なモンスターのID番号を入力することで、特殊なモンスターをイベントに登場させることができる。
【0063】
特殊なモンスターをイベントに登場させる場合は、例えば、プレイヤPに分配される賞金額を上限なく設定することができる。
【0064】
イベント作成部41bは、オーナーOからのイベントデータd1bの入力を受け付けると、ステップS2においてイベントを作成し、イベントの作成に続いて、ステップS3において、作成したイベントをゲーム情報D1としてデータベース40に登録する。
【0065】
図8は、作成したイベントを実行した場合にユーザ端末30a~30nに表示されるイベントの画面インターフェースIFの一例を示す図である。
【0066】
図3で示すイベント処理部41cは、イベントに参加したプレイヤPがイベントで予め設定された条件を達成した場合に、イベントの処理を実行するものであり、本実施の形態では、プレイヤPがイベントに登場するモンスターに所与のダメージを与えたを倒した場合に、イベントの処理を実行する。
【0067】
図9は、イベント処理部41cの処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、ステップS5においてプレイヤPがイベントに参加すると、ステップS6において、その土地に配置されたモンスターと対戦を行う。
【0068】
このとき、本実施の形態では、プレイヤPは、剣や盾あるいは杖等のアイテムIを用いたり、例えば保有するダイヤSを用いて体力を回復させたりして、モンスターと対戦を行う。
【0069】
ステップS7において、プレイヤPがダイヤSを使用するとしてモンスターを倒した場合は、イベント処理部41cは、ステップS8において、そのイベントを作成したその土地のオーナーOに仮想通貨と交換可能な権利を付与する。
【0070】
続くステップS9において、イベントに設定された賞金をそのイベントに参加した全てのプレイヤPに分配する。賞金の分配は、例えばモンスターに所与のダメージを与えることでランキングの上位に入ったを倒すことに直接的に寄与したプレイヤP、モンスターを倒すことに間接的に寄与したプレイヤPあるいは参加していただけのプレイヤPの間で傾斜して配分するようにしてもよい。
【0071】
図3で示すドネーション処理部41dは、プレイヤPからゲームに対して行われたドネーションを処理するものであって、ドネーションは、本実施の形態では、例えばユーザ端末30a~30nを介した金銭の寄付という方式で実行される。
【0072】
図10は、ドネーション処理部41dの処理の概略を説明するブロック図である。図示のように、ドネーション処理部41dは、受付処理S10、配布処理S11及び特典付与処理S12を実行する。
【0073】
受付処理S10は、プレイヤPからゲームに対して行われたドネーションを受け付ける処理を実行し、配布処理S11は、受け付けたドネーションをオーナーOが作成したイベントの賞金に配布する処理、あるいは特典付与処理S12を実行する。
【0074】
配布処理S11は、本実施の形態では、複数のオーナーOがそれぞれ作成した複数のイベントが存在する場合は、例えばそれぞれのイベントで設定された賞金の額に応じて分配されるようにしてもよい。
【0075】
一方、特典付与処理S12は、受付処理S10で受け付けたドネーションに基づいて、
図5で示したようなゲーム内で使用可能なアイテムIに関する特典をプレイヤPに無作為で付与する処理を実行する。
【0076】
アイテムIに関する特典とは、本実施の形態では、アイテムIを強くする経験値のようなものが想定される。したがって、特典付与処理S12は、例えばアイテムIとしての剣を使いこなす経験値を特典としてプレイヤPに無作為で付与すること等が考えられる。
【0077】
ドネーション処理部41dは、本実施の形態では、任意のプレイヤPがドネーションを行った場合において、配布処理S11及び特典付与処理S12を任意かつ無作為に実行する。
【0078】
これらゲーム処理部41a、イベント作成部41b、イベント処理部41c及びドネーション処理部41dでの処理に基づいて、本実施の形態では、ユーザ端末30a~30nにおいてゲームが実行される。
【0079】
図1で示すユーザ端末30a~30nは、本実施の形態では、携帯型情報端末であるスマートフォンで実装されるが、例えばゲーム専用の端末、タブレット型のコンピュータ、デスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装されるものであってもよい。
【0080】
図11は、ユーザ端末30a~30nの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ユーザ端末30a~30nは、制御部31及びディスプレイ32を主要構成として備える。
【0081】
制御部31は、本実施の形態では、ディスプレイ32や図示しないカメラ等のユーザ端末30a~30nの各部を制御するものであって、例えばプロセッサ、メモリ、ストレージ、送受信部等によって構成される。
【0082】
この制御部31には、本実施の形態では、ゲームアプリケーションあるいはウェブサイトを閲覧可能なブラウザが格納され、サーバ20の情報処理プログラム41での処理に基づいて、ゲームアプリケーションあるいはブラウザを介してユーザ端末30a~30nにおいてゲームが実行される。
【0083】
ディスプレイ32には、本実施の形態では、ユーザ端末30a~30nで実行されるゲームの画面インターフェース(
図8で示したようなイベントの画面インターフェースIFを含む。)が表示される。
【0084】
このディスプレイ32は、表示面への接触によって情報の入力を受け付けるいわゆるタッチパネルであって、抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術によって実装される。
【0085】
本実施の形態では、このディスプレイ32を介してユーザ操作情報D2が入力される。
【0086】
ユーザ操作情報D2は、本実施の形態では、ゲーム内でプレイヤPが使用するキャラクタの操作や動作に関して入力される情報あるいはオーナーOによるイベントの作成や仮想的な土地の管理に関して入力される情報である。
【0087】
このユーザ操作情報D2は、ディスプレイ32に対するユーザ2a~2nの任意の動作(例えば画面をタップあるいはスワイプする動作や、画面に表示されるアイコン等をドラッグしてドロップする動作等)に基づいて入力される。
【0088】
次に、本実施の形態に係るゲームシステム10の処理の概略について説明する。
【0089】
図12は、本実施の形態に係るゲームシステム10の処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、まず、ステップS20において、オーナーOが
図6で示したようなゲーム内の仮想領域Rの仮想的な土地を購入する。
【0090】
続いて、オーナーOは、ステップS21において、購入した土地に配置されるモンスターと対戦をして勝利したプレイヤPに賞金を分配するイベントを作成する。イベントの作成は、本実施の形態では、ユーザ端末30a~30nを介したオーナーOによるイベントデータd1bの入力によって実行される。
【0091】
一方、ステップS22において、プレイヤPはゲームを実行して、ゲームを進行させる。
【0092】
続いて、ステップS23において、プレイヤPがゲームに対してドネーションを実行すると、ステップS24において、ドネーションの処理を実行する。
【0093】
ドネーションの処理は、本実施の形態では、受け付けたドネーションをオーナーOが作成したイベントの賞金に配布する処理、あるいはアイテムIに関する特典をプレイヤPに無作為で付与する処理を任意かつ無作為に実行する。
【0094】
オーナーOが作成したイベントの開催日となり、イベントが開催されるオーナーOの土地に任意の複数のプレイヤPが集合してイベントに参加すると、ステップS25において、イベントが実施される。
【0095】
このイベントにおいて、複数のプレイヤPがモンスターと対戦し、任意のプレイヤPがダイヤSを使用してモンスターを倒した場合は、ステップS26において、そのイベントを作成したその土地のオーナーOに仮想通貨と交換可能な権利を付与する。
【0096】
一方、複数のプレイヤPは、イベントに登場するモンスターに所与のダメージを与える目的でモンスターと対戦し、所与のダメージを与えた場合に、ステップS27において、イベントに設定された賞金をそのイベントに参加した全てのプレイヤPに分配する。本実施の形態では、モンスターを倒す貢献の度合いに応じて、プレイヤPの間で賞金を傾斜して配分する。
【0097】
このように、仮想上の土地のオーナーOとしてゲームに関与するユーザ2a~2nがイベント作成部41bで作成したイベントにユーザ2a~2nがプレイヤPとして参加して、プレイヤPがダイヤSを使用するしてモンスターを倒すと、オーナーOには仮想通貨と交換可能な権利が付与されることから、ゲームを通した仮想通貨の取得に対する興趣が向上する。
【0098】
一方、プレイヤPは、オーナーOがイベント作成部41bで作成したイベントに参加することによって、他のユーザ2a~2nが作成したイベントに興じることができることから、ゲーム性についての興趣が向上する。
【0099】
したがって、仮想通貨の取得及びゲーム性のいずれについての興趣をも向上させることができる。
【0100】
特に、本実施の形態では、プレイヤPからのドネーションがイベントの賞金に配布されると、イベントの賞金が大きくなるとともにイベントの規模が大きくなるから、イベントに参加するプレイヤPの興趣を更に向上させることができる。
【0101】
さらに、イベントに参加するプレイヤPが増加すれば、オーナーOは、仮想通貨を取得できる機会が増大することから、ゲームを通した仮想通貨の取得に対するオーナーOの興趣を更に向上させることができる。
【0102】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0103】
上記実施の形態では、イベントがイベント作成部41bを介してオーナーOによって作成される場合を説明したが、例えば、予め作成されて設定されているイベントにプレイヤPが参加してイベントを実行するものであってもよい。
【0104】
上記実施の形態では、仮想上の所有物が土地である場合を説明したが、例えば、仮想上のゲームセンタに配置されるゲーム機や、仮想上のポーカーゲームのテーブル等といった任意の所有物であってもよい。
【0105】
上記実施の形態では、プレイヤPの賞金が仮想通貨と交換可能な権利である場合を説明したが、例えば、ゲーム内で使用可能なポイント等といったプレイヤPに種々のインセンティブを付与するものであってもよい。
【0106】
上記実施の形態では、ユーザ2a~2nのうち任意の一のユーザがオーナーOであり、ユーザ2a~2nのうち任意の他のユーザがプレイヤPである場合を説明したが、任意のユーザがオーナーO及びプレイヤPのいずれにも該当するものであってもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 事業者
2a~2n ユーザ
10 ゲームシステム
20 サーバ
30a~30n ユーザ端末
40 データベース
41 情報処理プログラム(ゲームプログラム)
41a ゲーム処理部
41b イベント作成部
41c イベント処理部
41d ドネーション処理部
D1 ゲーム情報
O オーナー
P プレイヤ
R 仮想領域
S ダイヤ(ゲーム内通貨)