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特許7270004車両、エンジンシステム、車両のドラッグを低減するための方法、及び、内燃機関からの排気ガス中のエネルギを使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】車両、エンジンシステム、車両のドラッグを低減するための方法、及び、内燃機関からの排気ガス中のエネルギを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 35/00 20060101AFI20230427BHJP
   F02B 37/00 20060101ALI20230427BHJP
   F01N 5/04 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
B62D35/00 Z
F02B37/00 302B
F01N5/04 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021130992
(22)【出願日】2021-08-10
(62)【分割の表示】P 2017542906の分割
【原出願日】2016-03-02
(65)【公開番号】P2021185076
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】1503719.5
(32)【優先日】2015-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1506537.8
(32)【優先日】2015-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521450458
【氏名又は名称】オーギャブ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】エロギャブ,オサマ
(72)【発明者】
【氏名】エロギャブ,ハテム
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05908217(US,A)
【文献】実開平06-057784(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第02935324(DE,A1)
【文献】特開2014-051185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 35/00
F02B 37/00
F01N 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の閾値速度を超える速度で移動するとき、少なくとも1つの乱流及び/または低圧の領域が車両に隣接して形成されるように構成された、非流線形の形状を有する車両であって、
少なくとも1つの前記領域の境界に隣接して配置された少なくとも1つの先細推進ノズルと、
少なくとも1つの前記領域に隣接して配置され、少なくとも1つの前記領域の境界から離間された少なくとも1つの末広推進ノズルと、
少なくとも1つの前記領域への放出のための少なくとも1つの先細推進ノズル及び末広推進ノズルのそれぞれにガスを供給するためのシステムと、を備える車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両を提供するステップと、
少なくとも1つのノズルから前記少なくとも1つの領域にガスを噴出するステップと、を含む、車両のドラッグを低減する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、車両、及び高速で移動する車両が受けるドラッグを低減する方法に関し、特に、これらに限定されないが、自動車、乗用車、トラック、飛行機、列車、及びモーターバイクにおいて有用である。
【背景技術】
【0002】
さまざまな異なる種類の移動する車両が受けるドラッグ(流体抵抗とも呼ばれる)は、2つの主要な構成要素である、当該の車両の速度に略比例する、層流で遭遇する表面摩擦と;車両の速度の二乗に略比例する、乱流で遭遇する形状抵抗とを含む。たとえば、ドラッグの最大割合が表面摩擦によることを保証することによって、車両の形状抵抗を最小化することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
車両のまわりの乱流は、低圧及び/または乱流渦領域が車両の背後に形成されるとき、流れの剥離中に発生し、乱流が層流を支配する高レイノルズ数の特性である。いくつかの車両においては、複数のより小さい渦が車両のまわりで形成されることがあり、車両の車体の成形を通してのこれらの除去は、車両の効率を向上させる一般的な方法である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によると、所定の閾値速度を超える速度で移動するとき、少なくとも1つの乱流及び/または低圧領域が車両に隣接して形成されるように構成される車両が提供され、車両は、少なくとも1つの領域に隣接して配置される少なくとも1つの推進ノズルと;少なくとも1つの領域への放出のための少なくとも1つのノズルにガスを提供するためのシステムとを備える。
【0005】
推進ノズルは、排気口及び/または排気口に配置されてもよい。
【0006】
言及されるガスは、空気、大気、エンジン排気、他のガス、またはそれらの組合せでもよい。
【0007】
領域は、車両の背後、トラックの車室の背後、または、車両に隣接する任意の他の低圧領域であってもよい。
【0008】
推進ノズルは、先細及び/または末広推進ノズルを備えてもよい。推進ノズルは、出口圧力を入口圧力で除算したものとして定義される圧力比を有してもよい。先細ノズルの事例において、ノズル圧力比が臨界値(通常は約1.6:1~2:1の間、たとえば約1.8:1)を越える場合、ノズルはチョークし、ノズルのどの下流の場所(すなわち、最も小さい流動断面積を有するノズルの部分)を占める周囲圧力に対するいくらかの膨張をもたらす。すなわち、噴流の後流において、このように、のどの静圧と周囲圧力との間の不均衡がいくらかの(圧力)スラストを発生させる。
【0009】
推進ノズルは、たとえば、先細末広推進ノズルでもよく、それは末広推進ノズルの形態でもよい。先細末広ノズルにおいて、先細ノズル部分の下流に発生する膨張は、末広ノズル部分の内側に対して作用する。
【0010】
推進ノズルは、エゼクタノズルを備えてもよい。
【0011】
少なくとも1つの推進ノズルは、少なくとも1つの先細推進ノズル;及び/または、少なくとも1つの末広推進ノズルを備えてもよい。
【0012】
先細推進ノズルは、たとえば、ノズルに導入されるガスの速度及び/または末広推進ノズルから噴出されるガスの速度と比べて、比較的高速の噴流を生成するように構成される。
【0013】
先細ノズルは、領域の境界に隣接して配置されてもよい。すなわち、先細ノズルは、ガスの噴流を領域の境界/境界層に向けるように配置されてもよい。領域は乱流境界層でもよく、領域の境界は境界層の広がりでもよい。先細ノズルは、境界層の広がりが減少するように配置されてもよい。
【0014】
このように、高速噴流は、ガスをその中に誘導することによって、領域境界/渦境界/渦ラインを除去して、速度を領域外のガスと等しくしてもよい。
【0015】
末広ノズルは、たとえば、ノズルに導入されるガスの圧力及び/または先細推進ノズルから噴出されるガスの圧力と比べて、比較的高圧の噴流を生成するように構成される。
【0016】
末広ノズルは、領域の境界から離間してもよい。すなわち、末広ノズルは、ガスの噴流を領域、たとえば、領域の中央部である、領域の境界/境界層から離間された領域の部分に向けるように配置されてもよい。
【0017】
末広ノズルの場所に関する「離間」は、先細ノズルの場所に関する「隣接」に対する比較用語と見られてもよい。
【0018】
このように、高圧の噴流は、前記領域に膨張することによって低圧領域を除去するように作用してもよい。
【0019】
システムは、比較的高温のガスを先細ノズルに供給するように構成されてもよい。比較的高温のガスは、70~130℃、特に90~120℃、より詳細には約110℃の温度を有してもよい。
【0020】
システムは、比較的低温のガスを末広ノズルに供給するように構成されてもよい。比較的低温のガスは、-50~10℃、特に-40~-10℃、より詳細には約-30℃の温度を有してもよい。
【0021】
言及される比較的高温及び低温は、互いに対してでもよく、ならびに/あるいは、周囲温度に対して及び/または約20~30℃でもよい。すなわち、システムは、末広ノズルに対してよりも実質的に高い温度で、先細ノズルにガスを供給するように構成されてもよい。
【0022】
システムは、任意の従来の手段、たとえば電気的加熱によって、車両内のエンジンのクーラントシステムからの、たとえば排気ガスとの熱交換器からの、ガスの圧縮熱からの、ガスの膨張による冷却からの、周囲空気との熱交換器からの、冷蔵システムからの、液体窒素貯蔵システムからの、あるいは、波形管/チューブの通過または不均等な及び/もしくは非平滑な内部を有する管/チューブの通過による熱を介して、ガスを加熱及び/または冷却して、比較的高温及び比較的低温のガスを提供してもよい。
【0023】
システムは、比較的高温の流れ及び比較的低温の流れにガスを分割するように構成され、かつ、先細ノズルへの高温流れ及び末広ノズルへの低温流れを送るように構成されるボルテックスチューブを備えてもよい。
【0024】
ボルテックスチューブは、たとえば任意の知られている構成のRanque-Hilschボルテックスチューブでもよい。特に、ボルテックスチューブは、当該技術分野においてよく知られているように、渦室及び/または円錐ノズルを備えてもよい。
【0025】
システムは、ポンプ(たとえば、以下で説明されるエアポンプ)、コンプレッサ(たとえば、以下で説明されるエアコンプレッサ)、または、好ましくは周囲と比較して圧縮された形態で、ノズルを介して領域にガス及び/または空気を提供するための任意の他のシステムを備えてもよい。これは本明細書で「圧縮空気」と呼ばれるが、特に明記しない限り、すべての一定の可能性をカバーすることが意図される。ポンプは、ノズルに直接、ガスを提供してもよく、または、1つのノズルへの比較的高温のガス流れ及び別のノズルへの比較的低温のガス流れを次に提供してもよいボルテックスチューブに、ガスを提供してもよい。ポンプは、圧縮エアポンプの形態でもよく、または、エンジン入口に配置されるコンプレッサでもよく(たとえばターボチャージャに存在するように)、圧縮空気はエンジンへの導入前に放出されてもよい。
【0026】
エンジン(たとえば内燃機関)の排気口は、ノズルに直接、ガス(たとえば排気ガス)を提供してもよく、または、1つのノズルへの比較的高温のガス流れ及び別のノズルへの比較的低温のガス流れを次に提供してもよいボルテックスチューブに、ガスを提供してもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、ポンプからのガスは、上記の方法でノズル及び/またはボルテックスチューブに提供される前に、放出されたガス及び/または排気ガスと組み合わせられてもよい。代替の実施形態において、ボルテックスチューブからの比較的高温または低温のガス流れは、ノズルに提供される前に、放出されたガス及び/または排気ガスと組み合わせられてもよい。このようにして、放出されたガス及び/または排気ガスの乱れ運動のための騒音は低減させることができ、それによって、全体的なエンジンノイズが低減する。特に、排気ガスの温度を下げることにより、排気ガスによりもたらされる音響エネルギは低減する。ポンプ及び/またはボルテックスチューブからのガスを組み合わせることは、混合、たとえば、同軸配管を介してならびに/あるいはミキサノズル、たとえばスプレーノズル、複式ノズル、及び/または管渠ノズルを介して、排気ガスをガス流に提供する(または、逆もまた同様)ことによってもよい。ミキサノズルは、実質的に連続する方向にそれを通してガス流を提供する第1の出口と、実質的に湾曲する方向にそれを通してガス流を提供する少なくとも1つの第2の出口とを有してもよい。湾曲する方向は、10~170度、たとえば、約15度、30度、70度、90度、110度、または130度でもよい。
【0028】
1つの実施形態において、ポンプからのガスは、ボルテックスチューブに向けられる第1の流れと、排気ガスと組み合わせるために配送される第2の流れとに分割される。
【0029】
組合せ後のガスは、比較的高温または比較的低温でもよく、上記のような領域の適切な部分に向けられてもよい。好ましくは、組み合わせたガスは、比較的低温であり領域の境界から離間した、領域の内側部分に向けられたノズルに向けられる。
【0030】
推進ノズルは、利用可能なガスを亜音速、音速、または超音速まで加速してもよい。内部形状は、先細でもよく、または先細末広でもよい。推進ノズルは、固定形状を有してもよく、または、異なる出口面積を与えて推進噴流の特性を制御する、可変(すなわち制御可能)形状を有してもよい。推進ノズルはエゼクタノズルでもよい。しかしながら、他のノズル構成が意図される。
【0031】
推進ノズルは、超音速エゼクタ、たとえば円錐ノズルでもよい。しかしながら、先端リングノズル、または、Novel supersonic nozzles for mixing enhancement in supersonic ejectors, Srisha M.V. Raoa & G. Jagadeesh, Applied Thermal Engineering, Volume 71, Issue 1, 5 October 2014, Pages 62-71で説明されるような楕円の鋭い先端の浅い(elliptic sharp tipped shallow、ESTS)葉形のノズルでもよく、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。このような好ましい配置は、円錐ノズルから明らかであるそれを超えての混合の向上、たとえば、第2の流れのエントレインメントの30%の増加をもたらし、また、15%~50%の圧縮比の低下ももたらす。従来の円錐形ノズルでは、噴流は大きな運動量で排出され、巨大なエネルギを搬送して、騒音を生じる。しかしながら、好ましいノズル構成において、噴流は拡散されて、低温の空気により急速に同化され、噴流をより静かにし、推進ノズルによって提供される「押し」を改良する。潜在的に、これは、25%~35%の音の低下につながる可能性がある。
【0032】
先端リングノズルは、円錐ノズルの出口で突出する円形リングを有する末広ノズルを備えてもよい。特に、先端リングノズルは先細末広ノズルを備えてもよく、末広ノズル部分の出口の内周に、流れの中に延在する環状突起部が設けられてもよく、突起部は、略リング状(たとえば、ドーナツ形状またはトロイダル)でもよい形態を有し、末広ノズル部分出口の半径の約5%まで末広ノズル部分の内部から流れに延在する(たとえば、2%~10%、特に4%~8%、たとえば5~7%。
【0033】
楕円の鋭い先端の浅い(ESTS)葉形のノズルは、比較的鋭い先端を有する楕円の葉を有してもよく(たとえば、葉の間に先端を形成する)、先端は、流れに比較的短い距離だけ突出する)。特に、それらはノズル吹出口の半径の約5%~20%、より詳細には、約7%~15%、たとえば10%突出してもよい。ESTS葉形ノズルは、半径方向外向きに突出する楕円断面と隣接する楕円領域間の接点を画定する先端とを有する葉を有するように修正された従来の葉形ノズルを備えてもよく、先端は半径の約5%~20%まで末広ノズル部分の内壁から内向きに突出する。いくつかの配置では、実質的に、末広ノズル部分全体はこのような断面形態を有する。好ましい実施形態において、ノズルは4つの葉を備えてもよい。しかしながら、3、5、6、またはより多くの葉が想定される。ESTS葉形ノズルは先細末広ノズルを備えてもよい。
【0034】
推進ノズルはアルミニウム合金を備えてもよい。
【0035】
本発明の第2の態様によると、車両のドラッグを低減する方法が提供され、方法は、請求項1~13のうちいずれか一項に記載の車両を提供するステップと;少なくとも1つのノズルから少なくとも1つの領域にガスを噴出するステップとを含む。
【0036】
自動車のオルタネータは通常、ピストンの往復運動を円運動に変換するクランクシャフトによって駆動される。いくつかの初期のモデルの車両は、クランクシャフトプーリからオルタネータプーリまで別個のドライブベルトを使用したが、今日のほとんどの乗用車は、サーペンタインベルト、すなわち、クランクシャフトの力に依存するすべての構成要素を駆動する1つのベルトを有する。しかしながら、このような「付属構成要素」を作動させるためにより多くの力がクランクシャフトから引き出されるので、たとえば移動などの有益な作業を発生させるための、エンジンの正味のまたは効果的な出力は減少する。
【0037】
本発明の第3の態様によると、吸気口及び排気口を有する内燃機関と;タービンがエンジンからの排気ガスを受けることに応じて回転するように排気口に接続されるタービンと;オルタネータがタービンの回転に応じて電力を発生させるようにタービンに接続されるオルタネータとを備えるエンジンシステムが提供される。
【0038】
このように、エンジンは、たとえばクランクシャフトで直接オルタネータを駆動することを必要としない、そのため、オルタネータはエンジンから力を引き入れず、それはその他の場合には、移動のためのエンジンからの利用可能な力を減少させる。対照的に、本発明によると、オルタネータは、エンジンを出る排気ガスによって駆動され、それは、エンジンで発生する(かつ、クランクシャフトに供給される)すべての力を第1の目的(たとえば移動)のために使用することを可能にする。よって、エンジンの所定の所望の出力のために、より小さい(したがって、より軽い)かつ潜在的により効率的なエンジンが使用されてもよく、それは正味の出力はオルタネータがクランクシャフトに接続される従来のエンジンの出力より大きいためである。
【0039】
内燃機関からの排気ガスは通常、周囲より高い温度及び/または圧力である。タービンは、ターボエクスパンダとして作動するように構成されてもよく、それにより、比較的高圧の排気ガスは、仕事を生成する(すなわちタービンを回転させる)ように膨張する。そうすることで、排気ガスからの熱エネルギが抽出されて、タービンの回転エネルギに変換される。すなわち、排気ガスがターボエクスパンダを通って膨張するとき、熱エネルギはタービンの回転運動エネルギ(たとえばインペラまたはロータの回転)に変換されるので、排気ガスの温度は低下する。
【0040】
タービンは、知られているタービンの任意の形態でもよい。タービンは、エネルギを可動流体の衝動から引き出すための、衝動型タービン、たとえば、ペルトン水車タービンを備えてもよい。代替的にまたは追加的に、タービンは反動型タービンでもよい。タービンは複数ブレード構造を有してもよい。たとえば、タービンはダブルブレードタービンを備えてもよい。タービンは、1つのみのタービン段、または複数のタービン段(たとえば2段)を有してもよい。各タービン段は同様の種類でもよく、または、いくつかまたはすべての他の段と異なってもよい。タービンまたはインペラは、たとえば、アルミニウム合金でもよく、流体流れ内で遭遇する高温及び高圧に耐えるように選択されてもよい。しかしながら、セラミック及び/または他の金属などの他の構造も意図される。タービンは、インペラまたは回転子が回転する軸受(たとえば、ポリマー軸受などの低摩擦軸受)を備えてもよい。
【0041】
さらに、内燃機関からの排気ガスは通常、比較的高い速度を有する。すなわち、(シリンダから噴出される)内燃機関からの排気ガスは通常、すぐには周囲に発散されないが、むしろ排気管に沿って送られる。シリンダからの排気ガスの圧力は管内の排気ガスを押し、それにより、排気ガスは管を通して速度を得る。本発明において、タービンは、速度を有するこのような排気ガスを受けるように配置されてもよく、それらの速度による運動エネルギを引き出すように構成されてもよい。このようにして、タービンに対する排気ガスの速度によるラム圧がタービンに存在してもよく、タービンはこのラム圧を使用して、流れる排気ガスから運動エネルギを引き出し、タービンの回転運動エネルギに変換する。
【0042】
タービン内での排気ガスの圧力及び/または速度の減少は、排気ガスの音響エネルギの量を低減するように作用してもよい。特に、タービンは、排気ガス中の多少の音響エネルギを運動エネルギに変換するように構成されてもよい。タービンは、排気ガス内の非連続性の振動を緩衝するように構成、またはさらに構成されてもよく、それによって排気ガスからの任意の音の音量を下げる。
【0043】
タービンは、エンジンから排気ガスを受けることに応答して、所定の毎分回転数で、たとえば、約2000rpmを上回って、約2500~8000で、特に、約3000~6000rpmで、より詳細には、約3500~5000rpm(たとえば約4000または4500rpm)で回転するように構成されてもよい。このように、ギアボックスは、オルタネータでの所望の電力を生み出すために、タービンとオルタネータとの間に必要とされない。さらに、オルタネータがエンジンのクランクシャフトよりもむしろタービンに接続されるので、伝導装置はクランクシャフトとオルタネータとの間で必要とされず、そのため、より小さく、より軽い全体的なエンジンサイズが可能になる。
【0044】
タービンが所定の毎分回転数で回転するように構成することは、排気口でウェイストゲートを使用して、タービンとの干渉前に排気口から排気ガスの一部を除去することによって、タービンの上方回転速度を制限すること、及び/または、既成技術を用いて好適なタービンブレード構成(迎え角を含む)を選択することを含んでもよい。
【0045】
オルタネータは、オルタネータがエンジンのクランクシャフトに従来通りに接続される方法と同様の当業者に知られている任意の方法、たとえば、ベルト、チェーン、またはギアで、タービンに接続されてもよい。
【0046】
オルタネータは、たとえば25cm、50cm、1m、2mなどよりも遠くに、エンジンから離間されてもよい。このようにして、車両の性能及び操縦性は、エンジンシステム構成要素(エンジン及びオルタネータなど)の適切な場所(たとえば重量配分)を選択することによって改善されてもよい。タービンは、排気管によって排気口に接続(たとえば流体連通)されてもよい。特に、タービンは、エンジンからの排気管に沿った実質的に任意の場所に配置されてもよく、オルタネータ及び任意選択的にバッテリを同様に配置することが可能となる。
【0047】
タービンは、ウォーターポンプ、空調コンプレッサ、及び/またはエアポンプを含む付属機器の少なくとも1つのさらなる部品に接続されてもよい。
【0048】
エアポンプは、回転ベーンポンプ、往復(ピストン)コンプレッサ、あるいはポンプまたはコンプレッサの任意の他の好適な形態でもよい。エアポンプは、600kpa、700kpa、800kpa、850kpa、900kpa、または1Mpaまで空気に圧力をかけてもよい。エアポンプは、アルミニウム合金または任意の他の好適な金属、セラミック、あるいはカーボンファイバから構成されてもよい。エアポンプは、逆止め弁を備えてもよい。エアポンプは、ポンプ入口で周囲空気を取り入れ、上記のように、排気出口または異なる排気口、たとえば推進ノズルに加圧空気を噴出してもよい。このように、空気を圧縮して排気/空気出口に送り、エンジンシステムが配置される車両の背後の渦を除去してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、排気口は、エンジンが配置される車両の空気タイヤに接続可能でもよく、それにより、タイヤの膨張がもたらされてもよい。特に、ホースはたとえば手動で、排気口とタイヤとの間に接続可能でもよい。いくつかの配置では、排気口はタイヤに恒久的に接続されてもよく、タイヤへの空気流は、(手動で操作可能で、機械的、電子的、及び/または自動的でもよい)選択スイッチで制御可能でもよい。いくつかの実施形態において、ホースは、上記のように、たとえば、押し込み嵌めコネクタ、ネジ込みコネクタ、膨張カラー/コレットコネクタ、または同様の接続を介して推進ノズルに直接、接続可能でもよい。さらなる実施形態において、エアポンプは、たとえば、タイヤの空気充填、車両の背後の渦の除去、及び/または、エンジン空気取入口への空気の供給といった所望の機能に依存する可変の空気圧を供給するように制御可能でもよい。
【0050】
タービンは、従来のターボチャージャのように、吸気口に圧縮ガスを配送するためのコンプレッサに接続されてもよい。特に、コンプレッサは、付属機器のうちの少なくとも1つのさらなる部品、特にエアポンプを備えてもよい。コンプレッサ/エアポンプは、特に、ターボチャージャ及び/または排気口を作動させる、二重機能を有してもよい。二重機能は、それぞれの空気及び/またはターボチャージャ機能を選択すること、ならびに/あるいは、それぞれターボチャージャ及び/または排気口に供給される加圧空気の割合のバランスをとることのためのトグルスイッチを備えてもよい。
【0051】
絞り弁は、コンプレッサと吸気口との間に設けて、吸気口に提供されるガスの圧力を調整してもよい。このようにして、エンジンの最適な作動が実現されてもよい。絞り弁は、コンピュータ制御されてもよい。しかしながら、代替の実施形態において、絞り弁は、フィードバックシステムのいくつかの他の形態、たとえば、圧力調整フィードバックシステムを組み込んでもよい。絞り弁は、コンプレッサから直接、排気口及び/または排気出口にガスの一部を向けるための(すなわち、エンジンを迂回する)機構を備えてもよく、それは従来のウェイストゲートに同様に使用可能でもよい。
【0052】
圧力逃し弁をシステム内に組み込んで、所定の閾値圧力を上回る圧力のレベルを低減してもよい。所定の閾値圧力は、圧力逃し弁が調整可能な圧力逃し弁でもよいように、調整可能でもよい。このような圧力逃し弁は、たとえば、コンプレッサの直前、コンプレッサの直後、吸気口の直前、コンプレッサと吸気口との間、排気口の直後、タービンの直前、排気口とタービンとの間、タービンの直後、排気出口の直前、及び/または、タービンと排気出口との間などのシステム中のさまざまな点に配置されてもよい。
【0053】
タービンを通過した後、排気ガスは排気出口に配送されてもよく、排気出口はエンジンシステムが組み込まれる車両の後部に配置されてもよい。チェック弁は、出口に向かう排気ガスの量を調整するために、タービンと出口との間に設けられてもよく、タービンの機能を最適化するように制御されてもよい下流側リストリクタとして作用してもよい。
【0054】
特に、排気管/空気出口は、上記のように推進ノズルを備えてもよい。たとえば、排気ガス(すなわち、排気口からのガス)は、推進ノズルによって比較的高速の推進噴流に変換される。推進ノズルは、下流側リストリクタとして機能することによってタービンの作動を最適化するように構成されてもよい。上記のエンジンシステムを組み込む車両は、タービンを回転させるために使用された排気ガスを除去するための、タービンに接続される排気出口をさらに備えてもよい。排気出口は、排気ガスが車両の背後の乱流及び/または低圧領域に噴出されるように、車両の後部に配置されてもよい。このようにして、車両の背後の乱流及び/または低圧領域を排気ガスで満たすことによって、(車両の形状による)形状抵抗の影響を最小化することができる。エンジンに取り込まれる車両の前部で(たとえばラジエータグリルから)入射する任意の空気は、車両の背後に即時に噴出されてもよく、それによって、対称性によるドラッグを低減する。
【0055】
本発明の第4の態様によると、内燃機関から電気を発生させる方法が提供され、方法は、吸気口及び排気口を有する内燃機関を提供するステップと;排気口に接続されるタービンを提供するステップと;エンジンからの排気ガスを受けることに応じてタービンを回転させるステップと;タービンに接続されるオルタネータを提供するステップと;タービンの回転に応じてオルタネータで電力を発生させるステップとを含む。
【0056】
本発明の上記のならびに他の特性、特徴、及び利点は、例として本発明の原理を示す添付図面と組み合わせて考慮される以下の詳細説明から明らかになる。この説明は、本発明の範囲を限定することなく、例としてのみ与えられる。以下に提示される参照図は添付図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1図1は、先端リングノズルの出口の長手断面である。
図2図2は、楕円の鋭い先端の浅い葉形ノズルの出口の真向き(軸方向)図である。
図3図3は、典型的な先行技術による内燃機関及びオルタネータシステムの略図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態の略図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態の略図である。
図6図6は、本発明の第3の実施形態の略図である。
図7図7は、本発明の第4の実施形態の略図である。
図8図8は、本発明の第5の実施形態の略図である。
図9図9は、本発明の第6の実施形態の略図である。
図10図10は、本発明の実施形態を組み込む連結トラックの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明は特定の図面に対して説明されるが、本発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲にのみ限定される。説明される図面は概略にすぎず、非限定的である。各図面は、本発明の特徴のすべてを含んでいないことがあり、したがって、必ずしも本発明の実施形態であると解釈されるべきではない。図面中、いくつかの要素のサイズは、誇張されてもよく、例示的な目的のために寸法通り描かれなくてもよい。寸法及び相対寸法は、本発明の実施に対する実際の縮小に対応しない。
【0059】
さらにまた、説明及び特許請求の範囲における用語「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」などは、同様の要素の間で区別するために使用され、必ずしも、時間的、空間的のどちらについても、ランク付けまたは任意の他の方法における順序を説明するためのものではない。そのように使用される用語は、適切な状況の下で交換可能であり、本明細書で説明または示される以外の他の順序で作動可能であることは理解されるべきである。
【0060】
さらに、説明及び特許請求の範囲における用語「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「の上(over)」、「の下(under)」などは、説明のために使用され、必ずしも相対位置を説明するためのものではない。そのように使用される用語は、適切な状況の下で交換可能であり、本明細書で説明または示される以外の他の向きで作動可能であることは理解されるべきである。
【0061】
特許請求の範囲で使用される用語「備える(comprising)」は、その後に掲げられる手段に限定されると解釈すべきではないことに注意すべきであり、それは他の要素またはステップを排除しない。したがって、述べられるように、説明される特徴、整数、ステップ、または構成要素の存在を特定するものと解釈されるべきであるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、または構成要素、あるいはそれらの群の存在または追加を排除しない。したがって、表現「手段A及びBを備える装置」の範囲は、構成要素A及びBのみからなる装置に限定すべきではない。それは、本発明に関しては、装置の唯一の関連する構成要素がA及びBであることを意味する。
【0062】
同様に、説明で使用される用語「接続された」は、直接接続のみに限定されると解釈すべきではないことに注意すべきである。したがって、表現「装置Bに接続された装置A」の範囲は、装置Aの出力が装置Bの入力に直接接続された装置またはシステムに限定すべきではない。それは、他の装置または手段を含む経路でもよい、Aの出力とBの入力との間の経路が存在することを意味する。「接続された」は、2つ以上の要素が直接物理的または電気的のいずれかで接触している、あるいは、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでもまだ協働するまたは互いに対話することを意味してもよい。
【0063】
本明細書全体での「実施形態」または「態様」への参照は、実施形態または態様に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態または態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体のさまざまな場所における文言「1つの実施形態において」、「ある実施形態において」、または「ある態様において」の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態または態様を参照しているわけではないが、異なる実施形態または態様を参照してもよい。さらにまた、本開示から当業者にとって明らかであるように、1つまたは複数の実施形態または態様において、本発明の任意の実施形態または態様の特定の特徴、構造、または特性は、任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
【0064】
同様に、説明において、本発明のさまざまな特徴が、時には、開示を簡素化して、さまざまな発明の態様の1つまたは複数の理解を支援する目的で、その単一の実施形態、図、または説明にグループ化されることは認識されるべきである。しかしながら、開示のこの方法は、特許請求の範囲に記載された発明が各請求項ではっきりと列挙される以外の多くの特徴を必要とする意図を反映していると解釈すべきではない。さらに、任意の個々の図面または態様の説明が、必ずしも本発明の実施形態であると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が示すように、発明の態様は、単一の上記の開示された実施形態のすべての特徴より少ない。したがって、これによって、詳細説明の後の特許請求の範囲は、各請求項が本発明の個別の実施形態として各請求項自体を主張しつつ、この詳細説明にはっきりと組み込まれる。
【0065】
さらにまた、本明細書に説明されるいくつかの実施形態は他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、当業者に理解されるように、異なる実施形態の特徴の組合せは本発明の範囲内であり、さらなる実施形態をさらに形成することが意図される。たとえば、以下の特許請求の範囲において、特許請求の範囲に記載された実施形態はどれも、任意の組合せで使用することができる。
【0066】
本明細書で提供される説明において、多数の特定の詳細が示される。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実践されてもよいことが理解される。他の例において、よく知られた方法、構造、及び技術は、この説明の理解をあいまいにしないように、詳細に示されていない。
【0067】
本発明の考察においては、別記されない限り、上記の値の1つが他の値より著しくより好ましいという指摘を伴う、パラメータの許容範囲の上限または下限に対する代替値の開示は、前記代替値のより好ましい値とあまり好ましくない値との間に存在する前記パラメータの各中間値がそれ自体、前記のあまり好ましくない値及びさらに前記のあまり好ましくない値と前記中間値との間に存在する各値よりも好ましいことを示唆する記述として解釈されるべきである。
【0068】
用語「少なくとも1つ」の使用は、特定の状況における1つのみを意味してもよい。
【0069】
ここで、本発明の原理は、本発明の例示的な特徴に関する少なくとも1つの図面の詳細な説明によって説明される。他の配置は、本発明の基礎をなす概念または技術的教示を逸脱しない範囲で当業者の知識に従って構成できることは明らかであり、本発明は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。
【0070】
図1は、ノズルの出口の内部のまわりに配置される環状バンド2を有する、先端リングノズル1の出口の長手断面であり、環状バンド2は略円形の断面を有し、それ自体のまわりで曲げられて略トロイダル形状を形成する。矢印3は、ノズルの末広部分を通るガスの流れ方向を示した。ノズルの上記部分(たとえば、先細部分)は、明瞭にするために示されていない。
【0071】
図2は、楕円の鋭い先端の浅い葉形ノズル4の出口の真向き(軸方向)図である。ノズル4は、それぞれ鋭い壁6によって分離された、4つの等しく離間された葉の形態の内部輪郭5を有する。ノズル4の入口7は、縮小した直径の開口として示され、開口はノズルののどを形成してもよい。入口7は、ノズルの先細部分(図示せず)とノズル4の末広部分との接続を備えてもよい。そのために、当業者は、ノズルの断面が円形と異なる程度が入口7から出口内部輪郭5まで増加することを理解するであろう。
【0072】
図3は、典型的な先行技術による内燃機関及びオルタネータシステムの略図である。内燃機関には、シリンダ10と、その中で往復するピストン20と、吸気口30と、(吸気口10を通るエンジンへのガスの流れを制御するための)吸気弁40と、排気口50と、(排気口50を通るエンジンから出る排気ガスの流れを調整するための)排気弁60とが設けられる。
【0073】
その詳細は明瞭にするために示されない内燃機関の作動は、ピストンを往復運動させて、それによってクランクシャフト70を回転させる。クランクシャフト70の回転は、オルタネータプーリ100を介してオルタネータ90を次に作動させるベルト80を駆動するために使用される。オルタネータプーリ100は、クランクシャフト70に存在するよりも高い毎分回転数がオルタネータ90に提供されるように、クランクシャフト70に対して寸法決めされる。すなわち、ピストン20は、オルタネータ90を作動させる仕事を行わなければならない。
【0074】
図4は、図3に示される先行技術が以下のように修正される、本発明の第1の実施形態の略図である。タービン110は、エンジンからの排気ガスがタービンを回転させるように、排気口50に置かれる。その後、そのようなガスは、排気出口120を介してタービンを出てもよい。ベルト80は、クランクシャフト70ではなく、タービン110の軸に結合され、それによって、ピストン20上の負荷を減少させる。オルタネータ90は、従来通りオルタネータプーリ100を介して、ベルト80によって駆動される。
【0075】
しかしながら、タービン110は、オルタネータ90に好適な回転速度を提供するように構成され、それにより、ベルト80のために好適に寸法決めされたプーリを選択することによって設けられる伝導装置は必要とされない。代替的な実施形態において、オルタネータ90がタービン110の軸に直接接続される可能性があり、ベルト80及びオルタネータプーリ100の必要性がなくなることが想定される。
【0076】
図5は、図4に示される第1の実施形態のさらなる修正である、本発明の第2の実施形態の略図である。この構成では、ベルト80は、オルタネータ90、及び付加的に空調コンプレッサユニットなどのさらなる付属装置130を駆動する。さらなる付属装置140は、同様にタービン110の軸上のさらなるベルト150によって駆動される。さらなる付属装置140は、たとえば、ウォーターポンプである可能性がある。しかしながら、クランクシャフトによってより典型的に直接駆動される任意の他の構成要素である可能性がある。
【0077】
図6は、図4に示される第1の実施形態の代替案またはさらなる修正である、本発明の第3の実施形態の略図である。タービン110の軸は、ターボ過給装置では従来通りであるように、吸気口に配置されるコンプレッサ160の軸と共通して作られる。他の実施形態のように、オルタネータ90は、タービン110の軸によって駆動される。絞り弁170は、コンプレッサ160と吸気弁40との間に配置され、コンプレッサによって提供される圧縮がいくつかの閾値量を超えた場合に、コンプレッサからのガス流が吸気弁40から離れるように構成される。いくつかの実施形態において、向きを変えられたガス180は、排気出口120に、または、上記の推進ノズルなどの他の出口に送られる。絞り弁170は、コンプレッサ160からのガスのすべての向きを変えてもよく、まったく向きを変えなくてもよく、または、その間で任意の割合の向きを変えてもよい。
【0078】
排気ガスが本発明の推進ノズルに送られてもよいが、排気ガスは従来の方法で単純に噴出されることが好ましい。別の源からのガスがノズルに提供されてもよい。特に、排気ガスは熱く、比較的高温であるので、有用である。しかしながら、排気ガスは比較的大量の未燃炭化水素及び他の不純物を含有することがあり、それらは時間が経つにつれてノズルに遮断/目詰まりを引き起こす可能性があり、または、少なくともそれらの効率を低下させる。したがって、排気ガスの熱及び/または圧力を使用して、本発明の推進ノズルを通して好適な空気流を提供することが望ましい。たとえば、熱交換器は廃熱を回収するために使用される可能性があり、及び/または、ターボエクスパンダは再使用のための圧力を引き出すために使用される可能性がある。次いで、排気ガスは、消音器及び/または排気管出口に向かう可能性がある。
【0079】
図7は、エアコンプレッサ140はタービン110によって駆動され、管300を流れる圧縮空気(または、他のガス)の流れを生成する、本発明の第4の実施形態の略図である。エアコンプレッサ140は、周囲から空気を取り込んでもよく、または、代替の実施形態において、絞り弁170を介してエンジン入口から空気を取り込んでもよい。コンプレッサは、たとえば、ベーンタイプコンプレッサでもよい。
【0080】
エアコンプレッサ140によって圧縮される空気は、推進ノズルに直接供給されてもよい、及び/または、蒸気を、弁320を介して推進ノズルに送られてもよい比較的高温の流れと、弁340を介して推進ノズルに送られてもよい比較的低温の流れとに分割するボルテックスチューブ310に送られてもよい。任意選択的に、加熱器及び/または冷却器330は、高温の流れまたは低温の流れと一列に置かれてもよく、または、例外的に、ボルテックスチューブ310への導入前の圧縮気流に一列に置かれてもよい。さらなるチェック弁350も、管300に含まれてもよい。図に示される各チェック弁は任意選択的に、圧力センサに付随させてもよく、または取り換えてもよい。制御装置は、圧力センサ(単数または複数)で測定される圧力に応答して、チェック弁を作動させるように構成されてもよい。燃料管制ユニットは、圧力センサ及び/またはチェック弁と関連付けられてもよい。
【0081】
図7の配置は、エアコンプレッサ140がタービン110を介してではなく、図3に示すものと同様の構成で、クランクシャフト70によって駆動されるように修正される可能性があることが理解されるべきである。
【0082】
図8は、(コンプレッサ160によって圧縮される)絞り弁170からの空気流が(比較的低温の空気を送る)管360を介して推進ノズルに、及び/または、チェック弁370を介して熱交換器380に直接、供給される、本発明の第5の実施形態の略図である。熱交換器380は、排気管120内の排気ガスから熱を取り除き、上記のように、推進ノズルに比較的高温の流れ390を提供するために、チェック弁370からの圧縮空気を暖めるように構成されてもよい。
【0083】
図9は、圧縮空気が図8の場合のように絞り弁170から取り込まれるが、図7の場合のようにボルテックスチューブ310に送られる、本発明の第6の実施形態の略図である。特に、冷却器330は、ボルテックスチューブ310の前に、管300に設けられる。
【0084】
上記の実施形態の任意の組合せは、上記の利点の一部またはすべてを有するシステムを作成するために使用されてもよい。
【0085】
図10は、本発明の実施形態を組み込む連結トラック180の略図である。トラック180は、前方に進むとき、ドラッグ、特に、車両の略非流線形の形状による形状抵抗に悩まされている。渦190は、実質的に形状抵抗の原因となる、トラック180の背後の低圧領域に形成される。形状抵抗は、トラック180の後部を簡素化することによる低減である可能性がある。しかしながら、このようなアプローチは、その積載物により容易にアクセスするための車両に対する要求のため、好ましくない。第1の出口200は、車両の後部の外縁の上に設けられ、特に車両の背後の渦の境界に向けられる。第2の出口210は、外縁から離間した車両の後部に設けられ、特に、渦を減少させて、それによって抵抗を低減することによって、ドラッグを最小化するために、車両の背後の低圧領域に向けられる。これらの出口は好ましくは、上記の形態のノズルである。特に、第1の出口は、先細ノズル及び/または比較的高温の空気を供給するノズルでもよく、第2の出口は、末広ノズル及び/または比較的低温の空気を供給するノズルでもよい。図は、各種類200、210のこのような2つの出口を示す。しかしながら、単一の出口、または各種類の複数の出口(たとえば3、4、5、6、10、20個など)も想定される。
【0086】
いくつかの配置では、出口は、連結トラック180の車室とコンテナ本体との間に、あるいは、ホイールの背後など、任意の低圧領域及び/または同様の移動する車両によって発生する渦に隣接して、配置されてもよい。さらなる配置において、出口は、スポイラ上に、または、スポイラに隣接して配置されてもよい。特に、スポイラ上の出口/スポイラに隣接する出口は、先細ノズル及び/または比較的高温の空気を供給するノズルでもよい。作動装置及び力増幅器組立体が(たとえばスポイラに隣接して)組み込まれてもよく、それは第1の圧力で圧縮空気を受けて、パスカルの法則に従ってそれを異なる圧力に変換してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、比較的高温の空気が、ラム圧のために存在することがある車両の前の高圧領域に噴出されるように、ノズル配置を逆転させてもよい。比較的高温の空気は、高圧領域を暖めて、それの膨張及び散逸を促進し、それによって、形状抵抗を低減してもよい。特に、いくつかの特定の実施形態において、ノズルは、車両に隣接する比較的高圧の領域の方へ向けられてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10