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特許7270063インプラントを導入するためのツールのセット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】インプラントを導入するためのツールのセット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20230427BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20230427BHJP
   A61F 2/46 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B17/16
A61F2/46
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021560158
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2020061558
(87)【国際公開番号】W WO2020229143
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】62/847,689
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521438168
【氏名又は名称】ローサイ・オーソペディックス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,ジェリー
(72)【発明者】
【氏名】マンガン,フィオナ
(72)【発明者】
【氏名】ストックマンズ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイス,アーノルド-ピーター・シー
(72)【発明者】
【氏名】ラッド,エイミー・エル
(72)【発明者】
【氏名】ボランド,ブレンダン
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-525118(JP,A)
【文献】国際公開第2018/183168(WO,A1)
【文献】特開2016-36646(JP,A)
【文献】特表2013-537091(JP,A)
【文献】特表2019-504702(JP,A)
【文献】特開2016-10604(JP,A)
【文献】米国特許第6059832(US,A)
【文献】特表2014-516613(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0194999(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16 ― 17/17
A61B 17/56 ― 17/92
A61F 2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨内にステムインプラントを導入するためのツールのセットであって
々なサイズの複数のステム形状のブローチであって、前記ブローチのそれぞれが、遠位ヘッド、およびその長さに沿った複数の切歯を有する、ブローチと
遠位ヘッド、およびその長さに沿った複数の切歯を有する、ステム形状のプライミングツールと
を備え、
前記プライミングツールが、最小の前記ブローチよりも短く、単位長さ当たりにより多くの切歯を有し、かつ、より鋭い遠位先端を有し、
前記ツールのセットは、ステム挿入ツールをさらに備え、前記ステム挿入ツールは、前記ステム挿入ツールに印加された力を前記ステムインプラントに伝達するためにインプラントステムの対応係合特徴と係合するためのインプラントステム係合特徴を有し、
前記係合特徴は、
ブルノーズ特徴、または、
インプラント内にスナップフィットするように構成された球を備える、ツールのセット。
【請求項2】
前記係合特徴は、前記球を備え、
前記球は、ステムのインプラントライナにスナップフィットするように構成されている、請求項1に記載のツールのセット。
【請求項3】
前記プライミングツールおよび前記ブローチのそれぞれが、把持を支援するための縦溝を有する近位ハンドルと、前記近位ハンドルの遠位にあるフランジとを備える、請求項1または2に記載のツールのセット。
【請求項4】
前記フランジが、前記ハンドルの片側で切頭される、請求項3に記載のツールのセット。
【請求項5】
前記プライミングツールおよび複数の前記ブローチの複数の遠位ヘッドのそれぞれが、掌側方向において湾曲し、かつ、背側方向において実質的に平坦である、請求項1から4のいずれか一項に記載のツールのセット。
【請求項6】
重目的ツールをさらに備え、前記二重目的ツールは、粗目やすりおよびブローチの両方を提供するヘッドを備え、前記ヘッドは、第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有し、前記第1の側が、凹形状を有し、粗目やすり特徴を備え、前記第2の側が、凸形状を有し、ブローチ特徴を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のツールのセット。
【請求項7】
の挙上のための、ステムおよび鉤爪の形状のヘッドを備える二重目的ツールをさらに備え、前記ヘッドは遠位係合スロットさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のツールのセット。
【請求項8】
インプラントステムのねじ付きソケットと係合するためのねじ付きスレッドを備えるステム交換ツールをさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載に記載のツールのセット。
【請求項9】
中手骨内に埋め込まれているステム内に組み付けられたライナを引き抜くためのライナ除去ツールを含み、前記ツールが、ツールの回転によりライナに係合するように構成されたねじ付きヘッドを備える、請求項1からのいずれか一項に記載のツールのセット。
【請求項10】
インプラントヘッドを受け入れるための骨の準備中での前記骨もしくはインプラント部内または前記骨もしくは前記インプラント部上での一時的な設置のための少なくとも1つの試験ヘッドをさらに備え、前記試験ヘッドが、インプラントヘッドの寸法よりも小さないくつかの寸法を有する、請求項1からのいずれか一項に記載のツールのセット。
【請求項11】
骨の挙上のための、ステムおよび鉤爪の形状のヘッドを備える二重目的ツールをさらに備え、前記ヘッドは、インプラントステムから前記試験ヘッドを分離するように構成されたスロットを有する、請求項10に記載のツールのセット。
【請求項12】
様々なサイズの複数の試験ヘッドを備える、請求項10または11に記載のツールのセット。
【請求項13】
前記試験ヘッドが、試験的にインプラントソケット内に挿入するための球を備え、前記球が、前記ソケットのためのインプラント球よりも小さい、請求項10から12のいずれか一項に記載のツールのセット。
【請求項14】
前記試験ヘッドが、機能的なものではないが前記試験ヘッドをそのようなものとして識別する少なくとも1つの開口を備える、請求項10から13のいずれか一項に記載のツールのセット。
【請求項15】
キットを提供するためのステムを備えるインプラントをさらに備える、請求項1から14のいずれか一項に記載のツールのセット。
【請求項16】
前記ステムが、第1中手骨の端部と髄内係合するように構成されている、請求項15に記載のツールのセット
【請求項17】
前記インプラントが、前記ステムの近位端部のためのインサートを備える、請求項16に記載のツールのセット
【請求項18】
前記インプラントが、大菱形骨を第1中手骨から隔てるための第1中手骨関節用のものであり、前記インプラントが、前記大菱形骨上での並進運動のための鞍形状の表面を有する近位インプラント部を備え、前記ステムが、連接カップリングにおいて前記近位部に取付け可能である、請求項15から17のいずれか一項に記載のツールのセット
【請求項19】
前記連接カップリングは、玉継手である、請求項18に記載のツールのセット。
【請求項20】
前記近位部が、前記ステムへの取付けのためのヘッドを備える、請求項18または19に記載のツールのセット
【請求項21】
記ツールはトレイに収容され、前記トレイが、基部と、前記基部から直立した側壁と、前記基部に取り付けられたツール支持ストリップとを備え、前記ツールが、外科手術手技において前記ツールが使用される順に前記ストリップに取り付けられる、請求項1から20のいずれか一項に記載のツールのセット
【請求項22】
前記トレイのための蓋を備え、前記蓋が、前記ツールに係合して前記トレイ内での前記ツールの位置を維持するために前記蓋から内方に突出するストリップを有する、請求項21に記載のツールのセット
【請求項23】
前記蓋ストリップが、前記蓋およびツールの正確な閉鎖のためにツールハンドルの平面に係合するように構成される、請求項22に記載のツールのセット
【請求項24】
インプラントステム内にライナを組み付けるための組立体固定具であって、前記固定具が、複数のインプラントステムサイズのそれぞれのための複数のステム保持器と、ハンドルの回転に応じてライナをステムに押し込むように配置されたプッシャデバイスとを備える組立体固定具をさらに備える、請求項1から23のいずれか一項に記載のツールのセット
【請求項25】
各保持器が、ステムの遠位端部を受け支えるためのソケットと、前記ステムをライナ挿入位置に保持するための位置合わせされた貫通穴とを有する、請求項24に記載のツールのセット
【請求項26】
前記プッシャデバイスが、プッシャ本体を貫通して延在するプッシャ面を有するねじを備える、請求項24または25に記載のツールのセット
【請求項27】
前記プッシャ本体が、対応する蟻継ぎ溝内に係合して前記プッシャねじを前記保持器内のステムと一直線に位置決めするための平行な蟻継ぎ手の対を備える、請求項26に記載のツールのセット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラント手術の際に外科医が使用するためのツールに関する。
【背景技術】
【0002】
全ての整形外科用インプラントは、インプラント構成要素の導入を可能にするためのツールのセットを必要とする。セットは、患者に必要とされるインプラント構成要素のサイズを定めるためのいくつかの試験フィッティング、および、患者の関節におけるインプラントの固定を促進するための複数の特定のツールを含む。インプラントツールセットは、様々な重量のインパクタ、様々なサイズの切骨刀、様々なタイプの開創器、K-ワイヤ、および振動鋸(oscillating saw)などの、整形外科手術環境において容易に見られる一般的なツールにより、手術室において増補されることが多い。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、インプラント手術における効率性の改善を達成することを対象とする。
【0004】
本発明者らは、請求項1に記載されているような骨内へのステムインプラントの導入のためのツールのセットについて説明する。請求項2から19に記載されているような、ツールのセットの特徴についても説明される。本発明者らはまた、いずれかの例に対して説明されるようなツールのセットとステムインプラントとを含むキットについて説明する。キットの様々な態様が、添付の請求項20から24において説明される。本発明者らはまた、いずれかの例のツールのセットとツールを収めるためのトレイとを備える、インプラントを導入する際に使用するための装置について説明する。様々な態様が、請求項25から30において説明される。本発明者らはまた、請求項31から34に記載されているような様々な例のブローチについて説明する。本発明者らはまた、添付の請求項35から41に記載されているような様々な例の二重目的ツール(dual purpose tool)について説明する。本発明者らはまた、様々な例における、請求項42から45に記載されているような組立体固定具について説明する。
【0005】
1つの態様によれば、本発明者らは、骨内にステムインプラントを導入するためのツールのセットであって、
遠位先端、およびその長さに沿った複数の切歯を有する、ステム形状のプライミングツールと、
様々なサイズの複数のステム形状のブローチであって、そのそれぞれが遠位先端およびその長さに沿った複数の切歯を有する、ブローチと、
を備え、
プライミングツールが、最小のブローチよりも短く、単位長さ当たりにより多くの切歯を有し、かつ、より鋭い遠位先端を有する、ツールのセットについて説明する。
【0006】
1つの事例では、プライミングツールおよびブローチは、把持を支援するための縦溝を有する簡素な近位ハンドル端部を備える。
【0007】
プライミングツールおよびブローチは、ツールの近位ハンドルの遠位にフランジを備え得る。フランジは、ハンドルの片側で切頭され得る。
【0008】
いくつかの事例では、プライミングツールおよびブローチの遠位ヘッドは、掌側方向において湾曲し、かつ、背側方向において実質的に平坦である。
【0009】
ツールのセットは、ステム挿入ツールをさらに備えることができ、ステム挿入ツールは、ステム挿入ツールに印加された力をステムインプラントに直接伝達するために、インプラントステムの対応する係合特徴と係合するための係合特徴を有する。
【0010】
ツールのセットは、二重目的ツールである少なくとも1つのさらなるツールをさらに備え得る。1つの事例における二重目的ツールは、粗目やすりおよびブローチの両方を提供するヘッドを有する。別の事例では、二重目的ツールは、骨の挙上のための梃子を備える。梃子は、遠位係合スロットを備え得る。
【0011】
特許請求されるツールのセットは、ステム交換ツールをさらに備え得る。
【0012】
ツールのセットは、インプラントヘッドを受け入れるための骨の準備中の骨内での一時的な設置のための少なくとも1つの試験ヘッドをさらに備え得る。1つの事例における試験ヘッドは、インプラントヘッドの寸法よりも小さないくつかの寸法を有する。様々なサイズの複数の試験ヘッドが存在し得る。
【0013】
本発明のツールのセットおよびステムインプラントを備えるキットも提供される。ステムインプラントは、第1の中手骨の端部と髄内係合するように構成され得る。インプラントは、1つの事例では、ステムの近位端部のためのインサートを含む。
【0014】
1つの事例では、インプラントは、大菱形骨を第1中手骨から隔てるための第1手根中手関節用のものであり、インプラントは、大菱形骨上での並進運動のための鞍形状表面を有する近位インプラント部を備え、ステムは、玉継手などの連接カップリングにおいて近位部に取付け可能である。近位部は、ステムへの取付けのためのヘッドを備え得る。
【0015】
本発明者らはまた、本発明のツールのセットとツールを収めるためのトレイとを備える、インプラントを導入する際に使用するための装置について説明する。トレイは、基部、基部から直立した側壁、および基部に取り付けられたツール支持ストリップを備え得る。1つの事例では、トレイは、トレイにわたって延在する2つの支持ストリップを備え、支持ストリップのそれぞれは、ツールの一部分を収容するための離間された凹部を備える。ツールは、外科手術手技においてツールが使用される順に、ストリップに取り付けられ得る。トレイのための蓋が、ツールに係合してトレイ内でのツールの位置を維持するために蓋から内方に突出する単一のストリップを有し得る。
【0016】
近位ハンドル、ハンドルから延在する軸、およびハンドルと軸との間に延在するフランジを備えるインプラント、を受け入れるために骨を準備する際に使用するためのブローチも提供される。1つの事例では、フランジは、ハンドルの片側で切頭される。ハンドルは、把持を向上させるための縦溝を有する全体的に平坦な複数の側面を備え得る。遠位ヘッドは、掌側方向において湾曲され、かつ、背側方向において実質的に平坦とされ得る。
【0017】
本発明者らはまた、ハンドルと、ハンドルから延在する軸と、第1の側および第1の側に対向する第2の側を有する遠位切削ヘッドとを備えるインプラント、を受け入れるために骨を再造形するための二重目的ツールについて説明し、切削ヘッドの第1の側は、粗目やすり特徴を有し、ヘッドの第2の側は、ブローチ特徴を有する。1つの事例における第1の側は、凹形状のものであり、第2の側は、凸形状のものである。ツールの遠位端部は、円形、四角形、平坦、または円環の形状のものであり得る。いくつかの事例では、ハンドルは、全体的に平坦な複数の側面を備え、かつ、把持を支援するための縦溝を備える。
【0018】
本発明者らはまた、ハンドルと、ハンドルから延在する軸と、遠位先端とを備える二重目的ツールについて説明し、軸は、小骨の取扱いを促進するためにハンドルに対して角度を付けられ、遠位先端は、要素に係合して要素の梃子作用を促進するためのスロットを有する。軸は、全体的に平坦であり得る。ハンドルは、全体的に平坦な複数の側面を備え、かつ、把持を支援するための縦溝を備え得る。
【0019】
ツールセットは、特定のツール、およびツール特徴を含む。これらのツールは、特定のインプラントのために特異的に設計されているが、それらの新規な特徴はまた、整形外科手術の他の領域における用途を有する。
【0020】
本発明は、単に例として与えられる以下の説明から、より明瞭に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】近位部および遠位部を備えるインプラントを斜視図で示す図である。
図2(a)】インプラント遠位部の断面図である。
図2(b)】遠位部のステムの斜視図である。
図2(c)】完全な遠位部の斜視図である。
図2(d)】近位部の斜視図である。
図3】上面図、端面図、斜視図、および断面図を含む、インプラントの遠位部の一部分を示す一連の図である。
図4】1つの例における本発明によるツールのセットを示す図である。
図5】本発明のプライマツールの図である。
図6】プライマツールの遠位端部の拡大図である。
図7】ブローチおよび異なる回転位置の側面図の対である。
図8】第1の二重目的ツールのヘッドの側面図である。
図9】第1の二重目的ツールのヘッドの側面図および平面図である。
図10】第2の二重目的ツールのその軸の周りでの配向の異なる角度における側面図の対である。
図11】第2の二重目的ツールのヘッドの拡大側面図である。
図12】ヘッドおよびステム構造を保持するのに使用されているツールの斜視図である。
図13図13(a)は、ステム挿入ツールの全側面図、ステム挿入ツールのヘッドの拡大側面図、およびステム挿入ツールの軸上端面図である。図13(b)は、使用時のステム挿入ツールの側面断面図である。図13(c)は、使用時のステム挿入ツールの概略的な拡大側断面図である。
図14図14(a)は、ステム交換ツールの側面図である。図14(b)は、ステム交換ツールの平面図である。図14(c)は、ステム交換ツールのヘッドの拡大側面図である。
図15】従来技術のツールの図である。
図16】ツールのうちのいくつかのツールのハンドル端部の拡大図である。
図17】ツールのうちのいくつかのツールのフランジの拡大図である。
図18】ツールのうちのいくつかのツールのフランジの一連の詳細図である。
図19図19(a)は、使用時の代替的なステム挿入ツールの図である。図19(b)は、使用時の代替的なステム挿入ツールの図である。図19(c)は、使用時の代替的なステム挿入ツールの図である。
図20図20(a)は、ライナ交換ツールの側面図である。図20(b)は、ライナと係合しているツールのヘッドを示す図である。
図21】インプラント導入処置中に使用される試験ヘッドの図である。
図22】器具トレイの図である。
図23図22の器具トレイの蓋の図である。
図24図24(a)は、術中組立体(intraoperative assembly)の斜視図である。図24(b)は当該組立体の構成要素の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のツールのセットを使用して導入され得るインプラントの1つの例が、図1から3に示されている。図1から3を参照すると、インプラント1が、ステム110内にインサート100を含む遠位部と、近位部120とを有する。この事例では、インプラント1は、大菱形骨に対する第1中手骨の並進運動および回転運動を可能にしながら関節の大菱形骨を関節の第1中手骨から隔てるための、哺乳類第1手根中手関節用のものである。遠位部110は、第1中手骨の端部と髄内係合するように構成される。近位部120は、大菱形骨上を摺動するまたは大菱形骨を横断するための近位に面する表面124を含む湾曲した鞍形状のプラットフォーム122を有する。連接カップリングが、知られているように、鞍部122から球121まで架橋するネック123を備える。これは、大菱形骨および第1中手骨の制御された関節接合を可能にする。
【0023】
インサート100は、この事例では近位に面する丸みのある表面101を含むフランジ105である、緩衝界面特徴を有し得る。この表面の遠位には肩部102が存在し、この肩部102は、ステム111内のインサート100に係合してステム内のインサートの回転を防止するためのキーとして機能し、かつ、連接されるカプラ球121を受け入れるためのリム106を含むソケット103を取り囲む。手術中の連接型半関節形成の組立てを可能にするために、ソケットのリム106の後方でソケット103内での球121のスナップフィット係合(特に図2(d)を参照されたい)が存在し、これはまた、生体内でのデバイスの分解を防止し得る。ソケットは、必要に応じて中央に位置するかまたは任意の方向もしくは角度にオフセットされ得る。
【0024】
インサート100は、インサート100を収容するステム111凹部115の対応する溝内にスナップフィットするための環状のロッキングリム104をさらに遠位に備える。ステム111内へのインサート100の係合は、インサート材料の弾性、および、ステム111内でのリム104とその対応する係合表面との間のスナップフィットする形での包括的な表面対表面接触が存在するという事実により、効果的である。インサートは、回転および潜在的な必然の背面摩耗を防ぐために、肩部102によって固定される。
【0025】
図4を参照すると、図1から3のインプラントなどのインプラントを導入する際に使用するためのツールのセットが示されている。この例におけるツールのセットは、
プライマ1(図5および6)、
様々なサイズの5本のブローチ2、3、4、5、6のセット(図7)、
第1の二重目的ツール7(図8および9)、
第2の二重目的ツール8(図10、11、および12)、
ステム挿入ツール9(図13(a)、13(b)、13(c))、ならびに
ステム交換ツール10(図14(a)、14(b)、14(c))
を含む。
【0026】
プライマ1(図5および6)
図5および図6を参照すると、プライマ1は、切削ヘッド30を有し、かつ、中手骨内への最初の切開を促進し、かつ、第1のブローチ2の展開に先立つ外科医による突き錐または類似のものの必要性を排除する。さらに、プライマ1の切削ヘッド30の幾何形状は、ツーリングセット内の最小のブローチであるブローチ2の幾何形状をモデルに作られる。プライマ1は、より少ない体積を有し、より短く、単位長さ当たりにより多くの切歯31を有し、かつ、はるかに鋭い先端32を有するが、ブローチおよびインプラントの必要な湾曲した掌側の平坦な背側の幾何形状を有する。プライマ遠位先端は、ブローチの特徴である、歯なし骨髄圧縮遠位端部を有さない。この事例では、ヘッド30は、17個の切歯31を有し、また一般に、12個から22個の範囲内の歯が存在することが好ましく、14個から20個の範囲内の歯が存在することがより好ましい。
【0027】
正味の影響は、プライマ1は、突き錐または類似のものよりもはるかに先まで侵入し、初期の切開をより正確に位置付けるために使用することができ、最も重要なことには第1のブローチ2に必要とされる労力を減らす、ということである。これは、手の力が弱いまたは低下した外科医にとって、特に意味のある利点である。
【0028】
ブローチ(図7
ブローチ2、3、4、5、6(ブローチAからEと呼ばれる)は、インプラントステム111に対する幾何学的対応物(geometrical match)である。したがって、エンドユーザは、ブローチを試験ステムとして利用することができる。外科医が中手骨空洞のブローチ削りを完了したときに、ブローチ自体がこの臨床情報を提供しているので、ステムの適合を評価するために別個の試験ステムが設置される必要はない。
【0029】
以下でより詳細に説明されるように、説明されたツールに加えて、試験インプラントヘッド70(図22)もまた、処置中に使用され得る。
【0030】
インプラントを導入するために、プライマ1は、中手骨に最初の切開を作るのに使用される。プライマはまた、その切歯密度、およびプライマ幾何形状が最小のブローチ(サイズA、2)の幾何形状をしっかり模倣するという事実により、ブローチの、したがって中手骨内でのステムインプラントの正確な位置および配向を確保する際に、外科医を支援する。次いで、ブローチ2、3、4、5、6のうちの1つまたは複数が、中手骨空洞をブローチ削りするために使用される。ブローチは、サイズが大きくなる順に使用される。したがって、サイズA(2)は、プライマの使用後に続く。どの中手骨であっても、外科医は、ブローチ削りするときの外科医の感触に基づいてかつ/またはX線像を使用して、次のブローチサイズが必要とされているかどうかを決定する。ブローチ削りの後、中手骨ステムインプラント110が切除された中手骨と同一平面にまたはちょうど盛り上がって配置されるまでインプラントのステム部110を中手骨空洞内に挿入するために、ステム挿入ツール9が使用される。これは、ブローチとステムインプラントとの密接な関係によって促進され、外科医は、彼または彼女が使用する最後のブローチの位置に基づいて、切除された中手骨に対してステムの基部が最終的に位置する場所を測定することができる。
【0031】
第1の二重目的ツール7(図8および図9
図8および9を参照すると、第1の二重目的ツール7は、粗目やすり52特徴およびブローチ53特徴の両方を有する。凹面側の粗目やすり52は、大菱形骨をインプラントヘッド120の正確な半径に彫刻するために使用され得る。ツール7の凸面側は、大菱形骨を彫刻する過程で遭遇する偶発的な骨棘または他の突起を除去するために使用され得るブローチ様の歯53を持つ。
【0032】
上記のように、このツールのヘッド50は、二重目的機能を有する。ヘッド50は、小関節にアクセスしやすくするために、テーパ付けされるかまたは他の方法で直径が減少された軸51を有する。
【0033】
ヘッド50の凹面側52は、粗目やすり構造を有し、かつ、大菱形骨をインプラントヘッドの形状に彫刻するように設計される。凸面側53は、骨棘の除去のためのブローチ構造を有し、かつ、押すのではなく引く行程で切削するように設計される。
【0034】
他の使用には、骨再造形が必要とされるが外科医がツールを相次いで除去しかつ置き換える必要がない、顎顔面外科手術が含まれる。例えば、第1の二重目的ツール7は、体腔内に挿入され、粗目やすり機能のために使用され、そのままで残されるが180度回転されて、ブローチ削り機能または骨再造形機能のために使用され得る。
【0035】
ツール7は、骨の幾何形状、切削表面、および使い易さを促進する新規な二重機能ヘッドを有するツールの遠位端部に応じて、任意の骨の外部表面または内部表面の幾何形状を変更するために使用され得る。
【0036】
ツール7の遠位端部は、その使用によってもたらされるべき所望の解剖学的幾何形状に従って、円形、四角形、平坦、または円環の形状とされ得る。
【0037】
中心線の上方および下方の遠位断面は、片側では1つの幾何形状であり反対側では別の幾何形状のものであってよく、すなわち、片側では円環状であり反対側では平坦であってよい。
【0038】
第2の二重目的ツール8(図10、11、および12)
図10、11、および12を参照すると、第2の二重目的ツール8は、組織をわきに寄せるために、また、切除のために外科医に中手骨を提示するために、中手骨挙上具(metacarpal elevator)として使用される。第2の二重目的ツール8は、ステム60、および、鍵穴特徴63を有するヘッド64を備える。鍵穴特徴63は、第2の二重目的ツール8のヘッド64の遠位端部に位置し、図12に示されるようにインプラントステムから試験ヘッド(70)を分離するために使用され得る。
【0039】
このツール8は、例えば、中手骨挙上具として機能し、かつ、切除のために外科医に中手骨を提示するために使用され得る。軸60は、平坦であり、かつ、ハンドル61に対して角度を付けられて、中手骨および支点位置の両方への最適なアクセスを提供する。ヘッド64は、中手骨の湾曲に適合するように湾曲している。
【0040】
さらに、ヘッド64の遠位端部に位置する鍵穴スロット63が、インプラントステム111のネックの半径に適合し、外科医がインプラントヘッド120を取り付ける準備ができているときに、図12に示されるようにライナ100から試験ヘッド70を梃子の作用で外すために使用され得る。一般に、ツール8のヘッドは、物品を遠隔操作するための保持器または把持レバーとしての様々な使用法を有する鉤爪である。
【0041】
第2の二重目的ツールの他の使用法には、a)外科手術中の第2から第5の中手骨などの任意の小骨の操作、b)梃子の作用でプレートを骨から外すためのツールを使用することによる小関節手術におけるプレートの除去、c)プレートが梃子の作用で骨から遠ざけられている間に鍵穴が釘またはねじを囲むことができる位置でのねじ付きプレートの除去、d)質の劣るものであり得るがねじがある程度の固定を有する骨から梃子の作用でねじを外すためにスロット/鍵穴63が使用される骨からのねじの除去、が含まれる。
【0042】
ステム挿入ツール9(図13(a)、13(b)、および13(c)
ステム挿入ツール9のヘッド40の内部特徴は、ライナフランジ100の輪郭および深さの両方を取り込み、また、これらの特徴は、ツールヘッドの遠位部分が中手骨ステムインプラント111の基部上に底付きすることを可能にする。ツール9の遠位ヘッド40は、ステム111の基部上に位置する。外科医が骨内へとステム111を操作するときに、ステム挿入ツール9とともにインパクタが使用されるはずであるが力はステム挿入ツール9の金属ヘッドからステム111の金属基部に伝達されるので、ライナ100は損傷を受けない。
【0043】
ツールヘッド40の遠位部分の輪郭は、中手骨ステムインプラント111の基部の輪郭を上回る。中手骨ステムインプラント111が切除された中手骨と同一平面にまたはちょうど盛り上がって配置されている場合、これらの設計特徴は、ライナ100が骨内で同一平面より下に挿入され得ないことを保証する。
【0044】
ステム挿入ツール9の遠位端部に位置するブルノーズは、スナップフィット位置におけるライナ100の内部直径未満であり、ステム挿入ツール9はライナ110の外側を密に包み込むので、ライナ110とヘッド121の球とのスナップフィットに対する損傷は生じない。
【0045】
ステム交換ツール10(図14(a)、14(b)、14(c))
必要であれば、ステム110は、ステム交換ツール10を使用して中手骨空洞から除去され得る。ライナ100がステム110から除去される場合、このツールのファインメトリックねじ付きスレッド(fine metric threaded thread)45が、ステム111内のファインメトリックねじ付きスレッド47(図13(b)参照)と係合されてよく、また、そのように所望された場合、ステム111は除去され得る。ステム交換ツール10は、ねじが互いにどれほど深く係合されるかに関わらずステム取外しを支援するために、インパクタ使用のための全周フランジ46を有する。
【0046】
ステム111がポリマーライナ100を含まずに埋め込まれる場合、ステム交換ツール10は、ステム111を位置決めしかつ所定の位置へのステム111の嵌入を促進するために使用され得る。これは、ポリマーライナを含む代わりにソケットの遠位にステム交換ツール10のための相手ねじを含む金属ソケットを有するステムにも当てはまるであろう。
【0047】
縦溝およびフランジ付きハンドル(図16および18)
図15は、多くの従来技術の整形外科用ブローチの近位軸端部に位置する、凹凸のある円形の取手車を示す。従来技術の円形の近位軸端部(ツール除去のためのインパクタとともに使用される)は、外科医によって把持され、かつ、意図されたよりも大きな開口を骨にもたらし得るツーリングのねじりを促進することができる。ブローチ切削ヘッドによって作り出される開口は、インプラントの幾何形状に対応するべきである。円形タイプのハンドルを有する従来技術のブローチは、骨内での手掛りを得るためにねじれている。
【0048】
ツールセットにおいて、ツールは、図16および17に示されるように把持を支援するための縦溝21が付けられた簡素な細長い近位ハンドル20を有する。したがって、ツーリングは、軸方向運動を促進し、これは、ブローチ切削ヘッドのしたがってインプラントの幾何形状により正確に適合する、骨での開口作製をもたらす。
【0049】
プライマ1、ブローチ2、3、4、5、6、およびステム交換ツール10はみな、図16から18に示されるようにハンドル20の遠位端部にフランジ25、46を有する。フランジ25(および、ツール10上の46)は、必要に応じてツール抜き取り目的のためにインパクタが使用されることを可能にする。それらはまた、外科医の手のための止め具として機能し、かつ、ツール標識26を持つハンドル上の平面と結合され、かつ、親指グリップとして機能し、プライマ1およびブローチ2、3、4、5、6は、安定した軸方向前進運動を促進する。
【0050】
これは、他のツーリングとは対照的に、本発明のツーリングが衝撃をほとんどまたは全く必要としないことを意味する。これは、従来のツールによる診療で観察されてきた外科手術中の骨の潜在的な破壊損傷を軽減する。
【0051】
プライマ1および全てのブローチ2、3、4、5、6のフランジ25は、図18に示されるように、270°において掌側側面上に非円周側面縁部27を提供するように、切頭される。
【0052】
これは、外科手術中の中手骨の軸ととても良く合致する角度でツールが使用されることを可能にすることにより、外科医を助ける。この特徴はまた、外科医がツールをねじる傾向をさらに減少させ、また、ツールの抜き取りを支援するために、必要とされるであろうインパクタのためのフランジの遠位側上の十分な空間を許容する。
【0053】
ステム挿入ツール90(図19(a)、19(b)、および19(c)
代替的なステム挿入ツール90が、その直径がインプラントヘッド球直径のそれ未満であるが軽いスナップフィットを提供するにはちょうど十分である、球91を組み込む。この軽いスナップフィットは、外科医がインプラントを準備領域から埋込み部位へ直接運ぶためにツールを使用することができるように、ツール90とインプラントステム-ライナ組立体110との間の連結を提供する。
【0054】
ライナ交換ツール95(図20(a)および20(b))
ツールセットは、中手骨内に埋め込まれているステム111内に組み付けられたライナ100を引き抜くためのツール95をさらに含み得る。ステムを引き抜くまたは交換するためにステムのねじ部分47へのアクセスが必要とされるときに、ライナを引き抜く機会が存在し得る。ツール95のねじ付きヘッド96は、二条テーパねじ(double- start tapered thread)として構成され、ねじの螺旋は、ライナ100内のソケットのスナップフィット直径と係合する。ツール95は、抵抗が感じられるまでライナ100内に螺入され、その位置では、ライナ100は、ステムハウジング112(図20(a)に示される)から梃子の作用で容易に外される。
【0055】
試験ヘッド70(図21
試験ヘッド70は、鞍部を貫通する2つの貫通穴71を有すること、および、基部上にレーザエッチングされた4つの試験ヘッドタイプのそれぞれに適合している2つの文字標識を有することを除けば、関連するインプラントヘッド120の幾何形状に一致する。貫通穴71は、試験ヘッド70とインプラントの構成要素120とを見分けるのに役立つ。
【0056】
試験ヘッド70の球直径もまた、ライナ100のスナップフィットが応力を受けないように、インプラントヘッド120の球直径よりもわずかに小さい。球直径はわずかに減少されているが、中手骨から大菱形骨までの伸長距離は、試験ヘッド70のネック長さを増大することにより、インプラントヘッド120のそれと同じに維持される。
【0057】
インプラントステム111とともに試験ヘッド70を使用することにより、エンドユーザによって首尾良く完了されるべき外科手術ステップの数が減少する。使用するインプラントを選択する前に最初に試験ヘッド70を使用してサイズを調べることにより、外科医が試行錯誤に基づいてインプラントを開封して使用する必要がなくなる。
【0058】
器具トレイ80(図22および23)
器具トレイは、個々のツール85を収容するために複数の隔離具(stand-off)を含むのではなく、全てのツールが2つのストリップ81、82によって配置されるという点で有利であり、2つのストリップ81、82は、ポリマーPPSU(ポリフェニルスルホン)で作られ、ねじ留めなどで基部83に取り付けられ、または、基部と一体に成形され得る。ツール(ツール85のみが示されている)は、ツールのハンドルの親指グリップ平面に作用する、蓋87の裏側に取り付けられた単一のストリップ86によってさらに固定される。蓋87の(したがって、固定ストリップ86の)正しい配向は、2つのラッチを蓋の片側で反対側(図示せず)よりも互いにより近くに配置することによって確実とされる。
【0059】
術中組立体固定具140(図24(a)および(b))
ライナ100をステム111内に組み付けるために、組立体固定具140が外科手術セッティングにおいて使用され得る。固定具140の基部141が、インプラントステムサイズのそれぞれに対する別個の保持器142を有する。各保持器142は、ステム111の遠位の(細い)端部を受け支えてステム111を直立位置に保持するためのソケット143を有する。保持器141はまた、ステム111のより幅広の(近位の)端部を保持するための位置合わせされた上方貫通穴を有する。各保持器は、ステムA、B、C、D、およびEとそれぞれ呼ばれる特定のステムサイズに対して、左から右へサイズが大きくなる順に寸法取りされる。
【0060】
組立体はまた、下部プッシャ面151を有するねじ150を回転させるための、刻み付きサムホイール149を有するプッシャ148を備える。ねじ150は、対応する蟻継ぎ溝145に係合するための平行な蟻継ぎ手152の対を有するプッシャ本体を貫通して延在する。
【0061】
ステム111が、適切な保持器141内に垂直に設置され、ライナ100が、ライナに取り付けられたときに軽いスナップフィットを具現化するプッシャ148の本体152によって形成された汎用キャップと位置合わせされる。プッシャ148は、スロット145のセットのうちのいずれか1つに向かって完全に押されるときに、ねじ150の中心がステム上で中心に位置するように位置決めされる。次いで、ねじ150は、ライナ100をステム111に完全に押し込むように回転され、それにより、ライナ100をステム111内に据え付ける。
【0062】
1つの好ましい例の全ツール一覧表
以下は、1つの例における完全なツールセット装置の全ての構成要素の一覧表である。
【表1】
【0063】
説明された装置は、正確さおよび時間短縮の両方の観点から、手術を実行する外科医に対する大きな支援を提供することが、理解されるであろう。
【0064】
本発明は、これまでに説明された実施形態に限定されるものではなく、それらの実施形態は、構成および細部が変更され得る。
(1)本発明の第1の態様によると、ツールのセットは、骨内にステムインプラントを導入するためのツールのセットであって、遠位先端、およびその長さに沿った複数の切歯を有する、ステム形状のプライミングツール(1)と、様々なサイズの複数のステム形状のブローチ(2~6)であって、前記ブローチのそれぞれが、遠位先端、およびその長さに沿った複数の切歯を有する、ブローチ(2~6)と、を備え、前記プライミングツールが、最小の前記ブローチよりも短く、単位長さ当たりにより多くの切歯を有し、かつ、より鋭い遠位先端を有する。
(2)本発明の第2の態様によると、第1の態様において、前記プライミングツールおよび前記ブローチが、把持を支援するための縦溝(21)を有する近位ハンドル(20)端部を備える。
(3)本発明の第3の態様によると、第1または第2の態様において、前記プライミングツールおよび前記ブローチが、それぞれ、前記ツールの前記近位ハンドルの遠位にフランジ(25)を備える。
(4)本発明の第4の態様によると、第3の態様において、前記フランジ(25)が、前記ハンドルの片側で切頭(27)される。
(5)本発明の第5の態様によると、第1から第4のいずれかの態様において、前記プライミングツール(1)および前記ブローチ(2~6)の遠位ヘッド(30)が、掌側方向において湾曲し、かつ、背側方向において実質的に平坦である。
(6)本発明の第6の態様によると、第1から第5のいずれかの態様において、少なくとも1つの二重目的ツール(7、8)をさらに備える。
(7)本発明の第7の態様によると、第6の態様において、二重目的ツール(7)が、粗目やすり(52)およびブローチ(53)の両方を提供するヘッドを有する。
(8)本発明の第8の態様によると、第6または第7の態様において、二重目的ツール(8)が、骨の挙上のための梃子(64)を備える。
(9)本発明の第9の態様によると、第8の態様において、前記梃子が、遠位係合スロット(63)を備える。
(10)本発明の第10の態様によると、第1から第9のいずれかの態様において、ステム挿入ツール(9)をさらに備え、前記ステム挿入ツール(9)が、前記ステム挿入ツールに印加された力を前記ステムインプラントに伝達するために前記インプラントステム(100、111)の対応する係合特徴と係合するための係合特徴(40)を有する。
(11)本発明の第11の態様によると、第10の態様において、前記係合特徴が、ブルノーズ特徴(40)を含む。
(12)本発明の第12の態様によると、第10の態様において、前記係合特徴が、ステム(111)のインプラントライナ(100)などのインプラント内にスナップフィットするように構成された球(91)を含む。
(13)本発明の第13の態様によると、第1から第12のいずれかの態様において、ステム交換ツール(10)をさらに備える。
(14)本発明の第14の態様によると、第13の態様において、前記ツール(10)が、インプラントステムのねじ付きソケット(47)と係合するためのねじ付きスレッド(45)を備える。
(15)本発明の第15の態様によると、第1から第14の態様において、中手骨内に埋め込まれているステム(111)内に組み付けられたライナ(100)を引き抜くためのライナ除去ツール(95)を含み、前記ツールが、ツールの回転によりライナに係合するように構成されたねじ付きヘッド(96)を備える。
(16)本発明の第16の態様によると、第1から第15の態様において、インプラントヘッドを受け入れるための骨の準備中での前記骨もしくはインプラント部内または前記骨もしくは前記インプラント部上での一時的な設置のための少なくとも1つの試験ヘッド(70)をさらに備え、前記試験ヘッド(70)が、インプラントヘッドの寸法よりも小さないくつかの寸法を有する。
(17)本発明の第17の態様によると、第16の態様において、様々なサイズの複数の試験ヘッドを備える。
(18)本発明の第18の態様によると、第16または第17の態様において、前記試験ヘッドが、試験的にインプラントソケット内に挿入するための球を備え、前記球が、前記ソケットのためのインプラント球よりも小さい。
(19)本発明の第19の態様によると、第16から第18のいずれかの態様において、前記追従ヘッドが、機能的なものではないが前記追従ヘッドをそのようなものとして識別する少なくとも1つの開口(71)を備える。
(20)本発明の第20の態様によると、キットは、第1から第19のいずれかの態様のツールのセットとステムインプラントとを備える。
(21)本発明の第21の態様によると、第20の態様において、前記ステムインプラントが、第1中手骨の端部と髄内係合するように構成(111)されている。
(22)本発明の第22の態様によると、第21の態様において、前記インプラントが、前記ステムの近位端部のためのインサート(100)を備える。
(23)本発明の第23の態様によると、第20から第22のいずれかの態様において、前記インプラント(120、100、110)が、大菱形骨を第1中手骨から隔てるための第1中手骨関節用のものであり、前記インプラントが、前記大菱形骨上での並進運動のための鞍形状の表面を有する近位インプラント部を備え、前記ステムが、玉継手などの連接カップリングにおいて前記近位部に取付け可能である。
(24)本発明の第24の態様によると、第23の態様において、前記近位部(120)が、前記ステムへの取付けのためのヘッドを備える。
(25)本発明の第25の態様によると、インプラントを導入する際に使用するための装置は、第1から第19のいずれかの態様のツールのセットと、前記ツールを収容するためのトレイ(80)とを備える。
(26)本発明の第26の態様によると、第25の態様において、前記トレイが、基部と、前記基部から直立した側壁と、前記基部に取り付けられたツール支持ストリップ(81、82)とを備える。
(27)本発明の第27の態様によると、第26の態様において、前記トレイが、前記トレイにわたって延在する2つの支持ストリップ(81、82)を備え、前記支持ストリップのそれぞれが、前記ツールの一部分を収容するための離間された凹部を備える。
(28)本発明の第28の態様によると、第26または第27の態様において、前記ツールが、外科手術手技において前記ツールが使用される順に前記ストリップに取り付けられる。
(29)本発明の第29の態様によると、第26から第28のいずれかの態様において、前記トレイのための蓋(87)を備え、前記蓋が、前記ツールに係合して前記トレイ内での前記ツールの位置を維持するために前記蓋から内方に突出するストリップ(86)を有する。
(30)本発明の第30の態様によると、第29の態様において、前記蓋ストリップ(86)が、前記蓋およびツールの正確な閉鎖のためにツールハンドルの平面に係合するように構成される。
(31)本発明の第31の態様によると、ブローチは、インプラントを受け入れるために骨を準備する際に使用するためのブローチ(2~6)であって、近位ハンドル(20)、前記ハンドルから延在する軸(28)、前記ハンドルと前記軸との間のフランジ(25)、および遠位ヘッド(30)を備える。
(32)本発明の第32の態様によると、第31の態様において、前記フランジ(25)が、前記ハンドルの片側で切頭(27)される。
(33)本発明の第33の態様によると、第31または第32の態様において、前記ハンドルが、把持を向上させるための縦溝(21)を有する全体的に平坦な複数の側面を備える。
(34)本発明の第34の態様によると、第31から第33のいずれかの態様において、前記遠位ヘッド(30)が、掌側方向において湾曲し、かつ、背側方向において実質的に平坦である。
(35)本発明の第35の態様によると、二重目的ツールは、ハンドル、前記ハンドル(25)から延在する軸、ならびに第1の側および前記第1の側に対向する第2の側を有する遠位切削ヘッドを備える、インプラントを受け入れるために骨を再造形するための二重目的ツールであって、前記切削ヘッドの前記第1の側が、粗目やすり(52)特徴を有し、前記ヘッドの前記第2の側が、ブローチ(53)特徴を有する。
(36)本発明の第36の態様によると、第35の態様において、前記第1の側が、凹形状のものであり、前記第2の側が、凸形状のものである。
(37)本発明の第37の態様によると、第35または第36の態様において、前記ツールの前記遠位端部(50)が、円形、四角形、平坦、または円環の形状のものである。
(38)本発明の第38の態様によると、第35から第37のいずれかの態様において、前記ハンドル(20)が、全体的に平坦な複数の側面を備え、かつ、把持を支援するための縦溝(21)を備える。
(39)本発明の第39の態様によると、二重目的ツールは、ハンドル(61)、前記ハンドルから延在する軸(60)、および遠位先端(64)を備える二重目的ツールであって、前記軸が、小骨の操作を促進するために前記ハンドルに対して角度を付けられ、前記遠位先端が、要素に係合して前記要素の梃子作用を促進するためのスロットを有する。
(40)本発明の第40の態様によると、第39の態様において、前記軸(60)が全体的に平坦である。
(41)本発明の第41の態様によると、第39または第40の態様において、前記ハンドルが、全体的に平坦な複数の側面(21)を備え、かつ、把持を支援するための縦溝を備える。
(42)本発明の第42の態様によると、組立体固定具は、インプラントステム(111)内にライナ(100)を組み付けるための組立体固定具(140)であって、前記固定具が、複数のインプラントステムサイズのそれぞれのための複数のステム保持器(142)と、ハンドル(147)の回転に応じてライナ(100)をステム(111)に押し込むように配置されたプッシャデバイス(148)とを備える。
(43)本発明の第43の態様によると、第42の態様において、各保持器(142)が、ステム(111)の遠位端部を受け支えるためのソケット(143)と、前記ステム(111)をライナ(100)挿入位置に保持するための位置合わせされた貫通穴(144)とを有する。
(44)本発明の第44の態様によると、第42または第43の態様において、前記プッシャデバイス(148)が、プッシャ本体を貫通して延在するプッシャ面(51)を有するねじ(150)を備える。
(45)本発明の第45の態様によると、第44の態様において、前記プッシャ本体が、対応する蟻継ぎ溝(145)内に係合して前記プッシャねじを前記保持器内のステムと一直線に位置決めするための平行な蟻継ぎ手(152)の対を備える。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図2(d)】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図14(a)】
図14(b)】
図14(c)】
図15
図16
図17
図18
図19(a)】
図19(b)】
図19(c)】
図20(a)】
図20(b)】
図21
図22
図23
図24(a)】
図24(b)】