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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/32 20060101AFI20230428BHJP
   H01G 4/224 20060101ALI20230428BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20230428BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
H01G4/32 540
H01G4/224 200
H01G2/02 101E
H01G2/10 C
H01G4/32 531
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019562984
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(86)【国際出願番号】 JP2018045998
(87)【国際公開番号】W WO2019131192
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2017254808
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】吉川 寛之
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-148376(JP,A)
【文献】特開2016-058688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/32
H01G 4/224
H01G 2/02
H01G 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子の電極に接続されるバスバーと、
前記コンデンサ素子を収容するケースと、
前記ケース内に充填される充填樹脂と、を備え、
前記ケースは、前記ケースの内面から外面へ貫通する貫通孔を有し、
前記バスバーは、前記貫通孔を通して外部に導出される接続端子部を有し、
前記接続端子部を取り囲むリング状を有し、前記接続端子部と密着する封止部材をさらに備え、
前記封止部材は、前記ケースの前記内面における前記貫通孔を取り囲む第1領域に当接して前記貫通孔を塞ぎ、
前記接続端子部は、前記封止部材が前記第1領域と当接することによる前記封止部材の変位を制限する突起を有する、
コンデンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンデンサにおいて、
前記接続端子部は、板状を有し、
前記ケースは、前記第1領域の周囲から立ち上がり、前記封止部材を包囲する包囲壁面を有し、
前記包囲壁面は、少なくとも前記接続端子部の厚み方向において、前記封止部材と当接する、
コンデンサ。
【請求項3】
コンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子の電極に接続されるバスバーと、
前記コンデンサ素子を収容するケースと、
前記ケース内に充填される充填樹脂と、を備え、
前記ケースは、前記ケースの内面から外面へ貫通する貫通孔を有し、
前記バスバーは、前記貫通孔を通して外部に導出される接続端子部を有し、
前記接続端子部を、それぞれ取り囲むリング状を有し、前記接続端子部と密着する第1
の封止部材と第2の封止部材と、をさらに備え、
前記第1の封止部材は、前記ケースの前記内面における前記貫通孔を取り囲む第1領域に当接して前記貫通孔を塞ぎ、
前記第2の封止部材は、前記ケースの前記外面における前記貫通孔を取り囲む第2領域に当接して前記貫通孔を塞ぎ、
前記接続端子部は、前記第1の封止部材が前記第1領域と当接することによる前記第1の封止部材の変位を制限する突起を有する、
コンデンサ。
【請求項4】
請求項に記載のコンデンサにおいて、
前記接続端子部は、板状を有し、
前記ケースは、前記第1領域の周囲から立ち上がり、前記第1の封止部材を包囲する第1の包囲壁面と、前記第2領域の周囲から立ち上がり、前記第2の封止部材を包囲する第2の包囲壁面と、を有し、
前記第1の包囲壁面は、少なくとも前記接続端子部の厚み方向において、前記第1の封止部材と当接し、
前記第2の包囲壁面は、少なくとも前記接続端子部の厚み方向において、前記第2の封止部材と当接する、
コンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
ケース内にコンデンサ素子等の電気素子を収納し、この電気素子に接続された外部接続用の端子を、ケースの側面を貫通させて外部に導出し、ケース内にエポキシ樹脂等の充填樹脂を充填した構造の樹脂封止電気部品が、特許文献1に記載されている。充填樹脂は、溶融状態でケース内に充填され、充填後、ケース内で硬化する。
【0003】
特許文献1の樹脂封止電気部品では、端子と端子が貫通する貫通孔との間の微小な隙間から溶融状態の充填樹脂が漏れ出す虞がある。そこで、特許文献1の樹脂封止電気部品では、ケースの側面(ケース側壁部材)において、貫通孔の左右両側に上下方向に延びる一対の第一突出部が形成され、貫通孔の下端に沿って一対の第1突出部の両下端部を繋ぐように第一樹脂受け部が形成される。ケース内側の端子の上面と貫通孔の内周面との当接部近傍から隙間閉鎖用樹脂が注入されると、注入された隙間閉鎖用樹脂が、端子と貫通孔の内周面との間に存在する微小な隙間内に毛細管現象によって浸入し、この隙間が隙間閉鎖用樹脂により塞がれる。隙間閉鎖用樹脂が硬化した後、ケース内に充填樹脂が充填される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-093057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の樹脂封止電気部品では、製造の際、ケース内に充填樹脂を注入し、注入した充填樹脂の温度を上昇させて硬化させるという工程の前に、ケース内に隙間閉鎖用樹脂を注入し、注入した隙間閉鎖用樹脂の温度を上昇させて硬化させるという工程が必要となり、工数が増加するため、製造が難しくなりやすい。
【0006】
かかる課題に鑑み、本発明は、バスバーの接続端子部が通されるケースの貫通孔からの樹脂漏れを容易に防止できるコンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係るコンデンサは、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子の電極に接続されるバスバーと、前記コンデンサ素子収容るケースと、前記ケース内に充填される充填樹脂と、を備える。前記ケースは、ケースの内面から外面へ貫通する貫通孔を有する。前記バスバー、前記貫通孔を通して外部に導出される接続端子部を有する。前記コンデンサは、前記接続端子部を取り囲むリング状を有し、前記接続端子部と密着する封止部材をさらに備える。前記封止部材は、前記ケースの前記における前記貫通孔を取り囲む第1領域に当接して前記貫通孔を塞ぐ。
【0008】
本発明の第2の態様に係るコンデンサは、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子の電極に接続されるバスバーと、前記コンデンサ素子収容るケースと、前記ケース内に充填される充填樹脂と、を備える。前記ケースは、前記ケースの内面から外面へ貫通する貫通孔を有する。前記バスバー、前記貫通孔を通して外部に導出される接続端子部を有する。前記コンデンサは、前記接続端子部をそれぞれ取り囲むリング状を有し、前記接続端子部と密着する第1の封止部材と第2の封止部材と、をさらに備える。前記第1の封止部材は、前記ケースの前記における前記貫通孔を取り囲む第1領域に当接して前記貫通孔を塞ぐ。前記第2の封止部材は、前記ケースの前記における前記貫通孔を取り囲む第2領域に当接して前記貫通孔を塞ぐ。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バスバーの接続端子部が通されるケースの貫通孔からの樹脂漏れを容易に防止できる。
【0010】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(a)は、実施の形態に係る、前方上方から見たフィルムコンデンサの斜視図であり、図1(b)は、実施の形態に係る、前方下方から見たフィルムコンデンサの斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る、前方上方から見たフィルムコンデンサの分解斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る、前方上方から見たコンデンサ素子ユニットの分解斜視図である。
図4図4(a)は、本実施の形態に係る、前方下方から見た、封止部材が取り外された第1バスバーの斜視図であり、図4(b)は、本実施の形態に係る、前方下方から見た、封止部材が取り外された第2バスバーの斜視図である。
図5図5(a)は、実施の形態に係る、ケースの平面図であり、図5(b)は、図5(a)のA-A´断面図である。
図6図6(a)は、実施の形態に係る、コンデンサ素子ユニットが収容されたケースの下部を、上下方向に垂直な平面で切断した断面図であり、図6(b)は、図6(a)のB-B´断面図である。
図7図7(a)は、変更例1に係る、ケースの底面を前方へ向けた状態のフィルムコンデンサの斜視図であり、図7(b)は、変更例1に係る、底面を前方へ向けた状態のケースおよびケースに装着される封止部材の斜視図である。
図8図8は、その他の変更例に係る、フィルムコンデンサ1について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のコンデンサの一実施形態であるフィルムコンデンサ1について図を参照して説明する。便宜上、各図には、適宜、前後、左右および上下の方向が付記されている。なお、図示の方向は、あくまでフィルムコンデンサ1の相対的な方向を示すものであり、絶対的な方向を示すものではない。
【0013】
本実施の形態において、フィルムコンデンサ1が、特許請求の範囲に記載の「コンデンサ」に対応する。また、第1貫通孔230および第2貫通孔240が、特許請求の範囲に記載の「貫通孔」に対応する。さらに、第1端面電極410および第2端面電極420が、特許請求の範囲に記載の「電極」に対応する。さらに、第1バスバー500および第2バスバー600が、特許請求の範囲に記載の「バスバー」に対応する。さらに、第1下接続端子部560および第2下接続端子部660が、特許請求の範囲に記載の「接続端子部」に対応する。さらに、封止部材700が、特許請求の範囲に記載の「封止部材」に対応する。さらに、包囲壁面252、254が、特許請求の範囲に記載の「包囲壁面」に対応する。
【0014】
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【0015】
図1(a)は、本実施の形態に係る、前方上方から見たフィルムコンデンサ1の斜視図であり、図1(b)は、本実施の形態に係る、前方下方から見たフィルムコンデンサ1の斜視図である。
【0016】
図1(a)および(b)に示すように、フィルムコンデンサ1は、コンデンサ素子ユニット100と、コンデンサ素子ユニット100が収容されるケース200と、ケース200内に充填される充填樹脂300と、を備える。
【0017】
充填樹脂300は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂であり、コンデンサ素子ユニット100が収容されたケース200内に溶融状態で注入され、その後、ケース200内が加熱されることにより硬化する。コンデンサ素子ユニット100の充填樹脂300に埋没した大部分が、湿気や衝撃から保護される。
【0018】
コンデンサ素子ユニット100における3つの第1上接続端子部540と、3つの第2上接続端子部640とがケース200の上面の開口200aから外部へ導出される。第1上接続端子部540と第2上接続端子部640とが、隣り合うようにして左右方向に並ぶ。また、第1下接続端子部560および第2下接続端子部660が、それぞれ、ケース200の底面の第1貫通孔230および第2貫通孔240を通されて外部に導出される。
【0019】
図2は、本実施の形態に係る、前方上方から見たフィルムコンデンサ1の分解斜視図である。図3は、本実施の形態に係る、前方上方から見たコンデンサ素子ユニット100の分解斜視図である。図4(a)は、本実施の形態に係る、前方下方から見た、封止部材700が取り外された第1バスバー500の斜視図であり、図4(b)は、本実施の形態に係る、前方下方から見た、封止部材700が取り外された第2バスバー600の斜視図である。
【0020】
図2ないし図4(b)を参照し、コンデンサ素子ユニット100は、3つのコンデンサ素子400と、第1バスバー500と、第2バスバー600と、2つの封止部材700と、絶縁シート800とを含む。
【0021】
コンデンサ素子400は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、重ねた金属化フィルムを巻回または積層し、扁平状に押圧することにより形成される。コンデンサ素子400には、一方の端面に、亜鉛等の金属の吹付けにより第1端面電極410が形成され、他方の端面に、同じく亜鉛等の金属の吹付けにより第2端面電極420が形成される。3つのコンデンサ素子400は、互いの周面が対向するように配列され、この状態で、これらコンデンサ素子400に第1バスバー500および第2バスバー600が接続される。
【0022】
なお、本実施の形態のコンデンサ素子400は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた金属化フィルムにより形成されたが、これ以外にも、亜鉛、マグネシウム等の他の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよい。あるいは、コンデンサ素子400は、これらの金属のうち、複数の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよいし、これらの金属どうしの合金を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよい。
【0023】
第1バスバー500は、導電性材料、たとえば、銅板により形成され、第1電極端子部510と、第1上中継部520と、第1重合部530と、第1上接続端子部540と、第1下中継部550と、第1下接続端子部560とを含む。第1バスバー500は、たとえば、一枚の銅板を適宜切り抜き、折り曲げることによって形成され、これら第1電極端子部510と、第1上中継部520と、第1重合部530と、第1上接続端子部540と、第1下中継部550と、第1下接続端子部560とが一体となっている。
【0024】
第1電極端子部510は、ほぼ長方形の板状を有し、各コンデンサ素子400の第1端面電極410を覆う。第1電極端子部510には、左右方向および上下方向に並ぶようにして6個の開口部511が形成される。1つのコンデンサ素子400に2つの開口部511が対応する。各開口部511の上縁に、電極ピン512が形成される。
【0025】
第1上中継部520は、第1電極端子部510と第1重合部530との間を中継する。第1上中継部520は、ほぼ細長い長方形の板状を有し、第1電極端子部510の上端縁から後方に延びる。第1上中継部520には、充填樹脂300を流通させるための長円形の2つの孔521が形成される。第1重合部530は、ほぼ細長い長方形の板状を有し、第1上中継部520の後端縁から上方に延びる。
【0026】
3つの第1上接続端子部540は、第1重合部530の上縁部に所定の間隔を置いて形成される。各第1上接続端子部540は、第1重合部530の上端縁から上方へ僅かに延びた後に折り曲げられて後方へ僅かに延び、再び折り曲げられて上方へ延びる。第1上接続端子部540の先端部には、円形の取付孔541が形成される。
【0027】
第1下中継部550は、第1電極端子部510と第1下接続端子部560との間を中継する。第1下中継部550は、第1電極端子部510の下端縁から後方に延び、前側が第1電極端子部510と同じ幅のほぼ細長い長方形の板状を有し、後側が第1下接続端子部560と同じ幅のほぼ長方形の板状を有する。
【0028】
第1下接続端子部560は、第1下中継部550の後端縁から下方へ延びる。第1下接続端子部560の先端部には、円形の取付孔561が形成される。また、第1下接続端子部560の基端部には、左縁部および右縁部に、それぞれ、左方および右方に突出する突起562が形成される。
【0029】
第2バスバー600は、導電性材料、たとえば、銅板により形成され、第2電極端子部610と、第2上中継部620と、第2重合部630と、第2上接続端子部640と、第2下中継部650と、第2下接続端子部660とを含む。第2バスバー600は、たとえば、一枚の銅板を適宜切り抜き、折り曲げることによって形成され、これら第2電極端子部610と、第2上中継部620と、第2重合部630と、第2上接続端子部640と、第2下中継部650と、第2下接続端子部660とが一体となっている。
【0030】
第2バスバー600は、第2上接続端子部640が、第1上接続端子部540と違い、真直ぐ上方に延びている点を除き、第1バスバー500と同じ形態を有する。第2電極端子部610には、6個の開口部611が形成され、各開口部611の上縁に、電極ピン612が形成される。また、第2上中継部620には、充填樹脂300を流通させるための2つの孔621が形成される。さらに、各第2上接続端子部640の先端部には、取付孔641が形成される。さらに、第2下接続端子部660の先端部には、取付孔661が形成され、第2下接続端子部660の基端部には、左縁部および右縁部に突起662が形成される。
【0031】
2つの封止部材700は、ケース200の材料よりも弾性率が低く、充填樹脂300の硬化温度より高い耐熱性を有する材料、たとえば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)等のゴム材料により形成され、円形のリング状を有する。各封止部材700は、両(上側と下側)の端面701、外周面702および内周面703を有する。各封止部材700の円形の中心軸に平行な断面は、両方の端面701、外周面702および内周面703にそれぞれ対応する直線的な辺で囲まれた方形状を有する。一方の封止部材700が、図4(a)のように、第1下接続端子部560の幅に対応するよう左右に引き伸ばされて、突起562に当接する位置まで第1下接続端子部560に嵌め込まれ、第1下接続端子部560の周囲を取り囲む。また、他方の封止部材700が、図4(b)のように、第2下接続端子部660の幅に対応するよう左右に引き伸ばされて、突起662に当接する位置まで第2下接続端子部660に嵌め込まれ、第2下接続端子部660の周囲を取り囲む。一方の封止部材700は、縮まることにより、その内周面703が、第1下接続端子部560周面に密着する。他方の封止部材700は、縮まることにより、その内周面703が、第2下接続端子部660の周面に密着する。
【0032】
絶縁シート800は、絶縁紙や、アクリル、シリコン等の電気的な絶縁性を有する樹脂材料により形成される。絶縁シート800は、第1重合部530および第2重合部630と同様、ほぼ細長の長方形状に形成され、そのサイズが第1重合部530および第2重合部630よりやや大きい。
【0033】
第1バスバー500は、第1電極端子部510の各電極ピン512が各コンデンサ素子400の第1端面電極410に半田付け等の接合方法で接合されることにより、第1端面電極410に電気的に接続される。また、第2バスバー600は、第2電極端子部610の各電極ピン612が各コンデンサ素子400の第2端面電極420に半田付け等の接合方法で接合されることにより、第2端面電極420に電気的に接続される。半田付け等によって3つのコンデンサ素子400と第1バスバー500と第2バスバー600とが結合され、コンデンサ素子ユニット100が組み立てられた状態となる(図2参照)。
【0034】
コンデンサ素子ユニット100が組み立てられた状態において、第1バスバー500の第1重合部530と第2バスバー600の第2重合部630とが前後方向に重なる。これら第1重合部530と第2重合部630との重なりにより、コンデンサ素子ユニット100におけるESL(等価直列インダクタンス)の低減が期待される。第1重合部530と第2重合部630との間に絶縁シート800が挟まれ、これらの間が絶縁シート800により電気的に絶縁される。
【0035】
図5(a)は、本実施の形態に係る、ケース200の平面図であり、図5(b)は、図5(a)のA-A´断面図である。
【0036】
図1(a)、(b)、図2および図5(a)、(b)を参照し、ケース200は、樹脂製であり、たとえば、熱可塑性樹脂であるポリフェニレンサルファイド(PPS)により形成される。ケース200は、ほぼ直方体の箱状を有し、上面が開口する。ケース200の左面および右面には、外壁面の上後端部と下後端部に取付タブ210が設けられる。各取付タブ210には、挿通孔211が形成される。挿通孔211には、孔の強度を上げるために金属製のカラー220が嵌め込まれる。フィルムコンデンサ1が外部装置等の設置部に設置される際、これら取付タブ210がネジ等によって設置部に固定される。
【0037】
ケース200の底面には、中央部に、左右方向に並ぶように、スリット状の第1貫通孔230および第2貫通孔240が形成される。第1貫通孔230は、第1下接続端子部560の左右方向の断面寸法よりも僅かに大きな孔寸法を有し、第2貫通孔240は、第2下接続端子部660の左右方向の断面寸法よりも僅かに大きな孔寸法を有する。また、ケース200の底面には、内壁面に、第1貫通孔230および第2貫通孔240を包囲する包囲リブ250が形成される。包囲リブ250は、第1貫通孔230を取り囲む領域251の周囲から立ち上がり、平面視で第1貫通孔230を囲む内周壁を包囲壁面252として有する。さらに、包囲リブ250は、第2貫通孔240を取り囲む領域253の周囲から立ち上がり、平面視で第2貫通孔240を囲む内周壁を包囲壁面254として有する。
【0038】
図6(a)は、本実施の形態に係る、コンデンサ素子ユニット100が収容されたケース200の下部を、上下方向に垂直な平面で切断した断面図であり、図6(b)は、図6(a)のB-B´断面図である。
【0039】
コンデンサ素子ユニット100は、ケース200の上面の開口200aからケース200内に収容される。この際、図6(a)および(b)に示すように、第1バスバー500の第1下接続端子部560が、第1貫通孔230に通されて外部に導出される。また、第1下接続端子部560に装着された封止部材700が、包囲リブ250の包囲壁面252の内側に圧入される。封止部材700の下側の端面701が第1貫通孔230を取り囲む領域251に当接し、第1下接続端子部560が通された第1貫通孔230がケース200の内側から塞がれる。封止部材700の外周面702全体が、包囲壁面252に当接する。そのため、包囲壁面252に押されて、封止部材700の内周面703が第1下接続端子部560の周面に強く密着する。
【0040】
同様に、第2バスバー600の第2下接続端子部660が、第2貫通孔240に通されて外部に導出される。また、第2下接続端子部660に装着された封止部材700が、包囲リブ250の包囲壁面254の内側に圧入される。封止部材700の下側の端面701が第2貫通孔240を取り囲む領域253に当接し、第2下接続端子部660が通された第2貫通孔240がケース200の内側から塞がれる。封止部材700の外周面702全体が、包囲壁面254に当接する。そのため、包囲壁面254に押されて、封止部材700の内周面703が第2下接続端子部660の周面に強く密着する。
【0041】
コンデンサ素子ユニット100が収容されたケース200内に、液状の充填樹脂300が注入され、溜められる。このとき、第1下接続端子部560に装着された封止部材700により第1貫通孔230がケース200の内側から塞がれており、第2下接続端子部660に装着された封止部材700により第2貫通孔240がケース200の内側から塞がれている。これにより、液状の充填樹脂300が、第1下接続端子部560と第1貫通孔230との隙間および第2下接続端子部660と第2貫通孔240との隙間からケース200の外部へ漏れることが防止される。
【0042】
また、第1下接続端子部560の周面が封止部材700の内周面703に強く密着しており、第2下接続端子部660の周面が封止部材700の内周面703に強く密着している。これにより、第1下接続端子部560と封止部材700との間および第2下接続端子部660と封止部材700との間を通って液状の充填樹脂300が第1貫通孔230および第2貫通孔240に至ることが防止されるので、ケース200の外部への充填樹脂300の漏れを、一層防止できる。
【0043】
さらに、第1下接続端子部560に装着された封止部材700の外周面702が全周に亘って包囲壁面252に当接しており、第2下接続端子部660に装着された封止部材700の外周面702が全周に亘って包囲壁面254に当接している。これにより、液状の充填樹脂300が、封止部材700の外周面702と包囲壁面252、254との間を通って封止部材700の下側の端面701と領域251、253との当接部分まで侵入しにくくなるので、ケース200の外部への充填樹脂300の漏れを、より一層防止できる。
【0044】
ケース200内に溜められた充填樹脂300を硬化させるため、ケース200内が加熱される。この際、樹脂製であるケース200と金属製である第1バスバー500および第2バスバー600との間の熱膨張率の違いにより各封止部材700に応力が加わり得るが、封止部材700自身が弾性変形にすることで、この応力を吸収できる。よって、応力による封止部材700の破損が防止され、封止部材700の破損による第1貫通孔230および第2貫通孔240からの充填樹脂300の漏れも生じにくい。
【0045】
ケース200内に溜められた充填樹脂300が硬化すると、フィルムコンデンサ1が完成する。
【0046】
フィルムコンデンサ1は、外部装置等に搭載される。第1上接続端子部540と第2上接続端子部640に、外部装置等に備えられた、これら接続端子部540、640に対応する一対の外部端子(図示せず)が接続される。また、第1下接続端子部560と第2下接続端子部660に、外部装置等に備えられた、これら接続端子部560、660に対応する一対の外部端子(図示せず)が接続される。
【0047】
フィルムコンデンサ1において、各コンデンサ素子400に通電が行われたとき、各コンデンサ素子400が振動し得る。この際、各コンデンサ素子400の振動が第1バスバー500および第2バスバー600に伝播することで、第1下接続端子部560および第2下接続端子部660も振動し得る。第1下接続端子部560および第2下接続端子部660は、弾性率が低い封止部材700を介してケース200に接触するので、第1下接続端子部560および第2下接続端子部660の振動を封止部材700により吸収することができ、ケース200への振動の伝播が抑えられる。
【0048】
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
【0049】
第1下接続端子部560に装着された封止部材700が第1貫通孔230を取り囲む領域251に当接することにより、第1貫通孔230がケース200の内側から塞がれ、第2下接続端子部660に装着された封止部材700が第2貫通孔240を取り囲む領域253に当接することにより、第2貫通孔240がケース200の内側から塞がれる。これにより、液状の充填樹脂300が、第1下接続端子部560と第1貫通孔230との隙間および第2下接続端子部660と第2貫通孔240との隙間からケース200の外部へ漏れることを防止できる。また、封止部材700を領域251、253と当接させるだけで良く、封止作業が容易に行える。さらに、ケース200と第1バスバー500および第2バスバー600との間の熱膨張率の違いにより各封止部材700に応力が加わったときに、この応力を封止部材700が弾性変形することで吸収でき、応力による封止部材700の破損が防止される。さらに、通電時にコンデンサ素子400が振動し、この振動が伝播して第1下接続端子部560および第2下接続端子部660が振動しても、この振動を封止部材700により吸収することができ、ケース200への振動の伝播が抑えられる。
【0050】
特に、第1貫通孔230および第2貫通孔240がケース200の底面に設けられた場合は、ケース200の前後左右の側面に設けられた場合よりも充填樹脂300が漏れやすい。本実施の形態では、ケース200の底面に第1貫通孔230および第2貫通孔240を設けて第1下接続端子部560および第2下接続端子部660をケース200の底面から導出させる構成した場合にも、封止部材700により充填樹脂300の漏れが防止できるので、ケース200から外部に接続端子部を引き出す方向の自由度を広げられる。
【0051】
また、第1下接続端子部560に装着された封止部材700の外周面702が全周に亘って包囲壁面252に当接することにより、封止部材700の内周面703が第1下接続端子部560の周面に強く密着し、第2下接続端子部660に装着された封止部材700の外周面702が全周に亘って包囲壁面254に当接することにより、封止部材700の内周面703が第2下接続端子部660の周面に強く密着する。これにより、第1下接続端子部560と封止部材700との間および第2下接続端子部660と封止部材700との間を通って液状の充填樹脂300が第1貫通孔230および第2貫通孔240に至ることが防止されるので、ケース200の外部への充填樹脂300の漏れを、一層防止できる。
【0052】
さらに、第1下接続端子部560および第2下接続端子部660に設けられた突起562、662により、第1貫通孔230および第2貫通孔240を取り囲む領域251、253から離れる方向に移動しないよう封止部材700を制限できるので、封止部材700をしっかりと領域251、253に当接させることができ、ケース200の外部への充填樹脂300の漏れを、より一層防止できる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、また、本発明の適用例も、上記実施の形態の他に、種々の変更が可能である。
【0054】
<変更例1>
図7(a)は、本実施の形態の変更例1に係る、ケース200の底面を前方へ向けた状態のフィルムコンデンサ1の斜視図であり、図7(b)は、変更例1に係る、底面を前方へ向けた状態のケース200およびケース200に装着される封止部材00の斜視図である。
【0055】
なお、本変更例において、封止部材700が、特許請求の範囲に記載の「第1の封止部材」に対応し、封止部材900が、特許請求の範囲に記載の「第2の封止部材」に対応する。また、包囲壁面252、254が、特許請求の範囲に記載の「第1の包囲壁面」に対応し、包囲壁面262、264が、特許請求の範囲に記載の「第2の包囲壁面」に対応する。
【0056】
本変更例のフィルムコンデンサ1では、ケース200の内側の包囲リブ250に加えて、ケース200の底面の外壁面に、第1貫通孔230および第2貫通孔240を包囲する包囲リブ260が設けられる。また、本変更例のフィルムコンデンサ1には、ケース200の内側において第1下接続端子部560および第2下接続端子部660に装着される2つの封止部材700に加えて、2つの封止部材900が備えられる。
【0057】
包囲リブ260は、第1貫通孔230を取り囲む領域261の周囲から立ち上がり、平面視で第1貫通孔230を囲む内周壁を包囲壁面262として有する。さらに、包囲リブ260は、第2貫通孔240を取り囲む領域263の周囲から立ち上がり、平面視で第2貫通孔240を囲む内周壁を包囲壁面264として有する。
【0058】
2つの封止部材900は、封止部材700と同様、たとえば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)等のゴム材料により形成され、円形のリング状を有する。各封止部材900は、両(上側と下側)の端面901、外周面902および内周面903を有する。各封止部材900の円形の中心軸に平行な断面は、両方の端面901、外周面902および内周面903にそれぞれ対応する直線的な辺で囲まれた方形状を有する。
【0059】
一方の封止部材900が、図7(b)のように第1下接続端子部560の幅に対応するよう左右に引き伸ばされ、第1貫通孔230から外部に突き出した第1下接続端子部560に嵌め込まれ、図7(a)のように包囲リブ260の包囲壁面262の内側に圧入される。封止部材900の上側の端面901が第1貫通孔230を取り囲む領域261に当接し、第1下接続端子部560が通された第1貫通孔230がケース200の外側から塞がれる。封止部材900の外周面902が全周に亘って包囲壁面262に当接する。そのため、包囲壁面262に押されて、封止部材900の内周面903が第1下接続端子部560の周面に強く密着する。
【0060】
同様に、他方の封止部材900が、図7(b)のように第2下接続端子部660の幅に対応するよう左右に引き伸ばされ、第2貫通孔240から外部に突き出した第2下接続端子部660に嵌め込まれ、図7(a)のように包囲リブ260の包囲壁面264の内側に圧入される。封止部材900の上側の端面901が第2貫通孔240を取り囲む領域263に当接し、第2下接続端子部660が通された第2貫通孔240がケース200の外側から塞がれる。封止部材900の外周面902が全周に亘って包囲壁面264に当接する。そのため、包囲壁面264に押されて、封止部材900の内周面903が第2下接続端子部660の周面に強く密着する。
【0061】
本変更例では、第1下接続端子部560に装着された封止部材00により第1貫通孔230がケース200の外側から塞がれており、第2下接続端子部660に装着された封止部材00により第2貫通孔240がケース200の側から塞がれている。これにより、ケース200の外側において、第1下接続端子部560と第1貫通孔230との隙間および第2下接続端子部660と第2貫通孔240との隙間からの液状の充填樹脂300の漏れを防止できる。
【0062】
また、本変更例では、第1下接続端子部560の周面が封止部材900の内周面903に強く密着しており、第2下接続端子部660の周面が封止部材900の内周面903に強く密着している。これにより、液状の充填樹脂300が第1下接続端子部560と封止部材900との間および第2下接続端子部660と封止部材900との間を通りにくくなるので、ケース200の外側において、ケース200の外部への充填樹脂300の漏れを、一層防止できる。
【0063】
さらに、本変更例では、第1下接続端子部560に装着された封止部材900の外周面902が全周に亘って包囲壁面262に当接しており、第2下接続端子部660に装着された封止部材900の外周面902が全周に亘って包囲壁面264に当接している。これにより、液状の充填樹脂300が、封止部材00の外周面02と包囲壁面22、24との間を通りにくくなるので、ケース200の外側において、ケース200の外部への充填樹脂300の漏れを、より一層防止できる。
【0064】
<その他の変更例>
上記実施の形態では、第1下接続端子部560に装着された封止部材700の外周面702が全周に亘って包囲壁面252に当接し、第2下接続端子部660に装着された封止部材700の外周面702が全周に亘って包囲壁面254に当接する。
【0065】
第1下接続端子部560および第2下接続端子部660は、幅方向(左右方向)の寸法が厚み方向(上下方向)の寸法に比べて極端に大きい。このため、幅方向においては、第1下接続端子部560および第2下接続端子部660の周面と封止部材700の内周面703とが密着しやすいので、これらの間に隙間が生じにくいが、厚み方向においては、第1下接続端子部560および第2下接続端子部660の周面と封止部材700の内周面703とが密着しにくいので、これらの間に隙間が生じやすい。
【0066】
そこで、図8に示すように、第1下接続端子部560において、封止部材700の外周面702が、厚み方向において包囲壁面252に当接し、幅方向において包囲壁面252に当接しない構成が採られてもよく、第2下接続端子部660において、封止部材700の外周面702が、厚み方向において包囲壁面254に当接し、幅方向において包囲壁面254に当接しない構成が採られてもよい。
【0067】
このような構成とすれば、厚み方向において、第1下接続端子部560および第2下接続端子部660の周面と封止部材700の内周面703とをしっかりと密着させることができる。しかも、幅方向において、封止部材700の外周面702と包囲壁面252、254との間に隙間ができるので、封止部材700を包囲壁面252、254の内側へ圧入しやすくなる。
【0068】
同様に、上記変更例1の構成においても、第1下接続端子部560において、封止部材900の外周面902が、厚み方向において包囲壁面262に当接し、幅方向において包囲壁面262に当接しない構成が採られてもよく、第2下接続端子部660において、封止部材900の外周面902が、厚み方向において包囲壁面264に当接し、幅方向において包囲壁面264に当接しない構成が採られてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、ケース200の底面に第1貫通孔230および第2貫通孔240が設けられたが、ケース200の前面、後面、左面および右面の何れかに第1貫通孔230および第2貫通孔240が設けられてもよい。
【0070】
さらに、上記実施の形態では、第1下接続端子部560および第2下接続端子部660に設けられた突起562、662により、第1貫通孔230および第2貫通孔240を取り囲む領域251、253から離れる方向に移動しないよう封止部材700が制限された。しかしながら、所定の固定方法により、封止部材700が第1下接続端子部560および第2下接続端子部660に固定されてもよい。たとえば、封止部材700の内周面703と第1下接続端子部560および第2下接続端子部660の周面との間が両面テープにより接着されるようにしてもよい。
【0071】
さらに、上記実施の形態では、封止部材700がゴム材料により形成された。また、上記変更例1では、封止部材900もゴム材料により形成された。しかしながら、封止部材700、900の材料としては、ゴム材料が最も望ましいものの、封止部材700、900の材料として、ケース200の材料よりも弾性率が低く、充填樹脂300の硬化温度より高い耐熱性を有する樹脂材料が用いられてもよい。たとえば、ケース200の材料がPPSである場合、封止部材700、900を、ポリプロピレン(PP)、ナイロン66(PA66)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等で形成することもでき得る。
【0072】
さらに、上記実施の形態では、封止部材700は、中心軸に平行な断面が方形状とされることで、端面701、外周面702および内周面703が中心軸方向に平坦な面となるように形成された。しかしながら、封止部材700の形状は、上記実施の形態のものに限られない。たとえば、封止部材700は、上記断面が円形となるように形成されてもよい。この場合、封止部材700は、平坦な面となる端面701、外周面702および内周面703を有しない。同様に、封止部材900も、上記断面が円形となるように形成されてよい。
【0073】
さらに、上記実施の形態では、コンデンサ素子ユニット100に3個のコンデンサ素子400が含まれた。しかしながら、コンデンサ素子400の個数は、1個である場合も含めて、適宜、変更することができる。
【0074】
さらに、上記実施の形態では、コンデンサ素子400は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、重ねた金属化フィルムを巻回または積層することで形成されたものであるが、これ以外にも、誘電体フィルムの両面にアルミニウムを蒸着させた金属化フィルムと絶縁フィルムとを重ね、これを巻回または積層することにより、これらコンデンサ素子400が形成されてもよい。
【0075】
さらに、上記実施の形態では、本発明のコンデンサの一例として、フィルムコンデンサ1が挙げられた。しかしながら、本発明は、フィルムコンデンサ1以外のコンデンサに適用することもできる。
【0076】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0077】
なお、上記実施の形態の説明において「上方」「下方」等の方向を示す用語は、構成部材の相対的な位置関係にのみ依存する相対的な方向を示すものであり、鉛直方向、水平方向等の絶対的な方向を示すものではない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、車両の電装等に使用されるコンデンサに有用である。
【符号の説明】
【0079】
1 フィルムコンデンサ(コンデンサ)
200 ケース
230 第1貫通孔(貫通孔)
240 第2貫通孔(貫通孔)
251 領域(第1領域)
252 包囲壁面(第1の包囲壁面)
253 領域(第1領域)
254 包囲壁面(第1の包囲壁面)
261 領域(第2領域)
262 包囲壁面(第2の包囲壁面)
263 領域(第2領域)
264 包囲壁面(第2の包囲壁面)
300 充填樹脂
400 コンデンサ素子
410 第1端面電極(電極)
420 第2端面電極(電極)
500 第1バスバー(バスバー)
560 第1下接続端子部(接続端子部)
562 突起
600 第2バスバー(バスバー)
660 第2下接続端子部(接続端子部)
662 突起
700 封止部材
702 外周面
900 封止部材
902 外周面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8