(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】情報処理システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20230428BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20230428BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2019006413
(22)【出願日】2019-01-17
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高下 剛一
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-180957(JP,A)
【文献】特開2013-128208(JP,A)
【文献】特開平08-121849(JP,A)
【文献】特開2016-006634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の利用者に関する利用者情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された利用者情報と、当該利用者情報が取得された後の所定期間における前記建物に設置された機器の利用状況を示す情報とを対応づけて利用情報として記憶する記憶部と、
前記建物の利用者に関する利用者情報の指定を受け付ける受付部と、
前記記憶部に記憶された前記利用情報のうち、指定された前記利用者情報に対応づけられた対象利用情報の統計データを出力する出力部と
、
前記取得部によって利用者情報が取得された場合に前記機器の設定を初期化する制御部とを備える
情報処理システム。
【請求項2】
前記取得部は、さらに、前記所定期間に関する情報を取得する
請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記利用者情報は、利用者の国籍、利用者の年齢、利用者の性別、及び、利用者の人数のうち少なくとも一つを含む
請求項1
または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記利用者情報は、利用者の属性情報を含む
請求項1~
3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記利用情報は、前記機器の種別、及び、前記機器の利用回数を含む
請求項1~
4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記建物は、複数の客室を含む宿泊施設であり、
前記利用情報は、複数の利用者による、前記複数の客室における前記機器の利用状況を示す
請求項1~
5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
建物の利用者に関する利用者情報を取得し、
取得された利用者情報と、当該利用者情報が取得された後の所定期間における前記建物に設置された機器の利用状況を示す情報とを対応づけて利用情報として記憶部に記憶し、
前記建物の利用者に関する利用者情報の指定を受け付け、
前記記憶部に記憶された前記利用情報のうち、指定された前記利用者情報に対応づけられた対象利用情報の統計データを出力
し、
前記利用者情報が取得された場合に前記機器の設定を初期化する
情報処理方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅へのHEMS(Home Energy Management System)の導入が進んでいる。HEMSによれば、住宅で使う電気またはガスなどのエネルギーの使用量をモニタに表示する「見える化」が実現される。特許文献1には、電気機器の個人別の使用状況をユーザに提示することができる省エネ支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、建物の管理者などが当該建物の利用者の機器の利用状況を利用者の種別ごとに把握することを支援することができる情報処理システム、及び、情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、建物の利用者に関する利用者情報の指定を受け付ける受付部と、前記建物に設置された機器の利用状況を示す利用情報のうち、指定された前記利用者情報に対応づけられた対象利用情報の統計データを出力する出力部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、建物の利用者に関する利用者情報の指定を受け付け、前記建物に設置された機器の利用状況を示す利用情報のうち、指定された前記利用者情報に対応づけられた対象利用情報の統計データを出力する。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報処理システム及び情報処理方法によれば、建物の管理者などが当該建物の利用者の機器の利用状況を利用者の種別ごとに把握することを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、制御装置の表示部に表示される、利用者情報の入力画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、情報端末の表示部に表示される、利用者情報を指定するための表示画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、情報端末の表示部に表示される統計データの表示画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、情報端末の表示部に表示される統計データの表示画面の別の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、サーバ装置に利用情報が記憶されるときの情報処理システムの動作のシーケンス図である。
【
図8】
図8は、情報端末によって利用情報が参照されるときの情報処理システムの動作のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る情報処理システムの概要について説明する。
図1は、実施の形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
図2は、実施の形態に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1及び
図2に示されるように、実施の形態に係る情報処理システム10は、複数のEMS(Energy Management System)20(
図2では1つのみ図示)と、サーバ装置50と、情報端末60とを備える。情報処理システム10が適用される建物80は、例えば、ホテルなどの宿泊施設として使用される建物である。EMS20は、建物80内の複数の客室81に1つずつ設置されている。情報処理システム10は、少なくとも1つのEMS20を備えればよく、EMS20の数は特に限定されない。
【0014】
複数のEMS20のそれぞれは、当該EMS20が設置された客室81における機器40の制御、及び、機器40の利用状況の管理を行うシステムである。複数のEMS20のそれぞれは、制御装置30と、1以上の機器40とを備える。
【0015】
客室81の利用者(つまり、宿泊客)は、客室81の利用開始時に制御装置30に対して利用者情報の入力操作を行う。
図3は、制御装置30の表示部35に表示される、利用者情報の入力画面の一例を示す図である。
【0016】
利用者情報は、より具体的には、利用者の種別を示す情報である。
図3に示されるように、利用者情報には、例えば、利用者の属性情報(国籍、年齢、性別など)、及び、利用者の人数などが含まれる。利用者情報には、利用者の国籍、利用者の年齢、利用者の性別、及び、利用者の人数のうち少なくとも一つが含まれればよい。
【0017】
このように利用者情報が入力された後には、制御装置30は、機器40の利用履歴情報(言い換えれば、利用者の機器40の利用状況を示す情報)を利用者情報と対応付けて記憶することができる。
【0018】
サーバ装置50は、複数の制御装置30のそれぞれから当該制御装置30が設置された客室81における機器40の利用履歴(利用者情報と対応付けられたもの)をインターネット70などの広域通信ネットワークを介して収集し、利用情報として記憶する。
【0019】
そうすると、建物80の管理者(より具体的には、建物80を管理する事業者の従業員、建物80のオーナーなど)などは、情報端末60を使用してサーバ装置50にアクセスすることにより、利用情報を参照することができる。上述のように、利用情報は、機器40の利用履歴情報が利用者情報と対応付けられた情報である。したがって、建物80の管理者は、利用者情報を指定して、指定した利用者情報に該当する利用者がどのように機器40を利用しているかを把握することができる。つまり、建物80の管理者などは、建物80の利用者の機器の利用状況を利用者の種別ごとに把握することができる。
図4は、情報端末60の表示部65に表示される、利用者情報を指定するための表示画面の一例を示す図である。
【0020】
情報処理システム10では、利用情報は、サーバ装置50によって統計処理されて情報端末60の表示部65に表示される。
図5及び
図6は、情報端末60の表示部65に表示される統計データの表示画面の一例を示す図である。
図5の表示画面では、統計データとして、機器40の種別ごとの利用回数(言い換えれば動作回数)がパーセンテージで示されている。
図6の表示画面では、統計データとして、機器40の消費電力が時間帯ごとにヒストグラム化されている。
【0021】
このように情報処理システム10は、建物80の管理者などが建物80の利用者の機器の利用状況を利用者の種別ごとに把握することを支援することができる。
【0022】
[構成]
以下、このような情報処理システム10の構成について、主として
図1及び
図2を参照しながら説明する。まず、EMS20について説明する。上述のように、EMS20は、制御装置30と、機器40とを備える。
【0023】
制御装置30は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するEMS(Energy Management System)コントローラであり、客室81内に設置された機器40の利用履歴情報を管理する。利用履歴情報には、機器40の種別、機器40の動作状態(動作中、停止中、設定状態(空調機器41の設定温度、照明機器42の明るさなど))、機器40の動作時間帯、及び、機器40の消費電力などの情報が含まれる。また、制御装置30は機器40の制御を行うこともできる。つまり、情報処理システム10は、機器40の制御システムとして機能する。制御装置30は、EMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。
【0024】
機器40は、制御装置30の制御対象の機器である。機器40は、制御装置30の通信部32から送信される制御信号に基づいて動作する。また、機器40は、通信部32から送信される制御信号に基づいて機器40の動作状態を示す情報を制御装置30に送信する。
【0025】
機器40には、具体的には、空調機器41または照明機器42などの家電機器が含まれる。また、機器40には、消費電力を計測するスマートメータ43が含まれる。このようにEMS20は、複数の機器40を備えているが、少なくとも1つの機器40を備えていればよい。また、機器40にはその他の機器が含まれてもよい。
【0026】
以下、制御装置30の詳細な構成について説明する。制御装置30は、具体的には、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、操作受付部34と、表示部35とを備える。
【0027】
制御部31は、機器40の動作状態を示す情報などを機器40から取得し、機器40の利用履歴情報(つまり、機器40の利用状況を示す情報)として記憶部33に記憶する。また、制御部31は、操作受付部34へのユーザの操作に基づいて機器40を制御する。制御部31は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0028】
通信部32は、制御装置30が、機器40及びサーバ装置50と通信を行うための通信回路である。通信部32と機器40との通信は、直接行われてもよいし、図示されない無線ルータなどの中継装置を介して行われてもよい。また、通信部32とサーバ装置50との通信は、インターネット70を介して行われる。通信部32は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部32が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0029】
記憶部33は、制御部31が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部33は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0030】
操作受付部34は、ユーザの操作を受け付けるユーザインターフェース装置である。操作受付部34は、例えば、押しボタンなどのハードウェアキーによって実現されるが、タッチパネルによって実現されてもよい。
【0031】
表示部35は、制御部31の制御に基づいて画像を表示する表示装置である。表示部35は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0032】
次に、サーバ装置50について説明する。サーバ装置50は、利用者情報と機器40の動作履歴情報とを対応づけて利用情報として記憶する。また、サーバ装置50は、利用情報を統計処理した統計データを情報端末60へ提供する。サーバ装置50は、情報処理部51と、通信部52と、記憶部53とを備える。
【0033】
情報処理部51は、利用情報の記憶、及び、統計データの提供に関する情報処理を行う。情報処理部51は、具体的には、出力部54を備える。情報処理部51は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0034】
通信部52は、サーバ装置50が制御装置30及び情報端末60と通信を行うための通信回路である。通信部52は、具体的には、取得部55、及び、受付部56を備える。通信部52が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0035】
記憶部53は、情報処理部51が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部53は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0036】
次に、情報端末60について説明する。情報端末60は、建物80の管理者などが、サーバ装置50から統計データの提供を受けるために操作する端末である。情報端末60は、例えば、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であるが、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であってもよい。また、複数の制御装置30のうちの1つ(例えば、建物80の管理室に設置された制御装置30など)が情報端末60として使用されてもよい。
【0037】
情報端末60は、情報処理部61と、通信部62と、記憶部63と、操作受付部64と、表示部65とを備える。
【0038】
情報処理部61は、情報端末60がサーバ装置50から統計データの提供を受けるための情報処理を行う。情報処理部61は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0039】
通信部62は、情報端末60がサーバ装置50と通信を行うための通信回路である。通信部62とサーバ装置50との通信は、インターネット70を介して行われる。通信部62は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部62が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0040】
記憶部63は、情報処理部61が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部63は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0041】
操作受付部64は、ユーザの操作を受け付けるユーザインターフェース装置である。操作受付部64は、例えば、キーボード及びマウスなどによって実現される。情報端末60は、タッチパネルなどによって実現されてもよい。
【0042】
表示部65は、情報処理部61の制御に基づいて、
図4~
図6に示されるような表示画面を表示する。表示部65は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。
【0043】
[利用情報が記憶されるときの動作]
次に、サーバ装置50に利用情報が記憶されるときの情報処理システム10の動作について説明する。
図7は、サーバ装置50に利用情報が記憶されるときの情報処理システム10の動作のシーケンス図である。
【0044】
まず、制御装置30の操作受付部34は、利用者情報の入力画面を表示するための操作を受け付ける(S11)。この操作は、例えば、利用者自身が客室81に最初に入室した直後に行うが、利用者が客室81に入る前に建物80の管理事業者の従業員(例えば、客室81の清掃員など)によって行われてもよい。
【0045】
操作受付部34によって入力画面を表示するための操作が受け付けられると、表示部35は、制御部31の制御に基づいて、
図3に示されるような入力画面を表示する(S12)。操作受付部34は、入力画面が表示されているときに、利用者の利用者情報の入力操作を受け付ける(S13)。上述のように、利用者情報には、例えば、利用者の国籍、利用者の年齢、利用者の性別、及び、利用者の人数などが含まれる。
【0046】
利用者情報の入力操作の受け付けが完了すると、制御部31は、入力された利用者情報を記憶部33に記憶する(S14)。そして、制御部31は、機器40の設定を初期化する(S15)。ここでの機器40の設定とは、空調機器41の温度設定、照明機器42の明るさの設定などである。初期化とは、前の利用者の機器40の設定を、標準の設定に変更する処理である。
【0047】
その後、制御部31は、利用者情報が入力された後の所定期間における機器40の利用履歴情報を記憶部33に記憶する(S16)。制御部31は、例えば、機器40が動作開始したこと(または機器40の動作が終了したこと)を時刻情報と合わせて利用履歴情報として記憶する。また、制御部31は、機器40の消費電力の時間変化(つまり、時間推移)を記憶部33に記憶する。なお、所定期間は、例えば、現在の利用者の利用者情報が入力されてから、次の利用者の利用者情報が入力されるまでの期間である。
【0048】
次に、制御部31は、利用者情報、及び、利用履歴情報を通信部32にサーバ装置50へ送信させる(S17)。利用者情報、及び、利用履歴情報は、例えば、定期的に送信されるが、サーバ装置50からの要求に応じて送信されてもよい。
【0049】
サーバ装置50の取得部55は、利用者情報、及び、利用履歴情報を取得する。記憶部53は、情報処理部51の指示にしたがって、取得された利用者情報と、当該利用者情報が取得された後の所定期間における利用履歴情報(つまり、取得部55によって取得された利用履歴情報)とを対応づけて利用情報として記憶する(S18)。なお、利用者情報と利用履歴情報との対応付けは、制御装置30においても行われているが、制御装置30及びサーバ装置50の少なくとも一方によって行われればよい。
【0050】
図7では正確に図示されていないが、取得部55は、建物80に設置された複数の制御装置30のそれぞれから利用者情報及び利用履歴情報を取得し、記憶部53は、これらを対応付けて利用情報として記憶する。つまり、記憶部53に記憶される利用情報は、複数の制御装置30のそれぞれから送信される利用履歴情報が集約された情報である。
【0051】
なお、取得部55は、少なくとも利用履歴情報を制御装置30から取得すればよい。取得部55は、例えば、利用者情報、及び、利用者が客室81を利用する所定期間を直接または間接に示す情報(言い換えれば、所定期間に関する情報)を制御装置30以外の装置から取得してもよい。制御装置30以外の装置は、例えば、利用者が客室81を予約するための予約システムに含まれるサーバ装置(つまり、サーバ装置50以外の他のサーバ装置)である。
【0052】
この場合、情報処理部51は、制御装置30のIDと制御装置30が設置された客室81のIDとの対応関係を示す情報を管理する。これにより、情報処理部51は、制御装置30から取得される利用履歴情報と、制御装置30以外の装置から取得される利用者情報及び所定期間を示す情報とを、利用履歴情報と合わせて取得される制御装置30のIDに基づいて対応付けることができる。
【0053】
なお、利用者情報、及び、所定期間に関する情報が制御装置30以外の装置から取得される場合には、ステップS11~ステップS15の処理は省略される。
【0054】
[利用情報が参照されるときの動作]
次に、情報端末60によって利用情報が参照されるときの情報処理システム10の動作について説明する。
図8は、情報端末60によって利用情報が参照されるときの情報処理システム10の動作のシーケンス図である。
【0055】
まず、情報端末60の操作受付部64は、利用者情報の指定に用いられる表示画面を表示するための操作を受け付ける(S21)。この操作は、例えば、建物80の管理者など(より具体的には、建物80を管理する事業者の従業員、建物80のオーナーなど)によって行われる。
【0056】
操作受付部64によって表示画面を表示するための操作が受け付けられると、表示部65は、情報処理部61の指示にしたがって、
図4に示されるような表示画面を表示する(S22)。操作受付部64は、表示画面が表示されているときに、利用者情報の指定操作を受け付ける(S23)。上述のように、利用者情報には、例えば、利用者の国籍、利用者の年齢、利用者の性別、及び、利用者の人数などが含まれる。
【0057】
利用者情報の指定操作の受け付けが完了すると、通信部62は、情報処理部61の指示にしたがって、指定された利用者情報を示す指定情報をサーバ装置50へ送信する(S24)。
【0058】
サーバ装置50の受付部56は、指定情報を受信することにより、利用者情報の指定を受け付ける。出力部54は、記憶部53に記憶された利用情報のうち、指定された利用者情報に対応づけられた対象利用情報を特定する(S25)。続いて、出力部54は、特定した対象利用情報を統計処理することにより(S26)、対象利用情報の統計データを生成及び出力する(S27)。統計データは、例えば、指定された利用者情報に当てはまる複数の利用者の平均的な機器40の利用状況(利用回数及び消費電力など)を示す。
【0059】
通信部52は、出力部54の指示にしたがって、統計データを情報端末60に送信する(S28)。情報端末60の通信部62は統計データを受信し、表示部65は、受信された統計データに基づいて、当該統計データを示す表示画面を表示する(S29)。具体的には、
図5のような表示画面、及び、
図6のような表示画面などが表示される。なお、図示されないが、どのような統計データが必要か(例えば、利用回数及び消費電力のいずれを参照したいか)は、情報端末60の操作受付部64を介して指定される。
【0060】
以上説明したように、情報処理システム10は、指定された利用者情報に対応付けられた対象利用情報の統計データを出力する。これにより、情報処理システム10は、建物80の管理者などが建物80の利用者の機器の利用状況を利用者の種別ごとに把握することを支援することができる。
【0061】
なお、表示部65によって表示される統計データを示す表示画面は、指定された利用者情報に対応する複数種類の統計データを同時に示す画面であってもよい。例えば、
図5のようなグラフ及び
図6のようなグラフが一画面に表示されてもよい。つまり、同一の利用者情報に対応する、種類が異なる複数の統計データが同時に表示されてもよい。
【0062】
また、上記ステップS23においては、利用者情報が複数パターン指定されてもよい。この場合、表示部65によって表示される統計データを示す表示画面は、指定された複数パターンの利用者情報に対応する複数の統計データを同時に示す画面であってもよい。表示画面は、例えば、国籍Aが指定された第一利用者情報に対応する統計データ(例えば、
図5のような機器40の種別ごとの利用回数を示すグラフ)と、国籍Bが指定された第二利用者情報に対応する統計データ(例えば、
図5のような機器40の種別ごとの利用回数を示すグラフ)が示されてもよい。つまり、複数パターンの利用者情報に対応する、同一種類の複数の統計データが同時に表示されてもよい。
【0063】
[変形例1]
利用情報が記憶されるときの動作においては、利用者情報の入力が行われた後に機器40の設定の初期化が行われたが、機器40の設定の初期化が行われた後に利用者情報の入力が行われてもよい。つまり、機器40の設定の初期化をトリガとして利用者情報の入力画面が表示されてもよい。
【0064】
また、現在の利用者が自身の利用者情報の入力を行わずに機器40を動作させると、利用履歴情報が前の利用者の利用者情報と対応付けられてしまい、誤った利用情報が生成されてしまう可能性がある。そこで、利用者情報の入力が行われない場合には制御装置30を介して機器40の動作させることが不可能であるように制御装置30が構成されていてもよい。例えば、制御装置30は、利用者情報の入力操作が行われるまで利用者情報の入力画面からほかの画面に画面遷移できないように構成されてもよい。
【0065】
[変形例2]
上記実施の形態では、情報処理システム10は、3種類以上の装置によって実現されたが、制御装置30及びサーバ装置50の2種類の装置によって実現されてもよい。また、情報処理システム10は、単一の装置として実現されてもよい。情報処理システム10は、例えば、サーバ装置50に相当する単一の装置として実現されてもよいし、制御装置30に相当する単一の装置として実現されてもよい。情報処理システム10が複数の装置によって実現される場合、情報処理システム10が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0066】
上記実施の形態では、利用者情報の指定を受け付ける受付部として、受付部56が例示された。しかしながら、情報処理部51の一機能が受付部であると認定されてもよい。また、情報端末60が備える操作受付部64が受付部であると認定されてもよいし、情報処理部61の一機能が受付部であると認定されてもよい。
【0067】
上記実施の形態では、対象利用情報の統計データを出力する出力部として、出力部54が例示された。しかしながら、情報端末60が備える情報処理部61の一機能が出力部であると認定されてもよいし、情報端末60が備える表示部65が出力部であると認定されてもよい。
【0068】
上記実施の形態では、利用者情報を取得する取得部として、取得部55が例示された。しかしながら、情報処理部51の一機能が取得部であると認定されてもよい。また、制御装置30が備える操作受付部34が取得部であると認定されてもよいし、制御部31の一機能が取得部であると認定されてもよい。
【0069】
[効果など]
以上説明したように、情報処理システム10は、建物80の利用者に関する利用者情報の指定を受け付ける受付部56と、建物80に設置された機器40の利用状況を示す利用情報のうち、指定された利用者情報に対応づけられた対象利用情報の統計データを出力する出力部54とを備える。
【0070】
このような情報処理システム10は、建物80の管理者などが建物80の利用者の機器40の利用状況を利用者の種別ごとに把握することを支援することができる。
【0071】
また、例えば、情報処理システム10は、さらに、建物80の利用者に関する利用者情報を取得する取得部55と、取得部55によって取得された利用者情報と、当該利用者情報が取得された後の所定期間における機器40の利用状況を示す情報(例えば、上記実施の形態の利用履歴情報)とを対応づけて利用情報として記憶する記憶部53とを備える。
【0072】
このような情報処理システム10は、統計データの出力に必要な利用情報を蓄積することができる。
【0073】
また、例えば、出力部54は、記憶部53に記憶された利用情報のうち、対象利用情報の統計データを出力する。
【0074】
このような情報処理システム10は、記憶部53に記憶された利用情報に含まれる対象利用情報の統計データを出力することができる。
【0075】
また、例えば、情報処理システム10は、さらに、取得部として機能する操作受付部34によって利用者情報が取得された場合に機器40の設定を初期化する制御部31を備える。
【0076】
このような情報処理システム10は、利用者情報が変更されたことに応じて機器40の設定を初期化することができる。
【0077】
また、例えば、取得部55は、さらに、所定期間に関する情報を取得する。
【0078】
このような情報処理システム10は、取得した情報に基づいて所定期間を特定することができる。
【0079】
また、例えば、利用者情報は、利用者の国籍、利用者の年齢、利用者の性別、及び、利用者の人数のうち少なくとも一つを含む。
【0080】
このような情報処理システム10は、建物80の管理者などが建物80の利用者の機器40の利用状況を、利用者の国籍、年齢、性別、人数などの種別ごとに把握することを支援することができる。
【0081】
また、例えば、利用者情報は、利用者の属性情報を含む。
【0082】
このような情報処理システム10は、建物80の管理者などが建物80の利用者の機器の利用状況を利用者の属性ごとに把握することを支援することができる。
【0083】
また、例えば、利用情報は、機器40の種別、及び、機器40の利用回数を含む。
【0084】
このような情報処理システム10は、機器40の種別ごとの利用回数を示す統計データを出力することができる。
【0085】
また、例えば、建物80は、複数の客室81を含む宿泊施設であり、利用情報は、複数の利用者による、複数の客室81における機器40の利用状況を示す。
【0086】
このような情報処理システム10は、建物80の管理者などが宿泊施設の利用者の機器40の利用状況を利用者の種別ごとに把握することを支援することができる。
【0087】
また、情報処理システム10などのコンピュータが実行する情報処理方法は、建物80の利用者に関する利用者情報の指定を受け付け、建物80に設置された機器の利用状況を示す利用情報のうち、指定された利用者情報に対応づけられた対象利用情報の統計データを出力する。
【0088】
このような情報処理方法は、建物80の管理者などが建物80の利用者の機器の利用状況を利用者の種別ごとに把握することを支援することができる。
【0089】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0090】
例えば、上記実施の形態において、建物は、ホテルなどの宿泊施設(つまり、不特定多数の人が入れ替わりで利用する施設)であると説明されたが、集合住宅または福祉施設などであってもよい。
【0091】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。例えば、サーバ装置によって行われる処理の一部または全部は、制御装置によって行われてもよい。
【0092】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間では、無線通信が行われてもよいし、有線通信が行われてもよい。また、装置間では、無線通信及び有線通信が組み合わされてもよい。また、上記実施の形態において2つの装置が通信を行う場合、2つの装置間には図示されない中継装置が介在してもよい。
【0093】
また、上記実施の形態のシーケンス図で説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0095】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0096】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0097】
例えば、本発明は、情報処理システムなどのコンピュータによって実行される情報処理方法として実現されてもよいし、このような情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0098】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
10 情報処理システム
31 制御部
53 記憶部
40 機器
54 出力部
55 取得部
56 受付部
80 建物
81 客室