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特許7270153電子チケット管理方法及び電子チケット管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】電子チケット管理方法及び電子チケット管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/04 20120101AFI20230428BHJP
【FI】
G06Q20/04 314
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020009267
(22)【出願日】2020-01-23
(65)【公開番号】P2021117595
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2023-01-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503309664
【氏名又は名称】高光産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517361878
【氏名又は名称】株式会社コモニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 八郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 秀司
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-70943(JP,A)
【文献】特開2019-139341(JP,A)
【文献】特開2018-124841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子チケット管理装置が実行する電子チケット管理方法であって、
チケット発券部が、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、利用者条件と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券することと、
店舗登録部が、店舗からの登録要求に従って前記店舗を加盟店として登録することと、
利用者条件変更部が、前記返礼品電子チケットの譲渡要求に従って前記返礼品電子チケットの利用者条件を変更することと、
決済処理部が、前記返礼品電子チケットにより前記加盟店にて費用の支払いをしようとする者が前記返礼品電子チケットの前記利用者条件を満たすか否かと、前記費用の支払い対象が前記地域制約条件を満たすか否かとに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に前記地方公共団体から前記加盟店への前記費用の支払い処理を行うことと、を含む電子チケット管理方法。
【請求項2】
前記チケット発券部が、発券者からの電子チケットの発券要求に従って利用者条件を付与したノーマル電子チケットを発券することと、
前記決済処理部が、前記ノーマル電子チケットにより前記加盟店にて費用の支払いをしようとする者が前記ノーマル電子チケットの前記利用者条件を満たすか否かに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に前記発券者から前記加盟店への前記費用の支払い処理を行うことと、を更に含む、請求項1記載の電子チケット管理方法。
【請求項3】
前記地域制約条件は提供地制約条件を含み、
前記決済処理部は、前記加盟店の所在地が前記提供地制約条件を満たすか否かに基づいて前記費用の支払い対象が前記地域制約条件を満たすか否かを判定する、請求項2記載の電子チケット管理方法。
【請求項4】
前記地域制約条件は店舗制約条件を含み、
前記決済処理部は、前記加盟店が店舗制約条件を満たすか否かに基づいて前記費用の支払い対象が前記地域制約条件を満たすか否かを判定する、請求項2又は3記載の電子チケット管理方法。
【請求項5】
前記地域制約条件は名称制約条件を含み、
前記決済処理部は、前記費用の支払い対象に付された名称が前記名称制約条件を満たすか否かに基づいて前記費用の支払い対象が前記地域制約条件を満たすか否かを判定する、請求項2又は3記載の電子チケット管理方法。
【請求項6】
前記地域制約条件は企業制約条件を含み、
前記決済処理部は、前記費用の支払い対象を提供する企業が前記企業制約条件を満たすか否かに基づいて前記費用の支払い対象が前記地域制約条件を満たすか否かを判定する、請求項2~5のいずれか一項記載の電子チケット管理方法。
【請求項7】
前記チケット発券部は、寄付金額に応じた支払上限額を定めた前記返礼品電子チケットを発券し、
前記決済処理部は、前記支払上限額と前記費用との差額を前記地方公共団体に還元するように前記費用の支払い処理を行う、請求項1~6のいずれか一項記載の電子チケット管理方法。
【請求項8】
前記チケット発券部は、前記費用の支払いに利用された前記返礼品電子チケットが所定の利用完了条件を満たさない場合に前記差額を新たな支払上限額として前記返礼品電子チケットを再発券し、
前記決済処理部は、前記費用の支払いに利用された前記返礼品電子チケットが前記利用完了条件を満たす場合に前記差額を前記地方公共団体に還元する、請求項7記載の電子チケット管理方法。
【請求項9】
所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、利用者条件と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券するチケット発券部と、
店舗からの登録要求に従って前記店舗を加盟店として登録する店舗登録部と、
前記返礼品電子チケットの譲渡要求に従って前記返礼品電子チケットの利用者条件を変更する利用者条件変更部と、
前記返礼品電子チケットにより前記加盟店にて費用の支払いをしようとする者が前記利用者条件を満たすか否かと、前記費用の支払い対象が前記地域制約条件を満たすか否かとに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に前記地方公共団体から前記加盟店への前記費用の支払い処理を行う決済処理部と、を含む電子チケット管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子チケット管理方法及び電子チケット管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定地域に関連を持つ各者の属性を規定したリストを格納する記憶装置と、地域振興券の発行要求を所定装置から受けた場合、当該発行要求が示す発行希望者についてリストにて属性を特定し、当該発行希望者に対して発行する地域振興券のプレミアム額を、特定した属性の種類に応じて決定し、当該決定したプレミアム額を発行希望者が希望する購入金額に上乗せした額面での地域振興券に関する所定の発行処理を実行する演算装置と、を備える地域振興券管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-018216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、地方における歳入増加と、地方における消費喚起との両立に有効な方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る電子チケット管理方法は、電子チケット管理装置が実行する電子チケット管理方法であって、チケット発券部が、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、利用者条件と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券することと、店舗登録部が、店舗からの登録要求に従って店舗を加盟店として登録することと、利用者条件変更部が、返礼品電子チケットの譲渡要求に従って当該返礼品電子チケットの利用者条件を変更することと、決済処理部が、返礼品電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者が返礼品電子チケットの利用者条件を満たすか否かと、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かとに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に地方公共団体から加盟店への費用の支払い処理を行うことと、を含む。
【0006】
本開示の他の側面に係る電子チケット管理装置は、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、利用者条件と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券するチケット発券部と、店舗からの登録要求に従って店舗を加盟店として登録する店舗登録部と、返礼品電子チケットの譲渡要求に従って返礼品電子チケットの利用者条件を変更する利用者条件変更部と、返礼品電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者が利用者条件を満たすか否かと、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かとに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に地方公共団体から加盟店への費用の支払い処理を行う決済処理部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、地方における歳入増加と、地方における消費喚起との両立に有効な方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子チケット管理システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
図2】返礼品データベースの内容を例示するテーブルである。
図3】寄付データベースの内容を例示するテーブルである。
図4】チケットデータベースの内容を例示するテーブルである。
図5】店舗データベースの内容を例示するテーブルである。
図6】電子チケット管理システムのハードウェア構成を例示するブロック図である。
図7】返礼品手配手順を例示するフローチャートである。
図8】返礼品電子チケットの発券手順を例示するフローチャートである。
図9】ノーマル電子チケットの発券手順を例示するフローチャートである。
図10】店舗の登録手順を例示するフローチャートである。
図11】返礼品電子チケットによる決済手順を例示するフローチャートである。
図12】ノーマル電子チケットによる決済手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
〔電子チケット管理システム〕
図1に示す電子チケット管理システム1は、電子チケットの発券と、電子チケットによる電子決済処理とを実行するシステムである。電子チケットは、予め定められた金額を物品又はサービス等の購入に使う権利を定める電子データである。電子チケットには、少なくとも固有のIDと、利用者条件と、支払条件と、決済情報とが付与される。
【0011】
利用者条件は、当該電子チケットによる決済を行う権利を有する者(以下、「利用者」という。)を定める。支払条件は、例えば支払上限額を定める。決済情報は、支払元による支払いを電子的に実行するための情報である。決済情報の具体例としては、支払元による支払い(電子決済)を受けるための情報(例えば銀行口座番号又はクレジットカード番号)が挙げられる。
【0012】
電子チケット管理システム1は、少なくとも、返礼品電子チケットと、ノーマル電子チケットとの2種類の電子チケットを管理する。返礼品電子チケットは、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付(例えば所謂「ふるさと納税」)があった場合に、当該寄付に対する返礼品として発券される電子チケットである。ノーマル電子チケットは、ふるさと納税とは無関係に、発券者からの要求に従って発券される電子チケットである。例えば電子チケット管理システム1は、ふるさと納税受付装置200と、電子チケット管理装置100とを有する。
【0013】
ふるさと納税受付装置200は、上記寄付の受け付け及び決済処理と、寄付に応じた返礼品の手配とを行う。ふるさと納税受付装置200は、機能上の構成(以下、「機能ブロック」という。)として、返礼品データベース214と、寄付受付部211と、寄付情報データベース212と、寄付決済部213と、返礼品手配部215とを有する。
【0014】
返礼品データベース214は、寄付先である地方公共団体ごとに、返礼品の内容を記憶する。返礼品データベース214は、各地方公共団体と、ふるさと納税受付装置200の運営会社との取り決めに従って予め構築されている。
【0015】
例えば図2に示すように、返礼品データベース214は、寄付先IDと、返礼品種別と、返礼品詳細情報と対応付けて記憶する。寄付先IDは、地方公共団体の識別コードである。寄付先IDの具体例としては、総務省により定められた地方公共団体コード等が挙げられる。返礼品種別は、予め定められた返礼用の物品の種別である。返礼品種別は、上述した返礼品電子チケットを含む。
【0016】
返礼品詳細情報は、少なくとも還元条件(寄付額に応じて返礼品の量を定める条件)を含む。返礼品電子チケットにおける還元条件の具体例としては、寄付10000円につき電子チケット2000円、寄付20000円につき電子チケット5000円、等が挙げられる。返礼品の種別が電子チケットである場合、返礼品詳細情報は、決済情報と、電子チケットに対する地域制約条件とを含む。
【0017】
決済情報は、地方公共団体を支払元とする電子決済を実行するための情報である。決済情報の具体例としては、地方公共団体の銀行口座番号等が挙げられる。地域制約条件は、電子チケットによる費用の支払い対象を、地方公共団体の管轄地域に関連する対象に制限する。管轄地域に関連する対象とは、当該対象に支払われた金銭の少なくとも一部が管轄地域の居住者(企業等を含む)の収入となる対象を意味する。地域制約条件の具体例としては、以下に示す提供地制約条件、店舗制約条件、名称制約条件、及び企業制約条件等が挙げられる。
【0018】
提供地制約条件は、電子チケットによる費用の支払い対象を管轄地域内で提供される対象に制限する。提供地制約条件における管轄地域は、例えば緯度・経度等による範囲で表されていてもよいし、寄付先IDで表されていてもよい。
【0019】
店舗制約条件は、電子チケットによる費用の支払いが可能な店舗を、管轄地域に関連する店舗に制限する。店舗制約条件は、例えば1つ以上の店舗の名称又は識別情報のリストにより表されていてもよい。
【0020】
名称制約条件は、電子チケットによる費用の支払い対象を、管轄地域に関連する名称が付された対象に制限する。名称制約条件は、例えば1つ以上の名称のリストにより表されていてもよい。管轄地域に関連する名称の具体例としては、管轄地域において生産される物品、又は管轄地域において提供されるサービスに共通で付される名称(例えば地域団体商標)が挙げられる。また、管轄地域に関連する名称は、管轄地域を拠点とする企業が自社商品又は自社サービスに独自に付した名称であってもよい。
【0021】
物品が管轄地域外で提供される場合であっても、当該物品が管轄地域において生産されていれば、当該物品に支払われた金銭の少なくとも一部は管轄地域の居住者の収入となり得る。サービスが管轄地域外で提供される場合であっても、サービスの提供者が管轄地域内から管轄地域外への出張者であれば、当該サービスに支払われた金銭の少なくとも一部は管轄地域の居住者の収入となり得る。
【0022】
企業制約条件は、費用の支払い対象を、管轄地域に関連する企業が提供する対象に制限する。企業制約条件は、例えば1つ以上の企業の名称又は識別情報のリストにより表されていてもよい。
【0023】
物品が管轄地域外で提供される場合であっても、管轄地域に関連する企業により当該物品が生産されていれば、当該物品に支払われた金銭の少なくとも一部は管轄地域の居住者の収入となり得る。サービスが管轄地域外で提供される場合であっても、当該サービスを管轄地域内の企業が遠隔的に提供していれば、当該サービスに支払われた金銭の少なくとも一部は管轄地域の居住者の収入となり得る。
【0024】
地域制約条件は、提供地制約条件、店舗制約条件、名称制約条件、及び企業制約条件のうち2種以上の組み合わせであってもよい。
【0025】
図1に戻り、寄付受付部211は、上記寄付の申し込みを寄付者端末310から受け付ける。寄付者端末310は、上記寄付者が使用する端末である。寄付者端末310は、据え置き型のパーソナルコンピュータであってもよいし、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、又はスマートフォン等の携帯端末であってもよい。簡略化のために、図1には1つの寄付者端末310のみが図示されているが、実際には多数の寄付者端末310がふるさと納税受付装置200に接続され得る。
【0026】
寄付受付部211は、返礼品データベース214に基づいて、寄付先となり得る地方公共団体と、寄付に対する返礼品とのリストを寄付者端末310に表示する。例えば寄付受付部211は、寄付者端末310にインストールされた汎用のウェブブラウザ、又はふるさと納税専用のアプリケーション等に上記リストを表示する。
【0027】
寄付者は、リスト表示に基づいて、寄付者端末310に対し寄付の申し込み操作を行う。例えば寄付者は、上記ウェブブラウザ又はアプリケーションにおいて、寄付先の地方公共団体を選択し、寄付金額、寄付用の決済情報、及び返礼品送付先等を入力する。決済情報は、寄付者から寄付先への寄付金の支払いを電子的に実行する(寄付金の電子決済を実行する)ための情報である。決済情報の具体例としては、銀行口座番号又はクレジットカード番号等が挙げられる。返礼品送付先の具体例としては、物品の郵送先(例えば寄付者の住所)、又は電子チケットの送信先(例えば寄付者のEメールアドレス)等が挙げられる。
【0028】
寄付受付部211は、寄付者端末310に対する上記申し込み操作に応じて、寄付の申込内容と、寄付者の識別情報とを寄付者端末310から取得する。以下、寄付受付部211が寄付者端末310から取得する情報をまとめて「寄付情報」という。
【0029】
寄付情報データベース212は、寄付受付部211が寄付者端末310から取得した寄付情報を記憶する。例えば図3に示すように、寄付情報データベース212は、寄付者IDと、上記寄付先IDと、上記寄付金額と、上記決済情報と、上記返礼品送付先と、決済状況と、返礼品手配状況とを対応付けて記憶する。寄付者IDは、寄付者の識別コードである。寄付先IDの具体例としては、ログインに際して寄付者が入力したアカウント等が挙げられる。決済状況は、寄付金の電子決済が完了したか否かを示す。図示における「未」は、寄付金の電子決済が未完了であることを示し、「済」は、寄付金の電子決済が完了していることを示す。返礼品手配状況は、寄付金の支払いに応じた返礼品の手配が完了しているか否かを示す。図示における「未」は、返礼品の手配が未完了であることを示し、「済」は、返礼品の手配が完了していることを示す。
【0030】
図1に戻り、寄付決済部213は、寄付情報データベース212が記憶する寄付情報の決済情報に従って、寄付金の電子決済処理を実行する。例えば寄付決済部213は、寄付情報データベース212が記憶する決済情報に従った寄付金の電子決済の実行を決済代行事業者サーバ600に要求する。決済代行事業者サーバ600は、銀行またはクレジットカード会社のサーバであり、上記寄付金の電子決済を代行する。このように、寄付受付部211が電子決済処理を実行することは、寄付受付部211が決済代行事業者サーバ600に電子決済を代行させることを含む。
【0031】
寄付決済部213は、決済代行事業者サーバ600による電子決済の代行が完了するのに応じて、寄付情報データベース212の上記決済状況を「未」から「済」に変更する。簡略化のために、図1には1つの決済代行事業者サーバ600のみが図示されているが、実際には多数の決済代行事業者サーバ600がふるさと納税受付装置200に接続され得る。
【0032】
返礼品手配部215は、寄付決済部213による電子決済処理の完了(決済代行事業者サーバ600による電子決済の代行完了)に応じて、寄付金額に応じた返礼品の手配処理を実行する。例えば、返礼品が物品である場合、返礼品手配部215は、返礼品の提供企業に対し、送付先(上記返礼品送付先)への返礼品の送付を依頼する。
【0033】
返礼品が上記返礼品電子チケットである場合、返礼品手配部215は、電子チケット管理装置100に返礼品電子チケットの発券を要求する。例えば返礼品手配部215は、寄付情報データベース212と返礼品データベース214とを参照し、寄付金額と、寄付者IDと、返礼品送付先と、上記返礼品詳細情報とを電子チケット管理装置100に送信し、寄付金額に応じた金額分の返礼品電子チケットの発券を電子チケット管理装置100に要求する。
【0034】
返礼品の手配処理を完了した後、返礼品手配部215は、寄付情報データベース212の上記返礼品手配状況を「未」から「済」に変更する。電子チケット管理装置100は、発券要求に従って電子チケットを発券し、電子チケットによる支払いの電子決済処理を実行する。電子チケット管理装置100は、発券要求に際し指定される制約条件を電子チケットに付与する。また、電子チケット管理装置100は、電子チケットの支払上限額と、実際の支払額との差額を支払元に還元する。
【0035】
電子チケット管理装置100は、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、利用者条件と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券することと、店舗からの登録要求に従って店舗を加盟店として登録することと、返礼品電子チケットの譲渡要求に従って返礼品電子チケットの利用者条件を変更することと、返礼品電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者が利用者条件を満たすか否かと、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かとに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に地方公共団体から加盟店への費用の支払い処理を行うことと、を実行するように構成されている。
【0036】
電子チケット管理装置100は、発券者からの電子チケットの発券要求に従って利用者条件を付与したノーマル電子チケットを発券することと、ノーマル電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者が利用者条件を満たすか否かに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に発券者から加盟店への費用の支払い処理を行うことと、を更に実行するように構成されていてもよい。例えば電子チケット管理装置100は、機能ブロックとして、チケット発券部111と、チケットデータベース112と、利用者条件変更部113と、店舗登録部114と、店舗データベース115と、決済処理部116とを有する。
【0037】
チケット発券部111は、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、利用者条件と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券する。例えばチケット発券部111は、返礼品手配部215からの返礼品電子チケットの発券要求に従って返礼品電子チケットを発券する。
【0038】
上述したように、返礼品手配部215は、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、返礼品電子チケットの発券を要求する。従って、返礼品手配部215からの返礼品電子チケットの発券要求に従って返礼品電子チケットを発券することは、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に返礼品電子チケットを発券することの一例である。
【0039】
例えばチケット発券部111は、返礼品手配部215から送信された上記寄付金額、寄付者ID、返礼品送付先、及び返礼品詳細情報に基づいて、利用者条件と、支払条件と、決済情報と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券する。利用者条件は、返礼品電子チケットによる決済を行う権利を有する利用者の識別コード(以下、「利用者ID」という。)を定める。支払条件は、寄付金額に応じた支払上限額を定める。決済情報は、地方公共団体による支払いを電子的に実行するための情報である。上述のように、地域制約条件は、電子チケットによる費用の支払い対象を、地方公共団体の管轄地域に関連する対象に制限する。
【0040】
例えばチケット発券部111は、返礼品電子チケット固有のチケットIDを生成し、寄付者IDを利用者IDとしてチケットIDに対応付ける。また、チケット発券部111は、寄付金額と返礼品詳細情報の上記還元条件とに基づく支払上限額をチケットIDに対応付け、返礼品詳細情報の上記決済情報をチケットIDに対応付ける。更に、チケット発券部111は、返礼品詳細情報の上記地域制約条件をチケットIDに対応付ける。以上により、チケットIDと、利用者IDと、支払上限額と、決済情報と、地域制約条件とを対応付けた返礼品電子チケットが発券される。
【0041】
チケット発券部111は、返礼品電子チケットの発券のために、上記支払上限額を支払元の地方公共団体から電子チケット管理装置100の管理会社に支払う電子決済の実行を事前に決済代行事業者サーバ600に要求してもよい。この電子決済を決済代行事業者サーバ600が代行することによって、支払上限額の電子マネーが電子チケット管理装置100の管理会社にプールされる。この場合、電子チケット管理装置100は、支払上限額の電子マネーをプールした上記管理会社を支払元とする電子決済を行うための決済情報をチケットIDに対応付ける。以下、地方公共団体を支払元とする電子決済を行うための決済情報を「事後決済用の決済情報」といい、上記管理会社を支払元とする電子決済を行うための決済情報を「事前決済用の決済情報」という。
【0042】
チケット発券部111は、発券した返礼品電子チケットを利用者端末330に送信する。例えばチケット発券部111は、発券した電子チケットを1次元コード又は2次元コード(例えばQRコード(登録商標))等の読み取り可能な電子コードにして利用者端末330に送信する。なお、電子コードを利用者端末330に送信することは、電子コードを表示するウェブサイトのリンクを利用者端末330に送信することを含む。
【0043】
利用者端末330は、利用者が使用する端末である。利用者端末330は、据え置き型のパーソナルコンピュータであってもよいし、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、又はスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
【0044】
説明の便宜上、利用者端末330を上記寄付者端末310と区別しているが、利用者端末330と寄付者端末310とは同一の端末であってもよい。例えば、上述した例においては、寄付者IDが返礼品電子チケットの利用者IDとされているので、利用者端末330は寄付者端末310と同一である。この場合、チケット発券部111は、上記返礼品送付先が示す寄付者のEメールアドレスに従って、寄付者端末310に返礼品電子チケットを送信する。
【0045】
チケット発券部111は、発券者からの電子チケットの発券要求に従って利用者条件を付与したノーマル電子チケットを発券してもよい。例えばチケット発券部111は、電子チケットの発券要求を発券者端末320から取得する。
【0046】
発券者端末320は、発券者が使用する端末である。発券者端末320は、据え置き型のパーソナルコンピュータであってもよいし、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、又はスマートフォン等の携帯端末であってもよい。簡略化のために、図1には1つの発券者端末320のみが図示されているが、実際には多数の発券者端末320が電子チケット管理装置100に接続され得る。
【0047】
チケット発券部111は、ノーマル電子チケットの発券に必要な情報の入力画面を発券者端末320に表示する。例えばチケット発券部111は、発券者端末320にインストールされた汎用のウェブブラウザ、又は電子チケットの発券者・利用者専用のアプリケーション等に、利用者条件、支払条件、決済情報、及び個別制約条件の入力画面を表示する。利用者条件は、ノーマル電子チケットによる決済を行う権利を有する利用者の識別コード(以下、「利用者ID」という。)を定める。支払条件は支払上限額を定める。決済情報は、発券者による支払いを電子的に実行するための情報である。決済情報の具体例としては、発券者の銀行口座番号又はクレジットカード番号等が挙げられる。個別制約条件は、発券者が任意で設定する制約条件である。個別制約条件の具体例としては、費用の支払い対象の種別(例えば物品又はサービスの種別)を制限する条件、決済期限を定める条件等が挙げられる。
【0048】
例えば発券者は、入力画面に従って、利用者ID、支払上限額、決済情報及び個別制約条件を入力する。チケット発券部111は、発券者による入力画面への入力に基づいて、利用者条件、支払条件、決済情報、及び個別制約条件を付与したノーマル電子チケットを発券する。例えばチケット発券部111は、ノーマル電子チケット固有のチケットIDを生成し、入力画面に入力された利用者ID、支払上限額、決済情報、及び個別制約条件をチケットIDに対応付ける。以上により、チケットIDと、利用者IDと、支払上限額と、決済情報とを対応付けたノーマル電子チケットが発券される。
【0049】
チケット発券部111は、ノーマル電子チケットの発券のために、上記支払上限額を支払元の発券者から電子チケット管理装置100の管理会社に支払う電子決済の実行を事前に決済代行事業者サーバ600に要求してもよい。この電子決済を決済代行事業者サーバ600が代行することによって、支払上限額の電子マネーが電子チケット管理装置100の管理会社にプールされる。この場合、電子チケット管理装置100は、支払上限額の電子マネーをプールした上記管理会社を支払元とする電子決済を行うための決済情報をチケットIDに対応付ける。以下、発券者を支払元とする電子決済を行うための決済情報を「事後決済用の決済情報」といい、上記管理会社を支払元とする電子決済を行うための決済情報を「事前決済用の決済情報」という。
【0050】
チケット発券部111は、発券したノーマル電子チケットを利用者端末330に送信する。例えばチケット発券部111は、発券したノーマル電子チケットを1次元コード又は2次元コード(例えばQRコード(登録商標))等の読み取り可能な電子コードにして利用者端末330に送信する。
【0051】
説明の便宜上、利用者端末330を上記発券者端末320と区別しているが、利用者端末330と発券者端末320とは同一の端末であってもよい。例えば、ノーマル電子チケットの発券要求に際し、発券者が自身を利用者とした場合、利用者端末330は発券者端末320と同一である。簡略化のために、図1には1つの利用者端末330のみが図示されているが、実際には多数の利用者端末330が電子チケット管理装置100に接続され得る。
【0052】
チケットデータベース112は、チケット発券部111が発券した電子チケットを記憶する。例えば図4に示すように、チケットデータベース112は、チケットID、利用者ID、支払上限額、決済情報、及び制約条件(地域制約条件又は個別制約条件)に、チケット種別及びステータスを対応付けて記憶する。チケット種別は、チケットが返礼品電子チケットであるか、ノーマル電子チケットであるかを示す。
【0053】
ステータスは、電子チケットの現在の状態を示す。図4のステータスにおける「発券済」は、電子チケットが発券済であることを示している。「送信済」は、電子チケットを利用者端末330に送信済であることを示している。「受領済」は、利用者端末330において電子チケットが受領されたことを示している。「利用済」は、電子チケットが決済に利用されたことを示している。
【0054】
チケット発券部111は、チケットデータベース112への電子チケットの記録時におけるステータスを「発券済」とし、利用者端末330への電子チケットの送信を完了すると「発券済」を「送信済」に変更し、利用者端末330による電子チケットの受領を確認すると「送信済」を「受領済」に変更する。
【0055】
図1に戻り、利用者条件変更部113は、返礼品電子チケットの譲渡要求に従って当該返礼品電子チケットの利用者条件を変更する。利用者条件変更部113は、ノーマル電子チケットの譲渡要求に従って当該ノーマル電子チケットの利用者条件を変更してもよい。例えば利用者条件変更部113は、譲渡元の利用者が使用する利用者端末330からの譲渡要求に従って、電子チケット(返礼品電子チケット又はノーマル電子チケット)の利用者IDを譲渡元の利用者IDから譲渡先の利用者IDに変更してもよい。
【0056】
利用者条件変更部113は、譲渡先の利用者が使用する利用者端末330からの譲受要求に従って、電子チケットの利用者IDを譲渡元の利用者IDから譲渡先の利用者IDに変更してもよい。利用者条件変更部113は、譲渡元の利用者が使用する利用者端末330からの譲渡要求と、譲渡先の利用者が使用する利用者端末330からの譲受要求と、の両方に従って、電子チケットの利用者IDを譲渡元の利用者IDから譲渡先の利用者IDに変更してもよい。なお、利用者条件変更部113は、必ずしも返礼品電子チケットの発券後に利用者条件を変更しなくてもよく、返礼品電子チケットの発券時に利用者条件を変更してもよい。例えば利用者条件変更部113は、寄付者端末310からの譲渡要求に従って、チケット発券部111が返礼品電子チケットのチケットIDに対応付ける利用者IDを、寄付者とは異なる者のIDに変更してもよい。
【0057】
寄付者は、上記寄付の申し込み操作において、寄付者端末310に譲渡要求を入力してもよい。例えば寄付者は、上記返礼品送付先として、寄付者以外の者(以下、「他者」という。)の識別情報(以下、「他者ID」という。)と、他者に対する電子チケットの送信先(例えば他者のEメールアドレス)とを入力してもよい。この場合、利用者条件変更部113は、返礼品送付先の内容を譲渡要求として返礼品手配部215から取得し、チケット発券部111が返礼品電子チケットのチケットIDに対応付ける利用者IDを寄付者IDから他社IDに変更する。
【0058】
店舗登録部114は、店舗からの登録要求に従って当該店舗を加盟店として登録する。例えば店舗登録部114は、登録を要求する店舗の情報を店舗端末500から取得し、取得した情報を加盟店の情報として登録する。店舗端末500は、店舗において使用される端末である。店舗端末500は、据え置き型のパーソナルコンピュータであってもよいし、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、又はスマートフォン等の携帯端末であってもよい。簡略化のために、図1には1つの店舗端末500のみが図示されているが、実際には多数の店舗端末500が電子チケット管理装置100に接続され得る。
【0059】
店舗データベース115は、店舗登録部114が登録した加盟店の情報を記憶する。例えば図5に示すように、店舗データベース115は、店舗IDと、店舗の種別と、店舗名と、企業IDと、所在地と、所属地域IDと、決済情報とを対応付けて記憶する。店舗IDは、店舗の固有の識別情報である。企業IDは、店舗を運営する企業の固有の識別情報である。所属地域IDは、店舗が属する地域(店舗の所在地を含む地域)の固有の識別情報である。所属地域IDは、例えば地方公共団体の識別コード(例えば上述の地方公共団体コード等)である。決済情報は、店舗を支払先とする電子決済を実行するための情報である。決済情報の具体例としては、店舗の銀行口座番号等が挙げられる。
【0060】
図1に戻り、決済処理部116は、返礼品電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者(以下、「利用希望者」という。)が利用者条件を満たすか否かと、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かとに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に地方公共団体から加盟店への費用の支払い処理を行う。
【0061】
例えば、決済処理部116は、返礼品電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者の識別情報(以下、「未認証の利用者ID」という。)と、返礼品電子チケットのチケットID(以下、「未認証のチケットID」という。)と、加盟店の店舗IDと、費用の支払い対象の情報とを取得する。費用の支払い対象の情報は、少なくとも費用の金額を含む。費用の支払い対象の情報は、費用の支払い対象の名称を含んでもよいし、費用の支払い対象を提供する企業の識別情報(企業ID)を含んでいてもよい。
【0062】
ここで、返礼品電子チケットは、例えば以下の方式で利用される。
(方式1)
費用の支払い対象の情報を店舗端末500が読み取る。更に、利用者端末330が表示する未認証のチケットID(例えば上記電子コード)と、利用者端末330が表示する未認証の利用者IDとを店舗端末500が読み取る。
(方式2)
加盟店の店舗IDと、費用の支払い対象の情報とを利用者端末330が読み取る。利用者端末330は、費用の支払い対象の情報を読み取るのに代えて、利用者の入力に基づいて費用の支払い対象の情報を取得してもよい。
【0063】
方式1の場合、決済処理部116は、未認証のチケットIDと、店舗IDと、未認証の利用者IDと、費用の支払い対象の情報とを店舗端末500から取得する。方式2の場合、決済処理部116は、未認証のチケットIDと、店舗IDと、未認証の利用者IDと、費用の支払い対象の情報とを利用者端末330から取得する。
【0064】
決済処理部116は、未認証のチケットIDと未認証の利用者IDとがチケットデータベース112において対応付けられていれば利用希望者が利用者条件を満たすと判定し、未認証のチケットIDと未認証の利用者IDとがチケットデータベース112において対応付けられていなければ利用希望者が利用者条件を満たさないと判定する。
【0065】
利用希望者が利用者条件を満たす場合、決済処理部116は、少なくとも加盟店の情報又は費用の支払い対象の情報に基づいて、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを判定する。例えば地域制約条件が上記提供地制約条件である場合、決済処理部116は、加盟店の所在地が提供地制約条件を満たすか否かに基づいて費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを判定する。
【0066】
例えば、提供地制約条件が寄付先IDで表されている場合、決済処理部116は、店舗データベース115において加盟店の店舗IDに対応付けられた所属地域IDが、寄付先IDに一致する場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすと判定し、当該所属地域IDが寄付先IDに一致しない場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たさないと判定する。
【0067】
提供地制約条件が緯度・経度等による範囲(以下、「寄付先範囲」という。)で表されている場合、決済処理部116は、店舗データベース115において加盟店の店舗IDに対応付けられた所在地が、寄付先範囲内に位置する場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすと判定し、当該所在地が寄付先範囲内に位置しない場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たさないと判定する。
【0068】
地域制約条件が上記店舗制約条件である場合、決済処理部116は、加盟店が店舗制約条件を満たすか否かに基づいて費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを判定する。店舗制約条件が店舗の名称(以下、「地域関連店舗名称」という。)により表される場合、決済処理部116は、店舗データベース115において加盟店の店舗IDに対応付けられた店舗名が地域関連店舗名称に一致する場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすと判定し、当該店舗名が地域関連店舗名称に一致しない場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たさないと判定する。
【0069】
地域制約条件が上記名称制約条件である場合、決済処理部116は、費用の支払い対象に付された名称が名称制約条件を満たすか否かに基づいて費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを判定する。名称制約条件が名称(以下、「地域関連名称」という。)により表される場合、決済処理部116は、費用の支払い対象の名称が地域関連名称に一致する場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすと判定し、費用の支払い対象の名称が地域関連名称に一致しない場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たさないと判定する。
【0070】
地域制約条件が上記企業制約条件である場合、決済処理部116は、費用の支払い対象を提供する企業が企業制約条件を満たすか否かに基づいて、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを判定する。企業制約条件が企業の識別情報(以下、「地域制約企業ID」という。)により表される場合、決済処理部116は、店舗データベース115において加盟店の店舗IDに対応付けられた企業IDが地域制約企業IDに一致する場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすと判定し、当該企業IDが地域制約企業IDに一致しない場合に、費用の支払い対象が地域制約条件を満たさないと判定する。
【0071】
支払い可と判定した場合、決済処理部116は、地方公共団体から加盟店への費用の支払い処理を実行する。決済処理部116は、返礼品電子チケットの支払上限額(チケットデータベース112においてチケットIDに対応付けられた支払上限額)と、費用との差額を支払元である地方公共団体に還元するように費用の支払い処理を行ってもよい。
【0072】
返礼品電子チケットの決済情報(チケットデータベース112においてチケットIDに対応付けられた決済情報)が、事後決済用の決済情報である場合、決済処理部116は、上記費用を支払元の地方公共団体から支払先の加盟店に支払う電子決済の実行を決済代行事業者サーバ600に要求する。例えば決済処理部116は、チケットデータベース112においてチケットIDに対応付けられた決済情報と、店舗データベース115において加盟店の店舗IDに対応付けられた決済情報とに基づいて、上記電子決済の実行を決済代行事業者サーバ600に要求する。これに応じ、決済代行事業者サーバ600は、上記電子決済を代行する。この決済によれば、上記差額が地方公共団体に残るので、上記差額が地方公共団体に還元されたこととなる。
【0073】
返礼品電子チケットの決済情報が、事前決済用の決済情報である場合、決済処理部116は、返礼品電子チケット用にプールされた電子マネーのうち、上記費用分を支払先の加盟店に支払う電子決済と、上記差額分を支払元の地方自治体に還元する電子決済との実行を決済代行事業者サーバ600に要求する。これに応じ、決済代行事業者サーバ600は、上記2つの電子決済を代行する。
【0074】
決済処理部116は、加盟店での決済にノーマル電子チケットが利用される際に、少なくとも利用者が利用者条件を満たすか否かに基づいて決済可否を判定し、決済可と判定した場合に発券者を支払元とする決済処理を行ってもよい。ノーマル電子チケットの利用において、利用者条件を満たすか否かを判定するまでの処理は、返礼品電子チケットの場合と同じであるため説明を省略する。
【0075】
利用者が利用者条件を満たす場合、決済処理部116は、少なくとも加盟店の情報又は決済対象の情報に基づいて、決済対象が個別制約条件を満たすか否かを判定し、決済対象が個別制約条件を満たす場合には決済可と判定する。
【0076】
決済可と判定した場合、決済処理部116は、ノーマル電子チケットの支払上限額(チケットデータベース112においてチケットIDに対応付けられた支払上限額)と、決済対象に対する支払金額との差額を支払元である発券者に還元するように決済処理を行う。
【0077】
ノーマル電子チケットの決済情報(チケットデータベース112においてチケットIDに対応付けられた決済情報)が、事後決済用の決済情報である場合、決済処理部116は、上記支払金額を支払元の発券者から支払先の加盟店に支払う電子決済の実行を決済代行事業者サーバ600に要求する。
【0078】
例えば決済処理部116は、チケットデータベース112においてチケットIDに対応付けられた決済情報と、店舗データベース115において加盟店の店舗IDに対応付けられた決済情報とに基づいて、上記電子決済の実行を決済代行事業者サーバ600に要求する。これに応じ、決済代行事業者サーバ600は、上記電子決済を代行する。この決済によれば、上記差額が発券者に残るので、上記差額が発券者に還元されたこととなる。
【0079】
ノーマル電子チケットの決済情報が、事前決済用の決済情報である場合、決済処理部116は、ノーマル電子チケット用にプールされた電子マネーのうち、支払金額分を支払先の加盟店に支払う電子決済と、上記差額分を支払元の発券者に還元する電子決済との実行を決済代行事業者サーバ600に要求する。これに応じ、決済代行事業者サーバ600は、上記2つの電子決済を代行する。
【0080】
以上のように、決済処理部116が電子決済処理を実行することは、決済処理部116が決済代行事業者サーバ600に電子決済を代行させることを含む。簡略化のために、寄付決済部213が電子決済を代行させる決済代行事業者サーバ600と、決済処理部116が電子決済を代行させる決済代行事業者サーバ600とを共通にしているが、これらは別であってもよい。簡略化のために1つの決済代行事業者サーバ600のみが図示されているが、実際には多数の決済代行事業者サーバ600が電子チケット管理装置100に接続され得る。
【0081】
決済処理部116は、決済代行事業者サーバ600による電子決済の代行が完了するのに応じて、チケットデータベース112における電子チケット(返礼品電子チケット又はノーマル電子チケット)のステータスを上記「受領済」から「利用済」に変更する。
【0082】
チケット発券部111は、費用の支払いに利用された返礼品電子チケットが所定の利用完了条件を満たさない場合に、上記差額を新たな支払上限額として返礼品電子チケットを再発券してもよい。この場合、決済処理部116は、費用の支払いに利用された返礼品電子チケットが上記利用完了条件を満たす場合に上述のように差額を地方公共団体に還元する。以下、費用の支払いに利用された返礼品電子チケットを「旧チケット」といい、旧チケットの利用に応じて再発券される返礼品電子チケットを「新チケット」という。
【0083】
新チケットを再発券する場合、チケット発券部111は、例えば新チケット固有のチケットID(以下、「新チケットID」という。)を生成し、旧チケットと同じ利用者IDを新チケットIDに対応付ける。また、チケット発券部111は、上記差額を新たな支払上限額として新チケットIDに対応付け、旧チケットと同じ決済情報及び地域制約条件を新チケットIDに対応付ける。以上により、新チケットIDと、利用者IDと、支払上限額と、決済情報と、地域制約条件とを対応付けた新チケットが再発券される。
【0084】
事前決済用の決済情報を含む新チケットがチケット発券部111により発券される場合、決済処理部116は、上記差額分を支払元の地方公共団体に還元する電子決済を行わない。これにより、新たな支払上限額の電子マネーが電子チケット管理装置100の管理会社に引き続きプールされる。
【0085】
チケット発券部111は、再発券した新チケットを利用者端末330に送信する。例えばチケット発券部111は、再発券した新チケットを1次元コード又は2次元コード(例えばQRコード(登録商標))等の読み取り可能な電子コードにして利用者端末330に送信する。
【0086】
チケット発券部111は、費用の支払いに利用されたノーマル電子チケットが所定の利用完了条件を満たさない場合に、上記差額を新たな支払上限額としてノーマル電子チケットを再発券してもよい。この場合、決済処理部116は、費用の支払いに利用されたノーマル電子チケットが上記利用完了条件を満たす場合に上述のように差額を発券者に還元する。以下、費用の支払いに利用されたノーマル電子チケットを「旧チケット」といい、旧チケットの利用に応じて再発券されるノーマル電子チケットを「新チケット」という。
【0087】
新チケットを再発券する場合、チケット発券部111は、例えば新チケット固有のチケットID(以下、「新チケットID」という。)を生成し、旧チケットと同じ利用者IDを新チケットIDに対応付ける。また、チケット発券部111は、上記差額を新たな支払上限額として新チケットIDに対応付け、旧チケットと同じ決済情報及び個別制約条件を新チケットIDに対応付ける。以上により、新チケットIDと、利用者IDと、支払上限額と、決済情報と、個別制約条件とを対応付けた新チケットが再発券される。
【0088】
事前決済用の決済情報を含む新チケットがチケット発券部111により発券される場合、決済処理部116は、上記差額分を支払元の発券者に還元する電子決済を行わない。これにより、新たな支払上限額の電子マネーが電子チケット管理装置100の管理会社に引き続きプールされる。
【0089】
チケット発券部111は、再発券した新チケットを利用者端末330に送信する。例えばチケット発券部111は、再発券した新チケットを1次元コード又は2次元コード(例えばQRコード(登録商標))等の読み取り可能な電子コードにして利用者端末330に送信する。
【0090】
チケット発券部111は、チケットデータベース112への新チケットの記録時におけるステータスを「発券済」とし、利用者端末330への新チケットの送信を完了すると「発券済」を「送信済」に変更し、利用者端末330による新チケットの受領を確認すると「送信済」を「受領済」に変更する。
【0091】
利用完了条件はいかようにも設定可能である。以下に例示する。
例1) 上記差額が所定の利用完了金額を下回る。
例2) 返礼品電子チケットの再発券の回数が所定の上限回数に達している。
【0092】
チケット発券部111は、所定の有効期限を付して返礼品電子チケットを発券してもよい。この場合、決済処理部116は、未利用の返礼品電子チケットの有効期限が経過したタイミングで、当該返礼品電子チケットの支払上限額を地方公共団体に還元してもよい。例えば、返礼品電子チケットの決済情報が事後決済用の決済情報である場合、決済処理部116は、チケットデータベース112における当該電子チケットのステータスを「受領済」から「期限切れ」に変更する。これにより、当該電子チケットが利用不可となるので、支払上限額が地方公共団体に還元されたこととなる。返礼品電子チケットの決済情報が事前決済用の決済情報である場合、決済処理部116は、返礼品電子チケット用にプールされた支払上限額分の電子マネーを支払元の地方自治体に還元する電子決済の実行を決済代行事業者サーバ600に要求する。これに応じ、決済代行事業者サーバ600が上記電子決済を実行し、上記支払上限額が地方公共団体に還元される。
【0093】
チケット発券部111は、所定の有効期限を付してノーマル電子チケットを発券してもよい。この場合、決済処理部116は、未利用のノーマル電子チケットの有効期限が経過したタイミングで、当該ノーマル電子チケットの支払上限額を発券者に還元してもよい。例えば、ノーマル電子チケットの決済情報が事後決済用の決済情報である場合、決済処理部116は、チケットデータベース112における当該電子チケットのステータスを「受領済」から「期限切れ」に変更する。これにより、当該電子チケットが利用不可となるので、支払上限額が発券者に還元されたこととなる。ノーマル電子チケットの決済情報が事前決済用の決済情報である場合、決済処理部116は、返礼品電子チケット用にプールされた支払上限額分の電子マネーを支払元の地方自治体に還元する電子決済の実行を決済代行事業者サーバ600に要求する。これに応じ、決済代行事業者サーバ600が上記電子決済を実行し、上記支払上限額が地方公共団体に還元される。
【0094】
図6は、電子チケット管理システム1のハードウェア構成を例示するブロック図である。電子チケット管理システム1は、上述のように電子チケット管理装置100とふるさと納税受付装置200とを備える。電子チケット管理装置100及びふるさと納税受付装置200は、通信ネットワークNWを介して接続されている。また、電子チケット管理装置100及びふるさと納税受付装置200は、通信ネットワークNWを介して寄付者端末310、発券者端末320、利用者端末330、店舗端末500、及び決済代行事業者サーバ600と接続されている。通信ネットワークNWは、例えば所謂インターネットを含むワイドエリアネットワークである。通信ネットワークNWを構成するネットワーク回線は有線であっても無線であってもよい。
【0095】
ふるさと納税受付装置200は、回路290を有する。回路290は、一つ又は複数のプロセッサ291と、メモリ292と、ストレージ293と、通信ポート294とを含む。ストレージ293は、例えば少なくとも一つのハードディスク又は不揮発性メモリ等の記憶媒体である。ストレージ293は、寄付の受け付け及び決済処理と、寄付に応じた返礼品の手配とをふるさと納税受付装置200に実行させるためのプログラムを記憶している。例えばストレージ293は、ふるさと納税受付装置200の上述の各機能ブロックを構成するためのプログラムを記憶している。
【0096】
メモリ292は、ストレージ293からロードしたプログラム及びプロセッサ291による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ291は、メモリ292と協働して上記プログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。通信ポート294は、プロセッサ291からの指令に応じ、電子チケット管理装置100、寄付者端末310、発券者端末320、利用者端末330、店舗端末500及び決済代行事業者サーバ600との間でネットワーク通信を行う。
【0097】
電子チケット管理装置100は、回路190を有する。回路190は、一つ又は複数のプロセッサ191と、メモリ192と、ストレージ193と、通信ポート194とを含む。ストレージ193は、例えば少なくとも一つのハードディスク又は不揮発性メモリ等の記憶媒体である。ストレージ193は、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、利用者条件と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券することと、店舗からの登録要求に従って店舗を加盟店として登録することと、返礼品電子チケットの譲渡要求に従って返礼品電子チケットの利用者条件を変更することと、返礼品電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者が利用者条件を満たすか否かと、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かとに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に地方公共団体から加盟店への費用の支払い処理を行うことと、を電子チケット管理装置100に実行させるためのプログラムを記憶している。例えばストレージ193は、電子チケット管理装置100の上述の各機能ブロックを構成するためのプログラムを記憶している。
【0098】
メモリ192は、ストレージ193からロードしたプログラム及びプロセッサ191による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ191は、メモリ192と協働して上記プログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。通信ポート194は、プロセッサ191からの指令に応じ、ふるさと納税受付装置200、寄付者端末310、発券者端末320、利用者端末330、店舗端末500及び決済代行事業者サーバ600との間でネットワーク通信を行う。
【0099】
〔電子チケット管理方法〕
続いて、電子チケット管理方法の一例として、電子チケット管理システム1が実行する電子チケット管理手順を例示する。この手順は、チケット発券部111が、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、利用者条件と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券することと、店舗登録部114が、店舗からの登録要求に応じて店舗を加盟店として登録することと、利用者条件変更部113が、返礼品電子チケットの譲渡要求に従って返礼品電子チケットの利用者条件を変更することと、決済処理部116が、返礼品電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者が利用者条件を満たすか否かと、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かとに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に地方公共団体から加盟店への費用の支払い処理を行うことと、を含む。
【0100】
この手順は、チケット発券部111が、発券者からの電子チケットの発券要求に従って利用者条件を付与したノーマル電子チケットを発券することと、ノーマル電子チケットにより費用の支払いをしようとする者が利用者条件を満たすか否かに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に発券者から加盟店への支払い処理を行うことと、を更に含んでもよい。
【0101】
以下、ふるさと納税受付装置200が実行する返礼品手配手順と、電子チケット管理装置100が実行する返礼品電子チケットの発券手順及びノーマル電子チケットの発券手順と、電子チケット管理装置100が実行する店舗の登録手順と、電子チケット管理装置100が実行する返礼品電子チケットによる決済手順及びノーマル電子チケットによる決済手順とに分けて、電子チケット管理手順を詳細に例示する。
【0102】
(返礼品手配手順)
図7に示すように、ふるさと納税受付装置200は、まずステップS01,S02,S03,S04を実行する。ステップS01では、寄付受付部211が、寄付者端末310からの寄付の申し込みを待機する。この間に、寄付受付部211は、寄付者端末310からのアクセスに応じ、寄付先となり得る地方公共団体と、寄付に対する返礼品とのリストを寄付者端末310に表示する。ステップS02では、寄付受付部211が、上記寄付情報(寄付の申込内容及び寄付者の識別情報)を寄付者端末310から取得し、寄付情報データベース212に記録する。ステップS03では、寄付情報データベース212が記憶する寄付情報の決済情報に従って、寄付決済部213が、寄付金の電子決済処理を実行する。ステップS04では、返礼品手配部215が、返礼品データベース214を参照し、寄付先の返礼品が返礼品電子チケットであるかを確認する。
【0103】
ステップS04において寄付先の返礼品が返礼品電子チケットであると判定した場合、ふるさと納税受付装置200は、ステップS05,S06を実行する。ステップS05では、返礼品手配部215が、返礼品電子チケットの発券用の情報を生成する。例えば返礼品手配部215は、寄付情報データベース212と返礼品データベース214とを参照し、寄付金額と、寄付者IDと、返礼品送付先と、上記返礼品詳細情報とを含む情報を生成する。ステップS06では、返礼品手配部215が、上記発券用の情報を電子チケット管理装置100に送信し、寄付金額に応じた金額分の返礼品電子チケットの発券を電子チケット管理装置100に要求する。
【0104】
ステップS04において寄付先の返礼品が返礼品電子チケットでないと判定した場合、ふるさと納税受付装置200は、ステップS07を実行する。ステップS07では、返礼品手配部215が、返礼品の提供企業に対し、送付先(上記返礼品送付先)への返礼品の送付を依頼する。ふるさと納税受付装置200は以上の手順を繰り返す。
【0105】
(返礼品電子チケットの発券手順)
図8に示すように、電子チケット管理装置100は、ステップS11,S12,S13,S14,S15,S16,S17,S18を実行する。ステップS11では、チケット発券部111が、返礼品手配部215からの返礼品電子チケットの発券要求を待機する。ステップS12では、チケット発券部111が、返礼品電子チケット固有のチケットIDを生成する。ステップS13では、チケット発券部111が、利用者条件を設定する。例えばチケット発券部111は、寄付者IDを利用者IDとする。ステップS14では、チケット発券部111が、支払条件を設定する。例えばチケット発券部111は、寄付金額と返礼品詳細情報の上記還元条件とに基づく支払上限額を設定する。
【0106】
ステップS15では、チケット発券部111が、決済情報を設定する。例えばチケット発券部111は、返礼品詳細情報が含む決済情報を抽出する。ステップS16では、チケット発券部111が、地域制約条件を設定する。例えばチケット発券部111は、返礼品詳細情報が含む地域制約条件を抽出する。
【0107】
ステップS17では、チケット発券部111が、ステップS12で生成されたチケットIDに、ステップS13で設定された利用者IDと、ステップS14で設定された支払上限額と、ステップS15で設定された決済情報と、ステップS16で設定された地域制約条件とを対応付けて返礼品電子チケットを発券し、チケットデータベース112に記録する。この際に、チケット発券部111は、返礼品電子チケットのステータスを「発券済」とする。
【0108】
ステップS18では、チケット発券部111が、ステップS17で発券した返礼品電子チケットを利用者端末330に送信し、チケットデータベース112における返礼品電子チケットのステータスを「発券済」から「送信済」にする。利用者端末330による返礼品電子チケットの受領を確認すると、チケット発券部111は上記ステータスを「送信済」から「受領済」に変更する。電子チケット管理装置100は以上の手順を繰り返す。なお、ステップS11~S16の実行順序は適宜変更可能である。電子チケット管理装置100は、ステップS11~S16を並行して実行してもよい。
【0109】
(ノーマル電子チケットの発券手順)
図9に示すように、電子チケット管理装置100は、ステップS21,S22,S23,S24を実行する。ステップS21では、チケット発券部111が、発券者端末320からのノーマル電子チケットの発券要求を待機する。ステップS22では、チケット発券部111が、ノーマル電子チケット固有のチケットIDを生成する。
【0110】
ステップS23では、チケット発券部111が、ステップS22で生成されたチケットIDに、発券者端末320から取得した利用者ID、支払上限額、決済情報、及び個別制約条件を対応付けてノーマル電子チケットを発券し、チケットデータベース112に記録する。この際に、チケット発券部111は、ノーマル電子チケットのステータスを「発券済」とする。
【0111】
ステップS24では、チケット発券部111が、ステップS23で発券したノーマル電子チケットを利用者端末330に送信し、チケットデータベース112におけるノーマル電子チケットのステータスを「発券済」から「送信済」にする。利用者端末330によるノーマル電子チケットの受領を確認すると、チケット発券部111は上記ステータスを「送信済」から「受領済」に変更する。電子チケット管理装置100は以上の手順を繰り返す。
【0112】
(店舗の登録手順)
図10に示すように、電子チケット管理装置100は、ステップS31,S32を実行する。ステップS31では、店舗登録部114が、店舗端末500からの登録要求を待機する。ステップS32では、店舗登録部114が、登録を要求する店舗の情報を店舗端末500から取得し、取得した情報を加盟店の情報として店舗データベース115に記録する。電子チケット管理装置100は以上の手順を繰り返す。
【0113】
(返礼品電子チケットによる決済手順)
図11に示すように、電子チケット管理装置100は、まずステップS41,S42,S43を実行する。ステップS41では、決済処理部116が、上述した方式1又は方式2等による返礼品電子チケットの利用を待機する。ステップS42では、決済処理部116が、未認証のチケットIDと、店舗IDと、未認証の利用者IDと、費用の支払い対象の情報とを取得する。例えば、上記方式1にて返礼品電子チケットが利用された場合、決済処理部116は、未認証のチケットIDと、店舗IDと、未認証の利用者IDと、費用の支払い対象の情報とを店舗端末500から取得する。上記方式2にて返礼品電子チケットが利用された場合、決済処理部116は、未認証のチケットIDと、店舗IDと、未認証の利用者IDと、費用の支払い対象の情報とを利用者端末330から取得する。ステップS43では、決済処理部116が、未認証のチケットIDのステータスが、チケットデータベース112において「受領済」であるかを確認する。ステップS43において、未認証のチケットIDのステータスが「受領済」でないと判定した場合、決済処理部116は処理をステップS41に戻す。
【0114】
ステップS43において、未認証のチケットIDのステータスが「受領済」であると判定した場合、電子チケット管理装置100はステップS44を実行する。ステップS44では、決済処理部116が、未認証のチケットIDと未認証の利用者IDとがチケットデータベース112において対応付けられているか否かを確認する。
【0115】
ステップS44において未認証のチケットIDと未認証の利用者IDとがチケットデータベース112において対応付けられていないと判定した場合、決済処理部116は、利用者が利用者条件を満たさないと判定し、処理をステップS41に戻す。
【0116】
ステップS44において未認証のチケットIDと未認証の利用者IDとがチケットデータベース112において対応付けられていると判定した場合、電子チケット管理装置100は、ステップS45を実行する。ステップS45では、決済処理部116が、少なくとも加盟店の情報又は費用の支払い対象の情報に基づいて、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを確認する。
【0117】
ステップS45において費用の支払い対象が地域制約条件を満たさないと判定した場合、決済処理部116は、処理をステップS41に戻す。ステップS45において費用の支払い対象が地域制約条件を満たすと判定した場合、電子チケット管理装置100はステップS46を実行する。ステップS46では、決済処理部116が、支払い可と判定し、返礼品電子チケットの支払上限額と、決済対象に対する支払金額との差額を支払元である地方公共団体に還元するように、地方公共団体から加盟店への費用の支払い処理を行う。
【0118】
チケット発券部111は、費用の支払いに利用された返礼品電子チケットが所定の利用完了条件を満たさない場合に、ステップS46の後に上記差額を新たな支払上限額として返礼品電子チケットを再発券してもよい。
【0119】
決済処理部116は、決済完了(例えば上記決済代行事業者サーバ600による電子決済の代行完了)に応じて、チケットデータベース112における返礼品電子チケットのステータスを上記「受領済」から「利用済」に変更する。電子チケット管理装置100は、以上の手順を繰り返す。
【0120】
(ノーマル電子チケットによる決済手順)
図12に示すように、電子チケット管理装置100は、まずステップS51,S52,S53を実行する。ステップS51では、決済処理部116が、上述した方式1又は方式2等によるノーマル電子チケットの利用を待機する。ステップS52では、決済処理部116が、未認証のチケットIDと、店舗IDと、未認証の利用者IDと、費用の支払い対象の情報とを取得する。例えば、上記方式1にて返礼品電子チケットが利用された場合、決済処理部116は、未認証のチケットIDと、店舗IDと、未認証の利用者IDと、費用の支払い対象の情報とを店舗端末500から取得する。上記方式2にて返礼品電子チケットが利用された場合、決済処理部116は、未認証のチケットIDと、店舗IDと、未認証の利用者IDと、費用の支払い対象の情報とを利用者端末330から取得する。ステップS53では、決済処理部116が、未認証のチケットIDのステータスが、チケットデータベース112において「受領済」であるかを確認する。ステップS53において、未認証のチケットIDのステータスが「受領済」でないと判定した場合、決済処理部116は処理をステップS51に戻す。
【0121】
ステップS53において、未認証のチケットIDのステータスが「受領済」であると判定した場合、電子チケット管理装置100はステップS54を実行する。ステップS54では、決済処理部116が、未認証のチケットIDと未認証の利用者IDとがチケットデータベース112において対応付けられているか否かを確認する。
【0122】
ステップS54において未認証のチケットIDと未認証の利用者IDとがチケットデータベース112において対応付けられていないと判定した場合、決済処理部116は、利用者が利用者条件を満たさないと判定し、処理をステップS51に戻す。
【0123】
ステップS54において未認証のチケットIDと未認証の利用者IDとがチケットデータベース112において対応付けられていると判定した場合、電子チケット管理装置100は、ステップS55を実行する。ステップS55では、決済処理部116が、少なくとも加盟店の情報又は費用の支払い対象の情報に基づいて、費用の支払い対象が個別制約条件を満たすか否かを確認する。
【0124】
ステップS55において費用の支払い対象が個別制約条件を満たさないと判定した場合、決済処理部116は、処理をステップS51に戻す。ステップS55において費用の支払い対象が個別制約条件を満たすと判定した場合、電子チケット管理装置100はステップS56を実行する。ステップS56では、決済処理部116が、決済可と判定し、ノーマル電子チケットの支払上限額と、費用の支払い対象に対する支払金額との差額を支払元である発券者に還元するように、発券者から加盟店への費用の支払い処理を行う。
【0125】
決済処理部116は、決済完了(例えば上記決済代行事業者サーバ600による電子決済の代行完了)に応じて、チケットデータベース112におけるノーマル電子チケットのステータスを上記「受領済」から「利用済」に変更する。電子チケット管理装置100は、以上の手順を繰り返す。
【0126】
チケット発券部111は、費用の支払いに利用されたノーマル電子チケットが所定の利用完了条件を満たさない場合に、ステップS56の後に上記差額を新たな支払上限額としてノーマル電子チケットを再発券してもよい。
【0127】
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、本実施形態に係る電子チケット管理方法は、電子チケット管理装置100が実行する電子チケット管理方法であって、チケット発券部111が、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付があった場合に、利用者条件と、地域制約条件とを付与した返礼品電子チケットを発券することと、店舗登録部114が、店舗からの登録要求に従って店舗を加盟店として登録することと、利用者条件変更部113が、返礼品電子チケットの譲渡要求に従って返礼品電子チケットの利用者条件を変更することと、決済処理部116が、返礼品電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者が返礼品電子チケットの利用者条件を満たすか否かと、費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かとに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に地方公共団体から加盟店への費用の支払い処理を行うことと、を含む。
【0128】
本電子チケット管理方法によれば、所定地域の地方公共団体に対し地域外の住民からの寄付(例えば「ふるさと納税」)があった場合に、その返礼品として、地域制約条件が付与された返礼品電子チケットが発券される。返礼品電子チケットは、地域制約条件の範囲で幅広い商品やサービスに利用可能である。この特性が、寄付者の寄付意欲を喚起し、所定地域の歳入増加に寄与し得る。また、この特性は、所定地域に関連する幅広い商品やサービスへの消費喚起にも寄与し得る。また、返礼品電子チケットの譲渡要求に従って利用者条件を事後的に変更することが可能である。このため、例えば寄付者から、返礼品電子チケットを利用しやすい立場にある他者(例えば所定地域の住民である寄付者の親類)に利用前の返礼品電子チケットを譲渡することが可能である。これにより、所定地域に関連する消費をより確実に喚起し得る。更に、消費喚起への寄与が、店舗の登録を喚起し得る。これにより加盟店が増えることによって、より幅広い商品やサービスへの利用が可能となり、これが更なる歳入増加と消費喚起に寄与するという好循環も期待される。従って、地方における歳入増加と、地方における消費喚起との両立に有効である。
【0129】
電子チケット管理方法は、チケット発券部111が、発券者からの電子チケットの発券要求に従って利用者条件を付与したノーマル電子チケットを発券することと、決済処理部116が、ノーマル電子チケットにより加盟店にて費用の支払いをしようとする者がノーマル電子チケットの利用者条件を満たすか否かに基づいて支払い可否を判定し、支払い可と判定した場合に発券者から加盟店への費用の支払い処理を行うことと、を更に含んでいてもよい。この場合、地域制約条件のないノーマル電子チケットの利用も可能とすることで、返礼品とは無関係な一般の消費活動においても利便性が向上し、所定地域における消費が更に喚起され得る。また、ノーマル電子チケットの利用も可能とすることで、店舗の登録が更に喚起され得る。以上の有効性に起因して、本電子チケット管理方法を利用する地方公共団体が増えると、ノーマル電子チケットはより広範な地域で共通に利用できることとなる。この利便性により、ノーマル電子チケットの利用が更に拡大することで、店舗の登録が更に喚起され得る。従って、地方における歳入増加と、地方における消費喚起との両立に更に有効である。
【0130】
地域制約条件は提供地制約条件を含み、決済処理部116は、加盟店の所在地が提供地制約条件を満たすか否かに基づいて費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを判定してもよい。この場合、所定地域内における消費を喚起することができる。
【0131】
地域制約条件は店舗制約条件を含み、決済処理部116は、加盟店が店舗制約条件を満たすか否かに基づいて費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを判定してもよい。この場合、所定地域に関連する店舗における消費を喚起することができる。
【0132】
地域制約条件は名称制約条件を含み、決済処理部116は、費用の支払い対象に付された名称が名称制約条件を満たすか否かに基づいて費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを判定してもよい。この場合、所定地域に関連するブランドに対する消費を喚起することができる。
【0133】
地域制約条件は企業制約条件を含み、決済処理部116は、費用の支払い対象を提供する企業が企業制約条件を満たすか否かに基づいて費用の支払い対象が地域制約条件を満たすか否かを判定してもよい。この場合、所定地域に関連する企業に対する消費を喚起することができる。
【0134】
チケット発券部111は、寄付金額に応じた支払上限額を定めた返礼品電子チケットを発券し、決済処理部116は、支払上限額と費用との差額を地方公共団体に還元するように費用の支払い処理を行ってもよい。この場合、返礼品電子チケットに設定された支払上限額を、地方における歳入増加と、地方における消費喚起とに、より確実に活用することができる。
【0135】
チケット発券部111は、費用の支払いに利用された返礼品電子チケットが所定の利用完了条件を満たさない場合に差額を新たな支払上限額として返礼品電子チケットを再発券し、決済処理部116は、費用の支払いに利用された返礼品電子チケットが利用完了条件を満たす場合に差額を地方公共団体に還元してもよい。この場合、当初の支払上限額に近い金額を利用者が利用し易くすることで、上記好循環の起点となる上記寄付意欲を更に高めることができる。
【0136】
以上、実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0137】
100…電子チケット管理装置、111…チケット発券部、113…利用者条件変更部、114…店舗登録部、116…決済処理部。
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
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図11
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