(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】自然口拡張アプリケータ
(51)【国際特許分類】
A61M 29/04 20060101AFI20230428BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20230428BHJP
A61B 1/018 20060101ALI20230428BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20230428BHJP
A61N 5/067 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
A61M29/04
A61B1/00 650
A61B1/00 715
A61B1/018 515
A61M25/10 512
A61N5/067
(21)【出願番号】P 2020563337
(86)(22)【出願日】2019-12-25
(86)【国際出願番号】 JP2019050756
(87)【国際公開番号】W WO2020138138
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2018247106
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591129025
【氏名又は名称】株式会社塚田メディカル・リサーチ
(73)【特許権者】
【識別番号】508123858
【氏名又は名称】SBIファーマ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500409219
【氏名又は名称】学校法人関西医科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】塚田 修
(72)【発明者】
【氏名】仲佐 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】村上 清隆
(72)【発明者】
【氏名】白銀 玲
(72)【発明者】
【氏名】北 正人
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-517507(JP,A)
【文献】特表平06-507105(JP,A)
【文献】特表平03-505829(JP,A)
【文献】特表2001-526572(JP,A)
【文献】特表2001-503666(JP,A)
【文献】米国特許第2687131(US,A)
【文献】特開2020-5843(JP,A)
【文献】国際公開第2017/184605(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 29/04
A61B 1/00
A61B 1/018
A61M 25/10
A61N 5/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然口拡張アプリケータにおいて、
内部に導入される流体によって膨張可能なバルーン部と、
前記バルーン部の第1の端部を支持する支持部と、
複数のチューブと、
前記
支持部と前記複数のチューブとを接続す
る接続部と、を備え、
前記バルーン部は、
前記第1の端部から反対側の第2の端部に向けて直線的に広がる第1の領域と、前記第1の端部よりも前記第2の端部に近い位置で、前記第2の端部に向けて曲線的に縮まる第2の領域とが形成されているとともに、前記第1の端部から前記第2の端部に向けて延在する複数の角部を有
し、
前記角部は、隣り合う前記角部の間の谷部よりも前記第1の領域で厚肉に形成され、前記第2の領域で前記谷部と同じ肉厚に形成されており、
前記バルーン部は、前記谷部と前記第2の端部で面一な平面状に形成されて光が透過するための光透過部が形成されていることを特徴とする、自然口拡張アプリケータ。
【請求項2】
請求項1に記載の自然口拡張アプリケータにおいて、前記支持部は、前記バルーン部に接する部分が前記支持部の外周に沿って厚肉に形成された補強部を有することを特徴とする、自然口拡張アプリケータ。
【請求項3】
請求項1に記載の自然口拡張アプリケータにおいて、前記接続部は、多数の細かい気泡を含んだシリコンゴムで形成されたことを特徴とする、自然口拡張アプリケータ。
【請求項4】
請求項
1に記載の自然口拡張アプリケータにおいて
、前記角部は、前記バルーン部の外周が最大な位置まで
厚肉に形成された部分が延びることを特徴とする、自然口拡張アプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然口拡張アプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
子宮頸がんの多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV:human papillomavirus)の感染が原因であることが明らかになっている。また、喫煙も子宮頸がんの危険因子であるとされている。
【0003】
子宮頸がんの前がん病変である子宮頸部異形成および上皮内がんや微小浸潤がんに対する標準的な治療としては、従来から子宮頸部の円錐切除術が知られている。円錐切除術によれば、妊孕能を温存することができるものの、子宮頸部が短縮されるため、術後の妊娠に際して流早産のリスクが高まるおそれがある。
【0004】
これに対して、腫瘍親和性の高い光感受性物質と低出力レーザー照射とを併用することで、正常細胞への障害を最小限にしつつ、光化学反応によって腫瘍細胞を治療する腫瘍特異的治療法である光線力学的治療法(PDT:photodynamic therapy)が提案されている。
【0005】
これまでの標準的治療であった子宮頸部の円錐切除術では、疼痛や出血が伴うのに対して、PDTによれば、施術中の疼痛や出血がほとんどないため、麻酔が不要となる。しかしながら、過去のPDTで用いられていた光感受性物質は、代謝および排出に長時間を要するため、光過敏症対策として数日から2週間程度に及ぶ遮光のための入院治療が必要であった。
【0006】
そこで、光感受性物質であり、アミノレブリン酸(ALA:amino levulinic acid)の代謝産物であるプロトポルフィリンIX(PPIX:protoporphyrin IX)を腫瘍細胞に多く蓄積させ、特定の波長の光を照射することにより生じる活性酸素によって標的となる腫瘍細胞を死滅させるPDTが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
特許文献1に記載されたPDTによれば、アミノレブリン酸は、光過敏症対策として短期間の遮光で充分であることから、外来治療が可能となる。また、特許文献1には、PPIXを腫瘍細胞に蓄積させ、特定の波長の光を照射することにより腫瘍細胞が発する蛍光を測定することで、子宮頸がんの診断を行う光線力学的診断法(PDD:photodynamic diagnosis)が提案されている。
【0008】
ここで、PDTまたはPDDを実施するにあたり、膣円蓋および子宮頸管を開大させるとともに、光を照射する光ファイバおよび内視鏡を配置することができるアプリケータが求められる。子宮に適用されるアプリケータとして、バルーンおよび複数の経路が形成されたカテーテル主管を有する子宮頸管留置カテーテルが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2011-1307号公報
【文献】特開昭59-67969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載された子宮頸管留置カテーテルにおいて、バルーンは、膣円蓋および子宮頸管を開大させるものではなく、カテーテル主管に形成された複数の経路は、光ファイバおよび内視鏡を配置するものではないので、PDTまたはPDDの実施に適用しうるものではない。
【0011】
また、特許文献2に記載のカテーテルが備えるラッパ状薄膜は、物理的に欠損した卵膜を被覆するものである。すなわち、当該ラッパ状薄膜はカテーテル主管の軸に対して径方向に拡開されたものであり、よって挿入時にコンパクトにすることができず、膣円蓋および子宮頸管まで到達するのが困難であり、患者が痛みを感じる恐れがあった。
【0012】
本発明は、上記のような課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、PDTまたはPDDを実施することができ、かつ収縮時にコンパクトな自然口拡張アプリケータを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、自然口拡張アプリケータにおいて、内部に導入される流体によって膨張可能なバルーン部と、前記バルーン部の第1の端部をチューブに接続するための接続部と、を備え、前記バルーン部は、前記第1の端部から前記第2の端部に向けて延在する複数の角部を有することを特徴とする。
【0014】
この場合において、隣り合う前記角部の間には、谷部が形成されていてもよい。前記バルーンは、前記第1の端部から前記第2の端部に向けて直線的に広がっていてもよい。前記バルーンは、前記第1の端部から前記第2の端部に向けて直線的に広がり、前記第1の端部よりも前記第2の端部に近い位置で、前記第2の端部に向けて曲線的に縮まっていてもよい。前記角部は、隣り合う前記角部の間の谷部よりも厚肉に形成されていてもよい。厚肉な前記角部は、前記第1の端部から前記第2の端部に向けて真っ直ぐ延びていてもよい。厚肉な前記角部は、前記バルーン部の外周が最大な位置まで延びていてもよい。前記バルーン部は、前記第2の端部に、光が透過するための光透過部が形成されていてもよい。前記バルーン部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に、光が透過するための光透過部が形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係る自然口拡張アプリケータを示す構成図である。
【
図6】バルーン部を先端部側から見た正面図である。
【
図7】バルーン部を収縮させた状態を先端部側から見た正面図である。
【
図8】第2実施形態に係るバルーン部を示す側面図である。
【
図9】第2実施形態に係るバルーン部を先端部側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係る自然口拡張アプリケータについて、図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。なお、本発明の自然口拡張アプリケータは、膣円蓋および子宮頸管を開大させるとともに、光を照射する光ファイバおよび内視鏡を配置して、PDTまたはPDDを実施することができるアプリケータである。
【0017】
図1は、第1実施形態に係る自然口拡張アプリケータを示す構成図であり、
図2は、
図1のA-A断面図である。
自然口拡張アプリケータ100は、
図1に示すように、バルーン部10と、カテーテル部(チューブ)20と、バルーン部10とカテーテル部20とを接続する接続部30(
図2参照)とを備えている。
【0018】
バルーン部10は、基端部(第1の端部)11に楕円形状断面を有する円筒形状の支持部12が一体で設けられ、先端部(第2の端部)13に、光が透過するための光透過部14が形成されている。バルーン部10は、シリコンゴムで形成されており、内部に導入される液体または気体である流体によって膨張可能に設けられている。
【0019】
カテーテル部20は、シリコンゴムでチューブ状に形成され、一端が接続部30を介してバルーン部10に接続されている。カテーテル部20は、流体を搬送する流体搬送チューブ21と、不図示の光ファイバが挿入されるための光ファイバチューブ22と、不図示の内視鏡が挿入されるための内視鏡チューブ23とで構成されている。
【0020】
接続部30は、
図2に示すように、楕円形状断面を有する円柱形状にシリコンゴムで形成されており、バルーン部10の支持部12内に組み込まれている。この接続部30には、第1の貫通孔31と、第2の貫通孔32と、第1の貫通孔31及び第2の貫通孔32よりも大きな直径を有する第3の貫通孔33とが形成されている。第1の貫通孔31にはカテーテル部20の流体搬送チューブ21の端部が差し込まれて保持され、第2の貫通孔32には光ファイバチューブ22を通して光ファイバの端部が差し込まれて保持され、第3の貫通孔33には内視鏡チューブ23を通して内視鏡が差し込まれて保持される。これにより、接続部30は、バルーン部10の基端部11をカテーテル部20に接続するように設けられている。
【0021】
自然口拡張アプリケータ100は、流体搬送チューブ21により搬送された流体によりバルーン10が膨張し、光ファイバにより伝搬されたレーザー光をバルーン10の光透過部14を透過させて患部に照射し、内視鏡により光透過部14を通して患部を視認できるようになっている。
【0022】
以下、バルーン部10についてより詳細に説明する。
図3は、バルーン部を示す斜視図であり、
図4は、バルーン部を示す側面図であり、
図5は、
図4のバルーン部の断面図であり、
図6は、バルーン部を先端部側から見た正面図であり、
図7は、バルーン部を収縮させた状態を先端部側から見た正面図である。なお、
図3乃至6は、バルーン部10内に流体を充填等して膨らませていない状態、すなわちバルーン部10内の圧力が周囲の気圧と同じ状態を示している。
【0023】
バルーン部10は、
図3に示すように、基端部11から先端部13に向けて延在する8つの角部15を有している。バルーン部10は、線上に延びる角部15に沿って山折りしたような形状を有しており、隣り合う角部15,15どうしの間には、放物線状断面の湾曲面である谷部16が形成されている。
【0024】
バルーン部10は、
図4に示すように、基端部11側の領域A1が基端部11から先端部13に向けて直線的に広がるように形成されており、基端部11よりも先端部13に近い位置で、先端部13に向けて曲線的に縮まるように先端部11側の領域A2が形成されている。これにより、角部15も基端部11から先端部13に向けて真っ直ぐ延びており、基端部11よりも先端部13に近い位置から、先端部13に向けて湾曲した形状を有している。これにより、バルーン部10は、直線的に広がる領域A1と曲線的に縮まる領域A2との境界にてその外周が最大になるように形成されている。
【0025】
本実施形態に係るバルーン部10及び支持部12は、
図5に示すように、同じ均一の厚さに形成されている。このため、バルーン部10は、内部に流体が充填されて全体的に球形状に膨らんでいくと、角部15も広がって曲面状になるようになっている。
【0026】
先端部13に形成された光透過部14は、領域A2の前端でもある谷部16の前端と面一な平面状に形成されている。光透過部14は、平面状に形成されていることにより、光ファイバにより伝搬されたレーザー光を均一に照射できるようになっている。なお、本実施形態では、先端部13に光透過部14が形成されているが、バルーン部10は全体的に光透過部14と同じ材料及び肉厚で形成されているため、角部15や谷部16等、バルーン部10上の光透過部14以外の部位からも、光ファイバにより伝搬されたレーザー光を透過させることができる。すなわち、角部15や谷部16等を介して、カテーテル部20が延びる方向に垂直な方向にレーザー光を透過させ、ALA-PDT及びALA-PDDを行うこともできるように設けられている。
【0027】
バルーン部10は、
図6に示すように、先端部13側から見たときに8つの角部15が山状に突出するとともに、角部15,15どうしの間の谷部16がバルーン部10の中心側に向かって湾曲している。このため、バルーン部10内の流体を吸い出すと、
図7に示すように、角部15及び谷部16がバルーン部10の中心に近づくようにバルーン部10が収縮し、バルーン部10の外周が小さくなる。このとき、角部15が折れ曲がった形状を維持し、谷部16も湾曲していることにより、バルーン部10は、基端部11と先端部13とを結ぶ方向、すなわち自然口拡張アプリケータ100を膣円蓋および子宮頸管まで挿入する方向の強度を高くすることができる。角部15及び谷部16がバルーン部10の中心に近づいたときには、基端部11と先端部13との距離は長くなっている。
【0028】
本実施形態に係る自然口拡張アプリケータ100は、内部に導入される流体によって膨張可能なバルーン部10と、バルーン部10の基端部11をカテーテル部20に接続するための接続部30と、を備え、バルーン部10は、基端部11から先端部13に向けて延在する複数の角部15を有している。これにより、バルーン部10は、先端部13から見た時の外周が小さくなるとともに、基端部11と先端部13とを結ぶ方向の強度を高くすることができる。このため、PDTまたはPDDを実施することができ、かつ収縮時にコンパクトな自然口拡張アプリケータを得ることができ、膣円蓋および子宮頸管まで到達するのを容易にして痛みを生じ難くすることができる。
【0029】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係るバルーン部を示す側面図であり、
図9は、第2実施形態に係るバルーン部を先端部側から見た正面図である。なお、第2実施形態では第1実施形態と異なる部分について説明し、図中の第1実施形態と略同一の構成に対しては同一の符号を用いている。
【0030】
本実施形態に係る自然口拡張アプリケータ200は、
図8に示すように、厚肉角部115及び支持部112の構成が第1実施形態の角部15及び支持部12と異なっている。
【0031】
厚肉角部115は、
図9に示すように、隣り合う厚肉角部115,115の間の部分にある谷部16よりも厚肉に形成されている。この厚肉角部115は、
図8に示すように、基端部11から領域A1の範囲だけ先端部13に向けて延びている。すなわち、バルーン部110の厚肉角部115は、領域A1と領域A2との境界まで厚肉に形成されており、曲線的に縮まる領域A2では、第1実施形態と同様に谷部16と同じ肉厚の角部15が形成されている。
【0032】
支持部112は、バルーン部110の基端部11側の補強部112aが支持部112の外周に沿って厚肉に形成されている。補強部112aは、バルーン部110の厚肉角部115と連続的に繋がっている。
【0033】
本実施形態に係る自然口拡張アプリケータ200は、厚肉角部115及び支持部112の一部の強度が増加している。これにより、バルーン部110内の流体を抜いてコンパクトな状態にしても、バルーン部110が座屈し難くなるため、膣円蓋および子宮頸管まで到達するのを容易にして患者に痛みを感じさせ難くすることができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の組み合わせ、または、省略が可能である。
【0035】
上記実施形態に係る接続部30は、楕円形状断面を有する円柱形状を有しているが、本発明はこれに限定されない。接続部は、光ファイバ及び内視鏡が位置決めされるとともに流体が流通可能に構成されていればよく、例えば、
図10(a)に示すように、円形状断面を有する接続部34とし、第1の貫通孔31、第2の貫通孔32、及び第3の貫通孔33を形成してもよい。
【0036】
また、
図10(b)に示すように、片側のみ半径の小さな楕円形状断面を有する接続部35とし、半径の大きい側に光ファイバを保持する第2の貫通孔32を形成するとともに、半径の小さい側に内視鏡を保持する第3の貫通孔33を形成し、第2の貫通孔32の外周に流体を搬送するための非常に小さな直径を有する第1の貫通孔31を形成してもよい。このとき、第1の貫通孔31は、
図10(b)に示すように、光ファイバチューブ22の管壁内に光ファイバチューブ22に沿って形成されていてもよいし、第2の貫通孔32と第3の貫通孔33との間の位置で接続部35自体に形成されていてもよい。
【0037】
さらに、光ファイバ及び内視鏡が一本の円筒状部材に挿入されていてもよく、例えば、
図10(c)に示すように、光ファイバチューブ22のバルーン部10に挿入される端部自体を小さな円形形状断面を有する接続部36として、光ファイバを保持する第2の貫通孔32を形成するとともに、光ファイバチューブ22の管壁内に流体を搬送するための非常に小さな直径を有する第1の貫通孔31を光ファイバチューブ22に沿って形成してもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、カテーテル部20がバルーン部10を貫通しない構成にしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、カテーテル部がバルーン部の基端部及び先端部を貫通するように構成し、基端部と先端部との間のバルーン上に、光が透過するための光透過部を形成して、カテーテル部の光ファイバから伝搬された光をカテーテル部が延びる方向に垂直な方向に照射するようにしてもよい。
【0039】
さらに、上記実施形態では、接続部30は、通常用いられるシリコンゴムを用いて形成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、接続部は、スポンジのように多数の細かい気泡を含んだシリコンゴムを用いて形成されていてもよい。接続部に気泡を含んだシリコンゴムを用いることにより、接続部をより柔らかくすることができる。これにより、カテーテル部とバルーン部とを接続する接続部が柔らかくなることにより、カテーテル部はバルーン部に対して揺動し易くなるため、自然口拡張アプリケータを患部に挿入する際に患者が痛みを感じることを低減させることができる。
【0040】
また、上記実施形態では、バルーン部10は、基端部11から先端部13に向けて延在する8つの角部15を有しているが、本発明はこれに限定されない。バルーン部を先端部から見た時の外周が小さくなるとともに、基端部と先端部とを結ぶ方向の強度を高くすることができれば、角部の個数は、例えば4つ等、その他の個数であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…バルーン部
11…基端部(第1の端部)
12…支持部
13…先端部(第2の端部)
14…光透過部
15…角部
16…谷部
20…カテーテル部(チューブ)
21…流体搬送チューブ
22…光ファイバチューブ
23…内視鏡チューブ
30…接続部
31…第1の貫通孔
32…第2の貫通孔
33…第3の貫通孔
100…自然口拡張アプリケータ
110…バルーン部
112…支持部
112a…補強部
115…厚肉角部
200…自然口拡張アプリケータ