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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】オイルヒーター熱交換S型装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 3/06 20220101AFI20230428BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20230428BHJP
   F24D 13/04 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
F24H3/06 302
F24C7/04 C
F24D13/04
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022193821
(22)【出願日】2022-11-16
【審査請求日】2022-11-16
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509229935
【氏名又は名称】佐藤 將之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 將之
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-027384(JP,A)
【文献】登録実用新案第3044348(JP,U)
【文献】実開平03-115352(JP,U)
【文献】実公昭52-042611(JP,Y1)
【文献】特開平11-037486(JP,A)
【文献】登録実用新案第3155670(JP,U)
【文献】実開平06-059731(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 3/00 - 3/12
F24C 7/00 - 7/10
F24D 13/00 - 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルヒーターと、操作パネルと上部の断面コの字型の熱交換カバーと、下部のキャスター台座と、を備えたオイルヒーター熱交換S型装置であって、オイルヒーターは、操作パネルに隣接するラジェターを含む複数の縦型のラジェターと上部オイルパイプと、下部オイルパイプと、厚さ1.1mmのアルミ製のS字形状φ19のパイプからなるS型放熱器と、を備え、各ラジェター間の全てにS型放熱器を装填し、S型放熱器を上部オイルパイプに内接させて挟んで吊下げ、S型放熱器の上端開放部は前部暖房方向に向け、S型放熱器を下部オイルパイプに伝熱ホルダーで固定し、熱交換カバーは上部に2箇のファンと、始動及び停止の温度調節器と、ファン速度調節器とを搭載し、熱交換カバーの下端は上部オイルパイプ下端までを覆う長さであり、操作パネルの片側であってオイルヒーターの後部をアルミ板金製後部カバーで閉塞し、前部を開放構造として暖気送出口とし、 2箇のキャスター台座間の下側に反射板を渡し、反射板を下部オイルパイプの下側にUボルト2箇で固定し、反射板の後部側は後部カバーを載せる余裕を取ってキャスター台座で垂直に折り曲げ、反射板上に後部カバーを載せ、後部カバー下側にUボルト2箇で固定し、反射板の後部側は後部カバーを載せる余裕、後部カバーの上側を熱交換カバーの後部と2箇連結金具で連結する構造であって、
ファンからの気流は直下の上部オイルパイプに衝突2分され、熱交換カバーの下側に引き込まれ、下部オイルパイプに衝突、接触し、その後反射板に衝突して床面と平行な水平方向に90度風向を変更し、前部の暖気送出口から熱気流となって送出されるオイルヒーター熱交換S型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルヒーターのラジェター、ヒーターの全周囲の開放構造を狭小化、パネル両側暖房面を片側だけとし後部カバーで覆い床面を反射板で閉塞、熱交換効率を向上させて暖房効果を急速に立ち上げる広面 積曲管放熱器をS型とし各ラジェター間に装填する、ラジェター中央部と縦横の熱交換に優れファンモーターで高速熱交換を促進する、熱交換カバーで構成、速暖効果を得るオイルヒーター熱交換S型装置である。
【背景技術】
【0002】
従来、ラジェター放熱面積の拡大が実施されている。
【先行技術文献】
【0003】
【文献】特開平2016-125806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために、次のような問題点があった。
(イ)遮蔽されたヒーターの発生熱で充填オイルがオイルパイプ、ラジェター内を対流更に空気の対流に任せた熱交換ではオイルの熱特性で天井に達した暖気が、降下し暖房箇所に達するには1時間以上を必要とし暖房機器では最も遅い。外気温度が10℃以下では最大電力で使用しても20℃前後で補助暖房が主でありタイマー制御で省エネルギーとしても室温は上昇しない、結果的に大電力運転になる。
(ロ)発生熱、輻射熱も低く特に床面は長時間低温の状態で電力消費量は他の暖房機と比較しても最大で暖房効果の目的を失っている。
(ハ)電気ストーブ等の電熱機器に比較してもオイルの熱特性が加わり電力の熱変換率は最低である。
(ニ)機器構成が鉄製でありラジェターの放熱面積の拡大加工は溶接作業を必要とし熱歪み修正加工、組立て作業を必要とする手造り作業で、オイル漏れの危惧他コスト低減の合理性はなく熱容量の増加により大きな効果は期待出来ない。
(ホ)ラジェターは構造上、輻射面が向かい合い非暖房方向で輻射熱効果は暖房効果に直接寄与できない大きな欠点がある。
暖房が両側とユニークだが長所より非暖房方向の熱エネルギーを暖房方向に収束急速な室温上昇を図るべきである。
(ヘ)家電メーカーがオイルパイプ内蔵ヒーター他ハードウエアの研究開発を促進したが1℃の室温上昇は如何に困難であるか、が技術文献から窺える。
(ト)エアコンの暖気搬送能力がオイルヒーターにはない。
(チ)ドア、窓の開閉で失われた暖気の回復は低温であり時間を必要とする。
(リ)密閉ヒーター、充填オイルパイプ、ラジェター温度70度℃前後では、石油ストーブ、電気ストーブとは改善上余地はなく比較対象にならない。
(ヌ)高い天井、吹き抜け構造の建物では全く無力である。
(ル)無風とすると改良の選択肢は殆どない。
(オ)脱炭素社会対応に熱交換効率を高め消費電力低減、最小電力で最大の室温上昇の暖房効果を得る方法を考案し具体化する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
オイルヒーターはヒーター内蔵のオイルパイプ、ラジェターの発熱部及び直下床面も全て開放されて、直接暖気発生に不必要な大きな暖房エネルギーを消失する。課題を解決するにはファンモーターを搭載する、熱交換カバーを操作パネル面両側の上部オイルパイプ側面の下側を覆う位置までとする。アルミ板金製熱交換カバー上部に2箇のファンモーターを固定、更にアルミ製後部カバー及び反射板で熱交換気流経路を狭め暖房対象空気を減少させファンモーターでヒーター発生熱を熱交換し収束温度上昇を図る方式に大きな特徴がある。起案時ファンモーター直下のオイルパイプに発生気流を衝突させ熱交換カバーの前後面をオイルパイプ下面まで覆い後部は後部カバーで反射板まで閉塞、前面は下部オイルパイプまで熱交換するため気流をガイドする仕様とした、衝突後主気流は2分されパイプ上部接線方向、熱交換カバー下端方向へ飛散すると予想されたが、他に方法がなく実験した結果、予想に反する気流の収斂現象を発見、理論の根拠なく実証できた。ラジェター間に放熱器の配置の有無に関係なく再現する発見であり、狭小空間で暖房の高速化に大きく寄与する。ファン直下上部オイルパイプの下方、中央下部オイルパイプ間放熱循環路は直接気流を受けないので90℃の高温に達する。ファンモーター搭載の熱交換カバーを中心とする空間内のラジェター間に広伝熱面積の拡張にアルミ製S字形状の曲管を放熱器とする熱交換S型放熱器を考案、配置し熱交換効率を一層向上させる狭小空間を板金機器で構成する。S型放熱器は正弦波形状のSが連なる曲管の円周全ての受放熱が可能で高温の上、下部オイルパイプ間に配置するとこの間を接続する熱交換循環路はファンS型放熱器で熱交換し熱回収、上部オイルパイプから下部オイルパイプ間に斜めの曲管部4箇所及び直管部2か所の全ての熱交換が可能で暖房側、後部カバー側の熱エネルギーを高温気流として送出し暖房箇所の大きく急速な温度上昇に寄与する他の放熱器より優れる、固定方法は下部オイルパイプ両側に固定したキャスター台に反射板をUボルトで両側キャスター台間の下部オイルパイプ2箇所をその上部から挟み反射板のキリ穴を通し下部で固定する。
ファン気流はラジェターフィン間全てのS型放熱器とフィン間の狭小間隙を直降下による後部カバーの気流も反射板で整流され熱交換カバー暖房側下部前縁と前面パネル側最前列ラジェターフィンから最後列フィンまでの左右間及び反射板で囲む開口部が暖気送出口である。ファンモーター搭載の熱交換カバーは、先ずオイルパイプにS型放熱器を吊下し開放部を暖房方向に向けオイルパイプ最小径を超える位置に上方からキリ穴を通し下部はタップ加工してネジ止め固定、S管開放下端は伝熱ホルダーでラジェターフィン両側の適切位置にバネ圧で回り止めとする。熱交換カバーは上部オイルパイプ下部からUボルトで挟みカバーを通し上部をナットで固定する。
Sパイプは複雑な板金加工より低コスト、断面を除き曲面で暖気流の乱流も少なく騒音の発生も少ないオイルヒーターとしては、加工も組み立ても低コスト高機能であり付加放熱器は風の抑止を目的にファン低速時に熱交換機能を発揮し低騒音である、課題は強度を必要としないが薄型アルミパイプ曲げ加工が難しい点である。S管付加放熱器の配置は減速、乱流の整流による消音特性で風を感じさせない効果がありファン低速では無風に近づける、ドア、窓開放で失った室温低下の回復及び急速な室温上昇、速暖とする板金機器にファン2箇を熱交換カバーに搭載し狭小区域を構S型放熱器の吊下による熱交換、暖房前面部の直接熱輻射効果は予想を超えた結果である。
【発明の効果】
【0006】
S型放熱器による直接輻射効果の暖房側のS管面積が輻射面で送風に関係なく直接届く、暖房側に限らず熱交換効果は直管部、曲管部円周面全方向で顕著、理想的な熱交換を実現、更に熱交換カバー通過2分割後の主気流は下部オイルパイプに収斂する、ファンモーターの急速な熱交換促進により速暖を実現、外気温度10℃で、暖気17℃送出に7分を30分で25℃を可能に消費電力を50%以下とした。モーター発生騒音は板金製放熱器により遥かに少なく消音器として、風の減衰効果にも寄与する、S型傾斜部はラジェターフィン部上下パイプ間の放熱循環路の高温部熱回収がラジェターフィン前面の暖房側と後部非暖房側が伝熱により輻射熱及び送風による熱交換効果に寄与する、放熱器の組み立ては容易、低コストで、暖房側全てが熱輻射放射面で理想的であり気流の収斂は暖房効果を一層助長する。付加放熱器は特に就寝時無風に近い送風が不可欠で熱交換とは矛盾する特にラジェター間の高温部を前述する熱回収が重要であり低騒音対策と課題を解決したオイルヒーターS型装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の斜視図
図2】本発明の装置動作原理、主気流図(a)収斂現象、(b)収斂効果
図3】本発明の(a)分解斜視図、(b)ラジェターのS型装填図
図4】本発明装置のラジェター(a)、熱交換カバー位置仕様図(b)
図5】本発明のS型放熱器の図、 S型放熱器固定方法
図6】本発明の(a)反射板、(b)風向板図オプション
図7】本発明の後部カバー熱交換カバー、反射板の組み立て図
図8】本発明の性能試験方法の図
図9】本発明の試験結果を表す図 結果表
図10】本発明の試験結果を表すグラフ表示
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。
オイルヒーターの操作パネル側隣接ラジェター(1)と最後部ラジェター間に全てにS字形状上のアルミパイプ、S型放熱器(12)を上部オイルパイプ(2)にUボルト(16)で吊下、下端は伝熱ホルダー(14)で直接下部オイルパイプを挟む、不可能であれば、ホルダーで直角方向へ向きを変えラジェターフィン両側面をバネ側圧で任意箇所に固定する。
熱交換カバー(5)はファンモーター(6)2箇、始動停止温度調整器(8)、ファンモーター速度調整器(7)を取り付ける架台でもある、カバーは下からUボルトで上部オイルパイプを挟みカバー取り付け穴を通しその上部でナット止めする。
キャスター(4)両側台座間の下部に反射板(15)を渡し下部オイルパイプ(3)に上方からその下部を2箇所Uボルトで固定する、前面部断面は足部の安全上、不等辺Lアングル(17)で反射板断面をリベット(21)で固定する、反射板の後部カバー(21)に後部カバー(18)を反射板折り曲げ部と両キャスター台(4)に載せ上部と熱交換カバーの後部下側に連結板(22)で2箇所ネジ止めする。ファンケース(11)を熱交換カバーに固定のLアングル(20)にネジ(23)で取り付ける。風向板は普及品にはコストから採用しない。
本発明は以上のような構成でこれを使用するときは、始動、停止温度調整器で冷風送出の防止温度を設定し、以降変更以外は必要ない、ファンは機器保護のため自動的に始動、停止する他はファン速度調整だけでオイルヒーターと同じであり制約はない。
オイルヒーターに曲管S型放熱器を採用は初めての試行だが予想以上の熱交換機能を発揮、降下気流の収斂も抵抗は僅少低騒音に寄与する。
【符号の説明】
【0009】
1ラジェター
2上部オイルパイプ
3下部オイルパイプ
4キャスター
5熱交換カバー
6ファンモーター
7ファン速度調整器
8始動温度調整器
9ファン表示灯
10フィルター
11ファンケース
12S型放熱器
13パイプロックネジ
14伝熱ホルダー
15反射板
16Uボルト
17不等辺Lアングル
18後部カバー
19連結板
20Lアングル
21リベット
23ネジ
24ストッパー
25風向板
【要約】      (修正有)
【課題】熱交換効率を高め消費電力低減、最小電力で最大の室温上昇の暖房効果を得る方法を提供する。
【解決手段】操作パネル両側が暖房面であるが片側を閉塞し、暖房側に全熱エネルギーを収束、後部カバーを取り付け底面の開放部は熱交換反射板の設置による閉塞とする、伝熱面積の拡大による熱交換効率を向上させる方法としアルミ製S字状のパイプは円形断面で放射方向は曲管部でも放射状でオイルパイプを挟み配置すると曲面上部、側面全てに熱交換機能があり暖房側、後部側ともファン送風により全て、高速の熱交換気流の曲面接触で暖房方向、各ラジェター間に装填する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10