(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
A63F7/02 350B
A63F7/02 334
A63F7/02 350Z
(21)【出願番号】P 2018182679
(22)【出願日】2018-09-27
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000101204
【氏名又は名称】株式会社oneA
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤坂 恵史
(72)【発明者】
【氏名】川元 敬太
【審査官】永田 美佐
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-313725(JP,A)
【文献】特開2016-163664(JP,A)
【文献】特開2016-165371(JP,A)
【文献】特開2016-097064(JP,A)
【文献】特開2007-020661(JP,A)
【文献】特開平09-117558(JP,A)
【文献】特開2017-012495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の上方に設置される遊技情報表示装置であって、
それぞれが互いに独立した情報を表示することができるように構成された複数の表示領域を有する表示部と、
通常動作時において、前記複数の表示領域の表示状態を制御することで、前記表示部に遊技情報を表示させる表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、外部から前記遊技機への不正行為を示す不正通知信号を受信したときに、
通常動作時に表示されている前記複数の表示領域のうちの一部の表示領域である特定表示領域
について通常動作時の表示状態を維持しつつその表示色のみを変化させる一方で、前記特定表示領域以外の表示領域では通常動作時の表示を継続する
ことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技情報表示装置において、
前記特定表示領域は、前記遊技機を識別する識別情報を表示する識別情報表示領域である
ことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の遊技情報表示装置において、
前記表示制御部は、前記特定表示領域の表示色を、前記不正通知信号の示す不正の種別に応じて変化させる
ことを特徴とする遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の上方に設置される遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技場において、遊技者が遊技機に対して不正行為を行った場合に、遊技者に対して警告を行う不正行為の監視装置が設置されている。しかしながら、不正行為を音や光を使って警告すると、その警告と同時に不正行為を行った遊技者(以下、不正遊技者という)が店外に逃走し、補導できずに再犯が発生する恐れがある。
【0003】
特許文献1には、不正行為や悪戯等により異常が発生した場合に、発光手段の光軸が遊技機の前面に座った遊技者に向かない方向に向けられている斜め前方へ向かって発光可能な発光手段が所定態様で発光するように構成された遊技機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、隣に座る遊技者の煙草の煙を遮ることを目的とした分煙ボードを設置する遊技場が増えている。また、遊技者の体格は様々であり、比較的大柄な遊技者も多い。また、遊技島には、同じ機種が並んでいることも多いので、遊技台に発光手段が設けられていると、不正遊技者が座っている遊技台(以下、不正遊技台という)を遊技場のホールスタッフ(以下、単にホールスタッフという)が特定するのに時間がかかる恐れがあり、一般の遊技者に不快な思いをさせたり、不信感を与えたりする恐れがある。
【0006】
また、特許文献1の技術では、不正行為が検出されると専用の警告表示器が点灯するので、光軸が遊技者に向かなくても、点灯した際には、不正遊技者に気づかれやすいという問題がある。不正遊技者に気づかれないように遊技機表面に対する上記光軸の角度を小さくすることも考えられる。しかしながら、そうすると、今度はホールスタッフにとっても見にくくなるという問題がある。特に、分煙ボードが設置されているような場合には、ホールスタッフは、遊技台の正面側に回り込んでからランプの発光状態を確認する必要があり、ホールスタッフにとっても警告表示器が見にくくなるという問題がある。さらに、専用の警告表示器を設置すると部品点数も増加する。
【0007】
上記の点に鑑み、本発明は、不正遊技者には悟られにくく、かつ、従業者等(例えば、ホールスタッフ)には判別しやすい不正報知機能を有する遊技情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る、遊技機の上方に設置される遊技情報表示装置は、それぞれが互いに独立した情報を表示することができるように構成された複数の表示領域を有する表示部と、通常動作時において、前記複数の表示領域の表示状態を制御する ことで、前記表示部に遊技情報 を表示させる表示制御部とを備え、前記表示制御部は、外部から前記遊技機への不正行為を示す不正通知信号を受信したときに、前記複数の表示領域のうちの一部の表示領域である特定表示領域の表示色のみを変化させる一方で、前記特定表示領域以外の表示領域では通常動作時の表示を継続することを特徴とする。
【0009】
ここで、「遊技情報」とは、遊技に関する情報の総称であるものとし、具体的に、例えば、遊技機に関する遊技機情報、遊技機を識別可能にする識別情報、遊技場に関する遊技場情報が含まれる。遊技機情報には、例えば、(1)スタート回数等の通常遊技に関する通常遊技情報、(2)大当たり等の有利状態における遊技(以下、有利遊技という)に関する有利遊技情報、(3)遊技機に登場するキャラクターの静止画、動画を含むキャラクター情報等が含まれる。識別情報には、例えば、遊技機の台毎に振られた遊技台識別番号(以下、単に台番号という)等が含まれる。また、遊技島に横並びで配置された遊技機の機種が互いに異なる場合等には、上記キャラクター情報が、識別情報として機能し得る。遊技場情報には、例えば、遊技場の広告やイベントの告知情報、ニュース情報等、管理コンピュータ等から遊技場全体に流される情報が含まれる。
【0010】
また、「表示部」には、LED(Light Emitting Diode)等の光源を有する発光表示部や、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示画面等が含まれる。
【0011】
本態様の遊技情報表示装置では、外部から不正通知信号を受信したとき、すなわち、不正行為が発覚したときに、通常動作時の表示部の表示に対して、その一部である特定表示領域の表示色のみを変化させる一方で、それ以外の表示領域では通常動作時の表示を継続するようにしている。このように、特定表示領域の表示色のみを変化させるので、不正遊技者に気付かれにくいような表示をさせることができる。一方で、ホールスタッフに対しては、特定表示領域の場所と、特定表示領域の表示色がどのように変化するかを周知することで、不正が行われている遊技機(以下、不正遊技機という)の特定をしやすくすることができる。特に、本態様の遊技情報表示装置は、遊技機の上方に設置されるものなので、ホールスタッフが視認しやすく、遊技者の体格や分煙ボード等の障害物の影響を受けにくい。また、通常動作時に遊技情報を表示させる表示領域の一部を不正報知に使用するようにしているので、コストを抑えることができる。
【0012】
前記特定表示領域は、前記遊技機を識別する識別情報を表示する識別情報表示領域であってもよい。
【0013】
ここで、「識別情報」は、遊技機を識別可能な情報であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、前述のとおり、遊技機の台番号やキャラクター情報等が含まれる。
【0014】
このように、特定表示領域として識別情報表示領域の表示状態を変化させることで、表示状態の変化している場所で台番号が特定できるのでわかりやすい。例えば、ホールスタッフがイヤホン等を介して聞いた不正遊技台の情報と、実際の不正遊技台との整合を取りやすくなる。
【0015】
前記表示制御部は、前記特定表示領域の表示色を、前記不正通知信号の示す不正の種別に応じて変化させるようにしてもよい。
【0016】
これにより、ホールスタッフが不正の事実に加えて、不正の種別、すなわち、どのような不正が行われているかを判別することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、不正遊技者には悟られにくく、かつ、遊技場の従業者等には判別しやすい不正報知機能を有する遊技情報表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る遊技情報表示装置の使用状態を示すイメージ図
【
図4】特定表示領域の表示状態の変化について説明するための図
【
図5】遊技情報表示装置の動作例を説明するためのフローチャート
【
図6】他の遊技情報表示装置の使用状態を示すイメージ図
【
図7】
図6に示す遊技情報表示装置の側面図及び正面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
図1は実施形態に係る遊技情報表示装置の使用状態を示すイメージ図である。
【0021】
パチンコホール等の遊技場には、遊技場の管理を行うための管理コンピュータ1と、管理コンピュータ1と双方向通信可能に接続された中継ユニット2と、遊技場の通路Wに沿って遊技機ユニット4が横並びに配置された遊技島Gとが設けられている。各遊技島Gのコーナー部分の上端には、トップランプ8が設けられている。
【0022】
中継ユニット2は、例えば、単一のハブで構成されたり、複数のハブを階層的に接続された構成になっている。
【0023】
遊技機ユニット4は、遊技機7(例えば、パチンコ機、パチスロ機)と、遊技機情報を表示するための遊技情報表示装置6とを備えている。なお、遊技機7は、従来から知られている構成のものを適用することができるので、ここではその詳細説明を省略する。
【0024】
図2に示すように、遊技情報表示装置6は、表示部61と、制御部62と、記憶部63と、通信部64と、操作入力部65とを備えている。
【0025】
通信部64は、図示しない入出力ボックス及び中継ユニット2を介して、管理コンピュータ1との間で情報通信をする機能を有する。具体的に、通信部64は、管理コンピュータ1から表示部61に表示させる情報を受け取ったり、管理コンピュータ1から受けた指示または自機内での処理に基づいて、管理コンピュータ1に遊技情報や呼出情報を送信したりする。通信部64に受信された情報は、制御部62を介して記憶部63に格納される。
【0026】
図3に示すように、表示部61は、それぞれが互いに独立した情報を表示することができるように構成された複数の表示領域66a~66iを有している。表示部61が表示する情報は、特に限定されるものではないが、
図3にはその一例を示している。
図3において、表示部6は、遊技情報表示装置6の正面側(遊技者に見える側)に設けられており、複数の表示領域66a~66iを有する表示画面66を備えている。本実施形態では、表示部61が表示画面66で構成されている例を示している。なお、表示部61は、表示画面66に限定されるものではなく、表示画面66の周囲に設けられた電飾用光源(図示省略)を含んでいてもよい。そして、表示部61が電飾用光源を含む場合、その電飾用光源も複数の表示領域を構成し得る。
【0027】
表示画面66の左上部には、大当たり回数、スタート回数等の数値情報が表示される数値表示領域66aが設けられている。数値表示領域66aには、回数を示す数字領域66b,66dと、その数字領域66b,66dが何の数字を表示しているかを示す文字領域66c,66eが含まれる。数字領域66b,66dや文字領域66c,66eを分割し、数字領域66b,66dの各数値や、文字領域66c,66eの各文字を1つの表示領域としてとらえてもよい。
【0028】
表示画面66の左下部(後述する呼出ボタンの右側)には、台番号を表示するための識別情報表示領域66fが設けられている。具体的な図示は省略するが、識別情報表示領域66fにおいて、番号部分が透過性を有していて、背面に設けられた光源(例えばLED)の光が透過して、台番号が発光表示されるようになっている。
【0029】
表示画面66の右上部には、液晶画面で構成された液晶表示領域66gが設けられている。液晶画面は、その表示内容を自由に設定することができるので、液晶表示領域66gを様々な表示領域として使用することができるとともに、液晶表示領域66gの中で複数の表示領域に再分割することもできる。例えば、
図3では、液晶表示領域66gに2つの画像表示領域66h,66iを設けている例を示している。一方(
図3左側)の画像表示領域66hには、キャラクター画像を表示し、他方(
図3右側)の画像表示領域66iには、文字画像を表示している例を示している。なお、液晶表示領域66gに、前述の数値表示領域や識別情報表示領域を設けるようにしてもよい。
【0030】
操作入力部65は、正面視において、遊技情報表示装置6の左下端部に設けられ、遊技場のホールスタッフSTを呼び出すための呼出ボタン65aと、遊技情報表示装置6の右下端部に設けられ、表示部61の表示画面66の表示内容を切り替えるためのデータボタン65bとを備えている。
【0031】
図2に戻り、制御部62は、例えば、マイクロコンピュータで構成され、例えば、記憶部63に記憶されたプログラムに基づいて、遊技情報表示装置6全体の動作を制御する。制御部62は、表示部61の複数の表示領域66a~66iの表示状態を制御することで、表示部61に前述の「遊技情報」を表示させる表示制御部としての機能を包含している。
【0032】
-遊技情報表示装置の動作-
次に、
図1及び
図5を参照しつつ、遊技情報表示装置6の動作について説明する。なお、遊技情報表示装置6の動作の制御主体は、特に明記した場合を除いて制御部62であるが、ここでは、説明の便宜上、主体を遊技情報表示装置6として説明する。また、
図1において、一般遊技者には、P1の符号を付しており、不正遊技者にハッチングを付すと共に、P2の符号を付し、不正遊技機には71の符号を付している。
【0033】
まず、遊技機7及び遊技情報表示装置6は、通常動作を行っているものとする(ステップS11,S12)。
【0034】
遊技機7では、不正遊技者P2により不正が行われると、その不正を検出する(ステップS13)。不正遊技者P2による不正は、例えば、磁石による不正、振動による不正等があり、各不正に応じた不正を検出するためのセンサが、遊技機7及びその周辺に取り付けられている。なお、具体的な不正行為の検出方法は、従来から知られている方法を用いることができるので、ここではその詳細説明を省略する。
【0035】
遊技機7では、不正行為を検出すると、不正の内容を示す不正通知信号を遊技情報表示装置6に送信する(ステップS14)。一方で、不正遊技者P2側に対しては、通常動作を継続する。
【0036】
遊技情報表示装置6は、遊技機7から不正通知信号を受信すると、管理コンピュータ1に対してその情報を転送するとともに(ステップS22)、複数の表示領域66a~66iのうちの一部の表示領域である特定表示領域の表示状態を変化させる(ステップS23)。例えば、
図4に示すように、台番号を表示するための識別情報表示領域66fを特定表示領域とし、その表示状態を変化させる。
図4では、(a)が識別情報表示領域66fの通常動作時の表示状態を示しており、(b)が不正通知信号に基づいて識別情報表示領域66fの表示状態を変化させた例を示している。一方で、その識別情報表示領域66f以外の領域66a~66e,66g~66iは通常表示動作を継続する。
【0037】
ここで、「表示状態の変化」は、ホールスタッフSTが不正遊技機71と一般の遊技機7とを判別できればよく、特に限定されるものではないが、例えば、表示色の変更、表示明るさの変更、点滅/点灯等の表示態様の変更等が含まれる。具体的に、例えば、識別情報表示領域66fは、通常動作時に白色で表示され、磁石による不正の場合は赤色、振動による不正は黄色、電波による不正は緑色と表示させることが可能である。これにより、ホールスタッフSTは、識別情報表示領域66fの識別色を目視して不正内容を把握した上で、不正遊技者P2への対応が可能となる。
【0038】
なお、特定表示領域は、ホールスタッフが気づきやすいようにする一方で、不正遊技者P2には気付かれにくくする観点に基づくと、複数の表示領域66a~66i全体に対して、領域が広すぎない方が好ましく、表示状態の変化が目立ちすぎない方が好ましい。
【0039】
管理コンピュータ1では、遊技情報表示装置6から不正通知信号を受信すると、モニタ11に不正通知信号に基づいた不正通知情報が表示される。
図1では、不正通知情報として、管理コンピュータ1のモニタ11に、不正遊技機71の台番号及び不正の内容が表示されている例を示している。
【0040】
遊技場の管理スタッフ(図示省略)は、管理コンピュータ1のモニタ11で不正通知情報を確認すると、遊技場内にいるホールスタッフSTに対して、インカム等を介して不正遊技機71の名称や台番号、不正の種類等の不正通知情報を伝達する(ステップS32)。また、遊技情報表示装置6は、トップランプ8に対して、不正に応じた表示をさせるための表示制御信号を送信する。これにより、トップランプ8の表示状態が、通常表示から警告表示に変化する。これにより、ホールスタッフSTは、インカムと合わせて不正の特定が目視で早くできる。
【0041】
そして、
図1に示すように、ホールスタッフSTは、不正通知情報の受信や、上記のトップランプ8の表示の変化を把握すると(ステップS41)、不正現場(不正遊技機71)に向かい、不正遊技者P2の特定を行う(ステップS42)。具体的には、ホールスタッフSTは、大枠で台番号と遊技機7との位置は把握しているので、不正遊技機71が設置された遊技島Gに向かい、その遊技島Gに並んでいる遊技情報表示装置6の特定表示領域(ここでは台番号を表示する識別情報表示領域66f)の表示状態の変化の有無を確認しながら、不正遊技機71及び不正遊技者P2の特定を行う。
【0042】
ここで、不正遊技機71及びそれに対応する遊技情報表示装置6は、不正検出後も通常動作を継続しているので、不正遊技者P2が逃げ出す前にホールスタッフSTが不正遊技者P2の身柄を確保することができる可能性が高まる。
【0043】
そして、ホールスタッフSTが不正遊技者P2に対する対応を終えると、ホールスタッフSTや管理スタッフが、例えば、リモコン等を用いて、特定表示領域の表示の変化を解除し(ステップS43)、遊技情報表示装置6は、全体として通常表示状態に戻る(ステップS24)。
【0044】
以上のように、本実施形態によると、遊技情報表示装置6は、外部から不正通知信号を受信したとき、すなわち、不正行為が発覚したときに、通常動作時の表示部61の表示に対して、その一部である識別情報表示領域66f(特定表示領域に相当)の表示状態を変化させる一方で、それ以外の表示領域66a~66e,66g~66iでは通常動作時の表示を継続するようにしている。このように、複数の表示領域66a~66iのうちの一部の表示領域(例えば、識別情報表示領域66f)のみの表示状態を変化させるので、不正遊技者P2に気付かれにくい。一方で、ホールスタッフSTに対しては、特定表示領域の表示状態がどのように変化するか(例えば、色が変わること)を周知することで、不正遊技機71の特定をしやすくすることができる。特に、遊技情報表示装置6は、遊技機7の上方に設置されるので、ホールスタッフSTが視認しやすく、不正遊技者P2の体格や分煙ボード等の障害物の影響を受けにくい。また、通常動作時に遊技情報を表示させる表示領域66a~66iの一部を不正通知用の表示に使用するようにしているので、コストを抑えることができる。
【0045】
また、特定表示領域を識別情報表示領域66fとすることで、不正遊技機71の台番号が特定しやすい。例えば、ホールスタッフがイヤホン等を介して聞いた不正遊技台の情報と、実際の不正遊技台との整合を取りやすくなる。
【0046】
なお、上記実施形態では、遊技情報表示装置6は、外部から不正通知信号を受信したときに、特定表示領域として識別情報表示領域66fの表示状態を変化させるものとしたがこれに限定されない。例えば、識別情報表示領域66f以外の表示領域66a~66iの表示状態を変化させるようにしてもよい。また、特定表示領域は、複数の表示領域66a~66iのうちの1箇所に限定されるものではなく、複数の表示領域66a~66iの中に、複数の特定表示領域を設けるようにしてもよい。また、表示領域66a~66iの中の一部の領域を特定表示領域としてもよい。具体的に、例えば、
図3の画像表示領域66hにおいて、キャラクターのリボンを特定表示領域とし、その表示状態(例えば、色)を変化させるようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、遊技情報表示装置として、遊技島Gの壁面に沿うように取り付けられた遊技情報表示装置6を例示したが、本開示に係る遊技情報表示装置はこれに限定されない。例えば、
図6に示すように、遊技情報表示装置6の上側において、遊技者P1,P2側に向かって延びるように設けられた遊技情報表示装置9に本開示の技術を適用してもよい。
【0048】
具体的に、
図6において、遊技情報表示装置9は、遊技島Gの天井に固定される略矩形箱状のベース部90と、ベース部90から遊技者P1,P2側に向かって延びる表示部91とを備えている。
【0049】
図7は、表示部91の構成例を示している。
図7に示すように、表示部91は、それぞれが互いに独立した情報を表示することができるように構成された複数の表示領域92a~92d,93を有している。
図3の表示部61の場合と同様に、表示部91に表示する情報は、特に限定されるものではないが、
図7にはその一例を示している。
【0050】
図7において、表示部91の両側面(遊技者P1,P2の視線に対して直交する方向の両表面)には対称に構成された表示画面92が設けられている。そして、それらの表示画面92に、大当たり回数、スタート回数等の数値情報が表示される数字領域92b,92dと、その数字領域92b,92dが何の数字を表示しているかを示す文字領域92a,92cとが設けられている。また、表示部91は、遊技情報表示装置9の正面端部に設けられた発光部93を含んでいてもよい。発光部93は、遊技玉やメダルを入れるための玉入箱を模した半透明の模型が上下方向に縦積みされ、各模型の遊技島G側に設置された光源(図示省略)を発光させるとその模型を介して光が透過するように構成されている。
【0051】
図6,7の構成においても、不正行為が発覚したときに、通常動作時の表示部91の表示に対して、表示領域92a~92d,93の一部(例えば、文字領域92a)を識別情報表示領域とし、その識別情報表示領域の表示状態を変化させるようにするとよい。一方で、識別情報表示領域以外の表示領域(例えば、表示領域92b~92d,93)では通常動作時の表示を継続するようにするとよい。これにより、上記実施形態と同様の効果が得られる。また、
図6,7の構成では、遊技情報表示装置9の側面側、すなわち、遊技者の視線に対して直交する方向から見やすいように構成された表示領域92a~92dを識別情報表示領域にすることができるので、不正遊技者P2には判別しにくい一方で、ホールスタッフSTには確認しやすい不正情報表示を実現することができる。なお、
図7の遊技情報表示装置9においても、表示領域92a~92d,93の一部を分割し、その分割された表示領域を識別情報表示領域としてもよい。
【0052】
さらに、遊技情報表示装置として、遊技機7の一方の側面側に設けられた、遊技玉等の媒体を貸し出す媒体貸出装置(図示省略)や遊技情報表示装置(図示省略)に、本開示の技術を適用してもよく、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る遊技情報表示装置の不正情報表示は、不正遊技者には悟られにくく、かつ、遊技場の従業者等には判別しやすいので、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0054】
6 遊技情報表示装置
61 表示部
62 制御部(表示制御部)
66a~66i 表示領域
66f 識別情報表示領域
7 遊技機