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特許7270363対向する取付面の間に建築カバーリングを取り付けるための取付要素
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】対向する取付面の間に建築カバーリングを取り付けるための取付要素
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/42 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
E06B9/42 A
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018206830
(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公開番号】P2019085867
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】17199912.1
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501122115
【氏名又は名称】ハンター・ダグラス・インダストリーズ・ビー・ヴイ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンベルグ‐ブリンクマン キャサリナ
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02509521(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0263123(US,A1)
【文献】米国特許第03161395(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0242827(US,A1)
【文献】特開平06-146757(JP,A)
【文献】米国特許第03110506(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0245486(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0242143(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 - 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築カバーリング(202)を2つの対向する取付面(302、304)の間に取り付けるための取付要素(101)であって、前記取付要素(101)は、
- 縦方向(X)に沿って延ばされ、第1の端部(102.1)、第2の端部(102.2)、および少なくとも1つの案内面(103)を有する細長い取付部材(102)と、
- 前記第1の端部(102.1)に配置される伸張機構(104)であって、前記伸張機構(104)は、i)収縮状態と、ii)前記取付要素(101)が、前記対向する取付面(302、304)の間に取り付けられるとき、前記伸張機構(104)が、前記対向する取付面の片方(302)に当接する伸張状態との間で操作可能である、伸張機構(104)と、
- 前記第2の端部(102.2)に配置される入れ子式エクステンダ(1)であって、前記入れ子式エクステンダ(1)は、前記取付要素(101)が前記対向する取付面(302、304)の間に取り付けられるとき、前記対向する取付面の他方(304)に当接するように、収縮構成と伸張構成との間で操作可能である、入れ子式エクステンダ(1)と
を備え、
前記入れ子式エクステンダ(1)が、
- 前記取付要素(101)を長くするように、前記第1の端部(102.1)から離れて第1の並進方向(X2)に、前記縦方向(X)と平行な前記案内面(103)に沿って摺動するように構成された摺動可能な本体(2)と、
- 前記摺動可能な本体(2)に機械的に結合された係止部材(4)であって、前記係止部材(4)が、i)前記摺動可能な本体(2)が前記第1の並進方向(X2)に摺動することを可能にする、およびii)前記摺動可能な本体(2)が、前記第1の並進方向(X2)と逆の第2の並進方向(OX2)に摺動することを防ぐべく、前記案内面(103)に係合するように構成される、係止部材(4)と
を備える、取付要素(101)。
【請求項2】
前記取付要素(101)が、係止状態と解放状態との間で操作可能であるように、前記摺動可能な本体(2)に機械的に結合された解放機構(6)をさらに備え、前記解放機構(6)が、
i)前記解放機構(6)が、前記係止状態にあるとき、前記係止部材4)が、前記摺動可能な本体(2)が前記第2の並進方向(OX2)に摺動するのを防ぎ、
ii)前記解放機構(6)が、前記解放状態にあるとき、前記摺動可能な本体(2)が、前記第2の並進方向(OX2)に摺動することが可能である
ように、前記係止部材(4)と協働するように構成される、請求項1に記載の取付要素(101)。
【請求項3】
前記解放機構(6)が、手動力によって、作動されるように構成される、請求項2に記載の取付要素(101)。
【請求項4】
前記解放機構(6)が、前記摺動可能な本体(2)に対して可動的な押し部分(8)を備え、前記解放機構(6)が、前記係止状態と前記解放状態との間で操作されるとき、前記押し部分(8)が、前記係止部材(4)を変位させるように構成される、請求項2または3に記載の取付要素(101)。
【請求項5】
前記押し部分(8)が、前記摺動可能な本体(2)に対して少なくとも回転して動くことができ、前記押し部分(8)がカムを構成する、請求項4に記載の取付要素(101)。
【請求項6】
前記係止部材(4)が、前記係止部材(4)を前記案内面(103)に選択的に係合するための係合部分(12)を備え、前記係合部分(12)が、前記第1(X2)および前記第2(OX2)の並進方向と交差する少なくとも横方向(Y2)に伸張する、請求項15のいずれか一項に記載の取付要素(101)。
【請求項7】
前記係止部材(4)が、弾性部分(14)をさらに備え、前記弾性部分(14)が、前記係合部分(12)に結合されており、前記弾性部分(14)が、前記係合部分(12)の前記横方向(Y2)に伸張する振幅を変えるように、前記解放機構(6)によって弾力的に変形されるように構成され、前記係合部分(12)および前記弾性部分(14)が、相互に一体的にまたはワンピースに作られる、請求項6に記載の取付要素(101)。
【請求項8】
前記解放機構(6)が、前記解放機構(6)が前記解放状態にあるとき、前記係合部分(12)の前記横方向(Y2)に伸張する振幅を減少させるように、前記弾性部分(14)を変形させるように構成される、請求項7に記載の取付要素(101)。
【請求項9】
前記係止部材(4)が、弾性材料を含んでおり、前記係止部材(4)が、板ばね、重ね板ばね、またはばね座金を含む、請求項68のいずれか一項に記載の取付要素(101)。
【請求項10】
前記係合部分(12)が、前記第1の並進方向(X2)に対して斜めに、前記第2の端部(102.2)から離れる方向に伸張する、請求項19のいずれか一項に記載の取付要素(101)。
【請求項11】
前記係止部材(4)が、前記取付要素(101)の前記第1の端部(102.1)の方へ向けられた前記摺動可能な本体(2)の端部に位置付けられる、請求項110のいずれか一項に記載の取付要素(101)。
【請求項12】
前記案内面(103)が、前記細長い取付部材(102)の少なくとも1つの側壁(103.1)または2つの側壁(103.1)、および、前記側壁(103.1)をつなぐ底壁(103.2)を含む、請求項111のいずれか一項に記載の取付要素(101)。
【請求項13】
前記案内面(103)が、摩擦強化材料まは金属材料で作られているかまたは被覆されていて、前記係合部分(12)が、摩擦力(F14)を生成することができるように、相補的摩擦強化材料で作られるまたは被覆されている、請求項12に記載の取付要素(101)。
【請求項14】
前記入れ子式エクステンダ(1)が、前記対向する取付面(304)の他方に当接するように構成された当接デバイス(20)をさらに備え、前記取付要素(101)が、前記建築カバーリング(202)の端部を保持するように構成された保持部分(22)をさらに備え、前記保持部分(22)が、前記入れ子式エクステンダ(1)に、前記当接デバイス(20)に、または前記細長い取付部材(102)に固定される、請求項113のいずれか一項に記載の取付要素(101)。
【請求項15】
前記伸張機構(104)が、
- 回転軸(Y)を中心に回転可能なアクチュエータ(110)であって、前記回転軸(Y)が、前記縦方向(X)と実質的に垂直であるアクチュエータ(110)と、
- 前記収縮状態から前記伸張状態に、逆もまた同様に、前記アクチュエータ(110)の回転を、前記縦方向(X)に平行な前記回転軸(Y)の直進運動に変換するように構成された変換機構(112)と
をさらに備える、請求項114のいずれか一項に記載の取付要素(101)。
【請求項16】
建築凹所(300)を被覆するための建築カバーリング(202)を備える建築カバーリング組立体(200)であって、前記建築カバーリング組立体(200)が、請求項115のいずれか一項に記載の取付要素(101)を含む、建築カバーリング組立体(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば圧力嵌め(摩擦嵌合い)および/または形状嵌合い(例えば凹所が、嵌合する雌型または雄型起伏を有する場合)によって、ブラインドなどの建築カバーリングを2つの対向する取付面の間に取り付けるための取付要素に関する。さらに、本開示は、このような取付要素を備える建築カバーリングに関する。
【背景技術】
【0002】
建築カバーリング(ロールブラインド)を建築凹所(窓)に取り付けるための取付要素は、米国特許出願第2009/242143A1号において論述されており、同特許出願全体を参考文献として本明細書に援用する。米国特許出願第2009/242143A1号の取付要素は、細長い部材、細長い部材の片方の端部にある手動で収縮可能または伸張可能な伸張機構、および細長い部材の中央にある入れ子式エクステンダを備える。
【0003】
米国特許出願第2009/242143A1号の取付要素の全長を調整するため、ユーザは、係止ピンを引いて、入れ子式エクステンダを摺動させ、次いで、係止ピンを一連のスロットの中のスロットに挿入しなければならない。しかしながら、調整プロセスは、実行するのがかなり難しく、長くかかる。さらに、米国特許出願第2009/242143A1号の一連のスロットでは、取付要素の全長を個別に調整することだけが可能である。結果的に、ユーザは、全長をおおよそ調整することにとどまり、これにより、取付要素が、建築凹所に適切に嵌まらなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示のこの要約は、請求される主題の主な特徴または本質的な特徴を特定するように意図されてなく、また、請求される主題の範囲を確定することを助けるものとしても意図されていない。
【0005】
本明細書に開示されるのは、上記の欠点を緩和する、または少なくとも軽減する、改良された取付要素である。このような欠点は、建築カバーリングを2つの対向する取付面の間に取り付けるための取付要素を用いることで緩和される、または軽減されることができる。取付要素は、
- 縦方向に沿って延ばされ、第1の端部、第2の端部、および少なくとも1つの案内面を有する細長い取付部材と、
- 第1の端部に配置される伸張機構であって、伸張機構が、i)収縮状態と、ii)取付要素が、対向する取付面の間に取り付けられるとき、伸張機構が、対向する取付面の片方に当接する伸張状態との間で操作可能である、伸張機構と、
- 第2の端部に配置される入れ子式エクステンダであって、入れ子式エクステンダは、取付要素が対向する取付面の間に取り付けられるとき、対向する取付面の他方に当接するように、収縮構成と伸張構成との間で操作可能である、入れ子式エクステンダと
を備え、
入れ子式エクステンダが、
- 取付要素を長くするように、第1の端部から離れて第1の並進方向に、縦方向と平行な案内面に沿って摺動するように構成された摺動可能な本体と、
- 摺動可能な本体に機械的に結合された係止部材であって、係止部材は、i)摺動可能な本体が第1の並進方向に摺動することを可能にする、およびii)摺動可能な本体が、第1の並進方向と逆の第2の並進方向に摺動することを防ぐべく、案内面に係合するように構成される、係止部材と
を備える。
【0006】
このような取付要素によって、ユーザは、取付要素の全長を建築凹所の寸法に容易にかつ微細に調整することができるようになる。ユーザは、有利には、片手だけで、摺動可能な本体を外側へ引き出すことができ、ユーザは、係止部材によって許容されるように、摺動可能な本体の連続的な変位に沿って、どのような調整位置でも容易に選択することができる。ユーザは、係止部材によって、第2の並進方向に戻らないように防止される摺動可能な本体を停止させることができる。選択された調整位置は、意図せずに不安定になることはあり得ない。このような容易な調整の後、ユーザは、取付要素を建築凹所に設置することができ、ユーザは、片手だけで、伸張機構を収縮状態から伸張状態に動かすことができる。
【0007】
背景技術デバイスに関して、第1の目的によって、取付要素の全長をすばやく調整して、永続的に維持することが、より容易になることが判明しており、伸張機構および入れ子式エクステンダは、両端部において、組み合わされたやり方で機能する。どのようなツールも、別の人からのどのような助けも必要なく、必要なのは両方の手だけであり、他方で、背景技術デバイスは、建築カバーリングを凹所に取り付けるために、人が2人、および/またはツールが必要となる。
【0008】
そのうえ、伸張機構および入れ子式エクステンダによって組み合わされたやり方で及ぼされる力は、重いブラインドの場合であっても、取付要素を建築凹所の中に長期にわたって永続的に保持するのに十分に強い。
【0009】
別の目的は、建築凹所を被覆するための建築カバーリングを備える、建築カバーリング組立体を提供することであり、建築カバーリング組立体は、第1の目的による取付要素を含む。
【0010】
この要約は、理解を助けるために提供されており、当業者であれば、開示のさまざまな態様および特徴のそれぞれが、好都合にも、ある例では別々に使用されてもよく、またある例では、開示の他の態様および特徴と組み合わせて使用されてもよいことを理解されよう。したがって。開示は、実施形態の観点から提示されているが、いかなる実施形態の個々の態様も、別々に、またはその実施形態、またはいずれか他の実施形態の態様および特徴と組み合わせて、請求され得ることを理解されたい。それゆえ、本開示で述べられる実施形態および態様の全ては、組み合わせて、または独立して、特許権保護を請求する主題を形成することができる。
【0011】
本要約は、下記の詳細な説明においてさらに説明される、簡略化した概念の選択を紹介するために提供される。本要約は、請求される主題の主な特徴、または本質的な特徴を特定することを目的としてなく、請求される主題の範囲を確定することを助けるものとしても意図されていない。
【0012】
本開示は、本出願においてさまざまなレベルの細部を説明し、本要約の中に要素、構成要素等を含んでいること、または含んでいないことによって、請求される主題の範囲に関して制限することは、意図されていない。ある種の例では、開示を理解するのに必要ではない細部、または察知することが難しい他の細部を提供する細部は、省略されている場合もある。請求される主題は、本明細書に例示される特定の実施形態または配置に必ずしも限定されないことを理解されたい。
【0013】
本開示の別の特徴、態様、および利点は、例示的図面に関連付けて読まれるときに、実施形態についての下記詳細説明からさらに明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】伸張機構が、収縮状態に設置されている、第1の実施形態による取付要素の第1の例についての概略的な斜視図である。
図2】建築カバーリングを保持する図1の取付要素を含み、伸張機構が伸張状態に設置されている建築カバーリング組立体の概略的な斜視図である。
図3図1の取付要素(収縮状態、建築カバーリングなし)の概略的な断面図である。
図4図2の取付要素(伸張状態、建築カバーリングなし)の概略的な断面図である。
図5図1の取付要素内に少なくとも部分的に受容される入れ子式エクステンダの概略的な分解図である。
図6図5の入れ子式エクステンダの概略的な組立図である。
図7】入れ子式エクステンダを含む図1の取付要素の一部の概略的な分解図である。
図8】係止状態にある係止部材を有する入れ子式エクステンダを含む、図1の取付要素の一部の概略的な断面図である。
図9】係止部材が解放状態にある図8に類似した図である。
図10】入れ子式エクステンダが、第1の縦位置にある、図1の取付要素の一部の概略的な側面図である。
図11】入れ子式エクステンダが、第2の縦位置にある、図1の取付要素の一部の概略的な側面図である。
図12】第2の実施形態による取付要素に帰属する入れ子式エクステンダの図5に類似した図である。
図13図12の入れ子式エクステンダの概略的な組立図である。
図14】第3の実施形態による取付要素の一部の概略的な平面図である。
図15】係止部材が、係止状態にある、図14の入れ子式エクステンダの概略的な斜視図である。
図16】係止部材が、解放状態にある、図15に類似した図である。
図17】係止部材が、係止状態にある、図14の取付要素の一部の概略的な断面図である。
図18】係止部材が解放状態にある、図17に類似した図である。
図19】係止部材が解放状態にある、第4の実施態様による取付要素の一部の概略的な断面図である。
図20】係止部材が、係止状態にある、図17の入れ子式エクステンダの概略的な斜視図である。
図21】第5の実施形態による取付要素の概略的な斜視図である。
図22】係止部材が、係止状態にある、図21の取付デバイスの一部の概略的な断面図である。
図23】係止部材が、解放状態にある、図20に類似した図である。
図24】係止部材が、係止状態にある、第2の独立態様による取付デバイスの概略的な断面図である。
図25】係止部材が、解放状態にある、図24に類似した図である。
図26図24の入れ子式エクステンダの概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面は、説明目的で提供されているにすぎず、本明細書に添付される図面に反映された寸法、位置、順序、および相対的な大きさは、さまざまなものであってもよい。詳細説明は、添付の図面に関連付けることでよりよく理解されよう。次に、本主題の実施形態を詳細に参照してゆくが、実施形態の1つまたは複数の例が、図面の中に例示されている。各例は、本主題を制限するためではなく、本主題を説明するために提供されている。実際に、本主題の範囲または趣旨を逸脱しない範囲で、さまざまな修正および変更を本開示に加えることが可能であることは、当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の部分として図示または記載された特徴は、別の実施形態と共に使用されて、さらに別の実施形態をもたらすことができる。したがって、本主題は、添付の請求の範囲およびその等価物の範囲に含まれるこのような修正および変更を網羅するように意図されている。
【0016】
本開示の前述のおよび他の特徴および利点は、下記詳細説明から容易に明らかとなり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に提示される。本明細書に開示される入れ子式エクステンダによって、ユーザが、取付要素の全長を無段階的に微細に調整することが可能になり、一方で、伸張機構によって、ユーザが、取付要素を対向する取付面の間に圧縮して嵌めることが可能になる。
【0017】
実施形態によれば、取付要素は、係止状態と解放状態との間で操作可能であるように、摺動可能な本体に機械的に結合された解放機構をさらに備えていてもよく、解放機構は、
i)解放機構が、係止状態にあるとき、係止部材が、摺動可能な本体が第2の並進方向に摺動するのを防ぎ、
ii)解放機構が、解放状態にあるとき、摺動可能な本体が、第2の並進方向に摺動することが可能である
ように、係止部材と協働するように構成される。
【0018】
したがって、ユーザは、i)入れ子式エクステンダを第2の並進方向に押すために、解放機構を解放状態に操作し、ii)入れ子式エクステンダが、後方に動くことを防ぐために、解放機構を係止状態に操作することができる。入れ子式エクステンダを第1の並進方向に動かす(「引張る」)と、取付要素の全長は増大し、したがって、取付要素は、伸張する、または長くなる。入れ子式エクステンダを第2の並進方向に動かす(「押す」)と、取付要素の全長は減少し、したがって、取付要素は、短縮する、または収縮する。
【0019】
実施形態によれば、解放機構は、手動力によって、例えば直接手で作動されるように構成される。
【0020】
したがって、ユーザは、直接手で、したがってどのようなツールも用いずに、解放機構を扱うことができる。
【0021】
実施形態によれば、解放機構は、摺動可能な本体に対して可動的な押し部分を備えていてもよく、解放機構が、係止状態と解放状態との間で操作されるとき、押し部分は、係止部材を変位させるように構成される。
【0022】
実施形態によれば、押し部分は、摺動可能な本体に対して少なくとも回転して動くことができてもよく、押し部分は、任意にカムを構成する。
【0023】
例えば、押し部分は、摺動可能な本体に対して、任意に、360度未満または180度未満であり得る所定の角度範囲に沿って、枢動可能または回転可能に動くことができてもよい。押し部分は、有利には、カムまたは偏心輪によって形成されてもよく、カムまたは偏心輪は、押し部分の回転の軸から可変的な距離だけ離れて位置付けられる押し面を有することができ、距離は、押し部分の回転の軸を中心とした回転角に応じて変化する。この例の代わりとして、押し部分は、摺動可能な本体に対して第1または第2の並進方向に摺動可能であってもよい。
【0024】
したがって、解放機構は、押し部分を動かすのに十分であるので、とても操作し易い。
【0025】
先の実施形態の代わりとして、解放機構は、摺動可能な本体に対して可動的な引張り部分を備えていてもよく、解放機構が、係止状態と解放状態との間で操作されるとき、引張り部分は、係止部材を引っ張って、変位させるように構成される。
【0026】
実施形態によれば、係止部材は、係止部材を細長い取付部材の案内面に選択的に係合するための係合部分を備えていてもよく、係合部分は、第1および第2の並進方向と交差する少なくとも横方向に伸張する。
【0027】
実施形態によれば、係止部材は、弾性部分をさらに備えていてもよく、弾性部分は、係合部分に結合されており、弾性部分は、係合部分の横方向に伸張する振幅を変えるように、すなわち、係合部分が横方向に伸張する程度を変えるように、解放機構によって弾力的に変形されるように構成される。任意に、係合部分および弾性部分は、相互に一体的に、例えばワンピースに作られる。
【0028】
したがって、係合部分は、細長い取付部材の案内面に係合することによって、入れ子式エクステンダの縦位置を永続的に維持することができる。取付要素が、例えば建築凹所で使用されているとき、摺動可能な本体は、結果的に生じる力を実質的に第2の並進方向で係止部材に伝送することができる。この結果的に生じる力は、係合部分と案内面との間の係合を強化する傾向があることがあり、この係合は、ひいては、係止部材、したがって摺動可能な本体が、第2の並進方向に摺動することをさらに防ぐ。換言すれば、結果的に生じる力は、係止部材と細長い取付部材との間の連動関係を増強する。
【0029】
態様によれば、案内面は、細長い取付部材の側壁を含んでいてもよい。あるいは、案内面は、細長い取付部材内部に、第1の並進方向と平行に延在する縦壁を含んでいてもよい。任意に、このような縦壁は、細長い取付部材、例えば底壁または最上壁の構造的構成要素と一体的またはワンピースであってもよい。
【0030】
本出願の全体にわたって、「底」、「最上」、および関連語は、取付要素が、建築凹所で使用されている場合に考慮される重力方向に関係している。取付要素が、建築凹所で使用されているとき、下方向に伸張する取付要素の要素は、通常は、ブラインドに向かって伸張している。
【0031】
実施形態によれば、解放機構は、解放機構が、解放状態にあるとき、係合部分の横方向に伸張する振幅を減少させるように、弾性部分を変形させるように構成されてもよい。
【0032】
実施形態によれば、係止部材は、弾性材料、例えばポリマ、エラストマ、または薄板金属、有利にはばね鋼を含んでいてもよく、係止部材は、有利には、板ばね、重ね板ばね、またはばね座金を含む。
【0033】
したがって、係止部材は、安価かつ軽量であり得る。
【0034】
実施形態によれば、係合部分は、第1の並進方向に対して斜めに、細長い取付部材の第2の端部から離れる方向に伸張していてもよい。係合部分および案内面は、第2の端部に向けて鋭角開口を形成する。したがって、係合部分を斜めに伸張することは、横方向だけでなくさらに第2の並進方向にも伸張することができる。
【0035】
したがって、係止部材を備えた摺動可能な本体が、第2の並進方向に、したがって第1の端部に向かって動かされるとき、高摩擦力が、係合部分と案内面との間で強化され得る。
【0036】
実施形態によれば、係止部材は、取付要素の第1の端部の方へ向けられた摺動可能な本体の端部に位置付けられてもよい。
【0037】
したがって、係止部材は、入れ子式エクステンダを組み立てるために容易に配置され得る。
【0038】
実施形態によれば、案内面は、細長い取付部材の少なくとも1つの側壁または2つの側壁、そして任意に、側壁をつなぐ底壁を含んでいてもよい。
【0039】
したがって、案内面は、長方形断面、例えば正方形断面を有するプロファイルによって形成され得る。あるいは、このようなプロファイルの断面は、何らかの多角形、曲線、または複合的輪郭を有していてもよい。
【0040】
実施形態によれば、案内面は、摩擦強化材料、例えばポリマ材料、または鋼などの金属材料で作られても、または被覆されていてもよく、係合部分は、係合部分が摩擦力を生成することができるように、相補的摩擦強化材料、例えば鋼、アルミニウム、または適切なポリマで作られる、または被覆されている。
【0041】
したがって、このような材料は、係合部分と案内面との間の高摩擦力を強化することができる。例えば、係合部分は、案内面の中に掘って入っても、または「噛んでも」よい。
【0042】
態様によれば、摺動可能な本体は、案内面の一部に重なるように配置された少なくとも1つの外側伸張部を有していてもよい。本出願の全体にわたって、「外へ」または「外側に」伸張する「外側」要素または要素は、通常、建築凹所の対向する取付面の最も近い方に伸張している。
【0043】
したがって、外側伸張部は、第2の端部をおおい隠して、防護することができる。
【0044】
実施形態によれば、入れ子式エクステンダは、対向する取付面の他方に当接するように構成された当接デバイスをさらに備えていてもよく、取付要素は、建築カバーリングの端部を保持するように構成された取付ブラケットなどの、保持部分をさらに備えていてもよい。代わりに、保持部分は、細長い取付部材に固定されるのではなく、入れ子式エクステンダ自体に、または任意に当接デバイスに固定されてもよい。
【0045】
態様によれば、当接デバイスは、入れ子式エクステンダが、解放機構を備えている場合には、操作者が、摺動可能な本体を第1の並進方向および/または第2の並進方向に動かすことができるべく操作されるように構成された操作部分を有していてもよい。操作部分は、保持部分、例えばブラケットによって形成されてもよい。操作部分は、入れ子式エクステンダに固定されてもよい。例えば、操作部分は、摺動可能な本体に結合されてもよく、または摺動可能な本体と一体化していてもよい。
【0046】
したがって、当接デバイスは、取付要素を対向する取付面に当てて適所に保つのに役立つことができる。
【0047】
態様によれば、保持部分、例えばブラケットは、入れ子式エクステンダ、例えば摺動可能な本体に結合されていても、または任意にそれと一体化していてもよい。このような態様では、保持部分は、入れ子式エクステンダと一緒に動く。このような態様では、保持部分は、壁に非常に近いところで終端しており、これにより、壁とブラインドとの間の間隙光が最小限に抑えられる。
【0048】
実施形態によれば、伸張機構は、
- 回転軸を中心に回転可能なアクチュエータであって、回転軸は、縦方向と実質的に垂直であるアクチュエータと、
- 収縮状態から伸張状態に、逆もまた同様に、アクチュエータの回転を、縦方向に平行な回転軸の直進運動に変換するように構成された変換機構と
をさらに備えていてもよい。
【0049】
態様によれば、案内面は、少なくとも第2の端部の近くに伸張してもよい。
【0050】
態様によれば、解放機構は、少なくとも2つの押し部分を備えていてもよい。押し部分は、摺動可能な本体に対して独立していても、またはそれと同時に可動的であってもよい。
【0051】
態様によれば、解放機構が解放状態にあるとき、係合部分は、摺動可能な本体から突出するようにカンチレバーで支持されていてもよい。
【0052】
態様によれば、係合部分は、
【0053】
i)a)摺動可能な本体が、第1の並進方向に摺動するとき、係合部分が、案内面に沿って摺動することができ、b)摺動可能な本体が、第2の並進方向に摺動することを防ぐように、案内面に当たって摩擦力を生成することができる接触構成に、および
【0054】
ii)摺動可能な本体が、第2の並進方向に摺動することができるように、係合部分が、案内面に接触していない解放構成に、選択的に設置され得る。
【0055】
態様によれば、解放機構が係止状態にあるとき、係合部分は、接触構成に設置されることができ、他方で、解放機構が、解放状態にあるとき、係合部分は、解放構成に設置されることができる。
【0056】
態様によれば、摺動可能な本体は、弾性部分が、接触構成を越えて第1の並進方向に動くことを防ぐように配置された停止部分を有する。
【0057】
態様によれば、係合部分および弾性部分は、一体的に、有利にはワンピースに作られる。
【0058】
態様によれば、係止部材は、薄板金属、例えばばね鋼を含んでいてもよい。
【0059】
態様によれば、少なくとも1つの係合部分が、接触構成にあるとき、係合部分は、摺動可能な本体から横に突出するようにカンチレバーで支持されている。
【0060】
態様によれば、係止部材は、1つだけの係合部分、および1つだけの弾性部分を含んでいてもよい。
【0061】
この態様の代わりに、係止部材が、2つの異なる場所で、例えば2つの反対の場所で案内面に接触することができるように、係止部材は、少なくとも2つの係合部分、および係合部分にそれぞれ固定された2つの弾性部分を含む。
【0062】
態様によれば、弾性部分は、i)弾性部分が、停止部分に当たった状態にある停止位置と、ii)弾性部分が、停止部分から離れている遠い位置との間で少なくとも部分的に可動的であり得る。
【0063】
本出願の全体にわたって「平行な」という用語は、実質的に「平行な」と、実質的に「同一直線上の」との両方を含むものである。実質的に「平行な」方向、または別の方向と実質的に「同一直線上の」方向は、175から185度の範囲の角度を形成し得る。
【0064】
態様によれば、細長い取付部材は、ヘッドレールであってもよい。建築カバーリングは、ブラインド、例えばロールブラインド、ベネチアンブラインド、プリーツブラインド、ハニカムブラインド、ローマンシェード等であってもよい。細長い取付部材は、このような建築カバーリングを保持するのに適切などのような種類のブラケットを備えていてもよい。対向する取付面は、窓フレームの2つの垂直面であってもよい。細長い取付部材は、建築カバーリングを窓に隣接した状態に保つ。
【0065】
態様によれば、解放機構は、底壁より上から接近可能であり得る。
【0066】
態様によれば、案内面は、底壁の反対側の最上壁をさらに含んでいてもよい。最上壁は、操作者が、解放機構に接近することを可能にするように構成された点検用開口を有していてもよい。あるいは、細長い取付部材に対する解放機構の配置に応じて、底壁または側面壁は、操作者が、解放機構に接近することを可能にするように構成された点検用開口を有していてもよい。細長い取付部材の壁に位置付けられる開口は、アパーチャまたはスロットであってもよい。
【0067】
態様によれば、変換機構は、細長い取付部材およびアクチュエータに、作動可能な状態で結合された連結部材をさらに備えていてもよい。
【0068】
態様によれば、アクチュエータおよび連結部材は、実質的に細長い形状を有していてもよい。伸張機構が、伸張状態に設置されるとき、アクチュエータおよび連結部材は、実質的に平行であり得る。
【0069】
態様によれば、連結部材は、縦方向に対して直角であるヒンジ軸を中心に回転するように、細長い取付部材にヒンジ結合され得る。
【0070】
態様によれば、当接デバイスは、エラストマ材料、例えばゴムで少なくとも部分的に構成されていてもよい。
【0071】
本出願の全体にわたって「縦の」という形容詞は、それに沿って細長い取付部材が延ばされる縦方向に沿って、実質的に平行に伸張する要素、例えば案内スロットを含むものである。
【0072】
態様によれば、伸張機構が収縮状態にあるとき、アクチュエータは、細長い取付部材から突出することができる。
【0073】
態様によれば、取付要素は、伸張機構が、伸張状態にあるとき、対向する取付面の一方に当接するように配置された摩擦部材をさらに備えていてもよい。摩擦部材が、対向する取付面に当接するとき、摩擦部材は、直進運動の一部を上向きの摩擦力に変換することができる。
【0074】
態様によれば、細長い取付部材は、伸張状態にある伸張機構を実質的に収容できるように構成されたハウジングを形成してもよい。
【0075】
態様によれば、伸張機構および入れ子式エクステンダが、それらが、第1の並進方向と平行に摺動する間、断面方向に(すなわち縦方向に対して垂直な平面において)、細長い取付部材から分離され得ないように、細長い取付部材の一部は、伸張機構の一部および入れ子式エクステンダの一部を実質的に取り囲んでいることができる。
【0076】
本出願の全体にわたって、「入れ子式の」という用語は、摺動可能な部分の組立体が伸張され得る、または短縮され得るように、関節式望遠鏡の管のように、あるものを別のものの中で摺動させる摺動可能な部分を含むものである。
【0077】
いくつかの実施形態を、類似の参照符号が、類似の部分または特徴を指している例示的図面を参照しながらこの後説明する。
【0078】
図1から図11は、建築カバーリング202を建築凹所300に取り付けるための取付要素101を描写している。建築カバーリング202は、取付要素101によって支持されるロールブラインドによって形成されてもよい。図2に図示するように、建築凹所300は、2つの対向する取付面302および304を有する窓フレームによって形成されてもよい。
【0079】
取付要素101および建築カバーリング202は、図2に描写するように、建築カバーリング組立体200を形成する。取付要素101は、細長い取付部材102、伸張機構104、および収縮構成(図1および図4)と伸張構成(図2および図3)との間で操作可能である入れ子式エクステンダ1を備えていてもよい。細長い取付部材102は、縦方向Xに沿って延ばされることができ、図1に図示するように、第1の端部102.1、第2の端部102.2を有していてもよい。細長い取付部材102は、図3図4、および図7から図11に図示するように、少なくとも1つの案内面103を有していてもよい。細長い取付部材102は、ヘッドレールとして形成されてもよい。細長い取付部材102は、窓に隣接する建築カバーリング202を保持する。
【0080】
案内面103は、2つの側壁103.1と、側壁103.1をつなぐ底壁103.2とによって形成され得る。細長い取付部材102は、底壁103.2の反対側に位置付けられ、さらに側壁103.1をつなぐ最上壁をさらに有していてもよい。細長い取付部材102は、案内面103の少なくとも一部に形成される空地を通るなどして、入れ子式エクステンダ1に接近することを可能にするように構成され得る。例えば、案内面103は、図2に図示するように、操作者が、解放機構6に接近することを可能にするように構成された点検用開口105を有していてもよい。異なる設計変型例によれば、点検用開口105は、最上壁、底壁103.2、または側壁103.1の中に配置され得る。図示していない変型例では、入れ子式エクステンダが、90度回転され、解放機構が、開口を通って側壁から接近可能である場合には、最上壁は、さらに、案内面であってもよい。
【0081】
一方で、伸張機構104は、第1の端部102.1に配置され得る。伸張機構104は、i)ユーザが、取付要素101を建築凹所300の中に置くことができる収縮状態(図1および図3)と、ii)取付要素101が、対向する取付面302、304の間に取り付けられるとき、伸張機構104が、対向する取付面の1つ302に当接する伸張状態(図2および図4)との間で操作可能であり得る。
【0082】
他方で、入れ子式エクステンダ1は、取付要素101が対向する取付面302、304の間に取り付けられるとき、対向する取付面302、304のうちの他方の304に当接するように、第2の端部102.2に配置され得る。
【0083】
図1から図4に図示するように、伸張機構104は、アクチュエータ110、変換機構112、およびアクチュエータ110を細長い取付部材102に連結するための連結部材120を備えていてもよい。伸張機構104は、欧州特許出願EP17159407.0に記載される伸張機構のように形成されることができ、同出願の内容を参考文献として本明細書に援用する。
【0084】
アクチュエータ110は、縦方向Xに対して実質的に垂直であり得る回転軸Yを中心に回転可能であり得る。変換機構112は、収縮状態(図1および図3)から伸張状態(図2および図4)に、アクチュエータ110の回転または枢動を、縦方向Xと平行な回転軸Yの直進運動に変換するように構成され得る。逆もまた同様に、変換機構112は、伸張状態(図2および図4)から収縮状態(図1および図3)に、アクチュエータ110の回転または枢動を、縦方向Xと平行な回転軸Yの直進運動に変換するように構成され得る。
【0085】
アクチュエータ110および連結部材120は、実質的に細長い形状を有していてもよく、伸張機構104が伸張状態(図2および図4)に設置されるとき、互いに対して実質的に平行であり得る。伸張機構104が、収縮状態(図1および図3)にあるとき、アクチュエータ110は、細長い取付部材102から突出してもよい。
【0086】
アクチュエータ110は、クランクとして形成されてもよく、連結部材120は、枢軸121に機械的に結合される連結棒として形成されてもよい。連結部材120は、細長い取付部材102およびアクチュエータ110に作動可能な状態で結合され得る。連結部材120は、縦方向Xに直角であり、回転軸Yに対して平行であるヒンジ軸を中心に回転するように、細長い取付部材102にヒンジ結合され得る。
【0087】
取付要素101は、伸張機構104が、伸張状態(図2および図4)にあるとき、対向する取付面302、304の1つに当接するように配置された摩擦部材をさらに備えていてもよい。摩擦部材が、対向する取付面302に当接するとき、摩擦部材は、直進運動の一部を上向きの摩擦力に変換することができる。
【0088】
図7に図示するように、入れ子式エクステンダ1は、摺動可能な本体2および係止部材4を備えていてもよい。摺動可能な本体2は、i)案内面103に沿って、ii)縦方向Xに対して平行に、iii)第1の並進方向X2に摺動するように構成され得る。したがって、摺動可能な本体2が、iv)細長い取付部材102の第1の端部102.1から離れて摺動するとき、摺動可能な本体2によって、ユーザが取付要素101を伸ばすことができるようになる。摺動可能な本体2は、本明細書では、相互に対向した状態にある摺動面2.1を有していてもよい。
【0089】
係止部材4は、摺動可能な本体2に機械的に結合されてもよい。例えば、係止部材4の一部は、ねじ5によって摺動可能な本体2に締結され得る。係止部材4は、細長い取付部材102の第1の端部102.1の方へ向けられている摺動可能な本体2の端部に位置付けられてもよい。
【0090】
係止部材4は、摺動可能な本体2が第1の並進方向X2に摺動することができるように構成されてもよい。さらに、係止部材4は、摺動可能な本体2が、第1の並進方向X2と反対の第2の並進方向OX2に摺動することを防ぐように、案内面103と係合するように構成されてもよい。摺動可能な本体2が、第1の並進方向X2に押し進められるとき、摺動可能な本体2が、摺動する、本明細書では平行移動するように、係止部材4は、案内面103に沿って摺動することができる。摺動可能な本体2が、第2の並進方向OX2に押し進められるとき、摺動可能な本体2は、係止部材4および案内面103の係合に因る摩擦力によって、第2の並進方向OX2に摺動することが防止されるように、係止部材4は、案内面103と係合することができる。
【0091】
取付要素101は、係止状態(図8図10、および図11)と解放状態(図9)との間で操作可能であるように、摺動可能な本体2に機械的に結合される解放機構6を備えていてもよい。解放機構6は、
iii)解放機構6が、係止状態(図8図10、および図11)にあるとき、係止部材4が、摺動可能な本体2が、第2の並進方向OX2に摺動するのを防ぐように、および
iv)解放機構6が、解放状態(図9)にあるとき、摺動可能な本体2が、第2の並進方向OX2に摺動することができる
ように、係止部材4と協働するように構成されてもよい。
【0092】
図5に図示するように、係止部材4は、板ばねまたは重ね板ばねを含んでいてもよい。係止部材4は、ポリマ、エラストマ、または例えばばね鋼の薄板金属を含んでいてもよい。係止部材4は、係止部材4を案内面103に選択的に係合するための係合部分12を備えていてもよい。係止部材4は、係合部分12が弾力的に動くことができるようにするために、係合部分12に連結される弾性部分14をさらに備えていてもよい。係合部分12および弾性部分14は、相互が一体的に、具体的にはワンピースに作られているように本明細書では例示されている。あるいは、係合部分12および弾性部分14は、機械的に連係された分離要素であってもよい。
【0093】
図7および図8に図示するように、係合部分12および案内面103は、細長い取付部材102の第2の端部102.2に向けて鋭角開口を形成することができる。
【0094】
図8に例示するように、係止部材4は、本明細書では、2つの係合部分12および2つの弾性部分14を含む。係合部分12は、細長い取付部材102の1つまたは複数のそれぞれの側壁103.1と係合することができる。弾性部分14は、係合部分12をそれぞれ支持することができる。したがって、係止部材4は、2つの異なる、対向した場所で、案内面103に接触することができる。
【0095】
入れ子式エクステンダ1が使用されるとき、板ばねの係合部分12は、摺動可能な本体2が、第1の並進方向X2に摺動することを可能にする。対照的に、入れ子式エクステンダ1が使用されるとき、板ばねの係合部分12は、それが高摩擦力を引き起こす、案内面103と係合し、高摩擦力は、摺動可能な本体2が、第2の並進方向OX2に摺動するのを防ぐ。
【0096】
係合部分12は、少なくとも、第1のX2並進方向および第2のOX2並進方向と交差する横方向Y2に伸張することができる。係止部材4は、係合部分12の横方向Y2に伸張する振幅を変えるように、解放機構6によって弾力的に変形されるように構成され得る。具体的には、各弾性部分14および各係合部分12の少なくとも1つは、解放機構6によって弾力的に変形され得る。
【0097】
解放機構6は、手動力によって、例えば手で、または手工具を用いて作動されるように構成されてもよい。解放機構は、底壁、側壁、または最上壁を通ってから接近可能であり得る。
【0098】
解放機構6は、摺動可能な本体2に対して、例えば本明細書では回転して動くことができる押し部分8を備えていてもよい。解放機構6が、係止状態(図8図10、および図11)と解放状態(図9)との間で操作されるとき、押し部分8は、係止部材4を変位させるように構成されることができる。
【0099】
そのうえ、解放機構6が、図8図10、および図11の係止状態と比較して、図9の解放状態にあるとき、係合部分12の横方向Y2に沿って伸張する振幅を減少させるべく、解放機構6は、弾性部分14を変形させるように構成されることができる。
【0100】
図8では、解放機構6は、係止状態で描写されており、重ね板ばねとして描写される係止部材4が、係合部分12が案内面103の側壁103.1と係合するような振幅で、横方向Y2に伸張する係合部分12を有する。この係合は、摺動可能な部材2の第2の並進方向OX2の動きに抵抗する効果を有する。
【0101】
図9では、解放機構6は、解放状態で描写されており、係止部材4は、係合部分12が、側壁103.1と係合せず、接触もしないように、図8の係止状態においてよりも小さい程度または振幅で、横方向Y2に伸張する係合部分12を有する。解放状態では、摺動可能な本体2は、第2の並進方向OX2に、すなわち、細長い取付部材102の第1の端部102.1に向かって摺動され得る。
【0102】
解放機構6は、摺動可能な本体2に対して独立して可動的な2つの押し部分8を備えていてもよい。解放機構6が、解放状態(図9)にあるとき、係合部分12は、摺動可能な本体2から突出するように、カンチレバーで支持されていてもよい。
【0103】
係合部分12は、選択的に以下のように設置され得る。
【0104】
i)係合部分12が、a)摺動可能な本体2が、第1の並進方向X2に摺動するとき、案内面103に沿って摺動することができる、およびb)摺動可能な本体2が、第2の並進方向OX2に摺動するのを防ぐように、案内面103に当たって摩擦力F14(図8)を生成することができる、接触構成(図8図10、および図11、係止状態の解放機構6)、および
【0105】
ii)摺動可能な本体2が、第2の並進方向OX2に摺動することができるように、係合部分12が、案内面103に接触しない、解放構成(図9、解放状態の解放機構6)。
【0106】
案内面103は、細長い取付部材102の第2の端部102.2の近くでだけでなく、さらに細長い取付部材102に沿って伸張することができる。案内面103は、ポリマ材料、または鋼などの金属材料のような摩擦強化材料で作られても、または被覆されていてもよい。同様に、係止部材4の係合部分12は、係合部分12が摩擦力F14(図8)を生成することができるように、鋼またはポリマのような相補的摩擦強化材料で作られても、または被覆されていてもよい。
【0107】
細長い取付部材102は、伸張状態の伸張機構104を実質的に収容できるように構成されたハウジングを形成してもよい。したがって、伸張機構104および入れ子式エクステンダ1が、それらが、第1の並進方向X2と平行に摺動可能である間、断面方向に(すなわち、縦方向Xに垂直に)、細長い取付部材102から分離され得ないように、細長い取付部材102の一部は、伸張機構104の一部および入れ子式エクステンダ1の一部を実質的に取り囲んでいることができる。
【0108】
図8および図9で図示されるように、摺動可能な本体2は、案内面103の一部に重なるように配置された少なくとも1つの外側伸張部18を有していてもよい。取付要素が組み立て状態(図8および図9)にあるとき、入れ子式エクステンダ1は、細長い取付部材102の第2の端部102.2から突出し、外側伸張部18は、細長い取付部材102の外側、横部分を被覆している。
【0109】
摺動可能な本体2は、弾性部分14が、接触構成(係止状態の解放機構6)を越えて第1の並進方向X2に動くことを防ぐように配置された停止部分16を有してもよい。弾性部分14は、i)弾性部分14が、停止部分16に当たった状態にある停止位置と、ii)弾性部分14が、停止部分16から離れている遠い位置との間で可動的であり得る。
【0110】
弾性部分14は、停止位置より遠い位置の方が、変形が少ない可能性がある。例えば、遠方の位置にあるとき、弾性部分14は休止状態にあってもよい。この例の代わりとして、弾性部分14は、それが遠方の位置にあるとき、すでに変形されていても、または負荷がかかっていてもよく、停止位置に到達するために、さらに変形される、したがってさらに負荷がかかっている必要がある。
【0111】
入れ子式エクステンダ1は、対向する取付面304に当接するように構成された当接デバイス20をさらに備えていてもよい。当接デバイス20は、何らかの適切な材料、例えばエラストマ材料または金属材料でできていてもよい。当接デバイス20は、実質的に長方形の板で形成されてもよい。
【0112】
図2に例示するように、取付要素101は、建築カバーリング202の端部を保持するように構成された保持部分22をさらに備えていてもよい。保持部分22は、例えば接着剤、ねじ、鋲、または溶接を用いて、細長い取付部材102の底面に固定され得る。保持部分22は、建築カバーリング202の取付構造206を支持するための穴を有するブラケットであってもよい。図1から図4に図示されるように、取付構造206の両端部が支持されるように、類似の保持部分は、第1の端部102.1に固定され得る。
【0113】
図12および図13は、図1から11に図示されたものと実質的に類似している、示されていない取付要素の中で少なくとも部分的に受容される入れ子式エクステンダ1の第2の実施形態を図示する。図12および図13の入れ子式エクステンダ1が、図1から図11の入れ子式エクステンダ1と類似しているので、前の詳細説明は、以下に述べる顕著な違いを除いて、図12および図13の入れ子式エクステンダ1に当てはまり得る。図1から図11の入れ子式エクステンダ1の要素と実質的に類似の構造または機能を有する図12および図13の入れ子式エクステンダ1の要素には、同じ参照符号または番号が付与されている。異なる実施形態を図示する2つ以上の図が、構造的および/または機能的に類似しているような要素を有しているけれども、それ以外の異なる実施形態の中に同参照符号または番号が存在することは、特定の要素に対する開示、また請求された主題の保護範囲を制限するものとして理解されてはならない。
【0114】
図1から図11の入れ子式エクステンダ1のように、図12および図13の入れ子式エクステンダ1は、2つの係合部分12および2つの弾性部分14を有する係止部材4を備えた摺動可能な本体2、解放機構6、および当接デバイス20を備えていてもよい。さらに、図12および図13の取付要素は、建築カバーリング202の端部を保持するように構成された保持部分22を備えていてもよい。係止部材4は、入れ子式エクステンダ1が、第1の並進方向X2に摺動することを可能にし得るが、係止部材4は、入れ子式エクステンダ1が、第2の並進方向OX2に摺動することを防ぐこともできる。解放機構6は、係合部分12の、横方向Y2の横伸張を減少させることができ、それゆえに、解放機構6が、解放状態にあるとき、係合部分12が、横方向Y2に伸張する程度を減少させることができる。
【0115】
図12および図13の入れ子式エクステンダ1は、主に、保持部分22が、入れ子式エクステンダ1に固定され得るという点において、図1から図11の入れ子式エクステンダ1とは異なっている。例えば、保持部分22は、任意に接着剤、ねじ、鋲、または溶接を用いて、当接デバイス20に固定され得る。
【0116】
図12および図13の入れ子式エクステンダ1は、さらに、当接デバイス20が、操作部分を有し得るという点において、図1から図11の入れ子式エクステンダ1とは異なっており、操作部分は、本明細書では、保持部分22で形成されることができ、入れ子式エクステンダ1が解放機構6を備えているので、操作者が、摺動可能な本体2を第1の並進方向X2および第2の並進方向OX2に動かすことができるべく、操作されるように構成されている。保持部分22は、入れ子式エクステンダ1に結合されていてもよく、または任意に一体であってもよい。
【0117】
したがって、保持部分22は、入れ子式エクステンダ1と一緒に動いてもよい。保持部分22は、対向する取付面304に非常に近いところで終端しており、これにより、対向する取付面304(窓フレーム)と建築カバーリング202との間の間隙光は最小限に抑えられる。
【0118】
図14から図18は、取付要素101の第3の実施形態を図示する。図14から図18の取付要素101が、図1から図11の取付要素101と類似しているので、前の詳細説明は、以下に述べる顕著な違いを除いて、図14から図18の取付要素101に当てはまり得る。図1から図11の取付要素101の要素と実質的に類似の構造または機能を有する図14から図18の取付要素101の要素には、同じ参照符号または番号が付与されている。異なる実施形態を図示する2つ以上の図が、構造的および/または機能的に類似しているこのような要素を有しているけれども、それ以外の異なる実施形態の中に同参照符号または番号が存在することは、特定の要素に対する開示、また請求された主題の保護範囲を制限するものとして理解されてはならない。
【0119】
図1から図11の取付要素101のように、図14から図18の取付要素101は、図1から図11で描写されるものに類似している、細長い取付部材102、図示していない伸張機構、および入れ子式エクステンダ1を備えていてもよい。入れ子式エクステンダ1は、例えば、摺動面2.1を備えた摺動可能な本体2、2つの係合部分12および2つの弾性部分14を有する係止部材4、および2つの押し部分8を有する解放機構6を備えていてもよい。係止部材4は、入れ子式エクステンダ1が、第1の並進方向X2に摺動することを可能にし得るが、係止部材4は、入れ子式エクステンダ1が、第2の並進方向OX2に摺動することを防ぐために、摩擦力F14を生成することができる。解放機構6は、解放機構6が、解放状態にあるとき、係合部分12の横方向Y2に伸張する振幅を減少させることができる。
【0120】
図14から図18の取付要素101は、主に、押し部分8が、摺動可能な本体2に対して独立してではなく、同時に可動的であり得るという点において、図1から図11の取付要素101とは異なる。例えば2つの押し部分8は、それらが同時に回転または枢動するように、相互に一体的、例えばワンピースであってもよい。したがって、ユーザは、両方の押し部分8を同時に、容易にかつ迅速に回転させることができる。
【0121】
図14から図18の取付要素101は、摺動可能な本体2が、細長い取付部材の案内面の一部に重なるように配置される外側伸張部を有していないという点において、図1から図11の取付要素101とは、さらに異なる。
【0122】
図19および図20は、取付要素101の第4の実施態様を図示する。図19および図20の取付要素101が、図1から図11の取付要素101と類似しているので、前の詳細説明は、以下に述べる顕著な違いを除いて、図19および図20の取付要素101に当てはまり得る。図1から図11の取付要素101の要素に実質的に類似した構造または機能を有する図19および図20の取付要素101の要素には、同じ参照符号または番号が付与されている。異なる実施形態を図示する2つ以上の図が、構造的および/または機能的に類似しているこのような要素を有しているけれども、それ以外の異なる実施形態の中に同参照符号または番号が存在することは、特定の要素に対する開示、また請求された主題の保護範囲を制限するものとして理解されてはならない。
【0123】
図1から図11の取付要素101のように、図19および図20の取付要素101は、図1から図11で描写されるものに類似している、細長い取付部材102、図示していない伸張機構、および入れ子式エクステンダ1を備えていてもよい。入れ子式エクステンダ1は、例えば、摺動可能な本体2、2つの係合部分12および2つの弾性部分14を有する係止部材4、および解放機構6を備えていてもよい。
【0124】
図19および図20の取付要素101は、主に、係止部材4が、2つではなく1つの係合部分12、および2つではなく1つの弾性部分14を有するという点において、図1から図11の取付要素101とは異なる。ただ1つの係合部分12は、細長い取付部材102の案内面に係合するように構成されてもよい。ただ1つの弾性部分14は、係合部分12が、弾力的に動くことを可能にするように、係合部分12に連結される。
【0125】
さらに、図19および図20の取付要素101は、解放機構6が、解放機構6がユーザによって解放状態に操作可能に動かされるとき、係合部分12の横方向に伸張する振幅を減少させるように構成される1つの押し部分8だけを有するという点において、図1から図11の取付要素101とは異なる。
【0126】
そのうえ、図19および図20の取付要素101は、係止部材4を形成している板ばねが、摺動可能な本体2の中に延在する切欠きの中に挿入され、係止部材4を摺動可能な本体2に固定するように、摺動可能な本体2の一部の周りに折り畳まれる、固定部分4.2を有していてもよいという点において、図1から図11の取付要素101とは異なる。したがって、図19および図20の取付要素1は、製造して組み立てるのが比較的に容易であり得る。
【0127】
図21から図23は、取付要素101の第5の実施形態を図示する。図21から図23の取付要素101が、図1から図11の取付要素101に類似しているので、前の詳細説明は、以下に述べる顕著な違いを除いて、図21から図23の取付要素101に当てはまり得る。図1から図11の取付要素101の要素と実質的に類似の構造または機能を有する図21から図23の取付要素101の要素には、同じ参照符号または番号が付与されている。異なる実施形態を図示する2つ以上の図が、構造的および/または機能的に類似しているこのような要素を有しているけれども、それ以外の異なる実施形態の中に同参照符号または番号が存在することは、特定の要素に対する開示、また請求された主題の保護範囲を制限するものとして理解されてはならない。
【0128】
図1から図11の取付要素101のように、図21から図23の取付要素101は、図1から図11で描写されるものに類似している、細長い取付部材102、図示していない伸張機構、および入れ子式エクステンダ1を備えていてもよい。入れ子式エクステンダ1は、例えば、摺動可能な本体2、2つの係合部分12および2つの弾性部分14を有する係止部材4、解放機構6、および停止部分16を備えていてもよい。
【0129】
図21から図23の取付要素101は、主に、解放機構6が、どのような回転可能な押し部分も有していないという点において、図1から図11の取付要素101とは異なる。さらに、図21から図23の取付要素1は、係止部材4の中心部分が、i)係止状態とii)解放状態との間で摺動可能な本体2に対して変位されることができ、他方で、図1から図11の係止部材4の中心部分は、摺動可能な本体2に対して固定されるという点において、図1から図11の取付要素101とは異なる。したがって、図21から図23の取付要素1は、相対的に少ない数の構成要素で構成され得る。係止部材4の弾性部分14は、それが、摺動可能な本体2の受容面2.4に当接する際に、弾力的に変形される。
【0130】
図24から図26は、第2の独立態様による、取付デバイス101を図示する。図24から図26の取付デバイス101が、図1から図11の取付デバイス101と類似しているので、前の詳細説明は、以下に述べる顕著な違いを除いて、図24から図26取付デバイス101に当てはまり得る。図1から図11の取付要素101の要素と実質的に類似の構造または機能を有する図24から図26の取付デバイス101の要素には、同じ参照符号または番号が付与されている。異なる実施形態を図示する2つ以上の図が、構造的および/または機能的に類似しているこのような要素を有しているけれども、それ以外の異なる実施形態の中に同参照符号または番号が存在することは、特定の要素に対する開示、また請求された主題の保護範囲を制限するものとして理解されてはならない。
【0131】
図1から図11の取付要素101のように、図24から図26の取付デバイス101は、図1から図11で描写されるものに類似している、細長い取付部材102および入れ子式エクステンダ1を備えていてもよい。入れ子式エクステンダ1は、例えば摺動可能な本体2、2つの係合部分12および2つの弾性部分14を有する係止部材4、および解放機構6を備えていてもよい。係止部材4は、入れ子式エクステンダ1が、第1の並進方向X2に摺動することを可能にし得るが、係止部材4は、入れ子式エクステンダ1が、第2の並進方向OX2に摺動することを防ぐために、摩擦力F14(図24参照)を生成することができる。解放機構6は、解放機構6が、解放状態にあるとき、係合部分12の横方向Y2に伸張する振幅を減少させることができる。
【0132】
図24から図26の取付デバイス101は、主に、取付デバイス101が、外側の細長い取付部材102.Oを内側の細長い取付部材102.Iに機械的に連結する、例えばつなぎ合わすように構成されている点において、図1から図11の取付要素101とは異なる。
【0133】
図24から図26の取付デバイス101は、主に、取付デバイス101が、伸張機構を有していないという点において、図1から図11の取付要素101とは異なる。図24から図26の入れ子式エクステンダ1は、入れ子式エクステンダ1が、取付デバイス101の外に突出しないように、全体的に外側の細長い取付部材102.Oの内部に配置され、部分的に内側の細長い取付部材102.Iの内部に配置される。入れ子式エクステンダ1は、外側の細長い取付部材102.Oと内側の細長い取付部材102.Iとの間に配置される。入れ子式エクステンダ1は、外側の細長い取付部材102.Oによって実質的に取り囲まれている。したがって、外側の細長い取付部材102.Oおよび内側の細長い取付部材102.Iは、取付デバイス101によって機械的に連結される、例えばつなぎ合わされる。
【0134】
取付要素101を、使用状態にすると、ユーザは、取付要素101の全長を建築凹所300の寸法に容易に、そして精巧に調整することが可能になり得る。ユーザは、有利には、片手だけで、摺動可能な本体2を外側へ引き出し、係止部材4によって許容されるように、摺動可能な本体2の連続的な変位に沿って、どのような調整位置でも容易に選択することができる。ユーザは、次いで係止部材4によって後方に戻ることが防止される摺動可能な本体2を、停止させることができる。
【0135】
選択された調整位置は、無意識のうちに不安定になることはあり得ない。このような容易な調整の後、ユーザは、取付要素101を建築凹所300に設置することができ、ユーザは、片手だけで、伸張機構104を収縮状態(図1および図3)から伸張状態(図2および図4)に動かすことができる。
【0136】
背景技術デバイスに関して、取付要素101の全長をすばやく調整して、永続的に維持することが、より容易になることが判明しており、伸張機構104および入れ子式要素1は、取付要素101の両端部において組み合わされたやり方で機能する。どのようなツールも、別の人からのどのような助けも必要とせずに、必要なのは両方の手だけであり、他方で、背景技術デバイスは、建築カバーリング200を建築凹所300に取り付けるために、人が2人、および/またはツールが必要となる。
【0137】
そのうえ、伸張機構104および入れ子式エクステンダ1によって組み合わされたやり方で及ぼされた力は、重いブラインドの場合であっても、取付要素101を建築凹所300の中に長期にわたって永続的に保持するのに十分に強い。
【0138】
第2の態様は、第1の目的とは独立して特許権保護を請求する主題を形成することができる。
【0139】
いくつかの例示的実施形態および態様を、例示的図面に関連して上述してきたが、本開示は、上で説明され、例示的図面に図示された例示的実施形態および態様に限定されるものではなく、参照番号は、非制限的な例として提供されているにすぎない。当業者であれば、本開示の範囲の中で多くの変更および代替案を行なうことができ、その範囲は、添付の図面に限定されないものとする。それぞれの例示的実施形態および態様の特徴は、結果的に得られる主題が、添付する特許請求の範囲によって包括される限り、同義的に実施される、および/または技術的に可能な方法で組み合わされることができる。
【0140】
前述した説明において、「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」、および「および/または」という語句は、本明細書で使用される場合には、連言的および離接的の両方に働くオープンエンド表現であることを理解されたい。用語「a(定冠詞)」または「an(定冠詞)」の構成要素は、本明細書で使用される場合には、1つまたは複数の構成要素を指している。したがって、「a(定冠詞)」(または「an(定冠詞)」)、「1つまたは複数の」、および「少なくとも1つ」の用語は、本明細書では、同義的に使用され得る。全ての方向的な言及(例えば、近位の、遠位の、上側の、下側の、上向きの、下向きの、左の、右の、横の、縦の、前の、後の、最上の、底の、上方、下方、垂直の、水平の、半径方向の、軸方向の、時計回りの、反時計回りの、および/または同様のもの)は、読者が本開示を理解するのを助けるための識別目的で使用されているにすぎず、および/または関連要素の領域を相互に区別する働きをし、特に位置、方位に関する関連要素、または本開示の使用を制限しない。連結に関する言及(例えば、取り付けられた、結合された、連結された、および接合された)は、広義に解釈されるべきものであり、特に明記されない限り一まとまりの要素の間の中間部材、および要素の間の相対的な動きを含む場合もある。したがって、連結に関する言及は、必ずしも、2つの要素が、直接的に連結されていて、相互に対して固定的な関係にあることを暗示しているわけではない。識別に関する言及(例えば、一次的な、二次的な、第1の、第2の、第3の、第4のなど)は、重要性または優先権を暗示することを目的としてなく、ある特徴を別のものと区別するために用いられている。
【0141】
本考察は、例示的実施形態についての記述にすぎず、本開示のより広範な態様を制限するようには意図されていないことは、当業者によって理解されるべきである。
【0142】
本文書において検討された全ての装置および方法は、本開示の1つまたは複数の原理よって実施された装置または方法の例である。これらの例は、これらの原理を実施する唯一の方法ではなく、単なる例である。したがって、図面の中の要素または構造または特徴への言及は、開示の実施形態の例への言及として理解されなければならず、開示を、図示した特定の要素、構造、または特徴に限定するものとして理解されてはならない。当業者が本開示を読めば、開示された原理を実施するやり方の他の例を想起されよう。
【0143】
いくつかの構成要素は、別々の要素として図示されているが、その代わりに、いずれか2つまたは全ての3つの構成要素が、一体的な要素に統合されていてもよいことを理解されよう。
【0144】
図中に例示された各実施形態は、いくつかの別個かつ独立の特徴を有し、それぞれが、少なくとも単独で、本開示の取付要素またはデバイスにとっては好ましく、さらに重大である一意的な便益を有する。したがって、本明細書に記載された所望の特性および/または便益の少なくともいくつかを実現するために、本明細書に記載されたさまざまな別々の特徴の全てが、存在する必要はない。1つまたは複数の別々の特徴は、組み合わされてもよく、またはさまざまな特徴の1つだけが、本開示のさまざまな原理よって形成される取付要素またはデバイスの中に存在する必要がある。そのうえ、本開示の全体にわたって、参照番号は、開示された実施形態の一般的な要素または特徴を表示するのに使用されている。同じ参照番号が、形態、形状、構造などが同一ではないけれども、類似の機能または便益を提供する、要素または特徴を表示するのに使用される場合もある。付加的な参照文字(番号ではなく、文字などの)が、類似の要素または特徴を相互に区別するために使用される場合もある。
【0145】
前述の記述は、幅広く適用される。本明細書に開示される概念は、本明細書に記載され、描写されたシェードに加えて、多くの種類のシェードに適用され得ることを理解されたい。同様に、本明細書に開示される概念は、本明細書に記載され、描写された取付要素またはデバイス101に加えて、多くの種類の取付要素またはデバイスに適用され得ることを理解されたい。どのような実施形態についての考察も、単なる説明であるように意図されており、特許請求の範囲を含む本開示の範囲が、これらの実施形態に限定されることを示唆するようには意図されていない。換言すれば、開示の例証的な実施形態が、本明細書では詳細に記載されてきたが、発明の概念は、それ以外の場合、さまざまに具現化され、使用されることができ、添付の特許請求の範囲は、従来技術によって制限される場合を除いて、このような変型例を含むものと解釈されるように意図されていることが理解されるべきである。
【0146】
前述の記述および図面は、さまざまな実施形態を表しているが、さまざまな追加、修正、および置換が、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、その中に加えられ得ることを理解されよう。具体的には、本開示の原理は、その趣旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、割合で、他の要素、材料、および構成要素を備えて具現化され得ることが、当業者には明らかであろう。当業者であれば、開示は、開示の実行時に使用される、構造、配置、割合、材料、および構成要素、およびその他に多くの修正を加えて使用されることができ、修正は、本開示の原理を逸脱しない範囲で、特定の環境および動作要件に特に適合されることを理解されよう。例えば、一体的に形成されるように示された要素は、多数の部分で構築されてもよく、または多数の部分として示される要素は、一体的に形成されてもよく、要素の操作は、逆転されても、または他の方法で変更されてもよく、要素のサイズまたは寸法は、変更されてもよい。したがって、本開示の実施形態は、あらゆる点で、例示的であり制限的ではないとみなされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって表示されており、前述の説明に限定されない。
【0147】
特許請求の範囲において、「備える/備えること」という用語は、他の要素または段階の存在を排除するものではない。そのうえ、複数の手段、要素、または方法段階は、個別に列挙されているけれども、例えば単一のユニットまたはプロセッサによって実施され得る。さらに、個々の特徴は、異なる請求項の中に含まれている場合もあるが、これらは、場合によっては有利には組み合わせることもでき、異なる請求項の中に含まれていることは、特徴を組み合わせることが、実行可能ではない、および/または有利ではないということを意味していない。さらに、単数の言及は、複数を排除していない。「a(定冠詞)」、「an(定冠詞)」、「第1の」、「第2」などの用語は、複数を排除するものではない。請求項の中の参照符号は、理解し易い例として提供されているにすぎず、特許請求の範囲を制限するように、決して解釈されるべきではない。
【0148】
本開示の原理よって形成された取付要素またはデバイスは、本明細書において、特有の実施形態を参照しながら詳細に示され、説明されているが、開示された実施形態は、本開示の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、特定の環境および動作要件に特に適合される、開示の実行時に使用される形態、構造、配置、割合、材料、および構成要素およびその他に多くの追加、置換、または修正を加えて使用され得ることを理解されたい。したがって、本開示の実施形態は、あらゆる点で、例示的であり制限的ではないとみなされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって表示されており、前述の説明に限定されるものではない。
【0149】
前述の記述および図面は、本主題の実施形態の例を表しているが、さまざまな追加、修正、および置換が、本主題またはその原理の趣旨および範囲から逸脱することなく、その中に加えられ得ることを理解されよう。例えば、本主題は、その趣旨または主要な特徴から逸脱することなく、特定の環境および動作要件に特に適合され得るように、他の特定の形態、構造、配置、割合で、他の要素、材料、構成要素、およびその他と共に、具現化され得ることが、当業者には明白であろう。本開示は、実施形態に関して提示されているが、本主題またはそのような個々の特徴の所望の特性および/または便益の少なくとも一部を実現するために、本主題のさまざまな別々の特徴の全てが、存在する必要はないことを理解されたい。開示のさまざまな特徴は、開示を合理化するために、1つまたは複数の態様、実施形態、または構成に一緒に分類されていることを理解されよう。しかしながら、開示のある種の態様、実施形態、または構成のさまざまな特徴は、代替の態様、実施形態、または構成の中に組み込まれてもよく、ある実施形態に関して記載される特徴は、明示的に指示されたか否かに関わらず、通常、別の実施形態に適用され得る。したがって、どのような実施形態の個々の特徴でも、使用されることができ、別々に、またはその実施形態またはいずれかの他の実施形態の特徴と組み合わせて請求されることができる。さらに、一体的に形成されるように示された要素が、多数の部分で構築されてもよく、または多数の部分として示された要素が、一体的に形成されてもよく、要素の動作が、逆転されても、または他の方法で変更されてもよく、要素のサイズまたは寸法が、変更されてもよい。したがって、本開示は、本明細書で具体的に記載される実施形態だけに限定されるものではない。したがって、本開示の実施形態は、あらゆる点で、例示的であり制限的ではないとみなされるべきであり、請求される主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって表示されており、前述の説明に限定されるものではない。
【0150】
これによって、下記特許請求の範囲は、各請求項が本開示の別々の実施形態としてそれ自体に基づきながら、引用によって詳細な説明に組み込まれている。特許請求の範囲において、「備える/備えること」という用語は、他の要素または段階の存在を排除するものではない。そのうえ、複数の手段、要素、または方法段階は、個別に列挙されているけれども、例えば単一のユニットまたはプロセッサによって実施され得る。さらに、個々の特徴は、異なる請求項の中に含まれている場合もあるが、これらは、場合によっては有利には組み合わせることもでき、異なる請求項の中に含まれていることは、特徴を組み合わせることが、実行可能ではない、および/または有利ではないということを意味していない。さらに、単数の言及は、複数を排除していない。「a(定冠詞)」、「an(定冠詞)」、「第1の」、「第2」などの用語は、複数を排除するものではない。請求項の中の参照符号は、理解し易い例として提供されているにすぎず、特許請求の範囲を制限するように、決して解釈されるべきではない。

図1
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