(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 1/00 20060101AFI20230428BHJP
F24C 7/06 20060101ALI20230428BHJP
F24C 7/04 20210101ALI20230428BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
F24C1/00 320B
F24C7/06 A
F24C7/04 301Z
A47J37/06 361
(21)【出願番号】P 2018232478
(22)【出願日】2018-12-12
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭彦
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-087752(JP,A)
【文献】特開2015-105801(JP,A)
【文献】特開2007-232270(JP,A)
【文献】特開2015-066002(JP,A)
【文献】特開2010-127524(JP,A)
【文献】特開2005-083734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/00- 1/16
F24C 7/00- 7/10
A47J 37/00-37/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トッププレートと、
前記トッププレートの下に設けられた筐体と、
前記トッププレートの上に載置される被調理物を加熱する第1加熱部と、
前記筐体内において前記第1加熱部よりも下に設けられた調理室と、
給水用の水道管に接続される給水口が設けられ、前記調理室内に水を供給する第1送水管と、
前記第1送水管から供給される水を加熱して過熱水蒸気を生成する第2加熱部と
、
前記調理室の上側に設けられた第1仕切板と、
前記第1仕切板の下側に前記第1仕切板と対向するように設けられ、前記調理室の天井を構成する第2仕切板と、を備え、
前記第2加熱部は、前記第1仕切板と前記第2仕切板との間に設けられており、
前記第1送水管の一部は、前記第1仕切板の上に配置され、前記第2加熱部の少なくとも一部と上下に重なる位置に設けられている
加熱調理器。
【請求項2】
トッププレートと、
前記トッププレートの下に設けられた筐体と、
前記トッププレートの上に載置される被調理物を加熱する第1加熱部と、
前記筐体内において前記第1加熱部よりも下に設けられた調理室と、
給水用の水道管に接続される給水口が設けられ、前記調理室内に水を供給する第1送水管と、
前記第1送水管から供給される水を加熱して過熱水蒸気を生成する第2加熱部と
、
前記調理室の壁との間に隙間をあけて配置された調理皿と、
前記調理室の底と前記調理皿の底との間に設けられ、前記調理皿の底との間及び前記調理室の底との間に風路を形成する導風部材とを備え、
前記導風部材には、上下に貫通する貫通孔が形成されており、
前記調理皿の底の下面には、上へ向かって凹んだ凹部が形成されており、
前記導風部材には、平面視において前記凹部と対向する位置に、前記貫通孔が形成されている
加熱調理器。
【請求項3】
前記調理室内と連通する第2送水管を備え、
前記第2送水管には、排水用の水道管に接続される排水口が設けられている
請求項1
又は請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記第1送水管内の水を加熱する加熱手段を備えた
請求項
2記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記調理室の壁には、第1吸込口及び第1吹出口が形成されており、
前記第1吸込口から吸い込んだ前記調理室内の空気を、前記第1吹出口から前記調理室内に送る第1送風機を備えた
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記第1送風機が前記第1吸込口から吸い込んだ空気を加熱する第3加熱部を備えた
請求項
5記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記調理室の天井には、過熱水蒸気を前記調理室内に供給する複数の第2吹出口が形成されている
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記調理室の壁との間に隙間をあけて配置された調理皿と、
前記調理室の底と前記調理皿の底との間に設けられ、前記調理皿の底との間及び前記調理室の底との間に風路を形成する導風部材が設けられており、
前記導風部材には、上下に貫通する貫通孔が形成されている
請求項
1記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記調理皿の底の下面には、上へ向かって凹んだ凹部が形成されており、
前記導風部材には、平面視において前記凹部と対向する位置に、前記貫通孔が形成されている
請求項
8記載の加熱調理器。
【請求項10】
冷却器と、
前記冷却器で冷却された空気を前記調理室内に導く冷却ダクトと、
前記冷却器で冷却された空気を送出する冷却送風機とを備えた
請求項1~請求項
9のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記冷却器は、
ペルチェ素子と、
前記ペルチェ素子の発熱部に熱的に接続されたヒートシンクとを備え、
前記冷却ダクトには、前記ペルチェ素子の吸熱部が配置されている
請求項
10記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記冷却器及び前記冷却送風機が作動して、前記調理室内を冷却する冷却モードで動作する
請求項
10又は請求項
11記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記冷却モードの終了後に、前記第2加熱部が作動して前記調理室内を加熱する加熱モードで動作する
請求項
12記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記第1送水管に設けられた弁を備え、
前記冷却モードの終了後に、前記弁が開状態になるとともに前記第2加熱部が作動して前記調理室内に過熱水蒸気を供給する蒸気加熱モードで動作する
請求項
12又は請求項
13記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記第1送水管に設けられた弁を備え、
前記弁が開状態になるとともに前記第2加熱部を作動して前記調理室内に過熱水蒸気を供給する洗浄モードで動作する
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項16】
前記調理室は、前記筐体の幅の2分の1以上の幅を有する
請求項1~請求項
15のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項17】
トッププレートと、
前記トッププレートの下に設けられた筐体と、
前記トッププレートの上に載置される被調理物を加熱する第1加熱部と、
前記筐体内において前記第1加熱部よりも下に設けられた調理室と、
給水用の水道管に接続される給水口が設けられ、前記調理室内に水を供給する第1送水管と、
前記第1送水管から供給される水を加熱して過熱水蒸気を生成する第2加熱部と
、
ペルチェ素子と、前記ペルチェ素子の発熱部に熱的に接続されたヒートシンクとを備えた冷却器と、
前記冷却器で冷却された空気を前記調理室内に導く冷却ダクトと、
前記冷却器で冷却された空気を送出する冷却送風機と、
前記第1送水管に設けられた弁とを備え、
前記冷却ダクトには、前記ペルチェ素子の吸熱部が配置された加熱調理器であって、
前記加熱調理器は、冷却モード、蒸気加熱モード、及び洗浄モードで動作し、
前記冷却モードでは、前記冷却器及び前記冷却送風機が作動して、前記調理室内を冷却し、
前記蒸気加熱モードでは、前記冷却モードの終了後に、前記弁が開状態になるとともに前記第2加熱部が作動して前記調理室内に過熱水蒸気を供給し、
前記洗浄モードでは、前記弁が開状態になるとともに前記第2加熱部を作動して前記調理室内に過熱水蒸気を供給する
加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過熱水蒸気で被調理物を調理するための調理室を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロースター機能を備えた加熱調理器として、調理室の外側で発生させた飽和状態の水蒸気を加熱室内に導き、この調理室内で飽和水蒸気を電気ヒーターに噴き付けて過熱状態の水蒸気を生成するものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1の加熱調理器では、過熱状態の水蒸気による加熱と電気ヒーターによる加熱とを組み合わせて、調理室内で被調理物を調理している。水蒸気を生成するための水が入れられる給水タンクは、調理室の外側に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の加熱調理器では、過熱水蒸気による調理を行う際には、使用者が給水タンクに水を入れて加熱調理器に水タンクを設置する必要がある。この作業は使用者の手間となり、調理の作業性を低下させてしまう。また、過熱水蒸気による調理中に給水タンク内の水がなくなってしまうと、調理に支障をきたしてしまう。特許文献1では、給水タンク内の残水量が分かるように給水タンクの前面に水量確認窓が設けられているが、調理中の水不足を回避するためには使用者が調理中に残水量を確認する必要がある。このような残水量の確認作業は、他の調理作業の妨げになりうる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を背景とした発明であり、過熱水蒸気を生成するための水の給水に係る使用者の手間をなくすことのできる加熱調理器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱調理器は、トッププレートと、前記トッププレートの下に設けられた筐体と、前記トッププレートの上に載置される被調理物を加熱する第1加熱部と、前記筐体内において前記第1加熱部よりも下に設けられた調理室と、給水用の水道管に接続される給水口が設けられ、前記調理室内に水を供給する第1送水管と、前記第1送水管から供給される水を加熱して過熱水蒸気を生成する第2加熱部と、前記調理室の上側に設けられた第1仕切板と、前記第1仕切板の下側に前記第1仕切板と対向するように設けられ、前記調理室の天井を構成する第2仕切板と、を備え、前記第2加熱部は、前記第1仕切板と前記第2仕切板との間に設けられており、前記第1送水管の一部は、前記第1仕切板の上に配置され、前記第2加熱部の少なくとも一部と上下に重なる位置に設けられているものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の加熱調理器には、過熱水蒸気を生成するための水を供給する第1送水管が設けられており、この第1送水管には水道管に接続される給水口が設けられている。このため、給水口に水道管を接続することで、水道管から第1送水管に水が供給される。したがって、使用者の給水の手間がなくなる。また、過熱水蒸気による調理中の水不足も発生しないので、使用者は残水量の確認のための手間をかける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る加熱調理器100の設置例を説明する図である。
【
図2】実施の形態1に係る加熱調理器100の外観斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構成を説明する図である。
【
図4】実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構成を説明する図である。
【
図5】実施の形態1に係るコントロールユニット10の斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係るコントロールユニット10の前後方向の縦断面図である。
【
図7】実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を前上部から見た斜視図である。
【
図8】実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を後下部から見た斜視図である。
【
図9】実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を後上部から見た斜視図である。
【
図10】実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を前上部から見た斜視図である。
【
図11】実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を後上部から見た斜視図である。
【
図12】実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を前上部から見た斜視図である。
【
図13】実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を前上部から見た斜視図である。
【
図14】実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品の平面図である。
【
図15】実施の形態1に係る調理庫20の、第1開口321を通る水平断面図である。
【
図16】実施の形態1に係る調理庫20の、第2開口322及び貫通孔351を通る左右方向における縦断面である。
【
図17】実施の形態1に係る調理庫20の、第2開口322及び貫通孔351を通る前後方向における縦断面である。
【
図18】実施の形態1に係る調理庫20の、冷却ダクト51を通る前後方向の縦断面図である。
【
図19】実施の形態1に係る調理庫20の、冷却ダクト51を通る水平断面図である。
【
図20】実施の形態1に係る加熱調理器100の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る加熱調理器をビルトイン型(組込み型)IHクッキングヒータに適用した場合を例に説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の各実施の形態に示す構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含むものである。また、図面に示す加熱調理器は、本発明の加熱調理器が適用される機器の一例を示すものであり、図面に示された加熱調理器によって本発明の適用機器が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本発明を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
(加熱調理器の設置例)
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の設置例を説明する図である。本実施の形態の加熱調理器100は、上部に調理台を備えたキッチン家具200に組み込まれて使用される。キッチン家具200には、水栓を備えたシンク201が設けられている。さらにキッチン家具200には、食器洗浄機202が組み込まれている。食器洗浄機202は、住宅の給水用の水道管(給水管)及び排水用の水道管(排水管)と接続されている。このキッチン家具200の内部には、住宅の給水管及び排水管の一部が配管されており、給水管及び排水管は食器洗浄機202に接続されるとともに、本実施の形態の加熱調理器100にも接続される。
【0011】
(加熱調理器の構成)
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100の外観斜視図である。加熱調理器100は、筐体1と、筐体1の上に設けられたトッププレート2と、吸排気口カバー3と、操作部4と、表示部5とを備える。筐体1の内部には、調理室扉22を備えた調理庫20が設けられている。
【0012】
トッププレート2には、鍋やフライパン等の調理容器が載置される加熱口が設けられている。トッププレート2には、液晶画面やLED等の視覚的な表示手段を備えた表示部5が設けられている。操作部4は、加熱調理器100における加熱動作の設定を受け付けるための操作ボタン、スイッチ、又はタッチパネル等で構成されている。表示部5は、加熱調理器100の動作状態、操作部4からの入力及び操作内容等を表示するとともに、使用者に対して加熱調理器100の状態等を報知する報知手段として機能する。
【0013】
吸排気口カバー3は、通気性を有するパンチングメタルや格子状の金属部材で構成されていて通気性があり、通気抵抗が少ない。冷却風の吸気及び排気、調理庫20からの排気の気流は、吸排気口カバー3をスムースに通過する。
【0014】
調理庫20は、内部に調理室21(
図10参照)を有し、調理室21内に収容される被調理物を加熱する。調理庫20に設けられている調理室扉22は、調理室21(
図10参照)を開閉する。調理室扉22は、調理室21及び調理室扉22自体のメンテナンスを容易にするため、調理室21に対して着脱可能に構成されている。
【0015】
また、筐体1には、冷却ユニット吸気口15が形成されている。冷却ユニット吸気口15は、後述する冷却ユニット50(
図7参照)と筐体1の外部とを連通させる開口である。また、加熱調理器100には、第1送水管60と第2送水管70が設けられている。第1送水管60は、住宅の給水管に接続される管である。第1送水管60の一端には、住宅の給水管との接続口である給水口61が設けられている。第2送水管70は、住宅の排水管に接続される管である。第2送水管70の一端には、住宅の排水管との接続口である排水口71が設けられている。
【0016】
図3は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構成を説明する図である。
図3は、
図2からトッププレート2及び吸排気口カバー3が取り外された状態を示している。1の内部には、トッププレート2(
図2参照)の上に載置される調理容器を加熱するための加熱手段として、第1加熱部8が設けられている。第1加熱部8は、例えば、誘導加熱コイル又はラジエントヒーター等である。第1加熱部8の下側には、コントロールユニット10が設けられている。
【0017】
筐体1の上部に設けられたトッププレート枠17には、筐体吸気口6と筐体排気口7とが形成されている。筐体吸気口6は、筐体1内を冷却する冷却風を筐体1内に導くための開口である。筐体排気口7は、筐体1内の排気を筐体1外へ導くための開口である。筐体吸気口6及び筐体排気口7は、筐体1内と連通しており、また吸排気口カバー3(
図2参照)によって覆われる。
【0018】
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構成を説明する図である。
図4は、
図3から第1加熱部8及びトッププレート枠17が取り外された状態を示している。筐体1内には、調理室排気ダクト23が設けられている。調理室排気ダクト23は、調理室21(
図5参照)からの排気を筐体1の外部に導くためのダクトである。調理室排気ダクト23は、筐体排気口7(
図3参照)と連通するようにして配置される。
【0019】
図5は、実施の形態1に係るコントロールユニット10の斜視図である。
図5では、コントロールユニット10の一部を透視して示している。
図4と
図5とを参照して、コントロールユニット10に関する構成を説明する。コントロールユニット10は、筐体冷却ファン13と、回路基板14とを収容する空間を内部に有する部材である。筐体冷却ファン13は、筐体1内を冷却する冷却風を送出する。コントロールユニット10には、筐体冷却ファン13の吸引側に吸気口11が形成され、筐体冷却ファン13の送出側に吹出口12が形成されている。
図5の例では、コントロールユニット10の上部及び側部に、吹出口12が形成されている。
図4に示すように、コントロールユニット10の上部に形成された吹出口12は、第1加熱部8(
図3参照)の下側に位置する。
【0020】
コントロールユニット10内において、吸気口11と吹出口12との間に、回路基板14が配置されている。回路基板14は、加熱調理器100を構成する部材の動作を制御する制御回路などの電子部品が実装された電子回路基板である。第1加熱部8が加熱コイルを含む場合には、回路基板14には加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路が実装される。また、制御回路は、専用のハードウェア、又はメモリとメモリに格納されるプログラムを実行するCPUとを有するマイクロコンピュータで構成される。
図5では、回路基板14の一部はコントロールユニット10の外側にも配置されている。制御回路は、後述する第1加熱部8、筐体冷却ファン13、冷却送風機55、放熱送風機56、電磁弁65、ポンプ66、加熱室送風機81、及び第3加熱部82の動作を制御する。
【0021】
コントロールユニット10の内部は、コントロールユニット10内に収容される回路基板14を冷却する冷却風の風路を兼ねている。コントロールユニット10への空気の吸込口である吸気口11は、筐体吸気口6(
図3参照)の下側に配置され、筐体吸気口6に接続される。
【0022】
図6は、実施の形態1に係るコントロールユニット10の前後方向の縦断面図である。
図6では、冷却風の流れを矢印で概念的に示している。筐体冷却ファン13が動作すると、コントロールユニット10の吸気口11に吸引力が生じ、吸気口11に接続された筐体吸気口6(
図3参照)から外部の空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は吸気口11からコントロールユニット10内に流入する。コントロールユニット10内に流入した冷却風は、筐体冷却ファン13に吸引されて送出され、コントロールユニット10の内部に収納された回路基板14に実装される回路部品及びこの部品の冷却効率を高める放熱フィン等を冷却する。その後冷却風は、コントロールユニット10に設けられた吹出口12から送出される。
【0023】
コントロールユニット10の上面に設けられた吹出口12から送出された冷却風は、コントロールユニット10の上方に配置された第1加熱部8(
図3参照)の下面に吹き付けられ、第1加熱部8を冷却する。
図5に示されたコントロールユニット10の側部に設けられた吹出口12から送出された冷却風は、筐体1内の調理庫20の周囲を流れ、調理庫20の高温化を抑制する。第1加熱部8又は調理庫20を冷却した後の冷却風は、筐体排気口7に向かって筐体1内を流れ、筐体排気口7を筐体1外へ排気される。このように、筐体冷却ファン13から送出される冷却風で、加熱コイル等で構成される第1加熱部8の過度な高温化が抑制される。
【0024】
(調理庫の構成)
図7は、実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を前上部から見た斜視図である。
図8は、実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を後下部から見た斜視図である。調理庫20の後部には、冷却ユニット50と、第1送水管60と、第2送水管70と、加熱室80とが設けられている。
【0025】
調理庫20の外郭は、左右の側壁25と、後壁26と、底板27と、上カバー28と、調理室扉22とによって構成されている。調理庫20の内部には調理室21(
図10参照)が形成されており、調理室21の前部の開口を調理室扉22が覆う。
【0026】
冷却ユニット50は、調理庫20の内部を冷却するための部材である。本実施の形態の冷却ユニット50は、冷却器によって冷気を生成し、生成した冷気を、冷却ダクト51を介して調理庫20内に供給することで、調理庫20内を冷却する。
【0027】
第1送水管60の一端である給水口61は、住宅の給水管に接続され、第1送水管60は給水管から供給される水を調理庫20内に導く。調理庫20内に導かれた水から過熱水蒸気が生成され、調理庫20内において過熱水蒸気による調理に用いられる。第1送水管60には、電磁弁65とポンプ66とが設けられている。電磁弁65は、第1送水管60における通水の有無を制御する開閉弁である。ポンプ66は、第1送水管60を流れる水の流量を制御する。電磁弁65及びポンプ66は、回路基板14に実装された制御回路によって動作が制御される。電磁弁65は、調理庫20内に水蒸気を供給する際に開状態に制御される。ポンプ66は、過熱水蒸気による調理を行う際に、加熱量に応じた流量で水が調理庫20内に供給されるように、水の流量が制御される。
【0028】
なお、本実施の形態では、第1送水管60における通水と流量の制御を、開閉弁である電磁弁65とポンプ66とを用いて行う例を示しているが、通水と流量とを制御するための具体的構成はこれに限定されない。例えば、電磁弁65及びポンプ66に代えて、弁の開閉量によって流量を制御する弁開度を調整可能な電磁弁を設け、この電磁弁の弁開度を制御することで通水と流量の両方を制御することもできる。その他、開閉弁である電磁弁65を設けポンプ66を設けない構成とすることもできる。この場合、電磁弁65が開状態のときと閉状態のときの時間を制御することで、第1送水管60の水の流量を調整することができる。電磁弁65のみの構成であれば、部品数が少ないために低コストで加熱調理器100を製造できる。
【0029】
第2送水管70の一端である排水口71は、住宅の排水管に接続され、第2送水管70は調理庫20内からの排水を住宅の排水管に導く。第2送水管70には、排水用接続管36が接続されている。本実施の形態では、2本の排水用接続管36が第2送水管70に連通している。排水用接続管36は、調理庫20の後壁26の左右の端部寄りの位置に、後壁26を貫通するようにして設けられている。
【0030】
加熱室80は、調理庫20内においてコンベクション加熱を行うための装置である。加熱室80内で熱気を生成し、生成した熱気を調理庫20内に供給することで、調理庫20内の被調理物を加熱調理する。加熱室80は、調理庫20の後壁26の後ろ側に設けられている。
【0031】
図9は、実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を後上部から見た斜視図である。
図9は、
図7及び
図8に示した構成から、上カバー28及び冷却ユニット50の一部の部品が取り外された状態を示している。調理庫20の上カバー28(
図7、
図8参照)の下側には、上カバー28から上下に間をあけて第1仕切板31が設けられている。第1仕切板31は、その平板面が上カバー28の平板面と対向している。第1仕切板31の上側には、第1送水管60の一部が設けられている。第1送水管60の一端に給水口61が設けられているのに対し、他端には微細な水滴を吹き出すノズル64が設けられている。
【0032】
ここで、本実施の形態では、第1送水管60を、第1部分62と第2部分63とに区別して説明する場合がある。第2部分63は、第1送水管60のうち、ノズル64の上流側において予熱される部分をいう。第2部分63の端部にノズル64が設けられている。第1部分62は、第2部分63と給水口61との間の部分であり、本実施の形態では後壁26の後ろに配置されている。第2部分63は、第1仕切板31と上カバー28(
図7、
図8参照)との間に配置されており、第1仕切板31と上カバー28との間の空気からの熱伝達により、加熱される。第2部分63が加熱されることで、第2部分63を流れる水も加熱される。このような第2部分63における水の加熱は、ノズル64から吹出される水を素早く気化させるために行われる。また、本実施の形態の第2部分63は、上カバー28(
図7、
図8参照)の高温化の抑制にも資する。後述するように第1仕切板31の下側には第2加熱部33(
図10参照)が設けられるが、この第2加熱部33からの熱が第1仕切板31を介して第2部分63に伝わることで、上カバー28の高温化が抑制される。調理庫20の上には、
図2~
図4に示すように第1加熱部8、電気部品及び電子部品が配置されるが、上カバー28の高温化が抑制されることで、これらの部品への上カバー28からの伝熱も抑制される。したがって、筐体1内の高温化を抑制することができ、また第1加熱部8、電気部品及び電子部品の高温化による動作不良及び劣化を抑制させることができる。
図9で例示するように第2部分63を蛇行させるなどして第2部分63の長さを長くすることで、第2部分63における水の加熱量を増やすことができる。
【0033】
図10は、実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を前上部から見た斜視図である。
図10は、
図9に示した構成から、第1仕切板31が取り外された状態を示している。第1仕切板31(
図9参照)の下側には、第1仕切板31から上下に間をあけて第2仕切板32が設けられている。第2仕切板32は、その平板面が第1仕切板31の平板面と対向している。第2仕切板32の上側には、第2加熱部33が設けられている。第2加熱部33は、第1送水管60から供給される水を加熱して過熱水蒸気を生成する加熱手段である。第2加熱部33は、例えば、シーズヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線ヒーター、ハロゲンランプヒーター、又はカーボンヒーター等のガラス管ヒーターである。
【0034】
第2仕切板32の後ろ側の端部から起立する壁には、第1開口321が設けられている。第1開口321は、加熱室80内と、第2仕切板32の上側の空間とを連通させる。加熱室80内の空気は、第1開口321を介して、第2仕切板32の上側の第2加熱部33の周囲の空間に供給される。また、第2仕切板32には、上下に貫通する第2開口322が設けられている。第2開口322は、第2仕切板32の上側の空間と、第2仕切板32の下側にある調理室21とを連通させる。
【0035】
調理室21内には、調理皿40と、調理室21内の温度を検出する温度センサ41と、調理皿40を前後に摺動可能に支持する左右一対のガイドレール42と、ガイドレール42に連結され調理皿40を下方から支持する調理皿支持板43とが設けられている。調理皿支持板43は、一対のガイドレール42に左右に亘っている。調理皿支持板43は、ガイドレール42の前部と後部とに設けられている(
図19参照)。
【0036】
次に、
図7~
図10を参照して、冷却ユニット50の構造を説明する。冷却ユニット50は、冷却器と、冷却器で生成した冷気を調理庫20内に導く冷却ダクト51とを有する。本実施の形態の冷却器は、ペルチェ素子54(
図18、
図19参照)と、ペルチェ素子54の吸熱部に熱的に接続された冷却ヒートシンク53とを有する。冷却ヒートシンク53は、冷却ダクト51内に配置されており、冷却ダクト51内を流れる空気を冷却する。本実施の形態の冷却ダクト51は、調理室21内と冷却ヒートシンク53との間で空気を循環させるような風路構造になっている。冷却ダクト51内には、冷却送風機55が設けられており、冷却送風機55が動作することで、調理室21内の空気が冷却ダクト51内に導かれ、冷却ヒートシンク53に接触し、続いて調理室21に戻る。
【0037】
また、冷却ユニット50には、ペルチェ素子54(
図18、
図19参照)の放熱部からの放熱を促進するための構造として、放熱ダクト52と、放熱送風機56と、放熱ダクト52内に設けられた放熱ヒートシンク57とを備えている。放熱ヒートシンク57は、ペルチェ素子54(
図18、
図19参照)の放熱部に熱的に接続される。放熱送風機56が動作すると、放熱ダクト52内を空気が流れ、この空気が放熱ヒートシンク57に接触することでペルチェ素子54(
図18、
図19参照)の放熱部からの放熱が促進される。
【0038】
第2加熱部33と、調理室21内への過熱水蒸気の供給口となる第2開口322と、被調理物が載せられる調理皿40の上面とは、平面視において重なる位置に設けられている。
【0039】
図11は、実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を後上部から見た斜視図である。
図11は、
図10に示した構成から、冷却ユニット50、第2仕切板32、第1送水管60及び第2送水管70が取り外された状態を示している。後壁26には、第3開口261が形成されている。第3開口261には、冷却ユニット50の冷却ダクト51(
図7~
図10参照)が接続される。側壁25は、二重壁構造である。二重壁の間の空間が、断熱層として機能し、側壁25の外側へ調理室21内の熱が伝わるのを抑制することができる。また、側壁25の二重壁の間の空間に、ガラスウールなどで構成された断熱材を配置してもよい。
【0040】
調理皿40の上面には、凹凸が形成されている。本実施の調理皿40では、凹凸が前後に連なっている。凹凸を設けることで、調理皿40の上に載せられる被調理物から落ちた油及び水分が被調理物に再付着するのを防ぐことができる。
【0041】
図12は、実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を前上部から見た斜視図である。
図12は、
図10に示した構成から、第2仕切板32及び調理皿40が取り外された状態を示している。調理室21の内部であって後壁26の前側には、第1吸込口体34が設けられ、調理室21の内部下方には、第2吸込口体35が設けられている。
【0042】
第1吸込口体34は、後壁26との間に空気が流れる空間を形成する部材である。第2吸込口体35は、底板27との間に空気が流れる空間を形成する部材である。第1吸込口体34と後壁26との間に形成される空間と、第2吸込口体35と底板27との間に形成される空間とは、後壁26の前側の下部において連通している。第1吸込口体34及び第2吸込口体35は、調理室21内の空気を、加熱室80に導く風路を形成する。
【0043】
さらに第1吸込口体34には、冷却風吹出口341と、開口342とが形成されている。冷却風吹出口341は、冷却ダクト51と連通しており、冷却ダクト51から送られる空気が調理室21内へ流入する入口として機能する。開口342は、第1吸込口体34の最下部であって、底板27との境界に形成されている。開口342は、調理室21内の液体が排水用接続管36(
図11参照)に向かって流れるときに通過する。
【0044】
また第2吸込口体35には、貫通孔351が形成されている。貫通孔351は、調理室21内の第2吸込口体35の上側の空気を第2吸込口体35の下に吸い込むための開口である。本実施の形態では、調理室21の左右の概ね中心に、前後に亘って複数の貫通孔351が形成されている。第2吸込口体35は、貫通孔351が形成された位置を頂点として、左又は右に向かって下降する一対の傾斜面352を有する。傾斜面352は、それぞれ、前から後ろに向かって左右の幅が広くなっている。
【0045】
図13は、実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品を前上部から見た斜視図である。
図13は、
図12に示した構成から、第1吸込口体34及び第2吸込口体35が取り外された状態を示している。後壁26には、第3開口261と、第1吸込口262と、第4開口263、第1吹出口264とが形成されている。第3開口261には、冷却ダクト51が接続される。
【0046】
第1吸込口262は、調理室21と加熱室80とを連通させる。加熱室80には、加熱室送風機81が設けられている。本実施の形態の加熱室送風機81は、遠心ファンである。加熱室送風機81が動作すると、第1吸込口262を介して調理室21内の空気が加熱室80内へ吸い込まれる。加熱室80へ吸い込まれた空気は、第1吹出口264を介して加熱室80の外へ吹出される。第1吹出口264には、第1開口321(
図10参照)が接続されるため、加熱室80から送出された空気は、第1開口321を介して第2加熱部33(
図10参照)の周囲に供給されることになる。
【0047】
第3開口261のうちの上部には、冷却ダクト51の一部である冷却風供給部512が接続されている。冷却風供給部512は、後壁26から前方へ突出している。第3開口261の下部は、調理室21内の空気を冷却ダクト51へ流入させ、第3開口261の上部は、冷却風供給部512が接続されて冷却ダクト51内の空気を調理室21内へ流入させる。
【0048】
第4開口263は、調理室21内の液体を調理室21内から排出する排出口である。
図13では左側の第4開口263のみが図視されているが、右側にも同様の第4開口263が設けられている。第4開口263には、排水用接続管36(
図11参照)が接続される。底板27の上面は、左右の中心を頂点として、左又は右に向かって下降している。また、底板27の上面は、前から後ろに向かって下降している。このため、底板27の上の液体は、底板27の傾斜した上面に沿って左又は右かつ後ろに向かって流れ、第4開口263に向かう。
【0049】
図14は、実施の形態1に係る調理庫20及びこれに付帯する部品の平面図である。
図14は、調理庫20の上カバー28が取り外された状態を示し、第2加熱部33を透視して示している。第1送水管60の第2部分63と、第2加熱部33とは、平面視において少なくとも一部が上下に重なるようにして配置されている。本実施の形態の第2加熱部33は、パイプ状の電気ヒーターであり、第2部分63と同様にその大部分が蛇行した形状である。このように、第2部分63と第2加熱部33とを上下に重なるように配置することで、第2加熱部33から第2部分63への伝熱を促進して、第2部分63を流れる水の加熱量を増加させている。
【0050】
(蒸気加熱モード)
次に、
図15~
図17を参照して、調理庫20内へ過熱水蒸気を噴霧して被調理物を加熱する蒸気加熱モードでの加熱調理器100の動作を説明する。
図15は、実施の形態1に係る調理庫20の、第1開口321を通る水平断面図である。
図16は、実施の形態1に係る調理庫20の、第2開口322及び貫通孔351を通る左右方向における縦断面である。
図17は、実施の形態1に係る調理庫20の、第2開口322及び貫通孔351を通る前後方向における縦断面である。
【0051】
図16、
図17に示すように、調理庫20の上部には、上から順に、上カバー28、第1仕切板31、第2仕切板32が、互いに間隔をあけて配置されている。上カバー28と第1仕切板31との間の空間を、送水室310と称する。送水室310に、第1送水管60の第2部分63が配置されている。第1仕切板31と第2仕切板32との間の空間を、水蒸気室320と称する。水蒸気室320に、ノズル64及び第2加熱部33が配置されている。
【0052】
また、
図15、
図17に示すように、加熱室80内には、第3加熱部82が設けられている。第3加熱部82は、加熱室80内の空気を加熱して調理室21に供給するための加熱手段である。第3加熱部82は、例えば、シーズヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線ヒーター、ハロゲンランプヒーター、又はカーボンヒーター等のガラス管ヒーターである。
【0053】
調理庫20内において過熱水蒸気を用いた調理を行う際には、第2加熱部33が作動して発熱する。また、電磁弁65が開状態に制御され、ポンプ66も作動し、給水管から給水口61を介して第1送水管60に水が流入する。また、加熱室80内の加熱室送風機81及び第3加熱部82も動作する。
【0054】
第1送水管60の第1部分62を経て第2部分63を流れる水は、送水室310において予熱される。具体的には、第2加熱部33からの熱によって高温化した送水室310内の空気からの熱伝達により、第2部分63が加熱されて第2部分63を通る水も加熱される。第2部分63を第1仕切板31に接触させて配置してもよい。このようにすることで、第2加熱部33からの熱で高温化する第1仕切板31からの熱伝導により、第2部分63を加熱することができる。他方、第2部分63を第1仕切板31に接触させないようにして配置してもよい。このようにすることで、第2加熱部33による水蒸気室320内の加熱効率が高まり、水蒸気室320内において効率よく過熱水蒸気を生成することができる。
【0055】
第1送水管60内の水は、第2部分63において予熱されたのち、ノズル64から水蒸気室320へと噴霧される。これと併せて、加熱室80内において第3加熱部82によって加熱された空気は、加熱室送風機81によって第1開口321を介して水蒸気室320へと供給される。
図15において、加熱室80から水蒸気室320へ供給される空気の流れを矢印で、ノズル64からの水滴に大まかな噴霧範囲を符号Xで示している。ノズル64からの噴霧範囲Xは、第1開口321と幅方向及び高さ方向において概ね重なる位置にある。したがって、ノズル64から噴霧された微細な水滴は、第1開口321を介して加熱室80から供給される高温化された空気によって、効率よく過熱水蒸気化される。ノズル64から噴霧された微細な水滴は、第1開口321から前方へ流れる空気によって前方へ運ばれ、第2加熱部33からの熱によって効率よく過熱水蒸気化される。すなわち本実施の形態では、第2加熱部33と第3加熱部82の双方が、水を過熱水蒸気にする加熱手段として機能している。
【0056】
水蒸気室320内において生成された過熱水蒸気は、第2開口322を介して調理室21内の被調理物に供給される。本実施の形態の第2開口322は、複数設けられているが、第2開口322の1つあたりの開口面積は、左右の中心側にあるものに対して左右の端にあるものを小さくするとよい。このようにすることで左右の中心側にある第2開口322を過熱水蒸気が通過しやすくなり、調理皿40の上に置かれる被調理物への過熱水蒸気の接触量が増え、被調理物の加熱効率を高めることができる。
【0057】
図16に示すように、調理皿40と、第2加熱部33と、第2開口322とは、平面視したときに上下に重なる位置に配置されている。すなわち調理皿40の真上に、第2加熱部33と第2開口322とが配置されている。このため、第2加熱部33が作動すると、第2加熱部33からの輻射を調理皿40の上に置かれる被調理物が直接的に受けることができる。また、この調理皿40の上の被調理物は、第2開口322から過熱水蒸気の供給を受ける。このように第2加熱部33からの輻射と過熱水蒸気からの伝熱により、被調理物を効率よく加熱することができる。
【0058】
図16、
図17に示すように、第1開口321から調理室21内に吹き出された過熱水蒸気は、下に向かって流れる。ここで、
図16に示すように、調理皿40の左右の端部とガイドレール42との間には、通風可能な隙間44が設けられている。第1開口321から吹き出された過熱水蒸気の一部は、隙間44を通って調理皿40の下側に流れる。調理皿40の下側には、第2吸込口体35の上面との間に空間が設けられており、この空間を過熱水蒸気が通過する。第2吸込口体35の上面は、上述のように傾斜面352で構成されているため、この傾斜面352に沿って左右の端部側から中央側へ向かって、過熱水蒸気が上昇しながら流れる。傾斜面352に沿って上昇した過熱水蒸気は、調理皿40の下面に衝突して調理皿40を加熱する。この加熱された調理皿40を介して、調理皿40の上に置かれる被調理物も加熱される。
【0059】
好ましくは、本実施の形態では、調理皿40の下面に形成され上へ向かって凹んだ凹部401と対向する位置に、貫通孔351が設けられている。このように構成することで、隙間44から調理皿40の下側に流れた過熱水蒸気は、貫通孔351に向かって流れる過程において、調理皿40の凹部401の下側を通過する。凹部401は、平坦な面と比べて表面積が大きく、また凹部401の下側に形成される空気の流路断面積は、平坦な面の下側に形成される流路断面積よりも大きい。このため、調理皿40と過熱水蒸気との接触面積が大きくなり、調理皿40の加熱効率が高まる。
【0060】
調理皿40又は傾斜面352の周囲を流れる過程において結露水が生成されうるが、重力によって結露水は傾斜面352に沿って下へ流れる。貫通孔351は、傾斜面352の最上部に形成されているため、結露水は貫通孔351から第2吸込口体35の下側へ流入しにくい。第2吸込口体35の下側の空間は、空気が循環する風路の一部であるため、結露水の流入が抑制されることで、循環する空気の汚れが抑制されて衛生性が向上する。
【0061】
図17に示すように、調理皿40の前後を指示する調理皿支持板43には、通風口431が形成されている。第2開口322から調理室21内に流入した過熱水蒸気は、この通風口431を介して調理皿40の下面と第2吸込口体35の上面との間に流入し、第2吸込口体35の上面に沿って流れる。
【0062】
調理皿40の下側を流れた空気は、貫通孔351を通って第2吸込口体35と底板27との間の空間に吸い込まれ、後へ向かって流れる。第2吸込口体35と底板27との間に形成される流路の高さは、
図17に示すように、前から後へ向かって拡大している。このため、第2吸込口体35の複数の貫通孔351の間での吸気風量の不均一が軽減される。貫通孔351を通過する風量の不均一が軽減されることで、調理皿40の前後方向に亘って過熱水蒸気による調理皿40の加熱の不均一が軽減され、被調理物の加熱ムラを抑制することができる。また、第2吸込口体35の下側を流れる過熱水蒸気から結露水が発生した場合には、後に向かって下降する底板27に沿って結露水が流れ、排水用接続管36から排出される。
【0063】
図17に示すように、第2吸込口体35と第1吸込口体34とは、後壁26の前側下部において連通している。第2吸込口体35を流れた空気は、第1吸込口体34内に流入し、第1吸込口262を介して加熱室80内の加熱室送風機81に吸引される。遠心式の加熱室送風機81の回転軸の周囲から吸引された空気は、加熱室送風機81の外周から送出され、第1開口321を介して水蒸気室320へと送られる。
【0064】
なお、
図17に示すように、過熱水蒸気を調理室21へ供給する第2開口322の縁には、上へ向かって起立する壁323を設けるとよい。このようにすることで、水蒸気室320内に噴霧された水滴が蒸気にならずに第2仕切板32の上に落下した場合でも、その水滴の第2開口322への流入が壁323によって阻まれる。このため、水滴が調理室21内へ落下するのを抑制することができる。
【0065】
(洗浄モード)
上述した調理庫20に過熱水蒸気を供給する機能は、調理庫20内の被調理物の加熱調理に使用されるほか、調理庫20内の洗浄にも用いることができる。具体的には、操作部4で設定されるモードの一つとして、洗浄モードを設ける。洗浄モードが設定された場合には、電磁弁65を開状態にするとともにポンプ66を作動させる。そうすると、住宅の給水管に接続された給水口61を介して第1送水管60に水が流入し、ノズル64から水滴が吹き出される。そして、第2加熱部33で水滴が加熱されて過熱水蒸気が生成される。また、加熱室送風機81を動作させて調理庫20内に過熱水蒸気を含む空気を循環させる。空気の流れについては、
図15~
図17で説明したとおりである。さらに、第3加熱部82に通電させてもよい。
【0066】
このように調理庫20内に過熱水蒸気を含む空気を循環させると、調理庫20内に付着した油分又は塵埃は、過熱水蒸気及び結露水によって洗い流される。油分又は塵埃を含む排水は、調理庫20内と連通する排水用接続管36を介して第2送水管70に流入し、第2送水管70の排水口71に接続される住宅の排水管へと排水される。
【0067】
(水蒸気噴霧を伴わない加熱モード)
調理庫20内へ過熱水蒸気を噴霧することなく、調理庫20内において加熱調理を行うこともできる。この場合、電磁弁65が閉止され、ポンプ66は動作を停止する。そして、第2加熱部33に通電され、第2加熱部33からの輻射熱によって調理庫20内に収容された被調理物が過熱調理される。第2加熱部33による加熱に加えて、あるいはこれに代えて、加熱室80の加熱室送風機81及び第3加熱部82を動作させてもよい。このようにすると、加熱室80内で第3加熱部82によって加熱された空気が、加熱室送風機81から送出され、水蒸気室320、調理室21、第2吸込口体35の下側、第1吸込口体34と後壁26との間の空間、の順に流れる。このように高温空気が循環することで、調理室21内に収容される被調理物を、加熱調理することができる。
【0068】
(冷却モード)
次に、
図18、
図19を参照して、調理庫20内の冷却に係る動作を説明する。
図18は、実施の形態1に係る調理庫20の、冷却ダクト51を通る前後方向の縦断面図である。
図19は、実施の形態1に係る調理庫20の、冷却ダクト51を通る水平断面図である。本実施の形態の調理庫20においては、上述のように被調理物を加熱調理するのみならず、調理庫20内に冷風を供給することができる。例えば、冷凍された被調理物が調理庫20内に収容された状態において、調理庫20内に冷凍温度よりも高い温度の冷風を供給することで、冷凍された被調理物を緩やかなスピードで解凍することができる。また、調理庫20内に収容された高温の被調理物に冷風を供給することで、被調理物を速やかに冷ますことができる。このように使用される調理庫20への冷風の供給動作を説明する。なお、電磁弁65は閉止状態であり、ポンプ66、第2加熱部33、加熱室送風機81及び第3加熱部82は作動停止しているものとする。
【0069】
調理庫20内に冷風を供給する際には、冷却送風機55及び放熱送風機56が動作するとともに、冷却器を構成するペルチェ素子54に通電する。冷却送風機55が動作すると、後壁26に形成された第3開口261を介して、第1吸込口体34と後壁26との間の空気が、冷却送風機55に吸い込まれる。冷却送風機55に吸い込まれた冷風は、冷却ダクト51内を、冷却器である冷却ヒートシンク53に向かって流れる。ペルチェ素子54の吸熱部に熱的に接続された冷却ヒートシンク53に、空気が衝突することにより、空気は低温化して冷気となる。この冷気は、冷却ダクト51内を上昇し、前へ向かって流れて冷却風供給部512に流入する。冷却風供給部512内を前へ向かって流れた冷風は、第1吸込口体34の冷却風吹出口341から調理室21内へ流入し、調理室21内を冷却する。調理室21内の空気は、
図18において破線矢印で示すように、第2吸込口体35の下側を後へ向かって流れ、第1吸込口体34と後壁26との間の空間に流入して(
図17参照)、冷却送風機55に吸引される。
【0070】
本実施の形態の冷却器は、ペルチェ素子54と冷却ヒートシンク53とで構成されている。ペルチェ素子54の吸熱部において吸熱作用を向上させるために、ペルチェ素子54の放熱部における放熱作用を向上させる。具体的には、放熱送風機56を動作させる。放熱送風機56が動作すると、
図19に示すように、放熱ダクト52内に空気が流入する。放熱ダクト52内に流入した空気は、ペルチェ素子54の放熱部に熱的に接続された放熱ヒートシンク57に接触して、放熱ヒートシンク57から放熱させる。放熱ヒートシンク57から放熱させることにより、ペルチェ素子54の放熱部からの放熱が促進される。
【0071】
上述の冷却モードの終了後に、第2加熱部33を作動させて調理室21内を加熱する加熱モードで加熱調理器100を動作させてもよい。例えば煮込み調理を行う場合、トッププレート2の上、あるいは調理室21内で加熱された高温の被調理物を、調理室21内に収容して調理室21内を冷却モードにて冷却する。冷却することにより、煮込まれた被調理物に味が染み込む。そして、冷却モードの終了後、第2加熱部33を作動させて調理室21内を加熱する。このようにすると、味の染み込んだ被調理物が加熱された状態に仕上がる。冷却モードに続けて加熱モードで動作するように回路基板14の制御装置にプログラムを組み込んでおくことで、一連の調理を使用者は手間をかけることなく実行することができる。
【0072】
以上のように、本実施の形態の加熱調理器100は、トッププレート2と、トッププレート2の下に設けられた筐体1と、トッププレート2の上に載置される被調理物を加熱する第1加熱部8とを備える。筐体1内において第1加熱部8よりも下には、設けられた調理室21を内部に有する調理庫20が設けられている。また、調理室21内に水を供給する第1送水管60と、第1送水管60から供給される水を加熱して過熱水蒸気を生成する第2加熱部33とを備え、第1送水管60には、給水用の水道管に接続される給水口61が設けられている。第1送水管60の給水口61に給水用の水道管を接続することができるので、調理室21内において過熱水蒸気を用いる際に、使用者は給水タンクなどに給水する必要がない。このため、給水に係る使用者の手間を省くことができる。また、水道管から第1送水管60に水が供給されるので、過熱水蒸気を調理室21内に供給している途中で水が不足することもない。したがって、使用者は調理の途中で残水量の確認のための手間をかける必要がない。このように本実施の形態によれば、過熱水蒸気を用いた調理の際の使用者の利便性を向上させることができる。
【0073】
また、本実施の形態の加熱調理器100は、調理室21内と連通する第2送水管70を備え、第2送水管70には、排水用の水道管に接続される排水口71が設けられている。したがって、調理室21から出る排水を、第2送水管70を介して排水用の水道管に流すことができ、調理室21から出る排水の処理のために、例えば排水を溜める容器を必要としない。このため、排水の処理に係る使用者の手間を省くことができる。また、例えば容器に排水を溜める構成を採用した場合、排水が容器からあふれると加熱調理器100の汚れや不具合に繋がりうるが、そのような不具合を回避することができる。
【0074】
また、本実施の形態の加熱調理器100は、第1送水管60の第2部分63を流れる水を、第2加熱部33によって高温化した送水室310内の空気によって加熱する。このため、第1送水管60から出る水の温度が上昇しており、第2加熱部33によって加熱されたときに過熱水蒸気が生成されやすい。また、第2部分63を加熱する加熱手段として、排熱を利用することで、省エネルギー化に資する。また、第2加熱部33からの熱によって高温化した送水室310の熱を第2部分63の水が吸収するので、第2加熱部33からの熱が調理庫20の外へ漏れにくい。このため、調理庫20の周囲の温度上昇が抑制されて、筐体1内の温度上昇も抑制される。
【0075】
また、本実施の形態の加熱調理器100において、調理室21の後壁26には、第1吸込口262及び第1吹出口264が形成されている。また、第1吸込口262から吸い込んだ調理室21内の空気を、第1吹出口264から調理室21内に送る第1送風機として、加熱室送風機81を備えた。加熱室送風機81が作動することで、過熱水蒸気を含む空気が調理室21内を循環する。このため、調理室21内の被調理物への過熱水蒸気からの伝熱が促進されて被調理物の加熱効率が向上する。加熱効率が向上することで、被調理物の加熱時間を短縮することができる。さらに本実施の形態では、加熱室送風機81が吸い込んだ空気を加熱する第3加熱部82を備えた。第3加熱部82によって加熱された高温の空気を調理庫20内に循環させることができるので、被調理物の周囲を流れる空気で生じる強制対流熱伝達により、被調理物を効率よく加熱することができる。
【0076】
また、本実施の形態では、調理室21の天井を構成する第2仕切板32に、過熱水蒸気を調理室21内に供給する第2吹出口として、複数の第2開口322を備えた。複数の第2開口322から過熱水蒸気を調理室21内に供給することで、被調理物への伝熱のムラが抑制され、被調理物を効率よく加熱することができる。
【0077】
また、本実施の形態では、調理室21の側壁25との間に、隙間44をあけて調理皿40が配置されている。調理室21の底板27と調理皿40の底との間には、導風部材として第2吸込口体35が設けられている。第2吸込口体35の上には、調理皿40の底との間に風路が形成され、かつ第2吸込口体35の下には、底板27との間に風路が形成去れている。そして、第2吸込口体35には、上下に貫通する貫通孔351が設けられている。このため、調理室21内に供給された過熱水蒸気を含む空気は、隙間44を通って調理皿40の下へ流れ、調理皿40の底の下側を流れる。過熱水蒸気を含む空気が調理皿40に接触することで、調理皿40が高温化し、調理皿40に置かれる被調理物への伝熱が促進される。被調理物の加熱効率が向上するため、被調理物の加熱時間を短縮することができる。
【0078】
また、調理皿40の底の下面には、上へ向かって凹んだ凹部401が形成されており、第2吸込口体35には、平面視において凹部401と対向する位置に、貫通孔351が形成されている。調理皿40の底の表面に凹部401を設けることで、調理皿40の底の表面積が拡大されるので、調理皿40の下側を流れる空気から調理皿40への電熱が促進される。したがって、調理皿40が高温化しやすくなり、調理皿40の上に置かれる被調理物の加熱効率を高めることができる。
【0079】
(変形例:幅広の調理庫20)
図20は、実施の形態1に係る加熱調理器100の変形例を説明する図である。
図20に示す加熱調理器100は、調理庫20の左右幅が、
図2で示したものと比べて大きい。調理庫20の左右幅の内寸は、好ましくは筐体1の左右幅の内寸の2分の1以上、さらに好ましくは3分の2以上である。このようにすることで、調理庫20の調理室21の容積が拡大されるので、調理室21内において調理する被調理物の大きさ又は量を増やすことができ、使用者の利便性を向上させることができる。
【0080】
また、調理皿40の上面は、
図20に示すように平板形状であってもよいし、
図18等で例示したように凹凸が連なる波板形状であってもよい。
【0081】
(変形例:第1送水管60の第2部分63の配置)
図9では、第1送水管60の第2部分63を、第2加熱部33(
図10参照)の上に配置して、第2加熱部33からの熱によって第2部分63内の水を予熱することを説明した。第2部分63を加熱する加熱手段として、第2加熱部33以外のものを用いることもできる。例えば、第2部分63を、調理室排気ダクト23の内部に配置する、あるいは調理室排気ダクト23の表面に接触させる。調理室排気ダクト23の中を、調理室21からの高温の排気が通過するため、調理室排気ダクト23も排気からの伝熱によって高温化する。したがって、調理室排気ダクト23を、第2部分63を加熱する加熱手段として用いることができる。
【0082】
第2部分63を加熱する加熱手段の他の例として、調理庫20の側壁25又は後壁26を用いることもできる。
図11に示したように、側壁25を二重壁で構成した場合、この二重壁の間の空間に、第2部分63を配置する。調理庫20内は、加熱調理によって高温化するため、側壁25も高温化する。この側壁25を構成する二重壁の間に第2部分63を配置することで、側壁25を、第2部分63を加熱する加熱手段として用いることができる。
【0083】
第2部分63を加熱する加熱手段の他の例として、第1加熱部8を用いることもできる。第1加熱部8が加熱コイルあるいはラジエントヒーターである場合、第1加熱部8も高温化する。この第1加熱部8からの熱伝導あるいは熱伝達が得られる位置に、第2部分63を配置する。このようにすることで、第1加熱部8を、第2部分63を加熱する加熱手段として用いることができる。
【0084】
第2部分63を加熱する加熱手段の他の例として、回路基板14に実装される発熱部品を用いることができる。第1加熱部8として加熱コイルを含む場合には、加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路のスイッチング素子からの熱を、第2部分63を加熱する熱源として利用することができる。この場合、スイッチング素子からの熱伝導あるいは熱伝達が得られる位置に、第2部分63を配置する。例えば、スイッチング素子に熱的に接続されるヒートシンクに、第2部分63を接触させて配置する。このようにすることで、排熱されるべき熱を、有効に活用することができる。また、スイッチング素子からの熱を第2部分63に与えることで、スイッチング素子の高温化を抑制することができる。
【0085】
(変形例:冷却ユニット50の構成)
本実施の形態の冷却ユニット50では、冷却ヒートシンク53の上流側に冷却送風機55を設けた例を示したが、冷却ヒートシンク53の下流側に冷却送風機55を設けてもよい。また、放熱ヒートシンク57の下流側に放熱送風機56を設けることに代えて、放熱ヒートシンク57の上流側に放熱送風機56を設けてもよい。また、本実施の形態では、ペルチェ素子54の吸熱側と放熱側に、個別に冷却送風機55と放熱送風機56を設けたが、1台の送風機を設けることもできる。この場合、同軸に対して2組の羽根車を有する送風機を用いることができる。そして、一方の羽根車から送出される空気が冷却ヒートシンク53に供給され、他方の羽根車から送出される空気が放熱ヒートシンク57に供給されるようにして、この送風機を設置する。このように1台の送風機を用いることで、送風機を構成する部品点数が低減されるとともに使用電力も低減される。
【0086】
また、加熱調理器100に冷却ユニット50を設けなくてもよい。この場合でも、過熱水蒸気を用いて調理庫20内の被調理物を加熱することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 筐体、2 トッププレート、3 吸排気口カバー、4 操作部、5 表示部、6 筐体吸気口、7 筐体排気口、8 第1加熱部、10 コントロールユニット、11 吸気口、12 吹出口、13 筐体冷却ファン、14 回路基板、15 冷却ユニット吸気口、17 トッププレート枠、20 調理庫、21 調理室、22 調理室扉、23 調理室排気ダクト、25 側壁、26 後壁、27 底板、28 上カバー、31 第1仕切板、32 第2仕切板、33 第2加熱部、34 第1吸込口体、35 第2吸込口体、36 排水用接続管、40 調理皿、41 温度センサ、42 ガイドレール、43 調理皿支持板、44 隙間、50 冷却ユニット、51 冷却ダクト、52 放熱ダクト、53 冷却ヒートシンク、54 ペルチェ素子、55 冷却送風機、56 放熱送風機、57 放熱ヒートシンク、60 第1送水管、61 給水口、62 第1部分、63 第2部分、64 ノズル、65 電磁弁、66 ポンプ、70 第2送水管、71 排水口、80 加熱室、81 加熱室送風機、82 第3加熱部、100 加熱調理器、200 キッチン家具、201 シンク、202 食器洗浄機、261 第3開口、262 第1吸込口、263 第4開口、264 第1吹出口、310 送水室、320 水蒸気室、321 第1開口、322 第2開口、323 壁、341 冷却風吹出口、342 開口、351 貫通孔、352 傾斜面、401 凹部、431 通風口、512 冷却風供給部、X 噴霧範囲。