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  • 特許-電子パッケージ内の無線周波数構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】電子パッケージ内の無線周波数構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/02 20060101AFI20230428BHJP
   H01P 5/08 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
H01L23/02 H
H01P5/08 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018555952
(86)(22)【出願日】2017-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-04
(86)【国際出願番号】 GB2017051127
(87)【国際公開番号】W WO2017187142
(87)【国際公開日】2017-11-02
【審査請求日】2020-04-24
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】1607216.7
(32)【優先日】2016-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】505318606
【氏名又は名称】ルメンタム・テクノロジー・ユーケー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マリオ・ボナッツォーリ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・ガレオッティ
(72)【発明者】
【氏名】ルイージ・ゴッビ
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】松永 稔
【審判官】小田 浩
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-100004(JP,U)
【文献】特開平9-93007(JP,A)
【文献】米国特許第04951011(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/54, H01L23/00-23/10, H01L23/16-23/26, H01P5/00-5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)遷移アセンブリであって、電子デバイスのRF伝送層と、前記RF伝送層に対して概して直角に延在しており、前記RF伝送層に電気的に接続されている導体との間のRF遷移を可能にするRF遷移アセンブリにおいて、前記RF遷移アセンブリは、
前記RF伝送層の縁部に隣接して置かれ、且つ前記導体を受け入れるためにそれを通して延在している空洞を含む開放同軸構造であって、
前記開放同軸構造の前記空洞は、電磁放射を前記RF伝送層に向けるために前記RF伝送層の前記縁部に面した開口を含み、
前記開放同軸構造の高さは、前記導体に対して、前記開放同軸構造の前記空洞の半径に等しいか、またはそれよりも大きく、
前記開放同軸構造の前記空洞は、前記開放同軸構造の上面まで延在していて、
前記開放同軸構造は、前記RF伝送層の1つ以上の接地領域と同一平面にある、前記RF伝送層に隣接する1つ以上の階段状接地領域をさらに含む、開放同軸構造と、
前記1つ以上の階段状接地領域と前記RF伝送層の前記1つ以上の接地領域との間の1つ以上の接地相互接続と、を含む、RF遷移アセンブリ。
【請求項2】
前記開放同軸構造の前記空洞は、円セグメントに対応する断面を有している、請求項1に記載のRF遷移アセンブリ。
【請求項3】
前記開放同軸構造の前記空洞の断面は、180°より大きな角度を囲んでいる、請求項1に記載のRF遷移アセンブリ。
【請求項4】
前記開放同軸構造の前記空洞の断面は、約180°から約340°の角度を囲んでいる、請求項1に記載のRF遷移アセンブリ。
【請求項5】
前記導体の端部は、前記導体に対して概して直角な方向に延在している前記開放同軸構造の一部によって、前記開放同軸構造の前記空洞内で囲まれている、請求項1に記載のRF遷移アセンブリ。
【請求項6】
前記電子デバイスのためのパッケージであって、請求項1に記載のRF遷移アセンブリを含む、パッケージ。
【請求項7】
電子デバイスであって、
パッケージ本体と、
前記パッケージ本体の一面上に取り付けられた無線周波数(RF)基板と、
RF伝送層であって、前記RF基板が前記RF伝送層と前記パッケージ本体との間に層を形成するように、前記RF基板上に取り付けられたRF伝送層と、
前記RF伝送層に電気的に接続された導体であって、前記RF伝送層に対して概して直角な方向に、前記パッケージ本体を通して延在している導体と、
前記RF伝送層の縁部に隣接した、前記パッケージ本体の前記一面上に置かれた開放同軸構造であって、
前記開放同軸構造は、前記導体を受け入れるためにそれを通して延在している空洞を含み、
前記空洞は、電磁放射を前記RF伝送層に向けるために前記RF伝送層の前記縁部に面する開口を含み、
前記開放同軸構造は、前記RF伝送層の1つ以上の接地領域と同一平面にある、前記RF伝送層に隣接する1つ以上の階段状接地領域をさらに含み、
前記開放同軸構造の高さは、前記導体に対して、前記空洞の半径に等しいか、またはそれよりも大きく、
前記空洞は、前記開放同軸構造の上面まで延在している、開放同軸構造と、
前記1つ以上の階段状接地領域と前記RF伝送層の前記1つ以上の接地領域との間の1つ以上の接地相互接続と、を含む電子デバイス。
【請求項8】
前記開放同軸構造の前記空洞の断面は、約240°の角度を囲んでいる、請求項1に記載のRF遷移アセンブリ。
【請求項9】
前記空洞は、円セグメントに対応する断面を有している、請求項に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記空洞の断面は、180°より大きい角度を囲んでいる、請求項に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記空洞の断面は、約180°から約340°の角度を囲んでいる、請求項に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記導体の端部は、前記導体に対して概して直角な方向に延在している前記開放同軸構造の一部によって、前記空洞内で囲まれている、請求項に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記空洞の断面は、約240°の角度を囲んでいる、請求項に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記開放同軸構造は、ギャップにより前記RF基板から分離される、請求項に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、無線周波数構造に関する。とりわけ、本発明は、電子デバイスまたは光電子デバイス用パッケージ内の層間遷移を含む無線周波数構造に関する。
【背景技術】
【0002】
光電子デバイスなどの電子デバイスは、多層構造に配置される構成要素を含むアセンブリにしばしば形成される。従って、異なる高さの層に配置される電子部品を接続するための角度付き遷移を含む構造に対する必要性がある。例えば、表面実装型デバイスは、典型的に、パッケージ本体の対向する面に配置された無線周波数伝送層を接続するために、パッケージ本体を通過する電気接続を介して給電される。電気的接続は、一般的に、無線周波数伝送層と直交していてもよく、その結果、90°の角度付き遷移をもたらす。
【0003】
そのような角度付き遷移は、高性能無線周波数(RF)デバイスにとって問題であることが知られている。特に、パッケージ内に収容された回路または無線周波数伝送層への相互接続を含む角度付き遷移は、高RF性能を保証するために慎重なインピーダンス整合を必要とすることがある。
【0004】
いくつかの技術および材料が、角度付き遷移を有する構造を形成することに対して当該技術分野で知られている。セラミック材料は、無線周波数伝送層のための支持構造として使用されてもよく、この場合において電気的接続はセラミック材料を貫通する孔に配置することができる。あるいは、米国特許第784900号明細書は、光電子デバイスにおいて内部導電層と外部導電層との間の遷移を実現するために、プラスチック材料内で曲げられた導体を説明している。導体の屈曲は、無線周波数性能を低下させ得るインダクタンス寄生効果を回避する。
【0005】
角度付き遷移を形成するためのさらなるアプローチは、パッケージ本体内に取り付けられた同軸ガラスビーズを使用している。同軸ガラスビーズは、はんだ付けによって無線周波数伝送層に接続され得る中央の導電性ピンを有する絶縁ガラスシリンダを含む。このアプローチは、金属のパッケージ本体を使用することができ、しばしば良好な無線周波数性能をもたらすことができるという利点を有している。残念ながら、このアプローチは、特に、複数の回路を同時に相互接続しなければならない場合、許容誤差やプロセス制御に関連する問題に悩まされる。
【0006】
従って、当業者であれば、高性能RFデバイスでの使用に適した改善された角度付き遷移の望ましさを理解するであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第784900号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上述した問題に対処するか、または少なくとも緩和する、角度付き無線周波数遷移を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、電子デバイスのRF伝送層と、RF伝送層に電気的に接続された導体との間の無線周波数遷移を可能にするRF遷移アセンブリが提供される。導体は、RF伝送層に概して直角に延在している。アセンブリは、RF伝送層の縁部に隣接して位置する開放同軸構造を含む。開放同軸構造は、導体を受け入れるためにそれを通して延在している空洞を含む。空洞は、電磁放射をRF伝送層に向けて誘導するように、RF伝送層の縁部に面する開口を含む。任意に、開放同軸構造の少なくとも一部は、RF伝送層の平面内に延在している。
【0010】
開放同軸構造の空洞は、角度付き遷移にわたって無線周波数構造によって生成された電磁場を誘導し、それによりマイクロ波放射を通した損失を低減することができる。導体要素の界面における電気的損失も誘導効果によって低減され、それにより角度付き遷移を通したRF伝送を改善する。
【0011】
開放同軸構造の空洞によって提供される電磁場の誘導は、空洞の大きさおよび形状を変えることによって変更することができる。例えば、空洞は、円セグメントに対応する断面を有していてもよく、空洞によって囲まれる角度は、180°より大きくてもよい。別の例として、約180°から340°、任意で約240°の角度を使用することができる。
【0012】
開放同軸構造は、開放同軸構造と、RF伝送層と関連した1つ以上の接地領域との間に1つ以上の接地相互接続をさらに含むことができる。
【0013】
開放同軸構造の空洞は、電磁場の誘導を改善するために、RF伝送層に隣接した導体の端部を越えて延在してもよい。例えば、開放同軸構造の空洞は、少なくとも空洞の半径の長さだけ導体の端部を越えて延在してもよい。
【0014】
開放同軸構造は、導体層の1つ以上の接地領域とほぼ同一平面にある、導体層に隣接した1つ以上の階段状接地領域を備えていてもよい。接地相互接続がそれから、1つ以上の階段状接地領域と、導電層の1つ以上の接地領域との間で作られてもよい。
【0015】
RF遷移は、例えば電気光学変調器を含む電子デバイス用のパッケージに使用してもよい。
【0016】
本発明の別の態様によれば、パッケージ本体の一面に取り付けられたRF基板を含む電子デバイスが提供される。RF伝送層は、RF基板がRF伝送層とパッケージ本体との間に層を形成するように、RF基板上に取り付けられる。導体は、無線周波数伝送層に電気的に接続され、RF伝送層に概して直角な方向に、パッケージ本体を通して延在している。開放同軸構造は、パッケージ本体のRF伝送層の縁部に隣接した一面に取り付けられている。開放同軸構造は、導体を受け入れるためにそれを通して延在している空洞を含む。空洞は、電磁放射を無線周波数伝送層に向けて誘導するために、無線周波数伝送層の端部に面した開口を含む。
【0017】
本発明の別の態様によれば、RF伝送層の積層配置と導体との間で無線周波数遷移を可能にするRF遷移アセンブリが提供される。導体は、各RF伝送層に電気的に接続され、RF伝送層の積層配置に概して直角に延在している。開放同軸構造は、RF伝送層の積層配置に隣接して置かれ、導体を受け入れるためにそれを通して延在している空洞を含む。空洞は、電磁放射をRF伝送層の各々に向けて誘導するために、RF伝送層の縁部に面する1つ以上の開口を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明のいくつかの好ましい実施形態が、単なる例示として、添付の図面を参照して説明される。
【0019】
図1】基板に取り付けられたRF回路および同軸ガラスビーズを含む従来のRF遷移の斜視図である。
図2図1に示したRF遷移の断面図である。
図3】開放同軸構造を含むRF遷移の斜視図である。
図4】開放同軸構造が接地されているRF遷移の斜視図である。
図5】開放同軸構造が接地されているさらなるRF遷移の斜視図である。
図6】開放同軸構造を有する代わりのRF遷移の斜視図である。
図7】さらなる代わりのRF遷移の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、RF基板103内に、またはRF基板103上に取り付けられた、伝送線またはRF回路などの上部RF伝送層101が、同軸ガラスビーズ(図1には示されていない)に相互接続されている、従来技術で知られた90°無線周波数遷移100の斜視図である。RF基板103は、パッケージ本体105の上部表面上に配置され、一方で、フレキシブル回路などの外部RF伝送層107が、パッケージ本体105の下部表面上に置かれる。外部RF伝送層107からのRF信号の上部RF伝送層101への伝送を可能にするために、外部RF伝送層107およびRF回路101は、RF基板103およびパッケージ本体105を垂直に、かつ外部RF伝送層107内へ貫通する同軸ガラスビーズのピンまたは中央導体109によって電気的に接続されている。上部RF伝送層101は、90°の角度でRF遷移を形成するように、はんだ相互接続111によって中央導体109に接続されている。
【0021】
図に示すようなパッケージ本体105に関して使用される、「上部」および「下部」は、相対的な用語であることが理解されよう。使用時において、デバイスまたは装置は任意の方向に向けることができる。
【0022】
図2は、図1に示した90°RF遷移100の断面図である。同軸ガラスビーズ202は、絶縁材料から形成され、中央導体109が堅固に取り付けられる中央孔を備えた円筒体を有している。同軸ガラスビーズ202は、それ自体が、RF基板103と外部RF伝送層107との間に位置するパッケージ本体105の空隙内に固定される。パッケージ本体105において、中央導体109をパッケージ本体105から絶縁する働きをもする同軸ガラスビーズ202の本体より上および/または下に位置する追加の空隙206、208があり得る。中央導体109は、はんだ相互接続213によってRF回路に電気的に接続されている。
【0023】
図3は、例示的なRF遷移300の斜視図を示す。この配置において、開放同軸構造313は、パッケージ本体305の上面に取り付けられているRF基板303上に取り付けられたRF伝送層301に隣接して、パッケージ本体305の上面上に取り付けられている。この例において、開放同軸構造313は、パッケージ本体305の上面上に形成された層として示されている。同軸ガラスビーズ(図3には示していない)の中央導体309の上端はまた、RF伝送層301に隣接して置かれており、開放同軸構造313内に形成された空洞315内に収容されている。開放同軸構造313の空洞315は、RF伝送層301に面する開口を含み、円セグメント(circular segment)に対応する断面を有していてもよい。例えば、空洞325は、円筒形の軸に平行な平面内で円筒形を切り取ることにより形成される円筒形セグメントであってもよい。同軸ガラスビーズの中央導体309およびRF伝送層301は、リボンボンディングまたはワイヤボンディング相互接続のようなボンディング相互接続317によって相互接続されてもよく、または代わりの相互接続技術が用いられてもよい。ここで示す実施例では、中央導体309、RF伝送層301および開放同軸構造313は、パッケージ本体305の上面より上に類似の高さで延在している。
【0024】
開放同軸構造313の空洞315は、同軸ガラスビーズの中央導体309からRF伝送層301へ向かって90°の角度で電磁場を導き、それによりRF電気損失を低減することにより遷移特性を改善し、回路(およびデバイス)における電気的性能の改善をもたらす。角度付き遷移は90°の遷移に限定されず、本発明は90°より大きいか、または90°未満の角度付き遷移のためにも使用され得る。
【0025】
開放同軸構造は、導電性材料から、または導電性材料でめっきされた誘電体またはセラミックから形成されてもよい。開放同軸構造は、導体パッケージ本体と一体化することもできる。
【0026】
開放同軸構造313の空洞315は、半円筒空洞の場合のように、180°の角度を囲むことができ、空洞315は、0°より大きく360°未満の角度を囲むことができる。
【0027】
空洞315は、180°より大きな角度を囲んでいてもよく、これは電磁場を誘導するのに特に有益であることがわかっている。空洞315の最適な大きさまたは形状、または空洞315によって囲まれる最適な角度は、中央導体309の直径、開放同軸構造313が形成される材料、および特定のインピーダンスまたは必要な送信周波数などの任意のRF性能要求に依存し得る。例えば、約240°の角度は、50オームのRF遷移を形成するのに特に適していることがわかっている。
【0028】
図4は、図3の配置に対する変形例を示しており、開放同軸構造313が、基板303の上面上のRF伝送層301に隣接して置かれた1つ以上の接地領域419に電気的に接地されている。電気的な接地は、RF基板303の接地領域419と開放同軸構造313との間に延在する1つ以上の接地相互接続421によって提供される。ここに示された配置において、図3のように、空洞は180°より大きく囲み、これは接地相互接続421の長さを最小にすることによって開放同軸構造313と接地領域419との間の接地リポーティングを改善するさらなる有益な効果を有している。
【0029】
図5は、図4の配置に対する変形例を示しており、開放同軸構造313が間隙510によってRF基板303から分離されている。この例では、開放同軸構造313の空洞515は180°の角度を囲み、接地相互接続521は、ワイヤ相互接続である。
【0030】
図6は、RF遷移600のための代わりの配置を示しており、開放同軸構造613が中央導体309の上端より上に延在するように、開放同軸構造613がパッケージ本体305の上面から離れる方向に延在している。この配置において、中央導体309の端部およびRF伝送層301は、パッケージ本体305の上面より上で類似の高さにある。中央導体309に対する開放同軸構造613の延長された高さは、RF遷移に関連した電磁場の追加の誘導効果を生成する。中央導体に対する開放同軸構造613の高さhは、RF遷移の性能を向上させるために最適化されてもよく、それにより、開放同軸構造613の高さhは、開放同軸構造613内に形成された空洞615の半径rにほぼ等しいか、またはそれよりも大きい。およそh=1.1rを超える追加の高さは、比較的小さな追加の利益を有している。
【0031】
図7は、図6の配置のさらなる変形例を示しており、開放同軸構造713の上面は、基板303に隣接する1つ以上の階段状接地領域723を含み、これは開放同軸構造713の残りの部分よりも高さが低い。好ましくは、開放同軸構造713の1つ以上の階段状接地領域723は、接地相互接続521の長さを最小化し、および接地リポーティングを容易にするために、RF基板303の接地領域419に隣接して置かれるべきである。
【0032】
様々なRF遷移アセンブリが同軸ガラスビーズを使用して例示されているが、当技術分野で周知の導電性構造も使用することができる。
【0033】
本発明の様々な実施形態が上で説明されてきたが、それらは限定ではなく例として提示されたものであることを理解されたい。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることは当業者にとって明らかであろう。従って、本発明は、上述した例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。
【符号の説明】
【0034】
100 無線周波数遷移
101 上部RF伝送層
103 RF基板
105 パッケージ本体
107 外部伝送層
109 中央導体
111 はんだ相互接続
202 同軸ガラスビーズ
206 追加の空隙
208 追加の空隙
300 遷移アセンブリ
301 RF伝送層
303 RF基板
305 パッケージ本体
309 中央導体
313 開放同軸構造
315 空洞
317 相互接続
419 接地領域
421 接地相互接続
510 間隙
513 開放同軸構造
515 空洞
521 接地相互接続
600 遷移
613 開放同軸構造
615 空洞
713 開放同軸構造
723 階段状接地領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7