(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
H05K13/02 U
(21)【出願番号】P 2019033975
(22)【出願日】2019-02-27
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 克明
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-277212(JP,A)
【文献】国際公開第2013/024533(WO,A1)
【文献】特開2015-184417(JP,A)
【文献】特開2009-076617(JP,A)
【文献】特開2012-199368(JP,A)
【文献】特開2007-067140(JP,A)
【文献】実開昭63-101171(JP,U)
【文献】米国特許第04997364(US,A)
【文献】特開平10-200252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30-3/34;13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる寸法の基板を処理可能な基板処理部と、
前記基板を前記基板処理部に搬入すると共に前記基板処理部から搬出するコンベアであって、前記基板が載置される幅が最大幅から前記最大幅より短い最小幅の間で調整可能である、コンベアと、
前記基板を前記基板処理部に搬入するための搬入口であって幅方向の寸法が前記最大幅より長い搬入口と、前記基板処理部から前記基板を搬出するための搬出口であって前記幅方向の寸法が前記最大幅より長い搬出口と、を有し、前記基板処理部と前記コンベアを収容する筐体と、
前記搬入口と前記搬出口のうちの少なくとも一方の口に設けられているシャッタであって、前記コンベアの前記幅が前記最大幅と前記最小幅の間の特定幅に調整されることによって前記幅方向における前記一方の口の端辺と前記幅方向における前記コンベアの端部との間に隙間が生じる場合に、当該隙間を塞ぐ、シャッタと、
前記筐体の側面に締結され、前記シャッタの上端を支持する上支持レールと、
前記筐体の側面に締結され、前記シャッタの下端を支持する下支持レールと、
を備え、
前記シャッタは、前記上支持レールと前記下支持レールに沿って案内さ
れ、
前記上支持レール及び前記下支持レールは、前記筐体の前記側面からを取り外し可能に構成されており、
前記シャッタは、前記筐体の前記側面から前記上支持レール及び前記下支持レールを取り外して、前記筐体から取り外し可能に構成されている、
基板処理装置。
【請求項2】
前記コンベアは、前記基板の前記幅方向の一端を支持する第1支持部と、前記基板の前記幅方向の他端を支持する第2支持部と、前記第2支持部を前記第1支持部に対して移動させる駆動部と、を備え、
前記駆動部で前記第2支持部を前記第1支持部に対して移動させることで、前記第1支持部と前記第2支持部との前記幅方向の間隔が前記最大幅と前記最小幅の間で調整され、
前記シャッタは、前記幅方向に移動可能であり、
前記シャッタは、前記コンベアの前記第2支持部に連結されている、請求項1に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、複数の異なる寸法の基板を処理可能な基板処理装置ための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
引用文献1に開示されている電子部品の実装用装置は、搬送レールによって基板を実装用装置内に搬入し、電子部品が実装された基板を搬送レールによって実装用装置外に搬出する。実装用装置の筐体には、搬送レールが収容されると共に、基板が搬入される開口部と基板が搬出される開口部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、搬送レールの基板が載置される幅は固定である。例えば、複数の異なる寸法の基板を搬送する場合、基板の寸法に応じて搬送レールの幅を調整することが考えられる。ここで、開口部の幅方向の寸法は、搬送レールの最大幅に合わせて設計され、搬送レールの最大幅よりも長い。このため、例えば、搬送レールの幅が最大幅より短い幅に調整される場合に、開口部の端辺と搬送レールの端部との間に広い隙間が生じる。このような隙間が生じると、隙間から実装用装置内に異物が侵入する可能性が高くなる。
【0005】
本明細書は、最大幅より短い幅に調整可能なコンベアを備える基板処理装置において、搬入口と搬出口のうちの少なくとも一方の口の端辺とコンベアの端部との間の隙間から異物が侵入することを抑制するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する基板処理装置は、複数の異なる寸法の基板を処理可能な基板処理部と、前記基板を前記基板処理部に搬入すると共に前記基板処理部から搬出するコンベアであって、前記基板が載置される幅が最大幅から前記最大幅より短い最小幅の間で調整可能である、コンベアと、前記基板を前記基板処理部に搬入するための搬入口であって幅方向の寸法が前記最大幅より長い搬入口と、前記基板処理部から前記基板を搬出するための搬出口であって前記幅方向の寸法が前記最大幅より長い搬出口と、を有し、前記基板処理部と前記コンベアを収容する筐体と、前記搬入口と前記搬出口のうちの少なくとも一方の口に設けられているシャッタであって、前記コンベアの前記幅が前記最大幅と前記最小幅の間の特定幅に調整されることによって前記幅方向における前記一方の口の端辺と前記幅方向における前記コンベアの端部との間に隙間が生じる場合に、当該隙間を塞ぐ、シャッタと、を備えてもよい。
【0007】
なお、シャッタは、上記の隙間の全てを塞いでもよいし、上記の隙間の一部を塞いでもよい。
【0008】
このような構成によれば、コンベアの幅が特定幅に調整されることによって一方の口の端辺とコンベアの端部との間に生じる隙間がシャッタによって塞がれる。基板処理装置外の異物がシャッタに遮られ、隙間から異物が侵入することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施例に係る基板処理装置の斜視図を示す。
【
図2】第1実施例に係る基板処理装置の内部の平面図を示す。
【
図3】コンベアの幅が最大幅に調整される場合の搬出口の拡大図を示す。
【
図4】コンベアの幅が特定幅に調整される場合の搬出口の拡大図を示す。
【
図5】第2実施例に係る基板処理装置の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。
【0011】
(特徴1)コンベアは、基板の幅方向の一端を支持する第1支持部と、基板の幅方向の他端を支持する第2支持部と、第2支持部を第1支持部に対して移動させる駆動部と、を備え、駆動部で第2支持部を第1支持部に対して移動させることで、第1支持部と第2支持部との幅方向の間隔が最大幅と最小幅の間で調整され、シャッタは、幅方向に移動可能であり、シャッタは、コンベアの第2支持部に連結されていてもよい。このような構成によれば、第2支持部が移動してコンベアの幅が調整される場合に、第2支持部の移動に連動してシャッタが移動する。即ち、第2支持部の移動に伴いシャッタを自動的に移動させることができる。
【0012】
(特徴2)シャッタは、筐体から取り外し可能に構成されていてもよい。このような構成によれば、コンベアの幅を調整しない場合等のシャッタが不要な場合に、シャッタを取り外すことができる。
【0013】
(特徴3)シャッタは、ロールカーテンを有しており、ロールカーテンは、搬入口と搬出口のうちの少なくとも一方の口を塞ぐ引き出された状態と、搬入口と搬出口のうちの少なくとも一方の口を開放する巻き取られた状態と、に切り替え可能であてもよい。このような構成によれば、平板のシャッタと比較して、コンベアの幅が最大幅である場合にシャッタをコンパクトに収容することができる。
【実施例】
【0014】
(第1実施例)
(基板処理装置10の構成;
図1、
図2)
図1は、第1実施例の基板処理装置10の外観を示し、
図2は、基板処理装置10の内部を示す。なお、
図1、
図2では、基板処理装置10を簡略化して描いている。また、図中には、XYZ座標が定義されている。
【0015】
基板処理装置10は、基板200に電子部品210を実装する部品実装装置である。
図1に示すように、複数台の基板処理装置10が一方向(即ちX軸方向)に並べられる。基板200は、先頭の基板処理装置10から下工程の基板処理装置10へと順次に搬送される。順次搬送される間に、各基板処理装置10において基板200に部品が実装される。即ち、複数台の基板処理装置10によって1枚の基板200に対して複数の実装工程が実行される。なお、
図1では、2台の基板処理装置10が並べられているが、これに限らず、3台以上の基板処理装置10が並べられていてもよい。
【0016】
基板200は、X軸負方向側から基板処理装置10内に搬入され、X軸正方向側から基板処理装置10外に搬出される。このため、基板処理装置10の筐体12のX軸負方向側の側面には、基板200を基板処理装置10内に搬入するための搬入口が形成されている。
図1では、搬入口が見えないので、搬入口の図示及び符号は省略されている。また、筐体12のX軸正方向側の側面には、基板200を基板処理装置10外に搬出するための搬出口14が形成されている。
【0017】
搬出口14が形成されている筐体12の側面には、搬出口14の一部を塞ぐためのシャッタ16が取り付けられている。シャッタ16は、金属、樹脂等の材料によって作られた平板状の部材である。シャッタ16は、、シャッタ16の上端を支持する上支持レール18aとシャッタ16の下端を支持する下支持レール18bによって支持されている。上支持レール18aは、締結孔を通過する締結部材18c(例えばネジ)によって筐体12の側面に締結されている。下支持レール18bは、締結孔を通過する締結部材18dによって筐体12の側面に締結されている。なお、図中では、締結部材18c、18dの一部に符号が付されている。
【0018】
シャッタ16は、上支持レール18aと下支持レール18bに沿って案内される。即ち、シャッタ16は、上支持レール18aと下支持レール18bが延びる方向に沿って移動可能である。また、シャッタ16には、締結孔が形成されており、シャッタ16は、当該締結孔を通過する締結部材16aによって後述する第2ベルトコンベア44に締結されている。シャッタ16の詳細については、後述する。
【0019】
図2に示すように、基板処理装置10は、移動機構20と、実装ユニット24と、部品フィーダ30と、コンベア40と、表示装置50と、制御装置52と、を備える。
図2に示すように、移動機構20と実装ユニット24とコンベア40は、筐体12に収容されている。
【0020】
移動機構20は、移動ベース22をX方向及びY方向(即ち水平方向)に移動させるロボットである。移動機構20は、移動ベース22を案内するガイドレールや、移動ベース22をガイドレールに沿って移動させるアクチュエータ等によって構成される。移動機構20は、部品フィーダ30及びコンベア40の上方に配置されている。
【0021】
実装ユニット24は、電子部品210を吸着する吸着ノズル24aと、吸着ノズル24aを支持するノズル支持部24bと、を備えている。ノズル支持部24bは、移動ベース22に固定されている。ノズル支持部24bは、吸着ノズル24aを上下方向(即ちZ軸方向)に移動させるためのアクチュエータ(図示省略)を備えている。基板200の所定の位置に電子部品210を実装するには、まず、移動ベース22を移動させて、実装ユニット24を部品フィーダ30の上方まで移動させる。次に、吸着ノズル24aの下面(吸着面)が部品フィーダ30内の電子部品210に当接するまで、吸着ノズル24aを下方に移動させる。次に、吸着ノズル24aに電子部品210を吸着させ、吸着ノズル24aを上方に移動させる。次に、移動ベース22を移動させて、実装ユニット24を基板200の上方まで移動させる。次に、実装ユニット24の位置を上記の所定の位置に位置決めして、吸着ノズル24aを基板200に向かって下降させる。これにより、基板200に電子部品210が実装される。
【0022】
部品フィーダ30は、複数の電子部品210を収容している。部品フィーダ30は、実装ユニット24へ電子部品210を供給する。部品フィーダ30の具体的な構成は特に限定されない。部品フィーダ30は、例えば、巻テープ状に複数の電子部品210を収容するテープ式フィーダ、トレイ上に複数の電子部品210を収容するトレイ式フィーダ、または、容器内に複数の電子部品210をランダムに収容するバルク式フィーダのいずれであってもよい。
【0023】
コンベア40は、治具62と基板200の基板処理装置10内への搬入、治具62の治具台60への固定、基板200の治具62上への配置、及び、治具62と基板200の基板処理装置10外への搬出を実行する。治具62には、基板200の裏面を先端で支持する複数のピン62aが設けられている。
【0024】
コンベア40は、基板200が載置される幅を調整することによって、複数の異なる寸法の基板200を搬送することが可能である。具体的には、コンベア40は、基板200の幅方向(即ちY軸方向)の一端を支持する第1ベルトコンベア42と、基板200の幅方向の他端を支持する第2ベルトコンベア44と、第2ベルトコンベア44を第1ベルトコンベア42に対して移動させる駆動部46と、を備える。駆動部46で第2ベルトコンベア44を第1ベルトコンベア42に対して移動させることで、第1ベルトコンベア42と第2ベルトコンベア44との幅方向(即ちY軸方向)の間隔が調整される。例えば、第2ベルトコンベア44を破線で示すように移動させることで、基板200が載置される幅が最大幅に調整される。そして、実線で示すように、基板200が載置される幅は、最大幅から最大幅よりも短い最小幅の間で調整可能である。
【0025】
表示装置50は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示装置50は、ユーザの指示を受け付けるための操作装置(いわゆるタッチパネル)として機能してもよい。また、表示装置50のほかにキーボードなどの操作装置を備えていてもよい。
【0026】
制御装置52は、基板処理装置10内の各部を制御する装置である。制御装置52は、移動機構20、実装ユニット24、部品フィーダ30、コンベア40、表示装置50と通信可能に接続されている。制御装置52は、各部(20、24、30、40、50)を制御して、電子部品210の基板200への実装、治具62及び基板200の搬送、各種情報の表示等を実行する。
【0027】
(シャッタ16;
図3、
図4)
図3は、コンベア40の幅が最大幅L1に調整される場合の搬出口14を示す。
図3に示すように、搬出口14の幅方向(即ちY軸方向)の幅L0は、最大幅L1よりも長い。しかし、コンベア40の幅が最大幅L1である場合、コンベア40の第2ベルトコンベア44と搬出口14の第2ベルトコンベア44側に位置する端辺14a(即ちY軸正方向側の端辺)との間には僅かな隙間しかない。このため、コンベア40の幅が最大幅L1である場合に、当該隙間から基板処理装置10内に異物が混入する可能性は低い。
【0028】
一方、
図4は、コンベア40の幅が最大幅L1と最小幅との間の特定幅L2に調整される場合の搬出口を示す。
図4に示すように、コンベア40の幅が特定幅L2である場合、第2ベルトコンベア44と搬出口14の端辺14aとの間には、最大幅L1の場合よりも広い隙間が生じる。このため、例えば、シャッタ16を備えない比較例では、当該隙間から基板処理装置10内に異物が混入する可能性が高くなる。
【0029】
上記したように、シャッタ16は、第2ベルトコンベア44に連結されている。このため、特定幅L2に調整するために第2ベルトコンベア44が第1ベルトコンベア42に近づくように移動すると、第2ベルトコンベア44に連動して、シャッタ16が第1ベルトコンベア42に近づくように移動する。この結果、第2ベルトコンベア44と端辺14aとの間の隙間は、シャッタ16によって自動的に塞がれる。隙間がシャッタ16によって塞がれることによって、当該隙間から基板処理装置10内に異物が混入することを抑制することができる。
【0030】
また、シャッタ16が第2ベルトコンベア44に連結されていない比較例が想定される。本比較例において、例えば、シャッタ16を手動で移動させる構成を採用することができる。この場合でも、隙間をシャッタ16で塞ぐことによって、当該隙間から基板処理装置10内に異物が混入することを抑制することができる。しかし、ユーザがシャッタ16を移動し忘れる可能性がある。また、本比較例において、例えば、シャッタ16が第2ベルトコンベア44を駆動するための駆動部46とは別の駆動部によって移動する構成を採用することができる。この場合でも、異物混入を抑制できるとともに、ユーザの動作を排除してシャッタ16の移動し忘れも抑制することができる。しかし、駆動部46とは別の駆動部を備える必要があり、基板処理装置10が大型化する可能性がある。これに対して、本実施例の構成によれば、シャッタ16が第2ベルトコンベア44に連動して移動するので、シャッタ16の移動し忘れの抑制だけでなく、基板処理装置10の大型化も抑制することができる。なお、変形例として、上記の比較例のいずれかを採用してもよい。
【0031】
また、シャッタ16は、締結部材16aによって第2ベルトコンベア44に締結されている。さらに、シャッタ16を支持する上支持レール18aと下支持レール18bは、締結部材18c、18dによって筐体12に締結されている。このため、締結部材16a、18c、18dを取り外すことによって、シャッタ16と上支持レール18aと下支持レール18bを筐体12から取り外すことが可能である。例えば、
図1に示すように、先頭の基板処理装置10の搬出口14は、下工程の基板処理装置10で隠れて見えない。このため、先頭の基板処理装置10の搬出口14から当該基板処理装置10内に異物が侵入する可能性は低い。この場合、シャッタ16を設ける必要性が低い。本実施例の構成によれば、シャッタ16が不要な場合に、シャッタ16を取り外すことができる。
【0032】
(対応関係)
実装ユニット24、コンベア40、筐体12、シャッタ16が、それぞれ、「基板処理部」、「コンベア」、「筐体」、「シャッタ」の一例である。第1ベルトコンベア42、第2ベルトコンベア44、駆動部46が、それぞれ、「第1支持部」、「第2支持部」、「駆動部」の一例である。
【0033】
(第2実施例)
(基板処理装置100の構成;
図5)
図5は、第2実施例の基板処理装置100の外観を示す。基板処理装置100は、シャッタ116及びシャッタ116を取り付けるための各部が異なる点を除いて、第1実施例の基板処理装置10と同様である。以下では、上記の異なる点について説明する。
【0034】
シャッタ116は、布製のロールカーテン116cを有する。ロールカーテン116cは、ロールカーテン116cを巻き取るための巻き取りユニット118によって巻き取り可能である。巻き取りユニット118は、搬出口14の端辺14aが延びる方向(即ちZ軸方向)に沿って延びる円柱形状の部材であり、搬出口14の端辺14aの側に配置されている。巻き取りユニット118は、締結孔を通過する締結部材118cによって筐体12の側面に締結されている。
【0035】
ロールカーテン116cの引き出される側の端辺には、金属、樹脂等によって作られてた支持片116bが取り付けられている。支持片116bによって、布製のロールカーテン116cが曲がることを抑制する。さらに、支持片116bは、締結部材116aによって第2ベルトコンベア44に締結されている。これにより、ロールカーテン116cの引き出される側の端辺が、第2ベルトコンベア44に連結される。
【0036】
コンベア40の幅が最大幅L1に調整される場合、ロールカーテン116cは、巻き取りユニット118によって巻き取られる。一方、コンベア40の幅が最大幅L1よりも短い特定幅L2に調整される場合、ロールカーテン116cは、ロールカーテン116cが第1ベルトコンベア42に近づくように引き出される。この結果、第2ベルトコンベア44と端辺14aとの間の隙間は、ロールカーテン116cによって塞がれる。本実施例でも、第1実施例と同様に、隙間から基板処理装置100内に異物が混入することを抑制することができる。
【0037】
また、本実施例の構成によれば、コンベア40の幅が最大幅L1である場合に、ロールカーテン116cを巻き取って、不要なシャッタ116をコンパクトに収容することができる。ロールカーテン116cが、「ロールカーテン」の一例である。
【0038】
実施例で説明した基板製造システムに関する留意点を述べる。上記の各実施例では、シャッタ16(又は116)は、搬出口14に設けられている。これに限らず、シャッタ16(又は116)は、搬入口に設けられてもよいし、搬入口と搬出口の双方に設けられてもよい。一般的に言えば、「シャッタ」は、搬入口と搬出口のうちの少なくとも一方の口に設けられていればよい。
【0039】
また、上記したように、シャッタ16(又は116)は、第2ベルトコンベア44に連結してなくてもよく、例えば、手動で移動可能であってもよい。また、シャッタ16(又は116)は、取り外し不可能な態様で筐体12に取り付けられていてもよい。
【0040】
また、「基板処理装置」は、部品実装装置に限らず、基板にはんだを塗布する印刷機、部品が実装された基板を検査する検査機であってもよい。
【0041】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0042】
10:基板処理装置、12:筐体、14:搬出口、14a:端辺、16:シャッタ、16a:締結部材、18a:上支持レール、18b:下支持レール、18c:締結部材、18d:締結部材、20:移動機構、22:移動ベース、24:実装ユニット、24a:吸着ノズル、24b:ノズル支持部、30:部品フィーダ、40:コンベア、42:第1ベルトコンベア、44:第2ベルトコンベア、46:駆動部、50:表示装置、52:制御装置、60:治具台、62:治具、62a:ピン、100:基板処理装置、116:シャッタ、116a:締結部材、116b:支持片、116c:ロールカーテン、118:巻き取りユニット、118c:締結部材、200:基板、210:電子部品、L1:最大幅、L2:特定幅